しかし、ディスクの製造過程においては、製造効率向上のためディスク基板載置装置に載置されたディスク基板を移動しながら紫外線を照射する構成とすることが一般的である。すなわち、ディスク基板載置装置にディスク基板を載置し、ディスク基板載置装置を紫外線照射装置の下を通過するように移動させることでディスク基板上の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し、その後紫外線照射装置とは別の位置でディスク基板載置装置からディスクを取り外すように構成されている。そのため、冷却用の空気を供給するのにディスク基板載置装置に空気を供給する手段を当接することは、ディスク基板載置装置が移動を停止している間しかできない、という改善すべき課題があった。あるいは、空気を供給する手段をディスク基板載置装置が移動中にも当接出来るようにするには、構造が複雑になるという問題もあった。そこで、本発明は、簡単な構造でディスク基板載置装置が移動中であっても発熱するディスク基板による熱の影響を受けにくいディスク基板載置装置、発熱する基板による熱の影響を受けにくくするための反射板、発熱する基板による熱の影響を受けにくい紫外線照射装置、ディスク製造装置およびディスク製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る紫外線照射装置が備えるディスク基板載置装置は、例えば図1に示すように、中心に孔2が形成されたディスク基板1であって発熱するディスク基板1を載置する平面を有するプレート50と;ディスク基板1の孔2の周囲を支持し、プレート50から突き出ることによりプレート50上に載置されたディスク基板1をプレート50から離間して保持するセンターピン60とを備える。
このように構成すると、発熱するディスク基板が、センターピンがプレートから突き出ることによりプレートから離間するので、ディスク基板の発熱によるプレートの温度上昇が抑えられる。そのため、発熱するディスク基板による熱の影響を受けにくいディスク基板載置装置となる。「発熱するディスク基板」とは、ディスク基板上に発熱体が付着してディスク基板自体が熱くなる場合を含む。また、「センターピンがプレートから突き出る」とは、センターピンのディスク基板を支持する部分がプレートから突き出ることをいい、他の部分はプレートから突き出ていたり、突き出なかったりしていてもよい。
また、例えば図1、図2および図3に示すように、ディスク基板1を載置する平面を有するプレート50とプレート50を支持するプレート支持具55とディスク基板1に紫外線を照射する紫外線照射ランプ95とを備える紫外線照射装置21で用いられ、ディスク基板1の周囲を囲み、紫外線照射ランプ95から照射される紫外線UVをディスク基板1の方向に反射する反射板70であって;プレート50をプレート支持具55(56)とで挟み;ディスク基板1の周りで環状に空気の流れる環状流路72と、環状流路72からディスク基板1の方向に反射板70を貫通する少なくとも一つの空気ノズル73と、環状流路72に空気を導入する導入流路74とが形成されている反射板70を備えていてもよい。
このように構成すると、一の反射板により、紫外線をディスク基板の方向に反射するだけではなく、プレートをプレート支持具に押さえ、さらに、ディスク基板の方向に空気を供給するための流路としても用いることができる。よって、紫外線照射装置の構造を簡単化するのに寄与する反射板となる。なお、「ディスク基板の周りで環状に」とは、厳密な意味での環状でなくてもよく、実質的にディスク基板の外周を囲む方向であればよく、完全に囲むことなく一部が途切れていてもよい。
また、請求項1に記載の発明に係る紫外線照射装置は、例えば図1および図3に示すように、上述のディスク基板載置装置40と;ディスク基板1に紫外線を照射する紫外線照射ランプ95とを備え;プレート50上に載置されているディスク基板1に塗布された紫外線硬化樹脂が硬化した後から、ディスク基板1とプレート50とが再度接触してもプレート50を有意に温度上昇させなくなるまでの所定の時間、センターピン60をプレート50から突き出してディスク基板1をプレート50から離間した状態に保つように構成されている。
このように構成すると、センターピンがプレートから突き出ることにより発熱するディスク基板がプレートから離間するので、紫外線硬化樹脂が硬化するときの発熱によるプレートの温度上昇が抑えられ、発熱するディスク基板による熱の影響を受けにくい紫外線照射装置となる。
また、請求項2に記載の発明に係る紫外線照射装置では、例えば図3に示すように、請求項1に記載の紫外線照射装置21において、ディスク基板載置装置40を同心円状に複数備え;複数のディスク基板載置装置40を円移動するターンテーブル20をさらに備えている。
このように構成すると、複数のディスク基板載置装置にディスク基板を載置し、ターンテーブルでディスク基板載置装置上のディスク基板を円移動することで、紫外線照射装置による紫外線照射と、ディスク基板載置装置へのディスク基板の載置・撤去とを効率よく行うことができる。
