JP4548189B2 - 開放型コンプレッサにおける温度制御方法及び装置 - Google Patents

開放型コンプレッサにおける温度制御方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、電磁クラッチを介して原動機により駆動される開放型コンプレッサにおける温度制御方法及び装置に関する。
この種の開放型コンプレッサとしては特開2004−084631号公報(特許文献1)に開示された技術がある。これは空気調和装置等に使用する冷媒を圧縮する開放型コンプレッサに関するもので、ケーシング内に冷媒などの圧縮室を形成する固定スクロールと可動スクロールを設け、可動スクロールに連結されてケーシングから突出するシャフトを伝動ベルトとプーリを介して外部動力により駆動し、ケーシングとシャフトの間にメカニカルシールを設けたものである。
この特許文献1の開放型コンプレッサの構造それ自体は、図2に示す本発明の実施形態の開放型コンプレッサ10からコンプレッサヒータ28,28Aを除いたものと実質的に同一である。この開放型コンプレッサ10は、ケーシング11の内部に設けたスクロール形の圧縮機構部の可動スクロールに連結された主軸12が転がり軸受13a,13bによりケーシング11に支持され、主軸12の先端部はケーシング11に形成した筒状部11aから突出している。圧縮機構部の圧縮室に連通される主軸12とケーシング11の間の隙間には、静止側シールリング16と回転側シールリング17よりなるメカニカルシール15が設けられてシールされている。静止側シールリング16は筒状部11aの内周にOリングが気密に嵌合されて、筒状部11aの内端部の内向きフランジと止め輪により軸線方向移動が拘束されて取り付けられている。回転側シールリング17は主軸12の中間部にOリング17aを介して気密かつ軸線方向摺動自在に設けられ、このOリング17aの後側に当接されたスプリング受金具18aと主軸12に取り付けられた回転側保持プレート19との間にスプリング18を介装することにより回転側シールリング17の先端の環状突起が静止側シールリング16に回転摺動可能に押圧されている。
ケーシング11の筒状部11aの外周には伝動ベルトなどを介してガスエンジンなどの外部動力により回転駆動される環状で後側が開いた断面U字状のロータ21が、転がり軸受21aを介して主軸12と同軸的に支持されている。このロータ21のU字状の断面内には、前側が開いた断面U字状の環状で鉄などの磁性材料よりなるヨーク22とその内部に設けられた電磁コイル23よりなる電磁石24が、多少の隙間をおいて挿入され、支持板24aにより筒状部11aに取り付けられている。筒状部11aから突出する主軸12の前端部にはハブ25がスプライン結合されてねじ止め固定され、このハブ25のフランジ部には板ばね32を介して、ロータ21の前端面と対向する環状で鉄などの磁性材料の厚板よりなる摩擦板26が取り付けられている。上述したロータ21と電磁石24と摩擦板26により、電磁クラッチ20が構成され、図2に示す自由状態ではロータ21の前端面と摩擦板26の後面の間には所定のクラッチ隙間が形成されている。
上述した開放形圧縮機では、伝動ベルト(図示省略)などを介して外部動力によりロータ21を回転駆動した状態でも、電磁コイル23に通電しなければ、図2に示すように電磁クラッチ20は離脱されたままでロータ21の前端面と摩擦板26の間には隙間が存在するので主軸12は回転されない。しかし電磁コイル23に通電することにより摩擦板26が電磁石24により吸引されてロータ21の端面に吸着されれば電磁クラッチ20が係合され、ロータ21とともに主軸12が回転されて開放型コンプレッサ10は作動される。
上述した技術では、開放型コンプレッサ10を作動させるために電磁コイル23に通電して摩擦板26をロータ21の端面に吸着すれば、主軸12には板ばね27を介して軸線方向内向きの力が加わって主軸12はその方向に多少移動する。回転側シールリング17はOリング17aを介して主軸12に気密かつ軸線方向摺動自在に設けられ、またスプリング18を介して静止側シールリング16に向けて付勢されているので、主軸12が上述したように軸線方向に多少移動しても、通常は回転側シールリング17の先端の環状突起が静止側シールリング16が離れることはなく、メカニカルシール15によるシールは保たれている。しかしながらコンプレッサ10が作動していない状態で低温の雰囲気にある時間以上置かれてメカニカルシール15の周囲の雰囲気温度(以下単にシール部雰囲気温度という)が低下した場合は、ゴムなどを素材とするメカニカルシール15のOリング17aが硬化して主軸12に対する回転側シールリング17の摺動抵抗が増大するので、上述したように主軸12が軸線方向内向きに多少移動すれば、回転側シールリング17もともに移動してその先端の環状突起が静止側シールリング16が離れることがある。従ってそのような状態で電磁コイル23に通電して開放型コンプレッサ10を作動させると、冷媒等の漏れが発生することがある。
このような問題に対処するために、特許文献1の技術では、外部動力が運転停止した場合、制御手段は電磁コイルに所定時間通電を行うようにしており、このようにすれば電磁コイルの発熱により、ハウジングを介してメカニカルシール付近が暖められ、これによりOリングの硬化を防止して、メカニカルシールのシール性を確保することができる。またこの引用文献1では、電磁コイルの発熱によりメカニカルシール付近が暖めており、コンプレッサの予熱のためにだけ用いられるヒータなどの部品は必要ないので、コストアップを避けることができる。
