本発明に係る医療費情報提供システムの各実施形態を、図面に基づき説明する。本システムの重要な点は、所定患者に施された医療行為に対する医療費の一部を負担する負担者の負担金額と、患者本人が負担する負担金額とを、通信回線を利用して迅速且つ容易に算出し、当該負担金額に関する情報を医療費の決済に関わる当事者に迅速且つ容易に提供するという着想、多様化する医療サービスや保険サービス、医療費割引等に応じて患者を所定の病院に誘導するための情報等を提供することが可能な患者誘導情報提供装置を提供するという着想等にある。また、本システムによれば、算出された各負担額に基づいて、迅速で簡略化された医療費決済も可能である。以下、医療費負担額算出処理、負担額に関する情報の提供、及び算出された負担額に基づく医療費決済処理を中心に、各実施形態を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る医療費情報提供システムの構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る医療費情報提供システム1の概略構成図を示している。
図1に示すように、医療費情報提供システム1は、医療機関のコンピュータネットワーク上に展開される第1のシステム3と、負担額算出業者のコンピュータネットワーク上に展開される第2のシステム5と、第1のシステム3と第2のシステム5とを接続するLAN、WAN、インターネット等のネットワークシステムである第3のシステムから構成されている。以下、第1、第2、第3の各システムについてそれぞれ説明する。
(第1のシステム)
第1のシステム3は、医療機関のコンピュータネットワーク上に展開されるシステムである。第1のシステム3は、例えば、患者情報入力装置30と、医療費データベース31と、医療費管理サーバ32とから構成されている。
患者情報入力装置30は、患者を一意に特定することができる情報等、患者に関する情報を入力するための入力装置である。例えば、本実施形態では、患者IDが納められている可搬型の電子記憶媒体301からデータを読み出す為の読み出して、医療費管理サーバ32に転送する読み出し装置300を採用している。しかし、これに限ることなく、例えばキーボードやマウス等によってマニュアル入力する構成であってもよい。なお、可搬型の電子記憶媒体としては、例えばICカード、磁気カード等を利用することができる。この可搬型電子記憶媒体の中には患者を一意に特定する為の患者IDの他、患者氏名、患者の生年月日等患者に関する情報が納められている。
医療費データベース31は、行われた医療行為、それに要した費用、その医療行為が行われた日付けに関する情報等(以下、「患者情報」と称する。)を、患者毎に保存している。
医療費管理サーバ32は、読み出し装置300によって読み出された各患者の患者情報、医療費データベース31に格納された患者毎の医療費の請求情報、その他必要に応じて、当該患者が加入している保険情報等を、第3のシステムを介して後述する他のシステムのサーバ或いは端末に提供する。
(第2のシステム)
第2のシステム5は、負担額算出業者のコンピュータネットワーク上に展開されるシステムである。本第2のシステム5は、負担額算出情報データベース50、医療機関情報データベース51、決済実績情報データベース52、医療費算出サーバ53を具備している。
負担額算出情報データベース50は、予め設定された種々の算出情報に基づいて、患者、当該が受給した医療行為に対する医療費の少なくとも一部を負担する負担者(複数の場合には、各負担者)等が負担する負担割合、負担額等を算出する。なお、医療費の負担者とは、患者が受けた医療費の一部又は全部を、患者本人に変わって負担する者(自然人又は法人)或いは団体等をいう。具体的には、患者に実際に医療行為を施した病院、保険業者、国又は地方自治体等が考えられる。
図2A、2B、2C、2Dは、それぞれ負担額算出情報データベース50に記憶されている算出情報の一例を、模式的に示した図である。図2Aは、どの医療機関(例えば、病院)が、どの医療行為を、どれだけ負担するか、を示す病院負担情報の例を示している。図2Bは、どの保険業者が、どの医療行為を、どれだけ負担するか、を示す保険負担情報の例を示している。図2Cは、各患者に関する詳細情報の例を示している。図2Dは、各負担者に関する詳細情報の例を示している。
医療機関情報データベース51は、医療機関毎の支払い方法の種別、及びその詳細情報を記憶している。
図3は、医療機関情報データベース51に記憶されている医療機関情報の例を示している。図3に示すように、各医療機関毎に支払方法の種別、取り扱い金融機関等の情報が医療機関情報として記憶される。
決済実績情報データベース52は、例えば受付毎に割り振られたIDによって管理される決済実績情報を記憶している。この決済実績情報とは、受付情報(受付ID)、医療機関への支払い情報(例えば、支払い金額、支払い状態、支払日等)、医療費負担者への請求情報(請求先、請求金額、請求状態、領収状態等)等のうち少なくとも一つを含む情報である。
図4A、B、Cは、決済実績情報データベース52に記憶されている医療機関情報の例を示している。図4Aは、患者及び該患者が受けた検査項目、その料金等が受付毎にわかるように整理された決済実績情報の例を示している。図4Bは、該算出業者によって仮決済された医療機関への医療費支払い等を、受付毎に整理した決済実績情報情報の例を示している。図4Cは、検査毎の請求先や支払い状況等を受付毎に整理した決済実績情報情報の例を示している。
医療費算出サーバ53は、医療費情報提供システムを管理し、例えば次に述べる構成を有する。
図5は、医療費算出サーバ53の概略構成を示した図である。
図5に示すように、医療費算出サーバ53は、CPU530、医療費請求受け付け手段531、医療費算出手段532、医療費支払い手段533、負担額算出手段534、医療費請求手段535とから構成されている。
CPU530は、医療費算出サーバ全体を制御する制御手段である。
医療費請求受け付け手段531は、医療機関からの医療費支払いの請求を受け付ける。すなわち、医療費請求受け付け手段531は、医療機関のコンピュータネットワーク上の医療費管理サーバ32から、患者を一意に特定する為の情報とその患者に対して行われた医療費請求に関する情報(以下。「医療費請求情報」)を受信する。また、医療費請求受け付け手段531は、医療費の支払いに保険が適用される場合には、医療費管理サーバ32から当該患者が加入している保険情報等も受信する。
医療費算出手段532は、医療機関から医療費算出業者への医療費の請求に応じて、所定の演算によって医療機関に支払う金額の算出を行う。
なお、医療機関から医療費算出業者への医療費請求は、必ずしも実際に医療機関に支払われる金額で行われる必要は無い。例えば、医療費算出業者から医療機関に支払われる金額に、一定の定数を乗じた金額で行われたり、一定の換算方法が取り決められた点数で行われても良い。すなわち、実際に医療機関へ支払われる金額を特定できる対応関係があれば、どのような方法に従ってもよい。
図6は、医療費算出手段532において実行される、支払い負担額算出処理の一例を説明するための図である。
図6上段に示すように、医療機関からの請求費(2000円)と医療機関への支払い医療費(2000円)とを素朴に対応させたり、或いは、医療機関から請求されたポイント(例えば200点)と医療機関への支払い医療費(2000円)とを対応させる場合等が考えられる。この医療費算出手段532において実行される算出処理の内容は、予め医療機関と負担額算出業者との間で取り決めをしておけば良い。
医療費支払い手段533は、算出された料金に応じた仮決済を医療機関に対して行う。例えば、医療費算出手段532によって算出された各医療費を、各医療機関に振り込むための指示を、通信回線を利用して金融機関等に送信する。
負担額算出手段534は、医療機関から受け取った医療行為及び医療費に関する情報と、負担額算出情報データベース50の情報(図2A乃至図2D参照)とから、各支払い者に請求する医療費を算出する。すなわち、負担額算出手段534は、医療費算出手段532により算出された医療機関に対して支払う医療費と、負担額算出情報データベース50に記憶されている各種情報とから、各負担者及び患者がそれぞれ負担する負担額を算出する。
