JP4553598B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
近年においては、このような照明手段として、発光ダイオード(以下、LED)を採用したものが提案されている。また、それぞれにLED照明を備えた光学系の異なるアダプタを挿入部の先端に着脱自在とし、観察対象や用途に応じて予め用意された複数種類の中から最適のアダプタを選択して交換使用を可能に構成した内視鏡装置も提案されている。(たとえば、特許文献1参照)
このような接続部を備えている内視鏡装置では、誤って主電源がONになっている通電状態のままアダプタの接続作業を行った場合には、LED照明に急激な通電が行われることとなる。また、LED照明に通電されたままの状態でアダプタの分離操作を行った場合には、通電が急激に停止されることとなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、LED照明を備えたアダプタ等の着脱によりLEDへの電源供給回路が接続または断続されるとき、LEDに通電される電流が急激に変動するのを防止することにある。
前記電源供給回路が、着脱部に設けられ着脱操作時に時間差をもって接触及び離脱する第1及び第2の電極を具備し、前記主電源と前記照明部との装着操作時に前記照明部への電流値を段階的に増加させ、かつ離脱操作時に前記照明部への電流値を段階的に減少させる電流変化手段を備えていることを特徴とするものである。
<第1の実施形態>
最初に、図1ないし図5に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。
図5は、本実施形態に係る内視鏡装置の全体構成例を示す外観斜視図であり、(a)は内視鏡装置本体をケース内に格納する前の状態、(b)は内視鏡装置本体をケース内に格納した状態を示している。
内視鏡本体3は、ドラム部4に挿入部2を巻き回した状態でクッション材等よりなる収納部5の凹部収納位置5aに嵌め込むようにして保持され、収納部5とともにケース6内に格納して保管及び搬送される。なお、図中の符号5bはアダプタケース7の収納凹部、6aはケース6にヒンジを介して取り付けられた開閉蓋、6bは口金、6cは取っ手である。
また、このドラム部4には、後述する挿入部2の湾曲操作を行うためのジョイスティック等を備えた操作部のリモートコントローラ(図示省略)が操作ケーブルを介して接続されている。
一方のアダプタ30は、LED照明32等の電気機器を備え、挿入部2の先端部に着脱自在に設けられている先端部材である。また、このアダプタ30を着脱する相手方の部材は、可撓管部20の先端部に形成された先端硬質部21となる。可撓管部20は、上述した先端硬質部21と、アダプタ30の先端面を所望の観察方向に向けるための湾曲部22と、これらに連接する柔軟で長尺な可撓性部材23とを具備して構成される。湾曲部22は、先端硬質部21のやや後方となる位置に設けられ、たとえば図4に基づいて後述するように、湾曲操作用として複数の流体圧アクチュエータFAを備えている。
一方のメイン電極(第1の電極)26は、図3に示すように、接続時には先に接触し、かつ、分離時には遅れて離脱する突出高さの大きい電極である。このメイン電極26は、挿入部2の内部を通る電線28と電気的に接続され、この電線28を介してドラム部4内の主電源回路10に接続されている。この主電源回路10は、バッテリ等の電源からアダプタ30に設けられているLED照明32に電源供給を行うためのものであり、通電のON/OFF用として図示しないリレー(スイッチ)を備えている。この場合、先端硬質部21は、ステンレス等の金属部材であるので、円柱、角柱及び中空円柱等の柱状としたメイン電極26の周面部分を絶縁部材(図示省略)で覆うことにより、メイン電極26は、少なくとも先端面の一部がアダプタ20側の電極と接触することによって、通電可能となる。
LED照明32は、円板の中央部に貫通孔を設けてドーナツ形状としたLED基板33の一面(前面)に周方向へ複数配列されている。このLED基板33は、図1及び図2に示すように、略中空円筒状とした外枠部材34の前端に挿入され、LED照明32を配設した前端面側が外枠部材34の前端部を内側に折曲して形成した係止部34aに当接して位置決めされる。
LED押さえ36の軸中心に沿って形成された空間部36aには、光学レンズ系となる対物レンズ群37が設けられている。図示の例では、観察窓31が開口する先端面側から順に、第1レンズ37a、スペーサ37b、第2レンズ37c、スペーサ37d、絞り37e及び第3レンズ37fを軸方向に並べた構成のレンズ群37とされる。
