JPH08109137A - カプセル剤、薬物貯蔵庫薄形シート、袋状の剤形とそれぞれの製造方法及び袋状の剤形の投与方法 - Google Patents

カプセル剤、薬物貯蔵庫薄形シート、袋状の剤形とそれぞれの製造方法及び袋状の剤形の投与方法

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JPH08109137A
JPH08109137A JP6244386A JP24438694A JPH08109137A JP H08109137 A JPH08109137 A JP H08109137A JP 6244386 A JP6244386 A JP 6244386A JP 24438694 A JP24438694 A JP 24438694A JP H08109137 A JPH08109137 A JP H08109137A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 治療適用時、薬物はすべて気体にし、気体に
なった薬効成分を気体投与で皮膚に吸収させて、皮膚疾
患等を治療する新しい医薬品を提供する。 【構成】 炭素粉末外壁内に薬効成分の植物性精油の油
膜を形成した高分子有機粉粒体を封じカプセル剤を作
り、カプセル剤と基剤粉体と熱可塑性樹脂とを上下の不
織布シートに挟み熱圧着により薬物貯蔵庫薄形シートを
作り、前記薄形シートを小片に切断し、この小片をコッ
トン布の袋の中に入れ、シールして袋状剤形を作った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カプセル剤、薬物貯蔵
庫薄形シート、袋状の剤形とそれぞれの製造方法及び及
び袋状の剤形の投与方法に関する。本発明の袋状の剤形
は、気体になった薬効成分を皮膚に吸収させて皮膚疾患
等を治療する新しい外用医薬品であり、敢えて命名する
と気体製剤である。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚や目、耳、鼻に適用される外
用製剤として、液状製剤、半固形・固形製剤等の剤形が
ある。液状製剤には、酒精剤、リニメント剤、ローショ
ン剤、エアゾール剤等がある。半固形・固形製剤には、
軟膏剤、パップ剤、硬膏剤等がある。
【0003】酒精剤は、通例、揮発性医薬品をエタノー
ル又はエタノールと水の混液で溶かした液状の製剤であ
る。酒精剤を製するには、通例、医薬品をエタノール又
はエタノールと水の混液に溶かす。
【0004】リニメント剤は、通例、液状又は泥状に製
した、皮膚にすり込んで用いる外用剤である。リニメン
ト剤を製するには、通例、医薬品を水、エタノール、脂
肪油、グリセリン、石鹸、乳化剤、懸濁化剤若しくはそ
のほかの適当な添加剤又はそれらの混合物に加え、全質
を均等にする。
【0005】ローション剤は、通例、医薬品を水性の液
中に溶解又は微細均等に分散して製した、皮膚に塗布す
る液状の外用剤である。ローション剤を製するには、通
例、医薬品と溶剤、乳化剤、懸濁化剤等を水性の液体に
加え、全質を均等にする。
【0006】エアゾール剤は、医薬品の溶液、懸濁液等
を、同一容器又は別の容器に充填した液化ガス又は圧縮
ガスの圧力により、用時噴出して用いるように製したも
のである。
【0007】軟膏剤は、通例、適当な稠度の全質均等な
半固形状に製した、皮膚に塗布する外用剤である。軟膏
剤を製造するには、通例、脂肪、脂肪油、ラノリン、ワ
セリン、パラフィン、ろう、樹脂、プラスチック、グリ
コール類、高級アルコール、グリセリン、水、乳化剤、
懸濁化剤若しくはそのほかの適当な添加物を原料とする
か、又はこれらを基剤とし、医薬品を加え、混和して全
質を均等にする。
【0008】パップ剤は、通例、医薬品の粉末と精油成
分を含むもので、泥状に製するか、又は布上に展延成形
して製した、湿布に用いる外用剤である。パップ剤を製
するには、通例、医薬品の粉末をグリセリン、水又はそ
のほかの適当な液状の物質と混和し、精油成分を加え、
全質を均等にする。
【0009】硬膏剤は、通例、常温で固形で、布、紙又
はプラスチック製のフィルム等に延ばし、皮膚に粘着さ
せて用いる外用剤である。硬膏剤を製造するには、通
例、脂肪、脂肪油、脂肪酸塩、ろう、樹脂、プラスチッ
ク、精製ラノリン、ゴム若しくはこれらの混合物を原料
とするか、又はこれらを基剤とし、医薬品を均等に混和
して適当な形とする。
【0010】これらの外用製剤を皮膚や粘膜に適用する
には、薬効成分の薬品と基剤を直接局部に散布、塗布、
貼付、粘着させて用いる。外用製剤に使用される薬効成
分について、水溶性、高分子、イオン性の大きい薬物は
皮膚から吸収されないため、余り使われない。脂溶性、
低分子、揮発性の高い植物精油又は植物精油成分の化学
単体である薬物は皮膚から吸収されるので、多く使われ
る。
【0011】したがって、水溶性薬物より脂溶性薬物を
担持する剤形が一般的であり、過去、紀元前より膏薬療
法が主流を占めていた。軟膏剤や硬膏剤等の外用薬にお
いて、薬物は基剤と混合されるが、基剤はその外用製剤
重量の大半を占める。そして基剤は外用製剤の物理化学
的性質と薬効に大きな影響を及ぼすので、有効成分であ
る薬物(主薬)の性質を考慮して、適当に選択される。
【0012】基剤は、油脂性基剤として動植物性油脂、
植物油、豚油、ろう類等が、鉱物性基剤としてカオリ
ン、ベントナイト等が、近年の石油化学、油脂化学、高
分子化学の進歩に伴う新しい基剤としてシリコーン、パ
ラフィン、ワセリン、プラスチベース等が提供されてい
る。乳剤性基剤として水相中に油相を加えたO/W型
(水中油型)、油相中に水相を加えたW/O型(油中水
型)等の基剤相が使用されている。
【0013】外用製剤は上記の主薬と基剤を混合して製
造されるが、同時に製剤の安定性、安全性または均質性
を保持し、商品価値を高めるため、適当な添加物を加え
ることができる。添加物として、安定剤、保存剤、溶解
補助剤、乳化剤、懸濁剤、等張化剤、緩衝剤、賦形剤等
が用途に応じて使用される。
【0014】外用の揮発性医薬品として、精油及びその
成分を使用する場合、乾燥すると効果がなくなるので、
剤形の中に水分を保持することが必要である。効果を持
続させるために、基剤内の水分保持率を上げ、水分の蒸
発による乾燥を防ぐことによって、揮発性物質の蒸発を
遅延させる方法と、揮発性物質を溶剤(エタノール等)
に溶解し、水に混和する方法及び油脂に吸着させ、徐放
(薬効成分が少しずつ、長時間にわたって持続的に出て
くるが、脱着量が少ないため、治療的濃度に達する時間
が長く、速効性がない)させる方法等がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
外用薬の投与方法は、主薬と基剤とを混合、または混和
したものを必ず皮膚または粘膜に付着させる。即ち、外
用薬を塗布、貼付、散布、粘着等の手段で皮膚等に接触
させるため、外用薬に含まれる微量な不純物が皮膚障害
を発生することがある。また、現代の技術をもってして
も、100%の純物質を精製することは不可能である。
