JP4548039B2 - スリットコート式塗布方法及び電子デバイス用基板 - Google Patents

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本発明は、ノズルの先端から所定の塗布溶液を流出して基板の表面にその塗布溶液を塗布するスリットコート式塗布方法、及びこのスリットコート式塗布方法に用いて好適な電子デバイス用基板に関する。
例えば、半導体ウェハやガラス基板等の基板にレジスト材料や絶縁材料などの所定の溶液(溶剤)を塗布する塗布方法としては、例えば、毛細管現象によりノズルの先端から溶液を流出させて、基板の表面に溶液を塗布するスリットコート式塗布方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、その他に、例えば、ゴムロールからなる塗布ロール部に溶液を付着させ、塗布ロール部に付着した溶液を基板上に塗布する方法等もある(例えば、特許文献2参照)。
なお、このような塗布方法によって基板の表面に全面に亘って溶液を塗布した後は、一般的に、例えば、ホットプレート上にこの基板を配置して塗布した溶液を乾燥させることによって基板表面に塗布膜を形成している。
そして、このような塗布方法によって基板上に溶液を塗布した場合、基板に塗布された溶液が塗布直後から乾燥し始めてしまうため、乾燥ムラやひけ等が発生してしまうという問題がある。特に、基板が凹部を有する場合には、この凹部の周縁部において乾燥ムラやひけが発生しやすい。また、使用する溶液の粘度が比較的低い材料を用いて薄い膜厚の塗布膜を形成する場合、このような問題が顕著に表れる。
特開平6−343908号公報(第1〜2図、第2〜4頁、) 特開平7−47315号広報(第1〜2図、第3〜4頁)
本発明はこのような事情に鑑み、所定形状の凹部を有する基板の表面に塗布溶液を均一に塗布することができ、塗布溶液の乾燥むらやひけを防止することができるスリットコート式塗布方法、及びこのスリットコート式塗布方法に用いて好適な電子デバイス用基板を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、五角形以上の多角形形状の開口形状を有する長穴であり且つその長手方向の少なくとも一端部側の各角部の角度が鈍角となっている凹部を有する基板を固定した保持テーブルと、該保持テーブルに保持された前記基板の表面に相対向するように配置されると共に当該基板の表面に向かって所定の塗布溶液を流出するスリット状のノズル開口を有する塗布ヘッドとを、水平方向で相対的に移動させて前記基板の前記塗布溶液を塗布する際、前記塗布ヘッドが前記基板に形成された前記凹部の他端部側から一端部側に向かって相対移動中に当該基板の表面に前記塗布溶液を塗布するようにしたことを特徴とするスリットコート式塗布方法にある。
かかる第1の態様では、基板に塗布された塗布溶液のひけ、特に凹部の周縁部における塗布溶液のひけ、乾燥むら等を防止して、基板の全面に均一に塗布膜を形成することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記基板が、シリコン基板の表面に酸化シリコンからなる絶縁膜を介して配線パターンを形成するための導電層を有する電子デバイス用基板であり、前記塗布溶液が前記導電層のパターニングに用いられるレジストであることを特徴とするスリットコート式塗布方法にある。
かかる第2の態様では、導電層を良好にパターニングでき、凹部の周縁部、すなわち、凹部に極めて近い部分であっても配線パターンを形成することができる。
本発明の第3の態様は、厚さ方向の少なくとも一部が除去された長穴である凹部を有するシリコン基板の表面に、酸化シリコンからなり前記凹部の内壁面まで連続的に設けられる絶縁膜と、該絶縁膜上に設けられ配線パターンを形成するための導電層とを有し、且つ前記凹部の開口形状が五角形以上の多角形形状であると共に当該凹部の長手方向の少なくとも一端部側の各角部の角度が鈍角となっていることを特徴とする電子デバイス用基板にある。
かかる第3の態様では、凹部を所定の形状とすることで、スリットコート式塗布方法によって、導電層上にレジストを均一に形成することができる。したがって、導電層を良好にパターニングして配線パターンを形成することができ、凹部の周縁部、すなわち、凹部に極めて近い部分であっても配線パターンを形成することができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記凹部の前記角部がR形状となっていることを特徴とする電子デバイス用基板にある。
かかる第4の態様では、レジストをより均一に形成することができると共に、基板の剛性が向上する。
本発明の第5の態様は、第3又は4の態様において、前記凹部の全ての前記角部の角度が鈍角となっていることを特徴とする電子デバイス用基板にある。