電極基板38は、たとえば図1(b)に示すように、第1基板39、第2基板40及び第3基板41の3枚よりなる積層体とされる。この電極基板38は、図1(c)に示すように、円形とした樹脂基板(以下、円板)の中心部に貫通孔38aを設けて位置決めを容易にしたドーナツ形状とされ、同貫通孔38aの外側には、内周面に導電体を被覆した上下一対のスルーホール38bが形成されている。このスルーホール38bには、それぞれLED基板33にLED照明32用の電源を供給するための電線43が、半田付け等により電気的に接続されている。
一方のメイン電極パターン38cは、一対のスルーホール38b毎に独立して、換言すれば一対のメイン電極パターン38cが互いに短絡しないよう分離されて、それぞれが円弧状に形成されている。また、他方のスイッチ電極パターン38dは、一対のスルーホール38e毎に独立して、それぞれが円弧状に形成されている。この場合のスルーホール38eは、電極基板38を貫通するものではなく、基板内部で導電体を介して互いに電気的に接続されている。
なお、上述した電線43の他端は、LED基板33とLED押さえ36との間に形成されている電線通路を通り、LED基板33の先端面に設けられた電極部33aに接続される。
この導電ゴム42は、たとえばシリコンゴム等をシート状とした弾性体42aの厚さ方向に、たとえば金メッキを施した金属粒子やニッケル粒子等の導電部材42bが配列された構成のものである。従って、弾性体である導電ゴム42を厚さ方向に軽く押圧することにより、高密度化した導電部材42a間の導電性が向上し、厚さ方向への良好な導通が可能になる。しかし、弾性体42aが絶縁部材であることから、導電ゴム42の厚さ方向以外(たとえば周方向)については絶縁状態となる。この場合、ドット状(両表面の露出形状がドット状)に配置された各導電部材42bは、互いに絶縁部材に分離されて非導通の独立した状態とされる。
また、この導電ゴム42についても、上述した電極基板38と同様に、中心部に貫通孔42cを設けて位置決めを容易にしたドーナツ形状とされる。
ストライプタイプの導電ゴムは、厚さ方向に配列された導電部材が絶縁部材である弾性体にストライプ状に配置されたものである。この場合、ストライプ状(両表面及び各断面の露出形状がストライプ状)に配置された各導電部材は、互いに絶縁部材に分離されて独立した状態とされる。なお、ストライプ状の導電部材については、互いに分離されていればその配列方向や配列形状(たとえば平行配列など)が特に限定されることはない。
なお、接続リング44の内周面には、その後端部側に挿入部2からの脱落防止用となる内ネジ部44a′が設けられている。
なお、このようなアダプタ30は、上述したように先端面に観察窓31やLED照明32が配設された直視用の他にも、たとえば図5に示すように、側面(円周面)に観察窓やLED照明を備えた側視用のアダプタ30Aや対物レンズ群37の構成を変えて光学的な仕様の異なっているアダプタもある。
この流体アクチュエータFAは、両端部側で前口金24及び後口金25を挟持するようにして連結された外コイル管50及び外チューブ51の内部に内チューブ52及び内コイル管53を挿入し、内チューブ52と外チューブ51との間にマルチルーメンチューブ54を配置した構成とされる。
上述した外コイル管50及び内コイル管53は、容易に湾曲するたとえばステンレス製の管状部材であり、また、外チューブ51及び内チューブ52は、マルチルーメンチューブ54が外コイル管50及び内コイル管53の線間に挟まれて破損することを防止するたとえばフッ素製の薄肉チューブである。なお、図中の符号57は固定用の巻糸である。
なお、湾曲部22を湾曲させる手段については、上述した流体アクチュエータFAに限定されることはなく、たとえばワイヤ式など他の公知の手段を採用可能であることはいうまでもない。
このような抜け止め位置の状態から、さらに挿入部2を押し込むようにして接続リング44を回転させると、こんどは外ネジ部21bが内ネジ部44aと螺合するので、挿入部2の先端部に対してアダプタ30が所定位置に固定された状態で連結される。なお、図中の符号21cは周方向の位置決め用に設けた凹溝部であり、LED押さえ36の内周面に設けた図示しない凸部と係合して位置決めするようになっている。