薬事法では、外用薬に不純物等が一定の許容量で含まれ
ることを認めているが、人によっては、その許容量の不
純物によっても皮膚障害を発症することがある。このよ
うに、従来の外用製剤においては、原薬(主薬)、基剤
及び添加物の精製純度の問題がある。即ち、これらの物
質は天然物又は合成物であり、100%の純物質はな
く、必ず不純物、混入物が含まれる。したがって、製剤
を適用時、これらの不純物、混入物が疾病部位の治療の
阻害要因として作用する。
【0016】剤形中に水分を含有するため、水を媒介と
した化学反応による配合変化が有り、又、水の微生物汚
染の発生は防止できない。
【0017】水を使用しない油脂性基剤の場合、油脂の
酸化による腐敗が発生するおそれがある。また、油脂性
基剤は炭化水素化合物であり、精油成分と混合した時、
疎水性相互作用によって結合(吸着)するため、適用
時、脱着量が小さく、治療濃度まで達しないため、薬理
効果が減少する。油脂性基剤の種類によっては、薬理効
果はゼロとなる。
【0018】従来の外用薬の剤形は、何千年の歴史のあ
る膏薬が基本であり、これは主薬、基剤及び添加物を全
体的に混合・混和したりまたは練り合わせたりして、半
固形または液体に仕上げた剤形であり、皮膚に直接、塗
布、貼付、散布する。ここで主薬、基剤及び添加物を完
全に均一に混合することは、不可能であり、主薬より基
剤が重量比の大半を占めるため、不均一な混合状態で
は、皮膚面に薬物強度のバラツキが発生する。
【0019】薬物の皮膚からの吸収は、基剤内の水分と
体熱によって薬物を吸収させるため、剤形は皮膚に密着
させる。したがって、疾病部位が乾燥又は湿潤している
場合、剤形の選択が必要である。
【0020】外用液体製剤は、揮発性、脂溶性の薬物を
皮膚面に長時間滞留するのは困難な剤形であるため、1
日何回かの投与が必要となる。又、半固形製剤は、揮発
性物質の原薬の蒸散を防止するため、不透過性の被覆剤
で覆うパップ剤の剤形の場合、皮膚呼吸を阻害するた
め、投与部位の疾病部位にただれ、発赤等の傷害を与え
る。
【0021】従来の剤形では薬物による化学的治療のみ
であり、浸透圧による静菌等の物理的治療を加味するこ
とは困難である。又、疾患部分の遊離水分、滲出液、分
泌物等の除去ができないため、損傷部位の治癒、修復再
生が遅延する。
【0022】上記薬事法に規定された剤形以外に、薬物
の新しい投与システムとしてドラッグデリバリーシステ
ム(Drug Delivery System,DD
S)がある。DDSとは、いわば有効成分を効果的に体
に送り込む医薬品製剤である。DDS製剤の中で特に経
皮吸収治療システム(Transdermal The
rapeutic System,TTS)は、放出し
た薬物を皮膚を通して血液流にまで届ける。TTS製剤
では薬物は、拡散エネルギー、浸透圧エネルギー等を利
用し、放出量をコントロールしながら、薬物貯蔵層から
放出制御膜と粘着層を通り、皮膚の特定の投与部位に入
って、さらに血液循環系に運ばれ、全身に薬理作用を発
現する。TTS製剤の原薬は水溶性物質が多く、したが
って、ある特定の疾病に対して使われるのみで、使われ
方には限界がある。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1のカプセル剤
は、揮発性が高く、脂溶性、両親媒性で、薬効成分を含
有する、低分子の植物精油またはその植物精油の成分で
ある単体を、高分子有機材料の粉粒体を核として、この
粉粒体の表面に吸着させ、前記植物精油またはその植物
精油の成分である単体の分子状の油膜を粉粒体の表面に
形成させ、さらにこの油膜の表面に炭素の粉末を吸着さ
せ、カプセル状の炭素粉末外壁を形成し、このカプセル
状の炭素粉末外壁内に前記油膜を形成した粉粒体を封じ
込めたことを特徴とする。
【0024】請求項2のカプセル剤は、請求項1に記載
のカプセル剤において、前記炭素の粉末がグラファイ
ト、カーボン及び活性炭から選ばれた少なくとも一種の
粉体であることを特徴とする。
【0025】請求項3の薬物貯蔵庫薄形シートは、請求
項1に記載のカプセル剤と基剤粉体と添加物である熱可
塑性樹脂小片とを混合し、この混合物を紙または不織布
からなる上下のシート状素材の間に挟み、熱圧着によっ
てサンドイッチ状に形成したことを特徴とする。
【0026】請求項4の薬物貯蔵庫薄形シートは、請求
項3に記載の薬物貯蔵庫薄形シートにおいて、前記基剤
粉体がグラファイト、カーボン、活性炭、ゼオライト、
活性アルミナ、酸化チタン、磁石、高分子吸水樹脂、キ
トサン及びL−メントールから選ばれた少なくとも一種
の粉体を配合したものであることを特徴とする。
【0027】請求項5の袋状の剤形は、請求項3に記載
の薬物貯蔵庫薄形シートを小片に切断し、この小片を毛
細管現象による吸水性保水性通気性のよい被覆材を包装
材とする袋の中に入れ、小片の外側に形成される袋の周
辺をシールして薬物貯蔵庫薄形シート小片を袋内に保持
したことを特徴とする。
【0028】請求項6の袋状の剤形は、請求項5に記載
の袋状の剤形において、前記被覆材がコットン布である
ことを特徴とする。
【0029】請求項7のカプセル剤の製造方法は、混合
容器に、有機高分子樹脂を破砕して得られる粉粒体と揮
発性が高く脂溶性両親媒性で薬効成分を含有する低分子
の植物精油とを所定の重量比で混入し、混合物を混合容
器を密閉した状態で攪拌し、その摩擦熱で前記植物精油
を気化させ、密閉した混合容器内で前記粉粒体の表面に
吸着させ、油膜を形成させ、油膜粒子を作り、この油膜
粒子に、カーボン、グラファイト、活性炭より選ばれた
少なくとも一種の炭素粉末を混入し、混合物を再度、混
合容器を密閉した状態で攪拌し、油膜粒子の表面に前記
炭素粉末を吸着させ、カプセル状の炭素粉末外壁を形成
して、このカプセル状の炭素粉末外壁内に前記油膜粒子
を安定保持させたことを特徴とする。
【0030】請求項8の薬物貯蔵庫薄形シートの製造方
法は、請求項1に記載のカプセル剤とグラファイト、カ
ーボン、活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、酸化チタ
ン、磁石、高分子吸水樹脂、キトサン及びL−メントー
ルから選ばれた少なくとも一種の粉体である基剤粉体と
添加物である熱可塑性樹脂小片とを混合し、この混合物
を紙または不織布からなる上下のシート状素材の間に挟
み、加熱により前記熱可塑性樹脂小片を溶融固化させて
カプセル剤と基剤粉体と上下のシート状素材とを一体化
し、さらに上下のシート状素材の上方または下方より圧
力をかけてサンドイッチ状に形成したことを特徴とす
る。
【0031】請求項9の袋状の剤形の製造方法は、請求
項3に記載の薬物貯蔵庫薄形シートを小片に切断し、こ
の小片をこの小片より一回り大きい面積の吸水性保水性
通気性のよい被覆材シートの上に載置し、さらにこの小
片の上に前記被覆材シートと同じ材質の同じ形状の別の
被覆材シートを重ねて、小片の外周の外側に形成される
上下の被覆材シートの外周をシールして薬物貯蔵庫薄形
シート小片を上下の被覆材シートからなる袋内に保持し
たことを特徴とする。
【0032】請求項10の袋状の剤形の投与方法は、請
