JP4548409B2 - シクロヘキサノンオキシムの製造方法 - Google Patents

シクロヘキサノンオキシムの製造方法 Download PDF

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本発明は、シクロヘキサノンのアンモキシム化によりシクロヘキサノンオキシムを製造する方法に関する。
シクロヘキサノンオキシムを製造する方法として、チタノシリケートを触媒に用いて、シクロヘキサノンを過酸化水素とアンモニアでアンモキシム化する方法が知られている(例えば特許文献1〜4参照)。このアンモキシム化では、通常、チタノシリケートの触媒活性が経時的に低下するので、シクロヘキサノンの転化率を所定値以上に維持するには、チタノシリケートの取り替えが必要となり、その頻度が高いと、触媒コストの点で問題となることがある。このため、例えば特開2004−83560号公報(特許文献5)には、チタノシリケート以外の珪素化合物を共存させることにより、チタノシリケートの触媒活性の低下を抑制することが提案されている。
特開昭62−59256号公報 特開昭63−130575号公報 特開平6−49015号公報 特開平6−92922号公報 特開2004−83560号公報
しかしながら、チタノシリケートの触媒活性の低下を完全に抑制するのは困難であり、やはり取り替えが必要となって、使用済みのチタノシリケートがいわゆる廃触媒として発生する。そこで、本発明者らは、この使用済みのチタノシリケートの賦活、再使用により触媒コストをさらに削減すべく鋭意研究を行った結果、上記アンモキシム化において、特許文献5に開示の如くチタノシリケート以外の珪素化合物を共存させた場合には、該珪素化合物を共存させなかった場合に比べ、その使用済みのチタノシリケートの触媒活性が、酸素含有ガスを用いた焼成により、効果的に回復しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
工程(1):チタノシリケートとチタノシリケート以外の珪素化合物の存在下にシクロヘキサノンを過酸化水素とアンモニアでアンモキシム化する工程、及び
工程(2):工程(1)で使用したチタノシリケートを酸素含有ガスの雰囲気下に焼成する工程
を有し、工程(2)で焼成したチタノシリケートを工程(1)で使用することを特徴とするシクロヘキサノンオキシムの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、シクロヘキサノンのアンモキシム化における触媒コストを削減することができ、シクロヘキサノンオキシムを低コストで製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で触媒に用いるチタノシリケートは、骨格を構成する元素としてチタン、珪素及び酸素を含むものであり、実質的にチタン、珪素及び酸素のみから骨格が構成されるものであってもよいし、骨格を構成する元素としてさらに他の元素を含むものであってもよい。チタノシリケートとしては、珪素/チタンの原子比が10〜1000のものが好適に用いられ、また、その形状は、微粉状であってもよいし、必要によりバインダーを用いてペレット状などに成形されたものであってもよいし、担体に担持されたものであってもよい。代表的なチタノシリケートの例としては、TS−1(MFI型)、TS−2(MEL型)、Ti−MCM−22(MWW型)、Ti−MCM−41などが挙げられる。
上記チタノシリケートを触媒に用いて、シクロヘキサノンを過酸化水素とアンモニアでアンモキシム化することにより、シクロヘキサノンオキシムが製造される〔工程(1)〕。このアンモキシム化は、触媒のチタノシリケートが反応混合物中に固相として分散した固体触媒反応として行うことができる。反応系内に存在させるチタノシリケートの量は、反応混合物の容量(固相+液相)あたりの重量として、通常1〜200g/Lである。
原料のシクロヘキサノンは、例えば、シクロヘキサンの酸化により得られたものであってもよいし、シクロヘキセンの水和、脱水素により得られたものであってもよいし、フェノールの水素化により得られたものであってもよい。
過酸化水素の使用量は、シクロヘキサノンに対して、通常0.5〜3モル倍、好ましくは0.5〜1.5モル倍である。過酸化水素は、通常、いわゆるアントラキノン法により製造され、一般に濃度10〜70重量%の水溶液として市販されているので、これを用いることができる。なお、過酸化水素には、例えば、リン酸ナトリウムの如きリン酸塩、ピロリン酸ナトリウムやトリポリリン酸ナトリウムの如きポリリン酸塩、ピロリン酸、アスコルビン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸などの安定剤が添加されていてもよい。
