JP4547650B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアアクチュエータに関し、一層詳細には、一組のエンドブロックのいずれか一方から集中配管を行うことが可能なリニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のリニアアクチュエータでは、ピストンに作用させる圧力流体の供給および排気用の配管が左右の一組のエンドブロックのそれぞれに設けられ、左右のエンドブロックのいずれか一方から集中配管が行われている。このため、一方の左側のエンドブロックに供給および排気用の配管通路を集中させた左側取り出し口と、他方の右側のエンドブロックに供給および排気用の配管通路を集中させた右側取り出し口の2種類を準備する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、片側集中配管の取り出し口が異なる2種類のリニアアクチュエータを準備することは、過大な設備投資が要求され、且つ不便であり、しかも配管ポートの位置が異なる2種類のエンドブロックが必要であるために、部品点数が増加するとともに部品管理も煩雑となり、コストダウンの削減を図るうえで支障になっている。
【0004】
本発明は、前記の不都合を克服するためになされたもので、リニアアクチュータに設けられた左右の一組のエンドブロックに取り付けられた連結部材の取付位置を変位させることにより、片側集中配管が左右の一組のエンドブロックのいずれか一方から行うことができ、且つ左右の一組のエンドブロックの共用が可能なリニアアクチュエータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を解決するために、本発明は、駆動部と、
前記駆動部の駆動作用下に変位する可動体と、
前記駆動部の一端部と他端部とにそれぞれ連結され、圧力流体出入ポートに連通する複数の圧力流体連通路が設けられた一組のエンドブロックと、
軸線方向に沿って通路が形成され、両端部が前記一組のエンドブロックにそれぞれ連結された連結部材と、
を備え、前記連結部材を軸線方向に沿って所定距離だけ変位させることにより、前記連結部材の通路に連通する圧力流体連通路が切り換えられて流路変更されることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、集中配管を左右一組のエンドブロックのいずれか一方から行う片側集中配管とすることにより、前記エンドブロックを共用することができるので部品点数が削減され、部品管理も容易となる。
【0007】
この場合、前記連結部材を軸線方向に沿って所定距離だけ変位させることより、圧力流体の配管取り出し口が一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとで切り換えられ、流路変更を容易に行うことができ、好適である。
【0008】
この場合、前記圧力流体連通路は、一端部が圧力流体を供給および排気する通路に接続され、他端部が前記連結部材の通路に連通される第1圧力流体連通路と、一端部が圧力流体を供給および排気する通路に接続され、他端部が前記連結部材の通路に接続されるとともに前記駆動部側に連通される第2圧力流体連通路とを有することにより、前記連結部材を前記一組のエンドブロックに容易に取着することができる。
【0009】
前記第1圧力流体連通路は、軸線方向に沿って形成された第1圧力流体出入ポートと、前記第1圧力流体出入ポートに略直交して連通する第3圧力流体出入ポートとによって構成すると、流路を短くすることができ、好適である。
【0010】
前記第2圧力流体連通路は、軸線方向に沿って形成された第2圧力流体出入ポートと、前記第2圧力流体出入ポートおよび前記駆動側に略直交して連通する第1圧力流体通路と、前記第1圧力流体通路に沿って略平行に連通する第2圧力流体通路とによって構成すると、流路を簡単にすることができ、好適である。
【0011】
前記第3圧力流体出入ポートおよび前記第2圧力流体通路は、前記連結部材の通路に接続されると、好適である。
【0012】
前記駆動部は圧力流体により前記可動体を押圧して変位させる、あるいは、磁界の引張作用によって可動体を変位させると、好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係るリニアアクチュエータについて、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら、以下、詳細に説明する。
【0014】
図1乃至図4は、本発明の実施の形態に係るリニアアクチュエータ10の構成を示す。