また、請求項3に記載の発明に係る紫外線照射装置では、例えば図1および図3に示すように、請求項2に記載の紫外線照射装置21において、センターピン60が第1の磁石80を有し;第1の磁石80と反発する磁力を生ずる第2の磁石81が、ターンテーブル20のため円移動するディスク基板載置装置40のセンターピン60の軌道に沿って、ターンテーブル20の下に配置され;ディスク基板載置装置40の円移動に伴い、センターピン60が第2の磁石81の上を移動すると、第1の磁石80と第2の磁石81との反発する磁力によりセンターピン60がプレート50から突き出る。
このように構成すると、ターンテーブルの下に配置された第2の磁石と第1の磁石との反発する磁力、すなわち反発力によりセンターピンがプレートから突き出るので、センターピンをプレートから突き出す力を非接触で得ることができる。また、ターンテーブルの下に配置されている磁石により、センターピンがプレートから突き出るので、磁石の配置の仕方によって、センターピンをプレートから突き出す位置を容易に設定できる。なお、「センターピンがプレートから突き出る」とは、ディスク基板がプレートの平面上に載置された状態における位置より、センターピンがプレートよりディスク基板が載置された側に移動することをいう。
また、請求項4に記載の発明に係る紫外線照射装置では、例えば図3に示すように、請求項3に記載の紫外線照射装置21において、第2の磁石81と極性が反対の第3の磁石82が、ターンテーブル20のため円移動するディスク基板載置装置40のセンターピン60の軌道に沿って、ターンテーブル20の下に配置され;ディスク基板載置装置40の円移動に伴い、センターピン60が第3の磁石82の上を移動することにより、プレート50から突き出たセンターピン60が引っ込む。ここで、「センターピン60が引っ込む」とは、プレート50から突き出たセンターピン60が、プレート50から突き出ていない状態に戻ることをいう。
このように構成すると、プレートから突き出たセンターピンを、所定の位置で確実に引っ込んだ状態に戻すことができる。
また、請求項6に記載の発明に係る紫外線照射装置では、例えば図2および図3に示すように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の紫外線照射装置21において、上述の反射板70と;導入流路74に空気を供給する空気供給手段90〜92とをさらに備える。
このように構成すると、発熱するディスク基板をプレートから離間させ、さらに、ディスク基板とプレートとに空気を供給して、冷却することができる。
前記目的を達成するために、請求項7に記載の発明に係るディスク製造装置は、例えば図5に示すように、ディスク基板1に紫外線硬化樹脂を供給する樹脂供給装置13と;請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の紫外線照射装置21とを備える。
このように構成すると、センターピンがプレートから突き出ることにより発熱するディスク基板がプレートから離間し、紫外線硬化樹脂硬化の発熱によるプレートの温度上昇が抑えられ、発熱するディスク基板による熱の影響を受けにくい紫外線照射装置を備えるので、発熱するディスク基板の熱の影響を受けにくいディスク製造装置となる。
また、前記目的を達成するために、請求項8に記載の発明に係るディスク製造方法は、例えば図5および図6に示すように、請求項7に記載のディスク製造装置100にディスク基板1を供給する工程と;ディスク基板1に、樹脂供給装置13により紫外線硬化樹脂3を供給する工程と;供給された紫外線硬化樹脂3に紫外線照射装置21(95)で紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂3を硬化する工程と;ディスク基板1に塗布された紫外線硬化樹脂3が硬化した後にセンターピン60をプレート50から突き出し、ディスク基板1とプレート50とが再度接触してもプレート50を有意に温度上昇させなくなるまでの所定の時間紫外線硬化樹脂3が硬化したディスク基板1をプレート50から離間して保持する工程とを備える。
このように構成すると、紫外線硬化樹脂が硬化して発熱すると、ディスク基板をプレートから離間して保持するので、プレートへの発熱の影響を低減することができる。よって、発熱するディスク基板の影響を受けにくいディスク製造方法となる。
また、前記目的を達成するために、請求項9に記載の発明に係るディスク製造方法は、例えば図6に示すように、ディスク基板1に紫外線硬化樹脂3を供給する工程(S21)と;ディスク基板1をプレート50上に載置する工程と;プレート50上に載置されたディスク基板1上の紫外線硬化樹脂3に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂3を硬化する工程(S24)と;プレート50上に載置されたディスク基板1の紫外線硬化樹脂3が硬化した後から、ディスク基板1とプレート50とが再度接触してもプレート50を有意に温度上昇させなくなるまでの所定の時間、硬化による発熱で温度上昇したディスク基板1をプレート50から持ち上げて保持する工程(S25)とを備える。
このように構成すると、紫外線硬化樹脂の硬化による発熱で温度上昇したディスク基板をプレートから持ち上げて保持するので、プレートへの発熱の影響を低減することができる。よって、発熱するディスク基板の影響を受けにくいディスク製造方法となる。
