JP2008015821A - レセプト債権管理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくともレセプト帳票の状態履歴と前記レセプト帳票にかかわる訂正履歴を保持する記録保持手段と、前記記録保持手段に、前記レセプト帳票の状態履歴と訂正履歴を記録する記録手段を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
医療機関は、月初めになると前月分の診療に係るレセプト帳票を作成して、各県ごとに設置された審査支払機関(社会保険を適用する診療行為については社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」と略記する)、国民健康保険を適用する診療行為については(国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」と略記する))へ送付する。なお、レセプト帳票が支払基金に送付された場合も、国保連合会に送付された場合も、基本的な処理の流れは同一であるので、以降は、支払基金に送付された場合について説明する。
受領できないほどの瑕疵がない場合には、一部の不適切な診療内容に査定結果を付し減額すべき額を、請求先健保組合(健康保険組合)別に仕分けして、各健保組合へ送付する。
健保組合は、全国の支払基金から送付されたレセプトを、組合員別に纏め、レセプトに記載の診療行為が適切か否か(例えば同一組合員に対して、同日に札幌と沖縄で手術が行われていれば、少なくとも一方のレセプトが不適切である)査定を行う。このように、支払基金による査定に加え、健保組合における査定を行ない、以上の査定による減算を行った結果、決定した金額を支払基金に対して支払う。
なお、各医療機関に査定結果についての反論、訂正の機会を与えるため、支払基金および健保組合でなされた査定内容は、支払基金を経由して医療機関に送付される。
また、医療機関は、返戻措置や査定内容に承服するが、事務手続き上の瑕疵に過ぎず、レセプトの訂正によって請求可能と判断した場合には、レセプトを訂正した上で、支払基金に対して再審査請求を行うことができ、請求が認められれば、査定によって不払いまたは減額されていた金額が、健保組合から支払基金経由で支払われる。
このため、医療機関における、返戻、査定、再審査請求等に係るレセプトの管理については、殆どコンピュータ化された例が存在しない。
最近になって、特許文献1において、審査支払機関から送付された増減点連絡書等に記載されている患者名、査定情報等をコンピュータに入力し、これを登録して、再審査請求対象となりうるレセプトの一覧表を作成するシステムが記載されている程度である。
医療機関は、大病院と言われるところであっても、その収益力については、一般の企業規模と比較すれば中小企業であり、診療報酬請求を一刻も早く現金化したいと望んでいる。特に、医療機関における診療費のうち、会計窓口で患者から受け取る金額は3割程度に過ぎず、医療機関の収益の大部分が診療報酬請求によるため、この希望は切実である。
このため、医療機関が、診療報酬請求を受けた場合に他者にその全額を支払うことを約束して、当該他者から診療報酬請求時点で(査定前に)対価を受けるという取引が一般的に行われるようになってきている。そして、このような取引は、医療機関が将来有するはずの、レセプトに係る債権を譲渡しているかのような外観を呈するため、「レセプト債権の売掛」「レセプト債権のファクタリング」などと称されている。
一方、医療機関としては、できるだけ実際に支払われる金額に近い額で譲渡したいと望む。このため、「レセプト債権」の売買額は、過去における査定等の実績を反映して決められることになり、また売買後の査定等の結果が、以降の売買金額に影響を与えることになる。
例えば、特許文献2には、医療機関が作成したレセプトに係る電子データについて、審査支払機関が行う審査内容に類似した評価を行ない、これによって査定等による減算率を予測するというシステムが開示されている。
また、特許文献3には、査定等による減算率、返戻率等に加えて、当該医療機関存在地域の人口動態、医療機関に勤務する医師の評判等から医療機関の格付けを行ない、これらによって買い取り価格を決定するというシステムが開示されている。
また、特許文献4には、介護保険に係る報酬請求について、減算率によって予測最終買い取り価格を計算した上で、まず予測最終買い取り価格の8割程度を介護機関に支払い、審査請求は買い取り者自身が行ない、審査結果が確定した段階で残額を清算するというシステムが開示されている。
さらに、特許文献5には、予め審査支払機関から、医療機関毎の最新の査定情報を継続的に入手しておき、これによって医療機関毎に査定等による減算率を把握しておくことで、正確な査定を行うというシステムが開示されている。
即ち、医療機関が審査支払機関からの返戻、査定等の通知を放置する場合には、査定結果金額は予想よりも減少する。
一方、審査支払機関からの返戻、査定等の通知に対して、医療機関が最大限の努力を行って再審査請求による反論、レセプト訂正等を行った場合には、査定結果金額の減少を最小限に抑えることが出来る。
ここで、「レセプト債権」の価格を審査請求時点で決定して支払う場合には、医療機関としては、面倒な再審査請求を行っても収入が増加することはなく、従ってむしろ今後新たに審査請求するレセプトの内容チェックによる請求漏れ防止や、患者サービスの向上による来院者数増加に努力を尽くしたほうが良いという考えになりがちである。
従って、特許文献2に開示されたシステムにおいては、医療機関、審査支払期間の双方が努力を尽くすと言う前提の下で査定結果金額を予測する場合には、実態よりも高い買い取り価格を算定する場合が生じ、また医療機関が努力を尽くさないという前提で予測する場合には、不当に低い買い取り価格を算定するという結果になる。また、特許文献3に開示されたシステムも、同様の問題を有している。
しかしながら、仮に介護機関、医療機関以外の者による介護・診療報酬請求を可能とする法改正がなされたとしても、現実に介護・診療を行っていないものが、査定、返戻の通知に対して適切な対応が可能であるとは考えられない。
この点、特許文献5に開示されたシステムにおいては、査定実績を将来の買い取り価格に反映する点で、医療機関の努力を促すという効果を有する。しかしながら、最新といえども過去の査定実績に基づいた買い取り価格が算定されるため、査定実績が常に数ヶ月遅れで反映されることになる。また、新規開業した医療機関については当初の数ヶ月間は推定によって買い取り価格を算定するほかない。以上の点で「現時点」における、適正な買い取り価格であるとは言えず、医療機関との間でトラブルが発生する可能性を有する。
即ち、診療報酬請求時のレセプト内容から査定結果を予測するだけではなく、診療報酬請求後に行われた、医療機関による査定、返戻レセプトに対する措置や、再審査請求の状況等を把握し、これらの措置が適切に行われているかを監査することが可能なシステムが必要であると考えられる。
ここで、診療報酬請求後のレセプト管理を行うシステムとしては、特許文献1に開示されたシステムがある。このシステムは、医療機関が査定結果情報を入力し、診療科別等に分類して一覧表を出力できるという機能を有している。
しかしながら、レセプト債権の譲受者としては、返戻、査定等に対して、医療機関が減額を最低限に留めるための努力を行っているかどうか監査する必要がある。また、医療機関としても、返戻、査定への対応を誠実に行っていることをレセプト債権の譲受者に示すことで、その信用を得ることができ、レセプト債権の買い取り価格を増加させることも出来る。このような目的に耐えうるだけの、診療報酬請求後のレセプト管理を行うためには、査定結果についてのレセプト訂正、訂正したレセプトによる再審査請求、再審査請求についての結果把握等、レセプトの状態についての随時の管理を必要とする。
また、診療報酬請求後に行われたレセプトの訂正内容等を履歴管理する必要もある。
図1は、レセプト債権管理システムのシステム構成図である。
本実施形態のレセプト債権管理システムは、債権データ処理装置1と医事会計処理装置9とから構成される。債権データ処理装置1と医事会計処理装置9は通信回線8により、相互に通信可能に接続されている。
医事会計処理装置9には、レセプトファイル2を記録したハードディスク等の記録媒体が接続されている。また、医事会計処理装置9は、レセプト作成手段91およびレセプト送付手段92を備えている。
医事会計処理装置9は、PC(パーソナル・コンピュータ)等により実現することができ、医事会計処理装置9がPCである場合には、レセプト作成手段91およびレセプト送付手段92は、PCの中央処理装置によって実行されるプログラムとして実現することが出来る。
レセプト作成手段91は、図示していない別のファイルに記録されている患者の氏名、性別、生年月日、保険情報および1ヶ月間に行われた診療行為に関する情報等を参照して、レセプトを印刷するために必要な情報を作成し、これをレセプトファイル2に記録する。
レセプト送付手段92は、債権データ処理装置1からの要求を受けて、レセプトファイル2に記録した情報を債権データ処理装置1に送付する。