求項5に記載の袋状の剤形を直接皮膚の投与部位に当て
て、前記剤形の中に含まれるカプセル剤から、被覆材を
通して揮発する、気体分子の薬効成分を前記皮膚投与部
位表面に凝縮、吸着させ、薬効成分をこの皮膚表面より
皮膚内部に吸収させることを特徴とする。
【0033】請求項11の袋状の剤形の投与方法は、請
求項10に記載の袋状の剤形の投与方法において、薬物
貯蔵庫薄形シート小片内のカプセル剤から薬効成分を揮
発させる基剤内の活性エネルギー源として、空気中気相
水分吸収による吸着熱または湿潤熱の熱エネルギーを使
用することを特徴とする。
【0034】請求項12の袋状の剤形の投与方法は、請
求項10に記載の袋状の剤形の投与方法において、被覆
材の毛細管現象による吸水力と薬物貯蔵庫薄形シート内
に封じ込められた基剤の浸透圧による吸水力とを利用し
て、皮膚の投与部位に発生する遊離水分、滲出液、分泌
物等の治癒阻害因子を前記剤形側に浸透させ除去するこ
とを特徴とする。
【0035】請求項13の袋状の剤形の投与方法は、請
求項10に記載の袋状の剤形の投与方法において、薬物
貯蔵庫薄形シート小片内に封じ込められた基剤の吸着力
を利用して、皮膚の投与部位から発生する生成ガスを吸
着し、皮膚表面のpHを弱酸性に調整することを特徴と
する。
【0036】請求項14の袋状の剤形の投与方法は、請
求項13に記載の袋状の剤形の投与方法において、前記
生成ガスが水溶性塩基性のアミン系のガスであることを
特徴とする。
【0037】請求項15の袋状の剤形の投与方法は、請
求項10に記載の袋状の剤形の投与方法において、薬物
貯蔵庫薄形シート小片内に封じ込められた基剤内の磁石
が及ぼす磁場を利用して、前記薄形シート小片内に封じ
込められたカプセル剤から発生する、薬効成分を含有す
る、低分子のガスを皮膚の投与部位に高濃度に保持する
ことを特徴とする。
【0038】請求項16の袋状の剤形の投与方法は、請
求項10に記載の袋状の剤形の投与方法において、薬物
貯蔵庫薄形シート小片内に封じ込められた基剤内のL−
メントールから昇華するガスを利用して、皮膚の投与部
位にある水分を蒸発させ、気化熱により皮膚表面の温度
を下げることを特徴とする。
【0039】
【作用】本発明の剤形は、植物性精油の薬効性ある有効
成分(以下、主薬という)と基剤とを直接皮膚に付着さ
せないで、主薬の揮発性物質を適用時、気相に相転移し
気体分子の状態で、皮膚に投与し皮膚界面に凝縮・吸着
させ、表皮を通るルートと付属器官(毛のう、汗腺、皮
脂腺)を通るルートとを経由して経皮吸収させる剤形で
ある。
【0040】通常の大気圧の下で温度25℃±10℃に
おける両親媒性脂溶性物質である主薬の脂質に対する溶
解度は、上記表皮の温度と時間に左右される。気体固体
界面部分(皮膚界面)の主薬は濃度が低濃度であって
も、長時間にわたって薬効成分を徐放し、皮膚界面に接
触することによって吸収される。主薬は高濃度であって
も溶解度は低濃度と同じであり、高濃度・短時間の投与
では揮発性医薬品である主薬の効能はない。
【0041】希釈率=(主薬重量)/((主薬重量)+
(基剤重量)+(添加剤重量))と定義すれば、本発明
の剤形では投与時において空気による希釈率(主薬のガ
ス中の濃度)が10-6〜10-7クラスである。従来の外
用薬の液体固体の基剤に対する希釈率は10-2〜10-3
クラスであり、これ以下の希釈率は不可能である。植物
性精油の有効成分の薬効は希釈率が低いほど効果的であ
り、10-2〜10-3クラスの場合は逆効果で、治療の障
害の因子となる。したがって、本発明の剤形によれば、
従来、ヨーロッパの歴史の中でアロマテラピー(Aro
ma−therapy)で用いられる、治験例のある、
より安全性の高い、精油を用いることによって、副作用
の少ない治療薬が開発できる。
【0042】本発明の剤形に使用される揮発性薬物(精
油)は、気体液体界面、気体固体界面における、低分子
の気体の特異性と属性を持っていて、皮膚のバリヤーを
通過する条件に適合している。気体になった薬効成分は
生体の皮膚または粘膜の脂質ルートを経由して、標的部
位(標的細胞)に吸収される。したがって、本発明の剤
形は、局所適用の浅在性損傷組織への投与はもちろん、
全身適用の深在性損傷組織への投与をも可能にした。
【0043】本発明の剤形は、中国医学の針灸療法の有
効な投与経路である経穴を利用して、循環器系、神経系
の経穴投与することにより、臓腑の機能を賦活化させた
り、経皮吸収投与によって鎮痛治療を行うことができ
る。
【0044】以下に本発明の剤形と製剤方法について、
図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のカプセ
ル剤の断面図、図2は前記カプセル剤の詳細断面図、図
3はカプセル剤の輪切りと断面の斜視図である。図1に
おいて、Kは本発明のカプセル剤である。揮発性植物性
精油1は、高分子有機材料の粉粒体2に物理的に吸着さ
れ、油膜3を形成し、油膜粒子4となる。この油膜粒子
4の表面にカーボン、グラファイト、活性炭より選ばれ
た少なくとも一種の炭素微粉末5を化学吸着させ、カプ
セル状の炭素粉末外壁6を形成し、この炭素粉末外壁6
の中に前記油膜3を形成した高分子有機材料の粉粒体2
(油膜粒子4)を安定保持してカプセル剤Kを完成させ
る。この炭素粉末外壁6には、隙間7が所々にあって揮
発性植物性精油1の薬効成分が揮発して気体となり、こ
の隙間7からカプセル剤Kの外へ抜け出るようになって
いる。図2において、揮発性植物性精油1は、両親媒性
物質であり、モデル的に示せば、図示球形の親水基1a
と棒状の疎水基(親油基)1bとからなり、疎水基1b
が高分子有機材料の粉粒体2の表面に接し、反対側の親
水基1aは炭素粉末外壁6の内面に接している。図3は
カプセル剤Kを輪切りにして、その断面を斜めから視た
図であるが、揮発性植物性精油1の両親媒性物質が高分
子有機材料の粉粒体2を核として放射状に配置されてい
る。
【0045】図4は本発明のカプセル剤の製造工程を示
すフローチャートである。有機高分子樹脂を粉粒体2に
破砕し、その粉粒体2の表面を不均一な状態にし、表面
エネルギーを高くし、表面の吸着力を高める加工を行
う。混合容器8に有機高分子粉粒体2と植物精油1を
3:1の重量比で混入し、混合物を混合容器8を密閉し
た状態で攪拌機9により攪拌し、その摩擦熱で植物精油
1を気化させ、密閉した混合容器8内で有機高分子粉粒
体2に吸着させ、油膜3を形成させ、油膜粒子4を作
る。吸着終了後、カーボン、グラファイト、活性炭より
選ばれた少なくとも一種の炭素粉末5を混入し、再度、
混合容器8を密閉した状態で攪拌し、揮発性物質のエン
トロピーを抑制しつつ、油膜3の上に炭素粉末外壁6を
形成して、前記油膜3を形成した有機高分子粉粒体2
(油膜粒子4)を安定保持させたカプセル剤Kを製造し
た。
【0046】図5は、本発明の袋状の剤形の製造工程を
示すフローチャートである。図5において、カプセル剤
K、基剤粉体(グラファイト、カーボン、活性炭、ゼオ
ライト、活性アルミナ、酸化チタン、磁石、高分子吸水