例えば、図2A乃至図2Dに示した内容に基づいて各負担額を算出する場合、負担額算出手段534は、次の様に医療費の算出処理を実行する。
図7A、7Bは、負担額算出手段534が実行する医療費の算出処理を説明するための図である。
例えば、α保険の被保険者である所定患者(患者ID:P0001)が、A病院において内視鏡下手術を受給した場合を想定する。
図2Aによれば、A病院が内視鏡下手術を実行された場合、当該病院は発生する医療費の1%を負担するとして登録されている。また、図2Bによれば、α保険は、A病院における内視鏡下手術に対しては、発生する医療費の88%を負担するとして登録されている。これらの登録内容に従って、負担額算出手段534は、当該患者が受けた医療行為に対する医療費の負担割合について算出を行う。
図7Bは、当該処理によって得られた算出情報を示した図である。図7Bに示すように、上記内容に従って算出された当該所定患者(患者ID:P0001)の負担割合は、図2A、2Bの内容を反映して、発生した医療費の11%となる。また、同図に示す各負担割合を医療費に乗じて算出された各負担額は、後述するように医療費請求手段535によって各負担者に請求される。なお、この内容は、決済実績情報データベース52内に記録される。
なお、図7Bに示した算出情報は、患者毎にまとめた形態となっている。当該形態は、負担額を患者に請求する場合には便利である。しかし、例えば保険業者或いは病院等に負担額を請求する場合には、すべての患者に関する当該算出情報を呈示することとなり、利便性に欠ける。
この点を考慮し、負担額算出手段534は、種々の形態にて負担割合等の算出情報を作成可能である。
図7Aは、所定負担者(負担者ID:0001)毎にまとめた形態による算出情報の例を示している。当該算出情報の呈示によって、例えば保険業者は、全ての被保険者に対して負担する負担金額の合計を迅速且つ容易に知ることができる。なお、この内容は、決済実績情報データベース52内に、図7Bに示した算出情報とリンクして記録される。従って、例えば図7Aの患者ID「P0001」の欄をクリックすること等の所定の操作により、任意のタイミングで図7Bの算出情報を呼び出すことができる。
医療費請求手段535は、各支払い者に対して医療費の請求を行う。具体的には、医療費請求手段535は、所定の金融機関に対し、予め登録されている銀行口座からの引き落とし指示等を行う。この例以外にも、例えば請求書を郵送し、指定した銀行口座への振り込みを要求する方法をとっても良いし、あるいは他の電子決済システム等に対して医療費の請求を行っても良い。
(第3のシステム)
第3のシステムは、LAN、WAN、インターネット、イントラネット無線或いは有線通信等の通信回線からなるネットワークシステムである。該第3のシステムを介して、第1のシステムと第2のシステムとが接続される。
(医療費負担額算出及び決済)
次に、医療費情報提供システム1によって実現される負担額算出処理、及び決済処理について説明する。本医療費情報提供システム1によって実現される各処理は、算出業者によって通信回線を利用して実行されるものである。医療機関から請求された医療費は、算出業者によって一旦仮決済される。その一方で、算出業者は、負担者に負担額を請求し、患者に医療費から負担額を減算した残余額を請求することで、医療費決済を実行するものである。
以下、医療機関から医療受給者に対して医療費を請求する場合を例として、本システムの処理の流れを図9を参照しながら説明する。
図9は、システム1によって実現される負担額算出処理、及び決済処理の流れを示した図である。
図9において、まず、読み出し装置300において、患者IDの所得が行われる(1)。例えば、病院の会計窓口にて医療費が請求された医療受給者は、この医療費の請求に対して、医療受給者は医療費情報提供システムを利用して医療費の支払いを行う旨通告し、可搬型電子記憶媒体301を提示する。病院の会計担当者は、この可搬型電子記憶媒体301を読み取り装置300に挿入することにより、患者を一意に特定する為の情報を得ることができる。この患者を特定する為の情報は、医療費管理サーバ32へと送信される。
なお、患者を一意に特定する情報を医療費管理サーバが取り込むことができれば良いので、必ずしも可搬型電子記憶媒体301を使う必要なない。例えば、ただ単に患者を一意に特定する為のIDを受け付け、担当者がキーボードやバーコードリーダ等の入力装置によって、医療費管理サーバ32に入力する構成でも目的を果たすことができる。
次に、医療費管理サーバ32は、入力された患者を一意に特定する為のIDと医療費データベースに31保存されている医療費情報とを関連づけし、医療費請求情報として算出業者のコンピュータネットワークシステム5上にある医療費算出サーバ53に送信する(2)。
図8は、医療費管理サーバ32から医療費算出サーバ53に医療費請求情報を送信する際に、医療費管理サーバ32側のモニタに表示される画面の一例を示している。
図8に示すように、同画面には、少なくとも医療費を請求する医療機関を一意に特定するID(H0001)、患者を一意に特定する為のID(P0001)、請求金額、請求内訳が表示されている。オペレータが請求ボタンをマウスでクリックすることにより、同画面に表示されている内容は医療費算出サーバに医療費請求情報として送信される。
この医療費請求情報の送信によって、医療機関は算出業者に医療費の仮決済を請求したことになる。また、算出業者は、当該情報を受信することで、医療機関からの仮決済の請求と、医療行為受給者、実施された医療行為、発生した医療費等の具体的な内容とをしることとなる。
なお、必ずしも図8に示した内容を画面表示する必要はない。例えば当該画面表示を省略し、図8に示した内容が、患者IDの読みとりに応じて、自動的に医療費算出サーバに送信される構成としても良い。
ここで特徴的な点は、患者の視点から見れば、この時点で医療費の病院に対する支払いが終了することである。すなわち、患者は、自身の記憶媒体301を読み出し装置300に読み込ませるだけで、医療費の病院に対する支払いを完了することができる。従って、従来からの、医療費を支払うために長時間も待たされる問題は、本システムによって解消することができる。
医療費算出サーバ53は、医療費管理サーバ32からの医療費請求情報を医療費請求受付手段531(図5参照)により受け付ける。その後、医療費算出サーバ53は、本算出業者が医療機関からの請求に対して支払う医療費を、医療費算出手段532(図6参照)において算出する(3)。
なお、医療費請求受付手段531で受け付けられた情報は、受付IDが発番され、受付情報として決済実績情報データベース52に受付情報として登録される。また、負担額算出手段532により算出された医療費は、医療機関への支払い情報として決済実績情報データベース52に登録される。なお、医療費請求受付手段531及び負担額算出手段532で行なわれる処理の詳細は、前記したのでここでは省略する。
以上図9中(3)までのステップが終了した時点では、データベース52には、例えば図10に示したような各種情報が保存されていることになる。
続いて、医療費算出サーバ53は、医療機関情報データベース51から、支払い先毎の支払い方法種別、支払い方法詳細情報を取得し、該支払い方法詳細情報等に基づいて、医療機関に対して医療費支払い手段533により医療費の仮決済を行う(4)。
当該仮決済処理が終了した時点で、医療費決済実績情報データベース52の医療機関への支払い情報の支払い状態と支払い日付は更新される。図11は、上記支払い処理が終了した時点で更新された、医療費決済実績情報データベース52の医療機関への支払い情報の一例を示す。図11に示した医療機関への支払い情報には、図10Bに示した医療機関への支払い情報と比較して、支払い状態及び支払い日付に新たな情報が書き加えられている。
続いて、医療費算出サーバ53は、当該患者の算出情報を算出情報データベース50から図2に示した算出情報データを取得する(5)。
このとき、図2A、B等に示した負担割合情報において、必要とされる一部の情報だけを取り出しても良いし、当該患者に関係する全ての負担割合情報を取り出しても良い。例えば、負担割合が検査毎に定められている場合において、医療機関から内視鏡下手術に対する負担要求が来た場合には、図2A、Bの負担項目が内視鏡下手術に対応する負担割合情報のみを取得しても良い。また、負担項目に依存せず当該患者の全ての負担割合情報を取得しても良い。