次にこの特許文献1の技術の具体的作動の説明をする。図6(a) に示すように、この技術では、コンプレッサ10の周囲の雰囲気の温度(以下単にコンプレッサ雰囲気温度と呼ぶ)が次第に下降した場合は、コンプレッサ雰囲気温度が予め設定された下降側所定温度tf1を越えれば電磁コイル23に通電がなされ、逆にコンプレッサ雰囲気温度が次第に上昇した場合は、コンプレッサ雰囲気温度が下降側所定温度tf1よりも多少高い値に設定された上昇側所定温度tf2を越えれば電磁コイル23の通電が停止されるようになっている。コンプレッサ雰囲気温度に対するシール部雰囲気温度の変化特性は、図6(b) に示すように、電磁コイル23への通電による加熱がなされなければ特性L1とその延長上の破線に示すように、コンプレッサ雰囲気温度に対し直線的に変化し、コンプレッサ雰囲気温度が下降すれば冷媒洩れ上限温度(冷媒等の漏れが生じるシール部雰囲気温度の上限値)T0 以下となる。しかし、コンプレッサ雰囲気温度が次第に下降し、下降側所定温度tf1を越えて電磁コイル23に通電がなされれば、シール部雰囲気温度は電磁コイル23の加熱により上側の特性L7に移りコンプレッサ雰囲気温度が下降しても冷媒洩れ上限温度T0 以下となることはない。またコンプレッサ雰囲気温度が次第に上昇し、上昇側所定温度tf2を越えて電磁コイル23への通電が遮断されれば、上側の特性L7からもとの特性L1に移る。また、コンプレッサ雰囲気温度が次第に下降した場合におけるメカニカルシール15付近に与えるべき必要加熱量は、図6(c) に示すように、下降側所定温度tf1における最小加熱量(=0)の位置A1 と、予め設定された運転下限温度tr における最大加熱量の位置A2 を結ぶ特性Hで示される。
なお、特開2002−031386号公報(特許文献2)に開示された技術では、同様な目的でコンプレッサを予熱するのにヒータを用いる方法が開示されている。この技術では、圧縮機を予熱する予熱モードを実行する制御手段と、この制御手段に予熱モードを強制的に解除する制御手段を設けており、外出時のように明らかに空気調和機を運転しないような場合に圧縮機が予熱されるのを防止することができるので、節電することが可能となる。
特開2004−084631号公報(段落〔0001〕〜〔0004〕、図1、図2)。 特開2002−031386号公報(段落〔0001〕〜〔0007〕、図1)。
特許文献1の技術によれば、コンプレッサの予熱のためにだけ用いられるヒータなどの部品は必要ないので、設備費のコストアップを避けることができる。しかし、電磁コイルは電磁クラッチとして要求される機能により仕様が定められており、またケーシングのメカニカルシールが設けられる部分に対する伝熱性も考慮されていないので、シール部雰囲気温度を所定値上昇させるために使用される電磁コイルの消費電力が多くなる。また図6(c) で説明した、コンプレッサ雰囲気温度が次第に下降した場合における、特性Hで示される必要加熱量を与えるのに必要な総加熱量は、図6(c) の位置A1 ,A2 ,A4 を結ぶ三角形の面積に相当するが、電磁コイルには所定温度tf1と運転下限温度tr の間で最大加熱量A2 に相当する一定の通電がなされるので実際の総加熱量は位置A1 ,A2,A3 ,A4 を結ぶ四角形の面積であり、実際の総加熱量は必要な総加熱量の2倍となる。このように電磁コイルが消費する電力は多く、これにより高温となるので、電磁コイルの絶縁に使用されている樹脂の劣化の進行が速くなり、電磁コイルの信頼性及び耐久性を低下させるという問題がある。
また特許文献2の技術では、コンプレッサを加熱する専用のヒータを用いており、これによれば加熱に最適の仕様及び設置位置を与えることができるので、シール部雰囲気温度を所定値上昇させるために使用される電力は電磁コイルにより加熱する場合に比して減少する。しかしながら、そのようなヒータを用いた場合でも、図6(c) により説明した、実際の総加熱量は必要な総加熱量の2倍となるという問題は存在するので、ヒータで消費される電力の減少は必ずしも充分ではない。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
請求項1の発明による開放型コンプレッサにおける温度制御方法は、圧縮機構部が内蔵されたケーシングと、圧縮機構部に連結されてこれを作動させるとともにケーシングを回転自在に貫通して外部に突出されて電磁クラッチを介して原動機により駆動される主軸と、圧縮機構部の圧縮室に連通される主軸とケーシングの間の隙間をシール装置により気密にシールしてなる開放型コンプレッサにおいて、開放型コンプレッサの周囲のコンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度より低い場合にはシール装置付近となるケーシングに設けたコンプレッサヒータに通電してシール装置付近を加熱し、コンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度よりも低い第2の所定温度より低い場合には電磁クラッチの電磁コイルにも通電してコンプレッサヒータに加えて電磁コイルによってもシール装置付近を加熱することを特徴とするものである。
