一般式[1]に於いて、Tで示される置換基を有していてもよいアリーレン基のアリーレン基としては、通常炭素数6〜15のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等が挙げられ、中でも、例えばp-フェニレン基、2,6-ナフチレン基、1,4-ナフチレン基等が好ましい。
Tで示される置換基を有していてもよいアリーレン基の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシハロアルキル基、トリアルキルシリル基、カルボキシル基等が挙げられる。
置換基として挙げられるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、例えばフッ素原子、塩素原子等が好ましい。
置換基として挙げられるアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、中でも、例えばメチル基、イソプロピル基等が好ましい。
置換基として挙げられるハロアルキル基としては、上記置換基として挙げられるアルキル基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、ヨウ素化等。)されたものであり、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜3のものが挙げられ、具体的には、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、トリフルオロエチル基、トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタクロロエチル基、ペンタブロモエチル基、ペンタヨードエチル基、クロロプロピル基、トリフルオロプロピル基、トリクロロプロピル基、1-トリフルオロメチルトリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘプタクロロプロピル基、ヘプタブロモプロピル基、ヘプタヨードプロピル基、トリフルオロブチル基、トリクロロブチル基、ノナフルオロブチル基、ノナクロロブチル基、ノナブロモブチル基、ノナヨードブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、ウンデカクロロペンチル基、ウンデカブロモペンチル基、ウンデカヨードペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、トリデカクロロヘキシル基、トリデカブロモヘキシル基、トリデカヨードヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロシクロペンチル基、1,2,3,4,5,6-ヘキサフルオロシクロヘキシル基、1,4-ジクロロシクロヘキシル基、1,2,3,4,5,6-ヘキサクロロシクロヘキシル基等が挙げられ、中でも、例えばトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、1-トリフルオロメチルトリフルオロエチル基等が好ましい。
置換基として挙げられるヒドロキシアルキル基及びヒドロキシハロアルキル基としては、上記置換基として挙げられるアルキル基及びハロアルキル基中の水素原子若しくはハロゲン原子1つがヒドロキシル基で置換されたものが全て挙げられる。当該ヒドロキシアルキル基の好ましい具体例としては、例えば1-ヒドロキシ-1-メチルエチル基等が挙げられる。当該ヒドロキシハロアルキル基の好ましい具体例としては、例えば1,1-ジトリフルオロメチル-1-ヒドロキシメチル基等が挙げられる。
置換基として挙げられるトリアルキルシリル基としては、シリル基の3つの水素原子が夫々独立して、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えばトリメチルシリル基(TMS)基、トリエチルシリル(TES)基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル(TIPS)基、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)基、テキシルジメチルシリル基等が挙げられ、中でも、トリメチルシリル基が好ましい。
一般式[1]に於いて、Tで示される二価の複素環基の複素環としては、例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子等のヘテロ原子を通常1つ以上、好ましくは1〜2個有する5員又は6員のものが挙げられ、単環又は多環でもよく、具体的には、例えばチオフェン環、フラン環、2H-ピロール環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イソキサゾール環、フラザン環等の5員単環系、例えばピラン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等の6員単環系、例えばベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、インドリジン環、イソインドール環、3H-インドール環、インドール環、1H-インダゾール環、プリン環、ベンゾチオフェン環等の5員と6員からなる縮合二環系、例えばクロメン環、4H-キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環等の2個の6員からなる縮合二環系等が挙げられ、中でも、例えばチオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、キノリン環等が好ましい。
qは、通常1〜5の整数、好ましくは1〜2の整数、より好ましくは1である。
一般式[4]〜[8]、[11]及び[12]に於いて、R4〜R6、R8〜R10、R13及びR14で示されるアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜16、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[2]に於けるTで示される置換基を有していてもよいアリーレン基の置換基として挙げられるアルキル基の炭素数1〜6の例示と同様のもの、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル基、sec-ウンデシル基、tert-ウンデシル基、ネオウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、sec-ドデシル基、tert-ドデシル基、ネオドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル基、sec-トリデシル基、tert-トリデシル基、ネオトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、sec-テトラデシル基、tert-テトラデシル基、ネオテトラデシル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、sec-ペンタデシル基、tert-ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、イソへキサデシル基、sec-へキサデシル基、tert-へキサデシル基、ネオへキサデシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、アダマンチル基等が挙げられ、中でも、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が好ましい。
一般式[3]、[4]、[7]、[11]及び[12]に於いて、R2〜R4、R8、R9、R13及びR14で示されるハロアルキル基としては、上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、ヨウ素化等。)されたものであり、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のものが挙げられる。
具体的には、全ての水素原子がハロゲン化されたもの又は通常1〜20個、好ましくは1〜13個、より好ましくは1〜9個の水素原子がハロゲン化されたものが挙げられ、中でも全ての水素原子がハロゲン化されたものが好ましく、例えば上記一般式[2]に於けるTで示される置換基を有していてもよいアリーレン基の置換基として挙げられるハロアルキル基の炭素数1〜6の例示と同様のもの、パーフルオロヘプチル基、パークロロヘプチル基、パーブロモヘプチル基、パーヨードヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パークロロオクチル基、パーブロモオクチル基、パーヨードオクチル基、パーフルオロノニル基、パークロロノニル基、パーブロモノニル基、パーヨードノニル基、パーフルオロデシル基、パークロロデシル基、パーブロモデシル基、パーヨードデシル基等が挙げられ、中でも、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基が好ましく、就中、例えばトリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基等がより好ましい。
一般式[3]及び[7]に於いて、R2、R3、R8及びR9で示されるアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ネオブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、ネオヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、ネオオクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、ネオノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基、ネオデシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基等が挙げられ、中でも、例えばメトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
当該アルコキシ基のうち、環状のものは更に置換基を有していてもよく、これら置換基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基等が挙げられる。これら置換基を有する環状アルコキシ基の好ましい具体例としては、例えばメンチルオキシ基等が挙げられる。
一般式[3]〜[6]、[7]、[8]、[11]、[12]及び[15]に於いて、R2〜R6、R8〜R10、R13、R14及びR16で示される置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、通常炭素数6〜25、好ましくは6〜15のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基等が挙げられ、中でも、例えばフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基等が好ましく、就中、フェニル基がより好ましい。
当該置換基を有していてもよいアリール基の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ低級アルキル基、アリール基、トリアルキルシリル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
置換基として挙げられるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
置換基として挙げられるアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜16、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の例示と同様のものが挙げられ、中でも、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が好ましい。
置換基として挙げられる低級アルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜3のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるR2及びR3で示されるアルコキシ基の炭素数1〜6の例示と同様のものが挙げられる。
置換基として挙げられるハロ低級アルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、ヨウ素化等。)されたものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるR2及びR3で示されるハロアルキル基の炭素数1〜6の例示と同様のものが挙げられる。
置換基として挙げられるアリール基としては、通常炭素数6〜12のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。
置換基として挙げられるトリアルキルシリル基としては、シリル基の3つの水素原子が通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4の低級アルキル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[2]に於けるTで示される置換基を有していてもよいアリーレン基の置換基として挙げられるトリアルキルシリル基の例示と同様のものが挙げられ、中でも、トリメチルシリル基が好ましい。
これら置換基の中でも、例えばフッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、ビフェニル基等が好ましい。
置換基を有するアリール基の好ましい具体例としては、例えばトリル基、キシリル基、クメニル基、1,3,5-トリ-tert-ブチルフェニル基、ビフェニリル基、テルフェニル基、4-ニトロフェニル基、2,4-ジニトロフェニル基、トリメチルシリルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジエチルフルオレニル基、9,9-ジ-n-プロピルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ブチルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ペンチルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ヘキシルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ヘプチルフルオレニル基、9,9-ジ-n-オクチルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ノニルフルオレニル基、9,9-ジ-n-デシルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ウンデシルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ドデシルフルオレニル基、9,9-ジ-n-トリデシルフルオレニル基、9,9-ジ-n-テトラデシルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ペンタデシルフルオレニル基、9,9-ジ-n-ヘキサデシルフルオレニル基等が挙げられる。
一般式[3]に於いて、R2及びR3で示される置換基を有していてもよいアリールチオ基のアリールチオ基としては、通常炭素数6〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられ、中でも、フェニルチオ基が好ましい。
当該置換基を有していてもよいアリールチオ基の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ低級アルキル基、アリール基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられ、これら置換基の具体例は、上記置換基を有していてもよいアリール基の置換基の例示と同様のものが挙げられる。
一般式[3]〜[5]、[8]及び[10]〜[12]に於いて、R2〜R5、R10及びR12〜R14で示される複素環基としては、例えば窒素原子、硫黄原子、酸素原子等のヘテロ原子を通常1つ以上、好ましくは1〜5個有する5員又は6員のものが挙げられ、単環でも多環でもよく、具体的には、例えばテトラヒドロフラニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、フラザニル基等の5員の単環、例えばテトラヒドロピラニル基、2,6-ジオキサニル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、N-(2-ピリドン)基等の6員の単環、例えばベンゾチエニル基、イソベンゾフラニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、プリニル基、N-(サッカリン)基等の1つの5員環と6員環からなる縮合二環系、例えばクロメニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基等の2個の6員環からなる縮合二環系、例えばカルバゾリル基等の1つの5員環と2個の6員環からなる縮合三環系、例えばチアントレニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基等の3個の6員環からなる縮合三環系、例えばキヌクリジニル基、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル基(DABCO)等の架橋環系等が挙げられ、中でも、例えばフリル基、ピリジル基、チエニル基、イミダゾリル基、ベンゾチエニル基、イソキノリル基、キノリル基、フェナントロリニル基等が好ましい。