かかる第5の態様では、レジストをさらに均一に塗布でき、配線パターンを高精度に形成することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明のスリットコート式塗布方法は、所定形状の凹部を有する基板の表面に塗布溶液を塗布する際に、凹部の周縁部での塗布溶液のひけを効果的に防止するものである。特に、凹部を有する基板上にIC等を実装するための配線パターンを有する電子デバイス用基板に用いるのに有効な方法であり、具体的には、配線パターンとなる導電層をパターニングするためのレジストの塗布に有効な方法である。このような電子デバイス用基板としては、例えば、インクジェット式記録ヘッドの保護基板(保護基板形成材)等がある。
以下、インクジェット式記録ヘッドを一例として本発明を説明する。なお、図1は、インクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、その平面図及び断面図である。
図1及び図2に示すように、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10には、その一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が幅方向に並設されている。また、その長手方向外側には、後述する保護基板30のリザーバ部31と連通される連通部13が形成されている。また、この連通部13は、各圧力発生室12の長手方向一端部でそれぞれインク供給路14を介して連通されている。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、振動板となる弾性膜50及び絶縁体膜55が形成されている。そして、この絶縁体膜55上に、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80からなる圧電素子300が、各圧力発生室12に対向する領域に設けられている。また、このような各圧電素子300の上電極膜80には、リード電極90がそれぞれ接続され、このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加されるようになっている。
さらに、流路形成基板10の圧電素子300側の面には、この圧電素子300に対応する領域に圧電素子保持部31を有する保護基板30が接着剤によって接合されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。なお、圧電素子保持部31は、密封されていてもよいし密封されていなくてもよい。
また、保護基板30には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部32が形成されている。保護基板30のリザーバ部32は、弾性膜50及び絶縁体膜55に設けられた貫通孔を介して連通部13と連通され、これらリザーバ部32及び連通部13によってリザーバ100が形成されている。このような保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板で形成されている。
さらに、このような保護基板30の表面には、絶縁膜110がリザーバ部32の内壁表面まで連続的に設けられている。この絶縁膜110は、耐インク性を有する材料、例えば、二酸化シリコンからなり、保護基板30のリザーバ部32の内壁表面がインクによって溶解されてしまうのを防止する保護膜を兼ねている。
また、この保護基板30上には、絶縁膜110を介して配線パターン200が所定パターンで形成され、この配線パターン200上には圧電素子300を駆動するための駆動IC210が実装されている。さらに、保護基板30のリザーバ部32と圧電素子保持部31との間には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通部33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90は、この貫通部33まで延設されており、貫通部33内に露出したリード電極90の先端部と駆動IC210とが駆動配線220を介して電気的に接続されている。
ここで、上述したように、保護基板30上には、駆動IC210を実装するための配線パターン200が、絶縁膜110を介して設けられている。このため、本発明では、保護基板30の配線パターン200側に開口する凹部、すなわち、リザーバ部32及び貫通部33を、開口形状が五角形以上の多角形形状となるように形成し、且つその長手方向の少なくとも一端部側の各角部の角度が鈍角となるように形成している。例えば、本実施形態では、図3に示すように、リザーバ部32及び貫通部33は、略六角形の開口形状を有し且つその角部34のうち、リザーバ部32等の長手方向の一端部側の角部34aの角度のみが鈍角となるようにしている。なお、この鈍角である角部34aの角度は、特に限定されないが、120°程度とするのが望ましい。さらに、これらリザーバ部32及び貫通部33の各角部34は、R形状となっていることが好ましい。
