本明細書は、米国仮出願第60/424,456号の利益を主張するものであり、仮出願の内容は参照としてその全体を本明細書に含めるものとする。
本発明は、食行動、エネルギー恒常性および不安に関わる状態および障害の治療もしくは予防に有用な化合物、組成物および方法に関する。
Gタンパク質共役受容体は、感覚およびホルモンのシグナル伝達に関わるものを含めて、さまざまな情報伝達過程において重要な役割を果たす。摂食障害は、世界中で大きな健康上の関心事となっているが、それはGPCRの制御と関係している。一方では、皮下組織における脂肪の過剰な沈着である、肥満のような障害は、体重増加によって明白となる。肥満した個体は、呼吸困難、心臓血管疾患、糖尿病および高血圧を含めた医学的な異常を有することが多く、または異常となりやすい。他方では、慢性疾患および/または情緒障害に付随する、栄養の全般的な欠乏ならびに消耗である、悪液質のような障害は、体重の減少に結び付く。
神経ペプチド・メラニン凝集ホルモン(MCH)は、脳内で複数の機能の制御に関わる環状の視床下部ペプチドであって、食行動およびエネルギー恒常性の主要な制御因子であることがすでに見出されている。MCHが、SLC-1(GPR24としても知られている)と呼ばれる353アミノ酸オーファンGタンパク質共役受容体(GPCR)の天然リガンドであることは、すでに断定されている。このように断定された後、SLC-1はソマトスタチン受容体に配列相同性が高いため、しばしば、メラニン凝集ホルモン受容体(MCH受容体、MCHRまたはMCHR1)と称される(Chambers et al., Nature 400: 261-65 (1999); Saito et al., Nature 400: 265-69 (1999); およびSaito etal.,TEM 11 (8): 299-303 (2000)を参照されたい)。
MCHが食行動の制御に関与するという有力な証拠が存在する。第1に、ラットにおけるMCHの脳内投与は、摂餌を刺激する結果をもたらす。次に、MCH前駆体に相当するmRNAは、遺伝的に肥満のマウスおよび絶食させた動物の視床下部において、アップレギュレートされる。最後に、MCHの欠乏したマウスは正常マウスよりやせており、食物摂取量が減少している。MCHはMCHRと結合することによってその活性を発揮すると考えられ、結果として細胞内カルシウムの動員、およびそれに伴うcAMPレベルの減少をもたらす(Chambers etal., Nature 400: 261-65 (1999); Shimada et al. Nature 396: 670-74 (1998)を参照されたい)。MCHはまた、内向き整流性カリウムチャネルを活性化し、MCHRはGαiタンパク質およびGαqタンパク質の両者と相互作用することが明らかになっている(Saito et. al., TEM 11 (8): 299-303 (2000))。さらに、MCHRの組織局在性の解析から、MCHRは嗅覚の学習および強化に関わる脳の領域において発現することが示されている。累積データは、MCHRのモジュレータが食物摂取のニューロン制御に影響を及ぼすことを示唆する(Saito et. al., Nature 400: 265-69 (1999)を参照されたい)。
MCHは摂食以外の行動、たとえば不安を調節することが示されている(Gonzales et. al. (1996) Peptides 17: 171-177; Monzon et al. (1999)Physiol. Behav. 67: 813-817)。
MCHRモジュレータの同定は、MCHRが介在する生理学的プロセスの研究、ならびに体重制御、学習、不安および他の神経に関わる機能に関連した状態および障害の治療もしくは予防のための治療薬の開発に役立つ。
発明の概要
本発明は、MCHRが介在する状態および障害を治療もしくは予防するための、縮合複素環化合物および組成物、ならびにそれらを使用する方法を与えるものである。詳細には、本発明は、食行動、エネルギー恒常性および不安に関連した状態および障害を治療し、または予防するための化合物、組成物および方法を提供する。
式中
は単環もしくは縮合環アリール、またはヘテロアリール環を表し;
Qは-N(R)-または -N(R)-(C
1-C
3)アルキレン-であり;
Rは
であり;
L
1は、結合、(C
l-C
4)アルキレン、(C
1-C
4)アルキレンオキシおよび(C
l-C
4)アルキレンアミノであり;
L
2は、結合、(C
1-C
4)アルキレン、(C
2-C
4)アルケニレン、(C
2-C
4)アルキニレン、(C
1-C
4)アルキレンオキシ(例、-OCH
2CH
2-)もしくは(C
1-C
4)アルキレンアミノ(例、-NH-CH
2CH
2-)であり;
R''は水素もしくは(C
1-C
8)アルキルであり;
R
1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C
1-C
8)アルキル、(C
2-C
8)アルケニル、(C
2-C
8)アルキニル、フルオロ(C
1-C
4)アルキル、-OR
5、-SR
5、フルオロ(C
1-C
4)アルコキシ、アリール、アリール(C
1-C
4)アルキル、-NO
2、-NR
5R
6、-C(O)R
5、-CO
2R
5、-C(O)NR
5R
6、-N(R
6)C(O)R
5、-N(R
6)CO
2R
5、-N(R
7)C(O)NR
5R
6、-S(O)
mNR
5R
6、-S(O)
mR
5、-CNおよび-N(R
6)S(O)
mR
5からなる群から選択され;
R
2およびR
3は、水素、ハロゲン、(C
1-C
8)アルキル、(C
2-C
8)アルケニル、(C
2-C
8)アルキニル、フルオロ(C
1-C
4)アルキル、-OR
8、-SR
8、フルオロ(C
1-C
4)アルコキシ、アリール、アリール(C
1-C
4)アルキル、-NO
2、-NR
8R
9、=O、-C(O)R
8、-CO
2R
8、-C(O)NR
8R
9、-N(R
9)C(O)R
8、-N(R
9)CO
2R
8、-N(R
10)C(O)NR
8R
9、-S(O)
mNR
8R
9、-S(O)
mR
8、-CNおよび-N(R
9)S(O)
mR
8からなる群から独立して選択され;
R
4は、水素、-OR
ll、-C(O)R
ll、-CO
2R
11、-C(O)NR
11R
12、-CN、(C
1-C
4)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;
XおよびYは、(C
1-C
8)アルキル、(C
2-C
8)アルケニル、(C
2-C
8)アルキニル、-CO
2R
13および-C(O)NR
13R
14からなる群から独立して選択され;
場合によりXおよびYが結合して、N、OおよびSからなる群から独立して選択される0から2個までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよく;
Zは、-OR
15、-NR
15R
16、-NR
15R
18、-C(O)R
15、-CO
2R
15、-R
18、-C(O)NR
15R
16、-C(O)NR
15R
18、-SO
2NR
15R
16、-SO
2NR
15R
18、-NR
16SO
2R
15、-N(R
15)N(R
16)SO
2R
17、-C(O)N(R
16)OR
15、ヒドロキシ(C
1-C
8)アルキル、フルオロ(C
l-C
4)アルキル、ヘテロアリール、-C(=NOR
15)NR
16R
17、-C(R
16)=NOR
15、-NR
16(OR
15)、-C(O)NR
17C(O)NR
15R
16、-NR
17C(O)NR
16C(O)R
15 および -NR
17C(O)NR
15R
16からなる群から選択され;
R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16およびR
17は、水素、(C
1-C
8)アルキル、(C
2-C
8)アルケニル、(C
2-C
8)アルキニル、シクロ(C
3-C
6)アルキル、フルオロ(C
1-C
4)アルキル、ヘテロ(C
1-C
4)アルキル、シクロヘテロ(C
3-C
6)アルキル、アリールおよびアリール(C
1-C
4)アルキルからなる群から独立して選択され;
R
18は、N、OおよびSからなる群から選択される0から4個までのヘテロ原子を含有する5または6員環であり(例、テトラゾール);
場合により、R
5、R
6、R
8、R
9、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16およびR
17からなる群から選択される2つのR基が同一の窒素原子に付いている場合には、これらのR基が結合して、前記窒素原子、ならびにN、OおよびSからなる群から選択される0から2個までの追加のヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよく;
下付き文字のmは1または2であり;ならびに
下付き文字のnは0、1または2である。
ある実施形態において、
は、ベンゼン、ナフタレン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピラジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ベンゾチアゾール、プリン、ベンズイミダゾール、インドール、イソキノリン、キノキサリンまたはキノリン環を表す。
ある実施形態において、Qは-N(R)-である。
また別の実施形態において、R3は水素または=Oである。
特別の実施形態において、
はベンゼン環を表し、R''は水素であり、R
3は水素である。
本発明で与えられるさらに別の化合物は式(II)を有する:
式中、
L1は、結合、(Cl-C4)アルキレン、(C1-C4)アルキレンオキシおよび(Cl-C4)アルキレンアミノであり;
L2は、結合、(C1-C4)アルキレン、(C2-C4)アルケニレン、(C2-C4)アルキニレン、(C1-C4)アルキレンオキシ(例、-OCH2CH2-)もしくは(C1-C4)アルキレンアミノ(例、-NH-CH2CH2-);
R''は水素もしくは(C1-C8)アルキルであり;
R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、-SR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-NO2、-NR5R6、-C(O)R5、-CO2R5、-C(O)NR5R6、-N(R6)C(O)R5、-N(R6)CO2R5、-N(R7)C(O)NR5R6、-S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、-CNおよび-N(R6)S(O)mR5からなる群から選択され;
R2は、水素、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR8、-SR8、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-NO2、-NR8R9、=O、-C(O)R8、-CO2R8、-C(O)NR8R9、-N(R9)C(O)R8、-N(R9)CO2R8、-N(R10)C(O)NR8R9、-S(O)mNR8R9、-S(O)mR8、-CNおよび-N(R9)S(O)mR8からなる群から選択され;
R4は、水素、-ORll、-C(O)Rll、-CO2R11、-C(O)NR11R12、-CN、(C1-C4)アルキルおよびアリールからなる群から選択され;
XおよびYは、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、-CO2R13および-C(O)NR13R14からなる群から独立して選択され;
場合によりXおよびYが結合して、N、OおよびSからなる群から独立して選択される0から2個までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよく;
Zは、-OR15、-NR15R16、-NR15R18、-C(O)R15、-CO2R15、-R18、-C(O)NR15R16、-C(O)NR15R18、-SO2NR15R16、-SO2NR15R18、-NR16SO2R15、-N(R15)N(R16)SO2R17、-C(O)N(R16)OR15、ヒドロキシ(C1-C8)アルキル、フルオロ(Cl-C4)アルキル、ヘテロアリール、-C(=NOR15)NR16R17、-C(R16)=NOR15、-NR16(OR15)、-C(O)NR17C(O)NR15R16、-NR17C(O)NR16C(O)R15 および -NR17C(O)NR15R16からなる群から選択され;
R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、水素、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、シクロ(C3-C6)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、ヘテロ(C1-C4)アルキル、シクロヘテロ(C3-C6)アルキル、アリールおよびアリール(C1-C4)アルキルからなる群から独立して選択され;
R18は、N、OおよびSからなる群から選択される0から4個までのヘテロ原子を含有する5または6員環であり(例、テトラゾール);
場合により、R5、R6、R8、R9、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17からなる群から選択される2つのR基が同一の窒素原子に付いている場合には、これらのR基が結合して、N、OおよびSからなる群から選択される0から2個までの追加のヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよく;
下付き文字のmは1または2であり;ならびに
下付き文字のnは0、1または2である。
上記構造で規定された化合物は、そうした化合物の薬学上許容されるあらゆる塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含することを意図するものである。
本発明で与えられる医薬組成物は、薬学上許容される担体もしくは賦形剤を、式IもしくはIIの化合物と併せて含む。
肥満、摂食障害、不安障害および気分障害からなる群から選択される状態もしくは障害を治療または予防する方法が本明細書で与えられる。その方法は、治療上有効な量の、前記化合物もしくは医薬組成物のうちの1つを、その必要がある被験体に投与することを含む。
本発明の他の目的、特徴および利点は、下記の既述および請求項から、当業者には明白となるであろう。
発明の詳細な説明
略号および定義
本明細書で使用される略号は、別に特に定義されない限り慣例の通りとする。
「MCHR」という用語は、特に明記しない限り、メラニン凝集ホルモン受容体タンパク質1(MCHR1)を表す。
「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」および「治療(treatment)」という用語は、病気および/またはそれに伴う症状を軽減し、または無くする方法を示す。
「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」および「予防(prevention)」という用語は、病気にかかる確率を低下させ、またはその可能性を排除する方法を示す。
本明細書で使用されるとき、「MCHRが介在する状態もしくは障害」および同様の用語は、不適切な、たとえば正常より低い、もしくは高い、MCHR活性によって特徴付けられる状態もしくは障害を指す。MCHRが介在する状態もしくは障害には、完全に、または部分的に、不適切なMCHR活性が介在すると考えられる。しかしながら、MCHRが介在する状態もしくは障害とは、MCHRの変動による調節が結果として、内在する状態もしくは疾患にある程度の影響をもたらしているものである(たとえば、MCHR拮抗薬は結果として、少なくとも一部の患者において、患者の健康にある程度の改善をもたらす)。MCHRが介在する状態および障害の例には、肥満、摂食障害、ならびに不安障害および気分障害のような他の行動障害がある。
「治療上有効な量」という用語は、治療すべき状態もしくは障害の1つ以上の症状の進行を妨げる、またはそうした症状をある程度軽減するのに十分な、投与されるべき化合物の量を示す。
本明細書で使用される「肥満」という用語は、体脂肪の過剰な蓄積を表す。肥満は、遺伝、環境(たとえば、摂取されるより少ないエネルギーしか消費しない)および管理の決定印紙を有する可能性がある。心臓血管障害、脂質障害および代謝障害、たとえば高血圧、高脂血症、冠動脈疾患および糖尿病が、一般に肥満と関連している。
本明細書で使用される「摂食障害」、「摂餌障害」などの用語は、体重の過度の減少、および/または体重増加を避けるための不適切な努力、たとえば、絶食、自己誘発性嘔吐、下剤もしくは利尿剤の濫用、に関わる情緒障害および/または行動障害を示す。一般に摂食障害には抑鬱が伴う。摂食障害の例は、拒食症および過食症を包含する。
本明細書で使用される「不安障害」という用語は、たとえば、健康、仕事、金銭または家庭に関する、はっきりした理由のない、持続的で広範な憂慮もしくは情動不安、緊張または神経過敏を特徴とする、情緒障害および/または行動障害を表す。不安障害は頻脈または呼吸困難を伴うことがある。不安障害の例には、不安、全般性不安障害、恐慌発作、パニック障害および強迫性障害(OCD)がある。
本明細書で使用される「気分障害」という用語は、持続的で広範な、多幸症および/または抑鬱の発作を特徴とする、情緒障害および/または行動障害を表す。気分障害の例は、鬱病および双極性障害を包含する。不安は鬱病のような気分障害に随伴することが多い。
「調節する(modulate)」という用語は、ある化合物がMCHRの機能もしくは活性を増加または減少させる能力を指す。本明細書に記載される「調節(modulation)」は、直接的あるいは間接的に、MCHRの拮抗作用もしくは作用性を包含する。拮抗物質(アンタゴニスト)は、たとえば、刺激を部分的あるいは完全にブロックする、活性化を減少させる、防止する、遅延させる、シグナル伝達を不活化、阻害、脱感作またはダウンレギュレートする化合物である。作用物質(アゴニスト)は、たとえば活性化を刺激する、増大させる、活性化する、開始させる、促進する、高める、シグナル伝達を感作する、またはアップレギュレートする化合物である。
「アルキル」という用語は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部として、特に明記しない限り、直鎖もしくは分枝鎖、もしくは環状の炭化水素基、またはそれらの組み合わせを意味するが、これは完全に飽和しており、指定された数の炭素原子を有する(すなわち、C1-C8は1から8個までの炭素を意味する)。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、たとえば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルの同族体および異性体などがある。(C1-C8)アルキルは、1から8個までの炭素原子を有するアルキル基を指しており、たとえば(C1-C4)アルキルを包含する。
