JP4555063B2 - 液晶表示装置、その駆動方法及び駆動回路 - Google Patents

液晶表示装置、その駆動方法及び駆動回路 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置、その駆動方法及びその駆動回路に関し、特に高速の応答が可能で高効率な液晶表示装置、その駆動方法及びその駆動回路に関する。
マルチメディア時代の進展とともに、液晶表示装置は、プロジェクタ装置、携帯電話、ビューファインダー等に用いられている小型のものから、ノートPC、モニタ、テレビ等に用いられている大型のものまで、急速に普及が進んできている。また、ビューワ及びPDA等の電子機器、更には携帯ゲーム機及びパチンコ等の遊戯道具でも中型の液晶表示装置が必須となっている。一方で、冷蔵庫及び電子レンジ等の家電に至るまで、あらゆる所で液晶表示装置が使用されている。現在、液晶表示素子はその殆どがツイステッドネマチック(ねじれネマチック、以下、TN)型表示方式のものである。このTN型表示方式の液晶表示素子は、ネマチック液晶組成物を利用している。従来のTN型を単純マトリクス駆動すると表示品位が高くなく、また、走査線数が限られる。そこで、単純マトリクス駆動では、TN型ではなくSTN(Super Twisted Nematic)方式が主に用いられる。この方式は、TN型を用いた初期の単純マトリクス駆動方式に比べてコントラスト及び視角依存性が改良されている。しかしながら、STN方式の液晶表示装置は応答速度が遅いため、動画像表示には適していない。この単純マトリクス駆動の表示性能を改善するために、各画素にスイッチング素子を設けたアクティブマトリクス方式が開発されて広く用いられている。例えば、TN型表示方式に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を用いたTN-TFT方式が一般的に使われている。TFTを用いたアクティブマトリクス方式は、単純マトリクス駆動に比べ表示品位が高いため、現在では、TN-TFT方式が市場の主流となっている。
一方、更に一層の高画質化の要求により、視野角を改善した方法が研究開発され、実用化に至っている。その結果、現在の高性能液晶ディスプレイの主流は、TN型に補償フィルムを使用した方式、又はイン・プレーン・スイッチング(IPS:In Plane Switching)モード、又はマルチドメイン・バーティカル・アライン(MVA:Multi-domain Vertical Aligned)モードのTFT方式アクティブマトリクス液晶表示装置の3種類が主流となっている。
これらのアクティブマトリクス液晶表示装置では、通常、30Hzの画像信号を使用し、正負の書込みをするため、60Hz毎に書き換えられ、1フィールドの時間は約16.7ms(ミリ秒)である。即ち、正負双方のフィールドの合計時間は1フレームと呼ばれ、約33.3msである。これに対し、現状の液晶の応答速度は、中間調表示間の応答を考慮すると、最も速い状態でもこのフレーム時間程度である。このため、動画からなる映像信号を表示する場合、高速のコンピュータ画像(CG)を表示する場合、及び高速のゲーム画像を表示する場合には、現在のフレーム時間より早い応答速度が必要とされる。
また一方、現在、主流の画素サイズは100ppi(pixel per inch)程度であり、以下の2種類の方法で更に一層の高精細化が図られてきている。1つの方法は加工精度を上げて画素サイズを小さくする方法で、もう1つの方法は、液晶表示装置の照明光であるバックライトを赤・緑・青と時間的に切り替え、それと同期して赤・緑・青の画像を表示するフィールドシーケンシャル(時分割)カラー液晶表示装置である。この方式では、カラーフィルタを空間的に配置する必要が無いため、従来の3倍の高精細化が可能である。フィールドシーケンシャル液晶表示装置では、1フィールドの1/3の時間で1色を表示する必要があるので、表示に使用できる時間は約5ms程度となる。従って、液晶自身は、5msより早く応答することが求められる。
このような高速液晶の必要性から種々の技術が検討され、いくつかの高速表示モード技術が開発されている。これらの高速液晶技術は、大きく二つの潮流に分かれている。一つは主流となっている上述のネマチック液晶を高速化する技術であり、もう一つは自発分極を有し、高速な応答が可能な自発分極型のスメクティック液晶等を使用する技術である。第1の潮流であるネマチック液晶の高速化は、主に次のような手段によっている。(1)セルギャップを薄くし、同じ電圧で電界強度を増大すること、(2)高い電圧を印加し、電界強度を増大して状態変化を促進すること(オーバードライブ法)、(3)粘性を下げること、(4)原理的に高速と考えられるモードを使用すること等である。
このような高速化したネマチック液晶においても次のような問題が生じる。高速ネマチック液晶では、フレーム内に液晶応答がほぼ終了するために、誘電率の異方性による液晶層の容量変化が極めて大きくなる。この容量変化によって、液晶層に書き込み保持されるべき保持電圧に変化が起きる。このような保持電圧の変化、即ち、実効印加電圧の変化は、書き込み不足のため、コントラストを低下させる。また、同じ信号を書き込みつづけた場合、保持電圧が変化しなくなるまで輝度が変化を続け、安定した輝度を得るのに数フレームを要してしまう。
このような数フレームを要する応答を防ぐには、印加する信号電圧と得られる透過率間に1対1の対応がとれていることが必要である。アクティブマトリクス駆動では液晶応答後の透過率は、印加した信号電圧ではなく、液晶応答後の液晶容量に蓄えられた電荷量によって決まる。アクティブ駆動では、保持された電荷で液晶を応答させる定電荷駆動であるためである。アクティブ素子から供給される電荷量は、微小なリーク等を無視すると、所定の信号書き込み以前の蓄積電荷と新規に書き込んだ書き込み電荷によって決定される。また、液晶が応答した後の蓄積電荷は、液晶の物性定数及び電気的パラメータ及び蓄積容量等の画素設計値によっても変化する。このため、信号電圧と透過率の対応をとるには、(1)信号電圧と書き込み電荷の対応、(2)書き込み以前の蓄積電荷、(3)応答後の蓄積電荷の計算を行うための情報と実際の計算等が必要となる。この結果、(2)を全画面に渡って記憶するためのフレームメモリと、(1)及び(3)の計算部が必要となる。
一方、前述のフレームメモリや計算部を用いないで、1対1の対応をとる方法として、新規データ書き込みの前に所定の液晶状態に揃えるようなリセット電圧を印加するリセットパルス法が、しばしば用いられる。一例として、アイ・ディー・アール・シー1997のL−66頁乃至L−69頁(非特許文献1)に記載の技術について説明する。この非特許文献1では、ネマチック液晶の配向をパイ型の配向とし補償フィルムを付加したOCB(オプティカリ・コンペンセイテッド・バイリフリジェンス、又はオプティカリ・コンペンセイテッド・ベンド)モードを使用している。この液晶モードの応答速度は約2ミリ秒から5ミリ秒とされ、従来のTNモードより格段に速い。その結果、本来1フレーム内で応答が終了するはずであるが、前述のように、液晶の応答による誘電率の変化により保持電圧の大幅な低下が起こり安定な透過率が得られるまで数フレームを要する。そこで、1フレーム内で白表示の書込み後、必ず黒表示を書き込む方法が前記非特許文献1の第5図に示されている。この図を図44として引用する。図44において、横軸は時間であり、縦軸は輝度である。点線が通常の駆動の場合の輝度変化であり、3フレーム目で安定な輝度に到達している。このリセットパルス法によれば、新規データ書き込み時には必ず所定の状態となっているため、書き込んだ一定信号電圧に対し一定透過率という1対1の対応が見られる。この1対1対応により、駆動用の信号の発生は非常に簡便となると同時に、前回の書き込み情報を記憶しておくフレームメモリ等の手段が不要になる。
ここで、アクティブマトリクス型液晶表示装置の画素の構成をまとめておく。図41は、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の1画素分の画素回路の例を示したものである。同図に示すように、アクティブマトリクス型液晶表示装置の画素は、ゲート電極が走査線(又は走査信号電極)901に接続され、ソース電極及びドレイン電極のいずれか一方が信号線(又は映像信号電極)902に接続され、ソース電極及びドレイン電極のいずれか他方が画素電極903に接続されたMOS型トランジスタ(Qn)(以下トランジスタ(Qn)と記す)904と、その画素電極903と蓄積容量電極905との間に形成された蓄積容量906と、画素電極903と対向電極(又は共通電極)Vcom907との間に挟まれた液晶908とで構成されている。
現在、液晶表示装置の大きな応用市場を形成しているノート型パーソナルコンピュータ(ノート型PC)では、通常、トランジスタ(Qn)904として、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(以下、a−SiTFTと記す。)又はポリシリコン薄膜トランジスタ(以下、p-SiTFTと記す。)が用いられ、また、液晶材料としては、TN液晶が用いられている。図42は、TN液晶の等価回路を示したものである。図に示すように、TN液晶の等価回路は、液晶の容量成分C3(その静電容量Cpix)と、抵抗R1(その抵抗値Rr)及び容量C1(その静電容量Cr)とを並列に接続した回路で表すことができる。この等価回路で、抵抗値Rr及び静電容量Crは液晶の応答時定数を決定する成分である。
このようなTN液晶を、図41に示した画素回路により駆動した場合の走査線電圧Vg、信号線電圧(又は映像信号電圧)Vd、画素電極903の電圧(以下、画素電圧と記す。)Vpixのタイミングチャートを図43に示す。図43に示すように、走査線電圧Vgが水平走査の期間、ハイレベルVgHとなることによって、n型MOSトランジスタ(Qn)904はオン状態となり、信号線902に入力されている信号線電圧Vdがトランジスタ(Qn)904を経由して画素電極903に転送される。TN液晶は、通常、電圧無印加時に光が透過するモード、いわゆるノーマリー・ホワイトモードで動作する。
ここでは、信号線電圧Vdとして、TN液晶を通した光透過率が高くなる電圧を数フィールドにわたって印加している。水平走査期間が終了し、走査線電圧Vgがローレベルとなると、トランジスタ(Qn)904はオフ状態となり、画素電極903に転送された信号線電圧は蓄積容量906及び液晶の容量Cpixにより保持される。この際、画素電圧Vpixは、トランジスタ(Qn)904がオフ状態になる時刻において、トランジスタ(Qn)904のゲート−ソース間容量を経由してフィードスルー電圧と呼ばれる電圧シフトを起こす。この電圧シフトは、図43には、Vf1、Vf2、Vf3で示されており、この電圧シフトVf1〜Vf3の量は、蓄積容量906の値を大きく設計することにより小さくすることができる。
画素電圧Vpixは、次のフィールド期間において、再び走査線電圧Vgがハイレベルとなり、トランジスタ(Qn)904が選択されるまで保持される。保持された画素電圧Vpixに応じて、TN液晶がスイッチングし、光透過率T1で示したように、液晶の透過光は暗い状態から明るい状態へ遷移する。この際、図43に示すように、保持期間において、画素電圧Vpixは、各フィールドで、夫々△V1、△V2、△V3だけ変動する。これは、液晶の応答に従って、液晶の容量が変化することに起因している。通常、この変動をできるだけ小さくなるように、蓄積容量906を画素容量Cpixに対し、2〜3倍以上の大きな値で設計される。以上説明したようにして、図41に示した画素回路によってTN液晶を駆動することができる。
さて、オーバードライブ法とリセット法を混合したような効果を有する技術として、特表2001−506376号公報(特許文献1)に示されるコモン電圧(共通電極電圧(又は対向電極電圧))を変調する技術がある。この特許文献1の図2Cを図45として引用する。本技術では、通常、画素電極と対向して配置される共通電極の電圧であるコモン電圧を変調する。図45において、上の図はコモン電圧(VCG)の時間的な変化を示し、下の図は液晶応答による光透過率(I)の変化の時間的な変化を示している。即ち、電圧波形151は共通電極に印加される電圧波形、光強度波形152は波形151と対応した時間における対応する光強度波形、また、線分153から156は画素光強度曲線である。この技術以前の技術では、コモン電圧は一定値に保たれる駆動をするか、図45のt0からt2及びt2からt4の各期間を1フレーム周期とする一定周期で二つの電圧値間を変化するコモン反転駆動を行っていた。本特許文献1では、1フレーム周期の中が2分され、t1からt2及びt3からt4の各期間は、従来のコモン反転駆動とほぼ同じ振幅の電圧が印加される。一方、1フレーム周期中のt0からt1及びt2からt3の各期間は、コモン反転の振幅より高い電圧、例えば、コモン反転の振幅より黒表示時の電圧分だけ高い電圧が印加される。この技術では、共通電極に高い電圧が印加されたt0からt1の期間に、画素電極と共通電極の電圧差が大きくなる効果により、表示領域全体を高速に黒表示に変えることができる。即ち、リセット駆動に相当する駆動が行われる。更に、このt0からt1の期間中に、画素電極側に画像データを書き込んでも、共通電極との電位差は十分に大きい(例えば、黒表示電圧以上)ため、表示上は観察されない。表示領域全体に画像データの書き込みを終えた後にt1のタイミングで共通電極の電圧をコモン反転の振幅に戻す。この結果、液晶層は、画素電極にメモリされた電圧にしたがって、各階調レベルに応じた透過率へと応答を開始する。即ち、応答開始持には、常に高電圧差の状態から各階調電圧値に応じた電圧差に変化する。この点で、t0からt1の期間に、一種のオーバードライブをしていることになる。
ここで、液晶の応答時間は一般に次の二つの式で与えられることに着目する(培風館「液晶辞典」日本学術振興会 情報科学用有機材料第142委員会 液晶部会 編、24頁(非特許文献2)参照)。即ち、しきい値電圧より高い電圧を印加し、ON状態にする立ち上がり応答(オン時応答)では、下記数式1が成立する。
Figure 0004555063
一方、しきい値以上の印加されていた電圧を急に0にする立下り応答(オフ時応答)では、下記数式2が成立する。
Figure 0004555063
ここで、dは液晶層の厚み、ηは回転粘度、Δεは誘電異方性、Vは各階調レベルに応じた印加電圧、Vcはしきい値電圧、Kはフランクの弾性定数による定数であり、TNモードでは下記数式3で与えられる。
Figure 0004555063
ここで、K11は広がりの弾性定数、K22はねじれの弾性定数、K33は曲がりの弾性定数である。数式1から分かるように、立ち上がり応答(オン時応答)では、液晶の応答時間は、印加する電圧の大きさの2乗の逆数で依存する。即ち、階調レベル毎に異なる電圧値に応じ2乗の逆数で依存する。そのため、階調レベルによって応答時間が大きく異なり、10倍の電圧差がある場合、100倍の応答時間の違いが生じる。一方、立下り応答(オフ時応答)でも階調レベルによる応答時間の違いは存在するが、それは2倍程度の範囲に収まるものである。
さて、上記非特許文献2の技術に着目すると、立ち上がり応答(オン時応答)時には非常に高い電圧を印加するオーバードライブ効果によって高速化する。また、実際の画像表示に使用する応答は、全て立ち下がり応答(オフ時応答)となるため、階調レベルに対する依存性が極めて小さい。その結果、全階調に渡って、ほぼ同等の応答時間が得られる。
特表2001−506376号公報 アイ・ディー・アール・シー1997、H. Nakamura, K. Miwa and K. Sueoka、L−66乃至L−69頁 培風館「液晶辞典」日本学術振興会 情報科学用有機材料第142委員会 液晶部会 編、24頁
しかしながら、上述の液晶表示装置、即ち、オーバードライブによる表示装置、リセット駆動による表示装置、及び特許文献1等の文献に開示されたディスプレイ装置等にはいくつかの問題がある。
第1の問題点は、オーバードライブ方式では、液晶の立ち上がり応答(オン時応答)速度を高速化できるが、それでも応答速度は材料上の制約から数十ミリ秒から十数ミリ秒程度までである。また、後述するように、立下り応答(オフ時応答)速度に関しては、あまり高速化できない。
これは、以下のように説明できる。液晶素子自身の応答速度を改善するためには、数式1及び数式2から分かるように、
(1)液晶層の厚さdを薄くする、
(2)粘度ηを小さくする、
(3)誘電異方性Δεを大きくする(立ち上がり応答(オン時応答)のみ)
(4)印加電圧を大きくする(立ち上がり応答(オン時応答)のみ)
(5)弾性定数のうちK11とK33を小さくし、K22を大きくする(立ち下がり応答(オフ時応答)のみ)
等の工夫が有効である。しかしながら、(1)の液晶層の厚さは、十分な光学的効果を得るために屈折率異方性Δnと一定の関係の範囲内でしか変えられない。また、(2)、(3)、(5)の粘度、誘電異方性、弾性定数も全て物性値であるため、材料に大きく依存し、一定条件以上にすることは困難である。更に、各物性値単体のみを大きく変化させることは極めて困難であり、数式から想定される高速化の効果を実現するのは困難である。例えば、K11とK22とK33は独立な弾性定数であるが、実際の材料の測定結果によると、K11:K22:K33=10:5:14という関係がほぼ成立し、必ずしも独立な定数として扱えない。即ち、この関係と数式3から、例えばK=11・K22/5となり、K22のみが独立となる。このため、若干の調節は可能であるが、数割を超える改善は困難である。一方、(4)の印加電圧値を大きくする方法も、消費電力の観点及び高電圧用駆動回路が高コストである観点から、大きな制約を受ける。同時に表示装置内に薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を設けて駆動する場合、その素子の耐圧によって制約を受ける。このように、従来のオーバードライブ等の工夫によって、応答速度を高速化することには原理的に大きな限界が存在する。
第2の問題点は、オーバードライブ方式では、立ち上がり応答(オン時応答)を高速化できるが、立下り応答(オフ時応答)はほとんど高速化できない点である。これは、数式1と数式2から明らかなように、立上がり応答(オン時応答)は電位差に依存して応答時間が変化するが、立下がり応答(オフ時応答)は電位差に依存しないためである。即ち、立上がり応答(オン時応答)は電位差を増すことによって高速化できるが、立下がり応答(オフ時応答)は電位差では高速化できない。その結果、従来のオーバードライブ方式では、高速化されない立下がり応答(オフ時応答)が系全体の応答速度を支配的に決定するようになる。
第3の問題点は、従来のオーバードライブ方式では、オーバードライブに必要な電圧が高いことである。映像信号は表示装置内では高周波の信号であり、この映像信号の電圧を増すオーバードライブ方式では、電圧値と周波数から決定される消費電力の増大が著しかった。また、高周波・高電圧の信号を生成する必要があるために、従来と同じ駆動IC及び信号処理系を使うことが困難で、特殊なプロセスを用いたIC又は高価なICを使用する必要がしばしば生じていた。
第4の問題点は、リセット方式において、画素スイッチを介してリセット信号を印加する方式は、駆動系の構造が複雑になると共に、消費電力が増大することである。即ち、映像信号を書き込む走査とは、走査期間や走査方法が異なる走査線の駆動が必要となることである。画素スイッチをリセットする場合には、しばしば、順次走査ではなく、全走査線を一括してリセットする方法が用いられ、走査系に、全面一括で信号を送り込む構造が必要となる。また、映像信号の書込み時以外に、リセット信号の書込み時にも走査線の駆動が生じることは、表示装置の中で最も電圧振幅が高い走査線用の信号の周波数が増大することに相当し、消費電力が増大してしまう。これらの点から、画素スイッチを介してのリセットは行わないことが望まれる。
第5の問題点は、リセット方式においてリセットの過不足によって表示状態が大きく変化することである。この問題点は、オーバードライブ方式とリセット方式を混合したような特許文献1に記載の方法にも共通して当てはまる。
先ず、リセットが過剰であると、リセット後の液晶の光学応答の始まりが遅かったり、正常な光学応答が始まる前に異常な光学応答が観察されたりすることである。その理由は、リセットにより実現された所定の配向状態から通常の応答に移行する時点で、応答時に動作する方向が明確でなく、不均一・不安定な応答をするためである。異常な光学応答の一例を、図13に示す。この図13に示すように、リセットが過剰となると、光学応答の遅延及び表示異常(例えば、透過率の一時的な上昇等)が生じてしまう。
