JP4552038B2 - カプセル剤、薬物貯蔵庫薄形シート、袋状の剤形とそれぞれの製造方法 - Google Patents

カプセル剤、薬物貯蔵庫薄形シート、袋状の剤形とそれぞれの製造方法 Download PDF

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【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、カプセル剤、薬物貯蔵庫薄形シート、袋状の剤形とそれぞれの製造方法である。本発明の袋状の剤形は、気体になった薬効成分を皮膚に吸収させて皮膚疾患等を治療する新しい外用医薬品であり、敢えて命名すると気体製剤である。
【従来の技術】
【0002】
従来、例えば、皮膚、目、耳、鼻等の部位に適用される外用剤には、液剤、半固形剤、固形剤があり、日本薬局方には、液剤としては、酒精剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤等が半固形剤、固形剤としては、軟膏剤、パップ剤、硬膏剤等がそれらの製法とともに規定されている。
【0003】
酒精剤は、通例、揮発性医薬品をエタノール又はエタノールと水の混液で溶かした液状の製剤である。酒精剤を製するには、通例、医薬品をエタノール又はエタノールと水の混液に溶かす。
【0004】
リニメント剤は、通例、液状又は泥状に製した、皮膚にすり込んで用いる外用剤である。リニメント剤を製するには、通例、医薬品を水、エタノール、脂肪油、グリセリン、石鹸、乳化剤、懸濁化剤若しくはそのほかの適当な添加剤又はそれらの混合物に加え、全質を均等にする。
【0005】
ローション剤は、通例、医薬品を水性の液中に溶解又は微細均等に分散して製した、皮膚に塗布する液状の外用剤である。ローション剤を製するには、通例、医薬品と溶剤、乳化剤、懸濁化剤等を水性の液体に加え、全質を均等にする。
【0006】
エアゾール剤は、医薬品の溶液、懸濁液等を、同一容器又は別の容器に充填した液化ガス又は圧縮ガスの圧力により、用時噴出して用いるように製したものである。
【0007】
軟膏剤は、通例、適当な稠度の全質均等な半固形状に製した、皮膚に塗布する外用剤である。軟膏剤を製するには、通例、脂肪、脂肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、ろう、樹脂、プラスチック、グリコール類、高級アルコール、グリセリン、水、乳化剤、懸濁化剤若しくはそのほかの適当な添加物を原料とするか、又はこれらを基剤とし、医薬品を加え、混和して全質を均等にする。
【0008】
パップ剤は、通例、医薬品の粉末と精油成分を含むもので、泥状に製するか、又は布上に展延成形して製した、湿布に用いる外用剤である。パップ剤を製するには、通例、医薬品の粉末をグリセリン、水又はそのほかの適当な液状の物質と混和し、精油成分を加え、全質を均等にする。
【0009】
硬膏剤は、通例、常温で固形で、布、紙又はプラスチック製のフィルム等に延ばし、皮膚に粘着させて用いる外用剤である。硬膏剤を製するには、通例、脂肪、脂肪油、脂肪酸塩、ろう、樹脂、プラスチック、精製ラノリン、ゴム若しくはこれらの混合物を原料とするか、又はこれらを基剤とし、医薬品を均等に混和して適当な形とする。
【0010】
これらの外用剤は、薬効成分を有する薬物(主薬)と基剤とを含んで構成されるが、直接局部に散布、塗布、貼付、粘着等させて適用している。外用剤の吸収は、皮膚や粘膜を経由するため、水溶性の高いものや高分子量のもの等皮膚や粘膜からの吸収性が低いものは外用剤の主薬には適さず、脂溶性のものや低分子量のもの等皮膚や粘膜からの吸収性が良いものが主薬として使用されてきた。脂溶性、低分子、揮発性の高い植物精油又は植物精油成分の化学単体である薬物は皮膚から吸収されるので、多く使われる。
【0011】
上述した製剤の剤形では、水溶性薬物より脂溶性薬物を主薬とするのが一般的であり、紀元前より膏薬や軟膏等が使用されてきた。軟膏剤等の外用剤では、薬物(主薬)製剤重量の大半を占める基剤と混合されるが、基剤は単に外用剤の形をとるだけでなく、軟膏剤の物理化学的性質、例えば保存性や、吸収性に起因する薬効に大きな影響を及ぼすので、有効成分である薬物(主薬)の性質を考慮して選択することが必要である
【0012】
こうした基剤には、油脂性基剤、乳剤性基剤、水溶性基剤があることが知られている。油脂性基剤としては、脂肪、脂肪油、ろう類、カカオ脂、ラウリン脂その他の動植物性または植物性、ワセリン、パラフィン、プラスチベース、シリコーンその他の合成有機化合物等が知られている。また、その他の基剤として、カオリン、ベントナイト等の鉱物性基剤等も知られている。