「アルケニル」という用語は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部として、直鎖もしくは分枝鎖、もしくは環状の炭化水素基、またはそれらの組み合わせを意味するが、これは一価不飽和または多価不飽和であって、指定された数の炭素原子(すなわち、C2-C8は2から8個までの炭素を意味する)、および1つまたは複数の二重結合を有する。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1, 4-ペンタジエニル)、およびそれらの高級同族体および異性体がある。
「アルキニル」という用語は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部として、直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素基、またはそれらの組み合わせを意味するが、これは一価不飽和または多価不飽和であって、指定された数の炭素原子(すなわち、C2-C8は2から8個までの炭素を意味する)、および1つまたは複数の三重結合を有する。アルキニル基の例は、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、ならびにそれらの高級同族体および異性体を包含する。
「アルキレン」という用語は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部として、たとえば-CH2CH2CH2CH2-のように、アルキルから誘導された二価基を意味する。典型的には、アルキル(もしくはアルキレン)基は1から24個までの炭素原子を有するが、本発明においては10個以下の炭素原子を有する基が好ましい。「低級アルキル」もしくは「低級アルキレン」は一般に7個以下の炭素原子を有する短鎖アルキルもしくはアルキレン基である。
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(もしくはチオアルコキシ)という用語は、従来通りの意味で使用され、アルキル基がそれぞれ酸素原子、アミノ基もしくは硫黄原子を介して分子の残りの部分に結合している、そういったアルキル基を指している。
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体で、あるいは別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、安定な直鎖もしくは分枝鎖、もしくは環状の炭化水素基、またはそれらの組み合わせを意味するものであって、明示された数の炭素原子、ならびにO、N、SiおよびSからなる群から選択される1から3個までのヘテロ原子から構成され、この場合、窒素および硫黄原子は酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよい。ヘテロ原子、O、NおよびSはヘテロアルキル基の内部のいかなる位置にあってもよい。ヘテロ原子Siはヘテロアルキル基のいかなる位置にあってもよいが、これはアルキル基が分子の残り部分に結合する位置も含める。例としては、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2-、-S(O)-CH3、-CH2-CH2 -S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、および-CH=CH-N(CH3)-CH3が挙げられる。たとえば、-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH3)3のように2個までのヘテロ原子が連続してもよい。
同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部として、たとえば-CH2-CH2-S-CH2CH2-および-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-のような、ヘテロアルキルから誘導された二価基を意味する。ヘテロアルキレン基に関して、ヘテロ原子は鎖の一端もしくは両端を占めることもできる(例、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらにその上、アルキレンおよびヘテロアルキレン連結基については、そうした連結基の方向性は意味として含まれない。
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」という用語は、それ自体で、あるいは他の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、それぞれ「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環状型を表す。したがって、シクロアルキル基は、指定された数の炭素原子を有し(すなわち、C3-C8は3から8個までの炭素を意味する)、さらに、ヘテロシクロアルキル基は、指定された数の炭素原子(すなわち、C2-C8は2から8個までの炭素を意味する)、ならびにO、N、SiおよびSからなる群から選択される1から3個までのヘテロ原子からなる。この場合、窒素および硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよい。加えて、ヘテロシクロアルキルについては、ヘテロ環が分子の残りの部分に結合する位置をヘテロ原子が占めることができる。シクロアルキルの例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどがある。ヘテロシクロアルキルの例としては、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニルなどがある。
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」のような用語は、ハロゲン原子で置換されたアルキルを包含するように意図されているが、これらのハロゲン原子は、1から(2m' + 1)個までの範囲の数で、同一でも異なるもでもよい。ただしm'はアルキル基の炭素原子の総数である。たとえば、「ハロ(C1-C4)アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを包含する。このように、「ハロアルキル」という用語は、モノハロアルキル(1つのハロゲン原子で置換されたアルキル)およびポリハロアルキル(2から(2m' + 1)個までの数のハロゲン原子で置換されたアルキルであって、この場合m'はアルキル基の炭素原子の総数である)を包含する。したがって、「フルオロ(C1-C4)アルキル」という用語は、フルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロエチルなどを包含する。「ペルハロアルキル」という用語は、特に明記しない限り、(2m' + 1)個のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、この場合m'はアルキル基の炭素原子の総数である。たとえば「ペルハロ(C1-C4)アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、ペンタクロロエチル、1,1,1-トリフルオロ-2-ブロモ-2-クロロエチルなどを包含する。
「アリール」という用語は、特に明記しない限り、多価不飽和の、典型的には芳香族の炭化水素置換基を意味し、この置換基は単一の環、または相互に縮合した、もしくは共有結合した複数の環(三環まで)とすることができる。アリール基の限定的でない例には、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチルおよび4-ビフェニルがある。
「ヘテロアリール」という用語は、N、O、およびSから選択される0から4個までのヘテロ原子を含有するアリール基(または環)を指すが、この場合、窒素および硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により四級化されていてもよい。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残りの部分に連結することができる。ヘテロアリール基の限定的でない例としては、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンズイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリルおよび6-キノリルが挙げられる。
簡略のために、他の用語と組み合わせて使用される「アリール」という用語(たとえば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)は、上記のアリールおよびヘテロアリール環の両方を包含する。したがって、「アリールアルキル」という用語は、アリール基がアルキル基に結合している基(たとえば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)を包含するが、これらは、炭素原子(例、メチレン基)がたとえば酸素原子によって置換されたアルキル基を含む(例、フェノキシメチル、2-ピリジルオキシメチル、3-(l-ナフチルオキシ)プロピルなど)。
上記のそれぞれの用語(例、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」および「ヘテロアリール」)は、指示された基の置換型および非置換型をいずれも含めるものとする。各タイプの基に好ましい置換基は下記で与えられる。
アルキルおよびヘテロアルキル基(ならびにアルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルと称される基)に対する置換基は、-OR'、=O、=NR'、=N-OR'、-NR'R''、-SR'、ハロゲン、-SiR'R''R'''、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、−OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NR'-SO2NR''R'''、-NR''CO2R'、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-SO2R'、-SO2NR'R''、-NR''SO2R'、-CNおよび-N02から選択される、0から3個までの数のさまざまな基とすることができるが、0、1または2個の置換基を有する基が特に好ましい。R'、R''およびR'''はそれぞれが独立して、水素、非置換(C1-C8)アルキルおよびヘテロアルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、非置換アリール、1から3個までのハロゲン、非置換アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基で置換されたアリール、またはアリール(C1-C4)アルキル基を表す。R'およびR''が同じ窒素原子に結合している場合、それらがその窒素原子とともに5-、6-または7-員環を形成することも可能である。たとえば、-NR'R''は1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルを包含する。典型的には、アルキルもしくはヘテロアルキル基は、0から3個までの置換基を有することができるが、本発明においては2個以下の置換基を有する基が好ましい。さらに好ましくは、アルキルもしくはヘテロアルキル基は非置換もしくは一置換である。もっとも好ましくは、アルキルもしくはヘテロアルキル基は非置換である。置換基に関する上記の議論から、「アルキル」という用語がトリハロアルキル(たとえば、-CF3および-CH2CF3)のような基を包含することは当業者にとって当然のことである。
アルキルおよびヘテロアルキル基の好ましい置換基は、下記から選択される:-OR'、=O、-NR'R''、-SR'、ハロゲン、-SiR'R''R'''、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''CO2R'、-NR'-SO2NR''R'''、-S(O)R'、-SO2R'、-SO2NR'R''、-NR''SO2R'、CNおよび-N02、ここでR'およびR''は上記のように定義される。さらに好ましい置換基は、-OR'、=O、-NR'R''、ハロゲン、-OC(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''CO2R'、-NR'-SO2NR''R'''、-SO2R'、-SO2NR'R''、-NR''SO2R'、CNおよび-N02から選択される。
同様に、アリールおよびヘテロアリール基の置換基はさまざまであって、ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-N02、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''CO2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NR'-SO2NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-SO2R'、-SO2NR'R''、-NR''SO2R'、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(Cl-C4)アルコキシおよびペルフルオロ(Cl-C4)アルキルから選択されるが、その数は0から芳香環系の結合可能な価数の総数までである;さらに、前記において、R'、R''およびR'''は独立して、水素、(C1-C8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリールおよびヘテロアリール、(非置換アリール)-(Cl-C4)アルキルおよび(非置換アリール)オキシ-(Cl-C4)アルキルから選択される。典型的には、アリールもしくはヘテロアリール基は、0から3個までの置換基を有することができるが、本発明においては2個以下の置換基を有する基が好ましい。さらに好ましくはアリールもしくはヘテロアリール基は、非置換または一置換とすることができる。もっとも好ましくは、アリールもしくはヘテロアリール基は非置換であると考えられる。
アリールおよびヘテロアリールの好ましい置換基は、ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-N02、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-S(O)R'、-SO2R'、-SO2NR'R''、-NR''SO2R'、-N3、-CH(Ph)2、ペルフルオロ(Cl-C4)アルコキシおよびペルフルオロ(Cl-C4)アルキルから選択されるが、ここにおいて、R'およびR''は上記で定義されたとおりである。さらに好ましい置換基は、ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-R'、-CN、-N02、-CO2R'、-CONR'R''、-NR''C(O)R'、-SO2R'、-SO2NR'R''、-NR''SO2R'、ペルフルオロ(Cl-C4)アルコキシおよびペルフルオロ(Cl-C4)アルキルから選択される。
本明細書で定義されるように、置換基-CO
2Hは次のような生物学的に等価の置換を包含する:
など。たとえば、The Practice ofmedicinal Cliemistry ;Wermuth, C. G. , Ed.; Academic Press: New York, 1996; p. 203を参照されたい。
アリール環の隣接する原子に付いた2つの置換基は、場合によっては、式-T-C(O)-(CH2)q-U-の1つの置換基で置き換えてもよく、式中TおよびUは独立して、-NH-、-O-、-CH2-または単結合であり、qは0から2までの整数である。あるいはまた、アリール環の隣接する原子に付いた2つの置換基は、場合によっては、式-A-(CH2)r-B-の置換基で置き換えてもよく、式中AおよびBは独立して、-CH2-、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-SO2-、-SO2NR'-または単結合であり、rは1から3までの整数である。このようにして形成された新たな環の単結合の1つを、場合により二重結合で置き換えてもよい。あるいはまた、場合によりアリール環の隣接する原子に付いた2つの置換基を、式-(CH2)s-X-(CH2)t-の置換基で置き換えてもよく、式中sおよびtは独立して0から3までの整数であり、Xは-O-、-NR'-、-S-、-S(O)-、-SO2-、または-SO2NR'-である。-NR'-および-SO2NR'-における置換基R'は、水素もしくは非置換(Cl-C6)アルキルからなる群から選択される。
本明細書で使用されるように、「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)およびケイ素(Si)を包含する。
「薬学上許容される塩」という用語は、本明細書に記載の化合物に見出される特定の置換基に応じて、比較的無毒な酸もしくは塩基によって調製された活性化合物の塩を包含する。本発明の化合物が、相対的に酸性の官能性を有する場合には、溶媒なしで、または適当な不活性溶媒中で、そうした化合物の中性型を十分量の望ましい塩基と接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学上許容される塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩、または類似の塩を包含する。本発明の化合物が相対的に塩基性の官能性を有する場合には、溶媒なしで、または適当な不活性溶媒中で、そうした化合物の中性型を十分量の望ましい酸と接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学上許容される酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素酸、リン酸、リン酸一水素酸、リン酸二水素酸、硫酸、硫酸水素酸、ヨウ化水素酸、もしくは亜リン酸などのような無機酸から誘導された塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トシルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒な有機酸から誘導された塩がある。また、アルギン酸などのようなアミノ酸塩、およびグルクロン酸もしくはガラクツロン酸などのような有機酸塩も含まれる(たとえば、Berge, S. M., etal. (1977)J. Pharm. Sci. 66: 1-19を参照されたい)。本発明のある特定の化合物は、化合物が塩基付加塩もしくは酸付加塩のいずれにも変換されることが可能となる、塩基性および酸性の両方の官能性を有する。
化合物の塩を塩基もしくは酸と接触させて、常法により親化合物を単離することによって、中性型の化合物を再び生成することができる。元の形の化合物は、極性溶媒中の溶解性といったある特定の物理的性質がその化合物の種々の塩とは異なっているが、他の点では、塩は本発明の目的に対して、元の形の化合物と等価である。