一方、リセットが不足すると、リセット方式において複数回同じデータを書き込んでも同じ透過率が得られないことがある。リセットが不十分な場合、リセット時に完全に所定の配向状態になることがないため、リセット後の応答は前のフレームの履歴に応じた透過率を示してしまう。その結果、印加電圧と透過率の間に1対1の対応が見られなくなる。そのために、所望の階調が得られなくなったり、同じ階調を表示していても輝度が大きく変化したりする。この輝度の変化は、例えば、正の信号電圧を印加したときと、負の信号電圧を印加したときとの輝度の違い、即ち、フリッカ(ちらつき)となることがある。
第6の問題点は、広範囲の温度で安定した表示を得ることが困難なことである。その理由は、液晶の粘度ηは温度に対する依存性が大きく、その結果、その応答速度も温度に対する依存性が大きいためである。特に、リセット方式並びに特許文献1に記載の方法では、温度が変化すると、上述のリセットの過不足が顕著に生じてしまう。この結果、低温では、応答速度が遅くなるために、例えば輝度の大幅な低下が生じる。一方、高温では、例えば、中間調の応答が高速となり全体的に輝度が上昇し白表示と近くなるために、表示全体が白っぽくなる等の現象が生じる。また、低温では、リセットが不足するため、上述の印加電圧と透過率との間の対応がとれなくなる問題が生じ、所望の階調が得られなかったり、フリッカが発生したりする。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、表示性能の向上、応答速度の高速化、温度依存性の改善及び信頼性の向上を可能とする液晶表示装置、その駆動方法及び駆動回路を提供することを目的とする。
本発明の目的は、具体的には、高速な応答を可能とし、光利用効率が高く、低消費電力で動作可能であり、1フレーム内に画像を安定でき、履歴の影響による画像の劣化がなく、動画表示において動画ボケが生じず、鮮明な動画表示が可能な液晶表示装置、その駆動方法及び駆動回路を提供することにある。
また、本発明の具体的な他の目的は、リセット駆動等から引き起こされる液晶応答の不均一さ及び不安定さを排除し、環境温度が変化しても表示の変化が少ない良好な表示が可能で、信頼性が高く、駆動用のIC、信号処理回路への要求性能を高くすることなく、コストを低減できる液晶表示装置、その駆動方法及び駆動回路を提供することにある。例えば、本発明の目的は、フリッカ等を排除し、また、滑らかな階調変化を実現し、且つ、環境の変化に対する信頼性を高め、表示システム全体のコストを低減することにある。
更に、本発明の具体的な他の目的は、通常のフレーム周波数(例えば60Hz)より速い周波数(例えば、70Hz、80Hz、200Hz)、又は、通常のフレーム周波数の整数倍の周波数(例えば、120Hz、180Hz、360Hz)でデータ書き込みを行うことが可能な高速の液晶表示装置を提供することにある。
更にまた、本発明の具体的な他の目的は、表示画像をいくつかの色の画像に分割し、その各色の色画像を時間的に順次表示し、且つ、その色画像に同期して色画像と同色の光源を点灯するフィールドシーケンシャルカラー表示が可能な液晶表示装置を提供すること、特に、TN型液晶表示モードでフィールドシーケンシャル駆動が可能な液晶表示装置を提供すること、更に、透過型でもTN型液晶表示モードでフィールドシーケンシャル駆動可能な液晶表示装置を提供すること、更にまた、TN型液晶表示モード以外の各種の液晶表示モードにおいてフィールドシーケンシャル駆動が可能な液晶表示装置を提供することにあり、これらを高い光利用効率で提供することにある。
本願第1発明の液晶表示装置は、図1及び図4のように、共通電極電位制御回路(203)と同期回路(204)とを備え、前記共通電極電位制御回路(203)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の全てを走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、共通電極(215)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極(215)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極(215)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なる。
また、本願第2発明の液晶表示装置は、図2及び図5のように、蓄積容量電極電位制御回路(205)と同期回路(204)とを備え、前記蓄積容量電極電位制御回路(205)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の全てを走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、蓄積容量電極(216)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極(216)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極(216)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なる。
更に、本願第3発明の液晶表示装置は、図3及び図6のように、共通電極電位制御回路(203)と蓄積容量電極電位制御回路(205)と同期回路(204)を備え、前記共通電極電位制御回路(203)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の全てを走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、共通電極(215)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極電位制御回路(205)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の全てを走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、蓄積容量電極(216)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極(215)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極(200)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なり、前記蓄積容量電極(216)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極(216)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なる。
また、本願第4発明の液晶表示装置は、図1及び図4のように、共通電極電位制御回路(203)と同期回路(204)と互いに電気的に分離された複数の共通電極(215)を備え、前記共通電極電位制御回路(203)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の一部を走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記共通電極(215)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極(215)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極(215)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なる。
また、本願第5発明の液晶表示装置は、図2及び図5のように、蓄積容量電極電位制御回路(205)と同期回路(204)と互いに電気的に分離された複数の蓄積容量電極(216)を備え、前記蓄積容量電極電位制御回路(205)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の一部を走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記蓄積容量電極(216)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極(216)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極(216)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なる。
更に、本願第6発明の液晶表示装置は、図3及び図6のように、共通電極電位制御回路(203)と蓄積容量電極電位制御回路(205)と同期回路(204)と互いに電気的に分離された複数の共通電極(215)と互いに電気的に分離された複数の蓄積容量電極(216)を備え、前記共通電極電位制御回路(203)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の一部を走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記共通電極(215)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極電位制御回路(205)は、走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の一部を走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記蓄積容量電極(216)の電位を表示部(200)の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極(215)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極(215)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なり、前記蓄積容量電極(216)の電位は表示部(200)の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極(216)の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なる。
本発明の表示装置では、前記の表示装置において、前記共通電極(215)の電位が、少なくとも3つの電位間で、より好ましくは4つ以上の電位間で変化する。また、前記蓄積容量電極(216)の電位が、少なくとも3つの電位間で、より好ましくは4つ以上の電位間で変化する。
また、本発明の表示装置では、前記の表示装置において、前記パルス状に変化させる共通電極(215)の電位もしくは前記蓄積容量電極(216)の電位は、前記画素電極(214)と前記共通電極(215)もしくは前記蓄積容量電極(216)との電位差を一時的に大きくする方向にパルス状に変化させる。
また、本発明の表示装置では、前記の表示装置において、前記映像信号の電位が電荷保持型駆動時の表示部(200)の応答特性を考慮しスタティック駆動における安定表示状態の映像信号の電位と異なっている。
更に、本発明の表示装置では、前記の表示装置において、前記映像信号の電位は、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、新たに表示するべき表示データを比較することによって決定される。
また、本発明の表示装置では、前記の表示装置において、前記表示部(200)の前記画素電極(214)と前記共通電極(215)間に電界応答型物質が狭持されている。また、その電界応答型物質が液晶物質からなる。
また、本発明の表示装置では、前記液晶物質がネマチック液晶であり、ねじれネマチック配向となっている。
更に、該ネマチック液晶のねじれピッチp(μm)と該ネマチック液晶層の平均的厚みd(ミクロン)との間に、0<p/d<20の関係が成立する。より好ましくは、該ねじれネマチッ液晶のねじれピッチp(μm)と該ねじれネマチック液晶物質層の平均的厚みd(ミクロン)との間に、0<p/d<8の関係が成立する。
また、本発明の液晶表示装置では、該ねじれネマチック液晶物質が連続的にねじれた構造に高分子安定化されている。
また、本発明の液晶表示装置では、液晶物質が電圧制御複屈折モードで使用される。
また、本発明の液晶表示装置では、液晶物質がパイ型配向(ベンド型配向)である。好ましくは、光学補償板が付与され、OCB(オプティカル・コンペンセイティッド・バイリフリジェンス、又はオプティカリ・コンペンセイテッド・ベンド)モードで使用される。
また、本発明の液晶表示装置では、液晶物質がホメオトロピック配向したVA(ヴァーティカル・アライメント)モードで使用される。好ましくは、マルチドメイン化等によって、広視野角が図られている。
また、本発明の液晶表示装置では、液晶物質が基板面と平行な電界によって応答するIPS(イン・プレーン・スイッチング)モードで使用される。
更に、本発明の液晶表示装置では、液晶物質がFFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モードもしくはAFFS(アドヴァンスト・フリンジ・フィールド・スイッチング)モードで使用される。
本発明の表示装置では、液晶物質が強誘電性液晶物質、反強誘電性液晶物質、又はエレクトロクリニック型応答を示す液晶物質である。
また、本発明の表示装置では、液晶物質がコレステリック液晶物質である。
更に、本発明の表示装置では、上記の液晶物質が電圧無印加又は低電圧印加の構造に高分子安定化されている。
本発明の表示装置では、レンチキュラーレンズシート若しくはレンチキュラーフィルム又は両面プリズムシートを用い、並列した画素の夫々に片目用映像信号、即ち、右目用及び左目用を別々に表示し、立体表示を行う。好ましくは、バックライトに2箇所から光を時間的に交互に入れることによりスキャンバックライトを形成し、これと同期して、映像信号を時間的に右目用映像信号、左目用映像信号と通常の倍以上の周波数で切り替える立体表示を行う。
また、本発明の表示装置では、映像信号を複数の色に対応した複数の色映像信号に分割し、該複数の色に対応した光源と、光源を所定の位相差で該複数の色映像信号に同期し該複数の色映像信号を時間的に順次表示する。
更に、本発明の表示装置では、映像信号が右目用映像信号と左目用映像信号からなり、且つ、各々の片目用映像信号を複数の色に対応した複数の色映像信号に分割し、該複数の色に対応し、且つ、2箇所に配された光源と、該光源を所定の位相差で該片目用映像信号に同期し、且つ、該複数の色映像信号に同期し、該片目用映像信号を時間的に順次表示すると共に、該片目用映像信号は分割された複数の色映像信号として時間的に順次表示される。
本発明の表示装置では、画素スイッチがアモルファスシリコン薄膜トランジスタ、ポリシリコン薄膜トランジスタ、又はSOI(シリコン・オン・インシュレータ)を含む単結晶シリコン薄膜トランジスタ等で形成される。
また、本発明の表示装置では、前記映像信号が所定のタイミングで極性が反転されると共に、複数の電位間を変化する前記共通電極の電位のうち印加される期間が他の電位に比べ長い一つ乃至二つの電位が、前記映像信号として印加される全ての電位の内の最大電位と最小電位の中間の電位にほぼ等しい。
また、本発明の表示装置では、前記映像信号が所定のタイミングで極性が反転されると共に、複数の電位間を変化する前記共通電極の電位のうち印加される期間が他の電位に比べ長い一つ乃至二つの電位が、前記映像信号として印加することのできる全ての電位の内の最大電位と最小電位の一方にほぼ等しい。
更に、本発明の表示装置では、前記走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の初めの走査電極を走査し始める直前の前記共通電極電位と、前記走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の全てを走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の前記共通電極電位とが、等しい電位である。
更に、本発明の表示装置では、前記走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の初めの走査電極を走査し始める直前の前記共通電極電位と、前記走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)の全てを走査し映像信号を画素電極(214)に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の前記共通電極電位とが、異なる電位である。
本発明の表示装置の駆動方法では、共通電極電位が4個の電位からなり、第1の電位は、反転される映像信号の一方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)を走査する期間の共通電極電位であり、第2の電位は、第1の電位に続いて共通電極(215)の電位をパルス状に変化させる時のパルス高さ部の電位であり、第3の電位は、第2の電位に続いて共通電極(215)の電位をパルス状に変化させる時のパルス終了後の電位であると共に反転される映像信号の他方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)を走査する期間の共通電極電位であり、第4の電位は、第3の電位に続いて共通電極(215)の電位をパルス状に変化させる時のパルス高さ部の電位である。
また、本発明の表示装置の駆動方法では、共通電極電位が6個の電位からなり、第1の電位は、反転される映像信号の一方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)を走査する期間の共通電極電位であり、第2の電位は、第1の電位に続いて共通電極(215)の電位をパルス状に変化させる時のパルス高さ部の電位であり、第3の電位は、第2の電位に続いて共通電極(215)の電位をパルス状に変化させる時のパルス終了後の電位であり、第4の電位は、反転される映像信号の他方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路(202)が走査電極(212)を走査する期間の共通電極電位であり、第5の電位は、第4の電位に続いて共通電極(215)の電位をパルス状に変化させる時のパルス高さ部の電位であり、第6の電位は、第5の電位に続いて共通電極(215)の電位をパルス状に変化させる時のパルス終了後の電位である。
本発明の表示装置では、表示部に光を入射する光照射部を有し、且つ、該光照射部の光強度を前記映像信号と所定の位相を持って同期させて変調させる同期回路を有する。
また、本発明の表示装置では、表示部に光を入射する光照射部を有し、且つ、該光照射部の光の色を前記映像信号と所定の位相を持って同期させて変化させる同期回路を有する。
本発明の表示装置の駆動方法では、光照射部の光強度を変調するか、光の色を変化させる、タイミングが各フィールドもしくは複数の色に分割される場合はその色に対応した各サブフィールドの終了時、すなわち、次のフィールドの映像信号を書き込む直前に位置する。
本発明の表示装置では、前記映像信号の電位は、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、前記パルス状に変化させる前記共通電極(215)の電位もしくは前記パルス状に変化させる前記蓄積容量電極(216)の電位もしくはその両方の電位の変化に伴う画素電極電位の変動と、新たに表示すべき表示データとを比較することによって決定される。更に、データ信号の極性反転等に伴う容量結合による画素電極電位の変動も考慮し、新たに表示すべきデータを決定する。
本発明の表示装置では、前記データ並びに電位の変動の比較を逐次比較によって行う。又は、本発明の表示装置では、前記データ並びに電位の変動の比較を予め用意したLUT(ルックアップテーブル、対応表)によって行う。
本発明の表示装置では、前記映像信号の前記共通電極に対する極性、及び表示する色信号の種類に応じて、前記データ及び電位の変動の比較を予め用意したLUT(ルックアップテーブル、対応表)によって行う。