債権データ処理装置1には入力手段5、表示手段6および印刷手段7が接続されるとともに、レセプト債権ファイル3および査定データファイル4を記録したハードディスク等の記録媒体が接続されている。
また、債権データ処理装置1は、メニュー表示手段10、レセプト取込手段11、データ変更手段12、および帳票印刷手段13を備えている。
入力手段5は、操作者がメニュー表示手段10、レセプト取込手段11、データ変更手段12、および帳票印刷手段13(以下、図1の説明において「各手段」と総称する)を操作するために用いる装置であり、キーボード、マウス等によって実現することが出来る。
表示手段6は、各手段の操作を行うために必要な情報や各手段の処理結果等を表示ための装置であり、CRT、液晶表示手段等によって実現することが出来る。印刷手段7は、各手段の処理結果等を印刷するための装置であり、レーザープリンタ等によって実現することが出来る。
メニュー表示手段10は、操作者によって起動されると、表示手段6にメニュー画面を表示するする。操作者が、入力手段5を使用してメニュー画面に表示されたメニューを選択すると、選択された各メニューに応じて、レセプト取込手段11、データ変更手段12、または帳票印刷手段13が処理を開始する。
レセプト取込手段11は、医事会計処理装置9に対してレセプトファイル2に記録された情報を送付するように要求し、この要求を受けてレセプト送付手段92が送付した情報を受取り、レセプト債権管理を行うために必要な情報を選択して、レセプト債権ファイル3に記録する。
データ変更手段12は、表示手段6に各種の操作用画面を表示し、操作者が入力手段5を使用して入力した情報を元に、レセプト債権ファイル3を更新する。また操作者の操作に応じて、査定データファイル4の作成、更新を行う。
帳票印刷手段13は、操作者が入力手段5を使用して入力した情報を元に、レセプト債権ファイル3を参照して、操作者が要求した帳票を印刷手段7に出力する。
この場合、当該1台のPCに、入力手段5、表示手段6、印刷手段7、およびレセプトファイル2とレセプト債権ファイル3と査定データファイル4を記録した記録媒体が接続される。また、この場合、通信回線8を経由してレセプトファイル2の情報を取得する必要はなくなり、レセプト取込手段11はレセプトファイル2に直接アクセスして、レセプト債権管理を行うために必要な情報を選択し、レセプト債権ファイル3に記録すればよい。従って、レセプト送付手段92は必要なく、レセプト作成手段91、メニュー表示手段10、レセプト取込手段11、データ変更手段12、および帳票印刷手段13があれば必要な機能を実現することが出来る。
レセプトファイル2は、診療年月201、審査支払機関202、レセプト種別203、入外区分204、医科歯科区分205、診療科206、カルテ番号207、請求年月208、患者情報210、保険情報220、病名情報230、摘要欄情報240、および明細欄情報250から構成される。診療年月201、審査支払機関202、レセプト種別203、入外区分204、医科歯科区分205、診療科206、カルテ番号207は、レセプトキー200と総称する。
診療年月201には、当該レコードの対象となっている診療年月が例えば「200607」というように記録される。この例の場合には、当該レコードに記録されている情報が、2006年7月に行われた診療行為に係る診療点数を計算した結果情報等であることを示している。
審査支払機関202には、当該レコードから印刷出力されたレセプト帳票の審査を行う機関を示す識別コードが設定される。現行法令下においては、識別コードとして「1(支払基金)」、「2(国保連合会)」の2種類が存在する。
レセプト種別203には、当該レコードから印刷出力されるレセプト帳票の種類を識別するためのコードが設定される。具体的には「主保険単独」、「公費併用」、「老人保険」等、当該レセプト帳票に関する保険組み合わせの種別が設定される。
入外区分204には、当該レコードが対象としている診療行為が「1(外来)」「2(入院)」のいずれかを示す識別コードが設定される。
医科歯科区分205には、当該レコードが対象としている診療行為が「1(医科)」、「2(歯科)」、「3(調剤)」のいずれに係るものなのかを示す識別コードが設定される。
診療科206には、当該レコードが対象としている診療行為に係る診療科が、例えば「内科」「外科」というように設定される。
カルテ番号207には、当該レコードが対象としている診療行為がいずれの患者に対して行われたものかを示すため、当該患者のカルテ番号が設定される。なお、カルテ番号は、原則として1患者に対して1つだけ付与され、かつ患者ごとに異なっているものとする。
以上のレセプトキー200により、レセプトを印刷すべき帳票の様式等が決定される。
患者情報210には、レセプトキー200に係る患者の氏名、性別、生年月日等の患者属性情報が設定される。また、入院年月日、病棟区分など、入院中患者の診療点数算定に必要な情報も設定される。さらに病床数等、当該患者についての情報ではないが、当該患者の診療点数を算定するために必要なその他の情報も設定される。患者情報210のうち氏名、性別、生年月日等はレセプト帳票の固定欄に印刷される。
より具体的には、例えば、以下のような情報が設定される。
主保険(社保、国保)については、保険者番号、被保険者等の記号、被保険者等の番号、診療実日数、合計点数、請求金額、食事療養の回数、合計金額、請求金額、標準負担額、職務上の事由、証明書番号、保険分の負担金額、国保減免区分、国保減額割合、国保減額金額などが設定される。
老人保険については、保険者番号、被保険者等の記号、被保険者等の番号、診療実日数、合計点数、請求金額、食事療養の回数、合計金額、請求金額、標準負担額、市町村番号、受給者番号、老人減免区分、老人外来金額、老人入院金額などが設定される。
公費については、負担者番号、受給者番号、任意給付区分、診療実日数、合計点数、請求金額、負担金額、公費給付対象外来一部負担金、公費給付対象入院一部負担金、食事療養の回数、合計金額、請求金額、標準負担額などが設定される。
摘要欄情報240には、初診、内服薬、手術等の診療区分別に算定された点数・金額情報が設定される。摘要欄情報240はレセプト帳票の摘要欄に印刷される。
明細欄情報250には、診療内容の詳細情報が、当該診療年月に行われた診療明細の数だけ設定される。例えば、処方された薬品ごとの投与日数、適用される保険、点数・金額等、実際に行われた詳細な診療内容と点数等の情報が設定される。
明細欄情報250はレセプト帳票の明細欄に印刷される。
しかし、医療機関によっては、月半ば過ぎに当月の前半に行われた診療に係る診療情報から、当月前半分のレコードを作成し、翌月の月初に後半分の診療に係る診療情報を参照して前月後半分のレコードを作成するとともに、前月前半分のレコードの更新を行う場合もある。
また、レセプトファイル2の各レコードを作成完了した後で、前月分の診療データの記録漏れに気付き、漏れた診療データを記録した後に、レセプト作成手段91によって、レコードの追加や更新を行う場合もある。
以上の事情により、レセプト取込手段11がレセプトファイル2の情報を取得した後、再度の取得を行うことが必要になる場合がある。
レセプト債権ファイル3は、診療年月301、レセプト通番302、履歴番号303、審査支払機関311、レセプト種別312、入外区分313、医科歯科区分314、診療科315、カルテ番号316、請求年月321、患者情報322、最新レコードフラグ331、処理年月日332、レセプト状態333、削除フラグ334、取込年月日335、コメント情報340、保険情報350、および点数情報360から構成される。診療識別361、使用保険362、および診療点数・金額363から構成される。
診療年月301には、当該レコードの対象となっている診療年月が、例えば「200607」というように記録される。この例の場合には、当該レコードに記録されている点数情報360が、2006年7月に行われた診療行為に係る診療点数を計算した結果情報であることを示している。
レセプト通番302には、診療年月301が同一であるレコードを識別するための通番(1以上の連番)が設定される。
履歴番号303には、診療年月301およびレセプト通番302が同一であるレコードを識別するための通番(1以上の連番)が設定される。
従って、識別キー300によって、レコードを一意に識別することが出来る。なお、識別キー300については、レセプトキー310の説明後に詳細を説明する。
レセプト種別312には、当該レコードから印刷出力されるレセプト帳票の種類を識別するためのコードが設定される。具体的には「主保険単独」、「公費併用」、「老人保険」等、当該レセプト帳票に関する保険組み合わせの種別が設定される。
入外区分313には、当該レコードが対象としている診療行為が「1(外来)」「2(入院)」のいずれかを示す識別コードが設定される。
医科歯科区分314には、当該レコードが対象としている診療行為が「1(医科)」、「2(歯科)」、「3(調剤)」のいずれに係るものなのかを示す識別コードが設定される。