医療費算出サーバ53中の負担額算出手段534は、算出情報データベース50から得た負担者の情報と医療費管理サーバ32から受けた医療費請求とから、どの負担者にいくら医療費を請求すれば良いかを算出する(6)。
算出された情報は、医療費決済実績情報データベース52の請求情報に登録される。図12は、上記算出処理が終了した時点で更新された、医療費決済実績情報データベース52における請求情報の一例を示す。図12に示した請求情報には、図10Cに示した請求情報と比較して、請求先及び請求金額に新たな情報が書き加えられている。
続いて、医療費算出サーバ53は、算出された請求情報に基づいて、医療費請求手段535によって、各負担者に対して負担額を要求する(7)。
当該負担額の要求に応じて、各負担者からの負担額の支払が完了すれば、本システムによる一連の医療費決済が完了する。
なお、本実施形態では、(3)(4)の医療機関への支払いに関するステップが、(5)〜(7)の医療費算出サーバから医療費負担者への請求に関するステップの前に行われているが、これらの前後関係は入れ代わっても良い。つまり、(5)〜(7)のステップのいずれのステップの間で(3)(4)の医療機関へに支払いに関するステップが実行されても良い。
また、上記実施形態においては、算出業者が仮決済も行う例を挙げた。これ以外に、例えば別途仮決済業者を設ける構成とし、負担額の算出と仮決済とを別々の主体が行うものとしてもよい。
以上述べた構成によれば、以下の効果を期待することができる。
第1に、患者、病院、保険業者等は、算出業者によって算出された負担額のみ精算するだけで、一般的に煩わしいと言われる医療費の決済を完了することができる。特に、患者は、可搬型電子記憶媒体301を読み出し装置300に通すだけで、医療機関での決済処理を終えることができる。従って、長時間待たされることなく迅速に医療費の支払いを済ませることができる。
第2に、上記負担額算出処理によって種々の医療費負担額のパターンをシミュレーションすることで、保険業者等は、患者の医療受診動向に対して金銭的な動機付けを行なうことが可能となる。例えば、保険業者が患者をA病院に誘導したい場合を想定する。この場合、図2Bに示すように、A病院での医療行為(内視下手術)に対する保険者の負担割合を増やせば、患者の医療費負担は減る事になる。従って、保険業者は、A病院で医療行為を受給した場合のモデルと、B病院等で医療行為を受給した場合のモデルとを比較して示すことで、被保険者(患者)に対してA病院に行く動機付けをすることができる。また、保険業者ごとのシミュレーションを行えば、保険加入においても金銭的な動機付けを行なうことが可能なる。
第3に、上記負担額算出処理によって種々の医療費負担額のパターンをシミュレーションすることで、医療機関も、患者の医療受診動向に対して金銭的な動機付けを行なうことが可能となる。例えば、病院が、自病院の特徴ある診療についての医療費を、一部負担することとすれば、実質的な値引きも可能である。この場合の決済方法としては、例えば、病院は医療費の負担をしない場合と同様に仮決済を行ない、別途算出業者(決済業者)から負担金を請求されるものが考えられる。患者にとっては、医療費の一部を病院に負担してもらうこととなり、その分安価に医療を受けることができる。従って、医療サービスにおいて、患者を金銭的に誘導することが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る医療費情報提供システムの第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る医療費情報提供システムでは、医療費負担者が、自身の負担割合を変更可能なシステムを開示する。この負担者による負担割合の変更は、任意のタイミングで可能である。
まず、第2の実施形態に係る医療費情報提供システムの構成について、図13を参照しながら説明する。
図13は、第2の実施形態に係る医療費情報提供システム6の概略構成図を示す。
図13に示した医療費情報提供システム6と図1に示した医療費情報提供システム1と比較を比較した場合、大きく異なるのは次の二点である。第1点は、医療費情報提供システム6における医療費算出サーバ53は、負担額算出情報データベース50内の内容の変更を受け付ける機能を備えていることである。第2点は、医療費情報提供システム6は、第3のシステムを介して、少なくとも第2のシステムと相互に通信可能な、医療費負担者のコンピュータネットワークシステム(以下、「第4のシステム」と称する)を具備する点である。以下、重複を避けるため、新たな構成要素のみ説明する。
(第4のシステム)
第4のシステム7は、医療費負担者のコンピュータネットワーク上に展開されるシステムである。第4のシステム7は、例えば、負担者側端末70を有している。この負担者側端末70は、データベース50内の医療費の負担割合に関する情報を表示することができる。また、負担者側端末70は、変更された情報をネットワークを介してサーバ53に送信することができる。これらの機能を使って実行される、医療費負担割合の変更処理については、後で詳しく説明する。
(医療費算出サーバ)
上述の如く、医療費算出サーバ53は、負担額算出情報データベース50内の内容の変更を受け付ける機能を備える。医療費算出サーバ53の構成は、例えば図14に示すようである。
図14は、医療費算出サーバ53の概略構成を示している。同図に示した医療費算出サーバ53には、図5に示した医療費算出サーバ53の構成に、さらに算出情報変更手段536が追加されている。
算出情報変更手段536は、負担額算出情報データベース50の変更要求を受け付け、実際に医療算出情報データベース50内の情報の変更(或いは更新)を行う。具体的には、医療費算出サーバ53からの直接入力に基づいて、或いは、第3のシステムを介して医療費算出サーバ53にアクセスされた、費負担者の負担者側端末70からの指示に基づいて、データベース50内の情報の変更を行う。
(負担額算出情報の変更)
次に、本実施形態の主題である、データベース50内の負担額算出情報の変更について、図17を参照しながら説明する。以下に述べるのは、ある負担者が、医療費情報提供システム6によって、特定の医療行為の負担割合を変更する場合の一例である。なお、算出業者が医療費の仮決済をも兼任すること、及びその仮決済方法は、第1の実施形態で述べた通りである。
図17は、ある医療費負担者が、医療費情報提供システム6によって、特定の患者の負担割合を変更する場合の処理の流れを示した図である。
図17において、まず、負担者側端末70は、医療費算出サーバ53に対して、特定の負担額算出情報データを要求する(1)。このとき、セキュリティの観点から、変更する主体が負担者であることを確認するため、パスワード入力等によるアクセス権確認が実行される。アクセス権が確認された場合には、負担者側端末70の表示手段に、例えば図15に示す内容が表示される。
図15は、負担額算出情報データの要求の際に、負担者側端末70の表示手段に表示される画面の一例を示している。
図15において、検索キー名称の左横にある○印をマウスでクリックすると、そのキーが検索に使用されるキーとして選択され、条件入力欄に条件入力が可能になる。この状態でオペレータが検索キーの条件入力欄に検索条件を入力し、画面右下にある検索ボタンをマウスでクリックすることにより、医療費算出サーバ50に検索要求が送信される。
今の場合、検索キーとして患者IDだけが選択されている。従って、患者IDを検索キーとして、入力されている条件(この場合患者IDがP0001)に合致する負担額算出情報の取得要求が医療費算出サーバ53に送信されることになる。また、複数の検索キーにチェックを入れると、当該複数の検索キーによって絞り込まれた情報が検索されることになる。
医療費算出サーバ53の算出情報変更手段536は、負担者側端末70からの取得要求を受信した後、検索条件に従って算出情報データベース50から負担額算出情報を取得し、決済端末70に送信する(2)。
