JP4550923B2 - キャピラリアレイアッセンブリおよびキャピラリ電気泳動装置 - Google Patents

キャピラリアレイアッセンブリおよびキャピラリ電気泳動装置 Download PDF

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Description

本発明は、キャピラリ電気泳動装置およびキャピラリアレイ(複数のキャピラリであって、例えば脱着可能に加工を施したものをいう)に係り、特に複数の毛細管または微細流路を泳動分離媒体として用いて、DNA(デオキシリボ核酸)などの生体試料を分析するDNAシーケンサ(DNA塩基配列解析装置)に用いるのに好適なキャピラリ電気泳動装置(以下、電気泳動装置という)およびそれに用いるキャピラリに関するものである。
長大な塩基配列をもつDNAの塩基配列決定には、2枚のガラスプレートでゲルを挾みこみ、ガラスプレートの両端に電圧を印加して試料であるDNAを電気泳動させる従来の平板ゲル方式から石英の毛細管(以下、キャピラリという)内にゲルを充填して、その両端に電圧をかけて試料を電気泳動させるキャピラリ電気泳動装置に移行している。
キャピラリ電気泳動装置は、平板ゲル方式に比べて、高速かつ高感度な分析が可能であり、また電気泳動電流による自己発熱からのジュール熱の影響も受けにくいため、電気泳動解析に良好な分解能を与えることができる。
近年、1つの電気泳動装置で、単位時間当たりの分析可能数を増やすため、複数のキャピラリをセットし、複数の試料のDNA解析を同時に実行可能な電気泳動装置が普及しつつある。
これらの装置では、キャピラリへの試料の導入、または電気泳動中に、キャピラリの試料導入側に電圧を印加する方法として、サンプルをセットしてあるサンプルプレートや電気泳動用バッファ槽そのものを金属など導体で構成するか、またはこれらに電極を内蔵させるものが多い。
特許文献1に記載されている技術のように、各キャピラリの試料導入部分の周囲を覆うような電極構造を電気泳動装置に持たせ、且つ同時に電気泳動装置に各電極に接続した配線パターンを介して高電圧を印加して電気泳動を行う方式もある。
特開平10−206382号公報
上記のサンプルプレートや電気泳動用バッファ槽そのものを金属など導体で構成する技術では、分析者は大量の試料のDNA解析に上記のような各DNA解析装置に固有な電圧印加構造をもつサンプルプレートを大量に準備しなければならない。このことは分析に関するランニングコストを増大させ、且つ分析者への負担が大きくなるという問題があった。
次に、電気泳動装置としては汎用のマイクロタイタープレートなどを使用できることが望ましいが、このマイクロタイタープレートには勿論電気泳動装置に接続できる電極部を備えていない。したがって、電気泳動装置に電極を内蔵させる技術を用いることができない。
さらに、各キャピラリの試料導入部分の周囲を覆うような電極構造部を持たせると共に、各電極構造部に接続した配線パターンを有し、且つ高電圧を印加する電気泳動装置では、キャピラリの交換作業が大変に煩雑となる。
さらに、キャピラリは寿命があり、用途によっては異なる長さのキャピラリをセットし直して分析する必要がある。このとき、分析者は複数のキャピラリを1本、1本電気泳動装置にセットしなければならず、非常に手間のかかるという問題点がある。
また、この方式は、試料をキャピラリに導入するために、予め筒状の電極をサンプルプレート内のサンプルに接触させておき、後にサンプルプレートを駆動し移動させて前記キャピラリを筒状の電極の内側に挿入してサンプルに接触させるというものであり、外径が数百μmの複数のキャピラリを筒状の電極内に同時に挿入するには、サンプルプレートの駆動部に非常な精度を要求するか、または、筒状の電極に十分な余裕をもった内径を持たせなければならない。
電極の筒を細くして、前記駆動部に精度を持たせた場合、筒状の電極内面とキャピラリ外面間の隙間に毛細管現象によって、前回測定した試料が残留し、精度のよい泳動分析ができなくなるという問題点がある。