診療科315には、当該レコードが対象としている診療行為に係る診療科が、例えば「内科」「外科」というように設定される。
カルテ番号316には、当該レコードが対象としている診療行為がいずれの患者に対して行われたものかを示すため、当該患者のカルテ番号が設定される。
従って、同じレセプトキー310および診療年月301のレコードを再度取り込んだ場合には、元のレコードはそのまま残して、同じレセプトキー310および診療年月301のレコードを追加作成することが望ましい。
また、レセプトファイル2の情報を1回だけ取得した場合でも、レセプト債権ファイル3の各レコードに、後述する査定、返戻等の結果を反映する場合がある。即ち、レセプト債権ファイル3のレコード内容を変更する場合がある。このような場合にも、変更前の内容はそのままにしておき、変更後の内容で新たなレコードを追加した方が、監査上も好ましい。
ところが、レコードの記録内容を変更せずに、変更後の記録内容を保持するレコードを追加する方式を採用すると、同じ診療年月301およびレセプトキー310のレコードが複数レコード発生することになる。即ち、レセプトファイル2とは異なり、診療年月301およびレセプトキー310の組み合わせでは、レコードを一意に識別することが出来ない。このため、診療年月301、レセプト通番302および履歴番号303を組み合わせて識別キー300とし、これによってレコードが一意に識別することが出来るようにしている。
即ち、レセプト通番302は、「1」を初期値とし、診療年月301が同一のレコードが追加されるたびに1ずつ加算して当該追加レコードに設定される。また、履歴番号303は「1」を初期値とし、元のレコードと診療年月301、レセプト通番302を同じ内容とする新たなレコードが追加されるたびに、1ずつ加算して当該追加レコードに設定される。
従って、診療年月301およびレセプト通番302が同一なレコードであれば、履歴番号303が異なっていても、レセプトキー310は同一である。逆に、診療年月301とレセプトキー310を同じくするレコードのレセプト通番302は、原則として同一である。ただし、後述するように、診療年月301とレセプトキー310の組み合わせが同一であっても、レセプト通番302が異なるという例外的な場合も発生する。
患者情報322には、レセプトファイル2の患者情報210と同じ内容が設定される。
ステータス330は、当該レコードに対する処理状況を示すフラグ等からなり、主として、データ変更手段12が、当該レコードに対してどのような処理を行うべきかを判定するために使用する。
最新レコードフラグ331は、診療年月301とレセプト通番302が同一な1以上のレコードのうち、最新状態のレコードについて「1」、それ以外のレコードについて「スペース」が設定される。診療年月301とレセプト通番302が同一なレコードが複数存在しない場合、即ち1レコードだけ存在する場合には、「1」が設定される。
基本的には、診療年月301およびレセプト通番302が同一なレコードのうち、履歴番号303が最大のレコードの最新レコードフラグ331が「1」になっているが、例えば、最新レコードを作成した処理を、その後取り消した場合には、履歴番号303が最大値でないレコードについて、最新レコードフラグ331に「1」が設定される場合がある。
レセプト状態333には、当該レコードに関するレセプト帳票の状態(「保留」、「取下」、「査定済」等の状態)を識別するコードが設定される。例えば、当該レコードがレセプトファイル2から取り込まれて直接作成された場合には「請求」が設定される。レセプト状態333については、後で詳述する。
削除フラグ334には、当該レコードが有効であるか削除済みであるかを識別するためのコードを設定する。ここで、「当該レコードが削除済み」というのは、当該レコードを作成した処理が、その後に取り消されたということを意味する。削除済みのレコードであれば「1」が、有効なレコードであれば「スペース」が設定される。
コメント情報340には、後述する査定、返戻等の処理において、操作者が入力したコメントが設定される。コメント情報340は表示手段6に表示することができるので、例えば査定入力を行った操作者は、後日、表示されたコメントを見ることで、査定についてどのような対策を行う予定であったかなどを思い出すことが出来る。
点数情報360には、レセプトファイル2の摘要欄情報240、明細欄情報250等に基づいて、診療識別361毎の使用保険362および診療点数・金額363が設定される。
ここで、診療識別361は、初診、内服薬、手術等の診療区分を識別するコードである。
使用保険362は、当該診療識別361の診療行為に対して、いずれの保険組み合わせが適用されるか、即ちいずれの保険者が診療報酬の支払い義務を持つかを識別するための情報であり、保険情報350に記録されている保険のどの保険が、診療点数・金額363の算定に適用されたかを識別するための情報が設定される。
例えば、保険情報350の1番目に記録されている保険者番号が「01123456」であり、3番目に記録されている保険者番号が「29123456」であって、この2つの保険が適用される場合には「0129」のように、適用される保険者番号の上2桁を組み合わせることで、いずれの保険組み合わせが適用されるかを識別することが出来る。
診療点数・金額363は、当該診療識別361の診療行為に対して、当該使用保険362を適用して算定した点数または金額が設定される。診療点数・金額363に点数が設定されているか、金額が設定されているかは、診療識別361および使用保険362によって判定することが可能であるが、この他に点数情報360中に、点数が設定されているか金額が設定されているかを識別するためのコードを設けても良い。
なお、診療識別361が同じであっても使用保険362が異なる複数の保険情報350が発生しうる。ただし、点数情報360中に、診療識別361が同一かつ使用保険362が同一のデータが複数存在することはない。
査定データファイル4は、診療年月401、レセプト通番402、履歴番号403、診療識別411、使用保険412、増減情報413、処理年月日414、状態415、および削除フラグ416から構成される。
診療年月401、レセプト通番402、および履歴番号403は、纏めて識別キー400と総称し、診療識別411、使用保険412、増減情報413、処理年月日414、状態415、および状態415は、査定情報410と総称する。
診療年月401には、当該レコードの対象となっている診療年月が、例えば「200607」というように記録される。この例の場合には、記録されている査定情報410が、2006年7月に行われた診療行為に係る診療点数を査定した情報であることを示している。
レセプト通番402には、診療年月401が同一であるレコードを識別するための通番(1以上の連番)が設定される。
履歴番号403には、診療年月401およびレセプト通番402が同一であるレコードを識別するための通番(1以上の連番)が設定される。
従って、識別キー400によって、レコードを一意に識別することが出来る。
従って、レセプト債権ファイル3と査定データファイル4を別ファイルとするのでなく、レセプト債権ファイル3の各レコード内に査定情報410を記録することも可能である。しかしながら、このようにした場合には、後述するように、査定情報410についての一覧表を印刷出力する場合、レセプト債権ファイル3の全レコードを検索対象としなければならなくなる。
一般に、査定されるレセプト帳票は全体の1〜2割程度以下であるので、レセプト債権ファイル3と査定データファイル4を別ファイルとすることで、査定情報410にかかわるレコード数を抑え、これによって一覧表印刷出力に要する処理時間を短縮することが出来る。
ここで、診療識別411は、初診、内服薬、手術等の診療区分を識別するコードである。コード体系は診療識別361に設定されるコードの体系と基本的に同一である。ただし、一部負担金については、診療内容によって変わる金額ではないため、レセプト債権ファイル3では保険情報350に記録される。一方、査定データファイル4では、一部負担金を増減する査定があった場合、増減金額を査定情報410に記録する。このため、レセプト債権ファイル3では、診療識別361に一部負担金であることを示すコードが設定されることがないのに対し、査定データファイル4では、診療識別411に一部負担金であることを示すコードが設定される場合がある。
使用保険412は、当該診療識別411の診療行為に対して、いずれの保険組み合わせが適用されるか、即ちいずれの保険者が診療報酬の支払い義務を持つかを識別するための情報であり、レセプト債権ファイル3の対応するレコードの保険情報350に記録されている保険のどの保険が、増減情報413に適用されるかを識別するための情報が設定される。例えば、保険情報350の1番目に記録されている保険者番号が「01123456」であり、3番目に記録されている保険者番号が「29123456」であって、この2つの保険が適用される場合には「0129」のように、適用される保険者番号の上2桁を組み合わせることで、いずれの保険組み合わせが適用されるかを識別することが出来る。