また、乳剤性基剤として水相中に油相を加えたO/W型(水中油型)、油相中に水相を加えたW/O型(油中水型)等の基剤相が適宜使用されている。
【0013】
外用剤は上記のように主薬と基剤とを混合して製造されるが、同時に製剤の安定性、安全性または均質性を保持し、商品価値を高めることを目的として、適当な添加剤を加えることができる。こうした添加剤としては、安定剤、賦形剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、懸濁剤、等張化剤等があり、製剤の用途に応じて適宜使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述のように、従来、外用剤は、主薬と基剤およびその他の添加剤とを混合、または混和して製造し、皮膚または粘膜に、塗布、貼付、散布、粘着等の手段で直接接触させることにより投与されてきた。したがって、皮膚に貼付や粘着させる場合には、基剤に含まれる成分によって皮膚障害を発生することがあるという問題点がある
【0015】
一方、上述した精油またはその成分である化合物を主薬とし、上記のような油脂性基剤を使用した場合には、精油またはその成分である化合物は一般的に油脂性基剤と疎水性相互作用によって結合(吸着)する。このため、製剤を適用した時に、基剤に対する精油の脱着量が小さく、治療濃度にまで達しないため、薬理効果は低くなる。また、油脂性基剤の種類によっては、薬理効果は発揮できないことになる。
【0016】
外用剤のうち液剤は、揮発性、脂溶性の薬物を皮膚面に長時間滞留するのは困難な剤形であるため、1日何回かの投与が必要となる。また半固形剤は、揮発性物質の原薬の蒸散を防止すべく、不透過性の被覆剤で覆うパップ剤の剤形とすると、皮膚呼吸が阻害される。これによって、投与部位の疾病部位にただれや発赤等が生じることがある。
さらに、このような剤形とすると、疾患部分で生じている、皮膚から蒸発した遊離水分、滲出液、および分泌物等の除去ができないため、損傷部位の治癒、修復再生が遅延するという問題がある
【0017】
上記のような日本薬局方に規定されている剤形以外に、薬物の新しい投与システムとしてドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System、以下「DDS」という)がある。DDSとは、薬物投与の最適化のために、生体内で予め設定された薬物放出、組織到達性を示すようデザインされた薬物投与システムであり、このうちでも、血流を通じて全身に作用することを期待して皮膚を通して薬物を持続的に供給するものを経皮吸収治療システム(Transdermal Therapeutic System、以下「TTS」という。)という。
TTSにおいては、薬物は、拡散や浸透圧等を利用し、放出量を制御しつつ、薬物貯蔵層から放出制御膜と粘着層を通り、特定の投与部位を通って血液循環系に運ばれ、全身薬理作用を発現する。TTSの主薬としては水溶性物質が多く用いられているが、使用できる薬物が限られている。
【0018】
外用剤として、精油及びその成分を使用する場合には、これらは揮発性があるため揮発してしまうと薬理効果を発揮できなくなるという問題がある
したがって、効果を持続させるためには、剤形中に水分を保持しておくことが必要である。これには、基剤内の水分保持率を上げ、水分によって揮発性物質(精油)の蒸発を遅延させる方法、揮発性物質を溶剤(エタノール等)に溶解し、これを水に混和する方法、及び油脂に吸着させ、徐放させる方法等がある。しかし、いずれも揮発性を十分に制御することができず、徐放させても、薬効成分は少しずつ、長時間にわたって持続的に放出されるが、脱着量が少なく治療的濃度に達するまでの時間が長いため、速効性という面で問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、以上のような課題を解決すべくさなされたものである。
すなわち、本発明は、ラベンダー油、チモール、ヒノキチオール、シトラール及びL−メントールを、高分子有機材料の粉粒体を核として、この粉粒体の表面に吸着させ、これらの油膜を粉粒体の表面に形成させ、さらにこの油膜の表面に炭素の粉末を吸着させ、カプセル状の炭素粉末外壁を形成し、このカプセル状の炭素粉末外壁内に前記油膜を形成した粉粒体を封じ込めたことを特徴とするカプセル剤である。