電極の筒を太くして、駆動部に精度を要求しなければ、上記の毛細管現象による別試料の混入の可能性も低下するが、電極が太いため、底部に行くに従い、狭くなる逆円錐状のサンプルプレートのウェル底部には電極の下端が届かないという問題点がある。
前記電極が下端が届かないことにより、試料やバッファ液と接触しなければ、原理的に試料の導入や電気泳動は不可能である。したがって、前記試料やバッファ液と接触させるようにし、且つ汎用のマイクロタイタープレートを使用するとするならば、試料やバッファ液の液面を上昇させるためには、最小試料量は大きく設定しなければならないという問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、分析に関するランニングコストと分析者への負担を減じ、キャピラリの交換作業およびセットを容易にし、精度のよい分析ができ、最小試料量の設定が小さくできるキャピラリ電気泳動装置を提供することを第一の目的とする。
また、分析に関するランニングコストと分析者への負担を減じ、キャピラリの交換作業およびセットを容易にし、精度のよい分析ができ、最小試料量の設定が小さくできるキャピラリアレイアッセンブリを提供することを第二の目的とする。
本発明の目的は、特許請求の範囲に記載の発明によって達成される。
本発明の構成によれば、複数のキャピラリと電極を対として、試料台へのキャピラリアレイの試料台とのアライメントが容易に行える。
以下、本発明の複数の実施例を説明する。図1ないし図7を参照して、第一の発明に係るキャピラリ電気泳動装置および第二の発明に係るキャピラリアレイアッセンブリの実施例を説明する。
図1は、DNAシーケンサ用キャピラリ電気泳動装置の説明図、図2は、図1の電気泳動装置における電極部の説明図、図3は、図2の電気泳動装置における電源部の接続説明図、図4は、図1の電気泳動装置における他の電極部の説明図、図5は、図1の電気泳動装置におけるさらに他の電極部の説明図、図6は、図1の電気泳動装置におけるさらに他の電極部の説明図、図7はキャピラリアレイアッセンブリの説明図である。
キャピラリアレイ2の泳動終端部の近くには、光分析部13が配設されている。この光分析部13はキャピラリアレイ2の透明窓(図示しない)を介して、例えばキャピラリアレイ2中の試料を照射して励起させるレーザ光源(図示しない)と、前記励起によって発生した励起光を検出する光センサとから構成されている。この光センサの信号から、制御計算機50でDNAの塩基配列を決定したり、DNAの種類を識別する。
なお、電気泳動装置1には、一回の電気泳動を行なう毎にゲルを交換するためのゲル充填用シリンジ12に、ゲル交換時の逆流を防止するための電磁弁11が設けられている。これらの動作も制御計算機50で制御される。また、図1においては、電源部40および制御計算機50を外部設置としているが、電気泳動装置1内に設置しても差し支えないことはいうまでもない。
上記構成の電気泳動装置におけるアレイホルダ8におけるキャピラリ、金属線電極、共通電極部からなる一体化構造電極部について図2を参照して説明する。
図2は、一体化構造電極部を、アレイホルダ8を構成する絶縁性部材25aと絶縁性部材25bに分解し、構造が明らかになるようにしたものである。一体化時には、アレイホルダ8を構成する絶縁性部材25bと絶縁性部材25aとを係合させた構造となっている。キャピラリアレイに対応するサンプルプレート5のウェル21に対応して配置される。
図2において、図1と同一符号は同一機能、同等部分であるので煩瑣となるので省略し、新たな符号のみを説明する。23は金属線電極、24は共通電極部、25a、25bは絶縁性部材、25cは、キャピラリ2aを貫通させる円形の貫通穴、26は電源部40と接続される電極棒30の挿入穴である。
図2に示す如く、アレイホルダ8は、サンプルプレート5との対応面を有し、且つ前記対応面上にL形部を横設して形成される絶縁性部材25bと、絶縁性部材25bの対応面上およびL形部とに係合する絶縁性部材25aとからなり、両部材を一体化する構造となっている。なお、アレイホルダ8は、適宜な手段により、図示で空気恒温槽3の壁面に取付けられる。以下の各変形例においても同様である。
