JP4549533B2 - マスト細胞の脱顆粒を阻害するためのハイブリッドタンパク質とその使用 - Google Patents

マスト細胞の脱顆粒を阻害するためのハイブリッドタンパク質とその使用 Download PDF

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Description

【0001】
[発明の背景]
即時型のアレルギー反応は、関わっている患者がアレルゲン(例えば、花粉、室内塵埃、ダニ、動物の毛)に対してIgE型の抗体を形成する点を特徴としている。これらの抗体は、血液中を循環するだけではなく、IgE分子の一部分、Fc断片に対する特異的受容体を形質膜において示す、組織中の細胞にも結合する(Fishman とLorberboum-Galski 1997; Hamawy 1997)。IgE受容体を伴う細胞は専らマスト細胞と好塩基球である。これらの細胞は即時型のアレルギー反応をもたらす細胞である。それらは血管作用性のアミンやプロスタグランジン類やロイコトリエン類(アラキドン酸の誘導体)を含む小胞を蓄積している。マスト細胞の脱顆粒という結果になるこれらの物質の放出は、特異的および非特異的メカニズムにより起こる。一旦、細胞が機械的に破壊されると、例えば、皮膚上を引っかくことにより、ヒスタミンが非特異的に放出される。創傷では皮膚が紅く変色する。蕁麻疹(浮腫)が形成され、また皮膚がかゆくなる(ルイスの三重反応)。特異的にヒスタミンを放出する物質は比較的低い濃度で効果的であり、また以下の反応のカスケード(シグナルカスケード)の引き金となる。すなわち、ホスホリパーゼCの活性化、第2メッセンジャー「ジアシルグリセロール」と「IP3」の形成、細胞蓄積由来のカルシウムの移動、細胞膜と顆粒の融合、細胞溶解を伴わない顆粒の細胞外放出、へパリンと塩基性タンパク質の複合体の正電荷ヒスタミンに対するナトリウム交換、顆粒マトリックスからヒスタミンの放出である。アレルギー患者のマスト細胞とアレルゲンの間に接触がある場合には、細胞表面上のIgE分子はこのアレルゲンと結合する。一旦アレルゲン分子が十分な量で結合されると、形質膜のなかでこの受容体の凝集が起こる。凝集は細胞の内部における上述のシグナルカスケード誘発のための特異的な刺激となる。放出された物質はアレルギー症状を引き起こす(結膜炎、鼻炎、喘息、喉頭浮腫、蕁麻疹、著明なアナフィラキシーショックにまで到る血圧降下)。マスト細胞脱顆粒(MCD)ペプチドなどのハチ毒素のなかに含まれるペプチドもマスト細胞の脱顆粒をもたらす。さらに、いくつかの医薬品製剤は望ましくない作用として、ヒスタミンの特異的な放出を引き起こす。ヒトにおけるヒスタミンの放出は、筋肉弛緩薬、デキストラン、アセチルサルチル酸(アスピリン)、モルヒネ、抗生物質、X線撮影法の造影剤、異種血清などについて説明されている。
【0002】
形質膜と小胞との融合が成功裡に阻害される場合は、アミンとアラキドン酸誘導体の放出はない。結果的にアレルギー反応は誘導されない。いくつかのタンパク質(融合タンパク質)が、その分泌プロセスと放出にはそれぞれ関与しており、タンパク質は分泌小胞の膜または形質膜、あるいはそれらの両方に結合することもある。同様に、それらのタンパク質は細胞質ゾル(cytosol)のなかにも現れる。これらのタンパク質の代表的なものは、それぞれ、SNAP25、シナプトブレビン(VAMP)、シンタキシンとそのアイソフォームタンパク質である。これらのタンパク質は、形質膜の内側に分泌小胞を固着させる複合体(融合複合体)を形成する。その固着が小胞の形質膜との融合に先行するが、上記融合はIgEにより引き起こされるCa++の流入によって誘発される。こうしたタンパク質の1つの不活性化により、例えばタンパク質分解切断により、複合体の形成が阻害される。
【0003】
