JP4548102B2 - 携帯端末機 - Google Patents
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Description
なお、従来技術として特許文献1が知られている。
この発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、GPS衛星からの電波を用いずに、月日及び時刻と天体の方位及び仰角に基づいて現在の位置を求める携帯端末機を提供することである。
携帯端末機1の地磁気センサモジュール10は磁界の強度を検出し、時計20は月日及び時刻を出力し、演算処理部50はこれらに基づいて緯度及び経度を求め、表示処理部40は現在位置に関する情報を表示する。また、ここで説明する携帯端末機1は、位置情報を求めるために必須ではないが携帯電話機の機能も備える。
切換器14は、X軸センサ11、Y軸センサ12、Z軸センサ13の出力を一定周期で切り換えて増幅器15に出力する。増幅器15は各センサの出力を増幅してA/Dコンバータ16に出力する。A/Dコンバータ16は入力信号をデジタル信号に変換し、インタフェース部17に出力する。インタフェース部17はこの出力値をバスライン100に出力する。
携帯端末機1の方位は、地平面に対して水平方向の磁界の成分から求める。ここで、X軸センサ11、Y軸センサ12、Z軸センサ13の出力値をそれぞれSx、Sy、Szとする。図4に示す円は、Z軸方向に磁界の成分が発生しないよう携帯端末機1を地平面に対して水平にした状態で方位を変えたときに、Sx、Syが取り得る値をXY平面上にプロットしてできたグラフである。このグラフにおいて、携帯端末機1が北向きのときはSxが0、Syが最大値をとるのでグラフ上の点はP1、東向きのときSxは最小値、Syは0であるからグラフ上の点はP2、南向きのときはSxは0、Syは最小値であるからグラフ上の点はP3、西向きのときはSxは最大値、Syは0であるからグラフ上の点はP4となる。Sx、Syがこれらの中間の値であるときは、Sx及びSyの値により定まる点と原点Oとを結ぶ線分が、X軸またはY軸となす角度を求めることにより、東西南北いずれの方位から、角度がいくらずれているか求めることができる。
まず、図5を参照して現在位置の経度の求め方を説明する。図5は北極側から地球を見た図である。東経135°の位置と現在地の経度の差であるδが求まれば、現在地の経度を求めることができる。日本標準時で午前12時に東経135°の位置において太陽は真南に位置するとする。そして例えば、その2時間前の午前10時に現在地においては真南から東へ25°の方位に太陽があるとする。ここで、地球は1日にほぼ360°自転するので太陽の方位は1時間に15°移動するとすれば、上記と同じ午前10時に東経135°の位置においては、真南から東へ30°の方位に太陽がある。図5においてθは30°、φは25°である。この図においてφ+δ=θの関係にあるので、
δ=θ―φ=30°−25°=5°
より現在地の経度は
135°+δ=135°+5°=140°
より現在地の経度は東経140°である。このようにして、太陽の方位と現在の時刻からその地点の経度を求めることができる。
θ=15°×(1+43/60)
を求める。
φ=90°−θ+δ
の関係となっている。ここで視赤緯とは、太陽が北寄りに位置しているのか南寄りに位置しているのかを示す値であって、歳差運動(地球の地軸の移動による首振り運動)や章動(主に月の引力の影響で起こる地軸の振れ)の影響で日ごとに値が異なるが、例えば国立天文台が編纂する理科年表等に日ごとの値が掲載されている。
緯度α、経度βを決めて、この日の日の出時刻、南中時刻、日の入り時刻、及び、この日の視赤緯を調べる。上記の式より太陽の南中高度θを計算し、表において南中時刻に対応する時刻、南中高度に対応する太陽の高度の欄に緯度αを記入する。次に、日の出時刻から南中時刻まで、太陽が高度0°から南中高度θまで等速に高度が増加すると考えて、日の出時刻から南中時刻までの1分間隔での太陽の高度を求める。なお、太陽の軌道から1分ごとの太陽の高度を求めてもよい。表において得られた時刻と太陽の高度によって定まる欄に緯度αを記入する。同様に、南中時刻から日の入り時刻までの1分間隔での太陽の高度を求め、同様に表の該当する欄に緯度αを記入する。表において、まだ緯度が記入されていない欄については、緯度がλだけ増加すると太陽の高度はλだけ減少するので、表において既に記入された欄の1つ左の欄は、既に記入された欄の値から0.5°増加させた値を記入し、既に記入された欄の1つ右の欄は、既に記入された欄の値に0.5°減少させた値を記入する。これを繰り返して図6の表を埋めることができ、このような形式の表を1月1日から12月31日について作成し、携帯端末機1のメモリ60に記憶する。
なお、ステップS4で算出された緯度及び経度は、緯度及び経度のまま表示処理部40に表示してもよいし、音源90から音声で出力してもよい。あるいは、緯度及び経度から求めた住所を表示処理部40に表示してもよいし、音源90から音声で出力してもよい。ここで、緯度及び経度から住所を求めるには、メモリ60に記憶された緯度・経度と住所の対応を示すデータを用いる。
なお、現在位置取得のために使用する天体は太陽に限らず、月、星等であってもよい。その場合、その天体に合った演算方法やデータテーブルを用意しておく。また、複数の天体に対応させておき、入力部30によって天体を選択するようにしてもよい。また、図3における投影板3を無くし、ユーザが入射部2越しに天体をのぞくようにして携帯端末機を天体の方向に向けるようにしてもよい。
Claims (5)
- 複数の天体から前記天体を選択する操作入力と、計測を開始する指示と、を受け付ける入力部と、
前記入力部が前記指示を受け付けた際、筐体が向く方位と傾きとを含む方位情報を検出する方位センサと、
現在の月日及び時刻を含む時間情報を出力する時計手段と、
筐体を前記操作入力により選択された天体に向けることにより検出された前記天体の方位及び仰角からなる方位情報を前記方位センサから取得し、取得した前記方位情報、前記時間情報、及び前記選択された天体を示す情報に基づいて前記筐体の現在の位置を求める演算手段と、
を具備する携帯端末機。 - 前記時間情報と前記天体の仰角に対応する緯度の情報を記憶する記憶手段をさらに具備し、
前記演算手段は、前記時間情報と前記天体の方位に基づいて筐体の現在の位置の経度を求め、前記時間情報と前記天体の仰角に基づいて前記記憶手段から筐体の現在の位置の緯度を求めることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機。 - 前記方位情報と前記時間情報とに基づいて前記位置を求めるための演算方法及びデータテーブルを、前記天体毎に記憶する記憶部をさらに具備し、
前記演算手段は、前記選択された天体に対応する前記演算方法及び前記データテーブルに基づいて、前記位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機。 - 前記演算手段により求められた現在の位置を表示する表示手段をさらに具備することを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の携帯端末機。
- 前記表示手段は、前記演算手段により求められた現在の位置と前記方位センサからの方位情報に基づいて筐体の現在の位置を含む地図の向きを筐体の向いている方位に対応づけて、前記地図を表示することを特徴とする請求項4に記載の携帯端末機。
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