樹脂、キトサン及びL−メントールから選ばれた少なく
とも一種の粉体である)B、熱可塑性樹脂小片Aを混合
機10の中に入れ、均一に混合し、混合物12をホッパ
ー11へ移す。ホッパー11の下部より混合物12を、
水平方向に移動しつつある、紙または不織布からなるシ
ート状素材13の上に、所定厚みを満足し水平な面を形
成するように、落下させる。混合物12を載せたシート
状素材13を貼り合わせ機14へ移行し、ここで混合物
12を上方より別のシート状素材13で覆い、熱圧着操
作をかけて、サンドイッチ状の薬物貯蔵庫薄形シート1
5を作る。この薬物貯蔵庫薄形シート15を裁断機16
で図示長方形の小片17に切断し、この小片17を袋の
中に入れ、小片の周りをシールして袋状の剤形Dを作
る。
【0047】図6は本発明の薬物貯蔵庫薄形シート小片
を袋状の剤形に仕上げるまでの工程を示す概略断面図で
ある。図6において、原布ハンガー20には吸水性保水
性通気性のよい被覆材(例えばコットン布)21が巻き
取られている。原布ハンガー20から図示右側へ水平方
向に繰り出され、移動しつつある被覆材21の上に複数
の前記薬物貯蔵庫薄形シート小片17がホッパー22よ
り落とされ、進行方向及び幅方向に所定間隔を開けてア
ライメントされ、移動する。一方、複数の薬物貯蔵庫薄
形シート小片17を載せた被覆材21の上方には前記被
覆材21と同じ材質の被覆材24を巻き取った原布ハン
ガー23があって、この原布ハンガー23から繰り出さ
れた被覆材24は複数の薬物貯蔵庫薄形シート小片17
を覆うように降りてきて、ガイドロール25により水平
方向へ曲げられる。下側の被覆材21と上側の被覆材2
4とに挟まれた薬物貯蔵庫薄形シート小片17はこのま
まシーラー26へ移動し、ここで前記所定間隔の位置で
進行方向及び幅方向にシール操作が行われ、薬物貯蔵庫
薄形シート小片17の外周の上下の被覆材がシールさ
れ、薬物貯蔵庫薄形シート小片17は1つずつ、被覆材
を包装材とする袋の中に収められる。上下の被覆材の間
にシールされた薬物貯蔵庫薄形シート小片17は、この
ままスリッター27へ移動し、ここで前記シール位置と
同じ位置で進行方向及び幅方向に切込み操作が行われ、
薬物貯蔵庫薄形シート小片17の外周の上下の被覆材に
切込みが入る。この切込みにより、薬物貯蔵庫薄形シー
ト小片17を袋の中に収めた袋状の剤形は使用時に1つ
ずつ、切り離すことが容易になる。シール位置と同じ位
置で切込みが入った、薬物貯蔵庫薄形シート小片17を
袋の中に収めた上下の被覆材は、巻取機28へ移動し、
ここで巻き取られて製品ロール29となる。製品ロール
29には進行方向に切込みが入っているので、幅方向に
切り離すことができる。製品ロール29を幅方向に切り
離し、渦巻きを広げると、1つ1つは複数の袋状の剤形
Dを連ねた帯のようになる。
【0048】図7は本発明の袋状の剤形の断面図であ
る。図7において、袋状の剤形Dは、前記薬物貯蔵庫薄
形シート小片17の上下にコットン不織布31を外側、
化繊紙または不織布32を内側とする二重構造の被覆材
33,33を配置し、この上下の被覆材33,33の両
端を薬物貯蔵庫薄形シート小片17の両側に離れた位置
でシールし、薬物貯蔵庫薄形シート小片17を被覆材3
3を包装材とする袋の中に保持している。この被覆材3
3はいうまでもなく、吸水性保水性通気性のよい材料で
ある。
【0049】図8は前記袋状の剤形の平面図である。図
8において、図示長方形の薬物貯蔵庫薄形シート小片1
7は、これよりも大きい面積の図示長方形の下側の被覆
材33の中央に載置され、この長方形の薬物貯蔵庫薄形
シート小片17の上に下側の被覆材33と同形の上側の
被覆材33を重ねられる。薬物貯蔵庫薄形シート小片1
7の外周縁17aより外側の離れた位置に、被覆材33
のシール縁33cの内周縁33bがあって、内周縁33
bと外周縁33aの間に形成される帯状のシール縁33
cがシールされて、薬物貯蔵庫薄形シート小片17が被
覆材33を包装材とする図示長方形の袋の中に保持さ
れ、袋状の剤形Dが出来上がる。
【0050】図9は、袋状の剤形の一部切り欠き断面を
示す斜視図である。図9において、袋状の剤形Dは、薬
物貯蔵庫薄形シート小片17をその上下にコットン不織
布31を外側、化繊紙または不織布32を内側とする二
重構造の被覆材33,33を配置し、この上下の被覆材
33,33の両端を薬物貯蔵庫薄形シート小片17の両
側に離れた位置でシールし、薬物貯蔵庫薄形シート小片
17を被覆材33を包装材とする袋の中に保持してい
る。
【0051】本発明の剤形に含まれる基剤は、化学的物
理的操作が適用されるが、グラファイト、カーボン、活
性炭、ゼオライト、活性アルミナ、酸化チタン、磁石、
高分子吸水樹脂、キトサン及びL−メントールから選ば
れた少なくとも一種の粉体を配合したものである。主薬
と基剤は被覆材を包装材とする袋の中に包含され、皮膚
面より被覆材で分離され、主薬のみが適用時被覆材を通
して気体で投与される。
【0052】本発明の剤形に含まれる基剤の機能につい
て、図面を参照して、さらに詳細に説明する。本発明に
係る基剤は、カプセル剤内に担持した精油の有効成分を
脱着揮発させる活性エネルギーとして、吸着熱、湿潤熱
の熱エネルギーを発現する。
【0053】図10は、本発明の剤形の投与方法を模式
的に示す図である。図10において、袋状の剤形Dは、
基剤粉体Bの一部であるゼオライトZ、グラファイト、
カーボン、活性炭等の炭素C、磁石M、高分子吸水樹脂
P等とカプセルKとを吸水性保水性通気性のよい被覆材
33を包装材とする袋の中に保持している。空気中の気
相水分Wは剤形の中にあるゼオライト(合成ゼオライ
ト,孔径3または4オングストローム)Zに吸着され、
その時発生する吸着熱は炭素(熱伝導性カーボン、活性
炭)Cに吸収され、炭素Cから放射される遠赤外線エネ
ルギーがカプセルK内の精油1の成分分子を励起させ、
揮発させる。またはゼオライトZから発生する吸着熱が
直接、熱伝導によって精油1の成分分子を励起させ、揮
発させる。
【0054】ゼオライトZによる吸着熱を長時間にわた
って発熱させるには、急激な液相水分の侵入による激し
い温度上昇を防止することが必要であり、そのためには
基剤Bに高分子吸水樹脂Pを混合する。
【0055】揮発した精油1は、両親媒性物質であり、
単分子の場合は電気的に中性である。精油1は、図示球
形の親水基1aと棒状の疎水基(親油基)1bとからな
り、被覆材33を通過して空気中の水分子Wと接触し、
水分子Wの周囲に多数の親水基1aが内側になるよう
に、疎水基1bが外側になるように集まって、クラスタ
ーLを作る。クラスターLは、形成後は+に帯電してい
る気体である。
【0056】生体の皮膚40の表面には皮脂膜41があ
り、皮膚界面部分は電気二重層が形成されるため、この
皮脂膜41の上面は−に帯電している。皮脂膜41の−
の電荷と前記クラスターLの+の電荷との間に引力が働
き、クラスターLは皮脂膜41の上面に凝縮・吸着す
る。皮脂膜41の上面に凝縮・吸着したクラスターL
は、表皮42を通るルートと不図示の付属器官(毛の
う、汗腺、皮脂腺)を通るルートとを経由して真皮4
