JP4549631B2 - 振出式シャープペンシル - Google Patents

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JP4549631B2 JP2003050170A JP2003050170A JP4549631B2 JP 4549631 B2 JP4549631 B2 JP 4549631B2 JP 2003050170 A JP2003050170 A JP 2003050170A JP 2003050170 A JP2003050170 A JP 2003050170A JP 4549631 B2 JP4549631 B2 JP 4549631B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量体の慣性力によりチャックを前進させて芯を繰り出す振出式シャープペンシルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の振出式シャープペンシルは、チャックに連結されるコネクターの後部が円筒状に形成され、このように構成された後部に圧入等によって芯タンクが固着されるものであった。(特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2606820号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の振出式シャープペンシルは、重量体がコネクターの外鍔に当接した時の衝撃でコネクターの外鍔と芯タンクの前端に隙間が発生し、最悪の場合はコネクターから芯タンクが外れてしまう恐れがあった。また、外れない場合でも、軸筒から口金を外し、チャック、コネクター及び芯タンクといった部材からなる機構部を軸筒から外した時に、コネクターから芯タンクが外れてしまう恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解消する振出式シャープペンシルを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軸筒を振ることにより生じる重量体の慣性力によりチャックを前進させて芯を繰り出す振出式シャープペンシルにおいて、チャックに連結されるコネクターの後部に外鍔を形成し、このコネクターの後部に芯タンクを圧入固着するとともに芯タンクよりコネクターを硬く構成し、かつ、前記芯タンクの後端と押圧部材の段部を適宜離間して構成し、芯タンクの前端と接触するコネクターの段部から外鍔までの距離を、チャックが芯を保持した状態の芯タンクの後端から押圧部材の段部までの離間距離より大きく設定することにより、重量体がコネクターの段部に当接した衝撃でコネクターの段部と芯タンクの前端に隙間が発生しても、その隙間はコネクターの段部から外鍔までの距離以内となるように構成し、押圧部材を前進させた時には押圧部材の段部が芯タンクの後端に当接し、押圧部材とともに芯タンク、コネクター及びチャックが前進することを第1の要旨とする。
【0007】
また、コネクターの後部に外鍔を2個形成し、芯タンクの前端と接触するコネクターの段部から長手方向後方側に位置する外鍔までの距離を、チャックが芯を保持した状態の芯タンクの後端から押圧部材の段部までの距離より大きく設定したことを第2の要旨とする。
【0008】
【実施例】
以下、図1、図2、図3及び図4に基づいて本発明の振出式シャープペンシルを説明する。尚、図1の左側を前方とし、右側を後方とする。先ず、黄銅等からなる金属製のチャック1の後部にポリアセタール製のコネクター2を圧入固着する。このコネクター2は図5に示したように、略中間部に鍔部2Aを形成し、この鍔部2Aの後部2Bに前方面が垂直で後方面が傾斜した外鍔2Cを形成する。
尚、コネクター2の段部は鍔部2Aにより兼用される。このコネクター2の後部2Bをポリプロピレン製のパイプ材からなる芯タンク3の前部に圧入固着し、コネクター2の鍔部2Aが芯タンク3の前端に接触する。ポリアセタール製のコネクター2の方がポリプロピレン製の芯タンク3より硬いのでコネクター2が芯タンク3に強固に連結できる。更に、チャック1の頭部1Aには締リング4が外嵌され、締リング4を受け止める連結具5とコネクター2の間にスプリング6が張架される。
【0009】
軸筒7の前部孔7Aを前記芯タンク3及びコネクター2が挿通可能に構成する。更に、軸筒7の前部細径部7Bに滑り止め用のゴムグリップ8を外嵌する。この軸筒7の前方より芯タンク3を挿入し、軸筒7の前端と軸筒7の前端に螺合された口金9の内段9Aにより連結具5を挟持する。また、口金9の後端と軸筒7の外段7Cによりゴムグリップ8を挟持する。口金9には芯10を適宜の力で保持するゴム等の弾性体で構成された芯ホルダー11が内蔵される。