続いて、負担者側端末70は、医療費算出サーバの算出情報変更手段536からの負担額算出情報を受信し、上記検索条件に従った負担額算出情報を表示する。負担者は、表示された負担額算出情報の内容を、例えば次の様に変更する。
図16は、負担割合変更において、負担者側端末70が表示する負担額算出情報を示している。
まず負担者側端末70は、図16に示す様に負担額算出情報を画面に表示する。この画面は、算出情報表示と変更要求の機能を合わせ持っている。当該画面において変更を希望する欄を所定の操作にて選択すると、カーソルが当該欄にフォーカッシングする。この状態で新たな条件を入力することで、負担額算出情報を変更することができる。また、画面左下にある追加ボタンを押せば、その時点で選択されている項目の下に新たな負担条件を登録することができる。
上記変更操作の後、画面右下の送信ボタンを押すことにより、画面に表示されている負担額算出情報を医療費算出サーバ53に送信することで、算出情報データベース50内の負担額算出情報の変更を医療費算出サーバ53に要求する(3)。
医療費算出サーバ53の算出情報変更手段536は、負担者側端末70から送信された負担額算出情報を受け付け、その内容を算出情報データベース50に反映させる(4)。
以上述べた負担額算出情報の変更処理以後においては、変更後の内容での医療費負担額算出処理、及び決済処理が実行される。
この様な構成によれば、負担者は、任意の時刻において迅速に、患者の負担額算出情報を知ることができる。また、負担者は、任意の時刻において迅速に、現行の負担額算出情報を変更することが可能になる。
この様に、迅速且つ容易に負担額変更が可能であれば、負担割合変更処理は煩わしいものでなくなる。従って、種々の条件を負担割合に反映させることで、サービスのバリエーションを豊富にすることも可能である。その具体的内容は、次に述べる第3以降の形態で明らかになる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る医療費情報提供システムの第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、医療費負担者が、各患者の健康管理事情を医療費負担に反映可能なシステムを開示する。
まず、第3の実施形態に係る医療費情報提供システムの構成について、図18を参照しながら説明する。
図18は、第3の実施形態に係る医療費情報提供システム9の概略構成図を示している。
図18に示した医療費情報提供システム9と図13に示した医療費情報提供システム6とを比較した場合、大きく異なるのは次の3点である。第1点は、第2のシステム上に、個人の健康管理に関する履歴情報を格納する健康情報データベース54(以下、情報データベース54)が設けられていることである。第2点は、医療費情報提供システム6における医療費算出サーバ53は、情報データベース54内の内容を更新する機能を備えていることである。第3点は、医療費情報提供システム6は、第3のシステムを介して、少なくとも第2のシステムと相互に通信可能な、任意のコンピュータネットワークシステム(以下、「第5のシステム」と称する)を具備する点である。以下、重複を避けるため、新たな構成要素のみ説明する。
(医療費算出サーバ)
上述の如く、医療費算出サーバ53は、情報データベース54内の内容の変更を受け付ける機能を備える。医療費算出サーバ53の構成は、例えば図19に示すようである。
図19は、第3の実施形態に係る医療費算出サーバ53の概略構成を示している。同図に示した医療費算出サーバ53には、図14に示した医療費算出サーバ53の構成に、さらに健康情報登録手段537(以下、履歴登録手段537)が追加されている。
履歴登録手段537は、医療費算出サーバ53からの直接入力、或いは、第3のシステムを介して医療費算出サーバ53にアクセスされた、第5のシステム上の端末からの入力による更新要求を受け付けて、健康情報データベース54の内容を更新する。
(履歴情報データベース)
情報データベース54は、個人の健康管理の履歴(例えば、健康診断の受診歴、スポーツセンターでの活動歴等)を、健康情報として患者毎に格納する。また、情報データベース54は、負担者毎に各種健康管理と予め設定された医療費負担割合とを対応させた対応テーブルを格納する(図23参照)。医療費負担額の算出においては、健康情報に記された各種健康管理の内容に基づいて医療費負担を行うか否かが判断され、保険が適用される場合には、対応テーブルに従った医療費負担額の算出が実行される。この内容は、後で詳しく説明する。
図20は、情報データベース54に格納される健康情報の一例を示している。同図では、情報管理の効率化の観点から、同図における個人IDと既述の患者IDとを対応させている。
また、本実施形態では、情報データベース54は第2のシステムに設けた構成となっている。しかし、情報データベース54は、ネットワークを介して履歴情報登録手段537がアクセス可能であれば、どこに設けられていても構わない。
(第5のシステム)
第5のシステム8は、任意のコンピュータネットワーク上に展開されるシステムである。第5のシステム8は、健康情報登録端末80(以下、健康管理者側端末80)を有している。この健康管理者側端末80は、第3のシステムを介して第2のシステムにアクセス可能な端末である。第5のシステムの具体例としては、スポーツセンターに設けられた健康管理者側端末80とインターネットとから成るシステム、或いは個人の自宅にある健康管理者側端末80とインターネットとから成るシステム等が考えられる。
健康管理者側端末80は、例えば健康情報を登録するためのプログラムがインストールされたコンピュータである。この健康情報を登録するためのプログラムは、インターネット等を通じてダウンロードできることが好ましい。健康管理者側端末80は、第2のシステムの情報データベース54に健康情報を登録する機能を持つ。この機能によって、例えば、患者自身が、会社で受けた健康診断情報を、自宅の健康管理者側端末80から情報データベース54に登録することが可能となる。或いは、患者を担当するスポーツインストラクターが、スポーツセンターでの活動履歴を、スポーツセンターの責任で健康情報データベースに登録することができる。また、被保険者が喫煙者であるか否かの事実等を、保険者が入力することも可能である。
(健康情報の登録)
次に、本実施形態の主題である、情報データベース54内の健康情報の登録について、図21を参照しながら説明する。以下に述べるのは、第5のシステム上の任意の端末80から、医療費情報提供システム9によって、情報データベース54内に新たな健康情報を登録する場合の一例である。
図21は、任意の端末80から、医療費情報提供システム9によって、情報データベース54内に新たな健康情報を登録する場合の処理の流れを示した図である。
図21において、まず、第5のシステム上のコンピュータは、算出業者の算出サーバ53から情報データベース54の変更を行うためのコンピュータプログラムをダウンロードし、それを起動する。これによって、当該コンピュータは、健康管理者側端末80として機能することになる(1)。
なお、ここでは、算出業者の医療費算出サーバからコンピュータプログラムをダウンロードすることとしたが、別のサーバからダウンロードする構成であっても良い。
続いて、健康管理者側端末80において該プログラムが起動されると、ユーザ認証が行われる。このユーザ認証は、例えば、ユーザ名とパスワードの入力要求等によって行われる。健康管理者側端末80は、入力されたユーザ情報を医療費算出サーバ53に送信する(2)。
続いて、医療費算出サーバ53は、健康管理者側端末80から受信したユーザ認証情報に基づいて、当該ユーザに関連する過去の健康情報を情報データベース54から取得し、健康管理者側端末80に送信する(3)。
続いて、健康管理者側端末80では、健康管理者によって健康情報の新規情報の入力がなされ、医療費算出サーバ53へ当該新規情報の登録要求がなされる(4)。これら過去の健康情報の表示、新規情報の入力等は、例えば次のような形態によって実行される。
図22Aは、健康管理者側端末80に表示される、情報データベース54に現在登録されている健康情報と、新規の健康情報の入力欄を表示した画面の一例を示している。