絶縁性部材25bには、サンプルプレート5のウェル21のピッチに応じたピッチで、サンプルプレート5との対応面を貫通してキャピラリが配設されている。複数のキャピラリ2a(図示では例として二本)と、複数キャピラリ2aの近傍にキャピラリ2aと平行に配設され、サンプルプレート5との対応面を挿通している複数の金属線電極23と、サンプルプレート5との対応面に直交する前記L形部の立上り面に定着させた共通電極部24が配設される。ここで、複数キャピラリ2aの近傍とは、複数キャピラリ2aをウェル21内に挿入した時、ウェル21内に同時に挿入されるような位置をいう。そして、複数の金属線電極23はすべて共通電極部24に電気的に接触する。この電極部材は、キャピラリに接触してもよい。
また、絶縁性部材25aには、絶縁性部材25aと絶縁性部材25bとを係合させた時、複数キャピラリ2aをそれぞれ挿通させるための貫通穴25cが複数のキャピラリ2aのピッチに応じ、その数だけ穿設される。
このような絶縁性部材25aと絶縁性部材25bとを係合させ、相互に一体化構造としたときには、キャピラリ2a、金属線電極23、共通電極部24は、相互に係合する絶縁性部材25bと絶縁性部材25aで外周面が覆われ、サンプルプレート5の方向側からはキャピラリ2aと前記金属線電極3のみが見られる。なお、一体化構造とするときは、部材25a、25bの係合面を適宜な手段、例えば一例として、接着材で接着してもよい。
さらに、前記一体化構造としたときには、絶縁性部材25aの前記貫通穴25cから複数のキャピラリ2aが外方に突設して延設され、電気泳動部の終端部となっている。したがって、サンプルプレート5の反対方向側からはキャピラリ2aのみが見える構成となっている。このように外周を絶縁性部材25a、25bで覆うことによりキャピラリ2aに印加される高電圧によるアーク放電を防止することができる。
図3を参照して、アレイホルダの一体化構造における電源部の電圧印加方法を説明する。図3(a)は、図2の一体化構造部の背面図、図3(b)は、図2の一体化構造部の平面図であり、電源との接続法も簡略化して示してある。図3において、30は電源部40と接続される電極部(以下、電極棒という)である。なお、図3(a)においては、一体化構造部を明確にするため、電極棒30の図示を省略した。
絶縁性部材25b上のサンプルプレート5と直交する面に設けた共通電極部24には1個以上の挿入穴26が設けられている。挿入穴26には電極棒30が挿入され、共通電極部24と電気的に接続する。このとき、図示を省略したが、電極棒30は、共通電極部24と電気接触抵抗を小さくなるように、弾性部材で付勢される。電極棒30の共通電極部24との当接面の他端には、電源部40の負の高圧側が印加され、電源部40の正側は電気泳動グランド10の接地側と接続されている。
キャピラリアレイ2がウェル21に挿入され、且つ挿入穴26に挿入された電極棒30を介して高電圧が共通電極部24に印加された時は、金属線電極3が共通電極部24に電気的に接触している。高電圧が印加されるので、金属線電極3とキャピラリ2aとが各サンプルプレート5のウェル21内の試料もしくはバッファ容器内のバッファ液に同時に接触し、キャピラリ2a内への試料の導入もしくは電気泳動がなされるようになっている。
図4を参照して、図2のアレイホルダにおける一体化構造電極部の変形例を説明する。図4において、図2と同一符号は、同一機能、同一仕様の同等品であるので再度の説明は省略し、新たな番号のみを説明する。24aは共通電極部24の延長電極部、127は電気的接触部である。
図4は、アレイホルダ8を、絶縁性部材25bと、それと係合する絶縁性部材25aに分解し一体化構造が明らかになるようにしたものである。一体化時には絶縁性部材25bと絶縁性部材25aとを係合させた構造となっている。図4のキャピラリアレイ2はサンプルプレート5のウェル21に対応して配置される。