塩型の他に、本発明はプロドラッグ型の化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理的条件下で容易に化学変化を受けて、本発明の化合物を与える化合物である。それに加えて、プロドラッグは、ex vivo実験において化学的もしくは生化学的方法により本発明の化合物に変換可能である。たとえば、プロドラッグは、適当な酵素もしくは化学試薬とともに経皮パッチリザーバーに入れられたとき、ゆっくりと本発明の化合物に変わることができる。プロドラッグは、ある状況においては親薬物よりも投与しやすいと考えられるので、多くの場合有用である。たとえば、プロドラッグは経口投与によって生物が利用可能であるのに対して親薬物はそうではない。プロドラッグはまた、薬理学的組成物における溶解性を親薬物以上に改善しているかもしれない。多種多様なプロドラッグ誘導体が当技術分野において知られているが、たとえば、プロドラッグの加水分解切断もしくは酸化的活性化に基づくものである。プロドラッグの限定的でない例として、エステル(「プロドラッグ」)として投与される本発明の化合物が考えられるが、これはその後、代謝によって加水分解されて活性型であるカルボン酸となる。別の例としては、本発明の化合物のペプチジル誘導体がある。
本発明のある特定の化合物は、水和型を含めた溶媒和型のみならず非溶媒和型としても存在することができる。一般に、溶媒和型は非溶媒和型と等価であって、本発明の範囲に包含されることを意図するものである。本発明のある特定の化合物は、多様な結晶型もしくは無定形型として存在してもよい。概して、あらゆる物理的形状は、本発明が考慮する使用に関して等価であって、本発明の範囲に含まれることを意図するものである。
本発明のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有する;ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体および個別の異性体はいずれも、本発明の範囲に含まれるものとする。
本発明の化合物は、その化合物を構成する1つまたは複数の原子について同位体を不自然な割合で含有してもよい。たとえば、本発明の化合物を、例としてトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)または炭素-14(14C)のような放射性同位元素によって放射標識することができる。本発明の化合物の同位体バリエーションはいずれも、放射能の有無にかかわらず、本発明の範囲に含まれるものとする。
MCHR (GenBank登録番号U71092)は脳内で発現するが、眼および骨格筋では中程度、舌および下垂体では低レベルで発現している。証拠から明らかなように、MCHRは、特に嗅覚学習、食行動およびエネルギー代謝の制御、ストレス後の視床下部-下垂体-副腎皮質系の制御、覚醒、ならびに不安感に関わる(Saito etal., TEM 11 (8): 299-303 (2000))。本発明の化合物はMCHR活性を阻害するが、それによってたとえば上記プロセスに関連した障害の治療もしくは予防に役立つ。
によって表される化合物または上記化合物の薬学上許容される塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグを与える。式Iにおいて、
は単一の、もしくは縮合したアリールまたはヘテロアリール環を表す。たとえば、
はベンゼン、ナフタレン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピラジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ベンゾチアゾール、プリン、ベンズイミダゾール、インドール、イソキノリン、キノキサリンまたはキノリン環を表すと考えられる。好ましい実施形態において、
はベンゼンを表す。
記号Qは、-N(R)-または-N(R)-(C1-C3)アルキレンを表す。ある実施形態において、記号Qは-N(R)-を表す。
記号L1は、結合、(C1-C4)アルキレン、(C1-C4)アルキレンオキシ、および(C1-C4)アルキレンアミノから選択される二価の連結を表す。L1基の例は、単結合、メチレン、エチレン、n-プロピレンおよびn-ブチレンである。記号L2は、結合、(C1-C4)アルキレン、(C2-C4)アルケニレン、(C2-C4)アルキニレン、(C1-C4)アルキレンオキシ、および(C1-C4)アルキレンアミノから選択される二価の連結を表す。L2基の例は、単結合、メチレン、エチレン、n-プロピレンおよびn-ブチレンである。
XおよびYという文字は、独立して、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、-CO2R13 または -C(O)NR13R14を表す。場合によっては、XおよびYが結合して、N、OおよびSから選択される0から2個までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよい。
Zという文字は、-OR
12、-NR
12R
13、-CO
2R
12、-R
15、-C(O)NR
12R
13、-C(O)NR
12R
15、-SO
2NR
12R
13、-NR
13SO
2R
15、-N(R
12)N(R
13)SO
2R
14、-C(O)N(R
13)OR
12、フルオロ(C
1-C
4)アルキル、ヘテロアリール、-C(=NOR
12)NR
13R
14、-C(R
13)=NOR
12、-NR
13(OR
12)、-C(O)NR
14C(O)NR
12R
13、-NR
14C(O)NR
13C(O)R
12 および-NR
14C(O)NR
12R
13を表す。-C(X)(Y)(L
2Z)基の例は下記の通りである:
R''は水素または(C1-C8)アルキルである。
R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、-SR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-NO2、-NR5R6、-C(O)R5、-CO2R5、-C(O)NR5R6、-N(R6)C(O)R5、-N(R6)CO2R5、-N(R7)C(O)NR5R6、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、-CN または -N(R6)S(O)mR5である。R1基の例はClおよびCF3である。
R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR8、-SR8、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-NO2、-NR8R9、=O、-C(O)R8、-CO2R8、-C(O)NR8R9、-N(R9)C(O)R8、-N(R9)CO2R8、-N(R10)C(O)NR8R9、-S(O)mNR8R9、-S(O)mR8、-CNおよび-N(R9)S(O)mR8から選択される。R2基の例は、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルおよび =Oである。ある実施形態において、R3は水素または =Oである。
R4は、水素、-ORll、-C(O)Rll、-CO2R11、-C(O)NR11R12、-CN、(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R16およびR17は、独立して、水素、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、ヘテロ(C1-C4)アルキル、アリールおよびアリール(C1-C4)アルキルから選択され、R18は、N、OおよびSから選択される1から3個までのヘテロ原子を含有する5または6員環である。下付き文字のmは1または2であり、下付き文字のnは0、1または2である。場合により、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17からなる群から選択される2つのR基が同一の窒素原子に付いている場合には、これらのR基が結合して、前記窒素原子、ならびにN、OおよびSから選択される0から2個までの追加のヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよい。
特定の実施形態において、
は、ベンゼン環を表し、R''は水素、R
3も水素である。
別の態様において、本発明は式(II)の化合物を与える:
または、上記化合物の薬学上許容される塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグを与える。式IIにおいて、記号L1は、結合、(C1-C4)アルキレン、(C1-C4)アルキレンオキシ、および(C1-C4)アルキレンアミノから選択される二価の連結を表す。L1基の例は、単結合、メチレン、エチレン、n-プロピレンおよびn-ブチレンである。記号L2は、結合、(C1-C4)アルキレン、(C2-C4)アルケニレン、(C2-C4)アルキニレン、(C1-C4)アルキレンオキシ、および(C1-C4)アルキレンアミノから選択される二価の連結を表す。L2基の例は、単結合、メチレン、エチレン、n-プロピレンおよびn-ブチレンである。
XおよびYという文字は、独立して、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、-CO2R13 または -C(O)NR13R14を表す。場合によっては、XおよびYが結合して、N、OおよびSから選択される0から2個までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよい。
Zという文字は、-OR
12、-NR
12R
13、-CO
2R
12、-R
15、-C(O)NR
12R
13、-C(O)NR
12R
15、-SO
2NR
12R
13、-NR
13SO
2R
15、-N(R
12)N(R
13)SO
2R
14、-C(O)N(R
13)OR
12、フルオロ(C
1-C
4)アルキル、ヘテロアリール、-C(=NOR
12)NR
13R
14、-C(R
13)=NOR
12、-NR
13(OR
12)、-C(O)NR
14C(O)NR
12R
13、-NR
14C(O)NR
13C(O)R
12 および-NR
14C(O)NR
12R
13を表す。-C(X)(Y)(L
2Z)基の例は下記の通りである:
R''は水素または(C1-C8)アルキルである。
R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、-SR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-NO2、-NR5R6、-C(O)R5、-CO2R5、-C(O)NR5R6、-N(R6)C(O)R5、-N(R6)CO2R5、-N(R7)C(O)NR5R6、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、-CN または -N(R6)S(O)mR5である。R1基の例はClおよびCF3である。
R2、水素、ハロゲン、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR8、-SR8、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、アリール、アリール(C1-C4)アルキル、-NO2、-NR8R9、=O、-C(O)R8、-CO2R8、-C(O)NR8R9、-N(R9)C(O)R8、-N(R9)CO2R8、-N(R10)C(O)NR8R9、-S(O)mNR8R9、-S(O)mR8、-CNおよび-N(R9)S(O)mR8から選択される。R2基の例は、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルおよび =Oである。
R4は、水素、-ORll、-C(O)Rll、-CO2R11、-C(O)NR11R12、-CN、(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R16およびR17は、独立して、水素、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、フルオロ(C1-C4)アルキル、ヘテロ(C1-C4)アルキル、アリールおよびアリール(C1-C4)アルキルから選択され、R18は、N、OおよびSから選択される1から3個までのヘテロ原子を含有する5または6員環である。下付き文字のmは1または2であり、下付き文字のnは0、1または2である。場合により、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17からなる群から選択される2つのR基が同一の窒素原子に付いている場合には、これらのR基が結合して、前記窒素原子、ならびにN、OおよびSから選択される0から2個までの追加のヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成していてもよい。
本発明の化合物は、2位および11位に最小限の置換を有する、ピリド [4,3-b] カルバゾールから誘導された環を特徴とする。本明細書で使用される環番号付けを下記に図示する:
当業者には当然のことであるが、式IIは2つの鏡像異性体を包含する。この鏡像異性体は以下の式で表される構造上の配置を有する:
上記式IまたはIIにおいて、いくつかの実施形態群が好ましく、以下に記載する。
好ましい実施形態の一群において、L1は(C1-C4)アルキレンである。好ましい実施形態において、L1は非置換(C1-C4)アルキレン、または-(CH2)p-であって、前記下付き文字pは1から4までの整数である。さらに好ましい実施形態において、pは1、2または3である。なおいっそう好ましい実施形態において、pは2または3である。特に好ましい実施形態において、pは2である。
一群の好ましい実施形態が式(III)によって表される:
好ましい実施形態において、XおよびYは結合して、O、NおよびSから選択される0から2までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成する。さらに好ましい実施形態において、XおよびYは結合して、O、NおよびSから選択される0から2までのヘテロ原子を含有する5または6員環を形成する。特に好ましい実施形態において、XおよびYは結合して、0個のヘテロ原子、1個の窒素原子または1個の酸素原子を含有する5または6員環を形成する。
別の好ましい実施形態において、L2は結合であり、Zは-CO2R15または-CO2NR15R16である。
好ましい実施形態の別の一群において、R''は水素である。
好ましい実施形態の別の一群において、R''は置換(C1-C8)アルキルである。好ましい実施形態において、R''は、ヒドロキシ、アルキルアミノ(たとえば-NHMe)またはカルボキシ(-CO2H)で置換された(C1-C8)アルキルである。特に好ましい実施形態において、R''は、ヒドロキシ、アルキルアミノまたはカルボキシで置換された(C3-C8)アルキルである。
別の一群の好ましい実施形態において、R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、-CO2R5、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、または -CNである。さらに好ましい実施形態において、R1はそれぞれ独立してハロゲンまたはフルオロ(C1-C4)アルキルである。さらにいっそう好ましい実施形態において、R1はハロゲンまたはフルオロ(C1-C4)アルキルであって、下付き文字nは0または1である。特に好ましい実施形態において、R1はフルオロ(C1-C4)アルキルであって、下付き文字nは0または1である。
別の一群の好ましい実施形態において、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
別の一群の好ましい実施形態において、R4は水素である。
上記の好ましい実施形態群を2つ以上組み合わせた実施形態も特に好ましい。したがって、特に好ましい実施形態の一群において、R''およびR4は水素である。
特に好ましい実施形態の別の一群において、R''およびR4は水素であり、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
特に好ましい実施形態の別の一群において、R''およびR4は水素であり、R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、-CO2R5、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、または -CNであって、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。特に好ましい実施形態において、R''およびR4は水素であり、R1はハロゲンまたはフルオロ(C1-C4)アルキルであって、nは1であり、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。さらに特に好ましい実施形態において、R''およびR4は水素であり、R1はフルオロ(C1-C4)アルキルであって、nは1であり、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
特に好ましい実施形態の一群が、式(IV)によって表される:
式中、p、R1、R2、L2、X、YおよびZは、上記で与えられる意味および好ましい系列を有する。
特に好ましい実施形態において、XおよびYは結合して、O、NおよびSから選択される0から2までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成し、L2は結合であり、Zは-CO2R15または-CO2NR15R16である。
別の特に好ましい実施形態において、XおよびYは結合して、O、NおよびSから選択される0から2までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成し、R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、-CO2R5、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、または -CNである。
もう一つの特に好ましい実施形態において、XおよびYは結合して、O、NおよびSから選択される0から2までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成し、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
別の特に好ましい実施形態において、XおよびYは結合して、O、NおよびSから選択される0から2までのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環を形成し、R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、-CO2R5、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、または -CNであり、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
別の特に好ましい実施形態において、R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、-CO2R5、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、または -CNであり、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールである。
