JP4553388B2 - ハイブリッド電気自動車の制御装置 - Google Patents
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Description
また、エンジンのほかに電動機を車両に搭載し、エンジンの駆動力と電動機の駆動力とをそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能とした、いわゆるパラレル型ハイブリッド電気自動車が開発され実用化されている。
特許文献1のハイブリッド電気自動車においては、エンジンの駆動力が主クラッチ及び変速機を介して駆動輪に伝達可能であると共に、変速機内のカウンタ軸及びリバースアイドル軸を介してPTO軸に伝達可能となっており、PTO軸に伝達されたエンジンの駆動力は、PTOクラッチを介して作業装置に伝達されるようになっている。また、電動機の回転軸はリバースアイドル軸に連結されており、電動機の駆動力を駆動輪や作業装置に伝達することも可能となっている。
また、エンジンの運転中にPTO装置を介した作業装置への動力の伝達を開始する際には、制御手段がPTOクラッチを接続する前に主クラッチを切断し、PTOクラッチの出力側回転数に対応した目標回転数となるように電動機を制御する。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、制御手段が電動機を制御することにより電動機の回転数と目標回転数との差が減少して所定回転数以下になったときにPTOクラッチを接続する。
また、車両が停車しエンジンが運転中のときにPTO装置を介した作業装置への動力の伝達を開始する際には、PTOクラッチを接続する前に主クラッチを切断し、変速機をニュートラル状態から所定変速段に切り換える。このとき変速機の入力軸は電動機の慣性により回転を継続しており、所定変速段への切り換えに伴いPTOクラッチの入力側にもこの回転が伝達される。しかしながら、制御手段によりPTOクラッチの入力側と出力側との回転数差が生じないように電動機が制御されることにより、PTOクラッチの入力側はほとんど回転することなく所定変速段への切り換えが完了し、PTOクラッチの入力側は出力側と同様に停止状態となる。そして上記所定変速段への切り換え完了後にPTOクラッチが接続される。
このように構成されたハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記位置ずらし制御を開始してから所定の第3規定時間内に所定変速段への切り換えが完了されない場合には、制御手段は所定変速段とは異なる変速段に一旦切り換えた後に、再び所定変速段への切り換えを行う。
従って、このような電動機の制御により、変速機の出力軸への回転駆動力の伝達が抑制されながら所定変速段への切り換えが行われるので、所定変速段への切換時におけるシンクロ機構の負荷を軽減することができる。そして、所定変速段への切り換え完了後はPTOクラッチの入力側が出力側と同様に停止状態となるので、振動やショックを生じることなくPTOクラッチを接続することができる。
また、請求項7のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、上記位置ずらし制御を開始してから所定の第3規定時間内に所定変速段への切り換えが完了されない場合には、制御手段は所定変速段とは異なる変速段に一旦切り換えた後に、再び所定変速段への切り換えを行うことにより、切換機構と所定変速段の変速ギヤとの相対的位置関係が変化し、所定変速段への切り換えが可能となる。
図1は本発明の一実施形態であるハイブリッド電気自動車1の制御装置の要部構成図である。ディーゼルエンジン(以下エンジンという)2の出力軸であるクランク軸にはクラッチ(主クラッチ)4の入力軸が連結されており、クラッチ4の出力軸は永久磁石式同期電動機(以下電動機という)6の回転軸を介して自動変速機(以下変速機という)8の入力軸が連結されている。また、変速機8の出力軸はプロペラシャフト10、差動装置12及び駆動軸14を介して左右の駆動輪16に接続されている。
また、クラッチ4は内部に装着された図示しないクラッチアクチュエータによりクラッチストロークを制御することができるようになっている。