本発明の表示装置では、前記映像信号とその映像信号から得られる階調輝度との対応を定めたLUT(ルックアップテーブル、対応表)を使用する。このLUTは、前記映像信号の極性及び表示する色信号の種類に応じて異なる。
走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し映像信号を画素電極に伝達した後に、共通電極の電位もしくは蓄積容量電極の電位もしくはその両方をパルス状に変化させることによって、映像信号伝達後に画素電極と共通電極間の電位差は、パルス状に変化させる前、パルス状に変化されるパルス高さ部、パルス状の変化が終わった後、の各々の期間で異なる電位差となる(但し、パルス状に変化させる前と、パルス状の変化が終わった後の電位差は同じとなることもある)。この結果、各期間における表示物質の状態変化や応答速度を調整することが可能である。これによって、応答速度を速くすることが可能であり、また、必要に応じて、応答速度を遅くすることも可能である。特に、画素電極と共通電極との間の電位差を一時的に大きくすることは、応答速度を速くすることに極めて有効に作用する。
また、電気的に分離された共通電極もしくは蓄積容量電極もしくはその両方を有することによって、表示部の一部のみをパルス状に変化させることができる。その結果、表示部内の任意の形状の領域を任意の順序にパルス状に変化することができ、領域毎に応答の様子を変化させることができる。
また、共通電極の電位もしくは蓄積容量電極の電位もしくはその両方の電位をパルス状に変化させる際に、リセットさせない電位に設定することによって、次のような作用が生じる。一般にリセットでは、所定の一状態に揃える。その結果、その所定状態から他の状態に遷移させる場合に、しばしば遅延が生じる。リセットさせない電位に設定することにより、遅延の発生を防ぐことが出来、より高速化が可能となる。
リセット状態からの遷移で発生する遅延には、2種類の遅延がある。一つ目の遅延は、リセット状態から他の状態に遷移する際に、表示物質が物質自身の揺らぎ等により、どの方向に応答すべきかが即座に決定されないために生じる遅延である。この遅延では、光の透過・反射等の光学状態はリセット状態とほぼ同じ状態で停滞し、光学状態の変化が生じ始めるまでの間に時間遅延がある。二つ目の遅延は、リセット状態から他の状態に遷移する際に、表示物質が目的とする方向以外の方向、例えば逆方向に、一時的に応答するために生じる遅延である。この遅延では、光の透過・反射等の光学状態はリセット状態と異なるが、所望の制御状態とは異なる状態を発生する。この異なる方向の応答から所望の方向へ応答するには、第1の遅延より更に長い時間遅延がある。また、より頻繁に生じる現象として、第2の遅延が生じる系では、第1の遅延も同時に生じており、更に遅延時間が長くなっている。
リセットをさせない電位に設定することにより、これら二つの遅延並びにその複合遅延から開放され、本来期待される応答速度が実現できる。
更に、リセットをさせない結果、リセットの過不足に対する表示の依存性がなくなる。そのため、広い温度範囲にわたって、安定した表示が得られるようになる。
パルス状に変化させる共通電極電位もしくは前記蓄積容量電極電位を、画素電極と共通電極もしくは前記蓄積容量電極との電位差を一時的に大きくする方向にパルス状に変化させることによって、映像信号を操作することなくオーバードライブ(フィードフォワード)効果が得られる。本発明では、従来の映像信号を操作するオーバードライブと異なり、電気的に接続された領域すべてに同時にオーバードライブ効果を与えることが可能である。
更に、映像信号自身にもオーバードライブを行うことによって、上記の効果と併せて2段階の高速化が可能となる。このオーバードライブは、従来のオーバードライブと異なりオーバードライブ単体で高速化する必要が無いために、比較的小さな電圧を付加するだけで済む。
一方で、立下り応答(オフ時応答)は上記方法だけでは高速化できない。そこで、ねじれネマチック液晶では、ねじれピッチpをp/d<8とすることによって、ねじれ状態に戻るトルクを増大する。また、ねじれネマチックを含む全ての液晶表示モードでは、高分子安定化等による電圧無印加時に戻るトルクを増大する。これによって、立下り応答(オフ時応答)が高速化される。
さて、本発明の高速化と従来の手法との比較をするために、応答時間の違いを原理的に比較する。この比較では、ねじれネマチック液晶表示装置を対象とする。応答時間としては、背景技術の立上がり応答(オン時応答)並びに立下がり応答(オフ時応答)に相当する二つの応答時間を検討する。図33に、ノーマリーホワイト表示のねじれネマチック液晶におけるオン時応答とオフ時応答の決定の方法の概略を示す。図33は、横軸を各階調レベル、縦軸を輝度としたグラフであり、(a)は立上がり応答(オン時応答)、(b)は立下がり応答(オフ時応答)を示す。図33(a)を参照すると、立ち上がり応答は、輝度がもっとも高い階調から、各階調レベルへと遷移する場合の応答時間を、オン時応答と定義する。また、図33(b)を参照すると、立下り応答は、輝度がもっと低い階調から、各階調レベルへと遷移する場合の応答時間を、オフ時応答と定義する。ノーマリーホワイト表示以外のねじれネマチック液晶や他の液晶表示モードでは、輝度の高低が逆になることがある。さて、駆動方法等が異なる4種類のねじれネマチック液晶表示装置に対し、各々のオン時応答、オフ時応答を、横軸を各階調レベル、縦軸を応答時間として図に模式的に示す。以下、図に示す表示装置は、(1)通常の駆動による液晶表示装置(図34)、(2)オーバードライブ(フィードフォワード駆動)による液晶表示装置(図35)、(3)前記の特表2001−506376号公報の方法、すなわち、オーバードライブとリセットを足したような駆動による液晶表示装置(図36)、(4)本発明による液晶表示装置(図37)である。
図34の通常の駆動では、オン時応答(破線)は高電圧印加時には高速であるが、低電圧印加時には極めて遅い。これは、式(1)にほぼ従う応答である。また、オフ時応答(実線)はほぼ全ての電圧範囲にわたって同じ時間である(実際は、電圧値によって変動があるが、大きくても2倍程度の範囲内に収まることが多い)。その結果、この表示装置の応答速度に対する律速段階(反応速度を決める支配的要因の段階。ここでは、オン時応答とオフ時応答のうち遅い方を指すこととする)は、図の点線で示した形状となり、低電圧域で遅い応答を示す。この図で、オン時応答とオフ時応答が交差する時の電圧は、式(1)と式(2)に従う理想的な状態では、しきい値電圧Vtcの2の平方根倍であり、例えば、Vtc=1.5Vの場合、2V強である。
図35のオーバードライブの場合では、オン時応答(破線)は、一点鎖線で示す図34の通常駆動のオン時応答に比べて高速化されている。しかし、オフ時応答(実線)はほとんど変わらないため、律速段階は図の点線のようになる。すなわち、オン時応答とオフ時応答の交差点より高電圧では通常の駆動と同じ応答時間であり、交差点より低電圧では高速化されている。このように、高電圧側での効果は少ないが、最も応答時間が遅いのは低電圧側であるため、オーバードライブによって表示状態は、かなり改善される。しかし、オーバードライブにおいて、高い電圧を印加し過ぎると、前述のリセット状態からの遷移と同じ応答遅延が生じ、特に、オフ時応答が遅くなる。
図36の特表2001−506376号公報の方法、オーバードライブとリセットを足したような駆動では、全ての表示において一度リセット状態となるため、オン時応答は、このリセットの時点のみに作用する。すなわち、応答時間はほぼオフ時応答(実線)で決定され、点線で示される律速段階はほぼオフ時応答のみで決定される。破線で示す図40の通常駆動のオフ時応答と比較した場合、この方式のオフ時応答(実線)は、前記のリセット状態からの遷移に伴う遅延が生じるために通常駆動より遅い。しかしながら、低電圧側での遅い応答が無いため、応答時間の最も遅い値は通常駆動よりはるかに短く、且つ、オーバードライブ駆動よりも速い。一方、高電圧側は、通常駆動やオーバードライブ駆動よりオフ時応答が遅いが、しばしば応答時間として使用されるオン時応答とオフ時応答の和に関しては、オン時応答がほぼ寄与しないために、通常駆動、オーバードライブ駆動より小さい値を示す。
図37の本発明の表示装置では、オーバードライブとパルス状の変化の2段階によってオーバードライブに相当する変化を与えるため、従来のオーバードライブ駆動(図35)よりオン時応答(破線)が高速化される。更に、電圧無印加の状態を安定化しているため、電圧無印加の状態に戻ろうとするトルクが強く、オフ時応答(実線)も高速化される。また、リセットしない状態の電位変化とするために、図36で見られるようなリセット状態からの遷移に伴う遅延が生じない。これらの結果、本発明は、これら4種類の中で最も高速である。ここでは、オン時応答、オフ時応答のみを示したが、中間調間の応答に関しても高速化されることはいうまでもない。
本発明の第1の効果は、表示物質の応答速度を速くすることができることである。
その理由は、立ち上がり時には、映像信号のオーバードライブ、映像信号書込み後の共通電極又は蓄積容量電極のパルス状の変化という2段階のオーバードライブに相当する高速化を行うためである。更には、これらの段階で表示物質をリセットしない範囲の電位及び電位変動とするために、遅延が生じないためである。また、一方、立下り時のトルクを増大し、高速に電圧無印加の状態に変形することができるからである。この効果は、ねじれピッチの制御、高分子安定化、電界の制御、界面配向の制御等によって得られる。すなわち、本発明では、立下り・立ち上がり更には中間調応答を含めた全ての段階で高速化が可能である。
本発明の第2の効果は、環境温度が変化しても良好な表示が可能な高信頼性が得られることである。
その理由は、液晶の応答速度が速いためと、バウンス等の不安定な配向状態が生じないためである。特に、リセットしない電位変動を与えるためである。
本発明の第3の効果は、光利用効率が高く、低消費電力な液晶表示装置が得られることである。
その理由は、第1に液晶の光学応答が高速化され安定した透過率に速く到達するためである。また、第2に、2段階のオーバードライブを行うため高周波の映像信号のオーバードライブに必要な電圧が低く、従来のオーバードライブ方式より消費電力が抑えられるためである。
本発明の第4の効果は、1フレーム内に画像を安定でき、履歴の影響による画像の劣化(階調のばらつきや、フリッカ)のない液晶表示装置が得られることである。
その理由は、バウンス及び遅延等の応答の遅延が生じないためである。また、比較演算器やルックアップテーブル(LUT)によって、所望の表示状態が得られる映像信号を作製するためである。特に、映像信号の書き込み以前の各画素の保持データと、パルス状に変化させる前記共通電極の電位又はパルス状に変化させる蓄積容量電極(216)の電位又はその両方の電位の変化に伴う画素電極電位の変動と、新たに表示すべき表示データとを比較することによって決定されるためである。この共通電極電位の変動には、共通電極電位を極性反転して駆動する場合の極性反転時の画素電極電位の変動も含まれる。更には、データ信号の極性反転、即ち、フレームの切替時等に伴う容量結合による画素電極電位の変動も考慮し、新たに表示すべきデータを決定するためである。このような変動を考慮した波形印加により、階調のばらつき及びフリッカの発生が見られなくなる。
本発明の第5の効果は、動画ボケが生じない液晶表示装置を提供できることである。
その理由は、フィールドシーケンシャル駆動並びに本発明の駆動との組み合わせによって、良好な表示が得られるためである。即ち、光源が通常より高周波数で切り替えられることにより、ホールド型表示に基づく動画ボケが改善されるためである。更に、光源をサブフレーム期間中のある特定期間のみ点灯させる場合、インパルス型に近い応答が実現できるため、更に動画ボケが発生しなくなる。
本発明の第6の効果は、システム構成が簡単で、安価なオーバードライブ方式表示装置が実現できることである。
その理由は、フィールドシーケンシャル方式を採用することにより、前画面の全色のデータと次画面の全色のデータを比較する必要が無く、前画面の特定色(もしくは複数の色を合成した1色)のデータと次画面の特定色(もしくは複数の色を合成した1色)のデータを比較することだけでよいためである。その結果、必要なメモリのサイズが小さくなり、且つ、比較演算手段や一度に利用するLUTのサイズが小さくて済むためである。
また、他の理由は、2段階のオーバードライブに相当する駆動を行うために、映像信号に対するオーバードライブの電圧が従来のオーバードライブ方式の電圧より低いためである。映像信号は、表示装置で使用される信号の中では周波数が高い信号であり、従来のオーバードライブ方式では高周波の映像信号の電圧が大きくなるために、従来の駆動ICを使えなかったり、特殊なプロセス等を使用する高価な駆動ICを使う必要があったりした。また、映像信号を作製するICにも特殊な使用が要求されていた。本発明の方式では、オーバードライブにおける電圧は従来のオーバードライブより低いため、特殊なICを使う必要が無いため、コストの増加が抑えられる。
本発明の第7の効果は、臨場感の高い立体表示装置が得られることである。その理由は、LED等の使用により色再現性が高いことである。また、他の理由は、空間的な分割によらず立体用画像を表示できると共に、空間的な分割によらずカラー表示が可能なためである。この結果、従来に比べはるかに多い画素数の表示装置を容易に実現でき、臨場感の向上が可能となる。
次に、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本発明の第1の実施の形態について、図1及び図4を参照して説明する。本実施形態の液晶表示装置は、表示部200と、映像信号駆動回路201と、走査信号駆動回路202と、共通電極電位制御回路203と、同期回路204とを備えている。また、表示部200は、走査信号電極212と、映像信号電極211と、マトリクス状に配置された複数の画素電極214と、画素電極214に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子213と、共通電極215とから構成されている。共通電極電位制御回路203は走査信号駆動回路202が走査電極212の全てを走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、共通電極215の電位をパルス状に変化させる。
次に、上述の如く構成された本実施形態の液晶表示装置の動作について、図7及び図8を参照して説明する。図7は本実施形態のタイミングの例を示す図であり、図8は本実施の形態の波形の例を示す図である。本実施の形態では、画素電極214に映像信号を伝達した後に、共通電極の電位をパルス状に変化させる。パルス状に変化させることによって、映像信号伝達後に画素電極と共通電極との間の電位差は、パルス状に変化させる前の期間301、パルス状に変化されるパルス高さ部の期間302、パルス状の変化が終わった後の期間303の各期間で異なる電位差となる。但し、パルス状に変化させる前と、パルス状の変化が終わった後の電位差は同じとなることもある。この結果、各期間における表示物質の状態変化及び応答速度を調整することが可能である。これによって、応答速度を速くすることが可能であり、また、必要に応じて、応答速度を遅くすることも可能である。この応答速度の調整の効果は、パルス状に変化させる電位の値(パルス状に変化させる前の期間301、パルス状に変化されるパルス高さ部の期間302、パルス状の変化が終わった後の期間303の各期間の電位)の差、及び、パルス状に変化させる期間の長さによって調整される。
また、パルス状に変化させる前の期間301とパルス状の変化が終わった後の期間303との間の電位差は、パルス状変化に伴う容量結合による画素電極の電位変動の効果を補うように調整される。更には、パルス状の変化が終わった後に実現したい表示状態等に応じて調整される。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図2及び図5を参照して説明する。本実施形態の液晶表示装置は、表示部200と、映像信号駆動回路201と、走査信号駆動回路202と、蓄積容量電極電位制御回路205と、同期回路204とを備えている。また、表示部200は、走査信号電極212と、映像信号電極211と、マトリクス状に配置された複数の画素電極214と、画素電極214に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子213と、蓄積容量電極216とを有する。蓄積容量電極電位制御回路205は走査信号駆動回路202が走査電極212の全てを走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、蓄積容量電極216の電位をパルス状に変化させる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。本実施の形態では、画素電極214に映像信号を伝達した後に、蓄積容量電極電位をパルス状に変化させることによって、第1の実施の形態と同様の効果を得る。但し、本実施の形態での調整効果は、容量結合による画素電極電位の変動によって生じさせるものであり、第1の実施の形態のように、共通電極電位と容量結合による画素電極電位の変動の双方によるものではない。即ち、本実施の形態は、共通電極電位のような直接的手段によらず、容量結合による画素電極電位の変動という間接的手段によるものである。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図3及び図6を参照して説明する。本実施の形態の液晶表示装置は、表示部200と、映像信号駆動回路201と、走査信号駆動回路202と、共通電極電位制御回路203と、蓄積容量電極電位制御回路205と、同期回路204とを備えている。また、表示部200は、走査信号電極212と、映像信号電極211と、マトリクス状に配置された複数の画素電極214と、画素電極214に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子213と、共通電極215と、蓄積容量電極216とを有する。共通電極電位制御回路203は走査信号駆動回路202が走査電極212の全てを走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、共通電極215の電位をパルス状に変化させる。蓄積容量電極電位制御回路205は走査信号駆動回路202が走査電極212の全てを走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、蓄積容量電極216の電位をパルス状に変化させる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。本実施の形態では、共通電極と蓄積容量電極の双方をパルス状に変化させることによって、表示状態と応答速度等の調整を行う。従って、本実施の形態は、第1の実施の形態と第2の実施の形態の双方を組み合わせた動作となる。
しかし、本実施形態においては、上述の第1実施形態及び第2実施形態の単なる組み合わせではない優れた動作を期待できる。例えば、共通電極と蓄積容量電極のパルス状変化の極性を反対にすることによって、画素電極電位の容量結合による変動を抑えることが可能である。一方で、双方のパルス状変化の極性を同極性とすることによって、変動の幅をより大きくすることができ、倍の効果を得ることができる。更には、双方の同期のタイミングをずらしたり、各パルス状の変化の期間の長さを異ならせたりすることによって、より複雑な調整が可能となる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施形態は、液晶表示装置の構成及び表示部の構成は図1及び図4に示す第1実施形態と同様である。即ち、本実施形態の液晶表示装置も、表示部200と、映像信号駆動回路201と、走査信号駆動回路202と、共通電極電位制御回路203と、同期回路204とを備えており、表示部200は、走査電極212と、映像信号電極211と、マトリクス状に配置された複数の画素電極214と、前記画素電極214に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子213と、互いに電気的に分離された複数の共通電極215とを有する。本実施形態においては、走査信号駆動回路202が走査電極212の一部を走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、共通電極電位制御回路203が、走査信号駆動回路202により走査された走査電極212に対応する共通電極215の電位をパルス状に変化させる点が、第1実施形態と異なる。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施形態は、液晶表示装置の構成及び表示部の構成が第2実施形態と同様であり、その構成の説明に、図2及び図5を流用する。本実施形態の液晶表示装置も、表示部200と、映像信号駆動回路201と、走査信号駆動回路202と、蓄積容量電極電位制御回路205と、同期回路204とを備えている。また、表示部200は、走査電極212と、映像信号電極211と、マトリクス状に配置された複数の画素電極214と、画素電極214に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子213と、互いに電気的に分離された複数の蓄積容量電極216とを有する。本実施形態においては、走査信号駆動回路202が走査電極212の一部を走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、蓄積容量電極電位制御回路205が、走査信号駆動回路202により走査された走査電極212に対応する蓄積容量電極216の電位をパルス状に変化させるものである点が、第2実施形態と異なる。