そして、このように保護基板30のリザーバ部32及び貫通部33を上述したような所定の形状で形成することで、保護基板30上に、配線パターン200を良好に形成することができる。なお、この点については、詳しく後述する。
また、本実施形態では、リザーバ部32及び貫通部33が、その長手方向の一端部側の角部34aの角度のみが鈍角となるように形成されているが、これに限定されず、図4に示すように、保護基板30に形成されるリザーバ部32及び貫通部33の開口形状を、例えば、八角形として、全ての角部34の角度が鈍角となるようにしてもよい。
そして、このような保護基板30のリザーバ部32に対応する領域上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。また、固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC210からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、圧電素子300及び振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインクが吐出する。
ここで、上述した保護基板30の形成方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、複数の封止基板30となるシリコン単結晶基板からなる保護基板形成材130を所定のマスクパターン(図示なし)を介してエッチング、具体的には、アルカリ溶液によって異方性エッチングすることにより、保護基板形成材130に圧電素子保持部31、リザーバ部32及び貫通部33を形成する。ここで、保護基板形成材130の表面、すなわち、圧電素子保持部31とは反対側に開口するリザーバ部32及び貫通部33は、上述したように、開口形状が六角形であり且つその長手方向の一端部側の各角部の角度が鈍角となるように形成する(図3参照)。
次に、図5(b)に示すように、保護基板形成材130全体を熱酸化することにより、保護基板形成材130のリザーバ部32の内壁表面を含む全ての表面に絶縁膜110を形成する。なお、本実施形態では、保護基板形成材130がシリコン単結晶基板であるため、絶縁膜110は二酸化シリコンからなる。次いで、図5(c)に示すように、保護基板形成材130の圧電素子保持部31側とは反対側の表面上に、例えば、金(Au)を成膜することにより導電層201を形成する。
次に、図5(d)に示すように、このように導電層201が形成された保護基板形成材130上に、レジストを塗布し、露光・現像することによりレジストマスク202を形成する。このとき、本発明では、スリットコート式塗布装置を用いて以下に説明する所定の塗布方法で導電層201上にレジストを塗布する。
ここで、レジストの塗布に用いられるスリットコート式塗布装置の一例について説明する。図6は、スリットコート式塗布装置の概略構成を示す斜視図であり、図7は、スリットコート式塗布装置の要部断面図である。図6に示すように、スリットコート式塗布装置400は、基板401(例えば、保護基板形成材)が保持される保持テーブル402と、保持テーブル402の基板401側に設けられる塗布ヘッド403と、基板401に塗布する塗布溶液404、例えば、レジストを塗布ヘッド403に供給する貯留手段405とを具備する。
保持テーブル402は、鉛直方向下側の面に、基板401をその表面が鉛直方向下向きとなるように保持する。この保持テーブル402による基板401の保持方法は、特に限定されず、例えば、真空ポンプ等の吸引による方法が挙げられる。なお、保持テーブル402は、例えば、図示しない駆動モータ等のテーブル駆動手段によって基板401の面方向に沿って直線移動自在に設けられている。
塗布ヘッド403は、鉛直方向上側に向かって開口し貯留手段405から供給された塗布溶液404を流出するスリット状のノズル開口406と、このノズル開口406に連通する溶液溜まり部407とを有する。また、塗布ヘッド403は、図示しない装置本体に鉛直方向に移動自在に保持されており、塗布ヘッド403の先端と基板401の表面との間隔が、例えば、塗布溶液404の動粘度、塗布溶液404の基板401に対する濡れ性、基板401に塗布する塗布溶液404の厚さ等を考慮して適宜調整されるようになっている。
貯留手段405は、塗布溶液404を保持する貯留タンク408と、一端が塗布ヘッド403に接続され、他端が貯留タンク408に接続される供給管409とで構成され、貯留タンク408の内部に貯留されている塗布溶液404を、供給管409を介して塗布ヘッド403に供給する。