【0010】
重量体12は金属製の筒体で構成され、この重量体12を軸筒7の後端より開口されかつ前記前部孔7Aより太径に構成された内孔7Dに摺動可能に内蔵する。この重量体12の貫通孔12Aに前記芯タンク3が挿通される。
【0011】
図6に示した頭冠13は、上側にクリップ14を一体に形成するとともに、前部に細径部13Aを形成する。この細径部13Aの外周面には前記クリップ14の真下に位置して突起13Bを形成するとともに、細径部13Aの両側部に長手方向に伸びた開口窓13Cを対向して形成し、突起13Bが位置する細径部13Aが適宜弾性変形可能に構成する。この頭冠13には、前部内側に芯タンク3の横振れを防止するための内鍔13Dが形成されるとともに、後部内側にはリターンスプリング15を当接するための段部13Eが形成される。更に、頭冠13の後部孔13Fの上下には、前記開口窓13Cと軸心に対して90度ずれた位置にキー溝13Gが対向して形成されている。
【0012】
また、図7及び図8に示したように、押圧部材16の前部筒16A外周面の両側にはそれぞれ突起16Bが形成されるとともに、前部筒16Aの上下に開口窓16Cが対向して形成され、突起16Bが位置する前部筒16Aが弾性変形可能に構成されている。この押圧部材16の後部には外鍔部16Dが形成され、該外鍔部16Dの上下には前記突起16Bと軸心に対して90度ずれた位置に外方に突出したキー16Eがそれぞれ形成される。更に、押圧部材16の内面には芯挿通孔を有する内鍔16Fが形成され、この内鍔16Fの前面が芯タンク3の後端を押圧する押圧面となっている。この押圧部材16の前部にリターンスプリング15を外嵌した後、頭冠13の後方より、頭冠13のキー溝13Gに押圧部材16のキー16Eを合わせて挿入し、押圧部材16の突起16Bを頭冠13の開口窓13Cに長手方向に摺動可能に遊嵌する。前記リターンスプリング15が頭冠13の段部13Eと押圧部材16の外鍔部16Dの間に張架されることにより通常押圧部材16は長手方向後方に付勢されている。しかも押圧部材16の前部内孔16Gには芯タンク3の後部が挿入され、芯タンク3の後端と押圧部材16の押圧面は離間して構成されている。
【0013】
尚、チャック1が芯10を保持した状態における芯タンク3の後端と押圧部材16の押圧面の離間距離L1は、コネクター2の鍔部2Aから外鍔2Cまでの距離L2より小さい寸法にする。
【0014】
更に、押圧部材16の後部内孔16Hには消しゴム17が嵌合されて取り付けられ、かつ消しゴム17を覆うノブ18が押圧部材16の後部外面16Iに嵌合されて図9及び図10に示した状態となる。このように組み立てられた頭冠13が前記軸筒7の後端より挿入され、軸筒7の後端より長手方向前方に伸びた凹溝7Eに頭冠13の隆起部13Hを合わせて前進させれば、頭冠13の突起13Bが軸筒7の後部上面に形成された係止窓7Fに嵌め込まれて、頭冠13が軸筒7に取り付けられる。しかも、軸筒7の係止窓7F及び頭冠13の突起13Bはクリップ14により隠されるために外観を損なうことはない。また、頭冠13の内鍔13Dには前記芯タンク3の後部が挿通されるとともに、前記重量体12はコネクター2の鍔部2Aと頭冠13の内鍔13Dにより長手方向の摺動が規制される。
【0015】
以上説明した振出式シャープペンシルは、軸筒7を振ることにより重量体12に慣性力が働き、重量体12がコネクター2の鍔部2Aに当接する。すると、重量体12の慣性力がコネクター2に伝わり、コネクター2とともにチャック1及び芯タンク3も前進し一定量芯10が繰り出される。この時、重量体12がコネクター2の鍔部2Aに当接した衝撃で、コネクター2の鍔部2Aと芯タンク3の前端に隙間が発生する恐れがあるが、この隙間は前記L1の距離以上は芯タンク3の後端が押圧部材16の押圧面に当接してしまうので大きくなる恐れはない。従って、芯タンク3は少なくともコネクター2の外鍔2Cから外れる心配はなく、軸筒7より口金9を外し、軸筒7よりチャック1、コネクター2及び芯タンク3といった機構部を外した時に、コネクター2の外鍔2Cが芯タンク3に圧入されているのでコネクター2から芯タンク3が外れてしまう恐れもない。
【0016】