図22Aに示すように、医療費算出サーバ53から送信された過去の健康情報が画面上部に表示される。同画面において、左下にある追加ボタンをクリックすることにより、健康情報の新規入力欄が下部に表示される。操作者は、例えば。いつ、どのような健康管理活動を行ったかを、新規健康情報として入力することができる。新たに入力された健康情報は、画面右下の送信ボタンを押すことにより、医療費算出サーバに送信される。
医療費算出サーバ53中の登録手段537は、健康管理者側端末80から送信された健康情報を受けて、情報データベース54に登録する。
(医療費負担額算出及び決済)
図23Aは、情報データベース54が格納する、各種健康管理と予め設定された各負担者の負担割合とを対応させた対応テーブルの一例を示している。
以下、健康管理情報を反映した医療費負担算出処理について、図23A及び図9を参照しながら説明する。なお、図9(1)乃至(4)の処理については、第1の実施形態と同様であるから、重複を避けるため(5)のステップより説明する。
ステップ(4)の仮決済の後、医療費算出サーバ53は、当該患者の算出情報を算出情報データベース50から算出情報データを、情報データベース54から該当患者の健康情報と該当負担者の対応テーブルとを取得する(5)。
このとき、図2A、B、図23等に示した各情報において、必要とされる一部の情報だけを取り出しても良いし、当該患者に関係する全ての負担割合情報を取り出しても良い。
医療費算出サーバ53は、算出情報データベース50から得た負担者の情報と医療費管理サーバ32から受けた医療費請求とから、どの負担者にいくら医療費を請求すれば良いかを負担額算出手段534により算出する(6)。
図23Bは、健康管理情報を反映した医療費負担算出を説明するための図であり、図7Bと同様に、α保険の被保険者である所定患者が、A病院にて内視鏡手術を受けた場合の負担割合データを示している。図23Bと図7Bとを比較した場合、α保険の負担割合が1%高くなっている。これは、当該所定患者が非喫煙者である健康管理情報が、図23Aに示した対応テーブルに基づいた医療費負担額算出処理において、反映されているからである。
なお、この場合、α保険の負担項目は複合的になるから、その項目内容を表示できることが好ましい。例えば、所定の端末等において、図23Bに示した個人の負担割合データにおいて、α保険の欄をクリックすることで、図23Cに示す負担内容の一覧が表示されることが好ましい。また、算出された情報は、医療費決済実績情報データベース52に請求情報に登録される。
続いて、医療費算出サーバ53は、算出された請求情報に基づいて、医療費請求手段535によって、各負担者に対して負担額を要求する(7)。
当該負担額の要求に応じて、各負担者からの負担額の支払が完了すれば、本システムによる一連の医療費決済が完了する。
以上述べた構成によれば、次の効果が期待できる。
被保険者の健康管理を保険システムに容易且つ迅速に反映することができる。負担者(例えば、保険者)からすれば、保険プランを豊富にすることができ、サービスの充実を図ることができる。従って、被保険者(患者)を金銭的に誘導することができる。また、負担者は、被保険者の健康管理に関する情報を迅速かつ簡便に参照することができる。上述した健康管理の履歴情報は、任意のタイミングで参照可能であるが、例えば、医療費負担者が、既述の手法にて負担額算出情報を更新する際に、当該患者の健康情報を表示させれば、患者個人の健康管理努力を反映させた負担額算出情報にすることができる。
図22Bは、図16に示した内容に健康情報を追加した画面表示の一例を示している。同図に示した画面表示によれば、医療費負担者は、同時に表示された健康情報を参考に、負担割合を変更することが可能である。
なお、健康情報を参考とした負担割合の変更は、人為的作業によらず、装置が自動的に実行される構成であってもよい。この装置による自動変更は、医療費算出サーバ53の履歴情報登録手段537が、予め指定された条件と健康情報とから自動的に判断し、算出情報データベース50を変更する構成とすることで実現できる。具体的には、1年以内に健康診断を受診しているかどうかに基づいて、履歴情報登録手段537は、算出情報データベース50の内容を自動的に更新する等の構成が考えられる。
本システムにおいては、健康管理に関する情報は、スポーツセンター等に設置された端末から入力され、自動的に情報データベース54に登録される。従って、得に負担者にとって有効な情報を、少ない人為的労力で迅速且つ簡便に作成することができる。
また、被保険者にとっては、各保険業者が設定する種々の保健プランから、自身に合った所望のものを選択することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る医療費情報提供システムの第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る医療費情報提供システムでは、負担者が、各患者の医療受診事情を医療費負担割合に反映可能なシステムを開示する。
まず、第4の実施形態に係る医療費情報提供システムの構成について、図24を参照しながら説明する。
図24は、第4の実施形態に係る医療費情報提供システム10の概略構成図を示している。
図24に示した医療費情報提供システム10と図13に示した医療費情報提供システム6と比較を比較した場合、大きく異なるのは次の2点である。第1点は、第2のシステム上に、個人の医療受診に関する履歴情報を格納する受診履歴情報データベース55が設けられていることである。第2点は、医療費情報提供システム6における医療費算出サーバ53は、受診履歴情報データベース55内の内容の登録を受け付ける機能を備えていることである。以下、重複を避けるため、新たな構成要素のみ説明する。
(受診履歴情報データベース)
受診履歴情報データベース55は、個人の医療機関での受診履歴(図25A)と、負担者毎に受診履歴と予め設定された医療費負担割合とを対応させた対応テーブル(図25B)を格納する。医療費負担額の算出においては、受診履歴情報に記された受診の事実に基づいて医療府負担を行うか否かが判断され、保険が適用される場合には、対応テーブルに従った医療費負担額の算出が実行される。この内容は、後で詳しく説明する。
図25Aは、受診履歴情報データベース55が保管する個人の医療受診に関する履歴情報(以下、医療受診履歴情報)の一例を示している。当該医療受診履歴情報には、医療費請求受付手段531が受け付けた各請求に対応した医療受診履歴、例えば、受診した検査の種別や受けた治療行為の種別等が、自動的に登録される。なお、同図では、図20と同様、情報管理の効率化の観点から、同図における個人IDと既述の患者IDとを対応させている。
図25Bは、履歴情報データベース55が格納する、各受診履歴と予め設定された各負担者の負担割合とを対応させた対応テーブルの一例を示している。当該対応テーブルと受診履歴に基づいて、後述する負担額算出に受診履歴が反映される。
(医療費算出サーバ)
上述の如く、医療費算出サーバ53は、受診履歴情報データベース55内の内容の変更を受け付ける機能を備える。医療費算出サーバ53の構成は、例えば図26に示すようである。
図26は、第4の実施形態に係る医療費算出サーバ53の概略構成を示している。同図に示した医療費算出サーバ53には、図19に示した医療費算出サーバ53の構成に、さらに受信履歴登録手段538が追加されている。
受信履歴登録手段538は、医療費請求受付手段531が医療機関から受けた情報を元に、個人毎に医療機関での受診歴を作成し、受診履歴情報データベース55に登録する機能を有する。
(医療費負担額算出及び決済)
次に、受診履歴情報を反映した医療費負担算出処理について、図25A、25B及び図9を参照しながら説明する。なお、図9(1)乃至(4)の処理については、第1の実施形態と同様であるから、重複を避けるため(5)のステップより説明する。
ステップ(4)の仮決済の後、医療費算出サーバ53は、当該患者の算出情報を算出情報データベース50から算出情報データを、履歴情報データベース55から該当患者の受診履歴と該当負担者の対応テーブルとを取得する(5)。
このとき、図2A、2B、図25A、25B等に示した各情報において、必要とされる一部の情報だけを取り出しても良いし、当該患者に関係する全ての負担割合情報を取り出しても良い。