【0015】
リニアアクチュエータ10は、基本的には、磁石式ロッドレスシリンダからなる駆動部12と、前記駆動部12の駆動作用下に直線状に往復動作するスライダ14(可動体)と、前記スライダ14を案内するガイドレール16(ガイド部材)と、前記ガイドレール16の両端部にねじ部材20によりそれぞれ連結される一組のエンドブロック18a、18bと、前記一組のエンドブロック18a、18bにそれぞれ固定され、ガイドレール16と略平行に配置されたセンサ取付用レール22(連結部材)とを備える。
【0016】
駆動部12は、図2に示されるように、内部にシリンダ室として機能する貫通孔24が形成され、その両端部にそれぞれ装着されるエンドキャップ26a、26bを介して一組のエンドブロック18a、18bに支持される円筒体28と、磁性材料によって形成され、前記円筒体28内の貫通孔24に摺動自在に嵌着されたピストン30と、前記円筒体28の外周面を囲繞するとともに、前記ピストン30と一体的に前記円筒体28の軸線方向に沿って変位するスライドブロック32とを有する。
【0017】
エンドキャップ26a、26bには、通路34a、34bを流通する流体の流量を絞るオリフィス36a、36bが形成されている。通路34a、34bはエンドキャップ26a、26bに形成された後述する第4圧力流体出入ポート48a、48b(図3参照)に連通するように設けられている。
【0018】
エンドブロック18a、18bには、図3に示されるように、円筒体28の軸線と略平行に穿設された第1圧力流体出入ポート38a、38bおよび第2圧力流体出入ポート40a、40bと、前記第1圧力流体出入ポート38a、38bに略直交して連通する第3圧力流体出入ポート42a、42bとが形成される。
【0019】
さらに、第2圧力流体出入ポート40a、40bに略直交して連通し、且つ第3圧力流体出入ポート42a、42bに対向して円筒体28の貫通孔24に連通する第1圧力流体通路44a、44bが形成される。
【0020】
第2圧力流体通路46a、46bのそれぞれは、第3圧力流体出入ポート42a、42bに略平行に形成されて第1圧力流体通路44a、44bに連通されている。通路34a、34bに連通する第4圧力流体出入ポート48a、48bのそれぞれは第1圧力流体通路44a、44bに接続されている。
【0021】
この場合、相互に連通する第1圧力流体出入ポート38a、38bと第3圧力流体出入ポート42a、42bとは、第1圧力流体連通路として機能し、また、第2圧力流体出入ポート40a、40bと第1圧力流体通路44a、44bおよび第2圧力流体通路46a、46bとは、第2圧力流体連通路として機能するものである。なお、参照符号50はシールリングを示している。
【0022】
図2に示されるように、ピストン30の軸線方向に沿った両端部には、ウェアリング52およびスクレーパ54がそれぞれ装着されている。ピストン30の外周面には、磁性体によって形成された5枚の環状板56a乃至56eからなる第1ヨークが外嵌され、隣接する環状板56a乃至56eの間にはリング状の内側磁石58a乃至58dがそれぞれ介装されている。
【0023】
スライドブロック32の内周面には、磁性体からなる複数枚に分割された環状板60a乃至60eによって構成される第2ヨークが内嵌され、隣接する環状板60a乃至60eの間には、リング状の外側磁石62a乃至62dがそれぞれ介装されている。環状板60a乃至60eおよびリング状の外側磁石62a乃至62dはウェアリング76、スペーサ78を介して止め輪80によりスライドブロック32の内周面に係着される。
【0024】
この場合、ピストン30に装着された内側磁石58a乃至58dとスライドブロック32に装着された外側磁石62a乃至62dとは、それぞれ円筒体28を間にして相互に対峙するように配設され、しかも相互に吸引し合うようにその磁極が設定されている。
【0025】
センサ取付用レール22の内部には、図3に示されるように、軸線方向に沿って延在する通路64が形成され、前記通路64は、センサ取付用長溝68(図1参照)の下部側に形成された一組の孔部にそれぞれ嵌着される配管用スタッド70a、70bを介して、エンドブロック18aの第3圧力流体出入ポート42aとエンドブロック18bの第2圧力流体通路46bとにそれぞれ連通するように設けられている。
【0026】
なお、センサ取付用レール22に形成された通路64の両端部は、それぞれ鋼球74によって気密に閉塞されている。参照符号84(図2参照)はエンドブロック18aおよび18bに螺着されたねじ部材を示し、前記ねじ部材84のねじ込み量を増減させることにより、スライダ14の変位量が調整される。スライダ14に螺着された弾性部材86(図2参照)は、ねじ部材84が当接した際に緩衝機能を有する。