本発明によれば、ディスク基板載置装置が、中心に孔が形成されたディスク基板であって発熱するディスク基板を載置する平面を有するプレートと、ディスク基板の孔の周囲を支持しプレートから突き出ることによりプレート上に載置されたディスク基板をプレートから離間して保持するセンターピンとを備えるので、センターピンがプレートから突き出ることにより発熱するディスク基板がプレートから離間し、ディスク基板の発熱によるプレートの温度上昇が抑えられる。そのため、発熱するディスク基板による熱の影響を受けにくいディスク基板載置装置を提供することができる。
また本発明によれば、紫外線照射装置が、上記のディスク基板載置装置と、ディスク基板に紫外線を照射する紫外線照射ランプとを備えるので、センターピンがプレートから突き出ることにより発熱するディスク基板がプレートから離間し、紫外線硬化樹脂が硬化するときの発熱によるプレートの温度上昇が抑えられ、発熱するディスク基板による熱の影響を受けにくい紫外線照射装置を提供することができる。
また本発明によれば、ディスク製造装置がディスク基板に紫外線硬化樹脂を供給する樹脂供給装置と上記の紫外線照射装置とを備えるので、紫外線硬化樹脂を硬化する際に、センターピンがプレートから突き出ることにより発熱するディスク基板がプレートから離間しプレートの温度上昇が抑えられる。よって、発熱するディスク基板による熱の影響を受けにくいディスク製造装置を提供することができる。
また本発明によれば、上記のディスク製造装置にディスク基板を供給する工程と、ディスク基板に樹脂供給装置により紫外線硬化樹脂を供給する工程と、供給された紫外線硬化樹脂に紫外線照射装置で紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化する工程と、センターピンをプレートから突き出し紫外線硬化樹脂が硬化したディスク基板をプレートから離間して保持する工程とを備えるので、紫外線硬化樹脂が硬化して発熱すると、ディスク基板をプレートから離間して保持し、プレートへの発熱の影響を低減することができる。よって、発熱するディスク基板の影響を受けにくいディスク製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、ディスク基板に紫外線硬化樹脂を供給する工程と、ディスク基板をプレート上に載置する工程と、プレート上に載置されたディスク基板上の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化する工程と、紫外線硬化樹脂が硬化し硬化による発熱で温度上昇したディスク基板をプレートから持ち上げて保持する工程とを備えるので、紫外線硬化樹脂の硬化による発熱で温度上昇したディスク基板をプレートから持ち上げて保持し、プレートへの発熱の影響を低減することができる。よって、発熱するディスク基板の影響を受けにくいディスク製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一または相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
先ず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態としてのディスク基板載置装置40について説明する。図1は、ディスク基板載置装置40の構成並びにディスク基板載置装置40の周囲に配置された反射板70およびプレート支持具55の構成を説明するための断面図であり、紫外線照射装置の一部としての実施例で示している。ディスク基板載置装置40は、ディスク基板1を載置するプレート50と、ディスク基板1の孔2の周囲を支持するセンターピン60とを備える。ここで、ディスク基板1とは、典型的には、CDやDVD等の光ディスクを製造するためのディスク基板である。ディスク基板1は、典型的にはポリカーボネート樹脂製の円盤であるが、材質はポリカーボネート樹脂には限られず、レーザ光線を透過する他の材質も好適に用いられる。ディスク基板1は円形の薄板で、その中心に孔2が形成されている。外形は円形とするのが一般的であるが、円形でなくてもよい。ディスク基板1の寸法の一例としては、直径120mm、中心孔2の径15mm、厚さ0.6mmであるが、寸法は用途により様々である。ディスク基板1の少なくとも片面には、信号を形成する微小な凹状の溝が形成されている。
プレート50は、典型的にはガラス製の円形の板で、中心でガイド部材52と結合している。プレート50は、少なくとも一面は平面になっており、その面の上にディスク基板1を載置する。すなわち、ディスク基板1はプレート50の平面により、平らな状態を維持して載置される。プレート50がガラスなどの紫外線を透過する紫外線透過材料で形成されると、紫外線を透過するのでディスク基板1上の紫外線硬化樹脂を硬化させるときに紫外線を上下両方向から照射することができるので、好ましい。