請求項1に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御方法において、コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方は複数設けるとともに第1及び第2の所定温度の少なくともいずれか一方も複数設定して、コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて通電するコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方の数を増大させるようにすることが好ましい。
請求項1に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御方法は、コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれてコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方への通電量を増大させるようにしてもよい。
請求項4の発明による開放型コンプレッサにおける温度制御装置は、圧縮機構部が内蔵されたケーシングと、圧縮機構部に連結されてこれを作動させるとともにケーシングを回転自在に貫通して外部に突出されて電磁クラッチを介して原動機により駆動される主軸と、圧縮機構部の作動室に連通される主軸とケーシングの間の隙間をシール装置により気密にシールしてなる開放型コンプレッサにおいて、開放型コンプレッサの周囲のコンプレッサ雰囲気温度を検出する温度センサと、シール装置付近となるケーシングに設けたコンプレッサヒータと、検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度より低い場合にはコンプレッサヒータに通電してシール装置付近を加熱するとともに、コンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度よりも低い第2の所定温度より低い場合には電磁クラッチの電磁コイルにも通電してコンプレッサヒータに加えて電磁コイルによってもシール装置付近を加熱する制御手段とをさらに備えたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御装置において、コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方は複数設けるとともに第1及び第2の所定温度の少なくともいずれか一方も複数設定して、制御手段は、検出されたコンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて通電するコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方の数を増大させることが好ましい。
請求項4に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御装置において、制御手段は、検出されたコンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれてコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方への通電量を増大させるようにしてもよい。
請求項1の開放型コンプレッサにおける温度制御方法の発明によれば、開放型コンプレッサの周囲のコンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度より低い場合にはシール装置付近となるケーシングに設けたコンプレッサヒータに通電してシール装置付近を加熱し、コンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度よりも低い第2の所定温度より低い場合には電磁クラッチの電磁コイルにも通電してコンプレッサヒータに加えて電磁コイルによってもシール装置付近を加熱するので、第1及び第2の所定温度の間ではコンプレッサヒータだけが通電されてシール装置が加熱され、第2の所定温度以下になればコンプレッサヒータと電磁コイルの両方に通電されてシール装置が加熱される。すなわち第1と第2の所定温度の間では電磁コイルに対する通電はなされないので、その分だけシール装置付近を加熱するための消費電力を減少させることができる。しかもシール部雰囲気温度を所定値上昇させるための消費電力が多い電磁コイルへの通電時間が減少するのでシール装置付近を加熱するのに必要な消費電力は一層減少されるとともに、これにより加熱される電磁コイルの温度及び時間が減少して電磁コイルの絶縁に使用されている樹脂の劣化の進行が遅くなるので、電磁コイルの信頼性及び耐久性を高めることができる。
コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方は複数設けるとともに第1及び第2の所定温度の少なくともいずれか一方も複数設定して、コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて通電するコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方の数を増大させるようにした請求項2に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御方法の発明によれば、シール装置付近を加熱するための消費電力をさらに一層減少させることができる。
コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれてコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方への通電量を増大させるようにした請求項3に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御方法の発明によれば、請求項2の発明と同様、シール装置付近を加熱するための消費電力をさらに一層減少させることができるのに加えて、コンプレッサヒータ及び電磁コイルを複数設ける必要がないのでコストアップを避けることができる。
請求項4の開放型コンプレッサにおける温度制御装置の発明によれば、開放型コンプレッサの周囲のコンプレッサ雰囲気温度を検出する温度センサと、シール装置付近となるケーシングに設けたコンプレッサヒータと、検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度より低い場合にはコンプレッサヒータに通電してシール装置付近を加熱するとともに、コンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度よりも低い第2の所定温度より低い場合には電磁クラッチの電磁コイルにも通電してコンプレッサヒータに加えて電磁コイルによってもシール装置付近を加熱する制御手段とを備えているので、制御手段は、第1及び第2の所定温度の間ではコンプレッサヒータだけに通電してシール装置付近を加熱し、第2の所定温度以下になればコンプレッサヒータと電磁コイルの両方に通電してシール装置付近を加熱する。すなわち第1と第2の所定温度の間では電磁コイルに対する通電はなされないので、その分だけシール装置付近を加熱するために必要な消費電力を減少させることができる。しかもシール部雰囲気温度を所定値上昇させるための消費電力が多い電磁コイルへの通電時間が減少するのでシール装置付近を加熱するための消費電力は一層減少されるとともに、これにより加熱される電磁コイルの温度及び時間が減少して電磁コイルの絶縁に使用されている樹脂の劣化の進行が遅くなるので、電磁コイルの信頼性及び耐久性を高めることができる。
コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方は複数設けるとともに第1及び第2の所定温度の少なくともいずれか一方も複数設定して、制御手段は、検出されたコンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて通電するコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方の数を増大させた請求項5に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御装置の発明によれば、シール装置付近を加熱するための消費電力をさらに一層減少させることができる。
制御手段は、検出されたコンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれてコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方への通電量を増大させるようにした請求項6に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御装置の発明によれば、請求項5の発明と同様、シール装置付近を加熱するための消費電力をさらに一層減少させることができるのに加えて、コンプレッサヒータ及び電磁コイルを複数設ける必要がないのでコストアップを避けることができる。
以下に、図1〜図4により、本発明による開放型コンプレッサにおける温度制御方法及び装置の第1実施形態の説明をする。この第1実施形態による開放型コンプレッサにおける温度制御装置は、図1に示すように、開放型コンプレッサ10と、これを駆動するガスエンジン(原動機)30と、開放型コンプレッサ10の作動を制御する制御コンピュータ(制御手段)35と、制御コンピュータ35に接続された温度センサ36、起動スイッチ37及び停止スイッチ38よりなるものである。この開放型コンプレッサ10は、屋外の専用の収納ボックス内に設置されている。そのため、開放型コンプレッサ10のシール装置15付近の温度は、コンプレッサ雰囲気温度との相関がある。そこで、コスト面からも優位であるコンプレッサ雰囲気温度を温度センサ36で検出することで、シール装置15付近の雰囲気温度を制御することを可能としている。
開放型コンプレッサ10は、メカニカルシール(シール装置)15付近となるケーシング11の一部にベルト状のコンプレッサヒータ28を巻き付けて設けた点を除き、先の従来技術の説明において、図2により説明した開放型コンプレッサ10と同一であるので、詳細な構造は説明を省略する。この開放型コンプレッサ10は、図1に示すように、ロータ21の外周のベルト溝21bとガスエンジン30の出力軸30aに取り付けた駆動プーリ31の間に伝動ベルト32を張り渡して駆動されるようになっている。
温度センサ36はコンプレッサ雰囲気温度を検出して制御コンピュータ35に入力するものである。この開放型コンプレッサ10及びこれを駆動するエンジン30は、屋内の一部、屋外に設けた専用の収納ボックス内、軒下となる屋外などに設置されるが、コンプレッサ雰囲気温度は前2者の場合はその屋内または収納ボックス内の温度であり、後者の場合は外気温度である。起動スイッチ37及び停止スイッチ38は手動または所定のシーケンスにより作動されて、エンジン30を起動または停止させる信号を制御コンピュータ35に出力するものである。