ここで、前記炭素の粉末は、グラファイト、カーボン及び活性炭からなる群から選ばれる少なくとも一種の粉体であることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記カプセル剤、活性炭、ゼオライト、及び高分子吸水樹脂を含む基剤粉体と、添加物である熱可塑性樹脂(上記カプセル形成用有機高分子粉粒体を除く)小片とを混合し、この混合物を紙または不織布からなる2枚のシート状素材の間に挟み、熱圧着によってサンドイッチ状に形成したことを特徴とする、薬物貯蔵庫薄形シートである。ここで、前記シート状素材は、紙又は不織布であることが好ましい。
【0021】
本発明は、さらにまた、前記の薬物貯蔵庫薄形シートを小片に切断し、この小片を毛細管現象による吸水性・保水性・通気性のよい被覆材を包装材とする袋の中に入れ、小片の外周に形成される袋の周辺をシールして薬物貯蔵庫薄形シート小片を袋内に保持したことを特徴とする袋状の剤形である。ここで、前記被覆材がコットン布であることが好ましい。
【0022】
本発明はまた、混合容器に、(a)有機高分子樹脂を破砕して得られる粉粒体と、ラベンダー油、チモール、ヒノキチオール、シトラール及びL−メントールを所定の重量比で混入して混合物とし、(b)前記混合物を、前記混合容器を密閉した状態で攪拌し、その摩擦熱で前記植物精油を気化させ、密閉した混合容器内で前記粉粒体の表面に、吸着によって油膜を形成させて油膜粒子を作り、(c)前記油膜粒子と、カーボン、グラファイト、活性炭からなる群から選ばれる少なくとも一種の炭素粉末とを混合して、混合容器を密閉した状態で再度攪拌し、(d)油膜粒子の表面に前記炭素粉末を吸着させてカプセル状の炭素粉末外壁を形成し、これによって、このカプセル状の炭素粉末外壁内に前記油膜粒子を安定保持させたことを特徴とする、カプセル剤の製造方法である。
【0023】
本発明はさらにまた、(a)前記カプセル剤と、活性炭、ゼオライト及び高分子吸水樹脂を含む基剤粉体と、添加物である熱可塑性樹脂(上記カプセル形成用有機高分子粉粒体を除く)小片とを混合して混合物とし、(b)この混合物を紙または不織布からなる2枚のシート状素材の間に挟み、加熱により前記熱可塑性樹脂小片を溶融固化させて、カプセル剤と基剤粉体と2枚のシート状素材とを一体化させ、(c)その後さらに上下のシート状素材の上方または下方より圧力をかけてサンドイッチ状に形成したことを特徴とする、薬物貯蔵庫薄形シートの製造方法である。
【0024】
本発明はまた、上述した薬物貯蔵庫薄形シートを小片に切断し、この小片をこの小片より一回り大きい面積を有する吸水性・保水性・通気性のよい被覆材シートの上に載置し、さらにこの小片の上に前記被覆材シートと同じ材質、かつ同じ形状の別の被覆材シートを重ねて、小片の外周の外側に形成される上下の被覆材シートの外周をシールして、薬物貯蔵庫薄形シート小片を上下の被覆材シートからなる袋内に保持したことを特徴とする袋状の剤形の製造方法である。
【発明の効果】
【0025】
希釈率=(主薬重量)/((主薬重量)+(基剤重量)+(添加剤重量))と定義すれば、本発明の剤形では投与時において空気による希釈率(主薬のガス中の濃度)が10-6〜10-7クラスである。従来の外用薬の液体固体の基剤に対する希釈率は10-2〜10-3クラスであり、これ以下の希釈率は不可能である。植物性精油の有効成分の薬効は希釈率が低いほど効果的であり、10-2〜10-3クラスの場合は逆効果で、治療の障害の因子となる。したがって、本発明の剤形によれば、従来、ヨーロッパの歴史の中でアロマテラピー(Aroma−therapy)で用いられる、治験例のある、より安全性の高い、精油を用いることによって、副作用の少ない治療薬が開発できる。
【0026】
本発明の剤形に使用される揮発性薬物(精油)は、気体液体界面、気体固体界面における、低分子の気体の特異性と属性を持っていて、皮膚のバリヤーを通過する条件に適合している。気体になった薬効成分は生体の皮膚または粘膜の脂質ルートを経由して、標的部位(標的細胞)に吸収される。したがって、本発明の剤形は、局所適用の浅在性損傷組織への投与はもちろん、全身適用の深在性損傷組織への投与をも可能にした。
【0027】
本発明の剤形は、中国医学の針灸療法の有効な投与経路である経穴を利用して、循環器系、神経系の経穴投与することにより、臓腑の機能を賦活化させたり、経皮吸収投与によって鎮痛治療を行うことができる。