ガイド部材52は、円板形のプレート50の中心に形成された孔に納められた基本的に円筒形の部材である。図1に示す円筒部材52は、プレート50を貫通せず、その上面(ディスク基板1が載置される面)側のみに形成されているが、貫通してもよい。ガイド部材52の中空部には、センターピン60が挿入され、上下方向可動に支持される。センターピン60の外面とガイド部材52の内面とが、センターピン60が上下方向に移動するときの摺動面を構成し、センターピン60の傾きを抑え、上下移動をスムースにしている。ガイド部材52の内面が、上面方向で大きな2つの内径で形成され段差を有し、センターピン60がそれぞれの内径に対応する大きさを有することで、センターピン60の下方向への移動が制限される。ガイド部材52は、典型的にはステンレス鋼製として、センターピンと摺動するときの強度および耐摩耗性を確保する。なお、ガイド部材52を備えずに、プレート50に形成された孔に、センターピン60が直接挿入されてもよい。しかし、ガイド部材52を備えることにより、強度と耐磨耗性が確保されることに加え、孔の寸法精度を出し易く、加工が容易となる。
センターピン60は、ガイド部材52に挿入される、基本的に円柱形の部材で、その上面で、プレート50に載置されたディスク基板1の孔2の周囲を支持する。ディスク基板1の孔2の周囲とは、典型的には孔2からディスク基板1が傾くことなく支持できる範囲であればよく、典型的には孔2の周囲で紫外線硬化樹脂が供給されていない範囲内である。センターピン60は、ディスク基板1の孔2に挿入されディスク基板1の位置を安定させる導入部61と、導入部61の直下に形成され、導入部61より大径で段差が平面で形成され、該平面でディスク基板1の孔2の周囲を支持する載置部62と、載置部62の直下に形成され、載置部62より小径で段差が形成され、該段差がガイド部材52に形成された段差と当接することによりセンターピン60の下方への移動が制限され、また、その外面がガイド部材52の内面と摺動するスライド部63とにより構成されてもよい。このように構成すると、ディスク基板1の位置を安定させることができ、また、センターピン60の下方への移動が制限されるので、センターピン60がプレート50から脱落することがない。なお、導入部61が形成されず、載置部62の上部が平面だけで形成されてもよい。センターピン60の下方への移動は、載置部62の平面(段差の平面あるいは導入部61が形成されない場合の平面を含む。)が、プレート50の平面と面一となる位置あるいは、それより下がった位置で制限される。センターピン60が下方へ移動し引っ込んだ状態では、ディスク基板1はプレート50に載置され、センターピン60で支持されてはいない。センターピン60は、典型的にはステンレス鋼製とし、ガイド部材52と同様に強度と耐磨耗性を確保するが、先端部61および載置部62はセラミック製とすることも一般的である。
センターピン60は、スライド部63の下端に第1の磁石80を有する。そして、センターピン60の下方で対向する位置に、第1の磁石80と反発力を生じる極性となるように第2の磁石81を設置する。第1の磁石80と第2の磁石81とが接近すると、磁石同士の反発力によりセンターピン60は上方向に移動し、載置部62の平面がプレート50から突き出る。すなわち、センターピン60がプレート50から突き出た状態となる。このように構成すると、ディスク基板載置装置40を第2の磁石81に対して移動することにより、非接触で、センターピン60をプレート50から突き出すことができる。なお、センターピン60を上方向に移動する方法は、磁石の反発力による方法には限られず、他の周知の方法でもよい。
ディスク基板1は、典型的には溝が形成された面を内側にして、2枚が貼り合わされてプレート50に載置される。例えばDVDでは、信号が記録された溝が形成された面に紫外線硬化樹脂を挟んで2枚のディスク基板が貼り合わされる。そこで、ディスク基板1に紫外線を照射して硬化させ、2枚を接着固定する。なお、ここでは、2枚のディスク基板が紫外線硬化樹脂を挟んで貼り合わされたものを、ディスク5と呼ぶ。紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させると、紫外線硬化樹脂は発熱する。紫外線硬化樹脂が発熱すると、熱がディスク基板1に伝わり、さらにプレート50に伝わる。すなわち、プレート50の温度が上昇する。プレート50の温度が上昇した状態で、新しい、すなわち紫外線硬化樹脂が硬化していないディスク5をプレート50上に載置すると、プレート50に接するディスク基板1だけが温められ膨張し、ディスク5に反りを生ずる原因となる。なお、一例として、DVDを製造するときには、紫外線硬化樹脂の硬化によりディスク基板1は40〜50℃程度にまで温度上昇する。
そこで、紫外線硬化樹脂が硬化したならば、すぐにセンターピン60をプレート50から突き出し、載置部62の平面でディスク5を支持し、ディスク基板1をプレート50から離間させる。ディスク基板1上の紫外線硬化樹脂が硬化し、発熱しているディスク基板1をプレート50から離間することで、プレート50の温度上昇を低減し、あるいは防ぐことができる。すなわち、ディスク基板1の発熱が収まり、ディスク基板1とプレート50とが再度接触しても、ディスク基板1からプレート50に伝わる熱が少なく、プレート50を有意に温度上昇させなくなるまでの所定の時間、ディスク基板1をプレート50から所定の間隔だけ離間した状態に保つ。よって、紫外線硬化樹脂が硬化したディスク5をディスク基板載置装置40から撤去し、つぎに紫外線硬化樹脂が硬化していないディスク5あるいはディスク基板1をプレート50に載置しても、プレート50からディスク基板1への熱伝導による温度差のためにディスク5に反りが生ずることを防止できる。なお、ディスク基板1の孔2の周囲には、信号のための凹状の溝が形成されないのが一般的であり、よって、紫外線硬化樹脂で硬化しないので、センターピン60がディスク基板1の孔2の周囲を支持することにより、センターピン60への紫外線硬化樹脂の硬化熱がセンターピン60に伝わり、悪影響を及ぼすことはほとんどない。