処理年月日414には、当該査定情報410が作成された年月日が記録される。従って、いつ、どのような査定処理が行われたかを、後日検証することが出来る。
状態415には、当該査定情報410に関する査定状態(「査定」、「過誤査定」等の状態)を識別するコードが設定される。具体的にどのような条件でどのようなコードが設定されるかについては、後述する各処理の説明において示す。
削除フラグ416には、当該査定情報410が有効であるか削除済みであるかを識別するためのコードを設定する。ここで、「当該査定情報410が削除済み」というのは、当該査定情報410が取り消されたということを意味する。削除済みの査定情報410であれば「1」が、有効な査定情報410であれば「スペース」が設定される。
後述する保留、査定等の処理が行われるたびに、処理の対象となったレコードと診療年月401およびレセプト通番402を同一とし、履歴番号403を+1したレコードが作成される。そして、新たに作成されたレコードのレセプト状態333に、行われた処理に対応するコードが設定される。
なお、図5の「請求状況」欄に記載されている「処理終了」とは、ひとまず必要な処理を終了した状態、換言すれば、当該レコードに対応するレセプト帳票については、操作者が当面何もする必要はないことを示している。「処理要」とは、審査支払機関に、訂正後のレセプト帳票の再提出等が必要であることを示している。「依頼中」とは、審査支払機関に診療報酬を請求済みであるが、その結果の確認が必要であることを示している。また、「処理終了(再審査有)」とは、ひとまず必要な処理を終了した状態ではあるが、査定結果等に不服がある場合は、再審査対象となりうることを示している。
「請求」は、当該レコードが通常のレセプト請求した状態、即ち取込処理を行って審査支払機関に診療報酬を請求した状態であることを示している。
「保留」は、当該レコードについては、意図的に診療報酬を請求しないで保管している状態であることを示している。診療行為全てが記録される前に取込処理を行ったため、請求すべき点数の一部が漏れている場合などに保留処理が行われ、「保留」が設定される
「保留請求」は、「保留」状態だったレコードについて、診療報酬請求を行った状態であることを示している。
「返戻」は、診療報酬請求を行ったが、審査支払機関から請求は認められないとして医療機関にレセプト帳票が返却された状態であることを示している。
なお、「返戻」状態となったレコードについては、後述する請求レセプト一覧表において、「返戻」状態となる前には、請求年月321における請求額が表示されていたはずである。このため、「返戻」状態のレコードについては、請求レセプト一覧表において、請求年月321での減算金額として表示する。
「過誤返戻」は、診療報酬請求を行ない、審査支払機関は請求を認めたが、保険者等から請求は認められないとして医療機関にレセプト帳票が返却された状態であることを示している。
「過誤返戻」状態となったレコードについては、既に審査支払機関からの支払を受けているため、「過誤返戻」状態であることが正しいとするなら(保険者等からの指摘が正しい場合には)、審査支払機関への請求とは別に、不当利得分を返却しなければならなくなる。このため、「過誤返戻」状態のレコードについては、請求レセプト一覧表においては表示せず、過誤レセプト一覧表に表示する。
「過誤返戻請求」は、「過誤返戻」状態だったレコードについて、再度、診療報酬請求を行った状態であることを示している。
「取下げ」は、「取下げ依頼中」状態だったレコードについて、レセプト帳票が返却されてきた状態であることを示している。
「取下げ請求」は、「取下げ」状態だったレコードについて、再度、診療報酬請求を行った状態であることを示している。
「査定」状態となったレコードについては、請求レセプト一覧表において、「査定」状態となる前には、請求年月321における請求額が表示されていたはずである。このため、「査定」状態のレコードについては、請求レセプト一覧表において、査定による増減金額を請求年月321での増減金額として表示する。
「過誤査定」は、診療報酬請求を行ない、審査支払機関からも保険者等からも請求は認められないという指摘は受けず、また、審査支払機関から内容一部不備の指摘も受けなかったが、保険者等からの内容一部不備の指摘により支払いを減額された状態であることを示している。
「過誤査定」状態となったレコードについては、既に審査支払機関からの支払を受けているため、「過誤査定」状態であることが正しいとするなら(保険者等からの指摘が正しい場合には)、審査支払機関への請求とは別に、不当利得分を返却しなければならなくなる。このため、「過誤査定」状態のレコードについては、請求レセプト一覧表においては表示せず、過誤レセプト一覧表に表示する。
「再審査依頼中」は、「査定」または「過誤査定」状態だったレコードについて、審査支払機関へ異議申し立てを行ない、再審査を依頼して結果待ちのであることを示している。
「破棄」は、当該レコードについての診療報酬請求を断念した状態であることを示している。
図6は、レセプト状態の遷移図である。この図を使用して、レセプト債権システムの動作概要を説明する。
まず、レセプトファイル2の情報が取込まれ、レセプト債権ファイル3のレコードが作成される際、レセプト状態333には「請求」が設定される。当該取込が誤りであった場合には、取込の削除を行うと、当該レコードの削除フラグ334に「1」が設定される。
当該レコードについての診療報酬請求をしばらく待ちたい場合には、保留処理を行ない、保留すべきことを指定すると、当該レコードの削除フラグ334に「1」が設定されると共に、レセプト状態333を「保留」とする新たなレコードが作成される。「保留」とした処理が誤りだった場合には、保留取消処理を行うと、図示していないが、当該レコードの削除フラグ334に「1」が設定される。
そして、レセプト状態333を「保留」とする新たなレコードについて、診療報酬請求を行う場合には、保留処理を行ない、請求すべきことを指定すると、当該レコードの削除フラグ334に「1」が設定されると共に、レセプト状態333を「保留請求」とする新たなレコードが作成される。
以上のように、操作者が処理を行うたびに、元のレコードは削除状態となり、新たなレセプト状態333のレコードが作成される。また行った処理を取り消した場合には、レコードを削除するのではなく、削除フラグ334に「1」を設定する。
この方式により、操作者が行った処理の履歴がレセプト債権ファイル3に残されていくのである。
なお、レセプト状態333の遷移等については、以降のそれぞれの処理内容説明において説明する。
債権データ処理装置1において、操作者がレセプト債権管理システムを起動させると、メニュー表示手段10は、表示手段6にメニュー画面を表示し(S701)、操作者からの操作を待つ。
メニュー画面の表示例を図12に示す。
メニュー画面には、終了ボタン121と、1以上の処理ボタン122が表示され、操作者は、入力手段5を使用して、終了ボタン121または処理ボタン122を選択することで、レセプト債権管理システムに各種の処理を実行させることが出来る。
操作者が入力手段5を使用して、メニュー画面に表示された終了ボタン121をクリックするなどの操作を行うと、メニュー表示手段10はこの操作を検知して、処理を終了する(S702)。
即ち、メニュー画面の「レセプト取込」と表示された処理ボタン122が押下された場合には、レセプト取込手段11を起動する。
メニュー画面の「保留」、「返戻」、「取下げ」、「破棄」、「査定」と表示された処理ボタン122のうちのいずれかが押下された場合には、データ変更手段12を起動する。
メニュー画面の「請求レセプト一覧」、「保留レセプト一覧」、「返戻レセプト一覧」、「取下げレセプト一覧」「破棄レセプト一覧」「査定・再審査一覧」「査定増減一覧」と表示された処理ボタン122のうちのいずれかが押下された場合には、帳票印刷手段13を起動する。
起動した各種処理が終了すると、メニュー表示手段10は、再び表示手段6にメニュー画面を表示し(S701)、操作者からの操作を待つ。
レセプト取込処理は、メニュー表示手段10によって起動されたレセプト取込手段11によって行われる。
レセプト取込手段11は、起動されるとまず、表示手段6にレセプトデータ取込画面を表示する(S801)。
図13は、レセプトデータ取込画面の表示例である。
操作者は「審査支払機関」、「入外区分」右側のラジオボタンをクリックして取込対象とすべきレセプトデータの種類を選択し、「請求年月」のテキスト入力フィールドに取込対象とすべきレセプトデータの請求年月を入力する。また操作者は、「重複レセプトの格納方法」右側のラジオボタンをクリックして、レセプトキー310および診療年月301の組み合わせが同一となるレセプトデータを取込んだ場合の処理を指定する。
さらに、操作者は、画面最下部の「取込」「削除」「終了」ボタンを押下することで、レセプト取込手段11が実行すべき処理を指定する。
なお、画面下段の「取込結果」欄はレセプト取込処理の実行結果を表示するための欄であり、レセプト取込手段11起動時には、「新規追加」等の見出し右側のテキストフィールドには、空白が表示される(S801)。