別の特に好ましい実施形態において、R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、-CO2R5、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、または -CNであり、L2は結合であり、Zは-CO2R15または-CO2NR15R16である。
別の特に好ましい実施形態において、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールであり、L2は結合であり、Zは-CO2R15または-CO2NR15R16である。
別の特に好ましい実施形態において、R1はそれぞれ独立して、ハロゲン、(C1-C4)アルキル、フルオロ(C1-C4)アルキル、-OR5、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、-CO2R5、S(O)mNR5R6、-S(O)mR5、または -CNであり、R2は(C1-C4)アルキルまたはアリールであり、L2は結合であって、Zは-CO2R15または-CO2NR15R16である。
特別な実施形態において、本発明は下記の化合物を与える:
さらに特別な実施形態において、本発明は、上記化合物の薬学上許容される塩を与える。たとえば、ある特定の実施形態において、本発明は上記化合物のベンゼンスルホン酸塩を与える。
組成物
もう一つの態様として、本発明は、1つまたは複数の本発明の化合物を、診断上もしくは薬学上許容される担体または賦形剤とともに含む医薬組成物を与える。主題の組成物は、肥満および摂食障害(たとえば、拒食症)のような、MCHRを介して起こる状態および障害の治療もしくは予防に有用である。本発明の化合物は、多種多様な経口および非経口の剤形に調剤して投与することができる。したがって、本発明の化合物は、たとえば、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内もしくは腹腔内に注射によって投与可能である。また、本明細書に記載の化合物は、たとえば鼻内に、吸入によって投与することもできる。それに加えて、本発明の化合物は、経皮的に投与することができる。本発明の化合物とともに使用するために、デポー投与および直腸投与を含めて、他の投与経路も検討される。
本発明の化合物から、医薬組成物を調製するための、薬学上許容される担体は、固体または液体のいずれであってもよい。固形製剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、座剤、および分散顆粒剤がある。固体担体は、希釈剤、着香剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル剤としても機能しうる、1つまたは複数の物質とすることができる。
散剤では、担体は、微細に分割された活性成分とともに混合物を形成する微細に分割された固体である。錠剤においては、活性成分は、必要な結合特性を有する担体と、適当な割合で混合され、望ましい形態および大きさに成形される。
散剤および錠剤は、活性化合物を約5%、または10%から70%まで含有することが好ましい。適当な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、乳糖、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバターなどである。「調製」という用語は、カプセルを与える担体としてカプセル化材料とともに活性化合物を製剤することを含めるものとするが、このカプセルにおいて、活性成分は、他の担体とともに、または他の担体なしで、担体によって包まれており、したがって担体は活性成分に結び付いている。同様に、カシェ剤およびトローチ剤も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤およびトローチ剤を、経口投与に適した固体の剤形として使用することができる。
座剤を調製するために、脂肪酸グリセリドまたはカカオバターの混合物のような低融点ワックスを最初に融解し、活性成分を、たとえば撹拌によって、その中に均一に分散させる。融解した均一な混合物をその後、適当な大きさの型に注ぎ入れ、放冷により凝固させる。
液体型製剤は、溶液製剤、懸濁製剤および乳化製剤、たとえば、水または水/プロピレングリコール溶液、を包含する。(非経口)注射剤のために、液体製剤を水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤することができる。
経口で使用するのに適した水性溶液は、活性成分を水に溶解し、適当な着色剤、着香剤、安定剤および増粘剤を必要に応じて添加することによって調製することができる。微細に分割された活性成分を、天然もしくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および他の既知の懸濁化剤のような粘稠な材料とともに水中に分散することによって、経口で使用するのに適した水性懸濁製剤を作製することができる。
使用の直前に、経口投与用の液体型製剤に変えるように意図された固形製剤も包含される。このような液体型には、溶液、懸濁液および乳濁液が含まれる。このような製剤は、活性成分に加えて、着色剤、着香剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有することができる。
医薬製剤は、単回投与剤形の形をとることが好ましい。こうした剤形において、製剤は活性成分を適当量含有する単回投与量に細分される。単回投与剤形は、包装された製剤とすることができるが、その包装は、バイアルもしくはアンプル中に包装された錠剤、カプセル剤、および散剤のような、個別量の製剤を含有する。また、単回投与剤形は、1つのカプセル剤、錠剤、カシェ剤もしくはトローチ剤それ自体とすることもできるし、または包装された形の中に入れた適当な任意の数の前記製剤とすることもできる。
単回投与製剤中の活性成分の量は、特定の用途および活性成分の効能に応じて、0.1mgから1000mgまで、好ましくは1.0mgから100mgまでの間で変動し、調整することができる。組成物は、必要ならば、ほかの併用可能な治療薬も含有することができる。
MCHRに関連する状態および障害を治療または予防するための治療的な使用において、本発明の製剤法において利用される化合物は、毎日約0.001mg/kgから約100mg/kgの初回投与量で投与される。一日量の範囲は、約0.1mg/kgから約10mg/kgまでが好ましい。しかしながら、投与量は患者の要求、治療すべき状態の重症度および用いられる化合物に応じて変化しうる。特定の状況に対する適正な投与量の決定は、医師の技量のうちである。一般に、治療は、化合物の最適用量より少ない投与量で開始される。その後、その状況下で最適な効果に達するまで、少量ずつ投与量を増やしていく。便宜的に、一日投与量の総量を分割して、必要ならばその日の間に一部分ずつ投与することもできる。
肥満および摂食障害ならびにそれに伴う病状(たとえば、心臓血管疾患および高血圧)の治療および/または予防に有効な薬剤と本発明の組成物を有利に併用し、および/または組み合わせて使用することができる。多くの場合、これらの代替薬剤と併用して主題の化合物または組成物を投与することは、そうした薬剤の有効性を高める。したがって、ある場合には、本発明の化合物を、たとえば抗肥満薬と併用する、または組み合わせて投与するとき、単独使用時に予想される量より少ない投与量で、あるいは併用療法のために計算された量より少ない投与量で、使用することができる。
併用療法に適した薬剤には、現在市販されている薬剤、および開発中または開発予定の薬剤がある。肥満治療に有用な薬剤の例には、β3アドレナリン受容体作動薬、レプチンまたはその誘導体、およびニューロペプチドYアンタゴニストが挙げられる。不安障害および/または気分障害の治療に有用な薬剤の例には、ベンゾジアゼピン類、たとえば、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムなど;複素環型抗うつ薬、たとえば、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、トリミプラミン、クロミプラミン、プロトリプチリン、アモキサピンおよびマプロチリン;モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)、たとえば、フェネルジンおよびトラニルシプロミン;セロトニン再取り込み阻害薬;選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、たとえば、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;セロトニン−ノルアドレナリン作動性抗うつ薬、たとえば、ベンラファキシン;5-HT2拮抗薬、たとえば、トラゾドン、ネファゾドンおよびミルタザピン;ならびにカテコールアミン作動性抗うつ薬、たとえばブプロプリオンがある。
使用の方法
さらに別の態様において、本発明は、摂食行動、エネルギー恒常性もしくは不安に関わる状態または障害を治療し、または予防するために、本発明の1つまたは複数の化合物を使用する方法を与える。摂食行動、エネルギー恒常性もしくは不安に関わる状態および障害の例としては、拒食症および過食症といった摂食障害、肥満、不安障害、たとえば、全般性不安障害、恐慌発作、パニック障害および強迫性障害(OCD)、ならびに気分障害、たとえば、鬱病および双極性障害がある。摂食行動に関わる状態もしくは障害を治療または予防するために本発明の化合物を使用する方法は、摂食行動または食物摂取量を修正する方法、たとえば、食行動を促す、もしくは抑制する方法、または食物摂取量を増加もしくは減少させる方法を包含する。その方法は、それを必要とする被験体に、治療上有効な量の本発明の化合物を投与することを含む。
別の態様において、本発明は、MCHRが関与する状態もしくは障害を治療または予防するために本発明の化合物を使用する方法を与える。その方法は、それを必要とする被験体に、治療上有効な量の本発明の化合物を投与することを含む。
さらに別の態様において、本発明は、MCHRを調節するために本発明の化合物を使用する方法を与える。その方法は、細胞を本発明の化合物に接触させることを含む。
本発明の化合物はまた、MCHR、たとえばMCHR2に関係しているGタンパク質共役受容体を調節することができる(国際公開公報第WO 00/49046号および WO01/07606号を参照されたい)。
化合物の調製
本発明は、式Iの化合物を調製するための方法を与える。
概略の合成経路をスキーム1に示すが、これは置換アリール部分Aと二環構造Bとが縮合して式Cの化合物を生じる概略を示すものであって、ここにおいて、可変部分は上記に定義されたとおりである。式Aにおいて、D1は、水素、ハロゲン、-C(O)R7、-CO2R8 または-C(O)NR5R6であり、ここでR5、R6、R7およびR8は上記のように定義される。さらにD2は、結合、-N (R'')-、-N (保護基)-、-S-または-O-であって、ここでR''は上記のように定義され、保護基はアミノ保護基である。通常のアミノ保護基は、本明細書に記載の合成法の中で、アミノ基を保護的にブロックするために使用される既知の基からなっている。こうした通常の保護基は容易に取り外し可能であって、すなわち、分子の残りの部分に切断もしくは他の破壊を引き起こすことのない方法によって、必要に応じて、除去することができる。本発明の化合物に適した保護基は、当技術分野における技術的なレベルを考慮し、またGreene, T. W. et al,. Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York (1991)のような標準的な教科書を参照して、本出願から認識されるであろう。
式Bにおいて、E1は水素、-C(O)R7、-CO2R8 または-C(O)NR5R6であり、ここでR5、R6、R7およびR8は上記のように定義される。さらにE2は =O または -NR5R6であって、ここでR5およびR6は上記のように定義される。式AにおいてD1が水素であり、D2が -N (R'')-もしくは-N (保護基)-、-S-または-O-である、前記式Aの化合物を、式BにおいてE1が水素であり、E2は =O またはその保護された形(たとえばアセタール)である、前記式Bの化合物と、典型的なFisherインドール合成条件下で反応させると、式Cの化合物が生成する。
当業者には当然のことであるが、上記で与えられる合成は、異なる出発物質を使用するために変更し、望ましい変換を達成するために試薬を代えることができる。たとえば、D1がCl、Br、Iまたはトルエンスルホネートのような脱離基である式Aの化合物を、E2が =O またはその保護された形である式Bの化合物と、パラジウム触媒によるカップリング反応によって反応させて、式Cの化合物を生成することができる。また、D1が脱離基であり、D2がニトロ基である式Aの化合物を、E1が-CO2Rであり、E2が =O またはその保護された形である式Bの化合物と反応させて、式Cの化合物を生成することができる。したがって、本明細書に記載の合成および試薬は、いずれも限定的でない実施形態として提示される。
式Aによって表される物質は、市販されており(Aldrich Chemical)、あるいは文献の手順にしたがって合成して得ることができる。
式Bで表される化合物を調製する方法の1つは、環状ケトンと置換エノールとの間のRobinson環化プロセスとそれに続く二重結合の飽和によるものである。当業者は他の方法が利用可能であることを容易に認識するであろう。相対立体配置および絶対立体配置は、その過程でコントロールすることができる。式Bの化合物の個々の形態、たとえば、ジアステレオマーおよび鏡像異性体は、立体制御反応によって形成することができるが、クロマトグラフィー技法(ジアステレオマー)および分割(鏡像異性体)によって分離してもよい。
化合物の分析
MCHRポリペプチドの活性は、機能的、化学的および物理的影響を測定するための、たとえば測定用リガンド結合(例としては放射性リガンド結合)、セカンドメッセンジャー(たとえば、cAMP、cGMP、IP3、DAGまたはCa2+)レベル、イオン流束、リン酸化レベル、転写レベル、神経伝達物質レベルなどを測定するためのさまざまなin vitroおよびin vivoアッセイを用いて評価することができる。さらに、そうしたアッセイを使用して、MCHRのアンタゴニスト(拮抗薬)およびアゴニスト(作動薬)をテストすることができる。スクリーニングアッセイを用いて、治療薬、たとえばMCHR活性の拮抗薬として使用することができるモジュレータを同定することができる。
MCHR活性のモジュレータは、組換えによって生成した、または天然に存在する(内因性の)上記のようなMCHRポリペプチドを用いて検討することができる。タンパク質を単離する、細胞内で発現させる、細胞に由来する膜において発現させる、組織内または動物体内で発現させることができるが、これは組換えによる発現、または天然に生じる発現のいずれでもよい。たとえば、腎細胞、肝細胞、大腸細胞、形質転換細胞、または膜を使用することができる。本明細書に記載のin vitroまたはin vivoアッセイの1つを用いて、調節作用をテストする。シグナル伝達もin vitroで、異種シグナル伝達ドメインに共有結合した受容体の細胞外ドメイン、または受容体の膜貫通ドメインもしくは細胞質ドメインに共有結合した異種細胞外ドメインといった、キメラ分子を用いて、可溶化状態での反応または固相反応により調べることができる。遺伝子増幅も調べることができる。さらに、当該タンパク質のリガンド結合ドメインを、in vitroで、可溶化状態での反応もしくは固相反応に使用して、リガンド結合をアッセイすることができる。
MCHR、ドメイン、もしくはキメラタンパク質に対するリガンドの結合を、溶液、固相に結合した二分子膜、脂質単分子膜、またはベシクルにおいて、調べることができる。モジュレータの結合は、たとえば、分光学的性質(たとえば、蛍光発光、吸光度、屈折率)、流体力学特性(たとえば、形状)、クロマトグラフ特性または溶解性の変化によって、調べることができる。
MCHR-Gタンパク質相互作用は、たとえば、Gタンパク質のMCHRに対する結合の解析によって調べることもできるが、MCHRからのGタンパク質の遊離を調べることもできる。たとえば、GTPなしで、アクチベーターはGタンパク質(3つのサブユニットすべて)のMCHRとの強固な複合体の形成をもたらすこととなる。この複合体は、上記の様々な方法によって検出可能である。そうしたアッセイは、アンタゴニストを探索するために修正することができる。ある実施形態において、アクチベーターを、GTPなしでMCHRおよびGタンパク質に加え、固く結合した複合体を形成させた後、MCHR-Gタンパク質複合体の解離を観察することによって、アンタゴニストをスクリーニングすることができる。GTP存在下では、Gタンパク質のαサブユニットの、他の2つのGタンパク質サブユニットからの遊離が、活性化の基準として役立つ。
活性化または阻害されたGタンパク質は、タンパク質、酵素およびチャネルといった下流のエフェクターの特性を順に変化させると考えられる。古典的な例は、視覚系の伝達によるcGMPホスホジエステラーゼの活性化、刺激性Gタンパク質によるアデニル酸シクラーゼの活性化、Gqおよび他の同族のGタンパク質によるホスホリパーゼCの活性化、ならびにGiおよび他のGタンパク質によるさまざまなチャネルの調節がある。ホスホリパーゼCによるジアシルグリセロールおよびIP3の生成、およびそれに続くIP3によるカルシウム動員、といった下流の結果を調べることもできる。
活性化されたMCHRは、受容体のC末端テイル(および、場合によっては他の部位も)をリン酸化するキナーゼの基質となる。したがって、アクチベーターは32Pのγ標識ATPから受容体への転移を促進すると考えられ、それはシンチレーションカウンターによってアッセイすることができる。C末端テイルのリン酸化はアレスチン様タンパク質の結合を促進し、Gタンパク質の結合を妨げる。キナーゼ/アレスチン経路は、多くのGPCR受容体の脱感作に重要な役割を果たす。GPCRシグナル伝達、およびシグナル伝達のアッセイ法に関する総説については、Methods in Enzymology, vols. 237 and 238 (1994) and volume 96 (1983);Bourne et al., Nature 10: 349: 117-27 (1991);Bourne et al., Nature 348: 125-32 (1990); Pitcheret al., Annu. Rev. Biochem. 67: 653-92 (1998)を参照されたい。
可能性のあるMCHRアンタゴニストもしくはアゴニストで処理されたサンプルまたはアッセイを、テスト化合物無しの対照サンプルと比較して、調節の程度を調べる。対照サンプル(アゴニストもしくはアンタゴニストで非処理)には相対MCHR活性の値として100を割り当てる。MCHRの阻害は、対照と比較したMCHR活性値が約90%、場合によっては50%、さらに25〜0%であるときに得られる。MCHRの活性化は、MCHR活性値が対照と比較して110%であるとき、場合によっては150%、200〜500%、または1000〜2000%であるとき、達成される。