上記の融合タンパク質は、神経細胞でClostridium botulinum桿菌(ボツリヌス菌)により産生される神経毒素の軽鎖の標的分子(基質)(Binscheckら、1995)であることが知られている(Ahnert-HilgerとBigalke、1995; Bigalke 1999、印刷中)。現在では、ボツリヌス菌毒素の7つの異なったタイプが知られている(A、B、Cl、D、E、F、G)。さらに上記のシナプトブレビンは、Clostridium tetani(破傷風菌)により産生されるTeNT(Linkら、1993)の標的分子であり、また淋菌(Neisseria gonorrhoeae)由来のプロテアーゼの標的分子でもある(Binscheckら、1995)。後者は別にして、これらの毒素は少なくとも2つの機能的ドメインから構成される。そのタンパク質のC末端部分(重鎖)は神経細胞にそれが結合することを担っており、一方、N末端(軽鎖)は上述の高度に特異的なタンパク質分解活性によって特徴付けられる。これらの毒素は、それらの重鎖を介して神経細胞に結合しており、また、受容体仲介細胞内取り込み作用とその後に起こる転位により細胞質ゾルに達するが、そこでは、それら毒素は、融合複合体を構成する上述の融合タンパク質の1つまたはそれ以上を切断する。各タンパク質の切断後、神経細胞由来のアセチルコリンやほかの伝達物質の分泌が阻害される(BinscheckとWellhoner、1997)。
【0004】
伝達物質の放出の阻害は、失調症運動障害の治療、または過剰副交換神経活性の抑制に臨床的に使用されてきた(BeneckeとKessler、1995)。クロストリジウム属の神経毒素に関しては、融合タンパク質以外の生物学的基質は知られていない。それらに結合される軽鎖がそうした末梢神経細胞にのみ達し、またこうした細胞においてのみ効果的になるように、重鎖は末梢神経細胞に対して高度の親和性を有する。分泌プロセスが起こるマスト細胞と好塩基球などのほかの細胞タイプは上述の基質を有しているが、しかし、プロテアーゼの摂取のためのメカニズムは有していない(Marxenら、1989)。
【0005】
[発明の説明]
本発明の1つの実施態様は、(i)それ自体知られているタンパク質であって、それ自体知られている態様で、マスト細胞および/または好塩基球および/またはこれらの細胞により摂取されているものに結合するタンパク質と、(ii)それ自体知られているプロテアーゼであって、マスト細胞および/または好塩基球の分泌器官の1つまたはいくつかのタンパク質を切断するプロテアーゼとを含んでなるハイブリッドタンパク質に関する。
【0006】
本発明のさらなる1つの実施態様は、(i)マスト細胞および/または好塩基球および/またはこれらの細胞によって摂取されるものに結合するタンパク質であって、IgEと、IgE断片、特にIgE Fc断片と、マスト細胞および/または好塩基球のIgE受容体に対する抗体と、マスト細胞および/または好塩基球のIgE受容体に対する抗体の断片、特にFab断片と、マスト細胞特異的カリウムチャンネルに対する抗体と、不活性であるが結合性のMCDペプチドとからなる群から選択されるタンパク質と、(ii)マスト細胞および/または好塩基球の分泌器官の1つまたはいくつかのタンパク質を切断する特にそれ自体知られているプロテアーゼとを含んでなるハイブリッドタンパク質に関する。
【0007】
本発明のその上さらに1つの実施態様は、(i)マスト細胞および/または好塩基球および/またはこれらの細胞により摂取されるものに特にそれ自体知られている態様で結合する、特にそれ自体知られているタンパク質と、(ii)マスト細胞および/または好塩基球の分泌器官の1つまたはいくつかのタンパク質を切断するプロテアーゼであって、ボツリヌス菌毒素の軽鎖、特にタイプA、B、C1、D、E、F、Gの毒素の軽鎖と、ボツリヌス菌毒素の軽鎖、特にタイプA、B、C1、D、E、F、Gの毒素の軽鎖の触媒的に活性のある断片と、破傷風毒素(TeNT)の軽鎖と、破傷風菌の軽鎖の触媒的に活性のある断片と、淋菌のIgAプロテアーゼと、淋菌のIgAプロテアーゼの触媒ドメインとからなる群から選択されるプロテアーゼとを含んでなるハイブリッドタンパク質に関する。