続いて、図2をも参照して、本発明の第2の実施の形態としての反射板70について説明する。図2は、反射板70を説明するための図で、(a)は空気供給手段90〜92から供給された空気を反射板70で周囲からプレート50あるいはディスク基板1、ディスク5の方向に供給する構成を示す反射板70の概念図で、(b)は(a)のb−b断面における拡大断面図である。反射板70は、ディスク5すなわちディスク基板1の周囲を囲み、ディスク5の上方から紫外線が照射された場合に紫外線を反射し、ディスク5のディスク基板1に挟まれた紫外線硬化樹脂の外周部分に紫外線を照射し、確実に硬化させるためのドーナッツ形の部材である。反射板70には、ドーナッツ形の内側に斜めの反射面71が形成され、そこで図2(b)に示すように、紫外線照射ランプ(不図示)から照射された紫外線UVを反射し、ディスク5の紫外線硬化樹脂を外周方向から照射する。そのために紫外線硬化樹脂の外周側が確実に硬化する。反射板70は、紫外線を反射する金属で形成されるのが一般的である。反射板70を他の材質で形成して、表面だけを、あるいは紫外線を反射すべき反射面71だけを、紫外線を反射する材質で形成してもよい。
ここで、図1に示すディスク基板載置装置40のプレート50を支持するプレート支持具55について説明する。プレート支持具55は、プレート50を所定の位置に支持するための部材で、例えばターンテーブルであってもよい。プレート支持具55には、プレート50をはめ込む孔が形成されている。プレート50は、典型的には、ガラス製であり、所定の位置に支持するために下から支える構造としている。すなわち、プレート50の外周部分に下方が小径となる段差が設けられ、プレート支持具55には、該段差を下から支えるプレート受け56が形成されており、プレート支持具55の孔に上からはめ込まれたプレート50を支える。しかし、プレート50の上方向への移動、振動を止める構造とはなっていない。そこで、反射板70がプレート50をプレート支持具55のプレート受け56とで挟んで上から押えることによりプレート50の上方向への移動、振動を抑止する。すなわち、反射板70を重量のある金属等で成形することで、重石としても用いる。
さらに、図2(a)に示すように、反射板70には空気の流路72、73、74が形成される。環状流路72が、図2(b)に示すように、反射板70のドーナッツ形の形状に沿って、断面の下部に環状に形成される。環状流路72から、ドーナッツ形の内側に通じ内側で開口する、すなわち環状流路72からプレート50方向に反射板70を貫通する、空気ノズル73が形成される。空気ノズル73は複数形成され、反射板70の中に配置されるディスク5等に向け周囲から空気を満遍なく供給するのが好ましく、例えば、3、4、6、8あるいはそれ以上の空気ノズル73が形成される。また、反射板70の外部から、すなわちドーナッツ形の外周側から環状流路72に通ずる導入流路74が形成される。すなわち、外部の空気供給手段90〜92から導入流路74を通じて環状流路72に空気が供給され、環状流路72により反射板70の全周に渡り空気が送られ、空気ノズル73からディスク5、プレート50に向け、空気が供給される。よって、空気CAによる冷却がむらなく、かつ、迅速に行われる。なお、図2(a)では、環状流路72は、反射板70全周に渡って形成されているが、必ずしも全周に形成されず、導入流路74と全ての空気ノズル73とを連通していればよい。環状流路72、空気ノズル73および導入流路74は、反射板70の下面であってプレート50あるいはプレート支持具55上に接する面に形成された溝であってもよい。溝としても、プレート50あるいはプレート支持具55の平面との間でシールされ、空気を通す流路として作用する。空気の流路であるので、僅かなリークがあっても、大きな支障はない。環状流路72、空気ノズル73および導入流路74を溝として形成すると、製造が容易となる。また、プレート50の上面に沿った空気CAの流れとなり、ディスク5がセンターピン60により持ち上げられて保持されたときに、プレート50に接するディスク基板1とプレート50との間の隙間に空気CAを供給することができるので、効率よい冷却が可能となる。すなわち、ディスク5によるプレート50の温度上昇を防止するには、ディスク5全体を冷却せず、プレート50に接する側のディスク基板1とプレート50を冷却してもよい。
空気供給手段90〜92は、周知の冷却用空気CAを供給する手段を用いることができる。例えば、エアコンプレッサ91と、アキュムレータ92と、アキュムレータ92と導入流路74とを連通する例えばホースなどの空気流路90で構成すればよい。アキュムレータ92を備えなくてもよいが、コンプレッサ91で圧縮した空気が昇温している場合には、アキュムレータ92に貯留し冷却するのがよい。あるいは、さらに冷却装置(不図示)を備え、ディスク基板1等に供給する空気CAを常温以下に冷却してもよい。