また制御コンピュータ35は、図3(a) に示すように、コンプレッサ雰囲気温度が、コンプレッサヒータ28及び電磁コイル23の何れにも通電がなされていない比較的高い温度から次第に下降した場合は、温度センサ36により検出されたコンプレッサ雰囲気温度が予め設定された第1の下降側所定温度ta1(例えば5℃)を越えれば先ずコンプレッサヒータ28に通電を開始し、さらに低下して予め設定された第2の下降側所定温度tb1(例えば−5℃)を越えれば電磁コイル23に通電を開始するようになっている。制御コンピュータ35はまた、コンプレッサ雰囲気温度が、コンプレッサヒータ28及び電磁コイル23の何れにも通電がなされている低温から次第に上昇した場合は、コンプレッサ雰囲気温度が第2の下降側所定温度tb1よりも多少高い(しかし第1の下降側所定温度ta1よりは低い)値に設定された第2の上昇側所定温度tb2(例えば0℃)を越えれば先ず電磁コイル23への通電を停止し、さらに上昇して第1の下降側所定温度ta1よりも多少高い予め設定された第1の上昇側所定温度ta2(例えば10℃)を越えればコンプレッサヒータ28への通電を停止するようになっている。第1の下降側所定温度ta1と第1の上昇側所定温度ta2の両方を合わせたものが第1の所定温度ta であり、第2の下降側所定温度tb1と第2の上昇側所定温度tb2の両方を合わせたものが第2の所定温度tb である。
次に図3及び図4により、この第1実施形態の作動の説明をする。制御コンピュータ35は、電源が入っている状態では、エンジン30の作動の有無、電磁クラッチ20の作動の有無及びコンプレッサヒータ28の作動の有無にかかわらず、所定時間毎に図4に示すフローチャートによる制御プログラムを繰り返し実行する。なおこのフローチャートでは、エンジンは「E/G」と省略し、コンプレッサ雰囲気温度は「C/P雰囲気」と省略して表示している。
図6により先に説明した従来技術の場合と同様、コンプレッサ雰囲気温度に対するシール部雰囲気温度の変化特性は、電磁コイル23及びコンプレッサヒータ28に通電がなされなければ、特性L1(図3(b) 参照)とその延長上の破線に示すように、コンプレッサ雰囲気温度に対し直線的に変化し、コンプレッサ雰囲気温度が下降すれば冷媒洩れ上限温度T0 以下となるが、この第1実施形態では、図4の制御プログラムの実行によりコンプレッサ雰囲気温度が下降してもシール部雰囲気温度が冷媒洩れ上限温度T0 以下となることはない。
制御コンピュータ35は先ず図4の制御プログラムのステップ101においてエンジン30の停止後30分以上経過しているか否かを判断する。エンジン30作動中は開放型コンプレッサ10はその作動により暖められており、エンジン30の停止後30分以上経過しなければ、シール部雰囲気温度が冷媒洩れ上限温度T0 (例えば0℃)以下に低下することはない。従ってその間はシール部雰囲気温度が冷媒洩れ上限温度T0 以上に維持するために電磁コイル23及びコンプレッサヒータ28に通電する必要はないので、制御コンピュータ35は図4の制御プログラムの実行を直ちに終了する。
エンジン30の停止後30分以上経過している場合には、制御コンピュータ35は温度センサ36により検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第1の下降側所定温度ta1未満であるか否かを判断し(ステップ102)、未満であればコンプレッサヒータ28に通電し(ステップ103)て加熱し、これによりシール部雰囲気温度は1つ上側の特性L2(図3(b) 参照)に移る。次いで制御コンピュータ35は温度センサ36により検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第2の下降側所定温度tb1未満であるか否かを判断し(ステップ104)、未満であれば電磁コイル23にも通電し(ステップ105)て加熱し、これによりシール部雰囲気温度はさらに1つ上側の特性L3に移り、この状態で図4の制御プログラムの実行を終了する。
ステップ102において検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第1の下降側所定温度がta1未満でなければ、制御コンピュータ35は検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第1の上昇側所定温度ta2以上であるか否かを判断し(ステップ106)、以上でなければそのまま、また以上であればコンプレッサヒータ28への通電を停止して(ステップ107)、図4の制御プログラムの実行を終了する。この状態ではシール部雰囲気温度は特性L1の実線部上にある。なおステップ107は、コンプレッサヒータ28に通電された状態で前回の制御プログラムが終了した場合に対応するためである。
またステップ104において検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第2の下降側所定温度tb1未満でなければ、制御コンピュータ35は検出されたコンプレッサ雰囲気温度が第2の上昇側所定温度tb2以上であるか否かを判断し(ステップ108)、以上でなければそのまま、また以上であれば電磁コイル23への通電を停止して(ステップ109)、図4の制御プログラムの実行を終了する。この状態ではシール部雰囲気温度は特性L2上にある。なおステップ109は、電磁コイル23に通電された状態で前回の制御プログラムが終了した場合に対応するためである。