【0008】
本発明のハイブリッドタンパク質は、タンパク質(i)とプロテアーゼ(ii)がタンパク質とプロテアーゼの前出の群からそれぞれ選択されることを特徴としている。
【0009】
本発明のハイブリッドタンパク質はさらに、それぞれの毒素(HN断片)の重鎖のN末端タンパク質またはその断片が、ボツリヌス菌毒素または破傷風毒素の軽鎖に加えて、このハイブリッドタンパク質の一部であることを特徴としている。
【0010】
最後に、本発明の1つの実施態様は、マスト細胞の脱顆粒を阻害する本発明のハイブリッドタンパク質の使用に関する。
【0011】
マスト細胞が殺傷される場合には、死んでいくマスト細胞が貯蔵していた内在性のアミンを一旦放出すると、アレルギーショックが誘発されるかもしれないという危険性が出てくる。さらに、マスト細胞の数の低下は、これらの細胞の新規合成を刺激することになるり、それらの細胞はさらにアレルギー反応を引き起こしうることになると考えられる。本発明のハイブリッドタンパク質はこのように、そのADP(アデノシン二リン酸)リボシル化活性によりタンパク質合成を阻害するIgE−Fc/シュードモナス菌体外毒素抱合体とは基本的に異なっており、したがって、細胞死をもたらす(FishmanとLorberboum-Galski、1997)。まったく逆に、本発明のハイブリッドタンパク質はマスト細胞を殺傷するのには役に立たない。そうではなくて、そのマスト細胞は本発明のハイブリッドタンパク質に曝された後も生命力が残っており、また、血管収縮性アミンを放出するそれらの能力はほとんど喪失しなかった。
【0012】
新規合成の刺激は起こらない。臨床的に使用される場合は、完全な細胞毒性シュードモナス毒素または類似の細胞毒素を主成分とする抱合体に関して予想される、考えられる有毒な副作用が回避される。
【0013】
本発明の主題は、したがって、(i)マスト細胞/好塩基球に高度の親和性を示すタンパク質またはペプチド(輸送タンパク質/ペプチド)と、(ii)抱合体が細胞の脱顆粒と分泌メカニズムをそれぞれブロックする特異的プロテアーゼとから構成される抱合体(ハイブリッドタンパク質)である。その抱合体は即時型のアレルギー反応の治療/予防に有用である。
【0014】
(i)抱合体の好適な高度親和性マスト細胞結合成分は、それぞれ、タイプEの免疫グロブリン(IgE)とその断片(例えば、Fc断片)である。さらに、マスト細胞/好塩基球の特異的表面分子に対する抗体が使用されるが、その抗体は選択的にこうした細胞の細胞質膜に結合する。とりわけ、IgE受容体に対する抗体がこの目的を実現する。さらに、不活性ではあるが、しかし、ペプチドを脱顆粒するマスト細胞の結合突然変異体がこのハイブリッドタンパク質における輸送ペプチド/タンパク質として使用されるべきものである。これらの輸送ペプチド/タンパク質は、プロテアーゼを細胞中に導くのに有用である。このプロテアーゼは、高度に特異的な方法でマスト細胞の融合複合体のタンパク質を切断し、そのタンパク質が細胞の脱顆粒メカニズムを開始する。
【0015】
(ii)高度に特異的なプロテアーゼとして有用なのは、金属プロテアーゼ(metalloprotease)であり、例えば、タイプA、B、C1、D、E、F、G(BoNT/X)のボツリヌス菌毒素および破傷風毒素または淋菌のIgAプロテアーゼの軽鎖である。こうしたプロテアーゼは、シナプトソーム関連タンパク質(MR 25,000)(SNAP 25)、シナプトブレビン(synaptobrevin)またはシンタキシン(syntaxin)を切断する。こうしたタンパク質/ペプチドのたった1つだけが切断される場合には、マスト細胞の脱顆粒が阻害される。結果として、ヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエンの分泌は起こらず、アレルギー症状はこれ以上起こり得ない。