以上説明したとおり、反射板70を用いることにより、紫外線をディスク5の外周端面に反射して紫外線硬化樹脂を硬化させる効果に加え、プレート50をプレート支持具55上で安定させる効果、および、ディスク基板1、プレート50を冷却する空気CAを分散して周囲から供給し、むらなく迅速に冷却する効果が得られる。
ここで、図2(a)に示すように、空気ノズル73は、ディスク基板1およびプレート50の中心に向けて空気CAを供給せず、斜めに供給するのが好ましい。すなわち、斜めに供給することにより、プレート50に接するディスク基板1とプレート50との間に形成された隙間で旋回流れを形成して、ディスク基板1およびプレート50の全領域に満遍なく空気CAを供給し、より均一に冷却する。なお、斜めに供給する角度は、ディスク基板1の大きさ、プレート50に接するディスク基板1とプレート50との隙間の大きさ、空気ノズル73の断面、空気CAの供給量等によって異なる。例えば、直径120mm、孔2の直径15mmのディスク5をプレート50から2mm持ち上げて保持する場合に、断面積4.5mm2の空気ノズルから噴出速度100m/秒の流速で空気CAを供給する場合、半径方向から30〜60度程度、典型的には45度斜めにするのが好適である。
続いて、図3をも参照して、本発明の第3の実施の形態としての紫外線照射装置21について説明する。図3は、紫外線照射装置21を説明する図で、(a)は4つのディスク基板載置装置40をターンテーブル20に備えた紫外線照射装置21の上面図で、部分的にターンテーブル20およびディスク基板載置装置40を削除してその下の構造を示し、(b)は紫外線ランプ95を示す下面図である。4つのディスク基板載置装置40は、同心円状に配置されている。紫外線照射装置21では、ターンテーブル20を90度ずつ間欠的に回転することにより、ディスク基板載置装置40は配置された同心円の円周方向に間欠的に円移動する。そして、ターンテーブル20の停止している間に、紫外線照射装置21と対向する位置A(図3(a)の下の位置)のディスク基板載置装置40に対し、紫外線を照射されたディスク5の取り出しと、新たなディスク5の載置とを行う。すなわち、ディスク5の取り出し、載置の間、ターンテーブル20およびディスク基板載置装置40が停止している。
新しい、すなわち、紫外線硬化樹脂が硬化していないディスク5をディスク基板載置装置40に載置すると、ターンテーブル20が回転する。なお、硬化していない紫外線硬化樹脂には、紫外線を少量だけ照射され半硬化した紫外線硬化樹脂を含む。ターンテーブル20は、矢印Rで示すように時計回りに回転し、ディスク基板載置装置40は位置A、B、C、Dの順に円移動する。ターンテーブル20が回転することにより、ディスク5は紫外線照射ランプ95の下部の位置Cに至る。図3(b)の下面図に示すように、紫外線照射ランプ95は、紫外線照射ランプカバー96に覆われ、紫外線照射ランプカバー96で反射され効率的にディスク5の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。図3(b)では紫外線照射ランプ95が3本並列に配置されているが、紫外線照射ランプ95はこれに限らず、周知のものでよい。また、紫外線照射ランプカバー96は、紫外線照射ランプ95の上部を覆うだけではなく、ターンテーブル20あるいは、それより下の位置までの側面を有し側面でも紫外線を反射するような紫外線ハウスとも称される構成とすることが好ましく、若しくは、その他の周知のものでよく、あるいは、備えていなくてもよい。
紫外線照射ランプ95から紫外線が照射されることにより、ディスク5の紫外線硬化樹脂が硬化する。紫外線硬化樹脂は、硬化する際に発熱する。ディスク5の紫外線硬化樹脂が発熱すると、熱がディスク基板1に伝わり、さらにプレート50に伝わる。すると、プレート50に熱が蓄積し、プレート50の温度が上昇する。プレート50の温度が上昇していると、新たなディスク5をプレート50上に載置した場合に、プレート50に接するディスク基板1と、紫外線硬化樹脂を挟んで反対側に位置するディスク基板1との間で温度差を生ずることになる。この温度差のために、熱膨張差が生じ、ディスク5に反りが生じてしまうことがある。そこで、紫外線硬化樹脂が発熱しているディスク5をプレート50から離間させる。なお、紫外線硬化樹脂が硬化するまでは、ディスク5は、プレート50の平面上に載置し、平面を保つことが望ましい。