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施形態の構成は、図3及び図6に示す第3実施形態と同様であり、本実施形態の液晶表示装置も、表示部200と、映像信号駆動回路201と、走査信号駆動回路202と、共通電極電位制御回路203と、蓄積容量電極電位制御回路205と、同期回路204とを備えている。また、表示部200は、走査電極212と、映像信号電極211と、マトリクス状に配置された複数の画素電極214と、画素電極214に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子213と、互いに電気的に分離された複数の共通電極215と、互いに電気的に分離された複数の蓄積容量電極216とを有する。本実施形態においては、走査信号駆動回路202が走査電極212の一部を走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、共通電極電位制御回路203が、走査信号駆動回路202により走査された走査電極212に対応する共通電極215の電位をパルス状に変化させるものであり、走査信号駆動回路が走査電極212の一部を走査し、映像信号を画素電極214に伝達した後に、蓄積容量電極電位制御回路205が、走査信号駆動回路202により走査された走査電極212に対応する蓄積容量電極216の電位をパルス状に変化させるものである点が、第3実施形態と異なる。
次に、上述の本発明の第4乃至第6実施形態の動作について、図9乃至図12を参照して説明する。図9は第4乃至第6実施形態の表示部の電気的に分離された電極を走査する順序の例を示す図であり、図10は第4乃至第6実施形態の表示部の電気的に分離された電極の形状の例を示す図である。図11は第4乃至第6実施形態を適用した携帯電話用ディスプレイの例を示す図である。図12は第4乃至第6実施形態の表示部の電気的に分離された複数の共通電極と、電気的に分離された複数の蓄積容量電極の配置の例を示す図である。
本発明の第4乃至第6の実施形態においては、共通電極若しくは蓄積容量電極又はその両方が電気的に分離された複数の部分に分かれていることにより、表示部の一部分のみに対し、第1乃至第3実施形態と同様の電位変化を与えることができる。これにより、第1乃至第3実施形態では、表示部全体に及んだ効果を、第4乃至第6実施形態においては、表示部の一部分に制限することができる。即ち、表示部を複数のサブ表示部に分けて順次走査しながら各サブ表示部に順次電位変化を与えることができる。また、複数のサブ表示部に同時に電位変化を与えることも可能である。どちらの場合にも、順次走査するサブ表示部の表示部内での位置は任意に選択することができる。例えば、図9の数字に示すような順序、即ち、適宜選択された領域を順次走査して電位変化を与えるとともに、走査順3又は走査順5では複数の領域を同時に変化させるような電位変化を与えることが可能である。また、例えば、図10のように異なる面積・形状での変化を与えることが可能である。
更には、全表示部のうち一部表示部のみに選択的に電位変化を与えることも可能である。これにより、選択された表示部と、選択されなかった表示部での表示状態を異ならせることが可能である。例えば、図11の携帯電話用ディスプレイの表示領域Aの部分は高速な応答を実行させ、それ以外の表示領域Bの部分は通常速度の応答をさせることが可能である。これにより、例えば、テレビ画像等の高速な動画表示を必要とされる部分と、あまり画像が更新されない静止画的な表示を必要とされる部分とを分割し、全体的な消費電力を抑えることが可能となる。
一方、本発明の第6の実施の形態においては、図12のように、電気的に分離された複数の共通電極と電気的に分離された複数の蓄積容量電極の形状を異ならせることによって、共通電極のみパルス状に変化させる領域、蓄積容量電極のみパルス状に変化させる領域、共通電極と蓄積容量電極の双方をパルス状に変化させる領域、パルス状の変化をさせない領域の4種類の領域に分けることができる。
これらの動作により、例えば、表示部内で特に応答速度が遅い領域の応答を速くすることが可能である。また、表示部内に生じる視野角依存性を補正するように、表示部内での応答速度を調節して視野角依存による輝度ムラを補正することが可能である。更に、走査線の走査順に応じて生じる画面内の表示位置による表示ムラ及びフリッカの違いを補正することが可能である。即ち、ある一時期にパルス状に変化させる領域を一部に限定し、他の領域での表示ムラ及びフリッカを抑制したり、逆にパルス状に変化させる領域の表示ムラ及びフリッカを抑制したりすることが可能となる、これらの複数の領域に分割された共通電極及び蓄積容量電極は、例えば、走査線の走査タイミングとある一定の関係で同期されて、走査することも可能となる。これにより、走査による表示ムラ及びフリッカを効果的に抑制することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1、第3、第4又は第6の実施の形態において、前記パルス状に変化させる共通電極215の電位が、表示部200の表示をリセットしない電位であるようにしたものである。
本発明の第8の実施の形態は、第2、第3、第5又は第6の実施の形態において、前記パルス状に変化させる蓄積容量電極216の電位が、表示部200の表示をリセットしない電位であるようにしたものである。
本発明の第7及び第8の実施の形態においては、パルス状に変化させる電位を表示部の表示をリセットしない電位とすることによって、前述のような遅延を発生させず、高速化を可能とする。この原理については、課題を解決するための手段において説明したので繰り返さないが、以下、この第7実施形態の液晶表示装置を実際に製造した実施例について、その動作及び効果を比較例と比較して説明する。
第7実施形態の実施例を、リセットする電圧を印加する比較例と比較して示す。本実施例及び比較例では、スイッチング素子として後述のアモルファスシリコンによる薄膜トランジスタを用い、表示部の表示物質としてネマチック液晶物質を用い、後述のねじれネマチック配向とした。
図13は、従来のリセット駆動と同様に、リセットするパルス状の変化を与えた場合の透過率の時間変化を示す図である。一方、図14は、本発明のリセットしないパルス状の変化を与えた場合の透過率の時間変化を示す図である。応答の速さに与えるリセット状態の効果を比較するために、駆動のシーケンスは同じとし、且つ、共にパルス状の変化を与えた。即ち、先ず映像信号の全画素への書込みを行い、続いてパルス状の変化(図13ではリセット状態とし、図14ではリセットしない)を与えた。図13の従来のリセットと同様のパルス状変化を与えた場合は、パルス状変化が終わった後に、課題を解決するための手段の項に示した第1の遅延が生じ、続いて第2の遅延が生じている。これに対し、図14の本発明のパルス状の変化では、第1の遅延及び第2の遅延がいずれも発生せず、パルス状変化が終了した後、直ちに所望の透過率へ向けての応答が発生している。その結果、従来のリセット状態では、所望の透過率(図中に二点鎖線で示した)に達しない。一方、本発明のパルス状変化では、従来のリセット状態で確保できる最大の透過率(図中の鎖線)にパルス状変化後直ちに到達し、その後、所望の透過率に達して安定する。
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施形態は、前述の第1、第3、第4、第6又は第7の実施形態において、共通電極215の電位が、少なくとも3つの電位間で、より好ましくは4つ以上の電位間で変化するものである。
本発明の第10の実施の形態は、前述の第2、第3、第5、第6又は第8の実施の形態において、蓄積容量電極216の電位が、少なくとも3つの電位間で、より好ましくは4つ以上の電位間で変化するものである。
次に、本発明の第9及び第10の実施形態の動作について、図8を参照して説明する。これらの実施形態においても、図8のような電圧変化を与えることにより、極性反転される映像信号の両方の極性に対し、効果的にパルス状変化を与えることができる。
次に、本発明の第11の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第1乃至第10の実施の形態において、パルス状に変化させる共通電極215の電位又は蓄積容量電極216の電位は、画素電極214と共通電極215又は蓄積容量電極216との電位差を一時的に大きくする方向にパルス状に変化させるものである。
次に、本発明の第11の実施形態の動作について説明する。本実施形態においては、画素電極との電位差を一時的に大きくすることにより、映像信号を操作することなくオーバードライブ(フィードフォワード)効果が得られる。本発明では、従来の映像信号を操作するオーバードライブと異なり、電気的に接続された領域の全てに同時にオーバードライブ効果を与えることが可能である。
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。本実施の形態は、前述の第1乃至11の実施の形態において、前記映像信号の電位が電荷保持型駆動時の表示部200の応答特性を考慮して、スタティック駆動における安定表示状態の映像信号の電位と異ならせたものである。例えば、オーバーシュート特性を持たせることによって、所定透過率への到達時間を短くする。
本発明では、スイッチング素子を介して映像信号を画素電極214に伝達するために、表示部の駆動は常に電圧を印加し続けるスタティック駆動ではなく、スイッチング素子がオフした瞬間の電荷を保持するように表示物質が駆動される電荷保持型駆動である。
次に、本発明の第13の実施の形態について説明する。本実施形態は、前述の第12の実施の形態において、前記映像信号の電位が、表示部200の応答特性を考慮すると共に、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、新たに表示するべき表示データを比較することによって決定されるものである。具体的には、比較演算器及びルックアップテーブル(LUT)を使用することによって、所望の表示状態が得られる映像信号を決定する。特に、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、パルス状に変化させる共通電極の電位又はパルス状に変化させる蓄積容量電極(216)の電位又はその両方の電位の変化に伴う画素電極電位の変動と、新たに表示すべき表示データとを比較することによって決定される。この共通電極電位の変動には、共通電極電位又は蓄積容量電極電位又はその両方を極性反転して駆動する場合の極性反転時の画素電極電位の変動も含まれる。更には、データ信号の極性反転、即ち、フレームの切り替え時等に伴う容量結合による画素電極電位の変動も考慮し、新たに表示すべきデータを決定するためである。このような変動を考慮した波形印加により、階調のバラツキ及びフリッカの発生が見られなくなる。
本実施の形態の一部の特殊な使用方法での動作を、図46及び図47を参照して具体的に説明する。図46は、ある一画素に電気的に接続される配線の関係を示したものである。映像信号データ派、画素TFT503を介して、液晶容量501及び蓄積容量502に書き込まれる。この書き込まれるノード(点)の電位を画素電位VLC(507)と示す。液晶容量の対向電極の電位、対向電極電位VCOM(506)は、外部の電源から供給されるが、外部電極と対向電極との間には、付加抵抗及び付加容量が存在しており、これにより決定される時定数を決める部分を、対向電極の時定数回路504として図中に示した。同様に、蓄積容量の液晶側でない方の電位、蓄積容量電位VST(508)も、外部の電源から供給されるが、同様に、蓄積容量線の時定数回路505が存在する。これらの時定数を考慮すると、電位の変動が複雑な変化を示す。この様子を図47に示す。図47は、図46内に示した各電位、即ち、対向電極電位VCOM(506)、蓄積容量線電位VST(508)、及び画素電位VLC(507)の変動dVLCの時間変化を示している。対向電極は、通常、透明電極で形成されることが多く、その配線抵抗は比較的高い。この結果、配線の時定数、即ち、電位の変化の応答時間は、例えば、130マイクロ秒である。ここで、応答時間は、初期電位(この図では0V)を0%とし、目標電位(この図では5V)と初期電位との差の90%に到達する時間を示している。一方、蓄積容量電極線は金属が使用され、配線抵抗が低い。この結果、蓄積容量線電位の時定数は、例えば、8マイクロ秒である。対向電極と蓄積容量電極線を同じタイミングで同じ電圧値(例えば、図47のように0Vから5V)変化させた場合でも、この対向電極電位の時定数と蓄積容量線電位の時定数との違いにより、画素電極の電位の変動dVLCが生じる。このような画素電極の電位の変動は、表示状態の違いを生じ、フリッカ等として認識される。
更に、画素TFT503のゲート・ソース間、ゲート・ドレイン間の寄生容量を介した容量結合による電圧変動も生じる。また、画素TFT503のリーク電流による電圧変動も生じる。これらの電圧変動は、特に、フレームを変化させるとき、即ちフレーム毎に信号が反転されるときに生じる。これらの電圧変動に関しても考慮することにより、表示ムラ及びフリッカを減らすことが可能となる。
本発明では、保持データは、画素電極214と共通電極215との間に保持されている電荷と、画素電極214と蓄積容量電極216との間に保持されている電荷の合計にほぼ等しい。また、新たに表示するべき表示データは、表示期間内の画素電極214と共通電極215との間の電荷と、画素電極214と蓄積容量電極216との間の電荷の合計の平均、又は、表示期間が終了する時点での画素電極214と共通電極215との間の電荷と、画素電極214と蓄積容量電極216との間の電荷の合計にほぼ等しい。
本発明の第12の実施形態では、スタティック駆動と異なる電位を与えることにより、画素スイッチを用いた駆動に適した電位を印加することが可能となる。更に、映像信号にオーバーシュート特性を持たせることによって、オーバードライブ効果による高速化が実現される。
更に、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、新たに表示するべき表示データとを比較することによって決定されることにより、より効果的な映像信号を選択できる。例えば、特許3039506号公報に示されるような回路を使用できる。図15は、この公報に記載された駆動装置の一例を示す。この表示装置は、表示データに対応する書込み信号電圧を、順次に指定する各画素に与えることによって各表示フレームの画像を表示する。信号源65と液晶ディスプレイ(LCD)64との間には、液晶ディスプレイ64を駆動する駆動装置80が接続されている。駆動装置80は、信号源65に接続されたアナログデジタルコンバータ回路(以下、ADC回路と略称する)66と、ADC回路66に接続された第1ラッチ回路69と、ADC回路66に接続された出力制御バッファ68とを備えている。駆動装置80は、更に、出力制御バッファ68に接続されたメモリ71と、出力制御バッファ68及びメモリ71を相互に接続するノードを介してメモリ71に接続された第2ラッチ回路70と、第1ラッチ回路69及び第2ラッチ回路70に接続された演算器72と、タイミング制御回路67とを備える。ADC回路66は、クロックADCLKに同期して、信号源65からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。出力制御バッファ68は、出力制御機能を有し、制御信号OEを受けて、出力端子をハイ・インピーダンス(以下、Hi−Zと呼ぶ)状態にする。ここでは、制御信号OEがハイレベルのときに入力されたデータを出力する出力可の状態において、ローレベルのときにHi−Zになるものとする。メモリ71は、1フレーム分以上の容量を有し、アドレス信号ADRと制御信号R/Wとによって制御される。ここで、メモリ71は、R/Wがハイレベルのときに読出し動作を行い、R/Wがローレベルのときに書込み動作を行う。第1及び第2ラッチ回路69、70は夫々、クロックLACLKを受けつつ入力データを取り込んで保持する回路である。ここでは、クロック立ち上がりエッジでデータを取り込み、次の立ち上がりエッジまでデータを保持する。第1ラッチ回路69は、映像信号電圧VS(m,n)をラッチし、第2ラッチ回路70は、映像信号電圧VS(m,n-1)をラッチする。nフレームにおける第m番の画素の書込み信号電圧Vex(m,n)は、前回に表示されたフレームn-1における第m番の画素の映像信号電圧VS(m,n-1)と、次に表示するフレームnにおける第m番の映像信号電圧VS(m,n)との線形和:Vex(m,n)=AVS(m,n)+BVS(m,n−1) (但し、A、Bは定数)から求まる。そこで、演算器72は、Vex(m,n)=AVS(m,n)+BVS(m,n−1)の式により、前回の表示フレームn−1の第m番の画素の映像信号電圧VS(m,n−1)と次に表示するフレームnの第m番の映像信号電圧VS(m,n)との線形和から、フレームnのm番目の画素の書き込み信号電圧Vex(m,n)を設定する。タイミング制御回路67は、各信号のタイミングを制御する。また、メモリ71と演算器72とから表示制御手段が構成される。
但し、本発明では、共通電極電位のパルス状の変化等によって高速化するために、オーバードライブ効果を持たせる時点で付加する電圧は、従来のオーバードライブ方式に比べて低く設定できる。従来のオーバードライブでは、オーバードライブ時に印加される電圧が高いために、液晶の配向状態がリセット状態になってしまうことがしばしば生じており、例えば、白表示へ戻る応答速度が遅くなる原因となっていた。本発明では、オーバードライブ時に印加される電圧が低いために、液晶の配向状態がリセット状態になることはない。
次に、本発明の第14の実施の形態について説明する。本実施形態の液晶表示装置は、前記第1乃至第13の実施の形態において、表示部200の画素電極214と共通電極215との間に電界応答型物質が狭持されている。また、好ましくは、表示部200の電界応答型物質が液晶物質からなる。
画素電極214と共通電極215は、異なる基板上に設けられることもあるし、同じ基板上に設けられることもあり、また、基板間に設けられることもある。
電界応答型物質を用いると、パルス状に変化させた電位に応じて、この物質の応答の様子を変化させることができる。特に、液晶物質を用いることによって、パルス状に変化させた電位に応じて、液晶物質の配向及びその応答速度が変化する。
次に、本発明の第15の実施の形態について説明する。本実施形態は、前述の第14の実施の形態において、前記液晶物質がネマチック液晶であり、ねじれネマチック配向となっているものである。好ましくは、前記ねじれネマチック配向の液晶物質のねじれピッチp(μm)と、前記ねじれネマチック配向の前記液晶物質層の平均的厚さd(μm)との間に、p/d<20の関係が成立する。より好ましくは、前記ねじれネマチック配向の液晶物質のねじれピッチp(μm)と前記ねじれネマチック配向の液晶物質層の平均的厚さd(μm)との間に、p/d<8の関係が成立する。
本液晶表示装置では、広視野角化を図るために、必要に応じて、光学補償板が付与される。好ましくは、その光学補償板は、前記液晶物質の所定状態での光学特性を補償するものである。例えば、光学補償板は、電圧印加時の液晶物質の配向構造から得られる光学特性を補償するように構成されている。