また制御コンピュータ35は、図4に示すフローチャートとは別の制御プログラム(図示省略)によりエンジン30と電磁クラッチ20を制御して開放型コンプレッサ10を作動させる。その制御プログラムでは、起動スイッチ37からエンジン起動指令が与えられた場合は、制御コンピュータ35は、電磁コイル23に通電されていないときは直ちにエンジン30を起動するが、電磁コイル23に通電されているときは起動時のエンジン負荷を減少させるために一旦電磁コイル23への通電を停止してエンジン30を起動する。エンジン30の起動後は、本来の動力伝達のために電磁コイル23への通電を行う。
以上の説明の通り、この第1実施形態では、図3(b) に示すように、コンプレッサヒータ28には第1の所定温度ta (ta1とta2)と運転下限温度tr の間で通電がなされ、電磁コイル23には第1の所定温度ta よりも低い第2の所定温度tb (tb1とtb2)と運転下限温度tr の間で通電がなされる。この両者28,23により加熱されて、シール部雰囲気温度は実線の各特性L1,L2,L3に示すように変化し、コンプレッサ雰囲気温度が低下してもシール部雰囲気温度が冷媒洩れ上限温度T0 以下になることはない。従って前述したような、電磁コイル23に通電して開放型コンプレッサ10を作動させる際に生じる冷媒等の漏れが発生することはない。
また、コンプレッサ雰囲気温度が次第に下降した場合におけるメカニカルシール15付近に与えるべき必要加熱量は、図3(c) においても図6(c) と同様、第1の下降側所定温度ta1における最小加熱量(=0)の位置A1 と、予め設定された運転下限温度tr における最大加熱量の位置A2 を結ぶ特性Hで示される。これに対しこの第1実施形態では、特性Hで示される必要加熱量を与えるのに必要な総加熱量は、コンプレッサヒータ28及び電磁コイル23により与えられ、コンプレッサヒータ28により与えられる加熱量は第1の下降側所定温度ta1から運転下限温度tr の間にわたる四角形A1 ,A4 ,B3 ,B1 の面積に相当し、電磁コイル23により与えられる加熱量は第2の下降側所定温度tb1から運転下限温度tr の間にわたる四角形B2 ,B3 ,A2 ,C1 の面積に相当する。すなわち第1の下降側所定温度ta1と第2の下降側所定温度tb1の間では電磁コイル23に対する通電がなされないので、この第1実施形態の実際の総加熱量は、従来技術である図6(c) の四角形A1 ,A4 ,A2 ,A3 に比して四角形B1 ,B2 ,C1 ,A3 に相当する面積だけ減少し、その分だけメカニカルシール15付近を加熱するための消費電力は減少する。しかも前述のようにこのシール部雰囲気温度を所定値上昇させるための消費電力がコンプレッサヒータ28に比して多い電磁コイル23への通電時間が減少するのでメカニカルシール15付近を加熱するのに必要な消費電力は一層減少されるとともに、これにより加熱される電磁コイル23の温度及び時間が減少して電磁コイルの絶縁に使用されている樹脂の劣化の進行が遅くなるので、電磁コイルの信頼性及び耐久性が向上する。
次に図1及び図5により、本発明による開放型コンプレッサにおける温度制御方法及び装置の第2実施形態の説明をする。この第1実施形態による開放型コンプレッサにおける温度制御装置は、図1に二点鎖線で記入したように、第2コンプレッサヒータ28Aが設けられている点を除き第1の実施形態と同じであるので、これ以上の詳細な構造は説明を省略する。なお、第1コンプレッサヒータは第1実施形態で使用したのと同じ符号28により示している。
制御コンピュータ35は、図5(a) に示すように、コンプレッサ雰囲気温度が、第1及び第2コンプレッサヒータ28,28A並びに電磁コイル23の何れにも通電がなされていない比較的高い温度から次第に下降した場合は、温度センサ36により検出されたコンプレッサ雰囲気温度が予め設定された第1の下降側所定温度tc1を越えれば先ず第1コンプレッサヒータ28に通電を開始し、さらに低下して予め設定された第2の下降側所定温度td1を越えれば第2コンプレッサヒータ28Aに通電を開始し、さらに低下して予め設定された第3の下降側所定温度te1を越えれば電磁コイル23に通電を開始するようになっている。また制御コンピュータ35は、コンプレッサ雰囲気温度が、両コンプレッサヒータ28,28A及び電磁コイル23の何れにも通電がなされている低温から次第に上昇した場合は、コンプレッサ雰囲気温度が第3の下降側所定温度te1よりも多少高い(しかし第2の下降側所定温度td1よりは低い)値に設定された第3の上昇側所定温度te2を越えれば先ず電磁コイル23への通電を停止し、さらに上昇してコンプレッサ雰囲気温度が第2の下降側所定温度td1よりも多少高い(しかし第1の下降側所定温度tc1よりは低い)値に設定された第2の上昇側所定温度td2を越えれば第2コンプレッサヒータ28Aへの通電を停止し、さらに上昇して第1の下降側所定温度tc1よりも多少高い予め設定された第1の上昇側所定温度tc2を越えれば第1コンプレッサヒータ28への通電を停止するようになっている。第1の下降側所定温度tc1と第1の上昇側所定温度tc2の両方を合わせたものが第1の所定温度tc であり、第2の下降側所定温度td1と第2の上昇側所定温度td2の両方を合わせたものが第2の所定温度td であり、第3の下降側所定温度te1と第3の上昇側所定温度te2の両方を合わせたものが第3の所定温度te である。