一般式[4]に於いて、R4で示されるカルボキシアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜9、好ましくは1〜4のアルキル基(アルキル基の具体例としては、一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の炭素数1〜8の例示と同様のものが挙げられる。)の水素原子の1つがカルボキシル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えば2-カルボキシエチル基、3-カルボキシプロピル基、4-カルボキシブチル基、5-カルボキシペンチル基、6-カルボキシヘキシル基、7-カルボキシヘプチル基、8-カルボキシオクチル基、9-カルボキシノニル基、2-カルボキシシクロプロピル基、3-カルボキシシクロブチル基、3-カルボキシシクロペンチル基、4-カルボキシシクロヘキシル基等が挙げられ、中でも、例えば2-カルボキシエチル基、3-カルボキシプロピル基、4-カルボキシブチル基等が好ましい。
R4で示されるカルボキシアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基中の水素原子の1つがカルボキシル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えば2-カルボキシフェニル基、3-カルボキシフェニル基、4-カルボキシフェニル基、2-カルボキシナフチル基、3-カルボキシナフチル基、4-カルボキシナフチル基、5-カルボキシナフチル基等が挙げられ、中でも、例えば3-カルボキシフェニル基、4-カルボキシフェニル基、4-カルボキシナフチル基、5-カルボキシナフチル基等が好ましい。
一般式[6]及び[8]に於いて、R7及びR10で示されるアルコキシカルボニル基としては、ホルミル基の水素原子がアルコキシ基(アルコキシ基の具体例としては、一般式[3]に於けるR2及びR3で示されるアルコキシ基の例示と同様のものが挙げられる。)で置換されたものであり、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数2〜11、好ましくは2〜6のものが挙げられ、具体的には、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ネオブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘキシルオキシカルボニル基、sec-ヘキシルオキシカルボニル基、tert-ヘキシルオキシカルボニル基、ネオヘキシルオキシカルボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、イソヘプチルオキシカルボニル基、sec-ヘプチルオキシカルボニル基、tert-ヘプチルオキシカルボニル基、ネオヘプチルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec-オクチルオキシカルボニル基、tert-オクチルオキシカルボニル基、ネオオクチルオキシカルボニル基、n-ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、sec-ノニルオキシカルボニル基、tert-ノニルオキシカルボニル基、ネオノニルオキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、イソデシルオキシカルボニル基、sec-デシルオキシカルボニル基、tert-デシルオキシカルボニル基、ネオデシルオキシカルボニル基、シクロプロポキシカルボニル基、シクロブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、シクロノニルオキシカルボニル基、シクロデシルオキシカルボニル基等が挙げられ、中でも、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基等が好ましい。
一般式[6]に於いて、R7で示されるアリールオキシカルボニル基としては、ホルミル基の水素原子がアリールオキシ基で置換されたものであり、通常炭素数7〜26、好ましくは7〜14のものが挙げられ、具体的には、例えばフェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、アントリルオキシカルボニル基、フェナントリルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、スピロビフルオレニルオキシカルボニル基等が挙げられ、中でも、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基等が好ましく、就中、フェノキシカルボニル基がより好ましい。
当該アリールオキシカルボニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基の具体例としては、例えばフェニル基、ビフェニル基等の炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。置換基を有するアリールオキシカルボニル基の好ましい具体例としては、例えばビフェニリルオキシカルボニル基、テルフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式[6]及び[8]に於いて、R7及びR10で示されるアラルキルオキシカルボニル基としては、ホルミル基の水素原子がアラルキルオキシ基で置換されたものであり、通常炭素数7〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、α−メチルベンジルオキシカルボニル基、1-メチル-1-フェニルエチルオキシカルボニル基等が挙げられ、中でも、ベンジルオキシカルボニル基が好ましい。
一般式[6]に於いて、R7で示されるアルキルスルホニル基としては、スルホ基の水酸基がアルキル基(アルキル基の具体例としては、上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の例示と同様のものが挙げられる。)で置換されたものであり、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜16、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、sec-ペンチルスルホニル基、tert-ペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、n-ヘキシルスルホニル基、イソヘキシルスルホニル基、sec-ヘキシルスルホニル基、tert-ヘキシルスルホニル基、ネオヘキシルスルホニル基、n-ヘプチルスルホニル基、イソヘプチルスルホニル基、sec-ヘプチルスルホニル基、tert-ヘプチルスルホニル基、ネオヘプチルスルホニル基、n-オクチルスルホニル基、イソオクチルスルホニル基、sec-オクチルスルホニル基、tert-オクチルスルホニル基、ネオオクチルスルホニル基、n-ノニルスルホニル基、イソノニルスルホニル基、sec-ノニルスルホニル基、tert-ノニルスルホニル基、ネオノニルスルホニル基、n-デシルスルホニル基、イソデシルスルホニル基、sec-デシルスルホニル基、tert-デシルスルホニル基、ネオデシルスルホニル基、n-ウンデシルスルホニル基、イソウンデシルスルホニル基、sec-ウンデシルスルホニル基、tert-ウンデシルスルホニル基、ネオウンデシルスルホニル基、n-ドデシルスルホニル基、イソドデシルスルホニル基、sec-ドデシルスルホニル基、tert-ドデシルスルホニル基、ネオドデシルスルホニル基、n-トリデシルスルホニル基、イソトリデシルスルホニル基、sec-トリデシルスルホニル基、tert-トリデシルスルホニル基、ネオトリデシルスルホニル基、n-テトラデシルスルホニル基、イソテトラデシルスルホニル基、sec-テトラデシルスルホニル基、tert-テトラデシルスルホニル基、ネオテトラデシルスルホニル基、n-ペンタデシルスルホニル基、イソペンタデシルスルホニル基、sec-ペンタデシルスルホニル基、tert-ペンタデシルスルホニル基、ネオペンタデシルスルホニル基、n-ヘキサデシルスルホニル基、イソヘキサデシルスルホニル基、sec-ヘキサデシルスルホニル基、tert-ヘキサデシルスルホニル基、ネオヘキサデシルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、シクロブチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、シクロヘプチルスルホニル基、シクロオクチルスルホニル基、シクロノニルスルホニル基、シクロデシルスルホニル基等が挙げられ、中でも、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基等が好ましい。
一般式[6]に於いて、R7で示されるアリールスルホニル基としては、スルホ基の水酸基がアリール基で置換されたものであり、通常炭素数6〜25、好ましくは6〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばベンゼンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基、アントラセンスルホニル基、フェナントレンスルホニル基、フルオレンスルホニル基、ピレンスルホニル基、スピロビフルオレンスルホニル基等が挙げられ、中でも、ベンゼンスルホニル基が好ましい。
当該アリールスルホニル基は、更に置換基を有していてもよく、これら置換基の具体例としては、例えばフェニル基、ビフェニル基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。置換基を有するアリールスルホニル基の好ましい具体例としては、例えばビフェニリルスルホニル基、テルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
一般式[7]及び[8]に於いて、R8〜R10で示されるアラルキル基としては、通常炭素数7〜26、好ましくは7〜15のものが挙げられ、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、フルオレニルメチル基、フェナントリルメチル基、アントリルメチル基、アントリルエチル基、ピレニルメチル基、スピロビフルオレニルメチル基等が挙げられ、中でも、例えばベンジル基、フェネチルキ、α−メチルベンジル基、ナフチルメチル基、フェナントリルメチル基、フルオレニルメチル基等が好ましく、就中、例えばベンジル基、フェネチル基等がより好ましい。
当該アラルキル基は、更に置換基を有していてもよく、これらの置換基の具体例としては、例えばフェニル基、ビフェニリル基等の炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。置換基を有するアラルキル基の好ましい具体例としては、例えばビフェニリルメチル基、テルフェニルメチル基等が挙げられる。
一般式[7]に於いて、R8及びR9で示されるシアノアルキル基としては、上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基中の水素原子1つがシアノ基で置換されたものが全て挙げられ、中でも、例えばシアノメチル基、シアノエチル基等が好ましい。
一般式[7]及び[8]に於いて、R8〜R10で示される酸素原子を有していてもよいアルキル基としては、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のアルキル基(アルキル基の具体例としては、一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の炭素数1〜10の例示と同様のものが挙げられる。)の鎖中に酸素原子を1つ以上、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個含有しているものが挙げられ、具体的には、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシエトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエトキシエトキシメチル基等が挙げられ、中でも、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基等が好ましい。
一般式[7]に於いて、R8及びR9で示されるアシルオキシ基としては、通常炭素数2〜18、好ましくは2〜11のカルボン酸由来のものが挙げられ、具体的には、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ウンデカノイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、トリデカノイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、ペンタデカノイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ヘプタデカノイルオキシ基、ステアロイルオキシ基等の脂肪族カルボン酸由来のもの、例えばベンゾイルオキシ基、トルオイルオキシ基、ナフトイルオキシ基、フルオレンカルボニルオキシ基、フェナントレンカルボニルオキシ基、アントラセンカルボニルオキシ基、ピレンカルボニルオキシ基等の芳香族カルボン酸由来のもの等が挙げられ、中でも、例えばアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等が好ましい。
一般式[8]に於いて、R10で示されるアシル基としては、通常炭素数2〜18、好ましくは2〜11のカルボン酸由来のものが挙げられ、具体的には、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ラウロイル基、トリデカノイル基、ミリストイル基、ペンタデカノイル基、パルミトイル基、ヘプタデカノイル基、ステアロイル基等の脂肪族カルボン酸由来のもの、例えばベンゾイル基、ナフトイル基、フルオレンカルボニル基、フェナントレンカルボニル基、アントラセンカルボニル基、ピレンカルボニル基等の芳香族カルボン酸由来のもの等が挙げられ、中でも、例えばアセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が好ましい。
一般式[8]に於いて、R10で示されるトリアルキルシリルオキシ基としては、シリルオキシ基の3つの水素原子が夫々独立して、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基(アルキル基の具体例としては、上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の炭素数1〜6の例示と同様のものが挙げられる。)で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、tert-ブチルジメチルシリルオキシ基、テキシルジメチルシリルオキシ基等が挙げられ、中でもtert-ブチルジメチルシリルオキシ基が好ましい。
R10で示されるアルキルジフェニルシリルオキシ基としては、シリルオキシ基中の2つの水素原子がフェニル基で置換され、1つの水素原子が通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えばジフェニルメチルシリルオキシ基、tert-ブチルジフェニルシリルオキシ基等が挙げられる。
一般式[9]に於いて、R
11で示されるアミノ保護されているアミノ酸残基のアミノ酸残基としては、天然又は合成アミノ酸のC末端のカルボキシル基の水素原子がとれ、更にアミノ末端が保護されたものが全て挙げられ、例えば一般式[18]
(式中、R19はα−アミノ酸側鎖を表し、R20はアミノ保護基を表す。)で示されるα−アミノ酸残基等が挙げられる。
R19で示されるα−アミノ酸側鎖は、α−アミノ酸のα炭素上の側鎖のことであり、具体的には、例えばグリシン(R19はH-基)、アラニン(R19はCH3-基)、バリン(R19は(CH3)2CH-基)、ロイシン(R19は(CH3)2CHCH2-基)、イソロイシン(R19はCH3CH3CH(CH3)-基)、メチオニン(R19はCH3SCH2CH2基)、フェニルアラニン(R19はPhCH2-基)、トリプトファン(R19は3-インドリル基)、セリン(R19はHO-CH2-基)、トレオニン(R19はCH3CH(OH)-基)、システイン(R19はHS-CH2-基)、チロシン(HO-C6H4-CH2-基)、アスパラギン(R19はH2NCOCH2-基)、グルタミン(R19はH2NCOCH2CH2-基)、アスパラギン酸(HOOCCH2-基)、グルタミン酸(HOOCCH2CH2-基)、リジン(R19はH2N(CH2)4-基)、アルギニン(R19はH2NC(=NH)NH(CH2)3-基)、ヒスチジン(R19は5-イミダゾリルメチル基)等のα−アミノ酸に由来するものが挙げられる。
上記α−アミノ酸側鎖上にアミノ基を有するもの(例えばトリプトファン、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン等。)は、更にそのアミノ基が上記R20で示されるアミノ保護基で保護されている。
R20で示されるアミノ保護基としては、アミノ酸のN末端の保護基として通常使用されるものが全て挙げられ、具体的には、例えば“T.W.greene and P.G.M.Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, second edition, chapter 7, John Wiley & Sons, NY(1991)”等に記載されているものが全て挙げられる。
アミノ保護基の好ましい具体例としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニルオキシ(BOC)基、ベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルカルボニル基、トリクロロエチルカルボニル基、トリメチルシリルエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、トシル基、アセチル基、ベンゾイル基、フタロイル基、ペンタフルオロベンゾイル基等が挙げられる。