ディスク5をプレート50から離間させるために、センターピン60をプレート50から突き出させる。図3(a)に示すように、ターンテーブル20の回転により円移動するディスク基板載置装置40のセンターピン60の下に、第2の磁石81を配列する。センターピン60が第2の磁石81の上方に到達すると、第1の磁石80と第2の磁石81との反発力によりセンターピン60が上方に移動しプレート50から突き出る。センターピン60がプレート50から突き出ることにより、前述のように、ディスク5がプレート50から離間する。なお、ディスク5は紫外線硬化樹脂が硬化したならばできるだけ早くプレート50から離間させるのが、プレート50への熱伝導を阻止し、プレート50の昇温を防止するのに好ましい。図3(a)では、ディスク基板載置装置40が紫外線照射ランプカバー96から出る位置(位置Dの僅かに手前)から、第2の磁石81が配列されるように描かれているが、紫外線を受けて紫外線硬化樹脂が硬化した直後(位置Cの直後)からディスク5をプレート50から離間するように、紫外線照射ランプカバー96の下部にも第2の磁石81が配列されてもよい。このように、第1の磁石80と第2の磁石81の反発力によりセンターピン60をプレート50から突き出させると、簡単な構造で、円移動しているディスク基板載置装置40において、センターピン60に非接触でプレート50からセンターピン60を突き出させることができ、さらにディスク基板載置装置40が円移動している間にもセンターピン60が摩擦の影響を受けず、好適である。また、第2の磁石81の配置を変更することで、容易にセンターピン60をプレート50から突き出し、ディスク5をプレート50から離間させる範囲を変更することができる。なお、第2の磁石81は、磁石台83上に配列されるのがよい。すなわち、紫外線照射装置21のターンテーブル20の下方に形成される底板98とターンテーブル20あるいは第1の磁石80との間隔が広く、第1の磁石80と第2の磁石81との反発力ではセンターピン60をプレート50から突き出させるだけの力が得られにくいときには、第2の磁石81を磁石台83により第1の磁石80に近づけ、反発力を増大する。
第2の磁石81の上部を通過している間、センターピン60により、ディスク5は上方に持ち上げられ、プレート50から離間している。すなわち、ディスク5を所定の時間、所定の間隔だけプレート50から離間した状態に保つ。その間に、空気供給手段90〜92から冷却用の空気CAが供給され、反射板70の空気ノズル73から空気CAがプレート50とディスク5(ディスク基板1)との間に噴射される。空気CAが流れることで、プレート50にディスク5から熱が伝わっていても、熱が蓄積し温度上昇することが防止される。反射板70からの空気CAの噴射は、常時(ディスク5がプレート50から離間していない間も)行われていてもいいし、ディスク5がプレート50から離間している間だけ空気CAが噴出されるように空気流路90に弁(不図示)を設けてもよい。
さらに、紫外線照射装置21の外部に送風機97を備え、紫外線照射装置21のターンテーブル20上の全面、あるいは、紫外線照射ランプカバー96とターンテーブル20の間に、冷却用の空気を流してもよい。ターンテーブル20上に空気の流れが生ずることにより、紫外線照射ランプ95の紫外線の放射による昇温等を防止することができる。送風機97の配置される位置は、所定の位置に空気を流すことができる位置であればよく、複数の送風機97を備えてもよい。また、送風機97としては、周知の送風機を用いることができ、あるいは、空気供給手段90〜92からの空気をノズルから噴出する構成としてもよい。空気供給手段90〜92の空気を用いると、エアコンプレッサ91、アキュムレータ92を共有でき、機器数を減らすことができるが、独立した送風機97を備えると、市販の送風機を用いることができ、反射板70から噴出する空気CAとの圧力バランス等を考慮する必要がなく、簡単なシステムで済む。
ディスク5がセンターピン60により持ち上げられ、空気CAにより冷却されつつ、位置Aに戻ろうとすると、センターピン60の下方の磁石の極性が逆になる。すなわち、第3の磁石82の上にセンターピン60が至る。すると、第3の磁石82は、第2の磁石81と極性が逆であり、すなわち、第1の磁石80との間で引張力を生じ、載置部62がガイド部材52の段差に支持されるまで下がり、センターピン60は引っ込む。そこで、紫外線の照射を受けて紫外線硬化樹脂が硬化したディスク5は、紫外線照射装置21から取り除かれ、次の新しいディスク5がプレート50上に載置される。このように、ディスク5の載置をする位置Aで第3の磁石82によりセンターピン60を引っ込めることにより、その後に載置されるディスク50がプレート60の平面上に確実に載置される。なお、第3の磁石82は備えられていなくてもよく、その場合には、センターピン60は、第2の磁石81が下方に配列されていない位置に到達すると、第1の磁石80と第2の磁石81との反発力がなくなるので、自重により降下して引っ込む。自重がセンターピン60を降下させるのに充分ではないときには、バネなどでセンターピン60を下方に付勢しておいてもよい。その際には、第1の磁石80と第2の磁石81との反発力は、センターピン60とディスク5の重量に加え付勢力にも抗して、センターピン60をプレート50から突き出させるだけの力を有するようにする。