図示するように、共通電極部24は絶縁性部材25b内のサンプルプレート5と対応する平面に配設する。絶縁性部材25b内へ挿入させた金属線電極23は溶接等の適宜な手段による電気的接触部127によって共通電極部24に接合させている。電極棒30を貫通するための貫通穴26の近傍位置に共通電極部24の延長電極部24aを設ける。このようにして、キャピラリアレイ2及び金属線電極23に電気的に接続された延長電極部24aにより、高電圧印加部分が確保される。
図5を参照して、図2のアレイホルダにおける一体化構造電極部の他の変形例を説明する。図5において、図2と同一符号は、同一機能、同一仕様の同等品であるので再度の説明は省略し、新たな番号のみを説明する。128は、キャピラリ2aに蒸着させた白金蒸着電極である。
図5は、アレイホルダ8を、絶縁性部材25bとそれと係合する絶縁性部材25aに分解し、その構造が明らかになるようにしたものであり、キャピラリアレイとサンプルプレート5は対応して配置される。このアレイホルダ8を一体化する時には、絶縁性部材25bと絶縁性部材25aとを係合させた構造となっている。
この変形例と図2との相違点は、各電極として、金属線電極ではなく、蒸着金属膜が電極28として使用されている点である。蒸着電極128はキャピラリ2aの金属性管の試料側の端部から共通電極部24に対応する部分まで蒸着部を設けたものである。そして、前記蒸着部で共通電極部24と電気的に接触するようになっている。
また、図2における絶縁性部材25aを絶縁性部材25bに係合させ、キャピラリ2aをアレイホルダ8の外方へ突設させるための挿通穴は半円形25dとなっている。
図6を参照して、図4のアレイホルダにおける一体化構造電極部の変形例を説明する。図6において、図4と同一符号は、同一機能、同一仕様の同等品であるので再度の説明は省略して、新たな番号のみを説明する。29はステンレス製の円筒電極である。
図6は、アレイホルダ8を、絶縁性部材25bとそれと係合する絶縁性部材25aに分解しその構造が明らかになるようにしたものであり、キャピラリアレイはサンプルプレート5と対応して配置される。アレイホルダ8の一体化時には、絶縁性部材25bと絶縁性部材25aとを係合させた構造となっている。この変形例と図4との相違点は、各キャピラリ2a用の電極として、金属線電極ではなく、キャピラリを挿入した円筒状電極29を使用している点である。
円筒状電極29は、各キャピラリ2aの周囲を取り巻く円筒管を、キャピラリ2aの試料側先端から共通電極部24まで設け、共通電極部24と当該円筒状電極29との電気接触部27を設けたものである。本変形例においては、円筒状電極29とキャピラリ2aの隙間に別試料が残留しないように接着するなどして隙間を埋めるように構成されている。
上記各実施形態において用いられた絶縁性部材25a、25bの形状は、上記に限定されることなく、種々の形状をとっても差し支えない。
〔実施例2〕
次に、キャピラリアレイアッセンブリの全体構成を説明する。図7を参照して、図6に示すアレイホルダを用いたキャピラリアレイアッセンブリの構成を説明する。
アレイホルダ8には、図6で説明した如く、各キャピラリ2aの周囲を取り巻く円筒状電極29がキャピラリ2aの試料側先端からサンプルプレート5に対応する面に設けられた共通電極部24(図7においては外部からは見えない)に電気接触部127で接触するようになっている。
図示するように、上記のようなキャピラリアレイ2と円筒状電極29の16本をサンプルプレート5のウェル21のピッチに応じて配列し、8本、2列に配列されるようにアレイホルダ8の穴に絶縁性部材25を貫通させる。
再度の説明は省略するが、図6で説明した如く、絶縁性部材25は、二つの絶縁性部材25aと絶縁性部材25a(図7では係合させているので区別されて図示していない)を係合させている。
また、共通電極部24等を覆う絶縁性部材25の一部または複数の部位に開けられた貫通穴26に挿通される電極棒30(図3参照)よってキャピラリアレイ2の外部から共通電極部24を介して電気泳動部に高電圧を印加することができる。