一般式[10]に於いて、R12で示される置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、通常炭素数6〜25、好ましくは6〜15のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基等が挙げられ、中でも、例えばフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基等が好ましく、就中、フェニル基がより好ましい。
当該置換基を有していてもよいアリール基の置換基としては、例えばニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、酸素原子を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホニル基、アルキルホスホニルオキシ基又は一般式[19]
(式中、R21及びR22は夫々独立して、アルキル基を表す。)で示されるN-アルキルアシルアミノ基等が挙げられる。
置換基として挙げられるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、例えばフッ素原子、塩素原子等が好ましい。
置換基として挙げられる酸素原子を有していてもよいアルキル基としては、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のアルキル基の鎖中に酸素原子を1つ以上、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個含有しているものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[7]及び[8]に於けるR8及びR10で示される酸素原子を有していてもよいアルキル基の例示と同様のものが挙げられる。
置換基として挙げられるアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[3]及び[7]に於けるR2、R3、R8及びR9で示されるアルコキシ基の例示と同様のものが挙げられる。
置換基として挙げられるアシルオキシ基としては、通常炭素数2〜18、好ましくは2〜11のカルボン酸由来のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[7]に於けるR8及びR9で示されるアシルオキシ基の例示と同様のものが挙げられる。
置換基として挙げられるアルキルカルバモイル基としては、カルバモイル基の1つ又は2つの水素原子が夫々独立して、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキル基(アルキル基の具体例としては、上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の炭素数1〜10の例示と同様のものが挙げられる。)で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えばN-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-n-プロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-n-ブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N-sec-ブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N-ネオブチルカルバモイル基、N-n-ペンチルカルバモイル基、N-イソペンチルカルバモイル基、N-sec-ペンチルカルバモイル基、N-tert-ペンチルカルバモイル基、N-ネオペンチルカルバモイル基、N-n-ヘキシルカルバモイル基、N-イソヘキシルカルバモイル基、N-sec-ヘキシルカルバモイル基、N-tert-ヘキシルカルバモイル基、N-tert-ヘキシルカルバモイル基、N-ネオヘキシルカルバモイル基、N-n-ヘプチルカルバモイル基、N-イソヘプチルカルバモイル基、N-sec-ヘプチルカルバモイル基、N-tert-ヘプチルカルバモイル基、N-ネオヘプチルカルバモイル基、N-n-オクチルカルバモイル基、N-イソオクチルカルバモイル基、N-sec-オクチルカルバモイル基、N-tert-オクチルカルバモイル基、N-ネオオクチルカルバモイル基、N-n-ノニルカルバモイル基、N-イソノニルカルバモイル基、N-sec-ノニルカルバモイル基、N-tert-ノニルカルバモイル基、N-ネオノニルカルバモイル基、N-デシルカルバモイル基、N-イソデシルカルバモイル基、N-sec-デシルカルバモイル基、N-tert-デシルカルバモイル基、N-ネオデシルカルバモイル基、N-シクロヘキシルカルバモイル基、N-シクロヘプチルカルバモイル基、N-シクロオクチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-プロピルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N,N-ジ-n-ブチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-ペンチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジ-n-ヘプチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-オクチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-ノニルカルバモイル基、N,N-ジ-n-デシルカルバモイル基、N,N-ジシクロペンチルカルバモイル基、N,N-ジシクロヘキシルカルバモイル基等が挙げられ、中でも、例えばN-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基等が好ましい。
置換基として挙げられるアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜16、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[6]に於けるR7で示されるアルキルスルホニル基の例示と同様のものが挙げられる。
置換基として挙げられるアルキルホスホニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜16、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えばメチルホスホニル基、エチルホスホニル基、n-プロピルホスホニル基、イソプロピルホスホニル基、n-ブチルホスホニル基、イソブチルホスホニル基、sec-ブチルホスホニル基、tert-ブチルホスホニル基、n-ペンチルホスホニル基、イソペンチルホスホニル基、sec-ペンチルホスホニル基、tert-ペンチルホスホニル基、ネオペンチルホスホニル基、n-ヘキシルホスホニル基、イソヘキシルホスホニル基、sec-ヘキシルホスホニル基、tert-ヘキシルホスホニル基、ネオヘキシルホスホニル基、n-ヘプチルホスホニル基、イソヘプチルホスホニル基、sec-ヘプチルホスホニル基、tert-ヘプチルホスホニル基、ネオヘプチルホスホニル基、n-オクチルホスホニル基、イソオクチルホスホニル基、sec-オクチルホスホニル基、tert-オクチルホスホニル基、ネオオクチルホスホニル基、n-ノニルホスホニル基、イソノニルホスホニル基、sec-ノニルホスホニル基、tert-ノニルホスホニル基、ネオノニルホスホニル基、n-デシルホスホニル基、イソデシルホスホニル基、sec-デシルホスホニル基、tert-デシルホスホニル基、ネオデシルホスホニル基、n-ウンデシルホスホニル基、イソウンデシルホスホニル基、sec-ウンデシルホスホニル基、tert-ウンデシルホスホニル基、ネオウンデシルホスホニル基、n-ドデシルホスホニル基、イソドデシルホスホニル基、sec-ドデシルホスホニル基、tert-ドデシルホスホニル基、ネオドデシルホスホニル基、n-トリデシルホスホニル基、イソトリデシルホスホニル基、sec-トリデシルホスホニル基、tert-トリデシルホスホニル基、ネオトリデシルホスホニル基、n-テトラデシルホスホニル基、イソテトラデシルホスホニル基、sec-テトラデシルホスホニル基、tert-テトラデシルホスホニル基、ネオテトラデシルホスホニル基、n-ペンタデシルホスホニル基、イソペンタデシルホスホニル基、sec-ペンタデシルホスホニル基、tert-ペンタデシルホスホニル基、ネオペンタデシルホスホニル基、n-ヘキサデシルホスホニル基、イソへキサデシルホスホニル基、sec-へキサデシルホスホニル基、tert-へキサデシルホスホニル基、ネオへキサデシルホスホニル基、シクロプロピルホスホニル基、シクロブチルホスホニル基、シクロペンチルホスホニル基、シクロヘキシルホスホニル基、シクロヘプチルホスホニル基、シクロオクチルホスホニル基、シクロノニルホスホニル基、シクロデシルホスホニル基等が挙げられ、中でも、例えばメチルホスホニル基、エチルホスホニル基、n-プロピルホスホニル基、イソプロピルホスホニル基、n-ブチルホスホニル基、tert-ブチルホスホニル基等が好ましい。
置換基として挙げられるアルキルホスホニルオキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜16、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、上記アルキルホスホニル基に更に-O-が結合されたものが全て挙げられ、中でも、例えばメチルホスホニルオキシ基、エチルホスホニルオキシ基、n-プロピルホスホニルオキシ基、イソプロピルホスホニルオキシ基、n-ブチルホスホニルオキシ基、tert-ブチルホスホニルオキシ基等が好ましい。
一般式[19]に於いて、R21及びR22で示されるアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜16、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の例示と同様のものが挙げられる。
一般式[10]に於いて、Y1で示されるハライドとしては、例えばフルオライド、クロライド、ブロマイド、ヨージド等が挙げられ、中でも、例えばクロライド、ブロマイド、ヨージド等が好ましい。
一般式[13]に於いて、T1で示されるアルキレン基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜3のものが挙げられ、具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖状アルキレン基、例えばエチリデン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、エチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1,2-ジエチルエチレン基、1,2-ジ-n-プロピルエチレン基、1,2-ジ-n-ブチルエチレン基等の分枝状アルキレン基、例えば1,2-シクロペンチレン基、1,3-シクロペンチレン基、1,2-シクロへキシレン基、1,3-シクロへキシレン基、1,4-シクロへキシレン基、1,2-シクロヘプチレン基、1,2-シクロオクチレン基等の環状アルキレン基等が挙げられ、中でも、例えばメチレン基、エチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1,2-ジエチルエチレン基、1,2-シクロペンチレン基、1,2-シクロへキシレン基等が好ましい。
T1で示されるアリーレン基としては、通常炭素数6〜15のものが挙げられ、具体的には、例えばo-フェニレン基、m-フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等が挙げられ、中でもo-フェニレン基、m-フェニレン基等が好ましい。
T1で示される1,2-ジアシルオキシエチレン基としては、エチレン基の1位及び2位の水素原子が夫々独立して、通常炭素数2〜18、好ましくは2〜8のカルボン酸由来のアシルオキシ基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えば1,2-ジアセトキシエチレン基、1,2-ジプロピオニルオキシエチレン基、1,2-ジブチリルオキシエチレン基、1,2-ジイソブチリルオキシエチレン基、1,2-ジバレリルオキシエチレン基、1,2-ジイソバレリルオキシエチレン基、1,2-ジピバロイルオキシエチレン基、1,2-ジラウロイルオキシエチレン基、1,2-ジペンタノイルオキシエチレン基、1,2-ジヘキサノイルオキシエチレン基、1,2-ジシクロヘキシルオカルボニルオキシエチレン基、1,2-ジオクタノイルオキシエチレン基等の脂肪族アシルオキシ置換エチレン基、例えば1,2-ジベンゾイルオキシエチレン基、1,2-ジトルオイロキシエチレン基等の芳香族アシルオキシ置換エチレン基等が挙げられ、中でも、例えば1,2-ジアセトキシエチレン基、1,2-ジピバロイルオキシエチレン基、1,2-ジベンゾイルオキシエチレン基、1,2-ジトルオイルオキシエチレン基等が好ましい。
一般式[14]に於いて、R15で示されるアミノ保護基としては、アミノ酸のN末端の保護基として通常使用されるものが全て挙げられ、具体的には、例えば“T.W.greene and P.G.M.Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, second edition, chapter 7, John Wiley & Sons, NY(1991)”等に記載されているものが全て挙げられる。アミノ保護基の好ましい具体例としては、上記一般式[18]に於けるR20で示されるアミノ保護基の好ましい具体例の例示と同様のものが挙げられる。
一般式[15]に於いて、R16で示される低級アルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[4]に於けるR4で示されるアルキル基の炭素数1〜6の例示と同様のものが挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
R16で示されるハロ低級アルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、ヨウ素化等。)されたものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるR2及びR3で示されるハロアルキル基の炭素数1〜6の例示と同様のものが挙げられ、中でも、トリフルオロメチル基が好ましい。
一般式[17]に於いて、Y2で示されるハライドとしては、例えばフルオライド、クロライド、ブロマイド、ヨージド等が挙げられ、中でも、例えばクロライド、ブロマイド、ヨージド等が好ましい。
nは、通常1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数、より好ましくは1である。
一般式[11]で示されるカルボン酸の好ましい具体例としては、例えば酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,イソ吉草酸,ピバル酸,ペンタン酸,ヘキサン酸,ヘプタン酸,オクタン酸,ノナン酸,デカン酸,ウンデカン酸,ラウリル酸,ミリスチン酸,ペンタデカン酸,パルミチン酸等の脂肪族カルボン酸、例えばシクロヘキシルカルボン酸等の脂肪族環状カルボン酸、例えばフルオロ酢酸,トリフルオロ酢酸,クロロ酢酸,ジクロロ酢酸,トリクロロ酢酸,ブロモ酢酸,ヨード酢酸,パーフルオロプロピオン酸,パークロロヘプタン酸,パーフルオロヘプタン酸,パーフルオロオクタン酸,パーフルオロデカン酸,パーフルオロドデカン酸等のハロアルキルカルボン酸、例えば安息香酸,ナフトエ酸,アントラセンカルボン酸等の芳香族カルボン酸、例えばトルイル酸等のアルキル芳香族カルボン酸、例えばフルオロ安息香酸,クロロ安息香酸,ブロモ安息香酸,ジフルオロ安息香酸,ジクロロ安息香酸,ジブロモ安息香酸,トリフルオロ安息香酸,トリクロロ安息香酸,トリブロモ安息香酸,テトラフルオロ安息香酸,テトラクロロ安息香酸,テトラブロモ安息香酸,ペンタフルオロ安息香酸,ペンタクロロ安息香酸,ペンタブロモ安息香酸等のハロゲン化芳香族モノカルボン酸、例えばトリフルオロメチル安息香酸,トリクロロメチル安息香酸,ビス(トリフルオロメチル)安息香酸等のハロゲン化アルキル芳香族カルボン酸、例えばトリニトロ安息香酸等のニトロ芳香族カルボン酸、例えばニコチン酸,イソニコチン酸,フランカルボン酸,チオフェンカルボン酸,1-ピロールカルボン酸等の複素環式カルボン酸等が挙げられる。