車両ECU22(制御手段)は、車速センサ34によって検出された車両の走行速度などの車両の運転状態、エンジン2の運転状態、電動機回転数センサ(電動機回転数検出手段)36によって検出された電動機6の回転数、及びエンジンECU24、インバータECU26並びにバッテリECU28からの情報などに応じて、クラッチ4の接続・切断制御及び変速機8の変速段切換制御を行うと共に、これらの制御状態や車両の発進、加速、減速など様々な運転状態に合わせてエンジン2や電動機6を適切に運転するための統合制御を行う。
また、バッテリECU28は、バッテリ18の温度や、バッテリ18の電圧、インバータ20とバッテリ18との間に流れる電流などを検出すると共に、これらの検出結果からバッテリ18のSOCを求め、求めたSOCを検出結果と共に車両ECU22に送っている。
車両ECU22はこのような制御を行う際、アクセルペダル30の踏込量を検出するアクセル開度センサ32や、車速センサ34及び電動機回転数センサ36の検出結果に基づき、車両の走行に必要な要求トルクを演算する。そして、各ECUからの情報に基づき、そのときの車両の運転状態やエンジン2及び電動機6の運転状態に応じて、この要求トルクをエンジン2及び電動機6に配分し、エンジンECU24やインバータECU26に指示すると共に、必要に応じて変速機8やクラッチ4を制御する。
エンジンECU24はエンジン2をアイドル運転する一方、インバータECU26は、車両ECU22が指示したトルクに応じてインバータ20を制御し、バッテリ18の直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて電動機6に供給される。電動機6は交流電力が供給されることによってモータ作動して要求トルクを出力し、電動機6の出力トルクは変速機8を介して駆動輪16に伝達される。
エンジンECU24は車両ECU22が指示したトルクをエンジン2が出力するようエンジン2を制御すると共に、インバータECU26は、車両ECU22が指示したトルクに応じてインバータ20を制御することにより、エンジン2の出力トルクと電動機6のトルクとの合計が要求トルクとなり、変速機8を介して駆動輪16に伝達される。
エンジンECU24は車両ECU22が指示した要求トルクをエンジン2が出力するようエンジン2を制御すると共に、インバータECU26は、電動機6がモータ及び発電機のいずれとしても動作しないようインバータ20を制御することにより、エンジン2から出力された要求トルクが変速機8を介して駆動輪16に伝達される。
図2は、このようなPTO装置40と変速機8の概略構成図であり、図2に示すように変速機8は電動機6の回転軸に連結された入力軸42と、カウンタ軸44と、プロペラシャフト10に連結された出力軸46とを備えている。
また、変速ギヤ50aは1速、変速ギヤ50bは2速、変速ギヤ50cは3速、変速ギヤ50dは4速にそれぞれ対応している。
更に、変速機8には、変速機8がニュートラル状態にあることを含め、変速機8で現在どの変速段が使用されているかを検出して車両ECU22に出力する変速位置センサ56が設けられている。
カウンタ軸44とPTO入力軸60との間には、常時噛合して変速機8の動力を取り出すためのPTOギヤ64が設けられ、カウンタ軸44側のPTOギヤ64の歯車はカウンタ軸44に固定され、PTO入力軸60側のPTOギヤ64の歯車はPTO入力軸60に固定されている。
このように構成されたハイブリッド電気自動車1においてPTO装置40は、車速センサ34の検出結果に基づき車両が停車中であることが検出されると共に、図示しないパーキングブレーキが作動中であるという作動許可条件が満たされたときに作動が許可されるようになっている。そして、このような作動許可条件が満たされると、車両ECU22によって図3及び4のフローチャートによるPTO作動制御が開始される。
次に処理がステップS3に進むと、クラッチ4に設けられてこのクラッチストロークCSを検出するクラッチセンサ70の検出出力を受け、クラッチストロークCSが所定の第1ストロークC1に達したか否かを判定する。この第1ストロークC1は、クラッチ4を接続方向に制御したときに半クラッチ状態となり始めるクラッチストローク、即ちこれ以上クラッチストロークCSが増大するとクラッチ4の入力側と出力側とが接触しない状態となるストロークであって、ステップS3ではクラッチストロークCSが増大して第1ストロークC1に達したことにより、今後はクラッチ4の出力側にエンジン2の駆動力が伝達されなくなることを判定している。