この貯留手段405の貯留タンク408から供給管409を介して塗布ヘッド403に塗布溶液404が供給され、塗布ヘッド403の液体溜まり部407内に塗布溶液404が充填されると、液体溜まり部407内の塗布溶液404が毛細管現象によってノズル開口406の先端まで上昇する。これにより、スリット状のノズル開口406には、塗布溶液404が全体に均一に充填されるようになっている。そして、この状態から塗布ヘッド403を上昇させてノズル開口406から突出した塗布溶液404を基板401の表面に接触させ、この状態で、保持テーブル402と塗布ヘッド403とを基板401の面方向において相対的に移動させる。例えば、本実施形態では、塗布ヘッド403を固定して保持テーブル402を基板401の面方向に直線移動させることで、これら塗布ヘッド403と保持テーブル402とを相対的に移動させている。これにより、ノズル開口406から塗布溶液404が連続的に流出し、基板401の表面には塗布溶液404が塗布される。
そして、このようなスリットコート式塗布装置400を用いて、導電層202上にレジストを塗布する方法としては、まず、図8(a)に示すように、塗布ヘッド403がホームポジションに位置する状態で、保持テーブル402の下面に保護基板形成材130を所定の向きで固定する。具体的には、保持テーブル402(塗布ヘッド403)の水平移動方向とリザーバ部32及び貫通部33の長手方向とを実質的に一致させ、且つリザーバ部32及び貫通部33の鈍角である角部34a側が塗布ヘッドとは反対側に位置するようにして保護基板形成材130を保持テーブル402に固定する。すなわち、塗布溶液404であるレジストの塗布終わり側に、リザーバ部32及び貫通部32の鈍角である角部34aが位置するように保護基板形成材130を配置する。
そして、塗布ヘッド403を上昇させて保護基板形成材130の表面と塗布ヘッド403のノズル開口406の先端面との間隔が所定の間隔となるように調整する。具体的には、ノズル開口406から突出する塗布溶液404の先端部が、保護基板形成材130の表面の位置よりも若干高い位置となるように塗布ヘッド403を上昇させる。なお、本実施形態では、塗布ヘッド403を移動させることで、塗布ヘッド403と保護基板形成材130との間隔を調整しているが、勿論、塗布ヘッド403を固定して、保持テーブル402を移動するようにしてもよい。
次に、図8(b)に示すように、図示しないテーブル駆動手段によって保持テーブル402を保護基板形成材130の面方向、すなわち水平方向に直線移動させることで、塗布ヘッド403のノズル開口406から突出している塗布溶液404が保護基板形成材130の表面に接触して塗布溶液404の塗布が開始される。そして、このように保護基板形成材130へのレジストである塗布溶液404の塗布が開始された後、図8(c)に示すように、保持テーブル402をさらに移動させることで、塗布溶液404がノズル開口406から連続的に流出して保護基板形成材130の全面に塗布される。
そして、このように保護基板形成材130の全面にレジスト(塗布溶液404)を塗布した後は、このレジストを乾燥し、さらに露光・現像してレジストマスク202を形成する(図5(d))。そして、図5(e)に示すように、このレジストマスク202を介して導電層201をパターニングすることにより保護基板形成材130上に配線パターン200を形成する。なお、その後は、この保護基板形成材130を所定の大きさに分割して保護基板30と形成する。
以上説明したように、本発明では、凹部を有する基板上にレジストをスリットコート式塗布装置によって塗布する際に、凹部の鈍角である角部側が塗布ヘッドとは反対側に位置するようにした。すなわち、凹部の鈍角である角部がレジストの塗布終わり側に位置するようにした。これにより、塗布されたレジストの乾きムラや、ひけを抑えることができる。特に、例えば、リザーバ部及び貫通部等の凹部の周縁部で発生するレジストのひけを大幅に抑えることができる。また、時間経過に伴うレジストのひけ量(後退量)が減少するため、レジストを塗布後、比較的長い時間放置した場合でもレジストのひけ量(後退量)を少なく抑えることができる。したがって、リザーバ部及び貫通部等の凹部の周縁部、すなわち、凹部に極めて近い場所であっても配線パターン200を良好にパターニング形成することができる。
ここで、凹部の角部の角度を鈍角とした実施例のサンプルと、凹部の角部の角度を略90°とした比較例のサンプルとで、凹部の周縁部におけるレジストの後退量を調べた。具体的には、実施例及び比較例の各サンプルに、上述したスリットコート塗布装置を用いて同一の条件でレジストを塗布し、約5分経過後に各サンプル表面を撮影した。図9は、実施例及び比較例の各サンプルの表面写真である。なお、図中に記されている格子状の目盛りの間隔は、約50μmである。図9(a)に示すように、比較例のサンプルでは、凹部周縁部でのレジストの後退量は、約100μm程度あったが、図9(b)に示すように、実施例のサンプルでは、凹部周縁部でのレジストの後退量は、一目盛り以下、すなわち、約50μm以下に抑えられていた。この結果からも明らかなように、リザーバ部等、凹部の角部の角度を鈍角とすることで、レジストの後退量を大幅に小さく抑えることができる。