一般式[12]で示されるスルホン酸の好ましい具体例としては、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸,プロパンスルホン酸,ブタンスルホン酸,ペンタンスルホン酸,ヘキサンスルホン酸,ヘプタンスルホン酸,オクタンスルホン酸,ノナンスルホン酸,デカンスルホン酸,ウンデカンスルホン酸,ドデカンスルホン酸,トリデカンスルホン酸,テトラデカンスルホン酸,ペンタデカンスルホン酸,ヘキサデカンスルホン酸等のアルキルスルホン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、トリブロモメタンスルホン酸、トリヨードメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ペンタクロロエタンスルホン酸、ペンタブロモエタンスルホン酸、ペンタヨードエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ヘプタクロロプロパンスルホン酸、ヘプタブロモプロパンスルホン酸、ヘプタヨードプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ノナクロロブタンスルホン酸、ノナブロモブタンスルホン酸、ノナヨードブタンスルホン酸、パーフルオロペンタンスルホン酸、パークロロペンタンスルホン酸、パーブロモペンタンスルホン酸、パーヨードペンタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パークロロヘキサンスルホン酸、パーブロモヘキサンスルホン酸、パーヨードヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パークロロヘプタンスルホン酸、パーブロモヘプタンスルホン酸、パーヨードヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、パークロロオクタンスルホン酸、パーブロモオクタンスルホン酸、パーヨードオクタンスルホン酸、パーフルオロノナンスルホン酸、パークロロノナンスルホン酸、パーブロモノナンスルホン酸、パーヨードノナンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸、パークロロデカンスルホン酸、パーブロモデカンスルホン酸、パーヨードデカンスルホン酸、パーフルオロウンデカンスルホン酸、パークロロウンデカンスルホン酸、パーブロモウンデカンスルホン酸、パーヨードウンデカンスルホン酸、パーフルオロドデカンスルホン酸、パークロロドデカンスルホン酸、パーブロモドデカンスルホン酸、パーヨードドデカンスルホン酸、パーフルオロトリデカンスルホン酸、パークロロトリデカンスルホン酸、パーブロモトリデカンスルホン酸、パーヨードトリデカンスルホン酸、パーフルオロテトラデカンスルホン酸、パークロロテトラデカンスルホン酸、パーブロモテトラデカンスルホン酸、パーヨードテトラデカンスルホン酸、パーフルオロペンタデカンスルホン酸、パークロロペンタデカンスルホン酸、パーブロモペンタデカンスルホン酸、パーヨードペンタデカンスルホン酸、パーフルオロヘキサデカンスルホン酸、パークロロヘキサデカンスルホン酸、パーブロモヘキサデカンスルホン酸、パーヨードヘキサデカンスルホン酸等のハロアルキルスルホン酸、例えばシクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸等のシクロアルキルスルホン酸、例えば2-フルオロシクロペンタンスルホン酸、2-クロロシクロペンタンスルホン酸、2-ブロモシクロペンタンスルホン酸、3-フルオロシクロペンタンスルホン酸、3-クロロシクロペンタンスルホン酸、3-ブロモシクロペンタンスルホン酸、3,4-ジフルオロシクロペンタンスルホン酸、3,4-ジクロロシクロペンタンスルホン酸、3,4-ジブロモシクロペンタンスルホン酸、4-フルオロシクロヘキサンスルホン酸、4-クロロシクロヘキサンスルホン酸、4-ブロモシクロヘキサンスルホン酸、4-ヨードシクロヘキサンスルホン酸、2,4-ジフルオロシクロヘキサンスルホン酸、2,4-ジクロロシクロヘキサンスルホン酸、2,4-ジブロモシクロヘキサンスルホン酸、2,4-ジヨードシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6-トリフルオロシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6-トリクロロシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6-トリブロモシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6-トリヨードシクロヘキサンスルホン酸、テトラフルオロシクロヘキサンスルホン酸、テトラクロロシクロヘキサンスルホン酸、テトラブロモシクロヘキサンスルホン酸、テトラヨードシクロヘキサンスルホン酸等のハロゲン化シクロアルキルスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸,ナフタレンスルホン酸,アントラセンスルホン酸等のアリールスルホン酸、例えば2-フルオロベンゼンスルホン酸、3-フルオロベンゼンスルホン酸、4-フルオロベンゼンスルホン酸、2-クロロベンゼンスルホン酸、3-クロロベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ブロモベンゼンスルホン酸、3-ブロモベンゼンスルホン酸、4-ブロモベンゼンスルホン酸、2-ヨードベンゼンスルホン酸、4-ヨードベンゼンスルホン酸、2,4-ジフルオロベンゼンスルホン酸、2,6-ジフルオロベンゼンスルホン酸、2,4-ジクロロベンゼンスルホン酸、2,6-ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4-ジブロモベンゼンスルホン酸、2,6-ジブロモベンゼンスルホン酸、2,4-ジヨードベンゼンスルホン酸、2,6-ジヨードベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリフルオロベンゼンスルホン酸、3,4,5-トリフルオロベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリクロロベンゼンスルホン酸、3,4,5-トリクロロベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリブロモベンゼンスルホン酸、3,4,5-トリブロモベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリヨードベンゼンスルホン酸、3,4,5-トリヨードベンゼンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸、ペンタクロロベンゼンスルホン酸、ペンタブロモベンゼンスルホン酸、ペンタヨードベンゼンスルホン酸、フルオロナフタレンスルホン酸、クロロナフタレンスルホン酸、ブロモナフタレンスルホン酸、ヨードナフタレンスルホン酸、フルオロアントラセンスルホン酸、クロロアントラセンスルホン酸、ブロモアントラセンスルホン酸、ヨードアントラセンスルホン酸等のハロゲン化芳香族スルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸、4-イソプロピルベンゼンスルホン酸、3,5-ビス(トリメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5-ビス(イソプロピル)ベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリス(トリメチル)ベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリス(イソプロピル)ベンゼンスルホン酸等のアルキル芳香族スルホン酸、例えば2-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、2-トリクロロメチルベンゼンスルホン酸、2-トリブロモメチルベンゼンスルホン酸、2-トリヨードメチルベンゼンスルホン酸、3-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、3-トリクロロメチルベンゼンスルホン酸、3-トリブロモメチルベンゼンスルホン酸、3-トリヨードメチルベンゼンスルホン酸、4-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、4-トリクロロメチルベンゼンスルホン酸、4-トリブロモメチルベンゼンスルホン酸、4-トリヨードメチルベンゼンスルホン酸、2,6-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸、2,6-ビス(トリクロロメチル)ベンゼンスルホン酸、2,6-ビス(トリブロモメチル)ベンゼンスルホン酸、2,6-ビス(トリヨードメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5-ビス(トリクロロメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5-ビス(トリブロモメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5-ビス(トリヨードメチル)ベンゼンスルホン酸等のハロゲン化アルキル芳香族スルホン酸、例えばピリジンスルホン酸、ピラジンスルホン酸等の複素環式スルホン酸等が挙げられる。
一般式[3]で示される基の好ましい具体例は、例えばジアセトキシヨード基、ジプロパノイルオキシヨード基、ジブタノイルオキシヨード基、ジイソブタノイルオキシヨード基、ジバレリルオキシヨード基、ジイソバレリルオキシヨード基、ジピバロイルオキシヨード基、ジラウロイルオキシヨード基、ジペンタノイルオキシヨード基、ジヘキサノイルオキシヨード基、ジシクロヘキサノイルオキシヨード基、ジオクタノイルオキシヨード基、ジノナノイルオキシヨード基、ジデカノイルオキシヨード基、ジラウロイルオキシヨード基、ジドデカノイルオキシヨード基、ジウンデカノイルオキシヨード基、ジペンタデカノイルオキシヨード基、ジヘキサデカノイルオキシヨード基等のビス(脂肪族アシルオキシ)ヨード基、例えばジアダマンタノイルオキシヨード基等のビス(脂環式アシルオキシ)ヨード基、例えばビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード基、ビス(トリフルオロプロピオニルオキシ)ヨード基等のビス(ハロゲノ置換脂肪族アシルオキシ)ヨード基、例えばジベンゾイルオキシヨード基、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゾイルオキシヨード基、ジナフトイルオキシヨード基、ジフェナントレンカルボニルオキシヨード基、ジフルオレンカルボニルオキシヨード基、ジピレンカルボニルオキシヨード基等のビス(芳香族アシルオキシ)ヨード基、例えばジアラニルヨード基、ジアスパラギルヨード基、ジグリシルヨード基、ジヒスチジルヨード基、ジロイシルヨード基、ジリシルヨード基、ジイソロイシルヨード基、ジバリルヨード基、ジフェニルアラニルヨード基、ジプロリルヨード基、ジトリプロフィルヨード基、ジチロシルヨード基等のアミノ保護されたアミノ酸由来のアシルオキシヨード基(N-保護基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルカルボニル基、トリクロロエチルカルボニル基、トリメチルシリルエトキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、トシル基、アセチル基、ベンゾイル基、フタロイル基等。)、例えばヒドロキシ(メシルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(ベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(トシロキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-エチルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-プロピルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-ブチルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-ペンチルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-ヘキシルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-ヘプチルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-オクチルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-ノニルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-デシルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-ドデシルベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(ノナフルオロブタンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(2,4-ジニトロベンゼンスルホニルオキシ)ヨード基、ヒドロキシ(カンファースルホニルオキシ)ヨード基等のヒドロキシ(オルガノスルホニルオキシ)ヨード基、例えばメトキシ(トシロキシ)ヨード基、エトキシ(トシロキシ)ヨード基、1-メンチルオキシ(トシロキシ)ヨード基等のアルコキシ(オルガノスルホニルオキシ)ヨード基、例えば2-tert-ブチルビニルヨード基、2,2-メチル-tert-ブチルビニルヨード基、2,2-フェニル-tert-ブチルビニルヨード基、2-フェニルビニルヨード基、2,2-メチルフェニルビニルヨード基、2,2-ジフェニルビニルヨード基、2-メチル-1-プロペニルヨード基、3-シクロペンチル-1-プロペニルヨード基、3-シクロペンチル-2-メチル-1-プロペニルヨード基、3-シクロペンチル-2-フェニル-1-プロペニルヨード基、3-メトキシ-1-プロペニルヨード基、5-フェニル-1-ペンテニルヨード基、2-メチル-5-フェニル-1-ペンテニルヨード基、2,5-ジフェニル-1-ペンテニルヨード基、5-クロロ-1-ペンテニルヨード基、5-クロロ-2-メチル-1-ペンテニルヨード基、5-クロロ-2-フェニル-1-ペンテニルヨード基、5-シアノ-1-ペンテニルヨード基、5-シアノ-2-メチル-1-ペンテニルヨード基、5-シアノ-2-フェニル-1-ペンテニルヨード基、1-ヘキセニルヨード基、2-メチル-1-ヘキセニルヨード基、2-フェニル-1-ヘキセニルヨード基、1-デセニルヨード基、2-メチル-1-デセニルヨード基、2-フェニル-1-デセニルヨード基、5-メチル-1-ヘキセニルヨード基、2,5-ジメチル-1-ヘキセニルヨード基、5-メチル-2-フェニル-1-ヘキセニルヨード基、2-ベンゼンスルホニルビニルヨード基等のアルケニルヨード基、例えば2-フェニルエチニルヨード基、2-フェニルエチニルヨード基、p-トリル-2-エチニルヨード基、2-トリメチルシリルエチニルヨード基、2-シアノエチニルヨード基、2-メトキシカルボニルエチニルヨード基、2-ベンゾイルエチニルヨード基、2-ピバロイルエチニルヨード基、1-プロピニルヨード基、3-メトキシ-1-プロピニルヨード基、4-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-1-ブチニルヨード基、3,3-ジメチル-1-ブチニルヨード基、1-ヘキシニルヨード基、1-オクチニルヨード基、1-ドデシニルヨード基、2-ベンゼンスルホニルエチニルヨード基等のアルキニルヨード基等が挙げられ、中でも、例えばジアセトキシヨード基、ジトリフルオロアセチルオキシヨード基、ヒドロキシ(トシロキシ)ヨード基、ヒドロキシ(メシルオキシ)ヨード基、2-フェニルエチニルヨード基等が好ましく、就中、例えばジアセトキシヨード基、ジトリフルオロアセトキシヨード基、ヒドロキシ(トシロキシ)ヨード基等がより好ましい。
一般式[10]で示される基の好ましい具体例としては、カチオン部とアニオン部を組み合わせた置換基が挙げられ、当該カチオン部の具体例としては、例えばフェニルヨードニウム基、ナフチルヨードニウム基、アントリルヨードニル基、フェナントリルヨードニウム基、フルオレニルヨードニウム基、スピロビフルオレニルヨードニウム基、4-クロロフェニルヨードニウム基、4-ブロモフェニルヨードニウム基、o-トリルヨードニウム基、m-トリルヨードニウム基、p-トリルヨードニウム基、2-メトキシフェニルヨードニウム基、3-メトキシフェニルヨードニウム基、o-(トリメチルシリル)フェニルヨードニウム基、2-チエニルヨードニウム基、3-チエニルヨードニウム基、2-ベンゾチエニルヨードニウム基、3-ベンゾチエニルヨードニウム基、イミダゾリルヨードニウム基、フリルヨードニウム基等が挙げられ、当該アニオン部の具体例としては、例えばフルオライド、クロライド、ブロマイド、ヨージド等のフルオライド、例えばトリフレート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート等のスルホン酸由来のアニオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、パークロレート、ハイドロゲンスルフェート等が挙げられる。当該カチオン部とアニオン部の好ましい組み合わせとしては、例えばp-トリルヨードニウムとトリフレート、p-トリルヨードニウムとテトラフルオロボレート、p-トリルヨードニウムとヘキサフルオロホスフェート、フェニルヨードニウムとトリフレート、フェニルヨードニウムとトシレート等が挙げられる。
一般式[13]で示される基の好ましい具体例としては、例えば1,1-メタンジカルボキシヨード基、1,2-エタンジカルボキシヨード基、1,3-プロパンジカルボキシヨード基、1,4-ブタンジカルボキシヨード基、1,5-ペンタンジカルボキシヨード基、1,6-ヘキサンジカルボキシヨード基、1,7-ヘプタンジカルボキシヨード基等の脂肪族ジカルボン酸由来環状ジエステル基、例えば1,2-ジアセトキシエタンジカルボキシヨード基、1,2-ジプロピオニルオキシエタンジカルボキシヨード基等の脂肪族アシル置換コハク酸由来環状ジエステル基、例えば1,2-ジベンゾイルオキシエタンジカルボキシヨード基、1,2-ジトルオイルオキシエタンジカルボキシヨード基等の芳香族アシル置換コハク酸由来環状ジエステル基、例えばフタロイルオキシヨード基、イソフタロイルオキシヨード基等の芳香族ジカルボン酸由来環状ジエステル基等が挙げられ、中でも、例えば1,2-エタンジカルボキシヨード基、1,2-ジアセトキシエタンジカルボキシヨード基、1,2-ジベンゾイルオキシエタンカルボキシヨード基、フタロイルオキシヨード基等が好ましい。