アンモニアの使用量は、シクロヘキサノンに対して、通常1モル倍以上、好ましくは1.5モル倍以上であり、また、過酸化水素より過剰に使用して、反応混合物中に残存させるようにするのがよい。アンモニアは、ガス状のものを用いてもよいし、液状のものを用いてもよく、また、水や有機溶媒の溶液として用いてもよい。
アンモキシム化は、通常、水及び/又は有機溶媒を反応溶媒に用いて行われ、該有機溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコールの如きアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルの如きエーテル類などが挙げられる。
本発明では、アンモキシム化において、特許文献5に開示の如く、触媒のチタノシリケートと共に、チタノシリケート以外の珪素化合物(以下、単に「珪素化合物」ということがある)を共存させる。かかる処方を採用することにより、チタノシリケートの触媒活性の低下を抑制することができ、ひいては、チタノシリケートの取り替え頻度を低減して、触媒コストを削減することができる。また、反応系内に存在させるチタノシリケートの量を削減することもでき、この点からも触媒コストの削減が可能となる。
なお、チタノシリケートの触媒活性の低下は、珪素が溶出して活性点が崩壊したり、不純物が吸着して活性点が被毒されたりすることにより起こると考えられる。そして、このチタノシリケートの触媒活性の低下が珪素化合物の共存により抑制されるのは、珪素化合物から珪素が溶出することにより、その分、チタノシリケートからの珪素の溶出が抑制され、また、珪素化合物に不純物が吸着することにより、その分、チタノシリケートへの不純物の吸着が抑制されるためであると考えられる。そこで、珪素化合物としては、珪素が溶出し易いものや、不純物が吸着し易いものが好ましく用いられ、固体状の珪素化合物である場合、表面積の大きいものや、粒径の小さいものが好ましく用いられる。
珪素化合物としては、珪素及び酸素を含むもの、特に珪素−酸素結合を有するものが好ましく用いられ、例えば、シリカ、珪酸、珪酸塩、珪酸エステルなどが挙げられる。ここで、シリカは、シリカライトの如き結晶性シリカであってもよいし、ヒュームドシリカやシリカゲルの如き無定形シリカであってもよい。珪酸又はその塩は、オルト珪酸若しくはその縮合酸又はそれらの塩であることができ、結晶性のものであってもよいし、無定形のものであってもよく、チタノシリケート以外のメタロシリケートを用いることも可能である。また、珪酸エステルとしては、オルト珪酸テトラアルキルが好ましく用いられ、そのアルキル基の炭素数は、通常1〜4である。
反応系内に存在させる珪素化合物の量は、珪素化合物の性状やその反応系内への導入形態などにより適宜調整するのがよい。例えば、固体状の珪素化合物をそのまま、又は固体状の珪素化合物を有機溶媒や水に分散させてゾルなどの分散液として導入する場合、反応系内に存在させる珪素化合物の量は、チタノシリケートに対し、通常0.1〜20重量倍であり、珪素化合物を反応混合物中に固相として分散させるのがよい。また、液体状の珪素化合物をそのまま、又は固体状若しくは液体状の珪素化合物を有機溶媒や水に溶解させて溶液として導入する場合、反応系内に存在させる珪素化合物の量は、チタノシリケートに対し、通常0.0001〜0.5重量倍であり、珪素化合物を反応混合物中に析出させないようにするのがよい。
アンモキシム化は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよいが、生産性や操作性の点からは、連続式で行うのがよい。原材料の導入処方は適宜選択されるが、回分式の場合、例えば、反応器にシクロヘキサノン、アンモニア、チタノシリケート、珪素化合物及び溶媒を仕込み、ここに過酸化水素を供給することにより行ってもよいし、反応器にシクロヘキサノン、チタノシリケート、珪素化合物及び溶媒を仕込み、ここに過酸化水素及びアンモニアを供給することにより行ってもよいし、反応器にチタノシリケート、珪素化合物及び溶媒を仕込み、ここにシクロヘキサノン、過酸化水素及びアンモニアを供給することにより行ってもよい。