ステップS4では、電動機6が作動可能な状態にあるか否かを判定する。即ち、電動機6自体やバッテリ18、インバータ20、インバータECU26、或いはバッテリECU28などに何らかの故障が発生したり、電動機6やバッテリ18或いはインバータ20の温度が許容温度範囲外にあるなどの要因により、電動機6を作動困難な状態にあるか否かを判定する(異常検出手段)。
変速機8の入力軸42は、ステップS2でクラッチ4の切断制御が開始され、クラッチストロークCSが第1ストロークC1より大きくなることにより、エンジン2からの駆動力の伝達が遮断されるものの、電動機6の慣性などによって依然として回転状態にある。そこで、ステップS5ではこのような回転をなくすために電動機6の制御が行われ、インバータECU26は車両ECU22からの指示を受けて、電動機6の回転数を0rpmとするために電動機6を発電機作動させ回生制動を行う。
この回転数偏差ΔNは、PTOクラッチ58を接続しても入力側回転数と出力側回転数との違いによって車両の乗員や作業者が不快な振動やショックを感じることのない回転数偏差として予め実験等によって求められるものであって、本実施形態では例えば30rpmとしている。
電動機6の回転数Nmと目標回転数Ntとの差の絶対値が、所定時間t1以内に回転数偏差ΔN以下となった場合には、上述のようにPTOクラッチ58を接続しても不快な振動やショックを発生することがないため、これ以上の電動機6による回生制動は不要としてステップS7で電動機6の制御を終了した後、ステップS8に進んでPTOクラッチ58を接続する。
この作業スイッチ72がオン状態とされず、ステップS12で作業スイッチ72がオン状態にないと判定した場合には、ステップS12の判定処理が繰り返され、ステップS12で待機状態となる。
処理がステップS13からステップS14に進むと、車両ECU22はクラッチ4のクラッチストロークCSが前述のクラッチ開始点に対応した第1ストロークC1となるようにクラッチ4を接続方向に制御し、次のステップS15に進む。
なお、このクラッチ4の接続制御も図示しない別の制御ルーチンによって実行され、処理がステップS15以降に進んだ後も、クラッチストロークCSが第1クラッチストロークC1となるまで継続されるようになっている。
このステップS15の処理は、クラッチ4が切断状態から半クラッチ状態へと移行したことを判定して次の処理へ進むために実行されるものであるが、実際に半クラッチ状態となってから次の処理に移行したのでは制御に遅れが生じるため、ΔCだけ手前の時点で次の処理に移行するようにしているのである。
なお、このクラッチ4の緩接続制御も図示しない別の制御ルーチンによって実行され、処理が次のステップS17以降に進んだ後も継続されるようになっている。
更に、作業装置38が何らかの理由により停止しておらず、回転している場合であっても、PTO回転数センサ66によって検出されたPTOクラッチ58の出力側回転数をPTOギヤ64の変速比と入力ギヤ48の変速比とを用いて電動機6の回転数に換算して求めた目標回転数Ntを用いて同様に制御が行われるので、PTOクラッチ58を接続する際の不快な振動やショックを防止することができる。
このときカウンタ軸44は前述のように電動機6の慣性などによって回転を継続しているが、変速機8の出力軸46は車両が停車しているため回転していない。従って、シンクロ機構52aによる出力軸46と変速ギヤ50aとの同期作用によって変速ギヤ50aの回転、即ちカウンタ軸44の回転は抑制され、1速の変速段への切り換えが完了した時点でカウンタ軸44の回転は停止する。一方、作業装置38は通常は停止した状態にあることから、PTOクラッチ58の入力側及び出力側が共に停止した状態となる。
また、PTO作動制御のステップS6で、電動機6の回転数Nmと目標回転数Ntとの差の絶対値が、所定時間t1以内に所定回転数偏差ΔN以下とならなかった場合にも、何らかの理由により電動機6による必要な回生制動力や駆動力が得られないものとして、ステップS9で電動機6の制御を中止した後、ステップS10及びS11で上述のようにして変速機8をニュートラル状態から最も低速段である1速の変速段に切り換えた後、再びニュートラル状態としてから、ステップS8でPTOクラッチ58を接続してPTO作動制御を終了する。