一般式[15]で示されるイリド基の好ましい具体例としては、例えば
等が挙げられる。
一般式[16]で示されるイリド基の好ましい具体例としては、例えば
等が挙げられる。
一般式[17]で示される基の好ましい具体例としては、例えば1,3,5,7-テトラキス-[4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨード基等のカチオン部と例えばフルオライド、クロライド、ブロマイド、ヨージド等のフルオライド、例えばトリフレート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート等のスルホン酸由来のアニオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、パークロレート、ハイドロゲンスルフェート等のアニオン部とを組み合わせた置換基等が挙げられ、中でも、例えば1,3,5,7-テトラキス-[4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードとテトラフルオロボレート、1,3,5,7-テトラキス-[4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードとヘキサフルオロホスフェート等を組み合わせた置換基が好ましい。
一般式[1]で示される超原子価ヨウ素化合物としては、例えば一般式[20]
(式中、Z、T、R
2、R
3及びqは前記に同じ。)、一般式[21]
(式中、Z、T、R
12、Y
1及びqは前記に同じ。)、一般式[22]
(式中、Z、T、Y
2及びqは前記に同じ。)、一般式[23]
(式中、Z、T及びqは前記に同じ。)等で示されるものが挙げられる。
一般式[20]で示される超原子価ヨウ素化合物の好ましい具体例としては、アダマンタン型のものとしては、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-(ジアセトキシヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-[4-(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス(4-((ヒドロキシ)トシロキシヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス(4-(ジピバロイルオキシヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス(4-(ジベンゾイルオキシヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス(4-(ジ(1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゾイルオキシ)ヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス(4-(ジアダマンチノイルオキシヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ジアセトキシヨードフェニル)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビス(トリフルオロアセトキシヨードフェニル)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(ヒドロキシ)トシロキシヨードフェニル)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(4-ジアセトキシヨードフェニル)フェニル)フェニル}アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(4-ビス(トリフルオロアセトキシヨードフェニル)フェニル)フェニル}アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-テトラキス-(4-(4-(4-(ヒドロキシ)トシロキシヨードフェニル)フェニル)フェニル}アダマンタン等が挙げられ、メタン型のものとしては、例えばテトラキス-4-(ジアセトキシヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)フェニルメタン、テトラキス4-((ヒドロキシ)トシロキシヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-(ジピバロイルオキシヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-ジベンゾイルオキシヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-(ジ(1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゾイルオキシ)ヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-(ジアダマンチノイルオキシヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-(4-ジアセトキシヨードフェニル)フェニルメタン、テトラキス-4-(4-ビス(トリフルオロアセトキシヨードフェニル)フェニルメタン、テトラキス-4-(4-(ヒドロキシ)トシロキシヨードフェニル)フェニルメタン、テトラキス-4-(4-(4-ジアセトキシヨードフェニル)フェニル)フェニルメタン、テトラキス-4-(4-(4-ビス(トリフルオロアセトキシヨードフェニル)フェニル)フェニルメタン、テトラキス-4-(4-(4-(ヒドロキシ)トシロキシヨードフェニル)フェニル)フェニルメタン等が挙げられ、中でも、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-(ジアセトキシヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス-(4-(ジトリフルオロアセチルオキシヨード)フェニル)アダマンタン、1,3,5,7-テトラキス(4-((ヒドロキシ)トシロキシヨード)フェニル)アダマンタン、テトラキス-4-(ジアセトキシヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-(ジトリフルオロアセチルオキシヨード)フェニルメタン、テトラキス-4-((ヒドロキシ)トシロキシヨード)フェニルメタン等が好ましい。
一般式[21]で示される超原子価ヨウ素化合物の好ましい具体例としては、アダマンタン型のものとしては、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(フルオライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(クロライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ブロマイド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヨージド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(テトラフルオロボレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(パークロレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(フルオライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(クロライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ブロマイド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヨージド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(テトラフルオロボレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(パークロレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ハイドロフェンスルフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(フルオライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(クロライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ブロマイド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヨージド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(テトラフルオロボレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(パークロレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(フルオライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(クロライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ブロマイド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヨージド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(テトラフルオロボレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(パークロレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(フルオライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(クロライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ブロマイド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヨージド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(テトラフルオロボレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(パークロレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニル)フェニル}アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニル)フェニル}アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)等が挙げられ、メタン型のものとしては、例えばテトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(フルオライド)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(クロライド)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ブロマイド)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヨージド)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(テトラフルオロボレート)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(パークロレート)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、テトラキス-4-(フェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(フルオライド)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(クロライド)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ブロマイド)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヨージド)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(テトラフルオロボレート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(パークロレート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ハイドロフェンスルフェート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(フルオライド)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(クロライド)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ブロマイド)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヨージド)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(テトラフルオロボレート)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(パークロレート)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-ビフェニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(フルオライド)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(クロライド)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ブロマイド)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヨージド)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(テトラフルオロボレート)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヘキサフルオロホスフェート)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(パークロレート)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-フルオレニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(フルオライド)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(クロライド)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ブロマイド)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ヨージド)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(テトラフルオロボレート)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テト
ラ(ヘキサフルオロホスフェート)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(パークロレート)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ハイドロゲンスルフェート)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(ノナフルオロブタンスルホネート)、テトラキス-4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニルメタン テトラ(p-トルエンスルホネート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニル)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、テトラキス-4-(4-(4-トリルヨードニウムフェニル)フェニル)フェニルメタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)等が挙げられ、中でも、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(2-フェニルエチニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(テトラフルオロボレート)等が好ましく、就中、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(フェニルヨードニウム)フェニル)アダマンタン テトラ(トリフルオロメタンスルホネート)等がより好ましい。