MCHRを発現する細胞もしくは膜の分極(すなわち、電位)の変化を測定することによって、イオン流出の変化を評価することができる。細胞分極の変化を測定する方法の1つは、電圧固定法およびパッチクランプ法、たとえば、「細胞結合」法、「インサイドアウト」法、および「ホールセル」法によって電流の変化を測定する(それによって分極の変化を測定する)ことによる(たとえば、Ackerman et al., New Engl. J Med. 336: 1575-1595 (1997) を参照されたい)。ホールセル電流は通常、標準的な方法によって測定するのが好都合である(たとえば、Hamil et al., PFlugers. Archiv. 391: 85 (1981)を参照されたい)。他の既知のアッセイには、放射標識イオン流出アッセイ、および電位感受性色素を用いた蛍光アッセイがある(たとえば、Vestergarrd-Bogind et al., J.Membrane Biol. 88: 67-75 (1988); Gonzales & Tsien, Chem. Biol. 4: 269-277 (1997); Daniel et al., J. Pharmacol. Meth. 25: 185-193 (1991); Holevinsky et al., J. Membrane Biology 137: 59-70 (1994)を参照されたい)。概して、テストすべき化合物は1pMから100mMの範囲で存在する。
ポリペプチドの機能に及ぼすテスト化合物の影響は、上記のパラメーターのいずれを調べることによって測定することができる。MCHR活性に影響を及ぼす何らかの適当な生理的変化を用いて、本発明のポリペプチドに及ぼすテスト化合物の影響を評価することができる。機能上の影響が無傷の細胞もしくは動物を用いて測定されるとき、伝達物質放出、ホルモン放出、既知および性質不明の遺伝子マーカーの転写上の変化(たとえばノーザンブロット)、細胞増殖もしくはpH変化のような細胞代謝における変化、ならびにCa2+、IP3もしくはcAMPのような細胞内セカンドメッセンジャーの変化、といったさまざまな影響を測定することもできる。
好ましいMCHRのアッセイは、受容体活性を検知するためにイオン感受性または電位感受性色素を担持させた細胞を包含する。このような受容体の活性を測定するためのアッセイは、テスト化合物の活性を評価するために、他のGタンパク質共役受容体に対する既知のアゴニストおよびアンタゴニストを陰性もしくは陽性対照として使用することもできる。調節性化合物(たとえば、アゴニスト、アンタゴニスト)を同定するためのアッセイにおいて、細胞質におけるイオンレベルまたは膜電位の変化は、それぞれイオン感受性、または膜電位蛍光指示薬を用いてモニターされる。使用できるイオン感受性指示薬および電位プローブの中には、Molecular Probes 1997 Catalogに開示されたものがある。Gタンパク質共役受容体については、無差別なGタンパク質、たとえばGα15およびGα16を第一選択のアッセイに使用することができる(Wilkie et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 88: 10049-10053 (1991))。このような混合Gタンパク質は、異種細胞において、広範な受容体のシグナル伝達経路への共役を可能にする。
受容体の活性化は、典型的にはそれに続く細胞内の事象、たとえば、IP3のようなセカンドメッセンジャーの増加を引き起こすが、こうした事象はカルシウムイオンの細胞内貯蔵を放出する。あるGタンパク質共役受容体の活性化は、ホスファチジルイノシトールのホスホリパーゼCによる加水分解を通してイノシトール三リン酸(IP3)の生成を刺激する(Berridge & Irvine, Nature 312: 315-21 (1984))。IP3は、次にカルシウムイオンの細胞内貯蔵の放出を刺激する。したがって、細胞質のカルシウムイオンレベルの変化、またはIP3のようなセカンドメッセンジャーレベルの変化を用いて、Gタンパク質共役受容体の機能を評価することができる。このようなGタンパク質共役受容体を発現する細胞は、細胞内貯蔵から、およびイオンチャネルの活性化を通じて細胞質カルシウムレベルの増加を示すことがあり、その場合、内部貯蔵から放出されるカルシウムに起因する蛍光反応を識別するために、場合によりEGTAのようなキレート剤を添加した、カルシウムを含まないバッファー中で当該アッセイを行うことが、必要ではないが望ましいと考えられる。
他のアッセイは、受容体が活性化されたとき、アデニル酸シクラーゼのような下流のエフェクターを活性化または阻害することによって、結果として細胞内の環状ヌクレオチド(たとえば、cAMPまたはcGMP)レベルの変化をもたらす受容体の活性を測定することを伴うものである。cAMPもしくはcGMPの結合による活性化の際にカチオンを通過させる、環状ヌクレオチドによってゲートされるイオンチャネル、たとえば桿体視細胞チャネルおよび嗅覚神経細胞チャネルが存在する(たとえば、Altenhofen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 88: 9868-9872 (1991) and Dhallan et al., Nature 347: 184-187 (1990) を参照されたい)。受容体の活性化が環状ヌクレオチドレベルの減少をもたらす場合には、アッセイにおいて細胞に受容体活性化化合物を添加する前に、細胞を、細胞内環状ヌクレオチドレベルを高める薬剤、たとえばフォルスコリン(forscolin)に曝露することが好ましいと考えられる。このようなアッセイ用の細胞は、環状ヌクレオチドによってゲートされるイオンチャネル、GPCRホスファターゼをコードするDNA、および活性化されたとき細胞質において環状ヌクレオチドレベルに変化を引き起こす受容体(たとえば、特定のグルタミン酸受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン受容体、セロトニン受容体など)をコードするDNAによる、宿主細胞のコトランスフェクションによって作製することができる。
ある実施形態において、細胞内cAMPまたはcGMPの変化は、免疫測定法によって測定することができる。Offermanns & Simon, J. Biol. Chez. 270: 15175-15180 (1995) に記載の方法を用いて、cAMPレベルを測定することができる。また、Felley-Bosco et al.,4177.J.Resp. Cell and Mol. Biol. 11: 159-164 (1994) に記載の方法を用いて、cGMPレベルを測定することができる。さらに、cAMPおよび/またはcGMP測定用アッセイキットが、米国特許第4,115,538号に記載されており、参考として本明細書に含めるものとする。別の実施形態において、米国特許第5,436,128号にしたがって、ホスファチジルイノシトール(PI)の加水分解を分析することが可能であり、参考として本明細書に含めるものとする。
もう一つの実施形態において、転写レベルを測定して、テスト化合物のシグナル伝達に及ぼす影響を評価することができる。目的のタンパク質を含有する宿主細胞を、何らかの相互作用をもたらすのに十分な時間、テスト化合物と接触させた後、遺伝子発現レベルを測定する。こうした相互作用をもたらすのに要する時間は、たとえば、時間経過を追って、転写レベルを時間の関数として測定することによって、経験的に決定することができる。転写量は、当業者に知られている何らかの好適な方法を使用することによって測定することができる。たとえば、ノーザンブロットを用いて当該タンパク質のmRNA発現を検出することができ、もしくはそのポリペプチド産物を免疫測定法によって同定することができる。あるいはまた、レポーター遺伝子を用いた転写に基づくアッセイを、米国特許第5,436,128号に記載のように用いることができるが、これは参考として本明細書に含めるものとする。レポーター遺伝子は、たとえば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ホタル ルシフェラーゼ、細菌ルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼおよびアルカリホスファターゼとすることができる。さらに、目的のタンパク質を、緑色蛍光タンパク質のような第2のレポーターへの付着を介して間接的なレポーターとして使用することができる(たとえば、Mistili & Spector, Nature Biotechnology 15: 961-964 (1997)を参照されたい)。
次に、転写量を、テスト化合物無しでの同一細胞における転写量と比較する、または当該タンパク質を欠失した実質的に同じ細胞での転写量と比較してもよい。実質的に同じ細胞は、同一細胞から得られ、組換え(もしくは非組換え)細胞株を調製するもととなった細胞であるが、異種DNAの導入による改変は受けていない。転写量の相違は、テスト化合物が幾分か当該タンパク質の活性を変化させたことを示す。
下記の実施例は、例証としてのみ与えられるのであって限定するものではない。当業者は、基本的に同様の結果をもたらすように変更または修正することができる、さまざまな重要でないパラメーターを容易に認識することができるであろう。
以下で用いた試薬および溶媒は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee、Wisconsin,USA)などの商業的供給元から入手することができる。1H-NMRスペクトルは、Varian Gemini 400MHz NMRスペクトロメーターで記録した。有意なピークは、次の順番でタビュレートした:多重度(s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br s、ブロード一重項)、ヘルツ(Hz)でのカップリング定数、プロトンの数。電子イオン化(EI)質量スペクトルは、Hewlett Packard 5989A質量スペクトロメーターで記録した。質量スペクトル測定の結果は、電荷に対する質量の割合およびそれの後ろに付けた各イオンの相対量(カッコ書)として報告する。単一m/e値は、最も一般的な原子アイソトープを含むM+H(または、M-H)イオンとして報告する。アイソトープパターンは、いずれの場合も、予想される式に対応する。電子スプレーイオン化(ESI)質量スペクトル測定分析は、Hewlett Packard 1100MSD電子スプレー質量スペクトロメーターで、サンプル送達用にHP 1100 HPLCを用いて行った。通常、アナライトは、メタノールに0.1mg/mLで溶解させ、1マイクロリットルを送達用溶媒と共に質量スペクトロメーターに注入し、これを100〜1500ダルトンまでスキャンした。全ての化合物は、ポジティブESIモードで、1%の酢酸を含む1:1のアセトニトリル/水を送達用溶媒として用いて分析できた。下記に示す化合物もまた、ネガティブESIモードで、アセトニトリル/水中の2mM NH40Acを送達用溶媒として用いて測定できた。分析HPLC解析は、Shiseido Co.(日本国)製のC18逆相カラム(4.6mm×l50mm)を備えたHewlett-Packard Series 1050装置で行った。勾配溶出は、さまざまな割合(%)のアセトニトリルおよび水(それぞれ、0.1%のトリフルオロ酢酸を添加)を移動相として用いて行った。光学純度解析もまた、Chiral Technologyから購入したキラルHLPCカラム(ChiralPak AD、4.6mm×150mm)を備えたHewlett-Packard Series 1050装置を用いて行った。0.1%のジエチルアミンを含有するイソプロパノール(3%)およびヘキサン(97%)を移動相として用いた。
化合物4は、以下のようにして、4ステップで調製した。
ステップ1.ロビンソン環化。トルエン(2L)中のN-ベンジル-4-ピペリドン(500g、2.65mol)およびピロリジン(330mL、d 0.852、3.96mol)の混合物を加熱還流すると同時に、脱離による水をDean-Starkトラップを用いて除去した。8時間後、70mLの水を回収し、回収した水の容積はそれ以上増えなかった。GC分析により、出発のN-ベンジル-4-ピペリドンおよび生成物エナミンの存在が明らかになった。溶媒および過剰なピロリジンを減圧下で蒸発させた(減圧、60torr;熱浴、50℃)。残渣を500mLのトルエンに溶解し、再度蒸発させて、暗色油状物を得た(630g)。
得られたエナミンを無水ジオキサン(2L)に溶解し、メカニカルスターラー、冷却器およびもう1つの漏斗を備えた5L容の三ツ口フラスコに濾過して入れた。3-ペンテン-2-オン(333g、2.78mol)を20分間かけて反応槽に添加した。反応混合物を25時間にわたり加熱還流した。室温付近まで冷却した後、NaOMe(6.7g、0.125mol)を添加し、混合物を6時間にわたり加熱還流した。室温付近まで冷却した後、反応混合物に、400mLの水中のAcONa(200g)および氷AcOH(400mL)の予備混合溶液を添加した。反応混合物をさらに5時間にわたり加熱還流した。約1Lの溶媒(および場合によってはピロリジン)を留去し、反応混合物の残部を室温まで冷却し、2N NaOH(2.5L)でわずかに塩基性(pH8〜9)にした。層分離させた後、水相をAcOEt(3L)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、短いシリカゲルプラグで濾過して、暗色透明の溶液を得た。濾液を減圧下で濃縮して、粘稠な油状物を得た(670g)。この物質を用いて、分割ステップを直接行った。
95%エタノール(800mL)中のラセミ型イソキノリノン遊離塩基(626g、2.45mol)の温かい撹拌溶液に、熱エタノール(1500mL)中のジ-O-p-トルオイルL-酒石酸(945g、2.45mol)の溶液を添加した。通常、混合が完了したら直ちに、難溶性のジアステレオマー型塩の析出が起こった。混合物を、1時間穏やかに撹拌しながら熱水浴(80℃)内で加熱し、徐々に(通常は一夜)室温まで放置冷却した。析出物を濾過により回収し、冷95%エタノール(800mL)で濯いだ。固体(オフホワイト色)を熱95%エタノール(1500mL)中で粉砕し、冷却後(典型的には、室温で一夜放置した後)、濾過により回収し、冷エタノールで洗浄した。2回粉砕した後で、オフホワイト色の固体(340g、約98%ee)を得た。
化合物2aは、この塩から、NaOHによる中和およびAcOEtによる抽出により遊離させた。
Parrシェーカー水素化装置用のフラスコに、前のステップで得たN-ベンジルイソキノリノン化合物(120g、0.47mol)、10%Pd/C(12g、50%の水を含有)、ジ-t-ブチルジカーボネート(133g、0.61mol)およびエタノール(1200mL、200プルーフ)を投入した。反応は、60psiの水素圧下で行った。最初の2時間は、この水素圧が急速に下がり、頻繁に再投入する必要があった。反応物は、典型的には、8時間以上にわたり静置した。H2のさらなる消費は見られなかった。反応混合物をセライトパッドで濾過し、エタノールで濯いだ。濾液を濃縮して、生成物を粘稠な油状物として得た。これは放置すると固化して、白色固体を得た。この物質は、さらに精製することなく、次のステップで用いた。
プロパノール(200mL)中の前のステップで得たN-Boc-イソキノリノン化合物の溶液を、耐圧器に入れた。濃H2SO4(13mL)をゆっくり添加した。直ちにガス抜きを行ったところ、45分後に静かになった。4-トリフルオロフェニルヒドラジン(16.56g、94.0mmol)を添加した。混合物を室温で1時間、続いて還流下で3時間または気体の発生が停止するまで撹拌した。この時点で、MS分析を行ったところ、反応混合物の主成分としてヒドロゾンが示された。反応器を封止し、TLC(10:1:0.1、CH2Cl2/MeOH/NH4OH)およびポジティブモードでのES-MSによりモニターしながら、反応が完了するまで90℃で36時間加熱した。反応が完了したら、反応混合物を、1N NaOHの撹拌溶液に注いだ(多少の析出物が形成された)。混合物をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、NaSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、固体を得た。残渣をCH2Cl2で粉砕した。濾過により固体を回収した。生成物は、CH2Cl2/MeOH/NH4OHを20:1:0.1から6:1:0.1まで極性を増大させる勾配溶出を用いたシリカゲルカラムでのクロマトグラフィーにより精製し、主生成物として化合物4を得ることができた。
化合物5は、次のようにして、3ステップで合成した。
ステップ1.-78℃のTHF(200mL)中にiPr2NH(16.82mL、120mmol)が入った500mL容フラスコに、n-BuLi(48mL、2.5M/ヘキサン、120mmol)を添加した。-78℃で30分間撹拌した後、4-テトラヒドロ-ピラン-4-カルボン酸メチルエステル(11.86mL、100mmol)を添加した。さらに45分間撹拌した後、HMPA(10mL)およびヨウ化アリル(11.9mL、130mmol)を添加した。反応物を低温で20分間維持し、室温まで放置して温めた。反応混合物を水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、20〜30%のEtOAc/ヘキサンの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、透明な油状物を得た(16.6g)。
ステップ2.上記のアルキル化生成物(15.26g、83mmol)を、iPrOH(400mL)およびH20(400mL)中のNaI04(39.0g、182mmol)およびOsO4(70mg)と共に一夜撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、40〜70%のEtOAc/ヘキサンの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物4-(2-オキソ-エチル)-テトラヒドロピラン-4-カルボン酸メチルエステルを油状物として得た(8.8g)。
ステップ3.上記のアルデヒド(1.86g、10mmol)をClCH2CH2Cl(50mL)中のアミン4(3.08g、10mmol)およびNaBH(OAc)3(8.48g、40mmol)と共に一夜撹拌した。それを希アンモニア水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、EtOAc、10%のMeOH/EtOAc、10%のMeOH/CH2C12、20%のMeOH/CH2Cl2および30%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5を固体として得た(3.0g)。
THF(2mL)中の化合物5(0.080g、0.17mmol)のサンプルを、THF(2mL)中のLiAlH4(0.400mL、1M/THF、0.40mmol)で還元した。還元が完了したら、10%のNa2SO4水溶液で反応物を反応停止させた。濾過により析出物を除去し、有機濾液を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。5〜30%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、6を白色固体として得た(0.065g)。