医療費算出サーバ53は、算出情報データベース50から得た負担者の情報と医療費管理サーバ32から受けた医療費請求とから、どの負担者にいくら医療費を請求すれば良いかを、負担額算出手段534により算出する(6)。
図25Cは、受診履歴を反映した医療費負担算出を説明するための図であり、図23Bと同様に、α保険の被保険者である所定患者が、A病院にて内視鏡手術を受けた場合の負担割合データを示している。図25Cと図23Bとを比較した場合、α保険の負担割合が3%高くなっている。これは、当該所定患者が一ヶ月以内に精密検査を受給した受診履歴情報が、図25Bに示した対応テーブルに基づいた医療費負担額算出処理において、反映されているからである。
なお、この場合、α保険の負担項目は複合的になるから、その項目内容を表示できることが好ましい。例えば、所定の端末等において、図25Cに示した個人の負担割合データにおいて、α保険の欄をクリックすることで、図25Dに示す負担内容の一覧が表示されることが好ましい。また、算出された情報は、医療費決済実績情報データベース52に請求情報に登録される。
続いて、医療費算出サーバ53は、算出された請求情報に基づいて、医療費請求手段535によって、各負担者に対して負担額を要求する(7)。
当該負担額の要求に応じて、各負担者からの負担額の支払が完了すれば、本システムによる一連の医療費決済が完了する。
以上述べた構成によれば、次の効果が期待できる。
被保険者の医療機関における受診履歴を、保険システムに容易且つ迅速に反映することができる。負担者(例えば、保険者)からすれば、保険プランを豊富にすることができ、サービスの充実を図ることができる。従って、被保険者(患者)を金銭的に誘導することができる。
また、負担者は、受診履歴情報を迅速かつ簡便に参照することができる。受診履歴情報の参照は任意のタイミングで可能であるが、例えば、負担者が、既述の手法にて負担額算出情報を更新する際に、患者の受診管理履歴情報を表示させれば、患者個人の健康状態を反映させた負担額算出情報にすることができる。
図27は、図16に示した内容に受診履歴情報を追加した画面表示の一例を示している。同図に示した画面表示によれば、医療費負担者は、同時に表示された受診履歴を参考に、負担割合を変更することが可能である。
なお、受診履歴情報を参考とした負担割合の変更は、人為的作業によらず、装置が自動的に実行される構成であってもよい。この装置による自動変更は、医療費算出サーバ53の受信履歴登録手段538が、予め指定された条件と受診履歴情報とから自動的に判断し、算出情報データベース50を変更する構成とすることで実現できる。具体的には、1ヶ月以内に受診しているかどうかに基づいて、受信履歴登録手段538は、算出情報データベース50の内容を自動的に更新する等の構成が考えられる。
(第5の実施形態)
次に、本発明に係る医療費情報提供システムの第5の実施形態について説明する。第5の実施形態に係る医療費情報提供システムは、第3の実施形態に係るシステム9と第4の実施形態に係るシステム10とを組み合わせたシステムを開示する。
まず、第5の実施形態に係る医療費情報提供システムの構成について、図28を参照しながら説明する。
図28は、第5の実施形態に係る医療費情報提供システムの概略構成図を示している。
図28に示す様に、医療費情報提供システムは、第1のシステム3、第2のシステム5、第3のシステム、第4のシステム7、第5のシステム8から構成されている。なお、第2のシステム上には、受診履歴情報データベース55、及び、健康情報データベース54が設けられている。また、医療算出サーバ53の概略構成は、図29に示すようである。
(医療費負担額算出及び決済)
本システムによる医療費負担額算出及び決済は、第3及び第4の実施形態で述べた
内容の組み合わせである。すなわち、医療費負担額算出において、第3及び第4の実施形態において述べた要領で健康管理情報及び受診情報を反映させ、当該算出に従った各負担額を決済すればよい。
また、負担者が、受診履歴情報データベース55、及び、健康情報データベース54内の各項目に応じた負担割合を変更する場合には、例えば次の様な形態にて実現される。
図30は、図16に示した内容に受診履歴情報及び健康情報を追加した画面表示の一例を示している。同図に示した画面表示によれば、医療費負担者は、同時に表示された受診履歴或いは健康情報を参考に、負担割合を変更することが可能である。また、受診履歴情報及び健康情報を参考とした負担割合の自動変更については、既述の内容を組み合わせることで、実現可能である。
以上述べた構成を有する医療費情報提供システムによれば、負担者が負担額算出情報を更新する際に、当該患者の受診履歴と健康情報とを同時に表示させることが可能である。従って、負担者は、患者個人の健康状態や健康管理の為の努力を負担額算出情報に容易に反映させることができる。
(第6の実施形態)
既述の各実施形態では、病院及び保険業者以外の算出業者が医療費算出処理を実行する場合について説明した。これに対し第6の実施形態では、医療行為を提供した病院が医療費算出処理を行う場合について説明する。
図31は、第6の実施形態に係る医療費情報提供システムの概略構成を示している。同図に示すように、本実施形態では病院が算出処理を行うことから、病院15における第1のシステム3には、新たに医療費算出情報データベース50、医療機関情報データベース51、決済実績情報データベース52、医療費管理サーバ32と医療費算出サーバ53との機能を備える医療費管理/算出サーバ33が設けられている。それぞれの機能は、既述の通りである。
また、第1のシステムは、第3のシステムを介して第4のシステム上の負担者側端末70に接続可能である。なお、病院と患者との医療費等の決済は、第3のシステムを介した電子取引であってもよいが、本実施形態では、医療行為終了後の窓口での決済を想定する。
(医療費負担額算出及び決済)
次に、本システムによって実施される負担額算出処理、及び決済処理について説明する。大まかな流れを述べると、医療行為を受給した患者によって、例えば病院の会計窓口において、自身を特定する情報が提供される。当該病院に設置された医療費管理/算出サーバ33は、各種算出情報に基づいて患者、当該病院、負担者のそれぞれが負担する負担額を算出する。そして、患者自身の負担額のみ当該会計窓口において請求し、第3のシステムを介して別途負担者に相当する負担額を請求することで、決済を行う。
図32を利用してさらに詳しく説明する。
図32は、本システムによって実現される負担額算出処理、及び決済処理の流れを示した図である。
図32において、まず、読み出し装置300において、患者IDの所得が行われる(1)。この患者IDは、医療費管理サーバ32へと送信される。
次に、医療費管理/算出サーバ33は、入力された患者IDに関連する医療費情報を医療費データベース31から取得する(2)。
また、医療費管理/算出サーバ33は、入力された患者IDに関連する医療費算出情報を医療費データベース50から取得する(3)。
医療費管理/算出サーバ33は、各負担者が負担する負担額を、医療費算出手段532(図6参照)において算出する(4)。なお、算出された情報は、医療費決済実績情報データベース52の請求情報に登録される。
続いて、会計窓口では、算出した患者が負担すべき負担額を、当該患者に請求する。また、医療費管理/算出サーバ33は、算出された請求情報に基づいて、医療費請求手段535によって、負担者に対して負担額を要求する(7)。
当該負担額の要求に応じて、負担者からの負担額の支払が完了すれば、本システムによる一連の医療費決済が完了する。
以上述べた構成によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、各負担者の負担額の変更、健康管理情報又は受診履歴を反映させた医療費負担額算出/決済処理は、各実施形態において付加された構成要素を、第1のシステムに増設することで、実現することができる。
(第7の実施形態)
次に、保険業者等の負担者が算出業者を兼ねる実施形態について説明する。この場合には、既述の第1乃至第5の実施形態における第2のシステムが当該保険業者のネットワーク上で展開されることになるだけであり、その内容は記述の内容とほぼ同様である。従って、その説明は省略する。