レセプトデータ取込画面において「取込」ボタンが押下された場合(S803)、レセプト取込手段11は、取込処理を実行する(S804)。また、「削除」ボタンが押下された場合(S805)、レセプト取込手段11は、削除処理を実行する(S806)。「終了」ボタンが押下されるまで、以上の処理を継続する。
<取込処理>
レセプト取込手段11は、「審査支払機関」、「入外区分」、「重複レセプトの格納方法」それぞれについて、ラジオボタンの選択が行われているか、また、適切な「請求年月」が入力されているか等をチェックし、必要に応じてレセプトデータ取込画面にエラーメッセージを表示する。
エラーなしの場合は、医事会計処理装置9に、指定された「審査支払機関」、「入外区分」および「請求年月」を送付し、該当するレセプトデータを返送するように依頼する。
レセプト取込手段11は、送付されたレコードの件数が0である場合、レセプトデータ取込画面にエラーメッセージを表示する。
送付されたレコードの件数が1以上の場合、レセプト取込手段11は、送付された各レコードの設定内容から、レセプト債権ファイル3のレコードを作成し、記録する。各項目の設定内容は、レセプト債権ファイル3のデータ構成の説明で記述した通りである。
レコードをレセプト債権ファイル3に記録する際、レセプトキー310および診療年月301の組み合わせが同一であり、かつ最新レコードフラグ331が「1(最新)」、削除フラグ334が「スペース(有効)」であるレコード(以降「重複レコード」と記述する)が存在していない場合には、作成レコードと診療年月301が同一なレコードから、レセプト通番302の最大値を取得し、これを+1カウントアップした値を作成して、作成レコードのレセプト通番302とする。また、作成レコードの履歴番号303に「1」、最新レコードフラグ331に「1(最新)」、処理年月日332に当該処理が行われている年月日、レセプト状態333に「請求」、削除フラグ334に「スペース」、取込年月日335に当該処理が行われている年月日を設定し、レセプト債権ファイル3に追加記録する(以降「新規追加処理」と記述する)。
重複レコードの取込年月日335も同一である場合、当該レコードは既に同日に取込済みであることになる。この場合、下記の処理を行う(以降「履歴追加処理」と記述する)。
即ち、重複レコードの最新レコードフラグ331をスペースに更新する。
次に、重複レコードと診療年月301、レセプト通番302が同一なレコードのうち、履歴番号303の最大値を取得し、これを+1カウントアップした値を作成レコードの履歴番号303とする。また、最新レコードフラグ331に「1(最新)」、処理年月日332に当該処理が行われている年月日、レセプト状態333に「請求」、削除フラグ334に「スペース」、取込年月日335に当該処理が行われている年月日を設定し、レセプト債権ファイル3に追加記録する。
「重複レセプトの格納方法」として「履歴追加」が選択された場合、履歴追加処理を行う。
「重複レセプトの格納方法」として「スキップ」が選択された場合、当該レコードはレセプト債権ファイル3に記録しない(以降「スキップ処理」と記述する)。
「重複レセプトの格納方法」として「新規作成」が選択された場合、重複レコードと診療年月301が同一なレコードのうち、レセプト通番302の最大値を取得し、これを+1カウントアップした値を作成レコードのレセプト通番302とする。また、作成レコードの履歴番号303に「1」、最新レコードフラグ331に「1(最新)」、処理年月日332に当該処理が行われている年月日、レセプト状態333に「請求」、削除フラグ334に「スペース」、取込年月日335に当該処理が行われている年月日を設定し、レセプト債権ファイル3に追加記録する。(以降「重複追加処理」と記述する)。
「新規追加」件数には新規追加処理によって記録されたレコードの件数を表示する。
「履歴追加」件数には履歴追加処理によって記録されたレコードの件数を表示する。
「重複追加」件数には重複追加処理によって記録されたレコードの件数を表示する。
「スキップ」件数にはスキップ処理の対象となり、記録されなかったレコードの件数を表示する。
また、「合計」件数には、「新規追加」件数、「履歴追加」件数、「重複追加」件数、および「スキップ」件数の合計値を表示する。
レセプト取込手段11は、「審査支払機関」、「入外区分」それぞれについて、ラジオボタンの選択が行われているか、また、適切な「請求年月」が入力されているか等をチェックし、必要に応じてレセプトデータ取込画面にエラーメッセージを表示する。
エラーなしの場合は、レセプト取込手段11は、レセプト債権ファイル3に記録されたレコードのうち、審査支払機関311、入外区分313および請求年月321が、選択・入力された「審査支払機関」、「入外区分」および「請求年月」と同一のレコード(以降「削除対象レコード」と記述する)を検索する。
削除対象レコードの件数が“0”である場合、レセプトデータ取込画面にエラーメッセージを表示する。
次に、削除対象レコードの最新レコードフラグ331が「1(最新)」、削除フラグ334が「スペース(有効)」であり、かつ、レセプト状態333に「請求」が設定されている場合、当該レコードの削除フラグ334に「1(削除済み)」を設定して更新する。
更新したレコードの件数が0である場合、レセプトデータ取込画面にエラーメッセージを表示する。
保留処理は、メニュー表示手段10によって起動された、データ変更手段12によって行われる。
データ変更手段12は、メニュー表示手段10から起動される際、メニュー画面で「保留」が押下されたことを示す通知を受け、まず、表示手段6に保留処理画面を表示する(S901)。
図14は、保留処理画面の表示例である。
操作者は「診療年月」「カルテ番号」右側のテキスト入力フィールドに検索対象とすべきレセプト債権ファイル3のレコードの請求年月およびカルテ番号を入力する。
なお、保留処理画面上、「診療年月」「カルテ番号」以外の項目は入力操作できないように初期設定されている。
さらに、操作者は、画面最下部の「検索」「更新」「取消」「終了」ボタンのうち、「検索」ボタンまたは「終了」ボタンを押下することで、データ変更手段12が実行すべき処理を指定する。なお、保留処理画面最下段の、「更新」「取消」ボタンは、初期状態では押下しても何の処理も行わない。このことを操作者に示すために、薄グレー等、「検索」「終了」ボタンとは別の態様で表示される。
保留処理画面において「検索」ボタンが押下された場合(S903)、データ変更手段12は、検索処理を実行する(S904、S905)。「終了」ボタンが押下されるまで、以上の処理を継続する。
以下、検索処理(S904、S905)の詳細な処理内容を説明する。
診療年月、カルテ番号の入力状態を判定し、いずれかが入力されていない場合は、保留処理画面にエラーメッセージを表示する。
診療年月、カルテ番号の両方が入力されている場合、データ変更手段12は、レセプト債権ファイル3に記録されたレコードのうち、診療年月321およびカルテ番号316が、入力された診療年月およびカルテ番号と同一であり、かつ最新レコードフラグ331が「1」であるレコードを検索する。
条件を満たすレコードが存在しない場合、保留処理画面にエラーメッセージを表示する(S904)。
条件を満たすレコードが存在する場合、保留処理画面の「氏名」欄に患者情報322に設定されている患者氏名を表示し、保留処理画面右端の「履歴」欄に、条件を満たすレコードのレセプト状態333を表示する。条件を満たすレコードが複数存在する場合は、その全てについてレセプト通番302の降順、即ち新たに取込まれたレコードから順に、レセプト状態333を表示する。
また、「履歴」欄の先頭に表示されたレコード(以降「表示対象レコード」と記述する)の審査支払機関311、レセプト種別312、入外区分313、医科歯科区分314、診療科315、保険情報350、点数情報360、請求年月321、レセプト状態333、コメント情報340の設定内容を、保留処理画面上の対応する欄に表示する(S905)。
このとき、保留処理画面上の診療年月、カルテ番号欄は入力不可フィールドに変更する。
また、表示対象レコードのレセプト状態333が「請求」、「保留請求」、「取下げ請求」、「返戻請求」、「過誤返戻請求」、「保留」のいずれかである場合には、保留処理画面上の請求年月、コメント情報のテキストフィールド、およびレセプト状態のプルダウンメニューを入力可能なフィールドに変更する。
さらに、「検索」ボタンについては押下しても何の処理も行わないように設定変更し、表示対象レコードのレセプト状態333が上記のいずれかの場合、「更新」「取消」ボタンについては押下すると対応する処理を行うように設定変更する。
操作者が「履歴」欄に表示されたレセプト状態のいずれかを選択した場合、データ変更手段12は、選択されたレセプト状態に係るレコード(以下「選択レコード」と記述する)の審査支払機関311、レセプト種別312、入外区分313、医科歯科区分314、診療科315、保険情報350、点数情報360、請求年月321、レセプト状態333、コメント情報340の設定内容を、保留処理画面上の対応する欄に表示する。