貫通させたキャピラリ2aの先端および先端部に設けられた円筒状電極29がサンプルプレート5の各ウェル21またはバッファ槽6(いずれも図7においては図示しない)に挿入されたとき、試料の導入や電気泳動が行われる。各キャピラリ2aの終端部は、光分析部13が取り付けられている。そしてゲルブロック9と接続される。
上記のような、図7に示すユニット単位、すなわちキャピラリ2aを16本を用いたキャピラリアレイ2は、キャピラリ2aのみならず、円筒電極29や共通電極部24を含めて、電気泳動装置との脱着が一回の操作ででき、ウェル内への挿入が容易である。そのため、キャピラリアレイの交換が容易であり、電極とキャピラリが1つのアレイホルダで一体化しているため、電極とキャピラリ間の配置精度に留意する必要がない。上記においては、図6に示されるアレイホルダを用いたキャピラリアレイアッセンブリについて説明したが、他のアレイホルダでも同様であることはいうまでもない。
次に、上記構成の電気泳動装置の動作を図7のキャピラリアレイアッセンブリを使用して説明する。電気泳動装置の動作の準備として、サンプルプレート5の8×12=96個の各ウェル5aにピペッテイングにより試料を注入する。空気恒温槽3の蓋が閉じられ、その内部に取り付けられているフアン27、28により空気循環流を形成する。この時、空気恒温槽3は一部を除いて外面を断熱材26で覆い、前記断熱材が除かれた部位には加熱・冷却可能の素子22たとえばペルチエ素子を設け、内面が良熱伝導部材23で覆われているので、加熱・冷却可能の素子22からの伝熱が内面を速やかに伝わる。
さらに、制御計算機50でフアン27、28を制御し、起動する。フアン27、28には、回転方向から空気を吸い込み、径方向に空気を吹き出すフアンを用いるので、風量の多い循環空気流が得られ、且つ空気恒温槽20が厚さが小となるので、外面の断熱部材26,加熱・冷却可能の素子22、内面の良熱伝導部材23とが協動して空気恒温槽20の内部の温度が均一化される。電気泳動装置1のキャピラリアレイ2は、全体が一定の温度に保たれる。
〔実施例2〕
次に、キャピラリアレイアッセンブリの全体構成を説明する。図7を参照して、図6に示すアレイホルダを用いたキャピラリアレイアッセンブリの構成を説明する。
次に、キャピラリアレイ2がウェル21の試料中に挿入する。このとき、キャピラリ2aが16本および電極29が16本およびこれら電極29が接触する共通電極部24が絶縁性部材25a、25bで周囲が覆われ、一体化電極部となっているので対応する各ウェル21の試料中に、これらの各部材が容易、且つ同時に挿入される。
なお、図2に示すような金属線電極23が使用されている場合は、サンプルプレート5のウェル21内にキャピラリアレイ2が挿入されてない状態で、キャピラリ2aと接触させてはいけない。接触させると、両者の隙間に毛細管現象によって別試料が残留し、精度良い分析を妨げることになる。
この挿入された状態で、制御計算機50で電源部40を操作し、貫通穴26に挿入される電極棒30(図3参照)を介して、電気泳動グランド10−ゲルブロック9−キャピラリ2aのゲル−試料−電極29で形成される回路に負の高電圧が印加することにより、ウェル5a中の試料はキャピラリ2aに導入される。ここで、負の高電圧を遮断する。
再度、オートサンプラ7を移動し、キャピラリ2aの下端がバッファタンク6に挿入される位置で停止させる。次に、オートサンプラ7を上下方向に移動し、前記キャピラリ2aが前記バッファタンク6中のバッファ液に挿入され、電極29もバッファ液に挿入される。この際の挿入も各部材が試料中への挿入と同じく、同時且つ容易に行なわれる。
その状態で、再度、電気泳動グランド10−ゲルブロック9−キャピラリ2a中のゲル−試料−バッファ液−電極29間に負の高電圧を印加する。この高電圧印加によりキャピラリ2aに導入されている試料は、電気泳動分離される。