この第2実施形態では、制御プログラムのフローチャートによる説明は第1実施形態とほぼ同様であるので説明は省略する。この第1実施形態では、図5(b) に示すように、第1コンプレッサヒータ28には第1の所定温度tc (tc1とtc2)と運転下限温度tr の間で通電がなされ、第2コンプレッサヒータ28Aには第1の所定温度tc よりも低い第2の所定温度td (td1とtd2)と運転下限温度tr の間で通電がなされ、電磁コイル23には第2の所定温度td よりも低い第3の所定温度te (te1とte2)と運転下限温度tr の間で通電がなされる。この三者28,28A,23により加熱されて、シール部雰囲気温度は実線の各特性L1,L4,L5,L6に示すように変化し、コンプレッサ雰囲気温度が低下してもシール部雰囲気温度が冷媒洩れ上限温度T0 以下になることはない。従って前述したような、電磁コイル23に通電して開放型コンプレッサ10を作動させる際に生じる冷媒等の漏れが発生することはない。
また、コンプレッサ雰囲気温度が次第に下降した場合におけるメカニカルシール15付近に与えるべき必要加熱量は、図5(c) においても図6(c) 及び図3(c) と同様、位置A1 と位置A2 を結ぶ特性Hで示される。これに対しこの第2実施形態では、特性Hで示される必要加熱量を与えるのに必要な総加熱量は、両コンプレッサヒータ28,28A及び電磁コイル23により与えられ、第1コンプレッサヒータ28により与えられる加熱量は第1の下降側所定温度tc1から運転下限温度tr の間にわたる四角形A1 ,A4 ,D3 ,D1 の面積に相当し、第2コンプレッサヒータ28Aにより与えられる加熱量は第2の下降側所定温度td1から運転下限温度tr の間にわたる四角形D2 ,D3 ,E3 ,E1 の面積に相当し、電磁コイル23により与えられる加熱量は第3の下降側所定温度te1から運転下限温度tr の間にわたる四角形E2 ,E3 ,A2 ,F1 の面積に相当する。すなわち第1の下降側所定温度tc1と第2の下降側所定温度td1の間では第2コンプレッサヒータ28Aに対する通電がなされず、第1の下降側所定温度tc1と第3の下降側所定温度te1の間では電磁コイル23に対する通電がなされないので、この第1実施形態の実際の総加熱量は、従来技術である図6(c) の四角形A1 ,A4 ,A2 ,A3 に比して六辺形D1 ,D2 ,E1 ,E2 ,F1 ,A3 に相当する面積だけ減少し、メカニカルシール15付近を加熱するための消費電力は前述した第1実施形態よりもさらに減少する。しかも前述のようにこのシール部雰囲気温度を所定値上昇させるための消費電力が第1コンプレッサヒータ28に比して多い電磁コイル23への通電時間が減少するのでメカニカルシール15付近を加熱するのに必要な消費電力はさらに一層減少されるとともに、これにより加熱される電磁コイル23の温度及び時間が減少して電磁コイルの絶縁に使用されている樹脂の劣化の進行が遅くなるので、電磁コイルの信頼性及び耐久性が一層向上する。
上述した第2実施形態では2個のコンプレッサヒータ28,28Aを設けてコンプレッサ雰囲気温度が最低の場合は両コンプレッサヒータ28,28Aに通電し、それよりコンプレッサ雰囲気温度が高い場合は第1コンプレッサヒータ28だけに通電しているが、コンプレッサヒータを3個以上としてコンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて通電するコンプレッサヒータの数を増大するようにしてもよい。このような変形例によれば、コンプレッサヒータが2個の場合よりもメカニカルシール15付近を加熱するのに必要な消費電力はさらに一層減少され、また加熱される電磁コイル23の温度及び時間が減少して電磁コイルの絶縁に使用されている樹脂の劣化の進行が一層遅くなるので、電磁コイルの信頼性及び耐久性がさらに一層向上する。
なお上述した第2実施形態及びその変形例では、複数のコンプレッサヒータを設けているが、コンプレッサヒータは1個としてそれに対する通電量をコンプレッサ雰囲気温度の低下に応じて段階的または連続的に増大させるようにしてもよい。そのようにすれば前述したのと同様なメカニカルシール付近を加熱するのに必要な消費電力の減少と電磁コイルの信頼性及び耐久性の向上が得られるのに加え、コンプレッサヒータは1個で足りるので構造が簡略化され、コストアップを避けることができる。
また本発明は電磁コイル23への通電量をコンプレッサ雰囲気温度の低下に応じて段階的または連続的に増大させるようにしてもよい。あるいはまた電磁コイルを複数に分割して、コンプレッサ雰囲気温度の低下に応じて通電する電磁コイルの数を増大させるようにしてもよい。そのようにすればメカニカルシール15付近を加熱するのに必要な消費電力が減少するので、電磁コイル23におけるシール部雰囲気温度を所定値上昇させるために使用される消費電力が多いという問題点をカバーすることもできる。
なお上述した各実施形態及び変形例は、複数のものを組み合わせて実施することも可能である。