また、選択レコードのレセプト状態333が「請求」、「保留請求」、「取下げ請求」、「返戻請求」、「過誤返戻請求」、「保留」のいずれかである場合には、保留処理画面上の請求年月、コメント情報のテキストフィールド、およびレセプト状態のプルダウンメニューを入力可能なフィールドに変更する。
逆に、選択レコードのレセプト状態333が、上記のいずれでもない場合には、保留処理画面上の請求年月、コメント情報のテキストフィールド、およびレセプト状態のプルダウンメニューを入力不可フィールドに変更する。
さらに、表示対象レコードのレセプト状態333が上記のいずれかの場合、「更新」、「取消」ボタンについては押下すると対応する処理を行うように設定変更し、逆に、選択レコードのレセプト状態333が、上記のいずれでもない場合には、「更新」、「取消」ボタンについては押下しても何の処理も行わないように設定変更する。
また、操作者は、選択レコードのレセプト状態333が「請求」、「保留請求」、「取下げ請求」、「返戻請求」、「過誤返戻請求」、「保留」のいずれかである場合には、保留画面の請求年月、コメント情報、およびレセプト状態を変更入力することができる。
検索結果表示中の保留処理画面において「更新」ボタンが押下された場合(S907)、データ変更手段12は、更新処理を実行する(S908)。「取消」ボタンが押下された場合(S909)は、取消処理を実行する(S910)。「終了」ボタンが押下されるまで、以上の処理を継続する。
<更新処理>
保留処理画面の履歴欄で選択されているレコード(選択レコード)のレセプト状態333と、保留処理画面のレセプト状態プルダウンメニューで指定されたレセプト状態を対比してエラーチェックを行う。
具体的には、選択レコードのレセプト状態333を指定されたレセプト状態に変更することが、状態遷移(図6参照)上、許されているかどうかチェックする。本処理の場合には、選択レコードのレセプト状態333が「請求」、「保留請求」、「取下げ請求」、「返戻請求」、「過誤返戻請求」であり、指定されたレセプト状態が「保留」である場合、又は選択レコードのレセプト状態333が「保留」であり、指定されたレセプト状態が「保留請求」である場合に正常とする。
エラーと判定した場合は、保留処理画面にエラーメッセージを表示する。
エラーなしの場合は、選択レコードの最新レコードフラグ331を「スペース」に更新し、新たに、最新レコードフラグ331が「1」のレコード(以下「更新後レコード」と記述する)を作成し、レセプト債権ファイル3に記録する。「更新後レコード」の各データ項目の設定内容は、次の通りである。
最新レコードフラグ331には「1(最新)」、処理年月日332には処理が行われている現時点の年月日、レセプト状態333には保留処理画面で指定されたレセプト状態、削除フラグ334には「スペース」、コメント情報350には保留処理画面で入力されたコメント情報を設定する。また、保留処理画面で指定されたレセプト状態が「保留請求」である場合には、請求年月321には保留処理画面で入力された請求年月を設定する。
その他のデータ項目には、選択レコードと同一内容を設定する。
また、債権データファイル4に選択レコードの識別キー300と同一識別キー400のレコードが存在する場合、当該レコードの履歴番号403を、更新後レコードの履歴番号303に変更する。
選択レコードが保留処理によって作成されたものであるか(選択レコードのレセプト状態333が「保留」であるか否か)をチェックする。エラーと判定した場合は、保留処理画面にエラーメッセージを表示する。
エラーなしの場合は、選択レコードの処理年月日332に処理が行われている現時点の年月日、削除フラグ334に「1」を設定して、更新する。
次に、選択レコードと診療年月301およびレセプト通番302が同一なレコードのうち、当該取消処理によって最新状態となるレコードを検索する。具体的には、選択レコードの履歴番号303を1ずつ減算して、順次、当該減算後の識別キー300によってレコードを取得し、削除フラグ334が「スペース(有効)」であるレコードを探す。条件を満たすレコードのうち最初に見つかったもの(即ち、有効レコードのうち履歴番号303が最大なレコード)を更新対象レコードとする。また、条件を満たすレコードが存在しない場合(即ち、全てのレコードが「削除済み」の場合)には、履歴番号303が「1」であるレコードを更新対象レコードとする。
次に、更新対象レコードの最新レコードフラグ331を「1」に更新する。
なお、メニュー画面で「返戻」「取下げ」または「破棄」が押下された場合には、図示していないが、データ変更手段12により、表示手段6にそれぞれ返戻処理画面、取下げ処理画面、破棄処理画面が表示される。返戻処理画面、取下げ処理画面の内容は、画面のタイトルが異なる以外は保留処理画面と同一である。
具体的には、更新処理においては、選択レコードのレセプト状態333を指定されたレセプト状態に変更することが、許されているかどうかについてのチェック内容が、状態遷移(図6参照)上、異なっている。
また、取消処理においては、取消対象となるレコードのレセプト状態333が、それそれ「返戻」「取下げ」「破棄」である点が異なっている。
査定処理は、メニュー表示手段10によって起動された、データ変更手段12によって行われる。
データ変更手段12は、メニュー表示手段10から起動される際、メニュー画面で「査定」が押下されたことを通知されると、まず、表示手段6に査定処理画面を表示する(S1001)。
操作者は「診療年月」「カルテ番号」右側のテキスト入力フィールドに査定処理対象とすべきレセプト債権ファイル3のレコードの請求年月およびカルテ番号を入力する。なお、査定処理画面上、「診療年月」「カルテ番号」以外の項目は入力操作できないように初期設定されている。
さらに、操作者は、画面最下部の「査定登録」、「再審査依頼」、「再審査結果」、「修正」、「登録」、「取消」、「終了」ボタンのうち、「査定登録」、「再審査依頼」、「再審査結果」、「修正」のいずれかのボタン(以降「検索用ボタン」と総称する)または「終了」ボタンを押下することで、データ変更手段12が実行すべき処理を指定する。
なお、レセプトデータ取込画面最下段の、「登録」、「取消」ボタンは押下しても何の処理も行わないように初期設定されている。
査定処理画面において検索用ボタンが押下された場合(S1003)、データ変更手段12は、検索用ボタンに対応した処理対象データを検索し(S1004)、検索結果を査定処理画面上に表示する(S1005)。「終了」ボタンが押下されるまで、以上の処理を継続する。
<検索処理>
診療年月、カルテ番号の入力状態を判定し、いずれかが入力されていない場合は、査定処理画面にエラーメッセージを表示する。
診療年月、カルテ番号の両方が入力されている場合、データ変更手段12は、レセプト債権ファイル3に記録されたレコードのうち、診療年月321およびカルテ番号316が、入力された診療年月およびカルテ番号と同一であり、かつ最新レコードフラグ331が「1」であるレコードを検索する。
次に、以上のように検索したレコードのそれぞれについて、レセプト状態333と押下された処理ボタンの種類を対比する。
即ち「査定登録」ボタンが押下された場合は、レセプト状態333が「請求」、「保留請求」、「取下げ請求」、「返戻請求」、「過誤返戻請求」のいずれかであるレコードを対象とする。
「再審査依頼」ボタンが押下された場合は、レセプト状態333が「査定」または「過誤査定」であるレコードを対象とする。
「再審査結果」ボタンが押下された場合は、レセプト状態333が「再審査依頼中」であるレコードを対象とする。
「修正」ボタンが押下された場合は、レセプト状態333が「査定」または「過誤査定」であるレコードを対象とする。
条件を満たすレコードが存在する場合、査定処理画面の「氏名」欄に患者情報322に設定されている患者氏名を表示し、保留処理画面右端の「履歴」欄に、条件を満たすレコードのレセプト状態333を表示する。条件を満たすレコードが複数存在する場合は、その全てについてレセプト通番302の降順、即ち新たに取込まれたレコードから順に、レセプト状態333を表示する。
また、「履歴」欄の先頭に表示されたレコード(以降「選択レコード」と記述する)の審査支払機関311、レセプト種別312、入外区分313、医科歯科区分314、診療科315、請求年月321、レセプト状態333、コメント情報340の設定内容を、査定処理画面上の対応する欄に表示する。さらに、査定情報履歴欄1501、および査定情報入力欄1502の表示を行う(S1005)。
具体的には、査定情報410を記録されている数(t)だけ、記録順に査定情報履歴欄1501に表示する。ただし、削除フラグ416が「1」(削除済み)である査定情報410は表示対象としない。従って、操作者は査定情報履歴欄1501右のスクロールバーを操作することで、全ての有効な査定情報410を表示させることが出来る。
ここで、「番号」欄には当該情報が査定情報410の何番目に設定されているかを示す番号(1〜t)を表示する。「修正」、「削除」欄は、後述するように操作者が入力手段5を使用して選択(クリック)する部分であり、押下された処理ボタンにより表示内容等を変更する。即ち「査定登録」「再審査依頼」「再審査結果」ボタンが押下された場合は、空白を表示し、表示した査定情報に対する修正、削除処理を実行不能とする。