3、皮下組織44等に経皮吸収される。
【0057】本発明の剤形Dは、適用時薬効成分の気体
分子Lが投与部位以外に“表面拡散流れF”して投与部
位における気体分子Lの濃度が減少するのを阻止し、気
体分子Lの濃度を高く保持するため、基剤B内に磁石M
を入れる。これは、低分子の揮発性ガスLが磁場に集合
する機能を利用したものであり、基剤粉体Bに磁石粉体
Mを混入することにより、投与部位に徐放される気体分
子(主薬)Lの濃度を高く保持することができる。
【0058】本発明に係る基剤に含まれる活性炭、キト
サン、高分子吸水樹脂は吸着、分解機能を発現する。皮
膚の疾病部分、特に開放性損傷の粘膜が現れている場合
または肉芽組織が修復再生されている場合、皮膚面に発
生する水溶性の揮発性塩基性ガス、例えば水溶性塩基性
アミン系ガスは微量であっても、治療には障害となり、
皮膚面のpHを変化させる。これは自己消化による腐敗
の原因に連なり、また病原性細菌の付着、感染及び感染
症の最大の要因になり、この水溶性の揮発性塩基性ガス
を完全に吸着除去分解する必要がある。このために吸着
剤以外に活性炭、キトサン、高分子吸水樹脂を使用して
前記揮発性塩基性ガスを完全に除去する。このガス除去
は皮膚界面部分のpHを正常値に調整する。以上の用途
に上記3種の物質を基剤に混合した。
【0059】図11は本発明の剤形が持っている吸水力
を利用して皮膚の投与部位に発生する遊離水分等を剤形
側に浸透させ除去する過程をモデル的に示す図である。
図11において、本発明に係る基剤Bに含まれる高分子
吸水樹脂Pは、浸透圧で液相水分を吸水し、その吸水能
力は自重の400〜1000倍もあり、吸水力は非常に
大きい。この高分子吸水樹脂Pによる吸水力と本発明の
剤形Dの被覆材33、例えばコットン繊維の毛管現象に
よる吸水力とを連動させ、剤形の表面や皮膚の界面部分
の浸透圧を高め、治癒過程で皮膚の創傷炎症等の損傷組
織に発生する遊離水分50、滲出液51、分泌物(壊死
物)52等を剤形D側に吸着し、皮膚面より脱着除去す
る。
【0060】上記浸透圧の高い環境は、付着した病原性
細菌に対し、細菌の生存に必要な有効水分を除去し、ま
た細菌は浸透圧の高い処を好まない性質があり、pHも
調整されるため、主薬の化学的抗菌作用以外に物理的に
も静菌(抗菌)作用、即ち細菌の発育を抑制する作用が
本発明の剤形にはある。したがって、薬による化学的治
療と浸透圧による水解性分泌物の吸着除去、静菌等の物
理的治療を併用し、治療の相乗効果により、皮膚疾患部
位の肉芽組織の形成を促進し、皮膚の損傷部位の治癒を
早めることができる。
【0061】本発明の剤形は、揮発性の有効成分を適切
な濃度で長時間にわたってガスとして放出し、そのガス
を皮膚界面に接触し続けるので、薬物の投与回数を減ら
すことができるとともに、生体の脂質ルートを経由して
吸収された薬の有効性を大幅に改善することができる。
【0062】本発明の剤形に安定保持された揮発性医薬
品(主薬)は、投与時に蒸発または昇華してすべて気体
分子となる。この気体分子に含まれる有効成分は、不純
物を含まない、100%の純物質である。したがって、
本発明の剤形は、適用時に自動的に精製純度や不純物に
係る問題、例えば薬物、基剤、添加物等に含まれる不純
物、混入物等(例えば重金属、ヒ素)に係る治癒阻害要
因を排除することができる。
【0063】本発明の剤形において、主薬と基剤を皮膚
面に直接付着させないで、皮膚面から分離することの利
点をさらに詳細に説明する。
【0064】従来の外用薬の投与方法は、主薬と基剤と
を混合、または混和したものを必ず皮膚または粘膜に付
着させる。即ち、外用薬を塗布、貼付、散布、粘着等の
手段で皮膚等に接触させるため、外用薬に含まれる微量
な不純物が皮膚障害を発生することがある。また、現代
の技術をもってしても、100%の純物質を精製するこ
とは不可能である。薬事法では、外用薬に不純物等が一
定の許容量で含まれることを認めているが、人によって
は、その許容量の不純物によっても皮膚障害を発症する
ことがある。
【0065】本発明の剤形の投与方法では、主薬は気体
で投与され、皮膚等に吸着・吸収されるが、それ以外の
主薬の原体と基剤は、被覆材によって完全に皮膚面より
遮断され、皮膚面に接触しないので、たとえ主薬の原体
と基剤等に不純物(ヒ素、重金属等)があったとして
も、皮膚障害を起こす可能性は排除される。
【0066】本発明の剤形において、薬効成分と基剤は
被覆材を包装材とする袋の内部に有り、皮膚に直接接触
しないため、剤形を選択する必要がなく、疾病部位が乾
燥していても、湿潤していても適用することができる。
【0067】本発明の剤形は、剤形を直接皮膚の投与部
位に当てるが、薬効成分と基剤は被覆材の厚みの分だけ
皮膚から間隔を置いているので、パップ剤等のように不
透過性の被覆剤で皮膚面を覆い、皮膚呼吸を阻害するこ
とがない。
【0068】本発明の剤形は、適用時剤形を直接皮膚面
に塗布、貼付することがないので、基剤等による皮膚呼
吸阻害はなく、したがって皮膚呼吸阻害で発生するただ
れ、湿疹等の症状を防止することができる。また、本発
明の剤形の投与方法では、治癒は空気に触れることによ
って促進され、この開放的治療方法は自然の原理に合っ
ている。
【0069】従来の外用薬の剤形は、何千年の歴史のあ
る膏薬が基本であり、これは主薬、基剤及び添加物を全
体的に混合・混和したりまたは練り合わせたりして、半
固形または液体に仕上げた剤形であり、皮膚に直接、塗
布、貼付、散布する。ここで主薬、基剤及び添加物を完
全に均一に混合することは、不可能であり、主薬より基
剤が重量比の大半を占めるため、不均一な混合状態で
は、皮膚面に薬物強度のバラツキが発生する。それによ
る障害を防止するため、現状では薬事法で一定の許容枠
を定めている。本発明の剤形は主薬の投与は気体であ
り、何種類の揮発性物質を主薬として配合した場合で
も、混合気体のガス組成は投与時、気体の性質からどこ
を採っても均一である。したがって、自動的に薬物強度
のバラツキは解消し、薬物強度のバラツキのない剤形を
製造することができる。
【0070】従来の液体、半固形等の剤形をコットンガ
ーゼに含浸または塗布し、このコットンガーゼを剤形側
を下にして皮膚面の上に当て、コットンガーゼの上に本
発明の剤形を置くことによって、本発明の剤形から発生
する気体による皮膚刺激で、皮膚面の薬物吸収の環境を
整備する。即ち、本発明の剤形から放出される精油成分
の両親媒性、界面活性的気体分子は、液相内またはゲル
相内で従来の剤形に含まれる水溶性薬物を核として、ミ
セルまたは逆ミセルを形成し、これらが集合してクラス
ターを形成する。このクラスターは皮膚面から吸収され
やすく、従来は注射により薬物投与していたのを、経皮
吸収治療に置き換えることができる。
【0071】本発明の剤形では、基剤に使用される有機
物、無機物が保存中に化学反応して配合変化するのを防
止するため及び物質同士の接触を阻止するため、不活性
のカーボンを混合している。また、同時に基剤から水分
を一切除去し、水を媒介とする化学反応及び水分の微生
物汚染を防止している。
【0072】本発明の剤形は、乾式の剤形であり、使用