また、被覆材の毛細管現象による吸水力と薬物貯蔵庫薄形シート内に封じ込められた基剤の浸透圧による吸水力とを利用して、皮膚の投与部位に発生する遊離水分、滲出液、分泌物等の治癒阻害因子を前記剤形側に浸透させ除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 図1は、本発明のカプセル剤の断面図である。
【図2】 図2は、本発明のカプセル剤の製造工程を示すフローチャート(その1)である。
【図3】 図3は、本発明の袋状の剤形の製造工程を示すフローチャート(その2)である。
【図4】 図4は、本発明の薬物貯蔵庫薄形シート小片を袋状の剤形に仕上げるまでの工程を示す概略断面図である。
【図5】 図5は、本発明の袋状の剤形の断面図である。
【図6】 図6は、本発明の袋状の剤形の平面図である。
【図7】 図7は、本発明の袋状の剤形の一部切り欠き断面を示す斜視図である。
【図8】 図8は、本発明の剤形が持っている吸水力を利用して皮膚の投与部位に発生する遊離水分等を剤形側に浸透させ除去する過程をモデル的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の製剤を詳細に説明する。
(主薬)
本発明の薬物貯蔵庫薄形シートおよび袋状の剤形において使用する主薬は、揮発性が高く、脂溶性で、薬効成分を含有する、低分子の植物精油またはその成分である単体である。植物精油には各種の成分である化合物、例えば、チモール、ヒノキチオール、シトラール、メントールその他の各種化合物が含まれていることから、このような化合物を含む植物精油自体およびこれらの成分も主薬として使用することができる。
痒みや痛みの原因物質が不活化され、静菌作用や消炎作用が発揮されるとともに損傷部位の治癒が促進されるからである。
【0030】
通常の大気圧の下で温度25℃±10℃における脂溶性物質である主薬の脂質に対する溶解度は、上記表皮の温度と時間に左右される。気体固体界面部分(皮膚界面)の主薬は濃度が低濃度であっても、長時間にわたって薬効成分を徐放し、皮膚界面に接触することによって吸収される。主薬は高濃度であっても前記溶解度は低濃度のときと同じであり、高濃度・短時間の投与では揮発性医薬品である主薬の効能はない。
【0031】
植物精油は種々の植物から得ることができるが、ラベンダー油、チモール、ヒノキチオール、シトラール、及びメントールを組み合わせて使用すると、虫刺され、水虫、湿疹等に起因する痒みや痛みを抑制し、細菌や真菌に対して菌の増殖を抑制する作用、すなわち静菌作用を発揮することができ、30分〜1時間程度で痒みや痛みを抑制することができる。
【0032】
記の主薬と、カプセル形成用有機高分子粉粒体とを所定の重量比で混合容器内に入れて混合し、混合物を混合容器を密閉した状態で攪拌し、その摩擦熱で前記主薬を気化させる。そして、密閉容器内で、前記樹脂の表面に前記主薬による膜を形成させて精油被覆粒子とし、その後にこの混合容器内に被覆粒子形成用炭素粉末を入れて、この精油被覆粒子とさらに混合し、精油被覆粒子の表面に上記炭素粉末を吸着させて炭素カプセルを製造する。
【0033】
チモール、ヒノキチオール、シトラール及びラベンダー油を主薬として使用するとした場合のこれらの配合割合は約1:0.1:1:1、L−メントールの配合割合をラベンダー油を1としたときに約5とすると、十分な薬理効果を発揮する。
また、炭素カプセルを製造する際に使用する被覆粒子形成用炭素粉末として、グラファイト、カーボン及び活性炭から選ばれた少なくとも一種を使用すると、主薬を安定的に保持することができる。
【0034】
L−メントールは、皮膚損傷部位に出現する水分に溶解し、表面張力を低下させて皮膚損傷部位(または炎症部位)周辺の水の規則性を崩し、水分の蒸発を促進するとともに、その気化熱によって上記皮膚損傷部位(または炎症部位)の温度を下げることによって皮膚の炎症を抑えることができる。また、水分の発生が少なくなると、L−メントールは皮膚面を刺激して皮膚温度を上げ、細胞膜の流動性を高めて、皮膚損傷部位の修復再生、即ち、治癒作用を促進するという作用を有する。
【0035】
(基剤粉体)
本発明の剤形に含まれる基剤粉体は、適用時に主薬のみが被覆材を通して気体で投与されるように働く。この基剤粉体は、カプセルに担持した精油の有効成分を脱着揮発させるための吸着熱、湿潤熱の熱エネルギーを発現し、また、皮膚面に発生する水溶性の揮発性塩基性ガスの吸着、分解機能を発現する。
このような熱エネルギーを発現するものとしては、基剤粉体用炭素粉末とゼオライトを挙げることができ、揮発性塩基性ガスの吸着、分解機能を発揮するものとしては、活性炭、及び高分子吸水樹脂、キトサン等を挙げることができる。
【0036】