ジオキサン(10mL)および水(5mL)中のエステル5(0.80g、1.7mmol)およびLiOH・H2O(0.80g、19mmol)の混合物を、7時間にわたり加熱還流した。反応混合物を冷却した。HOAcで酸性化(約pH5まで)したところ、白色の析出物が形成された。固体を濾過により回収し、水で濯ぎ、最後にエーテルで濯いだところ、化合物7が白色固体として得られた(0.50g)。
CH2Cl2(60mL)中の酸7(1.86g、4mmol)および4滴のDMFの混合物に、塩化オキサリル(17mL、CH2Cl2中の2M溶液、34mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、混合物を濃縮し、高減圧下でポンピングして、固体を得た。この固体に、CH2Cl2中のNH4OHの飽和溶液(60mL)を添加した。混合物を一夜撹拌し、NH4OHの割合を増大(0〜10%)させながら添加した10〜20%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出でクロマトグラフィーカラムに直接ロードして、化合物8を白色固体として得た(1.674g)。
CH2Cl2(2mL)中の酸7(0.120g、0.256mmol)およびDMF(2滴)の混合物に(COCl)2(1.2mL、2M/CH2C12、2.4mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物を高減圧下に置いて、固体を得た。この固体をCH2Cl2(2mL)に再懸濁し、それに(S)(+)2-アミノ-l-プロパノール(0.100mL、1.7mmol)およびNEt3(0.140mL、1mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、混合物をNaHCO3の飽和溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを添加した10〜20%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物9を白色固体として得た(0.098g)。
CH2Cl2(2mL)中の酸7(0.075g、0.16mmol)およびDMF(2滴)の混合物に、(COC1)2(0.8mL、2M/CH2C12、1.6mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物を高減圧下に置いて、固体を得た。この固体に、CH2Cl2(2mL)、(S)(+)2-(アミノメチル)-ピロリジン(0.20mL、1.87mmol)およびNEt3(0.170mL、1.2mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OH中の20〜40%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物10を黄色がかった固体として得た(0.053g)。
無水ピリジン(14mL)中のアミド8(0.695g、1.50mmol)およびPOCl3(0.42mL、4.5mmol)の混合物を、密閉容器内で2時間にわたり120℃まで加熱した。それを室温まで冷却し、飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、5〜30%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するニトリルを黄色がかった固体として得た(0.400g)。
上記のニトリルを、トルエン(3mL)中のBu3SnN3(0.74mL、2.7mmol)と共に、密閉容器内で2日間にわたり120℃で加熱した。反応が完了したら、反応混合物を室温まで冷却し、エーテル中の1M HClで酸性にし、0〜10%のNH4OH中の20〜40%のMeOH/CH2C12の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物11を黄色がかった固体として得た(0.196g)。
化合物12は、実施例4で詳細に説明した手順に従い、4-(2-オキソ-エチル)-テトラヒドロ-ピラン-4-カルボン酸メチルエステルをシクロヘキサンカルボン酸メチルエステルで置き換えて調製した。
化合物13は、次のスキームに従い、5ステップで合成した。
スキーム4
ステップ1.THF(110mL)、MeOH(110mL)および水(5mL)中の4-アリル-テトラヒドロピランカルボン酸メチルエステル(15.7g、92.4mmol)およびLiOH・H2O(29g、688mmol)の混合物を、密閉容器内で85℃で一夜加熱した。室温まで冷却したら、それをEtOAcで抽出し、水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮して、対応するカルボン酸を白色の固体として得た(12.82g)。
ステップ2.CH2C12(300mL)中の上記の酸(12.82g、75.4mmol)およびDMF(4滴)の混合物に(COC1)2(75.4mL、CH2Cl2中の2M溶液、150.8mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物をロータリーエバポレーターに入れた。得られた酸塩化物(150mLの無水アセトン中)を、NaN3(48.75g、0.75mol、300mLの水の中)に0℃にて30分間かけて添加した。室温で2時間撹拌した後、混合物を氷水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。得られたアジドを100mLのベンゼンに溶解し、100mLの還流下にあるベンゼンにゆっくり添加した。還流をさらに40分間継続し、その時点で、気体は全く放出されなかった。ベンゼンを留去し、120mLのMeOHを混合物に添加した。混合物を36時間にわたり加熱還流し、室温まで冷却し、溶離液として40%のEtOAc/ヘキサンを用いるクロマトグラフィーに直接かけた。カルバメート生成物が白色固体として得られた(14.15g)。
ステップ3.得られたカルバメート(0.498g、2.5mmol)を、MeOH(5mL)およびH20(5mL)中のNaI04(1.18g、5.5mmol)およびOsO4(30mg)と共に15分間撹拌した。混合物を、溶離液として70〜90%のEtOAc/ヘキサンの勾配溶出でクロマトグラフィーのカラムに直接ロードして、アルデヒド生成物を油状物として得た(0.48g)。
ステップ4.上記のアルデヒド(0.38g、1.9mmol)を、ClCH2CH2Cl(15mL)中のアミン4(0.587g、1.9mmol)およびNaBH(OAc)3(1.61g、7.6mmol)と共に一夜撹拌した。反応混合物を希アンモニア水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを添加した20〜40%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、カップリングした生成物を固体として得た(0.618g)。
ステップ5.ジオキサン(20mL)および水(10mL)中の得られた生成物(0.618g、1.25mmol)およびLiOH・H2O(3.0g、71.5mmol)の混合物を、密閉容器内で120℃で8時間加熱した。室温まで冷却したら、それを飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを添加した20〜40%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物13を黄色がかった固体として得た(0.268g)。MS(ES):436[M+H]。
CH2C12(1.5mL)中のアミン13(0.096g、0.22mmol)およびNEt3(0.084mL、0.6mmol)の混合物に、トリフルオロメタンスルホニル無水物(0.067mL、0.40mmol)を0℃で添加した。20分後、それを飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、5〜20%のMeOH/CH2Cl2の勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物14を黄色がかった固体として得た(0.077g)。
酸7(0.070g、0.15mmol)、DMF(2滴)およびDCM(2mL)の混合物に(COCl)2(0.6mL、2M/DCM、1.2mmol)を添加した。気体が出なくなったら、溶媒を蒸発させて、固体を得た。この固体に、DCM(2mL)、モルホリン(0.2mL、2.3mmol)およびTEA(0.15mL、1.1mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO3に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、20%のMeOH/DCMで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、15を黄色がかった固体として得た(0.080g)。
酸7(0.306g、0.66mmol)、4-(2-アミノエチル)モルホリン(0.375mL、2.64mmol)、EDC.HC1(0.381g、1.98mmol)、HOBt(0.267g、1.98mmol)、NMP(0.44mL、4mmol)、DCM(5mL)およびDMF(5mL)の混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜3%のNH4OHを含有する10〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、16を白色固体として得た(0.310g)。MS(ES):577[M+H]。
酸7(0.102g、0.22mmol)、2-アミノエチル-l-エチルピロリジン(0.128g、1mmol)、EDC.HC1(0.127g、0.66mmol)、HOBt(0.089g、0.66mmol)、NMP(0.22mL、2mmol)、DCM(1.5mL)およびDMF(1.5mL)の混合物を、室温で8時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜3%のNH4OHを含有する10〜25%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、17を白色固体として得た(0.095g)。
酸7(0.325g、0.7mmol)、DMF(2滴)およびDCM(8mL)の混合物に(COC1)2(3.6mL、DCM中の2M溶液、7.2mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物を高減圧下に置いて、固体を得た。この固体に、DCM(8mL)、MeONH2.HCl(0.800g、9.6mmol)およびTEA(0.60mL、4.3 mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出で溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、18をオフホワイト色の固体として得た(0.24g)。
酸7(0.060g、0.13mmol)、DMF(1滴)およびDCM(2mL)の混合物に (COC1)2(0.6mL、DCM中の2M溶液、1.2mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物を高減圧下に置いて、固体を得た。この固体に、DCM(2mL)、NH2CH2CN(0.200g、3.6mmol)およびTEA(0.15mL、1.07mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜8%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出で溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、19を白色固体として得た(0.028g)。
酸7(0.102g、0.22mmol)、2-アミノメチル-2-プロパノール(0.095g、0.88mmol、Rai, B.;Dekhordi, L. S.;Khodr, H.;Jin, Y.;Liu、Z.;R. C. Hider(1998) J :Med. Chem. 41:3347-3359に従って調製したもの)、EDC-HC1(0.127g、0.66mmol)、HOBt(0.089g、0.66mmol)、NMP(0.11mL、1mmol)、DCM(2mL)およびDMF(2mL)の混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、20を白色固体として得た(0.085g)。
2ステップで合成:酸7(1.00g、2.2mmol)、DMF(3滴)およびDCM(20mL)の混合物に (COC1)2(10mL、DCM中の2M溶液、20mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物をロータリーエバポレーターに入れ、続いて高減圧ポンプに入れて、対応するアシル塩化物を固体として得た。このアシル塩化物(10mLのDCMおよび5mLのDMFに溶解させたもの)を、DCM(15mL)中のNH2CH2CH2NH2(4.42mL、66mmol)が入ったフラスコに添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出で溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するアミノエチルアミドを黄色がかった固体として得た。
上記のアミド(0.035g、0.07mmol)を、DCM(1mL)中のAcCl(0.01mL、0.14mmol)およびTEA(0.035mL、0.25mmol)と共に10分間撹拌した。混合物を、0〜7%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出で溶出させるシリカゲルに直接ロードして、21を黄色がかった固体として得た(0.022g)。MS(ES):549[M+H]。
2ステップで合成:実施例18の中間体アミノエチルアミド(0.67g、1.65mmol)、トリフルオロ酢酸無水物(0.292mL、2.1mmol)、TEA(0.42mL、3mmol)およびDCM(10mL)の混合物を、室温で10分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜2%のNH4OHを混合した10〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するトリフルオロメチルアセトアミドを黄色がかった固体として得た(0.510g)。
上記のアミド(0.300g、0.5mmol)を、THF(5mL)中のLAH(0.050g、1.3mmol)と共に1時間還流した。この時点で、HPLC-MSにより、反応が半分完了したことが示された。2回めのLAH(0.050g、1.3mmol)を添加した。さらに1時間還流した後、それ以上の進行は見られなかった。混合物を希水酸化アンモニウム溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。1〜10%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーを行ったところ、分離は見られなかった。最後に、分取HPLCにより分離を行って、22を白色固体として得た(0.037g)。MS(ES):589[M+H]。
アミン13(0.090g、0.2mmol)、テトラヒドロ-3-フロ酸(0.047g、0.4mmol)、EDC.HC1(0.115g、0.6mmol)、HOBt(0.081g、0.6mmol)、TEA(0.140mL,1mmol)、DCM(1mL)およびDMF(1mL)の混合物を、室温で一夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、23を黄色がかった固体として得た(0.069g)。
アミン13(0.065g、0.15mmol)、メタンスルホニル酢酸(0.061g、0.45mmol)、EDC.HC1(0.086g、0.45mmol)、HOBt(0.061g、0.45mmol)、NMP(0.165mL、1.5mmol)、DCM(1.5mL)およびDMF(1.5mL)の混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜2%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、24を白色固体として得た(0.052g)。
アミン13(0.097g、0.224mmol)、4,4-ジオキソ-テトラヒドロチオピラニルカルボン酸(0.040g、0.224mmol、以下のようにして調製したもの)、EDC.HC1(0.107g、0.56mmol)、HOBt(0.076g、0.56mmol)、NMP(0.275mL、2.5mmol)、DCM(1.5mL)およびDMF(1.5mL)の混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜3%のNH4OHを混合した20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、25を白色固体として得た(0.074g)。
4.4-ジオキソ-テトラヒドロチオピラニルカルボン酸の調製: 2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(10g、69.4mmol)、ビニルスルホン(8.19g、69.4mmol)、KOH(9.72g、173.6mmol)およびtBuOH(140mL)の混合物を一夜還流した。上清をデカントし、残った固体に120mLの20%H2SO4水溶液を添加した。得られた混合物をさらに3時間還流し、iPrOH/CHCl3で抽出し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮して、目的とする4,4-ジオキソ-テトラヒドロチオピラニルカルボン酸を得た。
2ステップで合成:アミン13(0.100g、0.23mmol)、ClSO2CH2CO2Me(0.039g、0.3mmol)、ピリジン(0.49mL、0.6mmol)およびDCM(2mL)の混合物を、室温で20分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、分取HPLCにより精製して、対応するスルホンアミドを得た。
上記のスルホンアミド(0.020g、0.038mmol)を、THF(1mL)中のLAH(0.20mL、THF中の1M溶液、0.2mmol)と室温で15分間反応させた。反応混合物を希水酸化アンモニウム溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。1〜3%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより、化合物26を白色固体として得た(0.004g)。MS(ES):544[M+H]。