例えば、上記実施形態では、PTO装置38として変速機8のカウンタ軸44からPTOギヤ64を介して動力の取り出しを行うようにしたものを用いたが、PTO装置はこれに限られるものではない。
なお、ハイブリッド電気自動車1の制御装置の全体構成は、PTO装置140を除いて上記実施形態と同様であり、同一の部材には同一の符号を用い、上記実施形態と重複する部分の説明は省略し、上記実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図6に示すように、PTO装置140は、車両ECU22からの制御信号によって断接状態が制御される電磁式のPTOクラッチ158と、PTOクラッチ158の入力側に連結されたPTO入力軸160と、PTOクラッチ158の出力側に連結されて動力を作業装置38に伝達するPTO出力軸162とを備えている。
また、PTO装置140には、PTOクラッチ158の出力側回転数であるPTO出力軸162の回転数を検出するPTO回転センサ166が設けられ、PTO回転センサ166の検出信号は車両ECU22に送られるようになっている。
なお、このクラッチ4の切断制御は図示しない別の制御ルーチンによって実行され、処理がステップS23以降に進んだ後も、クラッチ4が完断状態となるまで継続されるようになっている。
ステップS24では、車両ECU22が変速機8の変速アクチュエータ54を制御し、ニュートラル状態から4速の変速段への切り換えを行うと共に、電動機6を制御する。なお、ステップS24の制御はそれぞれ図示しない別の制御ルーチンによって実行され、次のステップS25に進んだときにも継続されるようになっている。
このときカウンタ軸44は電動機6の慣性などによりクラッチ4の切断後も回転を継続しているが、変速機8の出力軸46は車両が停車しているため回転していない。従って、シンクロ機構52bによるカウンタ軸44と変速ギヤ50dとの同期作用によって変速ギヤ50dの回転、即ちカウンタ軸44の回転は抑制される。
従って、車両ECU22はインバータECU26に対して電動機6の回転数を目標回転数Ntである0rpmとするよう指示し、インバータECU26は車両ECU22からの指示を受けて、電動機6の回転数を0rpmとするために電動機6を発電機作動させ、回生制動を行う。
ステップS25では、変速位置センサ56から送られる検出出力に基づき、4速の変速段への切り換えが所定の第2規定時間t2(例えば2秒)以内に完了したか否かを判定する。そして、第2規定時間t2以内に4速の変速段への切り換えが完了していれば、上述したようにPTOクラッチ58の入力側及び出力側が共に停止していることから、振動やショックを生じることなくPTOクラッチ158を接続できるので、ステップS26に進んでPTOクラッチ158を接続する。
このようにしてPTO作動制御を行うことにより、本変形例においてエンジン2の運転中にPTOクラッチ158を接続してPTO装置140を介した作業装置38への動力の伝達を開始する際には、一旦クラッチ4を切断した後、PTOギヤ歯車164が噛合する変速ギヤ50dに対応した4速の変速段への切り換えを行う際に、PTOクラッチ158の出力側回転数に対応した目標回転数Nt(=0rpm)に電動機6が制御されることにより、変速機6のカウンタ軸44の回転が抑制されるので、4速の変速段への切り換えを行う際のシンクロ機構52bの負荷を軽減することができる。そして、4速の変速段への切り換え完了後はPTOクラッチ158の入力側が出力側と同様に停止状態となるので、振動やショックを生じることなくPTOクラッチ158を接続することができる。
即ち、4速の変速段への切り換えが第2規定時間t2以内に完了しないのは、例えばシンクロ機構52bのスプラインギヤ(図示せず)と変速ギヤ50d側のクラッチギヤ(図示せず)とが突き当たったり噛み合ったりして正常に嵌合できないことが原因と考えられる。そこで、車両ECU22はステップS25の判定結果を受け、電動機6が、図8に示すように回転の順方向と逆方向とに交互に所定の微小トルク(例えば10分の数N・m)を所定周期(例えば100ms〜200ms程度)で発生するようインバータECU26に指示する。