なお、上述したように、リザーバ部32等の凹部の角部の角度は、全てが鈍角となって
いてもよいが(図4参照)、本実施形態のように、少なくともその長手方向一端部側、す
なわち、レジストの塗布終了側の角部の角度が鈍角となっていればよい(図3参照)。こ
れは図10に示すように、凹部の周縁部でのレジストのひけが、凹部のレジストの塗布開
始側の周縁部(図中側凹部の周縁部)よりも塗布終了側の周縁部(図中側凹部の周縁
部)において顕著に現れるからである。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、スリットコート式塗布装置として、保持テーブル402を基板の面方向に移動させることで、保持テーブル402と塗布ヘッド403とを相対的に移動させる装置を説明したが、これに限定されず、例えば、保持テーブル402を固定して、塗布ヘッド403を基板401の面方向に移動させるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、インクジェット式記録ヘッドの保護基板(保護基板形成材)を一例として本発明を説明したが、本発明は、その他の電子デバイスの製造に用いられる電子デバイス用基板等、上述した所定形状の凹部を有する基板であれば適用することができる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る保護基板を示す平面図である。 実施形態1に係る保護基板の変形例を示す平面図である。 実施形態1に係る保護基板の製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る塗布装置の構成を示す概略図である。 実施形態1に係る塗布装置の構成を示す断面図である。 実施形態1に係る塗布方法の概略を示す断面図である。 実施例及び比較例のサンプル基板の表面写真である。 レジストの後退量の違いを示すサンプル基板の表面写真である。
符号の説明
30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 33 貫通部、 34 角部、 110 絶縁膜、 130 保護基板形成材、 402 保持テーブル、 403 塗布ヘッド、 406 ノズル開口

Claims (7)

  1. 五角形以上の多角形形状の開口形状を有する長穴であり且つその長手方向の少なくとも一端部側の少なくとも一つの角部の角度が鈍角となっており、且つ前記一端部側の他の角部が鋭角ではない凹部を有する基板を固定した保持テーブルと、該保持テーブルに保持された前記基板の表面に相対向するように配置されると共に当該基板の表面に向かって所定の塗布溶液を流出するスリット状のノズル開口を有する塗布ヘッドとを、水平方向で相対的に移動させて前記基板の前記塗布溶液を塗布する際、前記塗布ヘッドが前記基板に形成された前記凹部の他端部側から一端部側に向かって相対移動中に当該基板の表面に前記塗布溶液を塗布するようにしたことを特徴とするスリットコート式塗布方法。
  2. 請求項1において、前記基板が、シリコン基板の表面に酸化シリコンからなる絶縁膜を介して配線パターンを形成するための導電層を有する電子デバイス用基板であり、前記塗布溶液が前記導電層のパターニングに用いられるレジストであることを特徴とするスリットコート式塗布方法。
  3. 厚さ方向の少なくとも一部が除去された長穴である凹部を有するシリコン基板の表面に、酸化シリコンからなり前記凹部の内壁面まで連続的に設けられる絶縁膜と、該絶縁膜上に設けられ配線パターンを形成するための導電層とを有し、且つ前記凹部の開口形状が五角形以上の多角形形状であると共に当該凹部の長手方向の少なくとも一端部側の少なくとも一つの角部の角度が鈍角となっており、且つ前記一端部側の他の角部が鋭角ではないことを特徴とする電子デバイス用基板。
  4. 請求項3において、前記凹部の前記角部がR形状となっていることを特徴とする電子デバイス用基板。
  5. 請求項3又は4において、前記凹部の全ての前記角部の角度が鈍角となっていることを特徴とする電子デバイス用基板。
  6. 請求項1又は2において、前記基板の凹部は、その長手方向の少なくとも一端部側に含まれる全ての角部の角度が鈍角となっていることを特徴とするスリットコート式塗布方法。
  7. 請求項3又は4において、前記凹部の長手方向の少なくとも一端部側に含まれる全ての角部の角度が鈍角となっていることを特徴とする電子デバイス用基板。
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