ねじれネマチック液晶を用いることによって、連続的な階調変化を得ることができる。特に、ねじれピッチpと厚さdとの間に上記関係が存在することにより、ねじれネマチック液晶がねじれ状態に戻ろうとするトルクを強くすることが可能となる。これにより、電圧無印加もしくは低電圧印加の状態に戻る時の応答速度を速くすることが可能となる。すなわち、立下り応答を高速化できる。
次に、本第15実施形態の効果について、その実施例を使用して説明する。ねじれピッチの異なる液晶を用意し、夫々に対して液晶パネルを作製し、1対の偏光板をパネル外部に配置し、ノーマリーホワイト表示が得られるようにしたときに、本実施の形態の効果を確認した。基板の間隙(液晶層の厚さ)を2μmにし、ねじれピッチが6μm、20μm、60μmの液晶を用いた。液晶層の厚さは応答速度に2乗で作用する。例えば、液晶層の厚さを6μm(3倍の厚さ)にすると応答速度は1/9になってしまう。このために、液晶層の厚さは4μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。薄さに対しての制限はないが、液晶のねじれピッチの制限や基板の間隙の製造上の困難性を考えると0.5μm以上が好ましく、1μm以上であることがより好ましい。この状態で立上がり時(液晶の立下り時の光学応答(即ち、ノーマリーホワイト配置では暗い状態から明るい状態への応答))の液晶の時間−透過率特性を観測した。黒表示状態から完全透過の白表示状態にし、観測された時間−透過率特性から、透過率が50%近辺での透過率変化の傾きを求めた。透過率50%近辺を選択したのは、この付近での透過率変化が最も大きいためである。図16は、求められた傾き(%/ms)を縦軸とし、横軸を(p(ねじれピッチ)/d(液晶層の厚さ))として両者の関係をプロットした図である。なお、液晶層の厚さは、基板間の間隙の距離と等価であることはいうまでもない。図16から、(ねじれピッチ/液晶層の厚さ)が小さくなると傾きが増大し、液晶の立下り時の応答が高速化されることが分かる。特に、(ねじれピッチ/液晶層の厚さ)が15程度から傾きの急激な上昇が見られ、(ねじれピッチ/液晶層の厚さ)が3程度になると傾きは50(%/ms)を超える。即ち、理想的には2ミリ秒以内での応答も可能となる。この図でねじれピッチ/厚さ(p/d)が30の場合と3の場合を比べると、p/dが3では、p/dが30のほぼ倍の傾きが得られており、液晶の立下り時の光学応答時間を半分にできる可能性があることが分かる。また、p/dが30に対し、p/dが10の条件でも、15%以上の高速化が可能である。この効果は、一言で言えば、電圧等が印加されていない初期配向状態(即ち、基板間でほぼ均一にねじれた配向状態)に戻るトルクが大きいことによって達成される。
次に、本発明の第16の実施の形態について説明する。本実施形態は、第14の実施の形態において、前記ねじれネマチック配向の前記液晶物質がほぼ連続的にねじれた構造に高分子安定化されているものである。好ましくは、前記液晶物質が電圧無印加又は低電圧印加時の構造に高分子安定化されている。
また、前記ねじれネマチック液晶中に光硬化性モノマーを添加し、光照射することによって高分子化されていることが好ましい。より好ましくは、前記光硬化性モノマーが液晶骨格を有する液晶性モノマーである。更に好ましくは、前記液晶性モノマーが、ジアクリレートであること、又は、重合性官能基と液晶骨格がメチレンスペーサーを介することなく結合したモノアクリレートである。
次に、本発明の第16の実施の形態の動作を、実施例を加えて以下に説明する。液晶は、下記化学式1に示す構造式を有する光硬化性のジアクリレート液晶性モノマーを、2%添加したねじれネマチック液晶を注入し、電圧無印加の状態で光照射(紫外線(1mW/cm2×600sec.)して重合させ、ノーマリーホワイト表示のTN型表示装置を得た。また、この構成に対し、下記化学式2に示す構造式を有する重合性官能基と液晶骨格がメチレンスペーサーを介することなく結合した光硬化性のモノアクリレートの液晶性モノマーを、2%添加したねじれネマチック液晶を注入し、電圧無印加の状態で光照射して重合させた場合もジアクリレート液晶モノマーの場合と同様の結果が得られた。
Figure 0004555063
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これは、メチレンスペーサーを介していないモノマーを使用した方が、モノマーの添加に対し液晶の電圧に対する応答性の制限を受けることが少ないからである。モノマーの添加量を調節することで、これ以外の液晶性モノマーを用いることができることはいうまでもない。基板の凹凸に対し液晶の配向性を安定化するには、モノマーの添加量は液晶に対して0.5%以上であれば良いが、1%以上であることがより好ましい。液晶の応答性は5%以下であれば阻害することがないが、3%以下であるほうがより好ましい。
このように高分子安定化することにより、第15の実施形態と同様の効果が得られる。これは、高分子安定化された状態に戻るトルクが大きくなるためである。
次に、本発明の第17の実施の形態について説明する。本実施形態は、第14の実施の形態において、液晶物質が電圧制御複屈折モードであるものである。
又は、第14の実施の形態において、前記液晶物質がパイ型配向(ベンド型配向)であるものとすることもできる。好ましくは、本パイ型配向による液晶表示装置では、光学補償板が付与され、OCB(オプティカル・コンペンセイティッド・バイリフリジェンス)モードである。
又は、前述の第14の実施の形態において、前記液晶物質がホメオトロピック配向したVA(ヴァーティカル・アライメント)モードであるものとすることができる。好ましくは、マルチドメイン化等によって、広視野角が図られている。このマルチドメイン化の手法としては、MVA(マルチドメイン・ヴァーティカル・アライメント)方式、PVA(パターンド・ヴァーティカル・アライメント)方式、更には、ASV(アドヴァンスト・スーパー・ヴイ)方式等を使用できる。更に好ましくは、必要に応じて、光学補償板を付与することによって、更に広視野角化を図ることができる。
更に、前記第14の実施の形態において、前記液晶物質が基板面と平行な電界によって応答するIPS(イン・プレーン・スイッチング)モードであるようにすることができる。好ましくは、ジグザク構造の電極を用いることによって、Super-IPS(スーパー−アイピーエス)モードとすることによって、更に特性の向上を図ることができる。
更にまた、前記第14の実施の形態において、前記液晶物質がFFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モード又はAFFS(アドヴァンスト・フリンジ・フィールド)モードとすることができる。
更にまた、前記第14の実施の形態において、前記液晶物質が強誘電性液晶物質、反強誘電性液晶物質、又は、エレクトロクリニック型応答を示す液晶物質とすることができる。好ましくは、前記液晶物質は、電圧に対する透過率応答が、V字型応答、又は、Half-V字型応答を示すものである。
更にまた、前記第14の実施の形態において、前記液晶物質はコレステリック液晶物質とすることができる。
次に、本発明の第18の実施の形態について説明する。本実施形態は、前記第17の実施形態において、液晶物質の配向が電圧無印加又は低電圧印加の状態の構造に高分子安定化されているものである。
好ましくは、前記ねじれネマチック液晶中に、光硬化性モノマーを添加し、光照射することによって高分子化されている。
より好ましくは、前記光硬化性モノマーが液晶骨格を有する液晶性モノマーである。
更に好ましくは、前記液晶性モノマーが、ジアクリレートであり、又は、重合性官能基と液晶骨格がメチレンスペーサーを介することなく結合したモノアクリレートである。
上述の本発明の第17及び第18の実施の形態においては、ねじれネマチック型以外の液晶モードが使用される。
パイ型並びにOCBモードは、高速応答、広視野角を両立できるモードである。本発明を適用することにより、立ち上がり応答を更に速くすることが可能である。
VAモードの系列は、広視野角と共に、中間調応答を除く応答が高速である。本発明を適用することにより、中間調応答も含めて高速化を図ることが可能である。
IPSモードは、広視野角であり、また立ち上がり応答はVAに及ばないものの中間調応答はVAより速い。本発明を適用することにより、立ち上がり応答を含めて高速化を図ることが可能である。FFSモードは、広視野角であり、IPSモードに似た応答特性を示す。本発明を適用することにより、立ち上がり応答を含めて高速化を図ることが可能である。
強誘電性液晶、反強誘電性液晶、エレクトロクリニック液晶等は、極めて高速応答であり、且つ、広視野角である。これらの液晶を用いた場合でも、本発明を適用することにより、更に高速応答とすることが可能である。一方で、応答速度を遅くすることも可能である。
コレステリック液晶に対しても、本発明は有効に作用する。
さて、これらの液晶モードの立下り応答に関しては、ねじれネマチック型と同様にねじれピッチによって高速化することはできない。そこで、電圧無印加の状態で高分子安定化する。
本発明の表示装置では、表示物質及び表示モードは上述の実施の形態に示した数種類に限られるものではない。即ち、電界応答物質であり、電界の強度、印加期間、しきい値との大小関係等によって、応答の様子が変わってくる物質であれば、その全てに対して本発明は有効である。
本発明の第19の実施の形態は、前記第1乃至第18の実施の形態において、表示部にカラーフィルタを用いることによってカラー表示を行うものであるカラー液晶表示装置である。
本発明を適用することによって、カラーフィルタを用いた液晶表示装置の応答時間の高速化が可能となる。その結果、動画表示等に適した液晶表示装置が得られる。
本発明の第20の実施の形態は、前記第1乃至第18の実施の形態において、図17に示すレンチキュラーレンズシート(レンチキュラーフィルム)又は図18に示す両面プリズムシートを使用し、立体表示を行う立体表示液晶表示装置である。好ましくは、バックライトに2箇所から光を時間的に交互に入れることによりスキャンバックライトを形成し、これと同期して、映像信号を時間的に右目用映像信号、左目用映像信号と通常の倍以上の周波数で切り替える立体表示を行う時分割型立体表示方式を使用する。
次に、本発明の第20の実施の形態の動作について、図17及び図18を参照して説明する。図17に示すレンチキュラーレンズ(レンチキュラーフィルム)121は、複数のシリンドリカルレンズ122から構成される。これを用いると画素との位置関係により、右目用画像と左目用画像を各々の目に対して振り分けることが可能である。また、図18に示す両面プリズムシートは、図17と同様のレンチキュラーレンズ123を片側に、もう片側に光分離プリズム124を設けたものである。これにより、図18に示す両面プリズムシートは、図17に示すレンチキュラーレンズ単体より、広い角度に光を分けることが可能である。スキャンバックライトでは、例えば、バックライトの導光板の左右に光源を配置し、一方を左目用光源、他方を右目用光源とする。表示部に表示する左目用画像と右目用画像と点灯する光源を同期して選択することにより、立体表示を可能とする。例えば、120Hz以上の周波数で画像を切り替える必要があり、本発明による高速化が極めて有効に作用する。
本発明では、レンチキュラーレンズを使用した場合にも、また、スキャンバックライトを使用した場合にも、2次元表示と3次元表示を切り替えた場合に、画素数に差は生じない。また、スキャンバックライトを使用した場合は、画素内を2つに分割しないために、高解像度又は高開口率が容易に実現される。
次に、本発明の第21の実施の形態について説明する。本実施形態は、前述の第1乃至第18の実施の形態において、映像信号を複数の色に対応した複数の色映像信号に分割し、前記複数の色に対応した光源を使用して、所定の位相差で前記複数の色映像信号に同期して前記複数の色映像信号を時間的に順次表示するカラーフィールドシーケンシャル(色時分割)式液晶表示装置である。
この本発明の第21の実施の形態では、カラーフィールドシーケンシャル駆動式表示装置を実現する。図19は、フィールドシーケンシャル表示システムの概略の一例を示すブロック図である。通常の画像データをコントローラ105、パルスジェネレータ104、高速フレームメモリ106を内蔵するコントローラIC103で処理することによって、赤・青・緑の各色毎の画像データに変換する。この画像データをDAC102を介して、液晶パネル(LCD)100に入力する。LCD100内の走査回路は、コントローラICのパルスジェネレータからの駆動パルスにて制御される。また、光源として3色のLED101を使用し、このLEDはコントローラICからのLED制御信号108によって制御される。
この構成では、180Hz以上の周波数で各色の画像を切り替える必要があり、本発明による高速応答化が有効に作用する。また、180Hzの表示では、まばたき等によって目線を急速に動かした場合等に、各色の画像が分離して見える「色割れ」という現象が発生する。そのため、赤・青・緑の3色に白色を追加したり、赤・緑・青・緑のようにある1色を2度繰り返したり、更に倍の周波数(例えば、360Hz以上)で駆動する試みがなされる。このように、色割れを解消するためには高い周波数が必要となることが多く、本発明の高速化が特に有効に作用する。
本発明では、カラーフィルタ方式のように画素内を3つに分割しないために、高解像度又は高開口率が容易に実現される。
次に、本発明の第22の実施の形態について説明する。本実施形態は、第21の実施の形態において、映像信号が右目用映像信号と左目用映像信号からなり、且つ、各片目用映像信号を複数の色に対応した複数の色映像信号に分割し、前記複数の色に対応し、且つ、2箇所に配された光源を所定の位相差で該片目用映像信号に同期し、且つ、前記複数の色映像信号に同期し、前記片目用映像信号を時間的に順次表示すると共に、前記片目用映像信号を分割された複数の色映像信号として時間的に順次表示させるカラーフィールドシーケンシャル(色時分割)式時分割型立体表示方式の液晶表示装置である。
本発明の第22の実施の形態では、第21の実施の形態のカラーフィールドシーケンシャル表示と、第20の実施の形態のフィールドシーケンシャル立体表示を同時に行う。このためには、少なくとも360Hz以上の周波数で画像を切り替えることが好ましい。この周波数で十分な応答を得るには、本発明の高速化が有効に作用する。
本発明では、2次元表示と3次元表示を切り替えた場合でも、画素数に差は生じない。また、画素内を3次元用並びにカラーフィルタ用に6つに分割しないために、高解像度又は高開口率が極めて容易に実現される。即ち、空間的に画素を分割する場合に比べて、6倍の面積効率が得られる。この結果、極めて臨場感の高い立体表示装置が得られる。また、配線の数が6分の一であるために、各配線を太くすることが可能であり、配線での遅延が減少する。
また、本発明の第22の実施の形態において、第21の実施の形態のカラーフィールドシーケンシャル表示と、第20の実施の形態の図17又は図18のシリンドリカルレンズを使用する立体表示を行う。この場合に、180Hzの周波数でも実現可能である。これらの実施の形態においては、立体表示方式とカラーフィールドシーケンシャル表示方式を同時に使用するため、カラーフィールドシーケンシャル表示方式の特徴である画素の数をカラーフィルタ方式より削減できる点から、信号配線の引き回し量も減少する。この配線の引き回しの減少により、表示パネルにおける額縁部分を小さくすることも可能である。
次に、本発明の第23の実施の形態について説明する。本実施形態は、前述の第1乃至第22の実施の形態において、画素スイッチがアモルファスシリコンによる薄膜トランジスタで構成されている表示装置である。
また、前記第1乃至第22の実施の形態において、画素スイッチがポリシリコンによる薄膜トランジスタで構成される表示装置である。また、ポリシリコンによる薄膜トランジスタとしては、基板上に順次作製されたものだけでなく、一時基板上に作製された後に別の基板上に転写された薄膜トランジスタを含む。
更には、前記第1乃至第22の実施の形態において、画素スイッチが単結晶シリコンによるトランジスタで構成され表示装置である。単結晶シリコンによるトランジスタとしては、バルクシリコン技術によるもの、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)技術によるもの、又は、結晶化技術によってチャネル内を単結晶化したアモルファスシリコンによるもの等が該当する。また、単結晶シリコンによるトランジスタとしては、基板上に順次作製されたものだけでなく、一時基板上に作製された後に別の基板上に転写されたトランジスタを含む。
一方、前述の第1乃至第22の実施の形態において、画素スイッチがMIM(メタル・インシュレータ・メタル)素子によって構成される表示装置である。
次に、本発明の第24の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第23の実施の形態において、前記映像信号が所定のタイミングで極性が反転されると共に、複数の電位間を変化する前記共通電極の電位のうち印加される期間が他の電位に比べ長い一つ乃至二つの電位が、前記映像信号として印加される全ての電位の内の最大電位と最小電位の中間の電位にほぼ等しいように構成した表示装置である。
本発明の第24の実施の形態の液晶表示装置には、例えば、図20のような波形を印加する。図20のような電圧変化を与えることにより、パルス状変化の期間において応答速度を早めることが可能である。また、映像信号は共通電極電位に対して反転しており、各々の極性での最小値同士はほぼ近い電位となっている。
次に、本発明の第25の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第23の実施の形態において、前記映像信号が所定のタイミングで極性が反転されると共に、複数の電位間を変化する前記共通電極の電位のうち印加される期間が他の電位に比べ長い一つ又は二つの電位が、前記映像信号として印加することができる全ての電位の内の最大電位と最小電位の一方にほぼ等しい表示装置である。
本実施形態の液晶表示装置には、例えば、図21のような波形を印加する。図21のような電圧変化を与えることにより、パルス状変化の期間において応答速度を早めることが可能である。また、映像信号は共通電極電位に対して反転しており、一方の極性の最大値と他方の極性の最小値がほぼ近い電位となっている。
次に、本発明の第26の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第23の実施の形態において、走査信号駆動回路202が走査電極212の初めの走査電極を走査し始める直前の共通電極電位と、走査信号駆動回路202が走査電極212の全てを走査し映像信号を画素電極214に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の共通電極電位とが、等しい電位であるように構成した液晶表示装置である。
この第26実施形態の波形の一例は、図20に示すものと同様になる。
次に、本発明の第27の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第23の実施の形態において、走査信号駆動回路202が走査電極212の初めの走査電極を走査し始める直前の前記共通電極電位と、走査信号駆動回路202が走査電極212の全てを走査し映像信号を画素電極214に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の共通電極電位とが、異なる電位としたものである。
この構成では、好ましくは、走査信号駆動回路202が走査電極212の初めの走査電極を走査し始める直前の共通電極電位は、これから印加する映像信号として取ることのできる最大電圧又は最小電圧の一方にほぼ等しく、また、走査信号駆動回路202が走査電極212の全てを走査し、映像信号を画素電極214に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の共通電極電位は、印加し終った映像信号として取ることのできる最大電圧又は最小電圧の他方にほぼ等しいものである。
この第27の実施の形態の波形の一例は、図21と同様になる。