(第8の実施形態)
次に、本発明に係る医療費情報提供システムの第8の実施形態について説明する。第8の実施形態に係る医療費情報提供システムでは、医療サービスを受ける医療受給者等が、任意のネットワークを介した自己の端末において、各医療費負担者の医療費負担割合に関する情報を取得可能なシステムを開示する。
まず、第8の実施形態に係る医療費情報提供システムの構成について、図33を参照しながら説明する。
図33は、第8の実施形態に係る医療費情報提供システム11の概略構成図を示している。
図33に示した医療費情報提供システム11と図24に示した医療費情報提供システム10とを比較した場合、大きく異なるのは次の2点である。第1点は、第2のシステムにおける医療費算出サーバ53が、各医療費負担者の負担割合に関する情報(以下、負担割合情報)の呈示請求を受け付ける機能、及び請求があった負担割り当て情報を送信する機能を備えていることである。第2点は、任意の医療受給者等が、第5のシステム上に医療費の負担割合を呈示可能な端末が設けられていることである。以下、重複を避けるため、新たな構成要素のみ説明する。
(医療費算出サーバ)
上述の如く、医療費算出サーバ53は、各医療費負担者の負担割合に関する情報(以下、負担割合情報)の呈示請求を受け付ける機能、及び請求があった負担割り当て情報を送信する機能を備える。医療費算出サーバ53の構成は、例えば図35に示すようである。
図34は、第8の実施形態に係る医療費算出サーバ53の概略構成を示している。同図に示した医療費算出サーバ53には、図5に示した医療費算出サーバ53の構成に、さらに医療費負担割合呈示請求受付手段540(以下、呈示請求受付手段540)と、医療費負担割合送信手段541(以下、負担割合送信手段541)が追加されている。
呈示請求受付手段540は、例えば第5のシステム上の端末から送信された、医療費の負担割合の呈示請求を受け付ける。呈示請求受付手段540は、該呈示請求に応答して、該当する医療受給者の負担額算出情報を負担額算出情報データベース50から取得し、負担割合情報を作成する。
負担割合送信手段541は、呈示請求受付手段540により作成された負担割合情報を、第5のシステム上の端末に送信する。
(医療費の負担割合を呈示可能な端末)
医療費の負担割合を呈示可能な端末81(以下、呈示端末81)としては、パーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ、携帯型電話、ネットワークアプライアンス等が考えられる。各医療受給者等は、呈示端末81から医療費情報提供システム6へのアクセスし、自身の負担割合情報等を取得することが可能である。
図35は、呈示端末81の概略構成を示している。図35に示す様に、呈示端末81は、CPU800、受給者情報受付手段801、受給者情報送信手段802、負担割合呈示請求手段803、負担割合受信手段804、負担割合呈示手段805を具備している。
CPU800は、呈示端末81の総括的な制御を行う。
受給者情報受付手段801は、医療費負担割合を表示させたい医療受給者を一意に特定する為の情報を受け付ける為の手段である。医療受給者を一意に特定する為の情報としては、被保険者番号等がある。
受給者情報送信手段802は、受給者情報受付手段801で受け付けられた医療受給者情報を、医療費算出サーバに送信する手段である。
負担割合呈示請求手段803は、医療費算出サーバ53に、当該医療受給者に関する医療費負担割合情報の呈示を請求する為の手段である。
負担割合受信手段804は、医療費算出サーバ53の負担割合送信手段541が送信する、医療受給者の医療費の負担割合情報を受信する。
負担割合呈示手段805は、負担割合受信手段804が受信した負担割合情報を、本端末側のユーザに呈示する手段である。負担割合情報の呈示方法としては、表示や音声出力等によるのが一般的である。
(医療費負担算出情報の取得)
次に、本実施形態の主題である、医療費負担算出情報の取得について、図37を参照しながら説明する。
図37は、ある医療受給者が、医療費算出サーバ53に対して自身に関する負担割合情報の呈示を請求し、該当する負担割合情報を呈示端末81に呈示するまでの処理の流れを示した図である。
図37において、まず、医療受給者は、呈示端末81で負担割合情報を請求する画面にて、自己を一意に特定する為の情報を入力し、負担割合情報を算出サーバ53に要求する。
図36Aは、負担割合情報を請求する場合に呈示端末81に表示される画面の一例を示している。同図に示す画面では、被保険者番号が、当該医療受給者を一意に識別する為の情報として利用されている。図34に示す画面において、医療受給者は、被保険者番号及び、パスワードを入力し、送信ボタンをマウスでクリックする。以上の処理によって、入力された識別情報は、受給者情報受付手段801に受け付けられ、受給者情報送信手段802によって医療費算出サーバ53に、受給者識別情報として送信される。送信された受給者識別情報は、医療費算出サーバ53の受給者の識別情報を受け付ける手段(図示せず)が受信し、受付可能か否かが判断される。このとき、受付可能と判断された場合には、呈示端末81の呈示請求送信手段803は、負担割合の呈示請求を、医療費算出サーバ53内の呈示請求受付手段540に対して行う。
続いて、医療費算出サーバ53内の呈示請求受付手段540は、送信された負担割合の呈示要求を受け付け、負担額算出情報データベース50から当該医療受給者の医療費負担割合情報を取得する。取得された医療費負担割合情報は、負担割合送信手段541により、呈示端末81に送信される(2)。
送信された負担割合情報は、呈示端末81の負担割合受信手段803によって受信され、呈示手段805によって表示される(3)。
図36Bは、呈示端末81において表示される負担割合情報の一例を示してる。なお、今の場合、呈示端末81側の情報取得者が医療受給者である場合を想定しているから、図36Bにおける医療費負担割合は、割引率と表現してある。また、例えばB病院の割引率が5〜20%と範囲で表現されているのは、条件によって割引率が異なる為である。
この様に呈示端末81に呈示された負担情報は、さらに割引率の詳細情報を階層的に表示できることが好ましい。例えば、図36Bに示すように、詳細情報を表示させる為にB病院が選択されている状態から、マウスで詳細ボタンをクリックすることで、図36Cに示すような詳細情報が表示されることが好ましい。
図36Cは、B病院の割引率の詳細情報(例えば、どのような、医療行為の割り引き率がどの程度であり、それは誰が負担しているのか等)の一例を示している。当該詳細情報により、例えば、XX保険の負担により、全ての医療行為に対する医療受給者の負担金の5%がXX保険により負担される事、内視鏡下手術の医療受給者負担金の20%がB病院により負担されること等が見て取れる。医療受給者は、図36B、36Cの表示から、例えば内視鏡下手術を当該医療受給者が希望する場合は、B病院を利用した方が、安価であること等を知ることができる。
以上のように、各医療受給者に対し医療費負担割合情報を呈示することにより、医療受給者の医療機関の選択を補助することができる。さらに、医療費負担者は、医療受給者に対して、金銭的誘導をより効果的に行うことができる。
なお、ここでは、第1の実施形態にこれらの機能を付加した場合を例に説明した。しかし、第1乃至第5の実施形態のうちのいずれかで示された構成を本システムに付加しても良い。
次に、本実施形態の変形例を説明する。
既述の如く、第2のシステム上の負担額算出情報データベース50は、各医療受給者の情報、医療受給者毎の医療費の負担者に関する情報、各負担者の負担割合に関する情報、各負担金額に関する情報等種々の情報を格納している(図2参照)。従って、負担割合情報は、更なる条件を加えて、医療受給者毎に検索することも可能である。
図38は、種々の条件にて負担割合情報を検索可能な呈示端末81の構成例である。図38に示すように、新たに負担割合検索条件指定手段806が設けられている。
負担割合検索条件指定手段806は、医療受給者の負担割合を取得する際に、所望する検索条件を指定可能な機能を有する。
図39は、負担割合検索条件指定手段806の機能に基づいて検索条件を指定する際に、呈示端末81に表示される画面の一例を示している。