連続式の場合、珪素化合物として、反応混合物中に固相として分散しうるものを用いるときは、反応器内にチタノシリケート及び珪素化合物が分散した反応混合物を所定量滞留させ、ここにシクロヘキサノン、過酸化水素、アンモニア及び溶媒を供給しながら、これら原材料と略同量の反応混合物を抜き出すことにより行うのがよく、その際、反応混合物の抜き出しは、フィルターなどを介して、その液相のみを抜き出し、固相のチタノシリケート及び珪素化合物は反応器内に留まるようにするのがよい。また、珪素化合物として、反応混合物中に溶質として溶解しうるものを用いるときは、反応器内にチタノシリケートが分散した反応混合物を所定量滞留させ、ここにシクロヘキサノン、過酸化水素、アンモニア、珪素化合物及び溶媒を供給しながら、これら原材料と略同量の反応混合物を抜き出すことにより行うのがよく、その際、反応混合物の抜き出しは、上記同様、フィルターなどを介して、その液相のみを抜き出し、固相のチタノシリケートは反応器内に留まるようにするのがよい。なお、反応器としては、過酸化水素の分解を防ぐ観点から、フッ素樹脂やガラスでライニングされたものやステンレススチール製のものが好ましく用いられる。
アンモキシム化の反応温度は、通常60℃以上、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上であり、また、通常120℃以下、好ましくは110℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。また、反応圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、反応混合物へのアンモニアの溶解量を高めるためには、加圧下に反応を行うのが好ましく、この場合、窒素やヘリウムなどの不活性ガスを用いて、圧力を調整してもよい。
以上のように、珪素化合物を共存させてアンモキシム化を行っても、チタノシリケートの触媒活性の低下を完全に抑制するのは困難であり、シクロヘキサノンの転化率を所定値以上に維持するには、やはりチタノシリケートの取り替えが必要となる。そこで、本発明では、この取り替えにより発生する使用済みのチタノシリケートを賦活して、再使用する。これにより、触媒コストをさらに削減することができる。
使用済みのチタノシリケートの賦活は、酸素含有ガスの雰囲気下に焼成することにより行われる〔工程(2)〕。この焼成は、珪素化合物不在のアンモキシム化で発生する使用済みのチタノシリケートに対しては、触媒活性の回復効果が十分でないが、珪素化合物を共存させたアンモキシム化で発生する使用済みのチタノシリケートに対しては、十分な触媒活性の回復効果を発揮する。
酸素含有ガスとしては、通常、空気が用いられるが、純酸素を使用してもよい。また、これらを窒素や炭酸ガスなどの不活性ガスで希釈して用いてもよいが、この場合、その酸素濃度は5容量%以上とするのがよい。焼成温度は、あまり低いと長時間を要すため、通常250℃以上、好ましくは300℃以上であり、また、通常600℃以下、好ましくは550℃以下である。焼成時間は、焼成温度などに応じて適宜調整されるが、通常5分〜10時間程度である。なお、焼成時の圧力は任意であるが、通常、常圧で行えばよい。
焼成は、回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。回分式の場合、オーブンの如き焼成炉に所定量の使用済みのチタノシリケートを仕込み、ここに酸素含有ガスを流通させることにより行うのがよい。また、連続式の場合、キルンの如き焼成炉に酸素含有ガスを流通させ、ここに使用済みのチタノシリケートを所定の速度で導入し、所定時間滞留させた後、抜き出すことにより行うのがよい。
なお、使用済みのチタノシリケートが珪素化合物と混合された状態にある場合、珪素化合物と分離後、焼成してもよいし、珪素化合物と共に焼成してもよい。また、焼成の前に、必要により、水や有機溶媒で洗浄してもよいし、予備乾燥を行ってもよい。