前は水分を完全に排除しているので、保存中に有効成分
と水、空気等とが化学反応して配合変化を起こすことは
ない。また、水による細菌の繁殖(微生物汚染)もな
い。
【0073】本発明の剤形では、基剤に使用されるL−
メントールが皮膚損傷部位に出現する水分に溶解し、表
面張力を低下させ、周辺の水の規則性を崩し、水分の蒸
発を促進すると同時に、その気化熱によって皮膚損傷部
位(炎症部位)の温度を下げる。この温度低下により皮
膚の炎症が治り、水分の発生が少なくなると逆に、この
L−メントールは、皮膚面を刺激し、皮膚温度を上げ、
細胞の流動性を高めて、皮膚損傷部位の修復再生、即
ち、治癒作用を促進する。
【0074】本発明の剤形は、遮光性気密容器(例え
ば、アルミ蒸着フィルムを包装材とする袋)に保存する
ことが望ましい。この保存方法により、水分を含有しな
い乾式製剤である本発明の剤形は、水を媒介とする化学
反応及び光化学反応を完全に防止することができ、主薬
の薬効成分を長期間保存することができる。前記気密容
器内の揮発性薬物は温度によって蒸発するが、密閉容器
内では気液平衡、吸着平衡が起こり、蒸発は停止する。
したがって、長期間保存した場合、主薬の減少はなく、
適用時主薬の薬効は変らない。従来の外用薬は、必ず水
分を含有するため、水分が乾燥すると薬効がなくなる。
また、水分による微生物汚染の発生、水を媒介とする化
学反応による薬物変化が長期保存中に発生するおそれが
ある。本発明の剤形は、それらを完全に防止する。本発
明の剤形は、乾式の剤形であり、使用前は水分を完全に
排除しており、適用時必要な水分は空気中の気相水分や
適用部位に発生する水分を有効に使うことで足りてい
る。
【0075】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0076】実施例1(製造方法) 表1は虫刺され、水虫、湿疹等の治療に有効な外用治療
薬の主薬と基剤等の配合割合を示す。表1において、L
−メントール、チモール、ヒノキチオール、シトラー
ル、ラベンダーは精油類であって、主薬成分である。活
性炭、高分子吸水樹脂、ゼオラム(合成ゼオライト系吸
着剤の商品名)は基剤である。熱可塑性樹脂は添加物で
ある。
【0077】
【表1】
【0078】表1に掲げる主薬成分、基剤、添加物等を
混合し、この混合物を紙または不織布からなる上下のシ
ート状素材の間に挟み、熱圧着によりサンドイッチ状の
薬物貯蔵庫薄形シートを作った。薬物貯蔵庫薄形シート
を多数の長方形の小片に切断し、この多数の小片をコッ
トンシートの上に間隔を開けてアライメントしつつ載置
し、さらにこの小片の上に同じ大きさの別のコットンシ
ートを重ねて、前記間隔部分をシールし、切込みを入れ
て薬物貯蔵庫薄形シート小片をコットン袋内に保持した
袋状の剤形を製造した。この袋状の剤形は、虫刺され、
水虫、湿疹等の治療に有効な外用治療薬である。この袋
状の剤形は、コットンシート1m2 当り200gの薬物
貯蔵庫薄形シート小片を含んでいる。また剤形1ピース
当り0.16gの薬物貯蔵庫薄形シート小片を含んでい
る。
【0079】実施例2 (1)止痒、鎮痛作用 虫刺され、水虫、湿疹は必ず強い痒みが発生する。実施
例1の外用治療薬において、精油成分のL−メントー
ル、チモールは痒み、痛みの物質を不活性化すると同時
に軽く神経を麻痺する作用があり、速やかに患部を止痒
鎮痛させる。この外用治療薬は、持続性があり、皮膚の
患部に投与された外用治療薬は、精油成分を緩やかに徐
放し、皮脂膜から皮膚内部に吸収され、痛痒を治癒す
る。また、吸収された精油成分は、一部は皮下組織の脂
肪に蓄積され、投与後も蓄積された精油は徐々に徐放す
るため、薬効は持続する。この外用治療薬を使用した2
0人の内、早い人は30分以内に、遅い人でも1時間程
度で痒みがなくなった。
【0080】(2)抗菌作用、抗炎作用 人の皮膚に付着した病原性細菌真菌類は、時間の経過に
より生菌数を増加させ、病気の症状を出現するが、本実
施例の外用治療薬は、精油の抗菌作用により、生菌数の
少ない内に静菌する。発病当初発生する細菌真菌類は、
グラム陽性菌が多く、前記精油成分はこのグラム陽性菌
に対して、極めて特異的に静菌する。即ち、精油成分は
グラム陽性菌の細胞膜に吸収され、膜内の濃度を高め、
細胞膜の機能、例えば情報伝達機能、物質代謝機能を阻
害して静菌する。したがって、この外用治療薬を使用し
て水虫を治療した20人の内20人は、水疱性水虫では
1週間以内に、趾間性水虫では2週間以内に静菌され、
痒みは数時間で解消するという治癒経過を辿った。湿疹
は、この外用治療薬を使用すると24時間以内に治癒す
る。虫刺されは虫の出した毒素による炎症であり、この
外用治療薬に含まれるシトラールの抗炎作用により消炎
され、痛痒もすぐとれる。虫刺されで赤斑した部分の炎
症は12時間で小さくなり、24時間で治癒する。
【0081】(3)水分蒸散促進作用 水虫等で皮膚面に発生した水疱は、本実施例の外用治療
薬に含まれるアルコール系の精油成分によって、中の水
分が蒸発し、再度、生体の接着機能タンパク質によって
付着し、1週間以内で新しい皮膚と交換され、脱皮す
る。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
本発明の剤形に安定保持された揮発性医薬品(主薬)
は、投与時に蒸発または昇華してすべて気体分子とな
る。気体分子であるから、この気体分子に含まれる有効
成分は、不純物を含まない、100%の純物質である。
したがって、本発明の剤形は、適用時に自動的に精製純
度や不純物に係る問題、例えば薬物、基剤、添加物等に
含まれる不純物、混入物等(例えば重金属、ヒ素)の治
癒阻害要因を排除することができる。本発明の剤形にお
いては、主薬は気体で投与され、皮膚等に吸着・吸収さ
れる。それ以外の主薬の原体と基剤は、被覆材によって
完全に皮膚面より遮断され、皮膚面に接触しないので、
たとえ主薬の原体と基剤等に不純物(ヒ素、重金属等)
があったとしても、皮膚障害を起こす可能性はほとんど
ない。
【0083】本発明の剤形では、基剤に不活性のカーボ
ンを混合しているので、基剤に使用される有機物、無機
物が保存中に化学反応して配合変化するのを防止するこ
とができ、また物質同士の接触を阻止することができ
る。本発明の剤形は、乾式の剤形であり、剤形から水分
を一切除去しているので、保存中に剤形の有効成分と
水、空気等とが化学反応して配合変化を起こすことがな
く、また、水による微生物汚染、例えば細菌の繁殖等も
ない。
【0084】本発明の剤形は主薬の投与は気体であり、
何種類の揮発性物質を主薬として配合した場合でも、混
合気体のガス組成は投与時、気体の性質からどこを採っ
ても均一である。したがって、自動的に薬物強度のバラ
ツキはない。
【0085】本発明の剤形において、薬効成分と基剤は
被覆材を包装材とする袋の内部にあり、皮膚に直接接触
しないため、疾病部位の状態によって剤形を選択する必
要がない。したがって、疾病部位が乾燥していても、湿
潤していても本発明の剤形を適用することができる。
【0086】本発明の剤形は、基剤内に磁石を入れてい