アミン13(0.239g、0.55mmol)、C(Me)2(OH)CF2CO2H(0.085g、0.55mmol、D olbier, Jr. W. R.;Ocampo, R.(1995)J. OrganicChem. 60:5378およびHallinan, E. A.:Fried, J.(1984)Tetrahedron Lett. 25:2301に従って調製したもの)、EDC-HC1(0.264g、1.37mmol)、HOBt(0.186g、1.37mmol)、NMP(0.44mL、4mmol)、DCM(3mL)およびDMF(3mL)の混合物を室温で24時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜2%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、27を白色固体として得た(0.098g)。
ステップ1.アミン13(0.654g、1.5mmol)、OHCCH2CH2CH2CO2Et(0.260g、2mmol)、NaBH(OAc)3(1.27g、6mmol)およびClCH2CH2Cl(10mL)の混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を希NH4OH溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜4%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するモノアルキル化アミンを得た(0.35g)。
上記で得た生成物(0.35g、0.63mmol)を、ジオキサン(4mL)およびH20(2mL)中のLiOH・H20(0.50g、12mmol)で室温にて3時間処理することにより水素化した。混合物をHOAcで酸性化してわずかに酸性にし、濃縮乾固した。
上記の酸(約0.1mmol、有機塩中に含まれる)を、Ac20(2mL)中のNaOAc(0.200g)と共に、105℃で20分間加熱した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜3%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、28を白色固体として得た(0.040g)。
2ステップでの合成:アミン13(0.664g、1.52mmol)、2,5-ジメトキシ-3-テトラヒドロフラン-カルボキシアルデヒド(0.487g、3.0mmol)およびHOAc(8mL)の混合物を70℃で2時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、飽和NaHCO3溶液で塩基性にし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜2%のNH4OHを混合した10〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するホルミルピロール誘導体を得た(0.70g)。
上記のアルデヒドを、次の反応によりニトリルへと変換した。0℃のNH2OH.HCl(0.083g、1.2mmol)およびCH3CN(3mL)を入れたバイアルに、TEA(0.168mL、1.2mmol)および上記アルデヒド(0.470g、0.91mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、室温で4時間撹拌した。この時点で、フタル酸無水物(0.178g、1.2mmol)を添加し、混合物を90℃で1時間加熱し、飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜1%のNH4OHを混合した10〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、29を黄色がかった固体として得た(0.167g)。
3ステップでの合成:アミン13(0.600g、1.38mmol)、BocNHCH2CHO(0.220g、0.38mmol)、NaBH(OAc)3(1.17g、5.5mmol)およびClCH2CH2Cl(14mL)の混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を希NH4OH溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜4%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応する還元アミノ化生成物を得た(0.311g)。
上記で得た生成物(0.311g、0.537mmol)を、1.5mLのDCM 中のHC1(1.5mL、ジオキサン中の4M溶液、6mmol)と共に30分間撹拌した。混合物を希NH4OH溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮して、脱保護生成物を得、これを直接次のステップで用いた。
得られた脱-Boc生成物(0.129g、0.27mmol)を、DCM(8mL)中のカルボニルジイミダゾール(0.087g、0.54mmol)と共に1時間還流した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜2%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、30を白色固体として得た(0.123g)。MS(ES):505[M+H]。
実施例3で得たアルコール化合物のサンプルを、SO3・PyおよびDMSOによる酸化によって対応するアルデヒドへと変換した。このアルデヒド(0.100g、0.2mmol)のMeOH(1mL)中の0℃の溶液にグリオキサール(0.055g、0.95mmol、50%の水溶液)、続いてNH3(0.50mL、1mmol、MeOH中の2M溶液)を添加した。混合物を室温まで放置して温め、24時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜4%のNH4OHを含む15〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、31を黄色がかった固体として得た(0.027g)。
2ステップでの合成:窒素雰囲気下で-78℃に冷却したTHF(6mL)中のジアゾメチルホスホネート(0.180g、1.2mmol、Seyferth, D.;Marmor, R. S.;Hilbert, P. (1971) J. Organic Chem. 36:1379)の溶液に、KOtBu(1.8mL、1.8mmol、THF中の1.0M溶液)を滴下した。得られた混合物を低温で10分間撹拌した。アルデヒド(0.268g、0.6mmol、THFに溶解させたもの、化合物31の調製に用いたものと同じもの)を上記の混合物に滴下した。混合物を-78℃で30分間、さらに室温で30分間撹拌した。反応物を水で反応停止させ、混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、5〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出で溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するアルキンを白色固体として得た(0.200g)。
得られたアルキン(0.100g、0.22mmol)を、密閉容器内でTMSN3(1mL)と共に、140℃で2日間加熱した。混合物全部をカラムに直接ロードし、1〜5%のNH4OHを混合した15〜20%のMeOH/DCMで溶出させて、32を白色固体として得た(0.0048g)。MS(ES):488[M+H]。
リチウムジイソプロピルアミド(1.1mL、2.0M、2.2mmol)を、N-アリル-N-t-ブトキシカルボニル-メタンスルホンアミド(0.518g、2.2mmol)を含有するTHFの溶液(0.25M溶液)に-78℃で添加した。-78℃で50分間撹拌した後、実施例28で得たアルデヒド中間体の無水THF(0.470g、1.05mmol)中の溶液を添加し、混合物を-78℃で室温まで一夜撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、3%のMeOH/DCMで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3(R1 = Boc、R2 = アリル)を黄色がかった油状物として得た(0.25g)。得られた油状物をDCM(0.5M)中のトリフルオロ酢酸で処理して、33を黄色の膜として得た。
化合物33のサンプル(0.067g、0.12mmol)を、DCM中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0.012g、O.Olmmol)および1,3-ジメチルバルビツル酸(0.2g、1.28mmol)で35℃にて一夜処理して、34を固体として得た(0.006g)。
実施例28で得たアルデヒド化合物(0.1g、0.22mmol)、塩酸ヒドロキシルアミン(0.024g、0.33mmol)およびトリエチルアミン(0.045g、0.45mmol)のMeOH(0.2M溶液)中の混合物を、室温で5.5時間撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、DCMに再溶解すると淡黄色の固体が出現したので、この固体を追加のDCMで濯ぎ、乾燥して、0.04gの35を淡黄色の固体として得た。
塩酸ヒドロキシルアミンを塩酸メトキシアミンで置き換えた以外は、実施例29と同様にして合成した。
実施例28で得たアルデヒド中間体(0.10g、0.22mmol)、塩酸2-アミノ-エタンチオール(0.062g、0.54mmol)およびナトリウムメトキシド(0.078g、1.4mmol)のMeOH(0.2M溶液)の混合物を、室温で一夜撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、10:1:0.1のDCM-MeOH-NH4OHで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、37を黄色の固体として得た(0.06g)。
2ステップで合成した:アミド8(0.150g、0.32mmol)および(MeO)2CHN(Me)2の混合物を、120℃で15分間加熱した。室温まで冷却した後、全部をカラムに直接ロードし、1〜10%のNH4OHを混合した15〜30%のMeOH/DCMで溶出させて、対応するアシルアミジンを黄色の固体として得た(0.120g)。
上記のアシルアミジンを、AcOH(1mL)中のNH2NH2・H20(0.030mL、0.6mmol)で90℃にて10分間処理した。室温まで冷却した後、全部をカラムに直接ロードして1〜4%のNH4OHを混合した10〜30%のMeOH/DCMで溶出させて、トリアゾール38を白色固体として得た(0.050g)。
無水ピリジン(14mL)中のアミド8(0.695g、1.50mmol)およびPOC13(0.42mL、4.5mmol)の混合物を、密閉容器内で120℃にて2時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、5〜30%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するニトリルを黄色がかった固体として得た(0.400g)。
2ステップでの合成:アミド8(0.630g、1.36mmol)およびLAH(4.76mL、THF中の1M溶液、4.76mmol)の混合物を、70℃まで1時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を希NH4OH溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを混合した20〜50%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、対応するアミンを固体として得た(0.500g)。
上記のアミン(0.060g、0.133mmol)を、DCM(2mL)中の(CF3SO2)2O(0.067mL、0.4mmol)およびTEA(0. 084mL、0.6mmol)と0℃にて10分間反応させた。混合物を水に注ぎ、飽和NaHCO3溶液で塩基性にし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のMeOH/EtOAcの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、40を黄色がかった固体として得た(0.045g)。
THF(1.5mL)中のエステル5(0.070g、0.15mmol)およびMeLi(1.0mL、エーテル中の1.6M溶液、1.6mmol)の混合物を、室温で30分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、20%のMeOH/DCMで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、41を白色固体として得た(0.012g)。
3ステップでの合成:THF(80mL)中のテトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(5.00g、50mmol)の溶液に、アリルマグネシウムブロミド(60mL、1M/エーテル、60mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、反応物をNH4C1水溶液で反応停止させ、エーテルで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、50〜60%のEtOAc/ヘキサンの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、アルコール付加物を透明な油状物として得た(2.51g)。
得られたアルケニルアルコール(1.00g、7mmol)を、MeOH(15mL)およびH20(15mL)中のNaI04(3.30g、15.4mmol)およびOsO4(40mg)と共に15分間撹拌した。混合物全部を、カラムに直接ロードした。EtOAcで溶出させて、対応するアルデヒドを褐色がかった油状物として得た(0.70g)。
上記のアルデヒド(0.250g、1.7mmol)を、ClCH2CH2Cl(7mL)中のアミン4(0.309g、1mmol)およびNaBH(OAc)3(0.856g、4mmol)と共に1.5時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜10%のNH4OHを添加した10〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、42を褐色がかった固体として得た(0.145g)。
DCM(0.4M溶液)中の酸7(1g、2.15mmol)、N-Boc-シスチンメチルエステル(1.06g、4.52mmol)、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(1.096g、4.30mmol)およびトリエチルアミン(0.456g、4.52mmol)の混合物を、室温で一夜撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、20:1:0.1のDCM:MeOH:NH4OHで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、黄色の固体を得た(0.6g)。
得られた固体を、DCM中の20%トリフルオロ酢酸で処理した。脱保護が完了したら、過剰な試薬および溶媒を蒸発により除去した。残渣をベンゼン(20mL)およびDCE(5mL、溶解を補助するため)中で一夜還流した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、5%のMeOH/DCMで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、43を黄色の固体として得た(0.16g)。
実施例40で得た化合物のサンプル(0.2g、0.35mmol)を、還流させながらベンゼン中の活性二酸化マンガン(0.15g、1.75mmol)で一夜処理して、44を黄色の固体として得た(0.045g)。
DCE(0.25M溶液)中のアミン4(0.107g、0.35mmol)、[4-(トリアゾール-2-カルボニル)-テトラヒドロ-ピラン-4-イル]-アセトアルデヒド(0.069g、0.29mmol、先に記載されているのと同様にして調製したもの)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.245g、1.15mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、5%のMeOH/DCMで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、45を黄色の固体として得た(0.09g)。
実施例42で得たケトンのサンプル(0.039g、0.073mmol)を、THF 中の水素化ホウ素ナトリウム(0.02g、0.5mmol)で30分間処理した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、5%〜10%のMeOH/DCMで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、46を黄色の固体として得た(0.005g)。
ステップ1.LAH(0.64g、16.7mL)を、実施例1で得たエステル化合物1(4.0g、8.4mmol)を含有する無水THF溶液(70mL)に室温にて添加した。溶液を2時間にわたり加熱還流した。加熱後、水(0.6mL)、続いてNaOHの1N溶液(0.6mL)を添加し、最後に水(1.2mL)を添加した。得られた固体を濾過し、多量のジクロロメタンで洗浄した。濾液を濃縮し、精製を行わずに次のステップで用いた。ESI(MH+) m/z 451。
ステップ2.上記で得られたアルコール化合物(0.6g、1.33mmol)をDMSO/Et3N(2.5:1、0.2M)に溶解し、室温でSO3・ピリジン複合体(0.85g、5.33mmol)で処理した。2時間撹拌した後、混合物を水(60mL)に注ぎ、ジクロロメタン(3回×100mL)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、Na2SO3で乾燥し、濃縮して、アルデヒド中間体を得た。ESI(MH+) m/z 449。
ステップ3. 水素化ナトリウム(0.96、40mmol)を、トリエチルホスホノアセテート(4mL、20.0mmol)を含有する無水DMF(0.2M)溶液に室温にて添加した。10分間撹拌した後、上記で得たアルデヒド中間体(4.51g、10.1mmol)を添加し、混合物を室温で一夜撹拌した。過剰なDMFを減圧下で除去し、残存する残渣を10%のMeOH/DCM溶液に溶かし、水で洗浄し、Na2SO3で乾燥し、濃縮した。この物質の一部を、分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した。
DIBAL(2.1当量)を、実施例44で得たエステル(1当量)を含有する無水THF溶液(0.2M)に0℃で添加した。4時間撹拌した後、反応物をメタノールで0℃にて反応停止させ、室温まで温めた。溶液を減圧下で濃縮し、残存する残渣を、シリカ上で0〜20%メタノール/ジクロロメタンの勾配で溶出させて精製した。ESI(MH+) m/z 475。