【0027】
本発明の実施の形態に係るリニアアクチュエータ10は基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作ならびに作用効果について説明する。
【0028】
まず、左側の一方のエンドブロック18aに対して供給および排気用の片側集中配管を行った場合について説明する。
【0029】
図3において、エンドブロック18aの第1圧力流体通路44aおよびエンドブロック18bの第2圧力流体出入ポート40b、第1圧力流体通路44bは栓82により閉塞される。
【0030】
一方、エンドブロック18aの第3圧力流体出入ポート42a、エンドブロック18bの第2圧力流体通路46bには、配管用スタッド70a、70bが螺着され、前記第3圧力流体出入ポート42aおよび第2圧力流体通路46bはセンサ取付用レール22の通路64を介して連通される。
【0031】
このため、エンドブロック18aの第1圧力流体出入ポート38aは、第3圧力流体出入ポート42a、配管用スタッド70aの連通路72a、センサ取付用レール22の通路64、配管用スタッド70bの連通路72bを経て、エンドブロック18bの第2および第1圧力流体通路46b、44b、第4圧力流体出入ポート48bよりエンドキャップ26bの通路34bに連通される。
【0032】
一方、エンドブロック18aの第2圧力流体出入ポート40aは、第1圧力流体通路44bおよび第4圧力流体出入ポート48bを介してエンドキャップ26aの通路34aに連通される。
【0033】
そこで、図示しない圧力流体供給源から供給された圧力流体、例えば圧縮空気を配管ポートP1よりエンドブロック18aの第1圧力流体出入ポート38aに導入し、前記エンドブロック18aの第2圧力流体出入ポート40aは図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にしておく。
【0034】
供給された圧縮空気は、第1圧力流体出入ポート38aより第3圧力流体出入ポート42a、配管用スタッド70aの連通路72a、センサ取付用レール22の通路64、配管用スタッド70bの連通路72bを通り、第2および第1圧力流体通路46b、44b、第4圧力流体出入ポート48bを経て、通路34b、オリフィス36bよりシリンダ室として機能する円筒体28の貫通孔24の一側部に導入される。
【0035】
一方、シリンダ室である貫通孔24の他側部は、オリフィス36a、通路34aより第4圧力流体出入ポート48aおよび第1圧力流体通路44aを経由して第2圧力流体出入ポート40aから大気に開放される。
【0036】
このため、円筒体28の貫通孔24内に導入された圧縮空気の作用下にピストン30が押圧され、環状板56a乃至56eからなる第1ヨークを介して複数の内側磁石58a乃至58dとピストン30とが円筒体28の貫通孔24に沿って矢印Y方向(図3参照)に一体的に変位する。その際、第1ヨークを介してピストン30に装着された内側磁石58a乃至58dの磁界作用下に外側磁石62a乃至62dが吸引され、前記外側磁石62a乃至62dを保持するスライドブロック32がピストン30と一体的に変位する。
【0037】
また、圧縮空気を配管ポートP2より第2圧力流体出入ポート40aに供給し、第1圧力流体出入ポート38aを大気開放状態にすると、圧縮空気の供給および排気用の流路は前述の状態と逆になって円筒体28の貫通孔24に導入されるので、ピストン30とスライドブロック32とが一体的に図3に示される矢印X方向に変位する。
【0038】
このように、エンドブロック18aに形成された第1圧力流体出入ポート38aおよび第2圧力流体出入ポート40aのそれぞれを図示しない切換弁の作用下に圧縮空気の供給および排気を大気開放状態にすると、ピストン30、スライドブロック32が一体的に直線状に変位することにより、スライダ14の往復運動が保持される。
【0039】
次に、センサ取付用レール22を矢印X方向に沿って変位させ、右側の他方のエンドブロック18bに対して、供給および排気用の片側集中配管に流路変更した場合について説明する。
【0040】
図4は、配管用スタッド70a、70bのそれぞれをエンドブロック18aの第2圧力流体通路46a、エンドブロック18bの第3圧力流体出入ポート42bに螺着させてセンサ取付用レール22を右方向に変位させた状態を示す。
【0041】
この場合、エンドブロック18aの第2圧力流体出入ポート40a、第1圧力流体通路44aおよびエンドブロック18bの第1圧力流体通路44bは栓82により閉塞される。