基剤粉体に磁石を入れておくと、揮発性の主薬が後述する剤形を適用した部位の周辺に拡散して、経皮吸収される主薬濃度の低下を防止することができる。
【0037】
オライトを例に挙げて説明すれば、皮膚から蒸散された水分がゼオライトに吸着されて吸着熱が発生し、この熱は基剤粉体用炭素粉末を介して主薬を揮発させる。本発明の剤形においては、ゼオライトを使用する場合には、0.3〜0.4nmの孔径を有する合成ゼオライトとすることが好ましい。
また、上記のようにゼオライト等による吸着熱の発生を長時間に渡って維持するためには、水分が急激に吸着されることを防止する必要があることから、高分子吸水樹脂を使用する。
【0038】
さらに、創傷部位の治癒過程、特に開放性の損傷で粘膜が破損している場合や肉芽組織が再生されている過程において、皮膚から水溶性の塩基性ガス、例えばアミン系ガス等が蒸散されるが、これらは皮膚のpHを変化させる等して治療の障害となることから除去する必要がある。基剤粉体用炭素粉末や高分子吸水樹脂を使用すると、これらのガスを除去することができる。また、これらのガスが皮膚から蒸散された水分に溶けている場合には、上記の高分子吸水樹脂によってこのような水分が吸収されて除去される。
【0039】
基剤粉体が上記のように機能することで、上記炭素カプセル周囲の特定の気体成分の調節が行われるとともに、皮膚のpHも正常範囲内に保たれる。そして、pHが正常範囲内に保たれることにより、病原性細菌の付着・増殖による感染症への罹患も防ぐことができる。
基剤粉体として、高分子吸水樹脂、活性炭およびゼオライトを使用する場合には、高分子吸水樹脂と活性炭とをいずれも製剤の総重量の約23重量%、また、ゼオライト製剤の総重量の約10重量%とすると、上述したような基剤粉体としての機能を発揮することができる。
【0040】
(添加剤)
従来の外用剤においては、上述した主薬と基剤粉体の外に、安定剤、保存剤、溶解補助剤、懸濁剤、等張化剤、緩衝剤、賦形剤等を用途に応じて添加剤として加える。
しかし、本発明の薬物貯蔵庫薄形シートでは、主薬を上述したように炭素カプセルとし、これに上述の基剤粉体を加えて、シート状のものとして製造する。このため、上記のような添加剤ではなく、熱可塑性樹脂(上記カプセル形成用有機高分子粉粒体を除く)を添加剤として、上述した炭素カプセルと基剤粉体との混合物に加える。ここに熱可塑性樹脂を製剤総重量の約30重量%添加し、加熱することによって本発明の薬物貯蔵庫薄形シートを得ることができる。
【0041】
本発明の剤形に安定保持された揮発性医薬品(主薬)は、投与時に蒸発または昇華してすべて気体分子となる。この気体分子に含まれる有効成分は、不純物を含まない、100%の純物質である。
したがって、本発明の剤形は、適用時に自動的に精製純度や不純物に係る問題、例えば薬物、基剤、添加物等に含まれる不純物、混入物等(例えば重金属、ヒ素)の治癒阻害要因を排除することができる。本発明の剤形においては、主薬は気体で投与され、皮膚等に吸着・吸収される。それ以外の主薬の原体と基剤は、被覆材によって完全に皮膚面より遮断され、皮膚面に接触しないので、たとえ主薬の原体と基剤等に不純物(ヒ素、重金属等)があったとしても、皮膚障害を起こす可能性はほとんどない。
【0042】
(薬物貯蔵庫薄型シート及び剤形の製造方法)
(1)薬物貯蔵庫薄形シートの製剤方法
図1は上記炭素カプセルを切断した箇所と、その切断面の斜視図である。図1において、Kは炭素カプセルである。揮発性の主薬(植物精油またはその成分である化合物単体)1は、カプセル形成用有機高分子粉粒体2に物理的に吸着されて、その表面に油膜3を形成し、油膜粒子4を形成する(図2参照)。この油膜粒子4の表面に炭素微粉末5を吸着させて炭素粉末外壁6を形成させ、この炭素粉末外壁6の中に前記油膜粒子4を安定的に保持して炭素カプセルKとする。この炭素粉末外壁6には、隙間7が所々にあって揮発性植物性精油1の薬効成分が揮発して気体となり、この隙間7からカプセル剤Kの外へ抜け出るようになっている。
【0043】
図2には、図1に示した炭素カプセルの製造工程を示す。カプセル形成用有機高分子を破砕して表面が平滑でない粉粒体2とした後、混合容器8に上記粉粒体2と主薬1とを3:1の重量比で入れ、その摩擦熱で植物精油1を気化させ、混合容器8を密閉して攪拌子9により攪拌する。主薬1は密閉した混合容器8内で上記粉粒体2に吸着して油膜粒子4が形成される。
吸着が終了した後に、炭素粉末5(活性炭)を入れ、再度、混合容器8を密閉した状態で攪拌し、精油被覆粒子4の精油皮膜3上に炭素粉末外壁6を形成させて、炭素カプセルKを製造する