一般式[22]で示される超原子価ヨウ素化合物の好ましい具体例としては、アダマンタン型のものとしては、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(フルオライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(クロライド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(ブロマイド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(ヨージド)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(テトラフルオロボレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(ヘキサフルオロホスフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(パークロレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(ハイドロゲンスルフェート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(トリフレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(ノナフルオロブタンスルホネート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(トシレート)等が挙げられ、メタン型のものとしては、例えばテトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(フルオライド)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(クロライド)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(ブロマイド)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(ヨージド)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(テトラフルオロボレート)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(ヘキサフルオロホスフェート)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(パークロレート)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(ハイドロゲンスルフェート)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(トリフレート)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(ノナフルオロブタンスルホネート)、テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)メタン イコサキス(トシレート)、テトラキス-(4-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)フェニル)メタン イコサキス(テトラフルオロボレート)、テトラキス-(4-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)フェニル)メタン イコサキス(ヘキサフルオロホスフェート)、テトラキス-(4-(4-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)フェニル)フェニル)メタン イコサキス(テトラフルオロボレート)、テトラキス-(4-(4-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)メチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)フェニル)フェニル)メタン イコサキス(ヘキサフルオロホスフェート)等が挙げられ、中でも、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(テトラフルオロボレート)、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(ヘキサフルオロホスフェート)等が好ましい。
一般式[23]で示される超原子価ヨウ素化合物の好ましい具体例としては、例えば1,3,5,7-テトラキス-(4-ヨードシルフェニル)アダマンタン、テトラキス-(4-ヨードシルフェニル)メタン、1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-ヨードシルフェニル)フェニル)アダマンタン、テトラキス-(4-(4-ヨードシルフェニル)フェニル)メタン、テトラキス-(4-(4-(4-ヨードシルフェニル)フェニル)フェニル)アダマンタン、テトラキス-(4-(4-(4-ヨードシルフェニル)フェニル)フェニル)メタン等が挙げられ、中でも、1,3,5,7-テトラキス-(4-ヨードシルフェニル)アダマンタンが好ましい。
一般式[1]で示される超原子価ヨウ素化合物は、例えば下記の如くして製造し得る。ここでは<1>テトラキス-(4-ジアセトキシヨード)フェニル体〔ジアセタート体〕、<2>テトラキス-(4-(ヒドロキシ)トシロキシヨード)フェニル体〔ヒドロキシトシロキシ体〕、<3>テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)体〔ヨードニウム体〕、<4>テトラキス-(4-(4-ヨードシル)フェニル)体〔ヨードシル体〕及び<5>Z(Ph(I+-O-I+-PhZ(PhI+-O)3)nH}4体〔μオキソ体〕を例にとって以下に説明する。
(式中、Z、T及びqは前記に同じ。)
※AcOH=CH3COOH, AcO=acetoxy
即ち、常法(例えばH.Newman, Synthesis, p.692(1972)、V.R.Reichert, L.J.Mathias, Macromolecules, 27, p.7015(1994)、L.J.Mathias, V.R.Reichert, A.V.G.Muir, Chem. Mater., 5, p.4(1993)、D.Su, F.M.Menger, Tetrahedron Letter, 38, p.1485(1997)等参照。)により得られる一般式[24]で示されるヨウ素体1モルを適当な溶媒(例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、例えばシクロヘキサン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、例えばエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、無水酢酸、水等。特にハロゲン化炭化水素類が好ましい。)中に溶解又は懸濁し、当該ヨウ素体に対して過剰量の酢酸を加えた後、当該ヨウ素体に対して8〜12モルの例えばmCPBA(=m-chloroperoxybenzoic acid)、過酸化水素水、ナトリウムパーボレート(NaBO3)等の酸化剤を加え、15〜40℃で、6〜24時間撹拌反応させた後、常法に従って処理することにより、本発明に係る一般式[25]で示されるジアセタート体が得られる。
(式中、Z、T及びqは前記に同じ。)
※TsOH=p-toluenesulfonic acid, TsO=p-toluenesulfonyloxy(tosyloxy)
即ち、上記一般式[25]で示されるジアセタート体1モルに対して4〜20倍モルのトシル酸・1水和物(TsOH・H2O)又はトシル酸と水を、窒素雰囲気下、室温で適当な溶媒(例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、例えばシクロヘキサン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、例えばエチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等。特にアセトニトリルが好ましい。)中に溶解又は懸濁し、上記一般式[25]で示されるジアセテートを加え、15〜40℃で5時間撹拌反応させた後、常法に従って処理することにより、本発明に係る一般式[26]で示されるヒドロキシトシロキシ体が得られる。
(式中、Z、T及びqは前記に同じ。)
※TfOH=trifluorometanesulfonic acid(CF3SO3H), TfO-=triflate(CF3SO3 -)
即ち、上記一般式[25]で示されるジアセタート体1モルを、窒素雰囲気下、0℃下で適当な溶媒(例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、例えばシクロヘキサン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、例えばエチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等。特にアセトニトリルが好ましい。)中に溶解し、上記一般式[25]で示されるジアセタート体に対して4〜20倍モル、好ましくは8倍モルのトリフルオロメタンスルホン酸を加え、室温で1時間撹拌反応させる。反応終了後、得られた反応液を0℃まで冷却し、当該ジアセタート体に対して6〜8倍モルのトルエンを加え、室温で8時間撹拌反応させた後、常法に従って処理することにより、本発明に係る一般式[27]で示されるトリルヨードニウム塩が得られる。
(式中、Z、T及びqは前記に同じ。)
即ち、上記一般式[25]で示されるジアセタート体1モルに、当該ジアセタート体に対して10〜300倍モルの例えば水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等の塩基性水溶液を添加し、室温で1〜3時間撹拌反応させる。反応終了後、常法に従って処理することにより、本発明に係る一般式[23]で示されるヨードシル体が得られる。
(式中、Z、Y2、T及びqは前記に同じ。)
即ち、上記一般式[25]で示されるジアセタート体1モルを、適当な溶媒(例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、例えばシクロヘキサン等の炭化水素類、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、例えばエチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等。特にハロゲン化炭化水素類が好ましい。)中に溶解し、当該ジアセタート体に対して5当量のHY2水溶液を加え、15〜40℃で0.5〜3時間撹拌反応させる。反応終了後、常法に従って処理することにより、本発明に係る一般式[28]で示されるμオキソ体(n=1)が得られる。
本発明に係る一般式[1]で示される超原子価ヨウ素化合物は、例えばアルコール類及びフェノール類の酸化反応、ケトン類のα-トシロキシ化反応、酸化的ビアリールカップリング反応等種々の酸化試薬として、例えばケトン類の選択的α-トシロキシ化反応等の選択反応試薬として使用可能である。
また、本発明の超原子価ヨウ素化合物は、上記の如き反応試薬として用いる場合、当該超原子価ヨウ素化合物の前駆体であるヨウ素体がメタノールに極めて難溶であるため、反応生成物をメタノールで抽出することにより、当該酸化試薬をヨウ素体として容易に分離回収することができる。この再利用工程を下記に示す(本発明に係る超原子価化合物として、ジアセタート体(アダマンタン型)を例示。)。
本発明の超原子価ヨウ素化合物は、従来のポリマー試薬が有していた、ポリスチレン鎖中のベンジル位プロトンの存在により再利用処理、即ちヨウ素体から再酸化して反応試薬を再生成する際に、ポリマーの劣化が少しずつ進行してしまうという問題点を有することなく、効率よく当該ヨウ素化合物を回収再利用し得る。
更に、本発明の超原子価ヨウ素化合物は、4つの反応部位がお互い邪魔しない正四面体構造をとるため、従来のポリマー試薬が有していた、例えばポリマー鎖に反応部位が埋もれてしまうため反応効率が悪く過剰の試薬を必要とする、反応部位の導入効率を一定に保つことが困難である等の問題点を有することなく、モノマー試薬と同等若しくはそれ以上の高い反応性を有する。
以下に、実施例、実験例、参考例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
参考例1.1,3,5,7-テトラフェニルアダマンタンの合成
※PhH=benzene, t-BuBr=tert-butylbromide
常法(例えばH.Newman, Synthesis, p.692(1972)等参照。)に従って、窒素雰囲気下、ベンゼン 50mL中に、1-ブロモアダマンタン 5.0g及び臭化tert-ブチル 5.4mL(2.0equiv.)を添加し溶解させ、得られたベンゼン溶液に、塩化アルミニウム(AlCl3) 250mgを加え、直ちに100〜110℃で2時間還流させた。反応終了後、得られた反応液に氷水 100mL及びジエチルエーテル 50mLを加え、残った粗結晶を濾取し、水、ジエチルエーテルで洗浄した。次いで、得られた粗結晶にベンゼン 150mLを加え、加温し、70〜80℃で熱濾過した(ベンゼンが固化してしまう場合は更にジエチルエーテルを加える。)後、更に加熱したベンゼンで洗浄後、乾燥させ目的物 6.9gを白色固体として得た(収率:70%)。
参考例2.1,3,5,7-テトラキス(4-ヨードフェニル)アダマンタンの合成〔ヨウ素体(アダマンタン型)〕
※PIFA=Phenyliodine(III) bis(trifluoroacetate)=PhI(OCOCF3)2
常法(例えばV.R.Reichert, L.J.Mathias, Macromolecules, 27, p.7015(1994)、L.J.Mathias, V.R.Reichert, A.V.G.Muir, Chem. Mater., 5, p.4(1993)等参照。)に従って、クロロホルム(CHCl3) 25 mL中にテトラフェニルアダマンタン 6.9gを溶解させた後、ヨウ素 7.96g (2.0equiv.)及びPIFA 16.2mL(2.4equiv.)を加え、15〜30℃で終夜撹拌した。反応終了後、得られた反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液 25mL及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 25mLを加え、クロロホルム100mLで2回抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 25mL、水 25mL及び飽和塩化ナトリウム水溶液 50mLで洗浄し、乾燥させた後、濃縮して粗結晶を得た。得られた粗結晶をクロロホルム/メタノール混合溶媒(=10/1)から再結晶して、目的物 12.8gを無色針状結晶として得た(収率:86%)。
実施例1.1,3,5,7-テトラキス-(4-(ジアセトキシヨード)フェニル)アダマンタンの合成〔ジアセタート体I(アダマンタン型)〕
参考例2で得られた1,3,5,7-テトラキス(4-ヨードフェニル)アダマンタン 1.416gをジクロロメタン(CH2Cl2) 150mL及び酢酸 150mL中に添加し溶解させた後、更にm-クロロ過安息香酸(mCPBA) 3.12g (12equiv.)を加え、15〜30℃で13時間撹拌反応させた。反応終了後、得られた反応液を濾過し不溶物を除去し、ジクロロメタンのみ減圧留去した後、濃縮液にn-ヘキサン 350mLを添加し晶析させた。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、得られた粗結晶に更にn-ヘキサンを添加し、この操作を2回繰り返した。更にジエチルエーテル 20mLを添加し、目的物を晶析させ、デカンテーションにより上澄み液を除去し、粗結晶を濾取した後、n-ヘキサン及びジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、酢酸/塩化メチレン/ヘキサン混合溶媒(=1/1/1)から再結晶して、目的物 2.065gを無色結晶として得た(収率:97.2%)。
物性データ:
mp 195〜196℃ (from AcOH-CH2Cl2/n-Hexane).
1H-NMR (CDCl3, 300MHz):δ8.09 (d, J=8.4Hz, 8H), 7.56 (d, J=8.4Hz, 8H), 2.20 (s, 12H), 2.01 (s, 24H).
13C-NMR (CDCl3, 75MHz):δ176.5, 151.9, 135.2, 127.7, 119.5, 46.4, 39.6, 20.4.
High resolution ESI mass (in MeOH): m/z 1422.87845 (Ad(PhI(OAc)2)3(PhI+(OAc)O)/H2O/MeOH).
実施例2.1,3,5,7-テトラキス-(4-(ヒドロキシ)トシロキシヨード)フェニル)アダマンタンの合成〔ヒドロキシトシロキシ体I(アダマンタン型)〕
窒素雰囲気下、無水アセトニトリル(dryCH3CN) 4.2mL中にトシル酸・1水和物(TsOH・H2O) 537mgを添加し溶解させた溶液に、実施例1で得られたジアセタート体I(アダマンタン型) 500mg (0.353mmol)を添加し、室温で5時間撹拌反応させた。反応終了後、得られた反応液に、アセトニトリル 10mLとジエチルエーテル 10mLを加えて10分攪拌させた後、濾取し、粗結晶を得た。得られた粗結晶をジエチルエーテル 20mLで洗浄後、乾燥し、目的物 564mgを淡黄色結晶として得た(94%)。
物性データ:
m.p. 183〜190℃
1H-NMR (CDCl3/CF3CO2H(=10/1), 270MHz):δ8.25 (d, J=8.9Hz, 8H), 7.70 (d, J=8.9Hz, 8H), 7.65 (d, J=8.4Hz, 8H), 7.26 (d, J=8.1Hz, 8H), 2.38 (s, 12H), 2.26 (s, 12H).
13C-NMR (CDCl3/CF3CO2H(=10/1), 75MHz):δ154.2, 144.5, 135.9, 135.1, 129.8, 129.0, 126.3, 121.1, 45.8, 39.9, 21.4.