上記のような、図7に示すユニット単位、すなわちキャピラリ2aを16本を用いたキャピラリアレイ2は、キャピラリ2aのみならず、円筒電極29や共通電極部24を含めて、電気泳動装置との脱着が一回の操作ででき、ウェル内への挿入が容易である。そのため、キャピラリアレイの交換が容易であり、電極とキャピラリが1つのアレイホルダで一体化しているため、電極とキャピラリ間の配置精度に留意する必要がない。上記においては、図6に示されるアレイホルダを用いたキャピラリアレイアッセンブリについて説明したが、他のアレイホルダでも同様であることはいうまでもない。
次に、上記構成の電気泳動装置の動作を図7のキャピラリアレイアッセンブリを使用して説明する。電気泳動装置の動作の準備として、サンプルプレート5の8×12=96個の各ウェル5aにピペッテイングにより試料を注入する。空気恒温槽3の蓋が閉じられ、その内部に取り付けられているフアン27、28により空気循環流を形成する。この時、空気恒温槽3は一部を除いて外面を断熱材26で覆い、前記断熱材が除かれた部位には加熱・冷却可能の素子22たとえばペルチエ素子を設け、内面が良熱伝導部材23で覆われているので、加熱・冷却可能の素子22からの伝熱が内面を速やかに伝わる。
DNAシーケンサ用キャピラリ電気泳動装置の構成図である。 図1の電気泳動装置における電極部の説明図である。 図2の電気泳動装置における電源部の接続説明図である。 図1の電気泳動装置における他の電極部の説明図である。 図1の電気泳動装置におけるさらに他の電極部の説明図である。 図1の電気泳動装置におけるさらに別の電極部の説明図である。 キャピラリアレイアッセンブリの説明図である。
符号の説明
1…DNAシーケンサ用キャピラリ電気泳動装置、2…キャピラリアレイ、2a…キャピラリ、3…空気恒温槽、5…サンプルプレート、6…バッファタンク、7…オートサンプラ、8…アレイホルダ、9…ゲルブロック、10…電気泳動グランド、12…ゲル充填用シリンジ、13…光分析部、23…金属線電極、24…共通電極部、25a,25b…絶縁性部材、26…挿入穴、127…電気的接触部、128…蒸着電極、29…円筒状電極、30…電極部、40…電源部、50…制御計算機。

Claims (6)

  1. ウェル内のサンプルのための電気泳動路が形成されるようにウェル内に挿入されるべき、キャピラリアレイアッセンブリであり、
    それぞれのウェルに挿入されるべき複数のキャピラリと、
    その中にそれぞれキャピラリを収容する内周を有する、複数の円筒型電極と、
    キャピラリと電極を一体に保持するキャピラリアレイホルダと、を有し、
    各内周と各キャピラリとの間の隙間が接着剤で充填されている、キャピラリアレイアッセンブリ
  2. 前記隙間は隙間内にサンプルが残らないように制限されている、請求項1に記載のキャピラリアレイアッセンブリ
  3. 前記電気泳動路に電圧を印加するための電源と複数の円筒電極とを電気的に接続する接続手段を前記キャピラリアレイホルダに備える、請求項1に記載のキャピラリアレイアッセンブリ
  4. その中で、ウェル内のサンプルのための電気泳動路が形成されるように、キャピラリアレイアッセンブリがウェル内に挿入されるようにされた、キャピラリ電気泳動装置であり、
    それぞれのウェルに挿入されるべき複数のキャピラリと、
    その中にそれぞれキャピラリを収容する内周を有する、複数の円筒型電極と、
    キャピラリアレイアッセンブリを形成するよう、キャピラリと電極を一体に保持するキャピラリアレイホルダと、
    円筒型電極を電気的に励起するための電源と、
    サンプルゲルをレーザー光で照射励起し、且つ当該励起により発生した光を検知するための分光器と、を有し、
    各内周と各キャピラリとの間の隙間が接着剤で充填されている、キャピラリアレイアッセンブリを備えるキャピラリ電気泳動装置
  5. 前記隙間は隙内にサンプルが残らないように制限されている、請求項4に記載のキャ
    ピラリ電気泳動装置。
  6. 複数の円筒電極と電源とを電気的に接続する接続手段をキャピラリアレイホルダに備える、請求項4に記載のキャピラリ電気泳動装置
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