また、アダプタ30を挿入部2から取り外す場合には、上述した動作とは逆に、最初にスイッチ電極27が導電ゴム42から離脱してスイッチ回路11への通電が停止される。このため、主電源回路10のリレーが動作してOFFとなり、わずかに遅れてメイン電極26が導電ゴム42から離脱するので、主電源からLED基板33への通電はゆっくりと停止される。
従って、着脱操作時においては、メイン電極26とスイッチ電極27とが時間差をもって接触及び離脱するので、主電源回路10からLED基板33に突然通電されたり、あるいは、通電されていた電流が突然停止されるようなことはなく、LED照明32に急激な電流変化が生じるようなことはない。すなわち、急激な電流変化によりLED照明32に急激な温度変化が生じることはないので、これを原因とする劣化や破損を抑制及び防止することができる。
なお、板状部材である導電ゴム42の採用は、電極の内部に弾性部材を配設する構成と比較して、挿入部2を細径化する上で有利になる。また、導電ゴム42が弾性体であるため、メイン電極26及びスイッチ電極27との接触、さらには電極基板38のメイン電極パターン38c及びスイッチ電極パターン38dとの間において良好な密着性が得られるので、導電性の向上した導電ゴム42を介して確実に通電させることができる。
続いて、本発明の第2の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態に示す通電制御手段では、挿入部2の先端面21aに突出高さの異なる二組の電極、すなわち主電源電極(第2の電極)27A及び予備電源電極(第1の電極)26Aを設けてある。一方の主電源電極27Aは突出高さが予備電源電極26Aより低く設定され、電線29Aを介して電源電圧の高い(たとえば12V程度)主電源回路10Aと接続されている。また、他方の予備電源電極26Aは、電線28Aを介して電源電圧を低く(たとえば5V程度)設定した予備電源回路12と接続されている。
また、アダプタ30を挿入部2から取り外す場合には、上述した動作とは逆に、最初に主電源電極27Aが導電ゴム42から離脱し、続いて予備電源電極26Aが導電ゴム42から離脱するので、LED基板33に通電される電圧変動が緩和されて急激に低下するようなことはない。
従って、主電源回路10AからLED基板33に対して突然高電圧が通電されたり、あるいは、主電源回路10AからLED基板33に通電されていた電流が突然停止されるようなことはないので、LED照明32に急激な電流変化が生じるようなことはない。すなわち、急激な電流変化によりLED照明32に急激な温度変化が生じることはないので、これを原因とする劣化や破損を抑制及び防止することができる。
続いて、本発明の第3の実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。なお、上述した各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の通電制御手段では、上述した第2の実施形態と同様に、挿入部2の先端面21aに突出高さの異なる二組の電極、すなわち主電極(第2の電極)27B及び補助電極(第1の電極)26Bを設けてある。一方の主電極27Bは突出高さが補助電極26Bより低く設定され、先端面21aからわずかに突出するように設定されている。また、他方の補助電極26Bは、導電ゴム42′の厚さを貫通して突出する高さに設定されている。なお、補助電極26B及び主電極27Bは、それぞれが電線28B,29Bを介して主電源回路10Bと接続されている。
さて、この実施形態では、補助電極26Bと主電源回路10Bとを接続する電線28Bの適所に、電気抵抗Rが配設されている。
また、アダプタ30側の電極基板38Bは、前端面側に電線43を接続したスルーホール38bが一対設けられ、後端面側にはスルーホール38bとそれぞれ独立して電気的に接続された電極パターン38fが設けられている。なお、電極パターン38fには、補助電極27B及び主電極26Bがそれぞれ1つずつ接触するようになっている。
また、アダプタ30Bを挿入部2から取り外す場合には、上述した動作とは逆に、最初に導電ゴム42′が導電ゴム42から離脱し、続いて補助電極26Bが導電ゴム42から離脱するので、LED基板33に通電される電流変動が緩和されて急激に低下するようなことはない。
従って、主電源回路10BからLED基板33に対して突然高電圧(大電流)が通電されたり、あるいは、主電源回路10BからLED基板33に通電されていた電流が突然停止されるようなことはないので、LED照明32に急激な電流変化が生じるようなことはない。すなわち、急激な電流変化によりLED照明32に急激な温度変化が生じることはないので、これを原因とする劣化や破損を抑制及び防止することができる。