次に、本発明の第28の実施の形態について説明する。本実施形態は、第24及び第26の実施の形態において、共通電極電位が4個の電位からなり、第1の電位は、前記反転される映像信号の一方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路202が走査電極212を走査する期間の共通電極電位であり、第2の電位は、第1の電位に続いて共通電極215の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位であり、第3の電位は、第2の電位に続いて共通電極215の電位をパルス状に変化させるときのパルス終了後の電位であると共に前記反転される映像信号の他方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路202が走査電極212を走査する期間の共通電極電位であり、第4の電位は、第3の電位に続いて共通電極215の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位である液晶表示装置である。
本発明の第28の実施の形態の波形の一例は、図20と同様になる。
次に、本発明の第29の実施の形態について説明する。本実施形態は、第25及び第27の実施の形態において、共通電極電位が6個の電位からなり、第1の電位は、前記反転される映像信号の一方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路202が走査電極212を走査する期間の前記共通電極電位であり、第2の電位は、第1の電位に続いて共通電極215の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位であり、第3の電位は、第2の電位に続いて共通電極215の電位をパルス状に変化させるときのパルス終了後の電位であり、第4の電位は、前記反転される映像信号の他方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路202が走査電極212を走査する期間の共通電極電位であり、第5の電位は、第4の電位に続いて共通電極215の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位であり、第6の電位は、第5の電位に続いて共通電極215の電位をパルス状に変化させるときのパルス終了後の電位であるようにした表示装置の駆動方法である。
この第29の実施の形態の波形の一例は、図21と同様になる。
次に、本発明の第30の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第29の実施の形態において、図22に示すように表示部200に光を入射する光照射部252を有し、且つ、光照射部252の光強度を映像信号と所定の位相を持って同期させて変調させる同期回路251を有する液晶表示装置である。
また、前述の第1乃至第29の実施の形態において、図23に示すように、表示部200に光を入射する光照射部254を有し、且つ、光照射部254の光の色を映像信号と所定の位相を持って同期させて変化させる同期回路253を有するように構成することもできる。
また、前述の第1乃至第29の実施の形態において、図24に示すように表示部200に光を入射する光照射部256を有し、且つ、該光照射部の光の光強度を前記映像信号と所定の位相を持って同期させて変調させると共に、該光照射部256の光の色を前記映像信号と所定の位相を持って同期させ変化させる同期回路255を有するように構成することもできる。
本実施の形態における光照射部は、面発光光源を用いてもよいし、導光板と光源又はその他の光学素子によって構成されるバックライトを用いてもよいし、レーザ又はその他のビーム状若しくは線状光源を走査させるものとしてもよい。
光強度の変調は、光源自身の輝度変調及び点滅によってもよいし、透過又は反射強度を変調できる変調フィルタによってもよい。
次に、本発明の第31の実施の形態について説明する。本実施形態は、第30の実施の形態において、光照射部の光強度を変調するか、光の色を変化させるときのタイミングが、各フィールド又は複数の色に分割される場合はその色に対応した各サブフィールドの終了時、即ち、次のフィールドの映像信号を書き込む直前に位置する表示装置の駆動方法である。
この第31の実施の形態の動作について説明する。光強度の変調又は光の色の変化を、各サブフィールドの終了時の一定期間に行うことによって、表示部の表示物質の応答が比較的安定した状態で光を照射することが可能である。その結果、光利用効率が高く、且つ、表示が安定し、且つ、高画質な表示が可能となる。光の強度を変調させることによって、例えば、映像データの内容に応じて、画面全体又は複数に分割された各領域の輝度を調整することが可能となる。具体的には、映像データの内容が暗い階調が主の場合は、光の強度を弱くし、映像データの内容が明るい階調が主の場合は、光の強度を強くすることによって、映像表現のダイナミクス感を向上することができる。また、フリッカ等の輝度の異常が生じた場合に、輝度の異常に応じて光の強度を変調することで、フリッカ等の輝度の異常を抑制することが可能となる。
次に、本発明の第32の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第31の実施の形態において、映像信号の電位が、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、パルス状に変化させる共通電極215の電位又はパルス状に変化させる前記蓄積容量電極216の電位又はその両方の電位の変化に伴う画素電極電位の変動と、新たに表示すべき表示データとを比較することによって決定される。
次に、本発明の第33の実施の形態について説明する。本実施形態は、第32の実施の形態において、前記データ並びに電位の変動の比較を逐次比較によって行う表示装置である。
また、逐次比較を行うために、前フィールドにおける元の映像信号データ、又は、前フィールドにおける最終的に印加した補正を含む映像信号データを保存しておく記憶手段、及び、記憶されているデータと新たに表示すべき映像信号データとを比較し新信号データを決定するための比較演算手段を有することを特徴とする。
次に、本発明の第34の実施の形態について説明する。本実施形態は、第32の実施の形態において、データ並びに電位の変動の比較を予め用意したLUT(ルックアップテーブル、対応表)によって行うものである。
また、対応表から必要データを選択するために、前フィールドにおける元の映像信号データ、又は、前フィールドにおける最終的に印加した補正を含む映像信号データを保存しておく記憶手段、及び、記憶されているデータと新たに表示すべき映像信号データとを対応表上で検索し新信号データを決定するための検索手段又はアドレス指定手段を有する。
次に、本発明の第32乃至第34の実施の形態の動作について説明する。単なるオーバードライブ法では、前記特許3039506号公報に示されるように、基本的には前フィールドの画像データと新フィールドの画像データを比較し、表示物質の応答を考慮することで、印加すべき映像信号データが決定できる。一方、本発明では、共通電極電位、蓄積容量電極電位又はその両方をパルス状に変化させるために、このパルス状に変化させる効果も考慮する必要がある。この効果は、主に容量結合による電位変動と、それによって生じる一時的な応答時間等の変化である。これを考慮した映像信号を与えることによって、本発明の表示は最も画質がよくなる。この映像信号は、逐次計算することによっても作製できるし、予めルックアップテーブルを用意しておいても良い。
次に、本発明の第35の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第34の実施の形態のうち、前記ねじれネマチック液晶を用いた実施の形態において、リセットしないパルス状の変化は、パルス状変化を与えている間の液晶の平均立ち上がり角度を81度以下としたものである。好ましくは、液晶の平均立ち上がり角度を65度以下とする。
次に、この第35実施の形態の動作について説明する。本願発明者の実験及び測定と計算機シミュレーションによる比較によれば、ねじれネマチック液晶におけるリセット状態からの遷移での遅延は、液晶の平均立ち上がり角度に依存する。そして、平均立ち上がり角度が81度以上となると、配向が所望の配向と逆方向の配向となる遅延を生じることが判明した。また、平均立ち上がり角度が65度以上となると、配向の変化方向が一時的に不明となり、遅延状態を生じることが判明した。リセットしない電位変動を実現する時点で、これらの平均立ち上がり角度より低い角度に収まるようにすることによって、遅延のない良好な応答特性が得られる。
次に、本発明の第36の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第35の実施の形態において、映像信号をデジタル信号で使用し、表示物質に印加する電位を2値信号とし時間軸方向で階調を表現する光積分デジタル駆動によって表示を行う表示装置である。
この第36の実施の形態の動作について説明する。本実施の形態では、デジタル駆動を行う。例えば、特許第3402602号公報等に、デジタル駆動が示されている。図25及び図26を参照してデジタル駆動を説明する。図25は、共通電極の電位を固定して、その共通電極電位に対し所定の範囲の振幅を有する映像信号を1サブフィールド期間内で極性を反転して駆動する従来の駆動方法と、その従来の駆動方法の映像信号の最大電圧振幅と同じ振幅を用いてデジタル駆動する場合のデジタル駆動の波形を示す模式図である。固定される共通電極電位が一点鎖線で表され、映像信号の最大電位並びに最小電位が破線で示されている。図25の上図に示される従来の駆動では、電圧値の大小で階調が表現される。すなわち、電界強度変調によって階調が実現される。一方、図25の下図に示されるデジタル駆動では、電圧値は2値であり、サブフィールド期間を複数の期間に分割し、電圧のオンオフの回数等によってデジタル的に階調を表現する。即ち、パルス回数によって階調が実現される。下図のデジタル駆動では、映像信号電圧の振幅が従来の倍の幅使用できるため、オン時応答が極めて速い。一方で、リセット状態からの遷移における遅延と同様の遅延が発生することがある。また、映像信号反転が行えないため、表示物質の電気的な中性を保つことができない。
図26は、共通電極の電位を1サブフィールド期間内に反転して、その共通電極電位に対し所定の範囲の振幅を有する映像信号を1サブフィールド期間内で極性を反転して駆動する従来の駆動方法と、その従来の駆動方法の映像信号の最大電圧振幅と同じ振幅を用いてデジタル駆動する場合のデジタル駆動の波形を示す模式図である。反転される共通電極電位が一点鎖線で表され、映像信号の最大電位並びに最小電位が破線で示されている。図26の上図に示される従来の駆動では、電圧値の大小で階調が表現される。すなわち、電界強度変調によって階調が実現される。また、映像信号全体の振幅は図25の約半分となる。一方、図26の下図に示されるデジタル駆動では、電圧値は2値であり、サブフィールド期間を複数の期間に分割し、電圧のオンオフの回数等によってデジタル的に階調を表現する。すなわち、パルス回数によって階調が実現される。図25の下図のデジタル駆動と異なり、図26の下図のデジタル駆動では、映像信号電圧の振幅が従来と同じとなり、オン時応答も同程度である。一方で、リセット状態からの遷移における遅延と同様の遅延の発生が少ない。また、映像信号反転を行うことが可能なため、表示物質の電気的な中性を保つことができる。
このようなデジタル駆動においても本発明の手法による高速化は有効に作用する。特に、図26のように十分なオン時応答が得られない構成においては、極めて有効である。本発明における表示部と各種の回路は異なる基板上に形成されても良いし、同じ基板上に形成されても良い。また、一部の回路は同じ基板上に形成し、他の回路は異なる基板上に形成されることもある。
前記マトリクス状に配置される画素電極は、ストライプ状に配列してもよいし、デルタ状若しくはベイヤー配列(市松状)、又は、実質的な解像度を通常より増やすことのできるペンタイル配列にしてもよい。このペンタイル配列はクレール・ヴォワヨント(ClairVoyante)研究所が発表したものであり、その配列の例を図27に示す。
次に、本発明の第37の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明のフィールドシーケンシャル表示を行う各実施の形態において、映像信号の共通電極に対する極性、及び表示する色信号の種類に応じて、データ及び電位の変動の比較を予め用意したLUT(ルックアップテーブル、対応表)によって行う。
本発明の第38の実施の形態では、映像信号とその映像信号から得られる階調輝度との対応を定めたLUT(ルックアップテーブル、対応表)を使用する。また、そのLUTは前記映像信号の極性及び表示する色信号の種類に応じて異なる。
次に、本発明の第37及び第38の実施の形態の動作について説明する。各色信号と各映像信号の極性に応じてLUTを用意することによって、色サブフィールド毎に最適な電圧印加が可能となり、色サブフィールド毎に最適な表示が可能となる。フィールドシーケンシャル表示では、色毎に最適な電圧・透過率特性が異なる。色信号に応じたLUTを用意することで、色毎の特性を最適化できる。また、映像信号の極性によって画素電位の変動が微小に異なる。映像信号の極性に応じたLUTを用意することで、極性毎の特性を最適化できる。
より、簡便には、各色信号と各映像信号の極性、及びその変化の順番に応じて、入力映像信号データと、表示部へ出力する信号電圧とを変換するLUTを用意する。この方法では、完全に電位の変動を抑制することは困難であるが、各表示条件(例えば、赤画像で正極性)で静止画を表示したときの入力映像信号データと表示部への出力信号電圧の関係を階調毎に測定することによってLUTを作成できる。また、LUTのサイズが極めて小さくてすむ。このようなLUTは、所謂電圧・透過率曲線及び階調曲線(γカーブ)を調整するためのLUTとほぼ同じものを使用できる。図48は、赤色画像での簡便なLUTの例を示す。図48のように、正極性と負極性とで同じ映像信号データに対する出力電圧を異ならせる。
次に、本発明の第39の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第38の実施の形態の液晶表示装置を使用したニアアイ機器である。ニアアイ機器には、カメラ又はビデオカメラ等のビューファインダー、ヘッドマウントディスプレイ又はヘッドアップディスプレイ、その他の目のすぐ近く(例えば、5cm以内)で使用される機器が含まれる。
この第39の実施の形態においては、ニアアイ用途で使用されるために、色再現の良さ、画像の鮮明さ、動画表示の切れ等の高画質さが要求され、本発明の適用による効果が大きい。
次に、本発明の第40の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第38の実施の形態に係る液晶表示装置を使用し、投射光学系を用いて表示装置の元画像を投射する投射機器である。投射機器には、フロントプロジェクタ及びリアプロジェクタ等のプロジェクタ又は拡大観察機器等が含まれる。
この投射機器は、投射用途で使用されるために、しばしば画像が極めて大きく拡大される。そのため、高画質が厳しく要求される、本発明の適用の効果が大きい。
次に、本発明の第41の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第38の実施の形態に係る液晶表示装置を使用した携帯端末である。この携帯端末には、携帯電話、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistance)、及びウェラブルパソコン等が含まれる。
この携帯端末は、常に携帯される用途に使用されるものであり、バッテリ又は乾電池を用いたものが多いため、低消費電力が要求される。このような用途にも本発明の適用の効果が大きい。また、携帯端末は屋内及び屋外を問わず使用されることが多いため、十分な明るさが得られるように、光利用効率が高い本発明の適用が望まれる。更に、携帯される環境によって、広範囲の温度で使用されるために、広い温度範囲を有する本発明の液晶表示装置の適用が大きな効果を有する。
次に、本発明の第42の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第38の実施の形態に係る液晶表示装置を用いたモニタ装置である。このモニタ装置には、パソコン用、AV(オーディオ・ビジュアル)機器用(例えばテレビ等)、医療用、デザイン用途、絵画鑑賞用途等のモニタ装置が含まれる。
このモニタ装置は、机上等で使用されるモニタ装置であり、じっくり観察されることが多いために、高画質であることが望まれ、本発明の適用が有効である。
次に、本発明の第43の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1乃至第38の実施の形態に係る液晶表示装置を用いた移動体用表示装置である。移動体としては、車、飛行機、船、列車等が含まれる。
この移動体用表示装置は、第41の実施の形態のように人が携帯する装置ではなく、移動体に付属している装置である。移動体は、さまざまな環境の変化を受けるために、前述のように光強度・温度等の環境の変化に依存しにくい本発明の液晶表示装置の適用が好ましい。また、電源に制約があるため、本発明のような低消費電力の液晶表示装置が有益である。
次に、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置を適用した実施例の効果について説明する。
図38は本発明の実施例で使用されるTFTアレイの構造を示す断面図である。この図38を使用して、アモルファスシリコンをポリシリコンに変性するポリシリコンンTFTアレイの単位構造について説明する。
図38のポリシリコンTFTは、ガラス基板29上に酸化シリコン膜28を形成した後、アモルファスシリコンを成長させたものである。次に、エキシマレーザを使用してアニールし、アモルファスシリコンをポリシリコン化してポリシリコン膜27を形成し、更に10nmの酸化シリコン膜28を成長させた。パターニングした後、フォトレジストをゲート形状より若干大きく(後にLDD領域23、24を形成するため)パターニングし、リンイオンをドーピングすることによりソース領域(電極)26とドレイン領域(電極)25を形成した。その後、ゲート酸化膜となる酸化シリコン膜28を成長させた後、ゲート電極となるアモルファスシリコンとタングステンシリサイド(WSi)を成長させた後、フォトレジストをパターニングし、フォトレジストをマスクとしてアモルファスシリコンとタングステンシリサイド(WSi)をゲート電極形状にパターニングした。更に、パターニングしたフォトレジストをマスクとして必要領域にのみリンイオンをドーピングすることにより、LDD領域23、24を形成した。その後、酸化シリコン膜28と窒化シリコン膜21を連続成長させた後、コンタクト用の穴をあけ、アルミニウムとチタンをスパッタで形成しパターニングし、ソース電極26及びドレイン電極25を形成した。その後、全面に窒化シリコン膜21を形成し、コンタクト用の穴をあけ、全面にITO膜を形成し、パターニングすることにより透明な画素電極22を形成した。このようにして、図38に示すようなプレーナ型のTFT画素スイッチを作成し、TFTアレイを形成することで、ガラス基板上にTFTスイッチによる画素アレイ及び走査回路を設けた。
図38では、アモルファスシリコンをポリシリコン化したTFTを形成しているが、ポリシリコンを成長後、レーザ照射によりポリシリコンの粒径を改善する方法でTFTを形成しても良い。また、レーザはエキシマレーザ以外にも連続発振(CW)レーザを用いても良い。
更に、レーザ照射によるアモルファスシリコンのポリシリコン化の工程を省くことで、アモルファスシリコンTFTアレイが形成できる。
図39(a)乃至(d)及び図40(e)乃至(h)はポリシリコンTFT(プレーナ構造)アレイの製造方法を工程順に示す断面図である。図39(a)乃至(d)及び図4(e)乃至(h)を用いて、ポリシリコンTFTアレイの製造方法について詳細に説明する。ガラス基板10上に、酸化シリコン膜11を形成した後、アモルファスシリコン12を成長させた。次に、エキシマレーザを用いアニールし、アモルファスシリコンをポリシリコン化させた(図39(a))。更に、膜厚10nmの酸化シリコン膜13を成長させ、パターニングした後(図39(b))、フォトレジスト14を塗布してパターニングし(pチャネル領域をマスクする)、リン(P)イオンをドーピングすることにより、nチャネルのソースとドレイン領域を形成した(図39(c))。更に、ゲート絶縁膜となる膜厚90nmの酸化シリコン膜15を成長させた後、ゲート電極を構成するための、アモルファスシリコン16とタングステンシリサイド(WSi)17を成長させ、ゲート形状にパターニングした(図39(d))。