こうして使用済みのチタノシリケートの焼成により得られる触媒活性が回復した再生チタノシリケートは、先のアンモキシム化〔工程(1)〕に再使用することができる。具体的には、触媒活性の低下に対応したチタノシリケートの取り替えの際に補給用として使用すればよく、例えば、アンモキシム化を回分式で行う場合、一バッチ又は数バッチ毎に、回収した使用済みのチタノシリケートの少なくとも一部を抜き出し、再生チタノシリケートを補給すればよい。また、アンモキシム化を連続式で行う場合、運転中に適当な間隔で、反応系内から使用済みのチタノシリケートの一部を抜き出し、再生チタノシリケートを補給したり、運転を停止して、回収した使用済みのチタノシリケートの少なくとも一部を抜き出し、再生チタノシリケートを補給したりすればよい。抜き出された使用済みのチタノシリケートは、焼成後、再生チタノシリケートとして再使用される。なお、使用済みのチタノシリケートと共に、珪素化合物が抜き出される場合、再生チタノシリケートの補給に併せて、珪素化合物の補給も行えばよい。このとき、再生チタノシリケートが、珪素化合物と共に焼成されたものであれば、該焼成品の補給により、再生チタノシリケート及び珪素化合物の補給が可能となる。また、必要により、新品のチタノシリケート及び/又は珪素化合物を補給してもよい。補給する新品の珪素化合物の量は、反応中に反応系外に排出されるSi量に相当する量とするのが好ましい。連続式の反応において、反応系外に排出されるSi量は、抜き出した反応混合物中のSi濃度を測定し、抜き出した反応混合物の量に基づいて求めればよい。また、補給する新品のチタノシリケートの量は、以上のようにして反応を行っていてもなお低下する触媒活性に応じて、適宜決めればよい。
アンモキシム化の反応混合物の後処理操作については、公知の方法を適宜採用することができ、例えば特許文献4に記載の如く、反応混合物の液相を蒸留することにより、溶媒及び残存しうる未反応のアンモニアが留分として分離回収され、シクロヘキサノンオキシムを含む缶出液を得ることができる。次いで、この缶出液から有機溶媒でシクロヘキサノンオキシムを抽出し、該抽出液を必要により水洗後、濃縮し、さらに必要により蒸留することにより、精製されたシクロヘキサノンオキシムを得ることができる。そして、こうして得られるシクロヘキサノンオキシムを、液相ないし気相でのベックマン転位に付すことにより、ε−カプロラクタムを製造することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
(a)新品のチタノシリケートによるアンモキシム化
内面がフッ素樹脂でライニングされた容量300mLのオートクレーブに、チタノシリケート(TS−1)1.5g及びシリカゲル〔和光純薬工業(株)のワコーゲルB−0〕8gを仕込み、含水t−ブチルアルコール(水15重量%)100mLに分散させた。この中に、シクロヘキサノンを19.6g/時間、含水t−ブチルアルコール(水15重量%)を34.8g/時間、アンモニアを6.45g/時間(シクロヘキサノンの1.9モル倍)、及び60重量%過酸化水素水を13.0g/時間(シクロヘキサノンの1.15モル倍)の速度で供給しながら、オートクレーブ内の反応混合物の容量が100mLに保たれるように、フィルターを介して反応混合物の液相を抜き出すことにより、連続式でアンモキシム化を行った。この間、反応温度は95℃に保ち、反応圧力はヘリウムガスで加圧することにより0.35MPaに保った。運転開始から5.5時間後にオートクレーブより抜き出した反応混合物の液相をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シクロヘキサノン転化率は99.1%、シクロヘキサノンオキシムの選択率は99.5%であった。引き続き、適時ガスクロマトグラフィー分析を行いながら、シクロヘキサノン転化率が90%以下になるまで運転を継続し、運転開始から運転終了までの時間を運転可能時間として求めた結果、運転可能時間は290時間であった。
(a’)新品のチタノシリケートによるアンモキシム化
上記(a)において、チタノシリケート及びシリカゲルの使用量を倍にしてアンモキシム化を行った。すなわち、チタノシリケートの使用量を3.0gに変更し、シリカゲルの使用量を16gに変更した以外は、上記(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は628時間であった。
(b)使用済みのチタノシリケートの焼成
上記(a’)で運転後のオートクレーブ内の反応混合物を濾過し、濾残の固体を含水t−ブチルアルコール(水12重量%)で洗浄した後、水で洗浄した。この洗浄後の固体を、空気中、110℃で8時間乾燥した後、350℃で2時間焼成し、再生チタノシリケート/シリカゲル混合物15.83g(回収率83.3%)を回収した。
(c)再生チタノシリケートによるアンモキシム化
チタノシリケート1.5g及びシリカゲル8gに代えて、上記(b)で得た再生チタノシリケート/シリカゲル混合物9.5gを使用した以外は、上記(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は321時間であり、上記(a)の運転可能時間(290時間)と同等以上であった。