High resolution ESI mass (in MeOH): m/z 1581.96131 (Ad(PhI(OTs)OMe)3(PhI+OMe))
実施例3.1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-トリルヨードニウム)フェニル)アダマンタンの合成〔ヨードニウム体I(アダマンタン型)〕
窒素雰囲気下、0℃で無水ジクロロメタン 3mL中に、実施例2で得られたジアセタート体I(アダマンタン型)(212.4mg, 0.15mmol)を添加し溶解させた後、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH) 106.2μl(1.20mmol)をゆっくり添加し、室温で1時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液を0℃まで冷却した後、無水トルエン(toluene) 127.8μl(1.2mmol)を加え、室温で8時間攪拌した。得られた溶液を撹拌しながらジクロロメタンを減圧留去した後、ジエチルエーテル 15mLを加え、目的物を晶析させた。得られた晶析物を減圧濾過により濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥することにより目的物 248mgを無色結晶として得た(87%)。
物性データ:
m.p. 186〜190℃
1H-NMR (CD3CN, 270MHz):δ8.00 (d, J=8.6Hz, 8H), 7.94 (d, J=8.4Hz, 8H), 7.62 (d, J=8.6Hz, 8H), 7.32 (d, J=8.1Hz, 8H), 2.37 (s, 12H), 2.04 (s, 12H).
13C-NMR (CD3CN, 67.8 MHz):δ154.6, 145.1, 136.2, 136.1, 133.8, 130.3, 124.0, 112.0, 110.9, 45.8, 40.6, 21.4.
High resolution ESI mass (in CH3CN): m/z 1755.88990 (C62H15I4 +/3(OSO2CF3))(3OSO2CF3).
実施例4.テトラキス-4-(ジアセトキシヨード)フェニルメタンの合成〔ジアセタート体II(メタン型)〕
塩化トリチルを出発原料とし、常法(例えばD.Su, F.M.Menger, Tetrahedron Lett., 38, p.1485(1997)等参照。)により合成されたテトラ(ヨードフェニル)メタン 852.5mg (1.03mmol)をジクロロメタン 100 mL中に溶解させた後、酢酸(AcOH) 100mL及びm-クロロ過安息香酸(mCPBA) 2.142g (12.41mmol)を加え、15〜30℃で48時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液を濾過した後、ジクロロメタンのみ減圧留去し、得られた濃縮液にn-ヘキサン 300mLを加え晶析させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。得られた粗結晶に更にn-ヘキサンを添加し、同様の操作を2回繰り返した。得られた粗結晶をn-ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥し、目的物 1.220gを無色結晶として得た(91.4%)。
物性データ:
m.p. (decomp.) 200℃ (from AcOH/n-Hexane).
1H-NMR (CDCl3, 300MHz):δ8.04 (d, J=8.4Hz, 8H), 7.32 (d, J=8.7Hz, 8H), 2.05 (s, 24H).
13C-NMR (CDCl3, 67.8MHz):δ176.4, 147.5. 134.7, 132.9, 119.7, 65.0, 20.6.
High resolution ESI mass (in MeOH): m/z 1302.78679 (C(PhI(OAc)2)3(PhI+(OAc)(OMe)OH)/H2O)
実施例5.1,3,5,7-テトラキス-(4-ビス(トリフルオロアセトキシヨード)フェニル)アダマンタンの合成〔ビストリフルオロアセタート体I(アダマンタン型)〕
※TFA=trifluoroacetic acid
クロロホルム 8mL中に、実施例1で得られたジアセタート体I(アダマンタン型) 495.8mg (0.35mmol)を添加し溶解させた溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)8mL(83.1mmol)を添加し、室温で1.5時間攪拌反応させた。反応終了後。得られた反応液を攪拌しながらクロロホルムを減圧留去し、ヘキサン/ジエチルエーテル混合溶媒(=10/1)から晶析させた。得られた粗結晶を同じ混合溶媒 30mLで2回デカンテーションし洗浄した後、濾取し、目的物 578.7mgを淡黄色結晶として得た(収率:89%)。
物性データ:
m.p. 196-203℃
1H-NMR (CDCl3/CF3CO2H(=10/1)) 300MHz:δ8.24(d, J=8.7Hz, 8H), 7.73(d, J=8.7Hz, 8H), 2.30(s, 12H)
13C-NMR (CDCl3/CF3CO2H(=10/1)) 300Hz:δ166.0, 154.3, 136.0, 129.2, 120.7, 116.8, 46.0, 40.1
実施例6.1,3,5,7-テトラキス-(4-ヨードシルフェニル)アダマンタンの合成〔ヨードシル体I(アダマンタン型)〕
実施例1で得られたアセタート体I(アダマンタン型) 283.3mg(0.2mmol)に3N NaOHaq. 20mLをゆっくり添加し、室温で1.5時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液を濾過し、水 20mL及びジエチルエーテル 20mLで2回洗浄した後、乾燥し、目的物 160mgを淡黄色結晶として得た(収率:79%)。
物性データ:
1H-NMR (DMSO-d6) 270MHz:δ7.63(d, J=7.8Hz, 8H), 7.30(d, J=7.6Hz, 8H), 1.95(s, 12H)
実施例7.1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(テトラフルオロボレート)の合成〔μオキソ体I(アダマンタン型)〕
クロロホルム 0.5mL中に、実施例1で得られたジアセタート体I(アダマンタン型) 70.8mg(0.05mmol)を添加し溶解させた後、当該アセタート体に対して5等量のテトラフルオロホウ酸水溶液をゆっくり添加した。すぐに黄沈。1時間後、得られた反応液のクロロホルムを減圧留去し、NMR測定により目的物の生成を確認した。
物性データ:
1H-NMR (DMSO-d6) 270MHz:δ8.17 (d, J=8.4Hz, 8H), 7.83(d, J=8.4Hz, 8H), 2.16(s, 12H)
実施例8.1,3,5,7-テトラキス-(4-(4-(3,5,7-トリス(4-ヒドロキシヨードフェニル)アダマンチル)フェニル)ヨード-μ-オキソヨードフェニル)アダマンタン イコサキス(ヘキサフルオロホスフェート)の合成〔μオキソ体I(アダマンタン型)〕
実施例7で用いたテトラフルオロホウ酸水溶液の代わりに、ヘキサフルオロリン酸水溶液を用いた以外は実施例7と同様の操作を行い、NMR測定により目的物の生成を確認した。
物性データ:
1H-NMR (DMSO-d6) 270MHz:δ8.25-8.00(m, 8H), 7.90-7.65(m, 8H), 2.25-2.00(m, 12H)
実施例9.テトラキス-4-ビス(トリフルオロアセトキシヨード)フェニルメタンの合成〔ビストリフルオロアセタート体II(メタン型)〕
窒素雰囲気下、クロロホルム 3mL中に、実施例4で得られたジアセタート体II(メタン型) 388.9mg (0.30mmol)を添加、溶解させた溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)3mLを添加し、室温で1.5時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液を攪拌しながらクロロホルムを減圧留去し、ヘキサン/ジエチルエーテル混合溶媒(=10/1)から晶析させた。得られた粗結晶を同じ混合溶媒 30mLで2回デカンテーションして洗浄した後、濾取し、目的物 479.9mgを無色結晶として得た(収率:93%)。
物性データ:
m.p. 158-160℃
1H-NMR (CDCl3/CF3CO2H(=10/1)) 300MHz:δ8.19(d, J=9.9Hz, 8H), 7.41(d, J=9.6Hz, 8H).
F-NMR (CDCl3/CF3CO2H(=10/1)):δ-74.47ppm(s, 24F; OCOCF3).
IR (KBr):1770.5 s, 1681.8 s, 1180.4 s, 912.3 w cm-1.
実施例10.テトラキス-4-(ヒドロキシ)トシロキシヨード)フェニルメタンの合成〔ヒドロキシトシロキシ体II(メタン型)〕
窒素雰囲気下、無水アセトニトリル(dryCH3CN) 5.0mL中にトシル酸・1水和物(TsOH・H2O) 380.4mg (2.00mmol, 8eq.)を添加、溶解させた溶液に、実施例4で得られたジアセタート体II(メタン型)324.1mg (0.25mmol)を添加し、室温で3時間撹拌反応させた。反応終了後、得られた反応液に、アセトニトリル 10mLとジエチルエーテル 10mLを加えて10分攪拌させた後、濾取し、粗結晶を得た。得られた粗結晶をジエチルエーテル 20mLで洗浄後、乾燥し、目的物 358mgを淡黄色結晶として得た(91%)。
物性データ:
m.p. 123〜125℃
1H-NMR (CDCl3/CF3CO2H(=10/1), 300MHz):δ8.20 (d, J=8.7Hz, 8H), 7.70 (d, J=8.1Hz, 8H), 7.41 (d, J=8.7Hz, 8H), 7.30 (d, J=8.1Hz, 8H), 2.43 (s, 12H), 2.26 (s, 12H).
IR (KBr):3645 w, 3624 w, 3583 w, 2353 w, 1759 m, 1732 m, 1634 m, 1445 w, 1180 s, 1126 w, 1036 m, 1009 m, 912 w, 814 m, 702 m cm-1.
実験例1.フェノールからキノンモノアセタールへの酸化反応
※MeO = methoxy, MeOH = methanol
3,4,5-trimethoxyphenol 184.2mgをメタノール 5mL中に溶解させ、実施例1で得られたジアセタート体I(アダマンタン型)(compound 1) 354.1mgを加えて20〜30℃で10分間撹拌反応させた。TLCにより原料消失を確認した後、得られた反応液にメタノール 10mLを加え、グラスフィルターで濾過した後、メタノールで残渣を数回洗浄した。得られた濾液を遠心分離し、上澄み液を濃縮し、キノンモノアセタール(2,4,4,5-テトラメトキシ-2,5-シクロヘキサジエノン)を定量的に得た(収率:100%)。次いで、当該酸化試薬であるジアセタート体I(アダマンタン型)をヨウ素体として回収した(236.1mg、回収率:100%)。その結果を表1に示す。
物性データ:1H-NMR (CDCl3):δ5.57 (s, 2H), 3.74 (s, 6H), 3.21 (s, 6H)
比較例1.
実験例1で用いたジアセタート体Iの代わりにフェニルアイオダイン ジアセテート〔PhI(OAc)2:PIDA〕を1当量用いた以外は実験例1と同様の操作を行い、キノンモノアセタールを定量的に得た(収率:91%)。その結果を表1に示す。
当該酸化試薬であるPIDAは、反応に使用後、ヨードベンゼンとなり、これは揮発性を有する液体であるため回収には適さない。
比較例2.
実験例1で用いたジアセタート体の代わりに〔ポリ(ジアセトキシヨード)スチレン:PDAIS〕を、反応部位数が基質に対して1当量となる量を用いた以外は実験例1と同様の操作を行い、キノンモノアセタールを定量的に得た(収率:91%)。その結果を表1に示す。
当該酸化試薬であるPDAISは、ほぼ100%の回収率であったが、再利用の為に行う再酸化の際の収率が低く(収率:60〜80%)、また、ポリマーの劣化も進行するため、再び酸化試薬として再利用する際の収率は、回収されたポリヨードスチレンから換算して50〜80%であった。
水 1mL中に2-オクタノール 31.8μlを溶解させた後、KBr 23.8mg (1.0eq)を加え、5分間攪拌させ、その混合液に実施例1で得られたジアセタート体I(アダマンタン型)(compound 1) 77.9mg (0.055mmol, 1.1×1/4eq)を加え20〜30℃で1.5時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液をフィルター〔商品名:Varian BOND ELUT C2 or C8〕に注入し、目的物を吸着させた。次いで、フィルターを水 20mLで洗浄しKBrを除去した後、メタノール 20mLを添加し、吸着された目的物を流出させ、ガスクロマトグラフィー(GC)測定により2-オクタノンを単一性生物として定量的に得た(収率:100%)。次いで、当該酸化試薬であるジアセタート体I(アダマンタン型)をヨウ素体として回収した(52.0mg、収率:100%)。その結果を表2に示す。
比較例3.