【0044】
図3には、本発明の薬物貯蔵庫薄形シートの製造工程を示す。図3に示すように、炭素カプセルK、基剤粉体Bおよび添加剤である熱可塑性樹脂Aを所定の混合比で混合容器10中に入れて均一に混合する。ここで、上記基剤粉体Bとしては、活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、酸化チタン、磁石、高分子吸水樹脂、およびキトサンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものを使用し、好ましくは、高分子吸水樹脂、活性炭、およびゼオライトを使用する。
【0045】
ついで、混合物12をホッパー11へ移し、シート状素材13の上に、均一な所望の厚みを有するように載せる。このとき、シート状素材13は紙または不織布であり、ホッパー11の下方を矢印の方向に水平方向に移動している。混合物12を載せたシート状素材13を上方より別のシート状素材13で覆い、熱圧着操作を行って薬物貯蔵庫薄形シート15を製造する。
【0046】
(2)袋状の製剤の製剤方法
以上のようにして製造した薬物貯蔵庫薄形シート15を裁断機16を用いて、例えば、図4に示すような長方形の小片17に切断し、この小片17を2枚の紙又は不織布の間に挟み、これをさらに別の2枚の不織布の間に挟んだ後に、この小片の周りを図5に示す状態となるように熱圧着によりシールして袋状の製剤Dを製造する。
【0047】
図5には、本発明の袋状の製剤の断面図を示す。袋状の製剤Dでは、上述した薬物貯蔵庫薄形シートの小片17の上下に綿製の不織布31、31’を外側に、化繊紙32、32’を内側とする二重構造の被覆材33、33’が配置されている。そして、これら上下の被覆材33,33’のすべての端が薬物貯蔵庫薄形シートの小片17の両端から離れた位置でシールされ、薬物貯蔵庫薄形シートの小片17が、被覆材33、33’を包装材とする袋の中に保持される構造となっている(図5及び図6参照)。この被覆材33はいうまでもなく、吸水性保水性通気性のよい材料である。
【0048】
図5〜7に示すように、薬物貯蔵庫薄形シートの小片17を長方形とした場合には、この小片17はこれよりも大きい面積を有する長方形の被覆材33’の中央に載置され、この薬物貯蔵庫薄形シートの小片17の上に被覆材33’と同じ大きさの被覆材33を重ねる。薬物貯蔵庫薄形シートの小片17の外周縁17aより外側の離れた位置に、被覆材33、33’のシール縁33c及び33c’の内周縁33b及び33b’がある。内周縁33b、33b’と外周縁33a、33a’との間に形成される帯状のシール縁33c、33c’がシールされて、薬物貯蔵庫薄形シートの小片17が被覆材33、33’で被覆された長方形の袋状の製剤Dが出来上がる。
【0049】
本発明の薬物貯蔵庫薄形シートの投与ルートと薬理効果との関係について以下に説明する。
本発明の袋状の製剤は上述のようにして製造されるものであり、薬理効果を発揮できる主薬と基剤粉体とを皮膚に直接接触させることなく、経皮吸収させることのできる製剤である。本発明の袋状の製剤では、主薬を表皮を通るルートと付属器官(毛のう、汗腺、皮脂腺)を通るルートとを経由して体内へ経皮吸収される。これは、主薬として脂溶性の揮発性物質を使用しているため、この製剤を皮膚に適用した時に、主薬が気相となって気体分子の状態で、皮膚界面に凝縮・吸着することによるものである。
させる。
【0050】
本発明の製剤では主薬が脂溶性化合物であることから、生体にとってのバリヤーである皮膚を通過し易い。気化した精油成分は生体の皮膚や粘膜から、脂質ルートを経由して吸収され、リンパ液や血流に乗って標的部位(標的細胞)に送達される。したがって、本発明の製剤によれば、局所適用の浅在性損傷組織への投与はもちろん、全身適用の深在性損傷組織への投与もまた可能となる。
【0051】
さらに、本発明の製剤を、中国医学の針灸療法で用いられている経穴の上に置き、経穴から主薬を吸収させることによって、例えば、臓腑の機能を賦活化させたり、鎮痛効果を発揮させることもできる。
に、本発明の袋状の製剤が有する吸水力を利用して、この製剤の適用部位に発生する遊離水分等を除去する過程をモデル的に示す。上述したように、本発明の袋状の製剤は、被覆材33で皮膚と接触しており、基剤粉体に自重の400〜1,000倍の吸水能を有する高分子吸水性樹脂を含んでいる。
【0052】