【0016】
本発明では、その毒素の非毒性の軽鎖は、マスト細胞と好塩基球にそれぞれ専ら結合する輸送タンパク質に付着させることができ、したがって、こうした細胞によってのみ摂取することが可能であり、その軽鎖は、あたかも乗客として運ばれるかのように細胞に達する。それらは、神経細胞や生物体のほかのタイプの細胞に侵入することはできず、そのため、その効果はマスト細胞と好塩基球に限定される。基質の1つがタンパク質分解的に破壊される場合は、こうしたIgE充填細胞のアレルゲンまたは上述の医薬品製剤の1つと接触した後にアレルギー症状を起こすことはない。
【0017】
マスト細胞に特異的に結合するタンパク質として有用であるのは、1)タイプEの免疫グロブリンとタイプFcのその断片、2)IgE受容体に対する抗体、3)ペプチドを脱顆粒するマスト細胞、4)マスト細胞特異的カリウムチャンネルに対する抗体である。
【0018】
タンパク質について掲載した参考文献に関しては、以下の刊行物が挙げられる。IgEについてはHelman(1995)、IgE−Fc断片についてはHelman(1995)、マスト細胞/好塩基球のIgE受容体に対する抗体、マスト細胞特異的カリウムチャンネルに対する抗体、抗体のFab断片については、
LiddelとWeeks(1995)に標準的な手法が説明されている。MCDペプチドについてはGmachelとKrell(1995)、不活性ではあるが結合性の突然変異体である突然変異ペプチドは、Nichol D.S.T.(1995)に記載の標準的な手法により調製される。タイプA〜Gのさまざまボツリヌス菌毒素の軽鎖についてはBinzら(1990)、破傷風菌の軽鎖についてはEiselら(1989)、IgAプロテアーゼについてはBrusheckら(1995)に記載される。
【0019】
両方の成分(輸送タンパク質とプロテアーゼ)の結合は異なった経路を介して起こる。まず、毒素の軽鎖はクロマトグラフ上で精製される。軽鎖は、重鎖である神経親和性輸送タンパク質からの分離後のため、神経細胞に達することはできず、また細胞外基質が存在しないため、まったく非毒性のものである。軽鎖はその後、マスト細胞の細胞質ゾルのなかに次々と摂取される抱合体を形成するために、4つのマスト細胞結合タンパク質の1つに化学的に結合する。その軽鎖はそこでその基質を切断し、その切断はヒスタミンとほかの物質の分泌を阻害する。その抱合体を作成するための第2の方法は、ハイブリッドタンパク質が適当な宿主細胞中で発現するように、その軽鎖の遺伝子とその4つのマスト細胞結合タンパク質の1つの遺伝子とを融合させることである。このバイオテクノロジーの手法で産生されたハイブリッドタンパク質は、2つのタンパク質成分から調製される抱合体と同様に、マスト細胞からの分泌プロセスを阻止して然るべきものである。ハイブリッドタンパク質の調製は、腫瘍の治療分野では特に、それ自体知られている手法である(Vogel、1987;Magerstadt、1991)。この治療の考え方においては、腫瘍細胞の表面タンパク質に対する抗体は、がん細胞を殺傷するために、細胞毒素タンパク質、例えば、リシン、ジフテリア毒素に付着させる。本発明の方法における新規の態様は、マスト細胞の脱顆粒の阻害およびしたがって抗アレルギー治療のためのハイブリッドタンパク質において特異的なプロテアーゼとタンパク質分解ドメインのそれぞれの使用である。これらのハイブリッドタンパク質は、アレルギー症状(枯草熱、喘息、神経皮膚炎)を重篤に障害するのを回避するのに有用であるばかりではない。それらハイブリッドタンパク質は、救命医薬品製剤による治療の間、アレルギー反応を回避するために、予防的に投与されることもある。さらに、それらは脱感作の過程で起こるアレルギー反応を回避することができる。