【0042】
さらに、エンドブロック18aの第2圧力流体通路46aおよびエンドブロック18bの第3圧力流体出入ポート42bは配管用スタッド70a、70bを介してセンサ取付用レール22の通路64に連通される。
【0043】
よって、エンドブロック18bの第1圧力流体出入ポート38bは、配管用スタッド70bの連通路72b、センサ取付用レール22の通路64を経て、配管用スタッド70aの連通路72a、エンドブロック18aの第2および第1圧力流体通路46a、44a、第4圧力流体出入ポート48aを経てエンドキャップ26aの通路34aに連通される。
【0044】
エンドブロック18bの第2圧力流体出入ポート40bは、第1圧力流体通路44bおよび第4圧力流体出入ポート48bよりエンドキャップ26bの通路34bに連通される。
【0045】
次いで、圧縮空気を配管ポートP1よりエンドブロック18bの第2圧力流体出入ポート40bに供給し、エンドブロック18bの第1圧力流体出入ポート38bは図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にしておく。
【0046】
供給された圧縮空気は、第2圧力流体出入ポート40bから第1圧力流体通路44bおよび第4圧力流体出入ポート48bを経て通路34bよりシリンダ室である貫通孔24の一側部に導入される。シリンダ室である他側部は、通路34aより第4圧力流体出入ポート48aおよび第1および第2圧力流体通路44a、46aを経て、配管用スタッド70aの連通路72a、センサ取付用レール22の通路64、配管用スタッド70bの連通路72bを経由して、第1圧力流体出入ポート38bから大気に開放される。
【0047】
よって、円筒体28の貫通孔24内に導入された圧縮空気の作用下にピストン30が押圧され、環状板56a乃至56eを介して内側磁石58a乃至58dとピストン30とが矢印Y方向に変位する。
【0048】
また、圧縮空気を配管ポートP2より供給し、配管ポートP1を大気開放状態にすると、圧縮空気の供給および排気用の流路は前述の状態と逆になって円筒体28の貫通孔24に導入されるので、スライドブロック32とピストン30とが一体的に図4に示される矢印X方向に変位する。
【0049】
よって、エンドブロック18bに形成された第1圧力流体出入ポート38bおよび第2圧力流体出入ポート40bのそれぞれを図示しない切換弁の作用下に圧縮空気の供給および排気を大気開放状態にすると、ピストン30、スライドブロック32が一体的に直線状に変位することにより、スライダ14の往復運動が保持される。
【0050】
本実施の形態では、センサ取付用レール22を図4に示されるように右方向に変位させて、エンドブロック18aの第2圧力流体通路46a、エンドブロック18bの第3圧力流体出入ポート42bのそれぞれに配管用スタッド70a、70bを螺着することにより、前記第3圧力流体出入ポート42bと第2圧力流体通路46aを通路64を介して連通させることができる。
【0051】
このように、配管用スタッド70a、70bはセンサ取付用レール22をエンドブロック18a、18bに対して取着する機能を有する。
【0052】
さらに、配管用スタッド70a、70bに形成された連通路72a、72bはエンドブロック18aの第3圧力流体出入ポート42aとエンドブロック18bの第2圧力流体通路46bおよびエンドブロック18aの第2圧力流体通路46aとエンドブロック18bの第3圧力流体出入ポート42bのそれぞれをセンサ取付用レール22の通路64に連通させる機能を有する。
【0053】
従って、本実施の形態では、センサ取付用レール22の取付位置を変位させるだけで、エンドブロック18a、18bのいずれか一方に集中配管を纏めることができるので、配管が簡素化され、配管作業時間を短縮することができる。
【0054】
次に、本発明の他の実施に形態に係るリニアアクチュエータ90を図5乃至図8に示す。なお、このリニアアクチュエータ90において、前述した図1乃至図4に示した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
図5において、リニアアクチュエータ90は、直方体形状のボデイ92(ガイド部材)(図6参照)と、前記ボデイ92の長手方向に沿った両端部にねじ部材94a、94bを介して連結された一組のエンドブロック96a、96bと、前記ボデイ92の上面に露出して一体的に形成されたガイド部98に沿って直線状に往復動作するスライドテーブル100(可動体)とから構成される。
【0056】