すなわち、表皮から蒸散された水分50、分泌された滲出液51や分泌物52等は被覆材33と接触することによって吸収され、被覆材33に吸収されたこれらの水分は毛細管現象によって高分子吸水樹脂Pへと導かれ、吸水される。したがって、皮膚表面からは水分が除去され、また、皮膚のpHも正常範囲に保持されるので、病原性細菌が製剤の適用部位に付着した場合であっても、細菌の増殖が抑制されることになる。このような静菌作用は主薬が有する抗菌作用とは異なる作用として発揮されるから、製剤を適用部位における肉芽組織の形成も促進され、適用部位の皮膚に損傷がある場合にはその部位の治癒を早めることができる。
【0053】
本発明の剤形は、遮光性の気密容器(例えば、アルミ蒸着フィルム製の密閉可能な袋)に保存することが好ましい。このように保存することにより、空気中の水分との反応や光による化学反応等が起こることを回避することができ、これらを長期間保存することができる。上記の気密容器内においては、揮発性の主薬は外気温に対応して揮発するが、密閉容器内で生じている気液平衡及び吸着平衡によって、見かけ上揮発は停止する。したがって、長期間保存したとしても、主薬は減少しない。また、本発明の袋状の製剤は、水を使用しておらず、適用時に必要とする水分は空気中の水分や適用部位において表皮から蒸散される水分で足りている。
【0054】
本発明の剤形は、揮発性の有効成分を適切な濃度で長時間にわたってガスとして放出し、そのガスを皮膚界面に接触し続けるので、薬物の投与回数を減らすことができるとともに、生体の脂質ルートを経由して吸収された薬の有効性を大幅に改善することができる。
【0055】
本発明の剤形に安定保持された揮発性医薬品(主薬)は、投与時に蒸発または昇華してすべて気体分子となる。この気体分子に含まれる有効成分は、不純物を含まない、100%の純物質である。したがって、本発明の剤形は、適用時に自動的に精製純度や不純物に係る問題、例えば薬物、基剤、添加物等に含まれる不純物、混入物等(例えば重金属、ヒ素)に係る治癒阻害要因を排除することができる。
【0056】
本発明の製剤では主薬が脂溶性化合物であることから、生体にとってのバリヤーである皮膚を通過し易い。気化した精油成分は生体の皮膚や粘膜から、脂質ルートを経由して吸収され、リンパ液や血流に乗って標的部位(標的細胞)に送達される。したがって、本発明の製剤によれば、局所適用の浅在性損傷組織への投与はもちろん、全身適用の深在性損傷組織への投与もまた可能となる。
【実施例】
【0057】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1(製造方法)
表1に、主薬、基剤粉体および添加剤からなる処方とした場合の配合割合を示す。表1に示すL−メントール、チモール、ヒノキチオール、及びシトラールは植物精油中に含有される成分であり、ラベンダー油は植物精油であり、これらが主薬となる。基剤粉体は、活性炭、高分子吸水樹脂、及びゼオラム(合成ゼオライト系吸着剤の商品名)である。熱可塑性樹脂は添加物である。
【0058】
【表1】
Figure 0004552038
【0059】
表1に掲げる主薬成分、基剤、添加物等を混合し、この混合物を紙または不織布からなる上下のシート状素材の間に挟み、熱圧着によりサンドイッチ状の薬物貯蔵庫薄形シートを作った。薬物貯蔵庫薄形シートを多数の長方形の小片に切断し、この多数の小片をコットンシートの上に間隔を開けてアライメントしつつ載置し、さらにこの小片の上に同じ大きさの別のコットンシートを重ねて、前記間隔部分をシールし、切込みを入れて薬物貯蔵庫薄形シート小片をコットン袋内に保持した袋状の剤形を製造した。この袋状の剤形は、虫刺され、水虫、湿疹等の治療に有効な外用治療薬である。この袋状の剤形は、コットンシート1m2 当り200gの薬物貯蔵庫薄形シート小片を含んでいる。また剤形1ピース当り0.16gの薬物貯蔵庫薄形シート小片を含んでいる。
【0060】
(実施例2)
(1)止痒、鎮痛作用
上記の製造例のように作製した外用治療薬を、虫刺されの患者20人に適用した。虫刺されは虫の出した毒素による炎症である。
本発明の外用治療薬を適用した患者のうち、早い人では30分以内に、遅い人でも1時間程度で痒みがなくなった。また、虫刺されで赤斑した部分の炎症は12時間で小さくなり、24時間で治癒した。
虫刺されによる痒みは、本製剤に主薬として含有されるシトラールの抗炎作用と、L−メントール、チモールによって、痒み、痛みの原因物質が不活性化されるとともに、軽い神経の麻痺が生じているためと思われる。これらの作用によって、速やかに痛痒が解消すると思われる。
【0061】
(2)抗菌作用、抗炎作用