【0020】
[実施例1:IgEおよびBoNT/A軽鎖由来のハイブリッドタンパク質の合成]
15mMの四ホウ酸ナトリウムと30mMのリン酸pH8.4の中で平衡化させた後、タイプAの精製ボツリヌス菌毒素(5.0mg)が、同じ緩衝液で平衡化されたQAEセファデックスカラム(1.0x3.0cm)に適用された。そのカラムはその後に、10mlの120mMのジチオエリスロール、2Mの尿素、1mMのEDTA(エチレンジアミン四酢酸)により洗浄され、また一夜インキュベートされた。その後は、その軽鎖が10mMのホウ酸緩衝液によりカラムから溶出され、また20mMのリン酸pH7.0に対して透析された。
【0021】
免疫グロブリンE(ラット)が購入された。免疫グロブリンの10mgが1mlのリン酸緩衝液(4℃にて一夜)中で50μgのパパインにより切断された。Fc断片はゲルろ過カラム(Sephacryl S200)で精製された。精製Fc断片の3.0mgが、16時間にわたり、pH7.0で、2mlのNa−phosphate中の10mMのジチオビススクシンイミジルプロピオン酸塩(二価性試薬)によりボツリヌス菌毒素の精製軽鎖の3.0mgによりインキュベートされた。このように合成されたハイブリッドタンパク質はゲルろ過法(Sephacryl S200)により精製され、またSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)ゲル電気泳動法によりその精度に関して分析された。
【0022】
マスト細胞の脱顆粒の阻害は、2つの実験的なアプローチにおいて調べられた。第1のアプローチでは、ラットの分離されたマスト細胞が、ハイブリッド分子とともにインキュベートされた。その後に、ヒスタミンの放出が刺激された。その刺激は、MCDペプチドおよびコンカナバリンA(後者は実験的に使用されている物質)などの特異的ヒスタミンリベレータにより、また細胞内カルシウム濃度の直接的な増加により、それぞれ起こされる。後者は別々のマスト細胞のなかにカルシウムを注入することにより達成される。したがって、カルシウム濃度の増加としての1つの短回路である上述のシグナルカスケードは、小胞の融合により後続される分泌プロセスの間に起こる1つのステップである。ヒスタミンの放出を反映するマスト細胞の脱顆粒は、位相差顕微鏡で追跡される。その後、放出されたヒスタミンを蛍光測定という手段で定量化することは可能である。最後に、脱顆粒の際に形質膜への小胞膜の組込みにより引き起こされるマスト細胞の巨大化を、電気生理学的に測定することができる。ハイブリッドタンパク質により処理された細胞では、コントロール細胞とは対照的に、(1)形態学的に変化が起こらず、(2)その細胞の上澄みにおける蛍光の増強が起こらず、(3)細胞の巨大化も起こらないであろう。それによって、ヒスタミンの放出はハイブリッドタンパク質によって阻止されることを証明することが可能である。
【0023】
第2の実験的なアプローチでは、そのハイブリッドタンパク質は生きているラットに注射される。そのラットは数日後に殺傷され、またそのマスト細胞が従来通りに分離される。ヒスタミンの脱顆粒と放出は、それぞれ、上述のように測定される。このアプローチでは、その抱合体が生きている動物においてもその区画に達することができるかどうか、どの区画のなかにそのマスト細胞が位置し、またその抱合体がその生きている動物のマスト細胞を不活性するかどうかが調べられる。
【0024】
[実施例2:クロストリジウム属ボツリヌス菌タイプAの軽鎖をコードする遺伝子を免疫グロブリンEおよびその断片(Fc断片)の1つのそれぞれに操作可能にリンクすることによる組換えハイブリッドタンパク質の産生]