図39に示す画面において、病院名、診療科、症状、地域のいずれか1つ以上を指定することにより、当該指定された項目が負担割合情報の検索の条件とされる。所望の項目を指定後、図中右下の検索ボタンをマウスでクリックすることにより、負担割合呈示要求が指定された条件と共に医療費算出サーバに送られる。
医療費算出サーバ53側の呈示請求受付手段540は、上記要求及び条件を受信し、負担額算出情報データベース50から指定された条件等に合致する費負担割合情報を取得する。取得された負担割合情報は、上記した動作により呈示端末81に送信され、表示される。
図39では、1つの病院を指定する画面表示例を示した。しかし、これに限らず、複数の病院を検索する構成であってもよく、また、他の検索条件、例えば病院の所在地、を検索条件に含める構成であっても良い。
以上のように、負担割合情報の呈示を医療費算出サーバ53に要求する際、検索条件を指定することで、情報収集の利便性を向上させることができる。従って、より簡単に必要な情報だけを見ることも可能になる。例えば、検索条件として診断科を指定しない場合、外科を受診したいのに、内科の情報も呈示されてしまう場合がある。しかし、検索条件として診断科を指定することで、外科に関する負担割合情報のみを取得することが可能になる。
なお、医療受給者は、図7Bや図23Bに示した自身に係る個別の負担割合表を呈示端末81に取り込んで表示することも可能である。この様な構成によれば、医療受給者は、事前に自身の医療費負担額を種々のパターンによってシミュレーションすることができる。その結果、医療機関、保険業者等の選択の幅が広がることになる。
(第9の実施形態)
次に、本発明に係る医療費情報提供システムの第9の実施形態について説明する。第9の実施形態に係る医療費情報提供システムでは、医療サービスを受ける患者等が、任意のネットワークを介した自己の端末において、各医療機関の実績等に関する情報を取得可能なシステムを開示する。
まず、第9の実施形態に係る医療費情報提供システムの構成について、図31を参照しながら説明する。
図40は、第9の実施形態に係る医療費情報提供システム12の概略構成図を示している。
図40に示した医療費情報提供システム12と図31に示した医療費情報提供システム11と比較を比較した場合、大きく異なるのは次の3点である。第1点は、第2のシステム上に医療機関実績情報データべース57が設けられたことである。第2点は、第2のシステムにおける医療費算出サーバ53が、医療機関実績情報データべース57内の医療機関実績情報を取得する機能を有することである。第3点は、呈示端末81が、医療費算出サーバ53から送信された医療機関に関する実績情報を受信し、呈示する機能を有することである。以下、重複を避けるため、新たな構成要素のみ説明する。
(医療機関実績情報データべース)
医療機関実績情報データべース57は、各医療機関の治療実績、治癒率等に関する統計情報及び、各医療機関を紹介する情報等(以下、医療機関実績情報)を記憶する。各医療機関を紹介する情報は、各医療機関が独自に作成したものであっても良いし、第3者機関が作成したものであっても良い。
本実施形態では、医療機関実績情報データべース57は第2のシステム上に設けられている。しかし、後述する医療費算出サーバからのアクセスが可能であれば、どのコンピュータネットワーク上にあっても良い。
(医療費算出サーバ)
上述の如く、医療費算出サーバ53は、実績情報データべース57内の医療機関実績情報(以下、実績情報)を取得する機能を有する。医療費算出サーバ53の構成は、例えば図41に示すようである。
図41は、第9の実施形態に係る医療費算出サーバ53の概略構成を示している。同図に示した医療費算出サーバ53には、図32に示した医療費算出サーバ53の構成に、さらに医療機関実績情報送信手段542(以下、実績情報送信手段542)と、医療機関実績情報取得手段543(以下、実績情報取得手段543)が追加されている。
実績情報送信手段542は、実績情報データベース57から、医療機関実績情報を取得する。
実績情報取得手段543は、実績情報送信手段542が取得した医療機関実績情報を呈示端末81に送信する。
(呈示端末)
呈示端末81は、医療費算出サーバ53から送信された医療機関に関する実績情報を受信し、呈示する機能を有する。呈示端末81の構成は、例えば図42に示すようである。
図42は、第7の実施形態に係る呈示端末81の概略構成を示している。同図に示すように、呈示端末81は、図35で示した構成に加えて、医療機関実績情報受信手段809(以下、実績情報受信手段809)と、医療機関実績情報呈示手段810(以下、実績情報呈示手段810)とを具備している。
実績情報受信手段809は、医療費算出サーバ53から送信された医療機関実績情報を受信する。
実績情報呈示手段810は、実績情報受信手段809によって受信された医療機関実績情報を呈示する。
図43は、実績情報呈示手段810によって呈示される医療機関実績情報の一例を示している。同図に示すように、医療機関実績情報は、医療機関毎の医療費負担割合情報に付加する形で表示されることが好ましい。
以上述べた構成によれば、医療費負担割合という金銭的な情報だけでなく、医療機関の治療実績や、各医療機関の特徴をあらわす情報を一元的に提供することにより、医療受給者はより適切な医療機関を選択することが可能になる。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば以下に示すように、その要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
(1)上記各実施形態で示した医療費算出サーバ53は、論理的なサーバであっても良い。すなわち、医療費算出サーバの各手段は必ずしも1台のコンピュータ上にある必要なく、各実施例で説明した医療費算出サーバの各手段は、相互に接続されたコンピュータ上に分散して配置されても良い。
(2)第4のシステム或いは第5のシステム上に設けられる端末は、上述したプログラムをダウンロードする必要のない、専用端末であってもよい。
(3)第3乃至第5の実施形態の各実施形態において、医療費算出サーバ53の負担額算出情報変更手段536が、データベース(健康情報、受診履歴情報)の内容に応じて負担額算出情報データベースの内容を更新する構成を説明した。この更新のタイミングについては、請求医療費を算出する時(負担額算出情報データベースからデータが取得される時)でも、健康情報、受診履歴情報データベースの内容が変更された時点でも、予め定められた任意の時刻でも良い。
(4)第6又は第7の実施形態において、医療費算出サーバ53の負担額算出情報変更手段536が、データベース(健康情報、受診履歴情報)の内容に応じて負担額算出情報データベース50内容を更新することを説明した。この更新は、必ずしも負担額算出情報変更手段536が負担額算出情報データベース53の内容を直接更新する必要はない。例えば、負担額算出手段534が、負担額算出情報データベース50の内容及び、健康情報、受診履歴情報から動的に請求医療費の算出を行っても良い。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
31…医療費データベース、32…医療費管理サーバ、50…医療費算出情報データベース、51…医療機関情報データベース、52…決済実績情報データベース、53…医療費算出サーバ、54…健康情報データベース、55…受診履歴情報データベース、70…負担者側端末、80…健康管理者端末、81…医療費負担割合呈示端末、300…可搬型電子記憶媒体読み出し装置、301…可搬型電子記憶媒体、530、800…CPU、531…医療費請求受け付け手段、532…医療費算出手段、533…医療費支払い手段、534…負担額算出手段、535…医療費請求手段、536…算出情報受付手段、537…健康情報登録手段、538…受診履歴登録手段、541…負担割合送信手段、543…医療機関実績情報取得手段、801…医療受給者情報受け付け手段、802…受給者情報送信手段、803…負担割合呈示請求送信手段、804…負担割合受信手段、805…負担割合呈示手段、806…負担割合検索条件指定手段、809…医療機関実績情報受信手段、810…医療機関実績情報呈示手段