図6に示されるように、ボデイ92の上面のガイド部98には、後述するジョイント部材118が変位するための略長円状の第1開口部102が形成され、反対側の底面部には前記第1開口部102に対応して第2開口部104が形成される。さらに、ボデイ92の内部には、第1および第2開口部102、104にそれぞれ連通する断面略円形状の貫通孔106が軸線方向に沿って形成される。
【0057】
図6および図7に示されるように、各エンドブロック96a、96bにはボデイ92の内部に形成された貫通孔106に沿って突出する円筒部108a、108bが形成され、前記円筒部108a、108bには軸線方向に沿って貫通された孔部110a、110bが形成される。
【0058】
円筒部108a、108bの外周面には、環状溝を介してシール部材114が嵌合され、前記シール部材114は、後述するキャップ部材122a、122bに摺接することにより該キャップ部材122a、122bによって閉塞される後述する圧力室124a、124bを気密に保持する機能を有する。
【0059】
スライドテーブル100には、その底面部に対して直交する方向に円柱状のボルト部材116が螺着され、該ボルト部材116には、その外周面に角筒状のジョイント部材118が外嵌される。ジョイント部材118の一端部の外周面には断面略矩形状のダンパ部材120が装着され、前記ダンパ部材120は、スライドテーブル100、ボルト部材116およびジョイント部材118と一体的に変位し、第1開口部102の内壁面に当接することにより緩衝機能を有する。
【0060】
ジョイント部材118の側壁面には、貫通孔106の軸線方向に沿って延在した有底円筒状の一対のキャップ部材122a、122bが相互に対向して配設され、前記ジョイント部材118はキャップ部材122a、122bに対し非圧接状態で面接触に保持されている。
【0061】
キャップ部材122a、122bと円筒部108a、108bとにより形成された圧力室124a、124bは、円筒部108a、108bを貫通する孔部110a、110bに連通している。この場合、圧力室124a、124bに孔部110a、110bを介して圧力流体が供給されることにより、該圧力流体はキャップ部材122a、122bの内壁面を押圧する。
【0062】
よって、キャップ部材122a、122bはボデイ92の貫通孔106と円筒部108a、108bの外周面とによって形成された環状隙間126a、126bに沿って摺動変位する。キャップ部材122a、122bが円筒部108a、108bの外周面に沿って変位することにより、該キャップ部材122a、122bに面接触して挟持されたジョイント部材118を介してスライドテーブル100が矢印XまたはY方向に往復動作する。この場合、円筒部108a、108b、シール部材114、ボルト部材116、ジョイント部材118およびキャップ部材122a、122bはスライドテーブル100を矢印XまたはY方向に往復動作させる駆動部として機能するものである。
【0063】
本発明の他の実施の形態に係るリニアアクチュエータ90は基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作ならびに作用効果について説明する。
【0064】
まず、左側の一方のエンドブロック96aに対して供給および排気用の片側集中配管を行った場合について説明する。
【0065】
図7において、エンドブロック96aの第1圧力流体通路44a、エンドブロック96bの第1圧力流体通路44bおよび前記エンドブロック96bに開口された孔部110bの一端部は栓82により閉塞される。
【0066】
さらに、エンドブロック96aの第3圧力流体出入ポート42aおよびエンドブロック96bの第2圧力流体通路46bのそれぞれには配管用スタッド70a、70bが螺着されることにより、前記第3圧力流体出入ポート42aおよび第2圧力流体通路46bはセンサ取付用レール22の通路64を介して連通される。
【0067】
よって、エンドブロック96aの第1圧力流体出入ポート38aは、配管用スタッド70aの連通路72a、センサ取付用レール22の通路64を経て、配管用スタッド70bの連通路72b、エンドブロック96bの第2および第1圧力流体通路46b、44bから円筒部108bの孔部110bに連通される。一方、円筒部108aの孔部110aはキャップ部材122aの圧力室124aに連通されている。
【0068】
次いで、図示しない圧力流体供給源から供給された圧力流体、例えば圧縮空気を配管ポートP2より円筒部108aの孔部110aに導入し、エンドブロック96aの第1圧力流体出入ポート38aは図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にしておく。