実験例1で用いたジアセタート体の代わりに、ヨードシルベンゼン〔PhIO〕を1当量用いた以外は実験例1と同様の操作を行い、2-オクタノンを定量的に得た(収率:100%)。その結果を表2に示す。
当該酸化試薬であるPhIOは、反応に使用後、ヨードベンゼンとなり、これは揮発性を有する液体であるため回収には適さない。
比較例4.
実験例1で用いたジアセタート体の代わりに〔ポリ(ジアセトキシヨード)スチレン:PDAIS〕を、基質に対して反応部位数が1当量となる量を用い、また反応時間を7時間とした以外は実験例1と同様の操作を行い、2-オクタノンを定量的に得た(収率:100%)。その結果を表2に示す。
当該酸化試薬であるPDAISは、ほぼ100%の回収率であったが、再利用の為に行う再酸化の際の収率が低く(収率:60〜80%)、また、ポリマーの劣化も進行するため、再び酸化試薬として再利用する際の収率は、回収されたポリヨードスチレンから換算して50〜80%であった。
窒素雰囲気下、propiophenone 133μl(1mmol)を無水アセトニトリル 2.5mL中に溶解させた後、実施例2で得られたヒドロキシトシロキシ体I(アダマンタン型) 424.3mg (0.25mmol, 1×1/4eq)を添加して、加熱還流下、3時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液に、メタノール 20mLを加え、グラスフィルターで濾過した後、目的物をメタノール10mLで2回抽出し、濾液を濃縮し、液体カラムクロマトグラフィー〔ヘキサン/酢酸エチル=4/1〕により所望のトシロキシ体(1-フェニル-2-トシロキシプロパノン) 231.4mgを得た(収率:76%)。また、当該酸化試薬であるヒドロキシトシロキシ体(アダマンタン型)をヨウ素体として回収した(230.3mg、回収率:98%)。その結果を表3に示す。
比較例5〜7.
実験例3で使用した本発明のヒドロキシトシロキシ体の代わりに、以下のヨウ素試薬を用いた以外は、実験例3と同様の操作を行った。反応終了後、回収された各ヨウ素試薬の回収率を表3に示す。
※〔PS〕= poly[4-hydroxy(tosyloxy)iodo]styrene
〔PMS〕= poly{α-methyl[4-hydroxy(tosyloxy)iodo]stylene}
比較例5で用いた酸化試薬PhI(OH)OTsは、反応に使用後、ヨードベンゼンとなり、これは揮発性を有する液体であるため回収には適さない。また、比較例6及び7で用いた酸化試薬PS及びPMSは100%の回収率であるが、再利用の為に行う再酸化の際の収率が低く(収率:60〜80%)、また、ポリマーの劣化も進行するため、再び酸化試薬として再利用する際の収率は、回収されたポリヨードスチレンから換算して50〜80%であった。
実験例4.フェニルエーテル類の酸化的ビアリールカップリング反応(1)
窒素雰囲気下、無水ジクロロメタン 5mL中に4-bromoveratrole 143.9μl(1mmol)を溶解させた溶液に、-40℃下でBF3-Et2O 139.4μl(1.1mmol)を添加し、すぐに実施例5で得られたビストリフルオロアセタート体I(アダマンタン型) 254.2mg (0.138mmol)を添加し、-78〜-48℃で3時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液に0℃下で飽和重曹水 10mL、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液 10mLを添加し、10分間攪拌させた。得られた反応液をジクロロメタン 15mLで2回抽出し、飽和食塩水で洗浄後、芒硝(硫酸ナトリウム)乾燥し、濃縮した後、得られた残査にメタノール20mLを添加し、グラスフィルターで沈殿を濾取し、ろ液を濃縮して遠心分離にかけた。上澄み液を取り、得られた残渣に再びメタノールの追加をするという操作を数回くり返した。合わせた上澄み液を濃縮し、液体カラムクロマトグラフィにより、目的物を得た(収率:98%)。当該酸化試薬であるビストリフルオロアセタート体(アダマンタン型)をヨウ素体として回収した(130.3mg, 収率:100%)。
3,4,5-trimethoxyphenol 92.1mg (0.5mmol)をアセトニトリル−水(=4/1)混合溶媒 2.5mL中に溶解させ、実施例4で得られたジアセタート体II(メタン型)(compound 4) 162.0mg (0.125mmol)を加えて室温で15分間撹拌反応させた。TLCにより原料消失を確認した後、更に室温で15分間撹拌し、得られた反応液に当該アセトニトリル−水混合溶媒 5mLを加え、グラスフィルターで濾過した後、当該アセトニトリル−水混合溶媒で残渣を数回洗浄した。得られた濾液を遠心分離し、上澄み液を濃縮し、キノン(2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン)を定量的に得た(収率:96%)。次いで、当該酸化試薬であるジアセタート体II(メタン型)をヨウ素体としてほぼ定量的に回収した(101.9mg、回収率:99%)。また、ジアセタート体IIを酸化試薬として再利用する際の収率は、回収されたヨウ素体から概算して90〜93%であった。これらの結果を表4に示す。
比較例8及び9
実験例5で用いたジアセタート体IIの代わりにPIDA(1.1eq.)(比較例8)及びPDAIS(1.1eq.)(比較例9)を用いて、実験例5と同様の酸化反応を行ったところ、何れもキノンを定量的に得た。しかしながら、PIDAを使用した場合、実験例5と同程度で反応は終了したが、PIDAの回収はできなかった。また、PIDASを使用した場合、反応は30分間では終了せず、更に時間を要した。
また、PIDAは、反応に使用後、ヨードベンゼンとなり、これは揮発性を有する液体であるため回収には適さない。PDAISは、ほぼ100%の回収率であったが、再利用の為に行う再酸化の際の収率が低く(収率:60〜80%)、また、ポリマーの劣化も進行するため、再び酸化試薬として再利用する際の収率は、回収されたポリヨードスチレンから換算して50〜80%であった。これらの結果を併せて表4に示す。
水 1mL中にL-menthol 31.2mg (0.2mmol)を溶解させた後、KBr 12.0mg (0.1mmol, 0.5 eq.)を加え、数分間撹拌し、その混合液に実施例4で得られたジアセタート体II(メタン型)(compound 4) 71.3mg (0.055mmol, 1×1/4eq.)を加え室温で1.5時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液を実験例2と同様に処理し、目的物を定量的に得た(収率:100%)。次いで、当該酸化試薬であるジアセタート体IIをヨウ素体として定量的に回収した(44.9mg、収率:99%)。また、ジアセタート体IIを酸化試薬として再利用する際の収率は、回収されたヨウ素体から概算して90〜93%であった。これらの結果を表5に示す。
比較例10及び11.
実験例6で用いたジアセタート体IIの代わりにPIDA(1.2eq.)(比較例10)及びPDAIS(1.2eq.)(比較例11)を用いて、実験例6と同様の酸化反応を行ったところ、目的物を各々定量的に、収率91%で得た。
しかしながら、PIDAは、反応に使用後、ヨードベンゼンとなり、これは揮発性を有する液体であるため回収には適さない。一方、PDAISは、ほぼ100%の回収率であったが、再利用の為に行う再酸化の際の収率が低く(収率:60〜80%)、また、ポリマーの劣化も進行するため、再び酸化試薬として再利用する際の収率は、回収されたポリヨードスチレンから換算して50〜80%であった。これらの結果を表5に併せて示す。
実験例7.酸化的ビアリールカップリング反応(2)
窒素雰囲気下、無水ジクロロメタン 2.5mL中に4-bromoveratrole 43.4mg (0.2mmol)を溶解させた溶液に、-40℃下でBF3-Et2O (2eq.)を添加し、すぐに実施例9で得られたビストリフルオロアセタート体II(メタン型)(compound 9) 47.5mg (0.0275mmol)を添加し、-40℃で3時間攪拌反応させた。反応終了後(ほぼ
1時間で完結)、反応液を濃縮した後、得られた残査にメタノール20mLを添加し、グラスフィルターで沈殿を濾取し、ろ液を濃縮して遠心分離にかけた。上澄み液を取り、残渣をメタノール洗浄する操作を数回くり返した。洗浄液と上澄み液とを併せて濃縮し、液体カラムクロマトグラフィにより、目的のビアリールカップリング体 42.4mgを得た(収率:98%)。当該酸化試薬であるビストリフルオロアセタート体II(メタン型)はヨウ素体として回収できた(22.0mg, 収率:97%)。
実験例8.ケトン類のα-トシロキシ化反応(2)
窒素雰囲気下、propiophenone 40.2mg (0.3mmol)を無水アセトニトリル 1.5mL中に溶解させた後、実施例10で得られたヒドロキシトシロキシ体II(メタン型)(compound 10) 118.2mg (0.075mmol, 1×1/4eq)を添加して、70℃で3時間攪拌反応させた。反応終了後、得られた反応液をグラスフィルターで濾過した後、濾液を濃縮し、液体カラムクロマトグラフィー〔ヘキサン/酢酸エチル=4/1〕により所望のトシロキシ体(1-フェニル-2-トシロキシプロパノン) 60.2mgを得た(収率:66%)。また、当該酸化試薬であるヒドロキシトシロキシ体II(メタン型)はヨウ素体として回収できた(60.6mg、回収率:98%)。
実験例1〜8の結果から明らかなように、本発明に係る超原子価ヨウ素化合物は、種々の酸化反応又はトシロキシ反応試薬として有用である。
また、実験例1〜3、比較例1〜7及び表1〜3の結果から明らかなように、本発明の超原子価ヨウ素試薬は、モノマー試薬と同等若しくはそれ以上の高い反応性を示し、ヨウ素体の回収率及び再利用率はほぼ100%であり、モノマー試薬及びポリマー試薬よりも容易に回収・再利用し得ることは明らかである。
実験例9〜14.ケトン類の選択的α-トシロキシ化反応
酸化試薬として表6に示される各種ヨウ素試薬を、基質として各種ケトン類(R’は下記表6に記載)を用い、トシル酸1水和物(TsOH・H2O)を基質に対して1当量添加すること以外は実験例3と同様の操作によりα-トシロキシ化反応を行い、3-トシロキシ体(a)及び1-トシロキシ体(b)を得た。但し、ヒドロキシトシロキシ体であるCompound 10(メタン型)を用いた実験例10では、TsOH・H2Oを添加せずに反応を行った。これらの結果を表6に併せて示す。
実験例9〜14と比較例12及び13の結果から明らかなように、本発明に係る超原子価ヨウ素化合物を酸化試薬として使用してトシロキシ化反応を行った場合、従来のヨウ素試薬よりも、基質のα位が選択的にトシロキシ化される、即ち3-トシロキシ体を高い選択性で生成することが分かる。
また、実験例9と11の結果から明らかなように、本発明に係る超原子価ヨウ素化合物のうち、アダマンタン型よりもメタン型を酸化試薬として用いてトシロキシ化反応を行った方が、収率が高く、また3-トシロキシ体の選択性も高いことが分かる。