ボツリヌス菌毒素タイプAの軽鎖をコードする遺伝子が、PCR(ポリメラーゼチェイン反応)法により適当なプライマーという手段によって単離される。クロストリジウム属ボツリヌス菌タイプAの培養培地は、DNAが調製される培地から調製される。公表されているその毒素遺伝子の配列(Binzら)から、一対のプライマーが誘導され、またPCR法により軽サブユニットに関する遺伝子が増幅される。その後に、この遺伝子は市販されている発現ベクターpQEのなかに製造者の方法によりクローン化される。
【0025】
ヒト免疫グロブリンE(Helmal L.)のFc断片をコードする遺伝子が、市販されているcDNAライブラリーからPCR法により単離され、またボツリヌス菌毒素タイプAの遺伝子軽鎖とともにベクター構築物のなかに融合された。
【0026】
この構築物により、受容能があるM15細胞(E.coli、大腸菌)が形質転換される。この発現システムのなかに、挿入遺伝子は、「hisタグ(ヒスチジン標識)」を備えているので、この組換えタンパク質は、Niアフィニティカラムにより精製される。このタンパク質を高度に精製するプロセスは、Sephacryl S300によるゲルろ過法によって後続される。
【0027】
生物学的活性の測定は、in vitroで分離されたマスト細胞について再実施された。
【0028】
[実施例3:破傷風毒素の軽サブユニットをコードする遺伝子を、マスト細胞脱顆粒(MCD)ペプチドをコードする突然変異した遺伝子に操作可能にリンクすることによる組換えハイブリッドタンパク質の調製]
「マスト細胞脱顆粒ペプチド」の「配列」は、22量体であり、既知のものである(GmachlとKreil)。それをベースにして対応するオリゴヌクレオチドが合成される。
【0029】
破傷風毒素の軽サブユニットの配列を分離するために、破傷風菌の培養株が調製され、またそこからDNAが回収される。破傷風毒素の既知の核酸配列から、PCR法用のプライマーと、その毒素の軽サブユニットが得られた。
【0030】
実施例1に説明されているように、両方の核酸配列は発現ベクターpQU中で融合され、またその後大腸菌で発現した。hisタグを備えたハイブリッドタンパク質は、アフィニティクロマトグラフ法により、またその後にゲルろ過法により精製された。マスト細胞脱顆粒ペプチドをコードする精製遺伝子は、そのペプチドの活性ドメインにおける点突然変異を含めて化学的に合成される。その遺伝子は破傷風毒素の軽鎖をコードする遺伝子に操作可能にリンクされる。ハイブリッドタンパク質は大腸菌で発現し、精製される。このように産生されたハイブリッドタンパク質はマスト細胞脱顆粒測定法においてin vitroで試験される。
【0031】
[実施例4:IgEのFc断片をコードする遺伝子を、IgAプロテアーゼをコードする遺伝子に操作可能にリンクすることによる組換えハイブリッドタンパク質の調製]
IgEのFc断片をコードする遺伝子は、実施例1に説明されているように単離された。淋菌由来のIgAプロテアーゼをコードする遺伝子が知られている。プライマーはそれから誘導され、また特異的なプロテアーゼをコードする遺伝子は淋菌から得られた核酸調製物からPCR法によって回収された。
【0032】
核酸は両方とも製造者により与えられた方法にしたがって市販されているベクターに組み込まれ、またそのハイブリッドタンパク質はアフィニティクロマトグラフにより精製された(実施例2を参照)。
【0033】
阻害活性は、分離されたマスト細胞についてin vitroで再び証明される(上を参照)。
【0034】
[実施例5:IgE受容体に対する抗体のFab断片とボツリヌス菌タイプBの軽鎖から成るハイブリッドタンパク質の調製]