続いて、本発明の第4の実施形態を図10ないし図12に基づいて説明する。なお、上述した各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の通電制御手段では、通電制御手段としてスイッチング素子60が設けられている。このスイッチング素子60は、たとえば図12に示すように、通電開始から所定時間t1 経過後に実際の通電を開始する(すなわち、通電開始を遅らせる)通電遅延機能を有するものであり、挿入部2から分離される先端部側のアダプタ30内に、LED照明32とともに設けられる電極基板38Aに配設されている。
スイッチング素子60を配設した電極基板38Aの後端面側には、スルーホール38bに接続された一対の主電源電極パターン38cと、主電源接続電極パターン38gとが設けられている。
従って、一方の電線43は、主電源接続電極パターン38g、スイッチング素子60及び一方の主電源電極パターン38cと電気的に接続され、他方の電線43は、他方の主電源電極パターン38cと直接、電気的に接続された構成とされる。
このような構成とすれば、一方の主電源電極27Cが主電源接続電極パターン38gに接触し、スイッチング素子60、主電源電極パターン38c及び電線43を介してLED照明32と電気的に接続される。また、他方の主電源電極27Cは、主電源電極パターン38c及び電線43を介して、LED照明32に接続される。
なお、上述した構成例では導電ゴム42″に貫通孔42dを穿設してあるが、主電源電極27Cが先端面21aから突出する高さを最小にして、貫通孔42dのない導電ゴムを介在させるようにしてもよい。
図13に示した実施例では、アダプタケース70が本体収納部71及び開閉蓋72を備えて構成される。本体収納部71には、複数のアダプタ30等を並べて収納するアダプタ収納部73と、加熱手段の電源となるバッテリ74とが配設されている。なお、バッテリ74には、一対のバッテリ電極74a,74bが上面を向いて設けられている。
また、アダプタ30の加温及び保温については、上述した実施例のアダプタ収納箱70の他にも、たとえば図5に示した収納部5の適所に、好適にはアダプタ30の収納位置近傍にヒータ等の加熱手段を設けて加温及び保温するなど、種々の変形例が可能である。
2 挿入部
3 内視鏡本体
10,10A,10B 主電源部
11 スイッチング回路
12 予備電源回路
20,20A,20B 可撓管部
21 先端硬質部
21a 先端面
22 湾曲部
23 可撓性部材
26 メイン電極(第1の電極)
26A 予備電源電極(第1の電極)
26B 補助電極(第1の電極)
27 スイッチ電極(第2の電極)
27A 主電源電極(第2の電極)
27B 主電極(第2の電極)
27C 主電源電極
30,30A,30B アダプタ(先端部材)
31 観察窓
32 LED照明(電気機器)
33 LED基板
33a 電極部
34 外枠部材
34a 係止部
35 LED固定部
36 LED押さえ
36a 空間部
36b 内筒部
36c 段差部
37 対物レンズ群(光学レンズ系)
38,38A 電極基板
38b,38e スルーホール
38c メイン電極パターン
38d スイッチ電極パターン
39 第1基板
40 第2基板
40a 導体パターン部
41 第3基板
42,42′ 導電ゴム(異方導電性の弾性部材)
44 接続リング
60 スイッチング素子(通電制御手段)
FA 流体アクチュエータ
R 電気抵抗
Claims (2)
- 挿入部の先端部に発光ダイオードからなる照明部を備え、前記照明部と主電源との間で前記照明部に着脱可能な電源供給回路が主電源と接続されている内視鏡装置であって、
前記電源供給回路が、着脱部に設けられ着脱操作時に時間差をもって接触及び離脱する第1及び第2の電極を具備し、
前記主電源と前記照明部との装着操作時に前記照明部への電流値を段階的に増加させ、かつ離脱操作時に前記照明部への電流値を段階的に減少させる電流変化手段を備えていることを特徴とする内視鏡装置。 - 前記挿入部の先端部に有する主電源につながる主電源電極と、
前記照明部側の電極基板と、
前記主電源電極と前記電極基板とが接触してから所定時間経過後に前記照明部への通電が開始されるスイッチング素子とからなることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
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