フォトレジスト18を塗布してパターニングし(nチャネル領域をマスクする)、ボロン(B)をドーピングし、nチャネルのソースとドレイン領域を形成した(図40(e))。酸化シリコン膜と窒化シリコン膜19を連続成長させた後、コンタクト用の穴をあけ(図40(f))、アルミニウムとチタン20をスパッタリング法で形成し、パターニングを行った(図40(g))。このパターニングで周辺回路のCMOSのソース・ドレインの電極と、画素スイッチTFTのドレインに接続するデータ線配線、画素電極へのコンタクトが形成される。次いで、絶縁膜の窒化シリコン膜21を形成し、コンタクト用の穴をあけ、画素電極用に透明電極であるITO(indium tin oxide)22を形成し、パターニングした(図40(h))。
このようにしてプレーナ構造のTFT画素スイッチを作成し、TFTアレイを形成した。ゲート電極はタングステンシリサイドを使用したが、他の電極、例えば、クロニウム等でも使用できる。
このようにして作製したTFTアレイ基板と、対向電極が形成された対向基板との間に、液晶を狭持して液晶パネルが形成される。対向電極は、対向基板となるガラス基板上にITO膜を全面に形成しパターニングした後、遮光用のクロムのパターニング層を形成する。遮光用のクロムパターニング層は、ITO膜を全面に形成する前に形成してもかまわない。更に、対向基板側に2μmのパターニングされた柱を作製した。この柱は、セルギャップを保つためのスペーサとして使用されると同時に耐衝撃力を有するようにした。この柱は、セルギャップを保つためのもので、柱の高さは液晶パネルの設計により適宜変えることができる。TFTアレイ基板と対向基板との互いに対向する面に配向膜を印刷し、ラビングすることによって、組み立て後に90度の角度をなす配向方向が得られるようにした。その後、対向基板の画素領域外部に紫外線硬化用のシール材を塗布した。TFTアレイ基板と対向基板とを対向させ接着した後、液晶を注入し液晶パネルが形成される。
遮光膜となるクロムによるパターンニング層は対向基板側に設けたが、TFTアレイ基板側に設けることもできる。遮光膜はクロム以外であっても光を遮蔽できる材料であれば使用できることはいうまでもなく、例えば、WSi(タングステンシリサイド)、アルミニウム、銀合金等が使用できる。
TFTアレイ基板上に遮光用のクロムのパターニング層を形成する場合、3種類の構造がある。第1の構造は、ガラス基板上に遮光用のクロムのパターニング層を形成したものである。遮光用のパターニング層を形成した後は、上記工程と同様に製造することができる。第2の構造は、上記構造と同様にTFTアレイ基板を製造後、最後に遮光用のクロムのパターニング層を設けたものである。第3の構造は、上記構造を作製する途中で、遮光用のクロムのパターニング層を設けたものである。遮光用のクロムによるパターニング層をTFTアレイ基板側に形成した場合は、対向基板に遮光用のクロムによるパターニング層を形成しなくとも良い。対向基板は、ITO膜を全面に形成後、パターニングすることで形成できる。
さて、本発明の実施例においては、上記TFTアレイ基板と対向基板間にネマチック液晶を狭持し、TNモードとなるように両基板間で90度ねじれた配向を実現した。また、走査電極駆動回路、信号電極駆動回路、並びに同期回路の一部と共通電極電位制御回路の一部をガラス基板上に作製した。
このように作製したTFTパネルを用い、映像信号へのオーバードライブ、共通電極電位のパルス状の変化を与える駆動をすると共に、p/d=3の液晶を用いた。また、映像信号作製用の比較演算回路も付与した。この構成で、180Hzのカラーフィールドシーケンシャル駆動を行った。色時分割光源としては、LEDによるバックライトを用いた。
画素ピッチを17.5μmとし、対角0.55インチの表示面積の中で、VGA(横640、縦480)の解像度の表示を行う構成とした。また、表示エリアの角部の画素には、薄膜トランジスタで作製したバッファアンプを設け画素電位の変動の様子を測定した。また、画素電極に接続した同じように作製したバッファアンプ特性測定用バッファアンプを基板内に作製した。以下で挙げる画素電位は、このバッファアンプ特性測定バッファアンプの測定結果に基づいて、ゲインとオフセットを考慮して、バッファアンプの出力電圧を補正した値である。
図28は、本実施例における共通電極電位、画素電極電位、この二つから求めた液晶層の電位差の各電位と、透過率と、の時間変化を示す。なお、電位測定では、階調電圧として、白表示、黒表示と共に中間調状態であるグレイ表示の3種類の電圧を使用した。図28の最上位図から分かるように、共通電極電位は、図20と同様に変化させた。図28の上から2番目の図のように、画素電位は映像信号書込みによって変化する。また、信号書込みが無い期間においても、液晶の応答に伴って、値が上昇したり下降したりしている。これは、画素電極と共通電極間に蓄積された電荷はほぼ一定に保たれていても、液晶が応答することによって液晶層の容量が変化するため、画素電位の電位変化が生じるためである。更に、共通電極電位にパルス状の変化を与えはじめると、画素電位は容量結合によって大きく変動する。図28の上から3番目の図は、画素電極電位と共通電極電位の差の絶対値に相当する液晶層の電位差を示す。パルス状変化のパルス高さ部では、それ以外の期間と比較して、電位差が大きい。これによって、オーバードライブ的な効果が得られていることが分かる。このパルス高さ部の期間では、液晶応答に伴う画素電位の変動が大きくなっている。即ち、液晶の応答が速くなって、液晶層の容量の変化が急激に生じていることを示唆している。パルス状の変化が終了する時点で、画素電位は再び容量結合によって変動する。図28の最下位の図は、これらの波形によって得られる透過率の時間変化を示す。透過率の単位は任意単位である。映像信号を書き込むと透過率が変化し始め、パルス状の変化を与えた期間に急速な透過率変化が起こる。パルス状変化を終了すると、各条件での安定状態に向かうように透過率が変化する。
次に、環境温度が変化した場合の本発明の実施例の表示装置の特性を測定した。また、オーバードライブとリセット駆動を併せたような駆動となっている特表2001−506376号公報の方式を用いた180Hzのカラーフィールドシーケンシャル表示装置を比較例として、実施例と比較例の特性を比較した。温度の影響を正確に把握するために、測定においては、恒温槽内に表示装置を設置し、表示部に貼り付けた温度センサをモニタし、所望の温度となってから30分待ってから測定することによって、表示部を安定的に所望の温度に制御した。図29は、温度を−10℃、25℃、70℃と変えたときの本発明の実施例の白表示における透過率の時間変化の様子である。図30は、比較例において温度を−10℃、25℃、70℃と変えたときの白表示における透過率の時間変化の様子である。本発明の実施例においては、パルス状の変化が終了してから、透過率は安定状態に向かい、どの温度でもほぼ同じ程度の透過率に達することが分かる。一方、比較例においては、70℃ではリセット後に急速に透過率が上昇しているが、25℃では緩やかな上昇に留まっている。更に、−10℃では、ほとんど透過率が上昇せず、最大到達透過率は70℃の5分の1程度となってしまっている。図31は、カラーフィールドシーケンシャル方式において光源を点灯している期間の透過率を積分した光積分透過率の温度依存性を、本発明の実施例と比較例とで示した図である。実際の使用においては、最大到達透過率より、光源点灯期間の平均的な透過率が重要となるため、光積分透過率が指標として使用される。比較例では、温度変化に伴い、急激な光積分透過率の変化がおきる。−10℃は70℃と比較すると10分の1程度になっており、低温では比較例の装置は使用できない。
更に、カラーフィールドシーケンシャル方式の周波数を高くした場合に、本発明の表示装置の特性がどのようになるかについて測定した。図29乃至図31と同様に、特表2001−506376号公報の方式を用いた表示装置を比較例として用いた。周波数として180Hzと360Hzを用い、光積分透過率とコントラスト比を測定した。図32にその結果を示す。図32から分かるように、180Hzでは、実施例と比較例の光積分透過率とコントラスト比は、ほぼ同じである。360Hzにした場合、比較例では光積分透過率もコントラスト比も急激な低下を示す。その結果、画像を視認することが困難となった。一方、本発明の実施例で360Hzにした場合、光積分透過率が180Hzの時の60%程度になり、コントラスト比はほとんど変わらない。この結果、180Hzに比べて若干暗くなるが、良好に視認される表示が得られる。
本実施例の液晶表示装置は、150カンデラ平方メートル以上の輝度を得られており、比較的強い外光下でも、良好に表示が視認できた。更に強烈な光の下では、光センサの信号によってバックライトを消すことにより、白黒型表示装置として使用できた。
このように本発明によれば、透過型ねじれネマチック液晶表示装置において、360Hzのカラーフィールドシーケンシャル駆動が可能となる極めて高速な応答が得られる。
また、本発明における映像信号に対するオーバードライブは、従来のオーバードライブ方式より低い電圧で十分である。本実施例においては、図28の画素電位のように黒表示に対して6Vの電圧を印加している。ここで使用している液晶材料を通常の駆動をした場合、黒表示に対して5Vの印加電圧を必要としていることから、オーバードライブにおける電圧は1Vである。一方、従来のオーバードライブ方式では、通常、2Vから3Vの電圧を付加する。すなわち、本実施例の材料に対しては、本実施例の6Vに対し、従来の方式では7V〜8Vを必要とする。この差は、本発明では、2段階のオーバードライブに相当する共通電極電位等のパルス状の変化によって、効果的に高速化しているために生じている。
本発明は、液晶表示装置の応答速度の高速化等に極めて有益である。
本発明の第1の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の表示部の構成例を示す図である。 本発明の表示部の構成例を示す図である。 本発明の表示部の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態のタイミングの例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の波形の例を示す図である。 本発明の第4乃至第6の実施の形態の電気的に分離された電極を走査する順序の例を示す図である。 本発明の第4乃至第6の実施の形態の表示部の電気的に分離された電極の形状の例を示す図である。 本発明の第4乃至第6の実施の形態を適用した携帯電話用ディスプレイの例を示す図である。 本発明の第4乃至第6の実施の形態の表示部の電気的に分離された複数の共通電極と、電気的に分離された複数の蓄積容量電極の配置の例を示す図である。 従来のリセットと同様の効果を有するパルス状の変化を与えた場合の透過率の時間変化を示す図である。 本発明のリセットしないパルス状の変化を与えた場合の透過率の時間変化を示す図である。 本発明の第12及び第13の実施の形態に係る表示装置を駆動する駆動装置の一例を示すブロック図である。 本発明の第15の実施例の立下り時応答におけるねじれピッチ/厚みと、透過率50%での傾きの関係を示す図である。 レンチキュラーレンズシート(レンチキュラーフィルム)を示す斜視図である。 両面プリズムシートを示す斜視図である。 本発明の第21の実施の形態に係るフィールドシーケンシャル表示システム全体の概略図である。 本発明の第24の実施の形態の波形の例を示す図である。 本発明の第25の実施の形態の波形の例を示す図である。 本発明の第30の実施の形態の表示装置の一例を示すブロック図である。 本発明の第30の実施の形態の表示装置の他の例を示すブロック図である。 本発明の第30の実施の形態の表示装置の他の例を示すブロック図である。 本発明の第36の実施の形態の表示装置のデジタル駆動の波形の一例を示す図である。 本発明の第36の実施の形態の表示装置のデジタル駆動の波形の他の例を示す図である。 ペンタイル配列の例を示す。 本発明の実施例における電位並びに透過率の時間変化の測定結果を示す図である。 本発明の実施例において、温度を変えて測定した透過率の時間変化を示す図である。 比較例において、温度を変えて測定した透過率の時間変化を示す図である。 本発明の実施例と比較例における光積分透過率の温度への依存性を示す図である。 本発明の実施例と比較例におけるコントラスト比と光積分透過率の、駆動周波数に対する依存性を示す図である。 ノーマリーホワイト表示のねじれネマチック液晶におけるオン時応答とオフ時応答の決定の方法の概略を示す図である。 通常の駆動方法を用いた液晶表示装置での応答時間の一例を示す概念図である。 オーバードライブを用いた液晶表示装置での応答時間の一例を示す概念図である。 特表2001−506376号公報の方法、すなわち、オーバードライブとリセットを足したような駆動による液晶表示装置での応答時間の一例を示す概念図である。 本発明の液晶表示装置での応答時間の一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施例で使用するプレーナ型ポリシリコンTFTスイッチの断面構造を示す断面図である。 本発明で用いられる表示パネル基板の作成の主要工程を説明するための断面図である。 本発明で用いられる表示パネル基板の作成の主要工程を説明するための断面図である。 従来の液晶表示装置を構成する画素回路の例を示す図である。 TN液晶の等価回路を示す図である。 従来の液晶表示装置でTN液晶を駆動する場合のタイミングチャートである。 従来のリセット駆動の効果を示す図であり、点線は通常の駆動、実線はリセット駆動による駆動の光強度変化を示す図である。 従来のコモン電圧を変調する駆動を説明する図であり、上の図は共通電極に印加される電圧波形を示し、下の図は光強度を示す図である。 ある一画素に電気的に接続される配線及び電位の関係を示す図である。 対向電極電位及び蓄積容量線電位が時定数回路によって決定される場合の対向電極電位及び蓄積容量線電位の時間変化並びに液晶容量電位の変動の時間変化を示す図である。 簡便な方式で利用される各色信号及び映像信号の極性に応じたLUTの例を示す図である。
符号の説明
10 ガラス基板
11 酸化シリコン膜
12 アモルファスシリコン
13 酸化シリコン膜
14 フォトレジスト
15 酸化シリコン膜
16 マイクロクリスタルシリコン(μ-c-Si)
17 タングステンシリサイド(WSi)17
18 フォトレジスト
19 酸化シリコン膜/窒化シリコン膜
20 金属(アルミニウムとチタン)
21 窒化シリコン膜
22 画素電極(ITO)
23、24 LDD領域
25 ドレイン電極
26 ソース電極
27 ポリシリコン
28 酸化シリコン膜
29 ガラス基板
51 信号電極線
52 薄膜トランジスタ
53 走査電極線
54 画素電極
64 液晶ディスプレイ
65 信号源
66 アナログデジタルコンバータ回路
67 タイミング制御回路
68 出力制御バッファ
69 第1ラッチ回路
70 第2ラッチ回路
71 メモリ
72 演算器
80 駆動装置
100 LCD
101 LED
102 DAC
103 コントローラIC
104 パルスジェネレータ
105 コントローラ
106 高速フレームメモリ
107 同期信号
108 LED制御信号
109 駆動パルス
110 画像データ
121 レンチキュラーレンズシート(レンチキュラーフィルム)
122 シリンドリカルレンズ
123 レンチキュラーレンズ
124 光分離プリズム
151 共通電極に印加される電圧波形
152 波形151と対応した時間における対応する光強度波形
153、154、155、156 画素光強度曲線
200 表示部
201 映像信号駆動回路
202 走査信号駆動回路
203 共通電極電位制御回路
204 同期回路
205 容量電極電位制御回路
211 映像信号電極」
212 走査信号電極
213 スイッチング素子
214 画素電極
215 共通電極
216 蓄積容量電極
251 変調同期回路
252 光強度可変光照射部
253 切替同期回路
254 色可変光照射部
255 変調・切替同期回路
256 光強度可変・色可変光照射部
301 パルス状変化前の期間
302 パルス高さ期間
303 パルス状変化後の期間
501 液晶容量
502 蓄積容量
503 画素TFT
504 対向電極の時定数回路
505 蓄積容量線の時定数回路
506 対向電極電位(VCOM)
507 画素電位(VLC)
508 蓄積容量電位(VST)
901 走査線(又は走査電極)
902 信号線(又は映像信号電極)
903 画素電極
904 MOS型トランジスタ
905 蓄積容量電極
906 蓄積容量
907 対向電極(又は共通電極)
908 液晶

Claims (61)

  1. 液晶表示部と、映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路と、同期回路とを備えた液晶表示装置において、前記液晶表示部は、走査電極と、映像信号電極と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子と、共通電極とを有し、前記共通電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し、映像信号を画素電極に伝達した後に、前記共通電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 液晶表示部と、映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、蓄積容量電極電位制御回路と、同期回路とを備えた液晶表示装置において、前記液晶表示部は、走査電極と、映像信号電極と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子、並びに蓄積容量電極とを有し、前記蓄積容量電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し、映像信号を画素電極に伝達した後に、前記蓄積容量電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 液晶表示部と、映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路と、蓄積容量電極電位制御回路と、同期回路とを備えた液晶表示装置において、前記液晶表示部は、走査電極と、映像信号電極と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子と、共通電極と、蓄積容量電極とを有し、前記共通電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し映像信号を画素電極に伝達した後に、前記共通電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し、映像信号を画素電極に伝達した後に、前記蓄積容量電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なり、前記蓄積容量電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 液晶表示部と、映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路と、同期回路とを備えた液晶表示装置において、前記液晶表示部は、走査電極と、映像信号電極と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子と、互いに電気的に分離された複数の共通電極とを有し、前記共通電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の一部を走査し、映像信号を画素電極に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記共通電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 液晶表示部と、映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、蓄積容量電極電位制御回路と、同期回路とを備えた液晶表示装置において、前記液晶表示部は、走査電極と、映像信号電極と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子と、互いに電気的に分離された複数の蓄積容量電極とを有し、前記蓄積容量電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の一部を走査し、映像信号を画素電極に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記蓄積容量電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 液晶表示部と、映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路と、蓄積容量電極電位制御回路と、同期回路とを備えた液晶表示装置において、前記液晶表示部は、走査電極と、映像信号電極と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に映像信号を伝達する複数のスイッチング素子と、互いに電気的に分離された複数の共通電極と、互いに電気的に分離された複数の蓄積容量電極とを有し、前記共通電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の一部を走査し、映像信号を画素電極に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記共通電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記蓄積容量電極電位制御回路は前記走査信号駆動回路が走査電極の一部を走査し、映像信号を画素電極に伝達した後に、前記走査信号駆動回路により走査された前記走査電極に対応する前記蓄積容量電極の電位を前記液晶表示部の表示をリセットしない電位の範囲でパルス状に変化させ、前記共通電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該共通電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なり、前記蓄積容量電極の電位は液晶表示部の応答特性を考慮した電位であり、当該蓄積容量電極の電位はパルス状に変化させる直前と直後とで異なることを特徴とする液晶表示装置。