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3当量)を、上記で得たアルデヒド中間体(1当量)およびピロリン(2当量)を含有するジクロロメタン溶液(0.2M)に室温にて添加した。一夜撹拌した後、溶媒を蒸発を用いて除去し、残存する残渣を分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した。
この化合物は、実施例45に記載されているのと同様にして調製した(TFA塩)。
この化合物は、実施例45に記載されているのと同様にして調製した(TFA塩)。
この化合物は、実施例45に記載されているのと同様にして調製した(TFA塩)。
この化合物は、実施例45に記載されているのと同様にして調製した(TFA塩)。
実施例44のステップ1で得たアルデヒド中間体のサンプルを、無水THF(0.2M)中のメチルグリニャール試薬(2.5当量)で室温にて処理した。一夜撹拌した後、溶媒を蒸発を用いて除去し、残存する残渣を分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した(TFA塩)。
実施例44のステップ1で得たアルデヒド中間体を、イソプロピルグリニャールで処理することにより得た(TFA塩)。
実施例44のステップ1で得たアルデヒド中間体を、t-ブチルグリニャールで処理することにより得た(TFA塩)。
水酸化リチウム(30mg、1.3mmol)を、実施例44から得たエステル中間体(0.54g、1.0mmol)を含有するTHF/水の溶液(1:1、0.2M)に添加し、3時間にわたり加熱還流した。室温まで冷却した後、溶液を3NのHCl溶液で滴定してpHを中性にし、減圧を用いて濃縮乾固した。この物質は、精製せずに次のステップで用いた。ESI(MH+) m/z 491。
類似体のアミドのための一般的合成方法。HBTU(3当量)を、トリエチルアミン(3当量)、上記で得た酸中間体(l当量)および各アミン(2当量)を含有するジクロロメタン溶液(0.2M)に室温にて添加した。一夜撹拌した後、溶媒を蒸発を用いて除去し、残存する残渣を分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した。
(TFA塩)。
(TFA塩)。
トシルメチルイソシアニド(22mg、0.1mmol)を、炭酸カリウム(19mg、1.2mmol)および実施例44のステップ2で得たアルデヒド中間体(50mg、0.1mmol)を含有するメタノール溶液(5mL)に添加した。溶液を24時間にわたり加熱還流した。冷却後、生成物を分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した。
酸12(0.150g、0.32mmol)、DMF(2滴)およびDCM(4mL)の混合物に、(COC1)2(1.0mL、DCM中の2M溶液、7.2mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物を高減圧下に置いて、固体を得た。この固体に、DCM(4mL)およびMeNH2(8mL、2M/THF、16mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、塩水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜7%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出で溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、60を黄色がかった固体として得た(0.095g)。MS(ES):476[M+H]。
酸12(0.926g、2mmol)、グリシンアミドHC1(0.442g、4mmol)、EDC.HCl(0.960g、5mmol)、HOBt(0.676g、5mmol)、NMP(2.0mL、18mmol)、DCM(10mL)およびDMF(10mL)の混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜8%のNH4OHを混合した20〜40%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、61を褐色がかった固体として得た(0.650g)。
対応するアミン化合物を、4-アリル-テトラヒドロピランカルボン酸メチルエステルを1-アリル-l-シクロヘキシルカルボン酸メチルエステルに置き換えた以外は、実施例15について示したものと同じ手順に従って調製した。
DCM(5mL)中のこのアミン(0.235g、0.54mmol)、EtSO2Cl(0.139g、1.08mmol)、TEA(0.109g、1.08mmol)の混合物を、室温で45分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜1%のNH4OHを混合した20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、62を固体として得た(0.037g)。
DCM(1mL)中の実施例59で得たアミン中間体(0.056g、0.13mmol)、CF3CH2SO2C1(0.036g、0.15mmol)およびTEA(0.042mL、0.3mmol)の混合物を、室温で15分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜1%のNH4OHを混合した20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、63を固体として得た(0.030g)。
実施例59で得たアミン中間体(0.097g、0.224mmol)、4,4-ジオキソ-テトラヒドロチオピラニルカルボン酸(0.040g、0.224mmol)、EDC.HC1(0.107g、0.56mmol)、HOBt(0.076g、0.56mmol)、NMP(0.275mL、2.5mmol)、DCM(1.5mL)およびDMF(1.5mL)の混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜3%のNH4OHを混合した10〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、64を白色固体として得た(0.023g)。
実施例4の化合物の合成に用いたものと同じ手順に従って合成した。
酸65(0.070g、0.15mmol)、DMF(1滴)およびDCM(2mL)の混合物に、(COC1)2(0.5mL、DCM中の2M溶液、1mmol)を添加した。気体が出なくなったら、混合物を高減圧下に置いて、固体を得た。この固体に、DCM(2mL)およびMeNH2(2mL、THF中の2M溶液、2mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、0〜5%のNH4OHを混合した5〜30%のMeOH/DCMの勾配溶出で溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、66を白色固体として得た(0.060g)。
酸65(0.100g、0.22mmol)、2-アミノメチル-2-プロパノール(0.120g、0.67mmol)、EDC.HC1(0.127g、0.66mmol)、HOBt(0.089g、0.66mmol)、NMP(0.25mL、2.3mmol)、DCM(2mL)およびDMF(2mL)の混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、1〜2%のNH4OHを混合した10〜20%のMeOH/DCMの勾配溶出を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、67を白色固体として得た(0.100g)。MS(ES):520[M+H]。
化合物12(実施例9)の合成に用いたものと同じ手順に従って合成した。
実施例2の合成に用いたものと同じ手順に従って合成した。
5mLのDCM中の実施例66で得た化合物69(1.03g、2.43mmol)を、塩化オキザリル(2.1mL、24.3mmol)および2滴の無水DMFで処理した。30分後、反応物を低圧下で乾燥させた。DCM(15mL)を添加し、フラスコを氷浴に入れた。無水DCM中の大過剰なアンモニアをゆっくり添加して、前で形成した塩化カルボニルと反応させた。20分間程度で、LC-MSにより反応が完了したことが示された。水(30mL)を添加し、水層をDCM(3回×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、濃縮した。5〜10%のMeOH/DCMによるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、70(800mg、1.90mmol)を明褐色の膜として得た。
2mLのDCM中の酸69(実施例66)(50mg、0.118mmol)、EDC(68mg、0.354mmol)、HOBT(16mg、0.118mmol)、NMM(0.039mL、0.354mmol)および過剰のエチルアミン(約10当量)の混合物を室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、1mLのDMFおよび0.2mLの水を添加した。溶液をHPLC(逆相)に直接注入して、30mg(0.066mmol)の71を黄色の膜として得た。
化合物72は、実施例67について記載したものと同じ手順に従って調製した。
化合物71(実施例68)と同じ手順に従った。
化合物71(実施例68)と同じ手順に従った。
化合物71(実施例68)と同じ手順に従った。
化合物76は、実施例44に記載されているようにして、化合物69を還元し、対応するアルコールをDMSO/TEA中のSO3ピリジンで酸化することにより調製した。2mLのDCM中の化合物76(25mg、0.061mmol)の溶液に、NaBH(OAc)3(26.0mg、0.122mmol)を添加し、続いてアミン(11mg、0.122mmol)を添加した。反応混合物を一夜撹拌し続けた。溶媒を除去し、1mLのDMFを添加して、混合物を溶解させた。濾過した後、溶液を逆相HPLCに直接注入して、純粋な黄色の膜77(18mg、0.038mmol)を生成物として得た。
化合物78は、実施例10と同様の手順に従って数ステップで得た。0℃で、化合物78(6mg、0.015mmol)およびトリエチルアミン(6mg、0.06mmol)の溶液に、メタンスルホン酸無水物(7.8mg、0.045mmol)を添加した。反応物を一夜撹拌し続けた。溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を逆相HPLCに供して、純粋な黄色の固体79を得た(2.0mg、0.004mmol)。
DCE(0.25M溶液)中のアミン4(0.9g、2.92mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.5g、11.7mmol)およびアルデヒド80(l.Og、3.5mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、3%のMeOH/DCMで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、81を黄色の固体として得た(0.73g)。化合物81をDCM中のトリフルオロ酢酸で0.5時間処理し、濃縮し、20:1:0.1のDCM:MeOH:NH4OHで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、82を淡黄色の固体として得た(0.49g)。
化合物82(0.lg、0.21mmol)を、DCE中のホルムアルデヒド(0.01g、0.3mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.178g、0.84mmol)で室温にて3時間処理した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、20:1:0.1のDCM:MeOH:NH4OHで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、83を黄色の固体として得た(0.01g)。
化合物82(0.05g、0.105mmol)を、DCM中のメシルクロリド(0.012g、0.105mmol)およびトリエチルアミン(0.013g、0.013mmol)で0℃にて2時間処理した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、20:1:0.1のDCM:MeOH:NH4OHで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、84を黄色の固体として得た(0.055g)。
化合物83(0.02g、0.04mmol)を、THF中の水素化リチウムアルミニウム(0.02g、0.042mmol)で室温にて2時間処理した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、20:1:0.1のDCM:MeOH:NH4OHで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、85を黄色の固体として得た(0.055g)。
化合物83(4g、8.15mmol)を、THF中の水酸化リチウム(0.391g、16.3mmol)、MeOHおよび水で処理し、一夜還流した。反応物を1N HC1溶液で処理し、イソプロピルアルコールおよびクロロホルムで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、10:1:0.1のDCM:MeOH:HOAcで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2gの桃色の粉末(酸)を得た。この酸(0.052g、0.11mmol)を、DMF(1mL)中のEDC(0.063g、0.33mmol)、HOBt(0.0147g、0.11mmol)、およびNMM(0.033g、0.33mmol)の条件下で2-メトキシエチルアミン(0.0098g、0.13mmol)と室温にて一夜反応させた。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、20:1:0.1のDCM:MeOH:NH4OHで溶出させるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、86を褐色の油状物として得た(0.003g)。
中間体88。EDC(1.12g、5.9mmol)を、トリエチルアミン(1mL)、アミン4(1.2g、3.9mmol)、および上記のカルボン酸87(0.97g、3.9mmol)を含有するジクロロメタン溶液(0.2M)に室温にて添加した。一夜撹拌した後、混合物を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、中間体88を得た。この物質は、精製せずに次のステップで用いた。ESI(MH+) m/z 539。
類似体89(TFA塩)。LAH(200mg)を、88(2.0g、3.9mmol)を含有する無水THF溶液(10mL)に室温にて添加した。溶液を2時間にわたり加熱還流した。加熱後、水(0.2mL)、続いてNaOHの1N溶液(0.2mL)を添加し、最後に水(0.4mL)を添加した。得られた固体を濾過し、多量のジクロロメタンで洗浄した。この物質の一部を分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した。
類似体90および91の共通合成。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3当量)を、アミン89(1当量)および各ケトンまたはアルデヒド(3当量)を含有するジクロロメタン溶液(0.2M)に室温にて添加した。一夜撹拌した後、溶媒を蒸発を用いて除去し、残存する残渣を分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した。
類似体90(TFA塩)。
類似体29(TFA塩)。
類似体91(TFA塩)。
中間体92。SO3ピリジン複合体(42g、2.7mmol)を、化合物91(0.34g、0.65mmol)を含有するDMSO/Et3N(2.5:1、0.2M)溶液に室温にて添加した。2時間撹拌した後、混合物を水(25mL)に注ぎ、ジクロロメタン(3回×75mL)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、Na2SO3で乾燥し、濃縮して、中間体92を得た。化合物31は、精製せずに次のステップで用いた。ESI(MH+) m/z 505。
類似体93(TFA塩)。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3当量)を、ベンジルアミン(2当量)および上記ケトン92(1当量)を含有するジクロロメタン溶液(0.1M)に室温にて添加した。一夜撹拌した後、溶媒を蒸発を用いて除去し、残存する残渣を分取HPLC(C18カラム、10%〜90%のアセトニトリル/水の勾配)を用いて精製した。
実施例80
本発明の化合物のMCHR調節活性は、上記で記載したin vitroおよびin vivoアッセイにより評価することができる。
代表的なin vitro法としては、蛍光測定画像解析用プレートリーダー(FLIPR)機能アッセイ(例えば、G Protein-Coupled Receptors (1999) pp. 105-108 (T. Haga、G. Bernstein編)CRC Press;Lemboら, (1999) Nature Cell Biol. 1:267-271;Saitoら, (1999) Nature 400:265-269;Woodら, (2000) Eur. J. Pharmacol. 396:1-8およびMillerら, (1999) J. Biomol. Screen. 4:249-258を参照)および放射性リガンド結合アッセイ(例えば、Receptor Binding Techniques (1999) pp.37-47 (M. Keen編) Humana Press;Buckleyら, (1989) Mol. Pharmacol. 35:469-476;Miharaら, (1994) J. Pharmacol. Exp. Ther. 268:1122-1128;Newmanら, (2000) Eur. J. Pharmacol. 397:255-262およびAudinotら, (2001) Br. J. Pharmacol. 133:371-378を参照)が挙げられる。
代表的な化合物は、MCHR1調節活性を示した。
本明細書に引用した全ての刊行物および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個々に参照により組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。上記の発明は、明確に理解できるようにする目的で、説明および実施例によりある程度詳細に記載されているが、当業者であれば、本発明の教示に照らし合わせれば、添付する特許請求の精神または範囲から逸脱することなく、特定の変更および改変を加えることができることが容易に理解されよう。
図1は本発明の化合物の例の構造を示す。