るので、投与部位に徐放される気体分子(主薬)の濃度
を高く保持することができる。このように、本発明の剤
形は、揮発性の有効成分を適切な濃度で長時間にわたっ
てガスとして放出し、そのガスを皮膚界面に接触し続け
るので、薬物の投与回数を減らすことができるととも
に、生体の脂質ルートを経由して吸収された薬の有効性
を大幅に改善することができる。
【0087】本発明の剤形は、剤形を直接皮膚の投与部
位に当てるが、薬効成分と基剤は被覆材の厚みの分だけ
皮膚から間隔を置いているので、パップ剤等のように不
透過性の被覆剤で皮膚面を覆い、皮膚呼吸を阻害するこ
とがない。このように、本発明の剤形は、適用時剤形を
直接皮膚面に塗布、貼付することがないので、基剤等に
よる皮膚呼吸阻害はなく、したがって皮膚呼吸阻害で発
生するただれ、湿疹等の症状を防止することができる。
また、本発明の剤形の投与方法では、治癒は空気に触れ
ることによって促進され、この開放的治療方法は自然の
原理に合っている。
【0088】本発明の剤形に含まれる高分子吸水樹脂
は、浸透圧で液相水分を吸水し、その吸水能力は自重の
400〜1000倍もあり、吸水力は非常に大きい。こ
の高分子吸水樹脂による吸水力と本発明の剤形の被覆材
の毛管現象による吸水力とを連動させ、剤形の表面や皮
膚の界面部分の浸透圧を高め、治癒過程で皮膚の創傷炎
症等の損傷組織に発生する遊離水分、滲出液、分泌物
(壊死物)等を剤形側に吸着し、皮膚面より脱着除去す
る。上記浸透圧の高い環境は、付着した病原性細菌に対
し、細菌の生存に必要な有効水分を除去し、また細菌は
浸透圧の高い処を好まない性質があり、pHも調整され
るため、主薬の化学的抗菌作用以外に物理的にも静菌
(抗菌)作用、即ち細菌の発育を抑制する作用が本発明
の剤形にはある。したがって、薬による化学的治療と浸
透圧による水解性分泌物の吸着除去、静菌等の物理的治
療を併用し、治療の相乗効果により、皮膚疾患部位の肉
芽組織の形成を促進し、皮膚の損傷部位の治癒を早める
ことができる。
【0089】本発明の剤形に含まれる活性炭、キトサ
ン、高分子吸水樹脂は、皮膚の疾病部分、特に開放性損
傷の粘膜が現れている場合または肉芽組織が修復再生さ
れている場合、皮膚面に発生する水溶性の揮発性塩基性
ガス、例えば水溶性塩基性アミン系ガスを完全に吸着除
去分解する。これにより、皮膚面のpHを正常値にする
とともに、自己消化による腐敗の原因を除去し、病原性
細菌の付着、感染及び感染症を防止することができる。
【0090】本発明の剤形に使用される揮発性薬物(精
油)は、気体液体界面、気体固体界面における、低分子
の気体の特異性と属性を持っていて、皮膚のバリヤーを
通過する条件に適合している。気体になった薬効成分は
生体の皮膚または粘膜の脂質ルートを経由して、標的部
位(標的細胞)に吸収される。したがって、本発明の剤
形は、局所適用の浅在性損傷組織への投与はもちろん、
全身適用の深在性損傷組織への投与をも可能にした。
【0091】本発明の剤形は、中国医学の針灸療法の有
効な投与経路である経穴を利用して、循環器系、神経系
に経穴投与することにより、臓腑の機能を賦活化させ、
経皮吸収投与によって鎮痛治療を行うことができる。
【0092】本発明の剤形では、基剤に使用されるL−
メントールが皮膚損傷部位に出現する水分に溶解し、表
面張力を低下させ、周辺の水の規則性を崩し、水分の蒸
発を促進すると同時に、その気化熱によって皮膚損傷部
位(炎症部位)の温度を下げる。この温度低下により皮
膚の炎症を治めることができる。また、水分の発生が少
なくなると逆に、このL−メントールは、皮膚面を刺激
し、皮膚温度を上げ、細胞膜の流動性を高めて、皮膚損
傷部位の修復再生、即ち、治癒作用を促進することもで
きる。
【0093】従来の液体、半固形等の剤形をコットンガ
ーゼに含浸または塗布し、このコットンガーゼを剤形側
を下にして皮膚面の上に当て、コットンガーゼの上に本
発明の剤形を置くことによって、本発明の剤形から発生
する気体による皮膚刺激で、皮膚面の薬物吸収の環境を
整備する。即ち、本発明の剤形から放出される精油成分
の両親媒性、界面活性的気体分子は、液相内またはゲル
相内で従来の剤形に含まれる水溶性薬物を核として、ミ
セルまたは逆ミセルを形成し、これらが集合してクラス
ターを形成する。このクラスターは皮膚面から吸収され
やすく、従来は注射により薬物投与していたのを、経皮
吸収治療に置き換えることができる。
【0094】本発明の剤形では投与時において希釈率が
10-6〜10-7クラスであり、10-2〜10-3クラスで
ある従来の外用薬の希釈率の1/10000である。こ
のため植物性精油の有効成分の薬効は効果的であり、ア
ロマテラピーで用いられる、治験例のある、より安全性
の高い、副作用の少ない治療薬を開発することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカプセル剤の断面図
【図2】本発明のカプセル剤の詳細断面図
【図3】本発明のカプセル剤の輪切りと断面の斜視図
【図4】本発明のカプセル剤の製造工程を示すフローチ
ャート
【図5】本発明の袋状の剤形の製造工程を示すフローチ
ャート
【図6】本発明の薬物貯蔵庫薄形シート小片を袋状の剤
形に仕上げるまでの工程を示す概略断面図
【図7】本発明の袋状の剤形の断面図
【図8】本発明の袋状の剤形の平面図
【図9】本発明の袋状の剤形の一部切り欠き断面を示す
斜視図
【図10】本発明の剤形の投与方法を模式的に示す図
【図11】本発明の剤形が持っている吸水力を利用して
皮膚の投与部位に発生する遊離水分等を剤形側に浸透さ
せ除去する過程をモデル的に示す図
【符号の説明】
1…植物性精油、2…高分子有機材料の粉粒体、3…油
膜、5…炭素粉末、6…炭素粉末外壁、13…紙または
不織布からなるシート状素材、15…薬物貯蔵庫薄形シ
ート、17…薬物貯蔵庫薄形シート小片、21,24,
33…被覆材、A…熱可塑性樹脂小片、B…基剤粉体、
C…炭素粉体、D…袋状の剤形、K…カプセル剤、L…
クラスター、M…磁石粉体、P…高分子吸水樹脂粉体、
Z…ゼオライト粉体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/70 346 359 47/04 D 47/30 B

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性が高く、脂溶性、両親媒性で、薬
    効成分を含有する、低分子の植物精油またはその植物精
    油の成分である単体を、高分子有機材料の粉粒体を核と
    して、この粉粒体の表面に吸着させ、前記植物精油また
    はその植物精油の成分である単体の分子状の油膜を粉粒
    体の表面に形成させ、さらにこの油膜の表面に炭素の粉
    末を吸着させ、カプセル状の炭素粉末外壁を形成し、こ
    のカプセル状の炭素粉末外壁内に前記油膜を形成した粉
    粒体を封じ込めたことを特徴とするカプセル剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカプセル剤において、