「修正」ボタンが押下された場合は、それぞれ「修正」、「削除」という文字を表示し、当該査定情報に対する修正、削除処理を実行可能とする。
「処理日」、「状態」、「診療識別」、「増減情報」、「使用保険情報」の各欄には、それぞれ、処理年月日414、状態415、診療識別411、増減情報413、使用保険412の設定内容を設定する。
また、査定情報入力欄1502の「診療識別」、「増減情報」、「使用保険情報」の各欄には、空白を表示する。
このとき、査定処理画面上の診療年月、カルテ番号欄は入力不可フィールドに変更し、レセプト状態のプルダウンメニュー、およびコメント情報のテキストフィールドを入力可能なフィールドに変更する。また、各検索用ボタンについては押下しても何の処理も行わないように設定し、逆に「登録」「取消」ボタンについては押下すると対応する処理を行うように設定する。
操作者は、査定処理画面上の「履歴」欄に表示された各レコードのレセプト状態を入力手段5で選択(クリック)することができる。
操作者が「履歴」欄に表示されたレセプト状態のいずれかを選択した場合、データ変更手段12は、選択されたレセプト状態に係るレコード(以降はこのレコードを「選択レコード」と記述する)の審査支払機関311、レセプト種別312、入外区分313、医科歯科区分314、診療科315、請求年月321、レセプト状態333、コメント情報340の設定内容を、査定処理画面上の対応する欄に表示する。さらに、査定情報履歴欄1501、および査定情報入力欄1502の表示を行う。
このようにして、操作者は各レコードについての査定情報410等を表示させて、その設定内容を確認することが出来る。
新たな査定情報を登録したい場合には、査定情報入力欄1502の診療識別欄に登録したい査定情報の診療区分(初診、内服薬、手術等の区分)を示すコードを入力し、使用保険情報欄に適用すべき保険の組み合わせを入力する。
具体的には、例えば選択レコードに係る保険者番号等が「01123456」「29123456」「70123456」の3保険である場合に、この3保険全てが適用されるのであれば「012970」というように保険者番号の上2桁を組み合わせて入力すればよい。またはこのようにしないで、主保険のみ適用の場合には「1」、主保険と第1公費併用の場合には「2」というように保険組み合わせに対応するコードを、システムで定めておき、これを入力させるようにしても良い。
増減情報欄には当該診療区分および使用保険情報に係る増減点数または増減金額の値を「140」、「―100」というように入力する。この入力値が点数を示しているのか金額を示しているのかの別は、診療区分および使用保険情報によって一意に判定することが可能である。
「処理日」には、査定処理が行われている現在の年月日、「状態」には空白、「診療識別」「増減情報」「使用保険情報」の各欄には、それぞれ査定情報入力欄1502入力された値を設定する。
ただし、査定情報入力欄1502の使用保険情報として、「1」(主保険のみ適用)、「2」(主保険と第1公費併用)といった保険組み合わせに対応するコードが入力させた場合には、入力コードを保険者番号上2桁の組み合わせに変換した値(例えば「012970」)を「使用保険情報」に設定する。
査定情報履歴欄1501に表示された査定情報のうち、「修正」欄に「追加」または「修正」と表示されている情報については、査定内容を変更することが出来る。即ち、操作者が変更したい査定情報の「修正」欄に表示されている文字を選択(クリック)すると、データ変更手段12は、当該査定情報の診療識別、増減情報に設定されている値を査定情報入力欄1502の「診療識別」「増減情報」に表示する。また、使用保険情報に設定されている保険の組み合わせを示す情報を、査定情報入力欄1502の「使用保険情報」に表示する。
このとき、データ変更手段12は、「診療識別」、「使用保険情報」を入力不可フィールドとする。従って、操作者は査定情報入力欄1502のうち、「増減情報」のみを変更することができる。
操作者が、増減情報を入力して、査定情報入力欄1502の「追加」ボタンを選択(クリック)すると、データ変更手段12は、入力された増減情報の内容が妥当かどうかを判定し、エラーの場合には、査定処理画面にエラーメッセージを表示する。エラーなしの場合には、査定情報履歴欄1501の対応する査定情報の増減情報を、査定情報入力欄1502の「増減情報」に入力された値で置き換え、修正欄の表示内容が「追加」である場合には「修正」に変更して表示する。同時に、「診療識別」「使用保険情報」欄を入力可能フィールドに戻す。
査定情報履歴欄1501に表示された査定情報のうち、「削除」欄に「削除」と表示されている情報については、査定内容を削除することが出来る。即ち、操作者が削除したい査定情報の「削除」欄に表示されている文字を選択(クリック)すると、データ変更手段12は、当該査定情報を査定情報入力欄1502から削除する。
一方、「再審査結果」「再審査依頼」「修正」処理中の場合には、レセプト状態は一意に定まるので、選択することは出来ない。コメント情報については、いずれの処理中であっても自由に入力することが出来る。
「登録」ボタンが押下された場合(S1007)、データ変更手段12は、登録処理を実行する(S1008)。「取消」ボタンが押下された場合(S1009)は、取消処理を実行する(S1010)。「終了」ボタンが押下されるまで、以上の処理を継続する。
<登録処理>
選択レコードの最新レコードフラグ331を「スペース」に更新し、新たに、最新レコードフラグ331が「1」のレコード(以下「更新後レコード」と記述する)を作成し、レセプト債権ファイル3に記録する。「更新後レコード」の各データ項目の設定内容は、次の通りである。
選択レコードと診療年月301およびレセプト通番302が同一なレコードのうち、履歴番号303の最大値を取得し、これを+1カウントアップして、更新後レコードの履歴番号303に設定する。
最新レコードフラグ331には「1(最新)」、処理年月日332には処理が行われている現時点の年月日、レセプト状態333には査定処理画面で指定されたレセプト状態、削除フラグ334には「スペース」、コメント情報350には査定処理画面で入力されたコメント情報を設定する。その他のデータ項目には、選択レコードと同一内容を設定する。
査定情報410のうち、削除フラグ416が「1」であるもの(即ち、査定情報履歴欄1501に表示されていない査定情報410)については、更新を行わない。
また、査定情報410に記録されていないもの(即ち、査定情報履歴欄1501に新たに追加表示されている査定情報)については、査定情報410として追加設定する。この時、診療識別411、使用保険412、増減情報413には、それぞれ査定情報履歴欄1501に表示されている情報を設定し、処理年月日414に処理が行われている現時点の年月日を、状態415に査定処理画面で指定されたレセプト状態を、削除フラグ416には「スペース」を設定する。
選択レコードの処理年月日332に処理が行われている現時点の年月日、削除フラグ334に「1」を設定して、更新する。
次に、選択レコードと診療年月301およびレセプト通番302が同一なレコードのうち、当該取消処理によって最新状態となるレコードを検索する。
具体的には、選択レコードの履歴番号303を1ずつ減算して、順次、当該減算後の識別キー300によってレコードを取得し、削除フラグ334が「スペース(有効)」であるレコードを探す。条件を満たすレコードのうち最初に見つかったもの(即ち、有効レコードのうち履歴番号303が最大なレコード)を更新対象レコードとする。また、条件を満たすレコードが存在しない場合(即ち、全てのレコードが「削除済み」の場合)には、履歴番号303が「1」であるレコードを更新対象レコードとする。
次に、更新対象レコードの最新レコードフラグ331を「1」に更新する。
請求レセプト一覧印刷処理は、メニュー表示手段10によって起動された、帳票印刷手段13によって行われる。
帳票印刷手段13は、メニュー表示手段10から起動される際、メニュー画面で「請求レセプト一覧」が押下されたことを通知されると、まず、表示手段6に請求レセプト一覧印刷画面を表示する(S1101)。
図16は、請求レセプト一覧印刷画面の表示例である。
操作者は「審査支払機関」、「入外区分」右側のラジオボタンをクリックして印刷対象とすべきレコードの種類を選択し、「請求年月」のテキスト入力フィールドに印刷対象とすべきレコードの請求年月を入力する。また操作者は、「レセプト状態」欄のチェックボタンをクリックして、印刷対象とするレコードのレセプト状態を指定する。さらに、「出力順」欄に表示される項目を選択することで、印刷対象となるレコードの出力順番を指定することが出来る。
操作者は、画面最下部の「印刷」「終了」ボタンを押下することで、帳票印刷手段13が実行すべき処理を指定する。