本発明による開放型コンプレッサにおける温度制御装置の一実施形態の全体構成を示すシステム図である。 図1に示す実施形態に使用する開放型コンプレッサの要部を破断した側面図である。 本発明による開放型コンプレッサにおける温度制御方法の第1実施形態の作動の説明図である。 図3に示す第1実施形態の作動を示すフローチャートである。 本発明による開放型コンプレッサにおける温度制御方法の第2実施形態の作動の説明図である。 従来技術による開放型コンプレッサにおける温度制御方法の一例の作動の説明図である。
符号の説明
10…開放型コンプレッサ、11…ケーシング、12…主軸、15…シール装置(メカニカルシール)、20…電磁クラッチ、23…電磁コイル、28…コンプレッサヒータ、30…原動機(エンジン)、35…制御コンピュータ、36…温度センサ。

Claims (6)

  1. 圧縮機構部が内蔵されたケーシングと、前記圧縮機構部に連結されてこれを作動させるとともに前記ケーシングを回転自在に貫通して外部に突出されて電磁クラッチを介して原動機により駆動される主軸と、前記圧縮機構部の圧縮室に連通される前記主軸と前記ケーシングの間の隙間をシール装置により気密にシールしてなる開放型コンプレッサにおいて、
    前記開放型コンプレッサの周囲のコンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度より低い場合には前記シール装置付近となる前記ケーシングに設けたコンプレッサヒータに通電して前記シール装置付近を加熱し、
    前記コンプレッサ雰囲気温度が前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度より低い場合には前記電磁クラッチの電磁コイルにも通電して前記コンプレッサヒータに加えて前記電磁コイルによっても前記シール装置付近を加熱すること
    を特徴とする開放型コンプレッサにおける温度制御方法。
  2. 請求項1に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御方法において、前記コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方は複数設けるとともに前記第1及び第2の所定温度の少なくともいずれか一方も複数設定して、前記コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて通電する前記コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方の数を増大させるようにしたことを特徴とする開放型コンプレッサにおける温度制御方法。
  3. 請求項1に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御方法において、前記コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて前記コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方への通電量を増大させるようにしたことを特徴とする開放型コンプレッサにおける温度制御方法。
  4. 圧縮機構部が内蔵されたケーシングと、前記圧縮機構部に連結されてこれを作動させるとともに前記ケーシングを回転自在に貫通して外部に突出されて電磁クラッチを介して原動機により駆動される主軸と、前記圧縮機構部の作動室に連通される前記主軸と前記ケーシングの間の隙間をシール装置により気密にシールしてなる開放型コンプレッサにおいて、
    前記開放型コンプレッサの周囲のコンプレッサ雰囲気温度を検出する温度センサと、
    前記シール装置付近となる前記ケーシングに設けたコンプレッサヒータと、
    検出された前記コンプレッサ雰囲気温度が第1の所定温度より低い場合には前記コンプレッサヒータに通電して前記シール装置付近を加熱するとともに、前記コンプレッサ雰囲気温度が前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度より低い場合には前記電磁クラッチの電磁コイルにも通電して前記コンプレッサヒータに加えて前記電磁コイルによっても前記シール装置付近を加熱する制御手段と
    をさらに備えたことを特徴とする開放型コンプレッサにおける温度制御装置。
  5. 請求項4に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御装置において、前記コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方は複数設けるとともに前記第1及び第2の所定温度の少なくともいずれか一方も複数設定して、前記制御手段は、検出された前記コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて通電するコンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方の数を増大させることを特徴とする開放型コンプレッサにおける温度制御装置。
  6. 請求項4に記載の開放型コンプレッサにおける温度制御装置において、前記制御手段は、検出された前記コンプレッサ雰囲気温度が低下するにつれて前記コンプレッサヒータ及び電磁コイルの少なくともいずれか一方への通電量を増大させることを特徴とする開放型コンプレッサにおける温度制御装置。
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