【0069】
供給された圧縮空気は、円筒部108aの孔部110a内に導入され、さらに、圧縮空気はキャップ部材122aによって閉塞された圧力室124aに供給され、キャップ部材122aの内壁面を押圧する。従って、キャップ部材122aはシール部材114によって圧力室124aが気密に保持された状態を維持しながら、円筒部108aから離間する方向(矢印X方向)に摺動変位する。このため、キャップ部材122aがジョイント部材118を押圧することにより、前記ジョイント部材118に嵌装されたボルト部材116を介してスライドテーブル100は矢印X方向に変位する。
【0070】
一方、キャップ部材122bによって閉塞された圧力室124bは第1圧力流体出入ポート38aを介して大気に開放された状態にあり、ジョイント部材118はキャップ部材122aと122bとに挟持された状態を維持しながらスライドテーブル100と一体的に矢印X方向に変位する。
【0071】
また、図示しない切換弁の作用下に圧縮空気を配管ポートP1より第1圧力流体出入ポート38aに供給し、孔部110aを大気開放状態にすると、圧縮空気の供給および排気用の流路は前述の状態と逆になり、スライドテーブル100は図7に示される矢印Y方向に変位する。
【0072】
次に、センサ取付用レール22を矢印X方向に沿って変位させ、右側の他方のエンドブロック96bに対して、供給および排気用の片側集中配管に流路変更した場合について説明する。
【0073】
図8は、配管用スタッド70a、70bのそれぞれをエンドブロック96aの第2圧力流体通路46a、エンドブロック96bの第3圧力出入ポート42bに螺着してセンサ取付用レール22を右方向に変位させた状態を示す。
【0074】
この場合、エンドブロック96aの第1圧力流体通路44a、前記エンドブロック96aに開口する孔部110aの一端部およびエンドブロック96bの第1圧力流体通路44bは栓82により閉塞される。
【0075】
さらに、エンドブロック96aの第2圧力流体通路46aおよびエンドブロック96bの第3圧力流体出入ポート42bは配管用スタッド70a、70bを介してセンサ取付用レール22の通路64に連通される。
【0076】
このため、エンドブロック96bに形成された円筒部108bの孔部110bはキャップ部材122bの圧力室124bに連通される。一方、エンドブロック96bの第1圧力流体出入ポート38bは、配管用スタッド70bの連通路72b、センサ取付用レール22の通路64、配管用スタッド70aの連通路72aを経て、エンドブロック96aの第2および第1圧力流体通路46a、44aより円筒部108aの孔部110aに連通される。
【0077】
そこで、図示しない圧縮空気を配管ポートP2より第1圧力流体出入ポート38bに導入し、孔部110bは図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にしておく。
【0078】
供給された圧縮空気は、第1圧力流体出入ポート38bより配管用スタッド70bの連通路72b、センサ取付用レール22の通路64、配管用スタッド70aの連通路72aを経て、第2および第1圧力流体通路46a、44aより円筒部108aの孔部110a内に導入され、さらに、圧縮空気はキャップ部材122aによって閉塞された圧力室124aに供給され、キャップ部材122aの内壁面を押圧する。従って、キャップ部材122aはシール部材114によって圧力室124aが気密に保持された状態を維持しながら、円筒部108aから離間する方向(矢印X方向)に摺動変位する。このため、キャップ部材122aがジョイント部材118を押圧することにより、前記ジョイント部材118に嵌装されたボルト部材116を介してスライドテーブル100は矢印X方向に変位する。
【0079】
一方、キャップ部材122bによって閉塞された圧力室124bは孔部110bを介して大気に開放された状態にあり、ジョイント部材118はキャップ部材122aと122bとに挟持された状態を維持しながらスライドテーブル100と一体的に矢印X方向に変位する。
【0080】
また、図示しない切換弁の作用下に圧縮空気を配管ポートP1より孔部110bに供給し、第1圧力流体出入ポート38bを大気開放状態にすると、圧縮空気の供給および排気用の流路は前述の状態と逆になり、スライドテーブル100は図8に示される矢印Y方向に変位する。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0082】