こうして電動機6から出力された微小トルクは、電動機6の回転軸に連結された変速機8の入力軸42に伝達され、入力軸42が回転方向に所定周期で振動する。この振動はカウンタ軸44を介して変速ギヤ50dにも伝達され、変速ギヤ50dが振動することによって、シンクロ機構52bと変速ギヤ50dとの相対位置が変化するため、例えばスプラインギヤとクラッチギヤとの嵌合ができないというような、変速段の切り換えができない状態が解除されて4速の変速段への切り換えが行われる。
次のステップS28では、変速位置センサ56の検出結果から、ステップS27の位置ずらし制御によって変速機8の変速段がニュートラル状態から4速の変速段に切り換わったか否かを判定しており、所定の第3規定時間t3(例えば2秒)以内に4速の変速段への切り換えが完了した場合には位置ずらし制御を終了した後、ステップS26に進んでPTOクラッチ158を接続する。
即ち、このリトライ制御では、車両ECU22がステップS28の判定結果を受け、4速の変速段への切り換えを一旦中止し、4速の変速段以外の変速段として例えば3速の変速段への切り換えを行う。
一方、第3規定時間t3が経過してもニュートラル状態から4速の変速段への切り換えが完了しない場合には、シンクロ機構52bや変速アクチュエータ54などの故障により切り換えを行うことができない可能性があるため、ステップS31に進んでインストルメントパネル上に配設された警告灯76を点灯させ、ニュートラル状態から4速の変速段への切り換えができず、PTO装置140を使用することができない旨を警報表示する。
このように、第2規定時間t2内にニュートラル状態から4速の変速段への切り換えが完了されない場合には、電動機6の順回転方向と逆回転方向とに交互に微小トルクを発生させ、この微小トルクを変速機8の入力軸42に伝達させることにより4速の変速段の変速ギヤ50dを回転方向に振動させるようにしたので、例えばシンクロ機構52bのスプラインギヤと変速ギヤ50d側のクラッチギヤとが突き当たるなどして4速の変速段への切り換えができない状態を解除して、速やかに4速の変速段への切り換えを完了し、PTOクラッチ158の接続を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態及びその変形例では、変速機8の前進変速段が4段であったが、変速段の数はこれに限られるものではなく、任意に変更可能である。
更に、上記変形例では、変速機8の動力を4速の変速段に対応した変速ギヤ50dから取り出すようにしたが、4速以外の変速ギヤから取り出すようにしても良い。この場合には、PTO作動制御のステップS24でニュートラル状態から切り換える変速段が、動力を取り出す変速ギヤの変速段となる。
この場合、電動機6の出力トルクを調整することにより、エンジン2を比較的高効率の運転領域で運転することにより燃費を改善したり、排ガス特性の良好な運転領域で運転して排ガス性能を向上させたりすることができる。
また、上記実施形態や変形例では、PTO作動制御において電動機6を制御する際の目標回転数Ntを、PTO回転センサ66,166が検出したPTOクラッチ58,158の出力側回転数であるPTO出力軸62,162の回転数に基づいて設定するようにしたが、前述したように作業装置38が停止している場合にはPTO出力軸62,162の回転数が0rpmとなるため、目標回転数Ntも0rpmとなる。従って、作業装置38が停止している場合に限ってPTO装置40,140による動力の取り出しを可能とする場合には、PTO回転センサ66,166を設けず、PTOクラッチ58,158の出力側回転数に対応した目標回転数Ntを常に0rpmとするようにしても良い。
また、上記実施形態及び変形例では、電動機6を永久磁石式同期電動機としたが電動機の形式はこれに限られるものではない。
2 エンジン
4 クラッチ(主クラッチ)
6 電動機
8 自動変速機
16 駆動輪
22 車両ECU(制御手段、異常検出手段)
36 電動機回転数センサ(電動機回転数検出手段)
38 作業装置
40,140 PTO装置
52a,52b シンクロ機構(切換機構)
54 変速アクチュエータ(切換機構)
58,158 PTOクラッチ
Claims (7)
- エンジン及び電動機から変速機を介してそれぞれ車両の駆動輪に駆動力を伝達可能であって、上記変速機から取り出した動力を作業装置に伝達可能なPTO装置を備えたハイブリッド電気自動車の制御装置において、