請求レセプト一覧印刷画面において「終了」ボタンが押下された場合(S1102)、帳票印刷手段13は処理を終了し、メニュー表示手段10に制御を戻す。なお、この結果、表示手段6には、メニュー画面が表示される。
請求レセプト一覧印刷画面において「印刷」ボタンが押下された場合(S1103)、帳票印刷手段13は、印刷対象データを検索し(S1104)、対象データを編集・出力する(S1105)。「終了」ボタンが押下されるまで、以上の処理を継続する。
<印刷処理>
帳票印刷手段13は、「審査支払機関」、「入外区分」それぞれについて、ラジオボタンの選択が行われているか、適切な「請求年月」が入力されているか、レセプト状態が最低1つ選択されているか、また、出力順欄が選択されているか等をチェックし、必要に応じて請求レセプト一覧印刷画面にエラーメッセージを表示する。
エラーなしの場合、帳票印刷手段13は、レセプト債権ファイル3に記録されたレコードのうち、審査支払機関311、入外区分313、および請求年月321が、選択された審査支払機関、入外区分、および請求年月と同一であり、最新レコードフラグ331が「1」であり、削除フラグ334が「スペース」であり、かつ、レセプト状態333が選択されたレセプト状態のうちの一つと同一であるレコードを検索する。
なお、レセプト状態として「請求」を選択した場合には、レセプト状態333が「請求」のレコード、「保留」を選択した場合には「保留請求」のレコード、「返戻」を選択した場合には「返戻請求」のレコード、「過誤」を選択した場合には「過誤返戻請求」のレコード、「取下」を選択した場合には「取下げ請求」のレコードが対象となる。
条件を満たすレコードが存在する場合、当該レコードを出力順欄が選択された項目の順にソートし、各レコードに設定された内容を請求レセプト一覧表として編集出力する。S1104)。
図17に、請求レセプト一覧帳票の出力例を示す。
なお、メニュー画面で「保留レセプト一覧」、「返戻レセプト一覧」、「取下げレセプト一覧」、「破棄レセプト一覧」または「査定・再審査一覧」が押下された場合には、図示していないが、帳票印刷手段13により、表示手段6にそれぞれ保留レセプト一覧印刷画面、返戻レセプト一覧印刷画面、取下げレセプト一覧印刷画面、破棄レセプト一覧印刷画面、査定・再審査レセプト一覧印刷画面が表示される。
各画面の内容は、画面のタイトルが異なり、レセプト状態の選択対象が異なる以外は請求レセプト一覧印刷画面と同一である。
即ち、「保留レセプト一覧」についてはレセプト状態333が「保留」のレコードが対象となり、「返戻レセプト一覧」については「返戻」または「過誤返戻」のレコードが、「取下げレセプト一覧」については「取下げ依頼中」または「取下げ」のレコードが、「破棄レセプト一覧」については「破棄」のレコードが、「査定・再審査レセプト一覧」については「査定」、「過誤査定」、「再審査依頼中」または「再審査結果」のレコードが対象となる。
帳票印刷手段13は各画面で押下されたボタンに応じて、「印刷」、「終了」の各処理を実行する。各処理の実行内容は、編集出力対象とするレセプト状態333についての判定が異なるほかは、請求レセプト一覧印刷画面から実行される「印刷」、「終了」の各処理と同一である。
印刷出力される帳票の内容も、帳票のタイトル、印刷出力対象となるレコードが異なるほかは、請求レセプト一覧帳票と同じである。
即ち、「査定増減一覧」についてはレセプト状態333が「査定」、「過誤査定」、「再審査結果」のレコードが対象となる。
帳票印刷手段13は各画面で押下されたボタンに応じて、「印刷」、「終了」の各処理を実行する。
終了処理の実行内容は、請求レセプト一覧印刷画面から実行される終了処理と同一である。
印刷処理の実行内容は、下記の点が、請求レセプト一覧印刷画面から実行される印刷処理と異なり、その他については同一である。
まず、検索対象となるのは、レセプト状態333が「査定」、「過誤査定」、「再審査結果」のいずれかのレコードである。
次に、対象となるレコードが見つかったら、査定データファイル4から識別キー300と同一識別キー400のレコードを参照し、増減情報413の合計を一覧表情に編集出力する。この時、対象となるレコードの中で、診療年月401とレセプト通番402がともに等しいレコードについては、増減情報413を合算して編集出力する。
図18に、査定増減一覧帳票の出力例を示す。
印刷出力される帳票の内容については、帳票のタイトル、印刷出力対象となるレコードが異なるほかは、請求レセプト一覧帳票と同じである。
図19は、他の実施形態に係るレセプト債権管理システムのシステム構成図である。
レセプト債権管理システムは、管理センタ14と1以上の医療機関15を通信回線8で接続したシステムである。
各医療機関15には、医事会計処理装置9が存在する。医事会計処理装置9には、入力手段5、表示手段6および印刷手段7が接続されるとともに、レセプトファイル2を記録したハードディスク等の記録媒体が接続されている。また、医事会計処理装置9は、レセプト作成手段91およびレセプト送付手段92を備えている。レセプトファイル2には、審査支払機関に提出するためのレセプト帳票を印刷するために必要な情報が記録されている。
入力手段5は、各医療機関の操作者が、債権データ処理装置1のメニュー表示手段10、レセプト取込手段11、データ変更手段12、および帳票印刷手段13(以下、図19の説明において「各手段」と総称する)を操作するために用いる装置であり、キーボード、マウス等によって実現することが出来る。
表示手段6は、各手段の操作を行うために必要な情報や各手段の処理結果等を表示ための装置であり、CRT、液晶表示手段等によって実現することが出来る。
印刷手段7は、各手段の処理結果等を印刷するための装置であり、レーザープリンタ等によって実現することが出来る。
レセプト作成手段91、レセプト送付手段92の機能は、前述した実施形態と同じである。
レセプト債権ファイル3には、レセプト毎に請求点数等の情報が記録される。査定データファイル4には、審査支払機関等がレセプトを査定した結果の請求点数等の情報が、レセプト毎に記録される。
メニュー表示手段10、レセプト取込手段11、データ変更手段12、帳票印刷手段13の機能は、前述した実施形態と同じである。
各ファイルのデータ項目も基本的には、前述した実施形態と同じであるが、以下の点で異なる。即ち、レセプト債権ファイル3、査定データファイル4ともに、識別キーの一部として医療機関コードを有する。つまり、識別キー300は、医療機関コード、診療年月301、レセプト通番302、履歴番号303を組み合わせたものであり、識別キー400は、医療機関コード、診療年月401、レセプト通番402、履歴番号403を組み合わせたものである。
医療機関コードを医療機関15毎に異なった内容とすることで、各病院に係るレコードを正しく処理することが出来る。
図示していないが、債権データ処理装置1には、入力手段、表示手段等を備えることができる。そして、管理センタ14では、各医療機関から前月分のレセプト帳票を審査支払機関に送付したという連絡を受けた後、レセプト債権ファイル3に記録された当該医療機関に係るレコードから、診療報酬請求全てが認められた場合に、当該医療機関に支払われることになる金額を算定することが出来る。
即ち、管理センタ14の操作者が、入力手段を操作して医療機関コードおよび請求年月を入力すると、債権データ処理装置1は、レセプト債権ファイル3に記録されたレコードから、医療機関コードおよび請求年月321が入力値と同一で、最新レコードフラグ331が「1」、削除フラグ334が「スペース」であり、かつ、レセプト状態333が「請求」「保留請求」のいずれかであるレコードを検索する。そして、検索条件に該当するレコードの点数情報360から診療報酬請求額を計算して、該当全レコード分合算して、表示手段に表示する。この表示金額は、診療報酬請求全てが認められた場合に、当該医療機関に支払われることになる金額を示している。従って、管理センタ14では表示金額および、返戻、査定等についての予測減額率から、適切な買取価格を決定することが出来る。
また、各医療機関では、審査支払機関に、レセプト帳票とともに、当該レセプト帳票に係る診療報酬請求額の合算帳票(「総括表」)を送付する定めになっている。よって、管理センタ14では、医療機関から総括表の写しを送付してもらい、表示金額と一致するかどうかを確認することで、各医療機関におけるレセプト債権ファイル3に記録された情報が、実際に診療報酬請求内容と合致しているか、監査することが出来る。
さらに、レセプト債権ファイル3および査定データファイル4により、各返戻、査定レセプトについて、医療機関がどのような処理を行ったのか、削除処理も含めた処理履歴を調査し、各返戻、査定レセプトについて、適切に対応されているかどうか、監査することも出来る。
Claims (1)
- 少なくともレセプト帳票の状態履歴と前記レセプト帳票にかかわる訂正履歴を保持する記録保持手段と、前記記録保持手段に、前記レセプト帳票の状態履歴と訂正履歴を記録する記録手段とを有することを特徴とするレセプト債権管理システム。
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