すなわち、センサ取付用レールの取付位置が変更されることにより、集中配管を左右のエンドブロックのいずれか一方から行うことができる。従って、左右のエンドブロックを共通にして使用することが可能になり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るリニアアクチュエータの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った縦断面図である。
【図3】図1の一部切欠平面図である。
【図4】図3のセンサ取付用レールの取付位置を右方向に変位させた状態を示す一部切欠平面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るリニアアクチュエータの概略構成を示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿った縦断面図である。
【図7】図5の概略横断面図である。
【図8】図7のセンサ取付用レールの取付位置を右方向に変位させた状態を示す概略横断面図である。
【符号の説明】
10、90…リニアアクチュエータ 12…駆動部
14…スライダ 16…ガイドレール
18a、18b、96a、96b…エンドブロック
22…センサ取付用レール 24、106…貫通孔
28…円筒体
38a、38b…第1圧力流体出入ポート
40a、40b…第2圧力流体出入ポート
42a、42b…第3圧力流体出入ポート
44a、44b…第1圧力流体通路 46a、46b…第2圧力流体通路
48a、48b…第4圧力流体出入ポート
64…通路 68…センサ取付用長溝
92…ボデイ 100…スライドテーブル
Claims (9)
- 駆動部と、
前記駆動部の駆動作用下に変位する可動体と、
前記駆動部の一端部と他端部とにそれぞれ連結され、圧力流体出入ポートに連通する複数の圧力流体連通路が設けられた一組のエンドブロックと、
軸線方向に沿って通路が形成され、両端部が前記一組のエンドブロックにそれぞれ連結された連結部材と、
を備え、前記連結部材を軸線方向に沿って所定距離だけ変位させることにより、前記圧力流体出入ポートと前記圧力流体連通路との連通状態が前記通路によって切り換えられて流路変更されることを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 請求項1記載のリニアアクチュエータにおいて、前記連結部材を軸線方向に沿って所定距離だけ変位させることより、圧力流体の配管取り出し口が一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとで切り換えられることを特徴とするリニアアクチュエータ。
- 請求項1または2記載のリニアアクチュエータにおいて、前記圧力流体連通路は、一端部が圧力流体を供給および排気する通路に接続され、他端部が前記連結部材の通路に連通される第1圧力流体連通路と、一端部が圧力流体を供給および排気する通路に接続され、他端部が前記連結部材の通路に接続されるとともに前記駆動部側に連通される第2圧力流体連通路とを有することを特徴とするリニアアクチュエータ。
- 請求項3記載のリニアアクチュエータにおいて、前記第1圧力流体連通路は、軸線方向に沿って形成された第1圧力流体出入ポートと、前記第1圧力流体出入ポートに略直交して連通する第3圧力流体出入ポートとを有することを特徴とするリニアアクチュエータ。
- 請求項3記載のリニアアクチュエータにおいて、前記第2圧力流体連通路は、軸線方向に沿って形成された第2圧力流体出入ポートと、前記第2圧力流体出入ポートおよび前記駆動側に略直交して連通する第1圧力流体通路と、前記第1圧力流体通路に沿って略平行に連通する第2圧力流体通路とを有することを特徴とするリニアアクチュエータ。
- 請求項4記載のリニアアクチュエータにおいて、前記第3圧力流体出入ポートは、前記連結部材の通路に接続されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
- 請求項5記載のリニアアクチュエータにおいて、前記第2圧力流体通路は、前記連結部材の通路に接続されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリニアアクチュエータにおいて、前記駆動部は、磁界作用により前記可動体を変位させることを特徴とするリニアアクチュエータ。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のリニアアクチュエータにおいて、前記駆動部は、圧力流体により前記可動体を押圧して変位させることを特徴とするリニアアクチュエータ。
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