上記電動機は、上記エンジンの出力軸と上記変速機の入力軸との間に介装されており、
上記ハイブリッド電気自動車の制御装置は更に、
上記エンジンの出力軸と上記電動機の回転軸との間に介装されて、上記エンジンから上記変速機に伝達される駆動力を遮断可能な主クラッチと、
上記PTO装置に設けられ、上記変速機から上記作業装置に伝達される動力を遮断可能なPTOクラッチと、
上記エンジンの運転中に上記PTO装置を介した上記作業装置への動力の伝達を開始する際には、上記PTOクラッチを接続する前に上記主クラッチを切断し、上記PTOクラッチの出力側回転数に対応した目標回転数となるように上記電動機を制御する制御手段
とを備えたことを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。 - 上記電動機の回転数を検出する電動機回転数検出手段を更に備え、
上記制御手段は、上記電動機回転数検出手段によって検出された上記電動機の回転数と上記目標回転数との差が所定回転数以下になったときに上記PTOクラッチを接続することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。 - 上記PTO装置は上記車両が停車中に使用され、
上記変速機はシンクロ機構を有する変速段切換機構を備え、
上記制御手段は、上記電動機回転数検出手段によって検出された上記電動機の回転数と上記目標回転数との差が所定の第1規定時間内に上記所定回転数以下にならない場合、上記変速機をニュートラル状態から所定変速段に切り換え、上記所定変速段への切り換え完了後に再びニュートラル状態としてから上記PTOクラッチを接続することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。 - 上記電動機が作動困難な所定状態にあることを検出する異常検出手段を更に備え、
上記PTO装置は上記車両が停車中に使用され、
上記変速機はシンクロ機構を有する変速段切換機構を備え、
上記制御手段は、上記エンジンの運転中に上記PTO装置を介した上記作業装置への動力の伝達を開始する際に、上記異常検出手段によって上記電動機が上記所定状態にあることを検出した場合には、上記PTOクラッチを接続する前に上記主クラッチを切断し、上記変速機をニュートラル状態から所定変速段に切り換え、上記所定変速段への切り換え完了後に再びニュートラル状態としてから上記PTOクラッチを接続することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。 - 上記PTO装置は、上記車両が停車中に使用され、上記変速機の出力軸と一体回転する所定変速段用の歯車に噛合するPTO歯車を介して上記変速機から動力を取り出すように構成され、
上記変速機はシンクロ機構を有する変速段切換機構を備え、
上記制御装置は、上記エンジンの運転中に上記PTO装置を介した上記作業装置への動力の伝達を開始する際には、上記PTOクラッチを接続する前に上記主クラッチを切断し、上記変速機をニュートラル状態から上記所定変速段に切り換えると共に上記電動機を制御し、上記所定変速段への切り換え完了後に、上記PTOクラッチを接続することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。 - 上記制御手段は、上記所定変速段への切り換えを行っても、所定の第2規定時間内に上記所定変速段への切り換えが完了されない場合には、上記電動機を制御して上記電動機の順回転方向と逆回転方向とに交互に所定の微小トルクを発生させ、該微小トルクを上記変速機の入力軸に伝達させることにより上記所定変速段の変速ギヤを回転方向に振動させる位置ずらし制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
- 上記制御手段は、上記位置ずらし制御を開始してから所定の第3規定時間内に上記所定変速段への切り換えが完了されない場合には、上記所定変速段とは異なる変速段に一旦切り換えた後に、再び上記所定変速段への切り換えを行うことを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
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