    前記炭素の粉末がグラファイト、カーボン及び活性炭か
    ら選ばれた少なくとも一種の粉体であることを特徴とす
    るカプセル剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のカプセル剤と基剤粉体
    と添加物である熱可塑性樹脂小片とを混合し、この混合
    物を紙または不織布からなる上下のシート状素材の間に
    挟み、熱圧着によってサンドイッチ状に形成したことを
    特徴とする薬物貯蔵庫薄形シート。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の薬物貯蔵庫薄形シート
    において、前記基剤粉体がグラファイト、カーボン、活
    性炭、ゼオライト、活性アルミナ、酸化チタン、磁石、
    高分子吸水樹脂、キトサン及びL−メントールから選ば
    れた少なくとも一種の粉体を配合したものであることを
    特徴とする薬物貯蔵庫薄形シート。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の薬物貯蔵庫薄形シート
    を小片に切断し、この小片を毛細管現象による吸水性保
    水性通気性のよい被覆材を包装材とする袋の中に入れ、
    小片の外周に形成される袋の周辺をシールして薬物貯蔵
    庫薄形シート小片を袋内に保持したことを特徴とする袋
    状の剤形。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の袋状の剤形において、
    前記被覆材がコットン布であることを特徴とする袋状の
    剤形。
  7. 【請求項7】 混合容器に、有機高分子樹脂を破砕して
    得られる粉粒体と揮発性が高く脂溶性両親媒性で薬効成
    分を含有する低分子の植物精油とを所定の重量比で混入
    し、混合物を混合容器を密閉した状態で攪拌し、その摩
    擦熱で前記植物精油を気化させ、密閉した混合容器内で
    前記粉粒体の表面に吸着させ、油膜を形成させ、油膜粒
    子を作り、この油膜粒子に、カーボン、グラファイト、
    活性炭より選ばれた少なくとも一種の炭素粉末を混入
    し、混合物を再度、混合容器を密閉した状態で攪拌し、
    油膜粒子の表面に前記炭素粉末を吸着させ、カプセル状
    の炭素粉末外壁を形成して、このカプセル状の炭素粉末
    外壁内に前記油膜粒子を安定保持させたことを特徴とす
    るカプセル剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のカプセル剤とグラファ
    イト、カーボン、活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、
    酸化チタン、磁石、高分子吸水樹脂、キトサン及びL−
    メントールから選ばれた少なくとも一種の粉体である基
    剤粉体と添加物である熱可塑性樹脂小片とを混合し、こ
    の混合物を紙または不織布からなる上下のシート状素材
    の間に挟み、加熱により前記熱可塑性樹脂小片を溶融固
    化させてカプセル剤と基剤粉体と上下のシート状素材と
    を一体化し、さらに上下のシート状素材の上方または下
    方より圧力をかけてサンドイッチ状に形成したことを特
    徴とする薬物貯蔵庫薄形シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の薬物貯蔵庫薄形シート
    を小片に切断し、この小片をこの小片より一回り大きい
    面積の吸水性保水性通気性のよい被覆材シートの上に載
    置し、さらにこの小片の上に前記被覆材シートと同じ材
    質の同じ形状の別の被覆材シートを重ねて、小片の外周
    の外側に形成される上下の被覆材シートの外周をシール
    して薬物貯蔵庫薄形シート小片を上下の被覆材シートか
    らなる袋内に保持したことを特徴とする袋状の剤形の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の袋状の剤形を直接皮
    膚の投与部位に当てて、前記剤形の中に含まれるカプセ
    ル剤から、被覆材を通して揮発する、気体分子の薬効成
    分を前記皮膚投与部位表面に凝縮、吸着させ、薬効成分
    をこの皮膚表面より皮膚内部に吸収させることを特徴と
    する袋状の剤形の投与方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の袋状の剤形の投与
    方法において、薬物貯蔵庫薄形シート小片内のカプセル
    剤から薬効成分を揮発させる基剤内の活性エネルギー源
    として、空気中気相水分吸収による吸着熱または湿潤熱
    の熱エネルギーを使用することを特徴とする袋状の剤形
    の投与方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の袋状の剤形の投与
    方法において、被覆材の毛細管現象による吸水力と薬物
    貯蔵庫薄形シート内に封じ込められた基剤の浸透圧によ
    る吸水力とを利用して、皮膚の投与部位に発生する遊離
    水分、滲出液、分泌物等の治癒阻害因子を前記剤形側に
    浸透させ除去することを特徴とする袋状の剤形の投与方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の袋状の剤形の投与
    方法において、薬物貯蔵庫薄形シート小片内に封じ込め
    られた基剤の吸着力を利用して、皮膚の投与部位から発
    生する生成ガスを吸着し、皮膚表面のpHを弱酸性に調
    整することを特徴とする袋状の剤形の投与方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の袋状の剤形の投与
    方法において、前記生成ガスが水溶性塩基性のアミン系
    のガスであることを特徴とする袋状の剤形の投与方法。
  15. 【請求項15】 請求項10に記載の袋状の剤形の投与
    方法において、薬物貯蔵庫薄形シート小片内に封じ込め
    られた基剤内の磁石が及ぼす磁場を利用して、前記薄形
    シート小片内に封じ込められたカプセル剤から発生す
    る、薬効成分を含有する、低分子のガスを皮膚の投与部
    位に高濃度に保持することを特徴とする袋状の剤形の投
    与方法。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載の袋状の剤形の投与
    方法において、薬物貯蔵庫薄形シート小片内に封じ込め
    られた基剤内のL−メントールから昇華するガスを利用
    して、皮膚の投与部位にある水分を蒸発させ、気化熱に
    より皮膚表面の温度を下げることを特徴とする袋状の剤
    形の投与方法。
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