  7. 前記共通電極の電位が、少なくとも4つの電位間で変化することを特徴とする請求項1、3、4又は6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  8. 前記蓄積容量電極の電位が、少なくとも4つの電位間で変化することを特徴とする請求項2、3、5又は6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. 前記パルス状に変化させる共通電極の電位は、前記画素電極と前記共通電極との電位差を一時的に大きくする方向にパルス状に変化させることを特徴とする請求項1、3、4、6又は7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 前記パルス状に変化させる前記蓄積容量電極の電位は、前記画素電極と前記蓄積容量電極との電位差を一時的に大きくする方向にパルス状に変化させることを特徴とする請求項2、3、5、6又は8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  11. 前記映像信号の電位が電荷保持型駆動時の液晶表示部の応答特性を考慮しスタティック駆動における安定表示状態の映像信号の電位と異なっていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  12. 前記映像信号の電位は、液晶表示部の応答特性を考慮すると共に、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、新たに表示するべき表示データとを比較することによって決定されることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
  13. 前記液晶表示部の前記画素電極と前記共通電極との間に液晶物質が狭持されていることを特徴とする請求項1、3、4、6、7又は9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  14. 前記液晶物質がネマチック液晶であり、且つ、ねじれネマチック配向となっていることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  15. 前記ねじれネマチック配向の前記液晶物質のねじれピッチp(μm)と前記ねじれネマチック配向の前記液晶物質の層の平均的厚さd(μm)との間に、0<p/d<20の関係が成立することを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置。
  16. 前記ねじれネマチック配向の前記液晶物質のねじれピッチp(μm)と前記ねじれネマチック配向の前記液晶物質層の平均的厚さd(μm)との間に、0<p/d<8の関係が成立することを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
  17. 前記ねじれネマチック配向の前記液晶物質が連続的にねじれた構造に高分子安定化されていることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  18. 前記液晶物質が電圧制御複屈折モードであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  19. 前記液晶物質がパイ型配向(ベンド型配向)であることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  20. 光学補償板を使用し、OCB(オプティカル・コンペンセイティッド・バイリフリジェンス)モードであることを特徴とする請求項19に記載の液晶表示装置。
  21. 前記液晶物質がホメオトロピック配向したVA(ヴァーティカル・アライメント)モードであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  22. 前記液晶物質がマルチドメイン化されていることを特徴とする請求項21に記載の液晶表示装置。
  23. 前記液晶物質が基板面とほぼ平行な電界によって応答するIPS(イン・プレーン・スイッチング)モードであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  24. 前記液晶物質がFFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モード又はAFFS(アドヴァンスト・フリンジ・フィールド)モードであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  25. 前記液晶物質が強誘電性液晶物質、反強誘電性液晶物質、又はエレクトロクリニック型応答を示す液晶物質であることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  26. 前記液晶物質がコレステリック液晶物質であることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
  27. 前記液晶物質が電圧無印加又は低電圧印加の構造に高分子安定化されていることを特徴とする請求項18乃至26のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  28. 前記液晶表示部にカラーフィルタが設けられていてカラー表示するものであることを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  29. レンチキュラーレンズシート若しくはレンチキュラーフィルム又は両面プリズムシートを前記液晶表示部に設け立体表示を行うものであることを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  30. 映像信号を複数の色に対応した複数の色映像信号に分割し、前記複数の色に対応した光源を所定の位相差で前記複数の色映像信号に同期し、前記複数の色映像信号を時間的に順次表示するカラーフィールドシーケンシャル(色時分割)方式であることを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  31. 映像信号が右目用映像信号と左目用映像信号からなり、且つ、各片目用映像信号を複数の色に対応した複数の色映像信号に分割し、前記複数の色に対応し、且つ、2箇所に配された光源を所定の位相差で前記片目用映像信号に同期し、且つ、前記複数の色映像信号に同期して、前記片目用映像信号を時間的に順次表示すると共に、前記片目用映像信号は分割された複数の色映像信号として時間的に順次表示されるカラーフィールドシーケンシャル(色時分割)式時分割型立体表示方式であることを特徴とする請求項30に記載の液晶表示装置。
  32. 画素スイッチがアモルファスシリコンによる薄膜トランジスタで構成されるアモルファスシリコン薄膜トランジスタ表示装置であることを特徴とする請求項1乃至31のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  33. 画素スイッチがポリシリコンによる薄膜トランジスタで構成されるポリシリコン薄膜トランジスタ表示装置であることを特徴とする請求項1乃至31のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  34. 画素スイッチが単結晶シリコンによるトランジスタで構成されることを特徴とする請求項1乃至31のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  35. 前記映像信号が所定のタイミングで極性が反転されると共に、複数の電位間を変化する前記共通電極の電位のうち印加される期間が他の電位に比べ長い一つ又は二つの電位が、前記映像信号として印加される全ての電位の内の最大電位と最小電位の中間の電位にほぼ等しいことを特徴とする請求項1、3、4、6、7、9、13乃至27のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  36. 前記映像信号が所定のタイミングで極性が反転されると共に、複数の電位間を変化する前記共通電極の電位のうち印加される期間が他の電位に比べ長い一つ又は二つの電位が、前記映像信号として印加することができる全ての電位の内の最大電位と最小電位の一方にほぼ等しいことを特徴とする請求項1、3、4、6、7、9、13乃至27のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  37. 前記走査信号駆動回路が走査電極の初めの走査電極を走査し始める直前の前記共通電極電位と、前記走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し映像信号を画素電極に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の前記共通電極電位とが、等しい電位であることを特徴とする請求項1、3、4、6、7、9、13乃至27のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  38. 前記走査信号駆動回路が走査電極の初めの走査電極を走査し始める直前の前記共通電極電位と、前記走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し映像信号を画素電極に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の前記共通電極電位とが、異なる電位であることを特徴とする請求項1、3、4、6、7、9、13乃至27のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  39. 前記走査信号駆動回路が走査電極の初めの走査電極を走査し始める直前の前記共通電極電位は、これから印加する映像信号として取る事ができる最大電圧又は最小電圧の一方にほぼ等しく、また、前記走査信号駆動回路が走査電極の全てを走査し映像信号を画素電極に伝達した直後、且つ、パルス状に変化させる前の前記共通電極電位は、印加し終った映像信号として取ることができる最大電圧又は最小電圧の他方にほぼ等しいことを特徴とする請求項38に記載の液晶表示装置。
  40. 請求項35又は37に記載の液晶表示装置の駆動方法において、前記共通電極電位が4個の電位からなり、第1の電位は、前記反転される映像信号の一方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路が走査電極を走査する期間の前記共通電極電位であり、第2の電位は、第1の電位に続いて前記共通電極の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位であり、第3の電位は、第2の電位に続いて前記共通電極の電位をパルス状に変化させるときのパルス終了後の電位であると共に前記反転される映像信号の他方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路が走査電極を走査する期間の前記共通電極電位であり、第4の電位は、第3の電位に続いて前記共通電極の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位であることを特徴とする表示装置の駆動方法。
  41. 請求項36、38又は39のいずれか1項に記載の液晶表示装置の駆動方法において、前記共通電極電位が6個の電位からなり、第1の電位は、前記反転される映像信号の一方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路が走査電極を走査する期間の前記共通電極電位であり、第2の電位は、第1の電位に続いて前記共通電極の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位であり、第3の電位は、第2の電位に続いて前記共通電極の電位をパルス状に変化させるときのパルス終了後の電位であり、第4の電位は、前記反転される映像信号の他方の極性の映像信号を伝達するために走査信号駆動回路が走査電極を走査する期間の前記共通電極電位であり、第5の電位は、第4の電位に続いて前記共通電極の電位をパルス状に変化させるときのパルス高さ部の電位であり、第6の電位は、第5の電位に続いて前記共通電極の電位をパルス状に変化させるときのパルス終了後の電位であることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  42. 前記液晶表示部に光を入射する光照射部を有し、且つ、前記光照射部の光強度を前記映像信号と所定の位相を持って同期させて変調させる同期回路を有することを特徴とする請求項1乃至39のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  43. 前記液晶表示部に光を入射する光照射部を有し、且つ、前記光照射部の光の色を前記映像信号と所定の位相を持って同期させて変化させる同期回路を有することを特徴とする請求項1乃至39のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  44. 前記液晶表示部に光を入射する光照射部を有し、且つ、前記光照射部の光の光強度を前記映像信号と所定の位相を持って同期させて変調させると共に、前記光照射部の光の色を前記映像信号と所定の位相を持って同期させて変化させる同期回路を有することを特徴とする請求項1乃至39のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  45. 前記映像信号の極性に応じて、前記光照射部の光強度を前記映像信号と所定の位相をもって同期させて変調させることを特徴とする請求項42又は44に記載の液晶表示装置。
  46. 請求項42乃至45のいずれか1項に記載の液晶表示装置の駆動方法において、光照射部の光強度を変調するか、又は光の色を変化させるタイミングが、各フィールド又は複数の色に分割される場合はその色に対応した各サブフィールドの終了時の一定期間、次のフィールドの映像信号を書き込む直前の一定期間に位置することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  47. 前記映像信号の電位は、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、前記パルス状に変化させる前記共通電極の電位の変化に伴う画素電極電位の変動と、新たに表示すべき表示データとを比較することによって決定されることを特徴とする請求項1、3、4、6、7、9、13乃至27、42乃至45のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  48. 前記映像信号の電位は、映像信号書き込み以前の各画素の保持データと、前記パルス状に変化させる前記蓄積容量電極の電位の変化に伴う画素電極電位の変動と、新たに表示すべき表示データとを比較することによって決定されることを特徴とする請求項2、3、5、6、8、10、42乃至45のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  49. 前記保持データと前記表示データ及び前記画素電極電位の変動の比較は逐次行うことを特徴とする請求項47又は48に記載の液晶表示装置。
  50. 前記保持データと前記表示データ及び前記画素電極電位の変動の比較を、予め用意したLUT(ルックアップテーブル、対応表)によって行うことを特徴とする請求項47又は48に記載の液晶表示装置。
  51. 前記LUT(ルックアップテーブル、対応表)は、前記映像信号と所定の位相をもって同期させて変化させる前記光照射部の光の色に応じて異なっていることを特徴とする請求項50に記載の液晶表示装置。
  52. 前記LUT(ルックアップテーブル、対応表)は、前記映像信号の極性に応じて異なっていることを特徴とする請求項50に記載の液晶表示装置。
  53. 前記LUT(ルックアップテーブル、対応表)は、前記映像信号と所定の位相をもって同期させて変化させる前記光照射部の光の色及び前記映像信号の極性に応じて異なっていることを特徴とする請求項50に記載の液晶表示装置。
  54. 前記LUT(ルックアップテーブル、対応表)は、入力映像データと前記液晶表示部への出力電圧の関係を、前記映像信号の極性の変化の順番及び前記光照射部の光の色の変化の順番に応じて記載したLUTであることを特徴とする請求項53に記載の液晶表示装置。
  55. ねじれネマチック液晶を用いる液晶表示装置において、リセットしないパルス状の変化は、パルス状変化を与えている間の液晶の平均立ち上がり角度を81度以下とすることを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  56. 前記リセットしないパルス状の変化は、パルス状変化を与えている間の液晶の平均立ち上がり角度を65度以下とすることを特徴とする請求項55に記載の液晶表示装置。
  57. 請求項1乃至39、42乃至45、47乃至56のいずれか1項に記載の液晶表示装置を用いたことを特徴とするニアアイ機器。
  58. 投射光学系を用いて液晶表示装置の元画像を投射する投射機器において、請求項1乃至39、42乃至45、47乃至56のいずれか1項に記載の液晶表示装置を用いたことを特徴とする投射機器。
  59. 請求項1乃至39、42乃至45、47乃至56のいずれか1項に記載の液晶表示装置を使用したことを特徴とする携帯端末。
  60. 請求項1乃至39、42乃至45、47乃至56のいずれか1項に記載の液晶表示装置を使用したこと特徴とするモニタ装置。
  61. 請求項1乃至39、42乃至45、47乃至56のいずれか1項に記載の液晶表示装置を使用したことを特徴とする移動体用表示機器。
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