マスト細胞上のIgE受容体に対するモノクローナル抗体が購入され、クロマトグラフ上で再精製された。その抗体の0.5mgがボツリヌス菌毒素Fの精製軽鎖の0.4gに接合された。一回、神経毒素の調製が実施例1の手法により行われ、軽サブユニットが神経毒素の切断により分離され、またその後にイオン交換クロマトグラフ法により精製された。
【0035】
両方のタンパク質(毒素タイプFの軽サブユニットとモノクローナル抗体)が、二価性試薬を使用することにより互いに結合された。分離されたタンパク質は、この目的のために10mMマレインイミドベンゾイル−N−ヒドロキシ−コハク酸イミド塩とともにインキューベートされた。ハイブリッドタンパク質は、Sephacryl S300上でのゲルろ過法による非接合タンパク質からその後に精製された。
【0036】
再び分離されたマスト細胞は、合成されたハイブリッドタンパク質がヒスタミンの分泌を阻害したことを示すのに使用された。
【0037】
参照特許
Patent No. 4902495
IgE Fc directed delivery systems
Novel Agent Controlling Cell Activity
PCT application WO 94/21300
【0038】
参考文献
【表1】
Figure 0004549533
【0039】
【表2】
Figure 0004549533

Claims (6)

  1. (i)マスト細胞および/または好塩基球および/またはこれらの細胞によって摂取されるものに結合するタンパク質であって、
    IgEと、
    IgE断片と、
    マスト細胞および/または好塩基球のIgE受容体に対する抗体と、マスト細胞および/または好塩基球のIgE受容体に対する抗体の断片と、マスト細胞特異的カリウムチャンネルに対する抗体と、
    不活性であるが結合性のMCDペプチドと
    からなる群から選択されるタンパク質と、
    (ii)マスト細胞および/または好塩基球の分泌器官の1つまたはいくつかのタンパク質を切断するプロテアーゼであって、
    ボツリヌス菌毒素の軽鎖と、
    ボツリヌス菌毒素の軽鎖の触媒的に活性のある断片と、
    破傷風毒素(TeNT)の軽鎖と、
    破傷風菌の軽鎖の触媒的に活性のある断片と、
    淋菌のIgAプロテアーゼと、
    淋菌のIgAプロテアーゼの触媒ドメインとからなる群から選択されるプロテアーゼ
    を含んでなるマスト細胞の脱顆粒を阻害するためのハイブリッドタンパク質。
  2. 前記IgE断片が、IgE Fc 断片であり、および/または、
    前記マスト細胞および/または好塩基球のIgE受容体に対する抗体の断片が、Fab断片である、請求項に記載のハイブリッドタンパク質。
  3. 前記ボツリヌス菌毒素の軽鎖が、タイプA、B、C1、D、E、F、またはGのボツリヌス菌毒素の軽鎖であり、および/または
    前記ボツリヌス菌毒素の軽鎖の触媒的に活性のある断片が、タイプA、B、C1、D、E、F、またはGのボツリヌス菌毒素の軽鎖の触媒的に活性のある断片である、請求項1または2に記載のハイブリッドタンパク質。
  4. タンパク質(i)が請求項1または2に記載の群から選択され、プロテアーゼ(ii)が請求項1または3に記載の群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッドタンパク質。
  5. 上記のそれぞれの毒素の重鎖のN末端部分(HN断片)またはその断片が、ボツリヌス菌毒素または破傷風毒素の軽鎖に加えて、ハイブリッドタンパク質の一部であることを特徴とする請求項に記載のハイブリッドタンパク質。
  6. マスト細胞の脱顆粒を阻害するための請求項1〜のいずれかに記載のハイブリッドタンパク質の使用。
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