比較例1
(a)新品のチタノシリケートによるアンモキシム化
シリカゲルを使用しなかった以外は、実施例1(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は144時間であった。
(a’)新品のチタノシリケートによるアンモキシム化
上記(a)において、チタノシリケートの使用量を倍にしてアンモキシム化を行った。すなわち、チタノシリケートの使用量を3.0gに変更した以外は、上記(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は530時間であった。
(b)使用済みのチタノシリケートの焼成
上記(a’)で運転後のオートクレーブ内の反応混合物を濾過し、濾残の固体を含水t−ブチルアルコール(水12重量%)で洗浄した後、水で洗浄した。この洗浄後の固体を、空気中、110℃で8時間乾燥した後、350℃で2時間焼成し、再生チタノシリケート1.65g(回収率55%)を回収した。
(c)再生チタノシリケートによるアンモキシム化
チタノシリケート1.5gに代えて、上記(b)で得た再生チタノシリケート1.5gを使用した以外は、上記(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は86時間であり、上記(a)の運転可能時間(144時間)をかなり下回った。
比較例2
チタノシリケート1.5gに代えて、比較例1(b)で得た再生チタノシリケート1.5gを使用した以外は、実施例1(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は149時間であり、実施例1(a)の運転可能時間(290時間)をかなり下回った。
実施例2
(a)新品のチタノシリケートによるアンモキシム化
チタノシリケートの使用量を2gに変更し、シリカゲル8gに代えて、ヒュームドシリカ〔CABOT社のCAB−O−SIL M−7D〕3gを使用した以外は、実施例1(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は466時間であった。
(b)使用済みのチタノシリケートの焼成
上記(a)で運転後のオートクレーブ内の反応混合物を濾過し、濾残の固体を含水t−ブチルアルコール(水12重量%)で洗浄した後、水で洗浄した。この洗浄後の固体を、空気中、110℃で8時間乾燥した後、350℃で2時間焼成し、再生チタノシリケート/ヒュームドシリカ混合物2.75g(回収率55%)を回収した。
(c)再生チタノシリケートによるアンモキシム化
チタノシリケート2g及びヒュームドシリカ3gに代えて、上記(b)で得た再生チタノシリケート/ヒュームドシリカ混合物2.75g及びヒュームドシリカ2.25gを使用した以外は、上記(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は459時間であった。
(b−2)使用済みのチタノシリケートの焼成
上記(c)で運転後のオートクレーブ内の反応混合物を濾過し、濾残の固体を含水t−ブチルアルコール(水12重量%)で洗浄した後、水で洗浄した。この洗浄後の固体を、空気中、110℃で8時間乾燥した後、350℃で2時間焼成し、再生チタノシリケート/ヒュームドシリカ混合物3.82g(回収率76.4%)を回収した。
(c−2)再生チタノシリケートによるアンモキシム化
チタノシリケート2g及びヒュームドシリカ3gに代えて、上記(b−2)で得た再生チタノシリケート/ヒュームドシリカ混合物3.82g及びヒュームドシリカ1.18gを使用した以外は、上記(a)と同様にアンモキシム化を行った。運転可能時間は421時間であった。

Claims (2)

  1. 工程(1):チタノシリケートと、シリカ、珪酸、珪酸塩及び珪酸エステルから選ばれる珪素化合物の存在下にシクロヘキサノンを過酸化水素とアンモニアでアンモキシム化する工程、及び
    工程(2):工程(1)で使用したチタノシリケートを工程(1)で使用した珪素化合物と共に酸素含有ガスの雰囲気下に焼成する工程
    を有し、工程(2)で焼成したチタノシリケート及び珪素化合物を工程(1)で使用することを特徴とするシクロヘキサノンオキシムの製造方法。
  2. 工程(2)において焼成を250℃以上の温度で行う請求項1に記載の方法。
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