上記外用治療薬を、20人の水疱性水虫および趾間性水虫の患者に適用した。この製剤を適用した20人全員において痒みは数時間で解消した。また、水疱性水虫では1週間以内に、趾間性水虫では2週間以内に静菌された。
【0062】
水虫によって皮膚面に発生した水疱は、上記製剤の主薬として含有されるアルコール系の精油成分によって水泡内水分が蒸発し、再度、生体の接着機能タンパク質によって付着し、1週間以内に新しい皮膚と交換されて入れ替わる。
以上より、本製剤は水虫に対して効果があることが実証された。なお、湿疹は、本外用治療薬の適用により24時間以内に治癒した。
【0063】
【産業上の利用可能性】
以上詳述したように、本発明は、医薬分野において有用である。
【符号の説明】
1 植物精油またはその成分である単体化合物
2 カプセル形成用有機高分子粉粒体
4 精油被覆粒子
5 カプセル形成用炭素粉末
6 炭素粉末外壁
8, 10 密閉可能な混合容器
9 攪拌子
12 混合物
13 シート状素材
15 薬物貯蔵庫薄形シート
17 薬物貯蔵庫薄形シートの小片
A 熱可塑性樹脂
B 基剤粉体
D 袋状の製剤
K 炭素カプセル

Claims (8)

  1. ラベンダー油、チモール、ヒノキチオール、シトラール及びL−メントールを、高分子有機材料の粉粒体を核として、この粉粒体の表面に吸着させ、これらの油膜を粉粒体の表面に形成させ、さらにこの油膜の表面に炭素の粉末を吸着させ、カプセル状の炭素粉末外壁を形成し、このカプセル状の炭素粉末外壁内に前記油膜を形成した粉粒体を封じ込めたことを特徴とするカプセル剤。
  2. 前記炭素の粉末は、グラファイト、カーボン及び活性炭からなる群から選ばれる少なくとも一種の粉体であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル剤。
  3. 請求項1に記載のカプセル剤と、活性炭、ゼオライト、及び高分子吸水樹脂を含む基剤粉体と、添加物である熱可塑性樹脂(上記カプセル形成用有機高分子粉粒体を除く)小片とを混合し、この混合物を紙または不織布からなる2枚のシート状素材の間に挟み、熱圧着によってサンドイッチ状に形成したことを特徴とする、薬物貯蔵庫薄形シート。
  4. 請求項3に記載の薬物貯蔵庫薄形シートを小片に切断し、この小片を毛細管現象による吸水性・保水性・通気性のよい被覆材を包装材とする袋の中に入れ、小片の外周に形成される袋の周辺をシールして薬物貯蔵庫薄形シート小片を袋内に保持したことを特徴とする袋状の剤形。
  5. 前記被覆材がコットン布であることを特徴とする、請求項4に記載の袋状の剤形。
  6. (a)混合容器内で、有機高分子樹脂を破砕して得られる粉粒体と、ラベンダー油、チモール、ヒノキチオール、シトラール及びL−メントールを所定の重量比で混入して混合物とし、
    (b)前記混合物を、前記混合容器を密閉した状態で攪拌し、その摩擦熱で前記植物精油を気化させ、密閉した混合容器内で前記粉粒体の表面に、吸着によって油膜を形成させて油膜粒子を作り、
    (c)前記油膜粒子と、炭素粉末とを混合して、混合容器を密閉した状態で再度攪拌し、
    (d)油膜粒子の表面に前記炭素粉末を吸着させてカプセル状の炭素粉末外壁を形成し、これによって、このカプセル状の炭素粉末外壁内に前記油膜粒子を安定保持させたことを特徴とする、カプセル剤の製造方法。
  7. (a)請求項1に記載のカプセル剤と、活性炭、ゼオライト及び高分子吸水樹脂を含む基剤粉体と、添加物である熱可塑性樹脂(上記カプセル形成用有機高分子粉粒体を除く)小片とを混合して混合物とし、
    (b)この混合物を紙または不織布からなる2枚のシート状素材の間に挟み、加熱により前記熱可塑性樹脂小片を溶融固化させて、カプセル剤と基剤粉体と2枚のシート状素材とを一体化させ、
    (c)その後さらに上下のシート状素材の上方または下方より圧力をかけてサンドイッチ状に形成したことを特徴とする、薬物貯蔵庫薄形シートの製造方法。
  8. 請求項3に記載の薬物貯蔵庫薄形シートを小片に切断し、この小片をこの小片より一回り大きい面積を有する吸水性・保水性・通気性のよい被覆材シートの上に載置し、さらにこの小片の上に前記被覆材シートと同じ材質、かつ同じ形状の別の被覆材シートを重ねて、小片の外周の外側に形成される上下の被覆材シートの外周をシールして、薬物貯蔵庫薄形シート小片を上下の被覆材シートからなる袋内に保持したことを特徴とする袋状の剤形の製造方法。
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