図11及び図12は本発明のコネクター102における他の実施例を示したもので、略中間部に両側に突出するとともに上下をカットして基部102Dを形成する。尚、コネクター102の段部は基部102Dにより兼用される。この基部102Dより円周方向に略45度伸ばして弾性片102Eを2個形成し、それぞれの弾性片102Eの先端部に長手方向後方に突出した突部102Fを形成する。更に、コネクター102の後部102Bに前方面が垂直で後方面が傾斜した外鍔102Cを形成する。この実施例の場合には、基部102Dから外鍔102Cまでの距離をL2とする。そして、芯タンクはコネクター102の後部102Bに圧入固着されるが、コネクター102の基部102Dに芯タンクの前部が接触した状態で圧入固着される。
【0017】
この実施例の場合には、重量体がコネクター102に当接した時の衝撃力を弾性片102Eが撓むことによって吸収し、同時に重量体の慣性力をコネクター102に伝達することができる。従って、コネクター102の基部102Dと芯タンクの前端に隙間が発生しにくくなり、コネクター102より芯タンクがより外れにくくなるものである。
【0018】
図13は、コネクター202の外鍔202Cを2個形成することにより、コネクター202と芯タンクの圧入固着をより確実にしたものである。この実施例の場合には基部202Dから長手方向後方側に位置する外鍔202Cまでの距離L2が前記L1より大きな寸法としたものである。
【0019】
尚、重量体は金属製の筒体に限定されるものではなく、金属線をコイル状に巻回し、その前部にスプリング部を形成したものでも良い。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した本発明の振出式シャープペンシルは、コネクターの段部から外鍔までの距離L2を、チャックが芯を保持した状態の芯タンクの後端から押圧部材の段部までの距離L1より大きく設定することにより、重量体がコネクターの鍔部に当接した衝撃でコネクターの段部と芯タンクの前端に隙間が発生しても、芯タンクの後端が押圧部材の押圧面に当接するのでL1の距離以上は隙間が発生することはない。従って、芯タンクは常にコネクターの外鍔に圧入固着されているので、軸筒より口金を外し機構部を取り出した場合でもコネクターから芯タンクが外れる心配がないという効果が奏せられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振出式シャープペンシルを示す断面図である。
【図2】図1のA−A線を示す断面図である。
【図3】図1のB−B線を示す断面図である。
【図4】図1のC−C線を示す断面図である。
【図5】図1におけるコネクターを示す正面図である。
【図6】図1における頭冠およびクリップを示す正面図である。
【図7】図1における押圧部材を示す正面図である。
【図8】図7の押圧部材を示す平面図である。
【図9】図1における頭冠、押圧部材およびノブを組み立てた状態を示す正面図である。
【図10】図9の断面図である。
【図11】本発明のコネクターにおける他の実施例を示す正面図である。
【図12】図11のA−A線を示す断面図である。
【図13】本発明のコネクターにおける更に他の実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 チャック
2 コネクター
2B コネクター2の後部
2C コネクター2の外鍔
3 芯タンク
7 軸筒
10 芯
12 重量体
16 押圧部材
102 コネクター
102B コネクター102の後部
102C コネクター102の外鍔
202 コネクター
202C コネクター202の外鍔

Claims (2)

  1. 軸筒を振ることにより生じる重量体の慣性力によりチャックを前進させて芯を繰り出す振出式シャープペンシルにおいて、チャックに連結されるコネクターの後部に外鍔を形成し、このコネクターの後部に芯タンクを圧入固着するとともに芯タンクよりコネクターを硬く構成し、かつ、前記芯タンクの後端と押圧部材の段部を適宜離間して構成し、芯タンクの前端と接触するコネクターの段部から外鍔までの距離を、チャックが芯を保持した状態の芯タンクの後端から押圧部材の段部までの離間距離より大きく設定することにより、重量体がコネクターの段部に当接した衝撃でコネクターの段部と芯タンクの前端に隙間が発生しても、その隙間はコネクターの段部から外鍔までの距離以内となるように構成し、押圧部材を前進させた時には押圧部材の段部が芯タンクの後端に当接し、押圧部材とともに芯タンク、コネクター及びチャックが前進することを特徴とする振出式シャープペンシル。
  2. コネクターの後部に外鍔を2個形成し、芯タンクの前端と接触するコネクターの段部から長手方向後方側に位置する外鍔までの距離を、チャックが芯を保持した状態の芯タンクの後端から押圧部材の段部までの距離より大きく設定したことを特徴とする請求項1記載の振出式シャープペンシル。
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