図4に、第1の磁石80以外の手段でセンターピン60をプレート50から突き出させる構成例を示す。図4(a)は、センターピン支持突起84でセンターピン60を押し上げる例、(b)はソレノイド85でセンターピン60を上方向に移動させる例を示す。図4(a)に示す例では、センターピン60のスライド部63をプレート50の下面に突出するように長く形成する。そして、センターピン60をプレート50から突き出させディスク5をプレート50から離間させる位置に、センターピン60が位置する下部に、センターピン支持突起84を形成する。センターピン支持突起84は、スライド部63の下端と当接することにより、センターピン60を押し上げる。センターピン支持突起84の構造は周知の構造でよいが、スライド部63がターンテーブル20の回転につれて円移動するときに、スライド部63の下端との間に生ずる摩擦力が小さい方が好ましく、スライド部63の下端と当接する上面は摩擦係数の小さな素材で滑らかに形成されることが好ましい。センターピン支持突起84によりセンターピン60を押し上げプレート50から突き出させることにより、簡単な構造で確実にディスク5をプレート60から離間することができる。
図4(b)に示す例では、ソレノイド85を利用してセンターピン60を上方向に移動しプレート50から突き出させる。センターピン60が挿入される孔の周囲のプレート50からソレノイド85が垂下される。ソレノイド85の可動部材86がセンターピン60と結合され、ソレノイド85には不図示の電源から電圧が印加される。そして、センターピン60をプレート50から突き出させ、ディスク5をプレート50から離間させるタイミングにおいて、ソレノイド85の可動部材86を上方に移動するように電圧を印加し、センターピン60を引っ込めるタイミングで可動部材86を下方に移動するように電圧を印加する。なお、ここでいう「電圧を印加する」には、印加していた電圧をゼロとする場合を含む。このようにソレノイド85でセンターピン60をプレート50から突き出させて、ディスク5をプレート50から離間することにより、ターンテーブル20の回転によるディスク基板載置装置40あるいはセンターピン60の位置に関わらず適切なタイミングでセンターピン60の上下移動をすることにより、ディスク5をプレート60から離間し、また、センターピン60を引っ込めることができる。
続いて、図5を参照して、本発明の第4の実施の形態としてのディスク製造装置100について説明する。図5は、ディスク製造装置100の構成を説明する平面図である。ディスク製造装置100は、ディスク基板1(図1参照)をターンテーブル11の受け部11aに載置するディスク載置アーム10と、受け部11aに載置されたディスク基板1を処理工程に送るターンテーブル11と、受け部11aに載置されたディスク基板1を上下反転させる反転装置12と、ディスク基板1の孔2の周囲に紫外線硬化樹脂3(図6参照)を塗布する樹脂供給装置13と、紫外線硬化樹脂3を塗布されたディスク基板1にディスク基板1’(図6参照)を重ねるディスク重ね合わせ装置14と、紫外線硬化樹脂3が塗布されてディスク基板1、1’が重ね合わされたディスク5をターンテーブル11からスピンナ16A、16Bに、また、スピンナ16A、16Bから受け台18に移載する移載装置15と、ディスク5を孔2を中心に回転し紫外線硬化樹脂3を展延するスピンナ16A、16Bとを備える。ここで、スピンナ16A、16Bが2系列備えられているのは、スピンナ16A、16Bでのディスク5の回転に時間が掛かるので2系列とし、ディスク製造装置100全体としての作業効率を向上するためである。スピンナ16A、16Bは2系列でなく1系列としてもよく、あるいは3系列以上としてもよい。1系列とすればディスク製造装置100が単純化、小型化、あるいは軽量化される。なお、以降、2系列のスピンナを区別するときには、スピンナ16A、16Bと記載するが、区別しないときには、スピンナ16と記載する。
ディスク製造装置100はさらに、紫外線硬化樹脂3(図6参照)が展延されたディスク5を一時載置する受け台18と、ディスク5を受け台18から紫外線照射装置21のターンテーブル20に、また、ターンテーブル20からターンテーブル22に移載する移載装置19と、ディスク5に再度紫外線を照射して紫外線硬化樹脂3を完全に硬化させ、前述のように紫外線硬化樹脂が硬化するときに発生する熱の影響を受けないディスク基板載置装置1(図1参照)を有する紫外線照射装置21と、ディスク5を反転装置23および除電装置24に移動するターンテーブル22と、ディスク5を上下反転する反転装置23と、ディスク5を除電する除電装置24と、ディスク5をターンテーブル22から検査装置26に、また検査装置26から昇降ステージ27に移載する移載装置25と、ディスク5を検査する検査装置26と、ディスク5を移載装置28の高さにまで上昇させる昇降ステージ27と、ディスク5を昇降ステージ27から良品テーブル29および不良品テーブル30に移載する移載装置28と、検査で良品とされたディスク5を積載する良品テーブル29と、検査で不良品とされたディスク5を積載する不良品テーブル30とを備える。
ディスク基板1とディスク基板1’とはそれぞれ異なる溝が形成され、別々にターンテーブル11の傍に仮置きされている。ディスク基板1とディスク基板1’とは交互に、ディスク載置アーム10により、溝が形成された面を上面としてターンテーブル11の受け部11aに載置される。ディスク載置アーム10は、溝が形成された面に接触することなく、孔2を内側からあるいは外縁を外側から把持して、ディスク基板1、1’を受け部11aに載置する。
ターンテーブル11は、12台の受け部11aを備えている。受け台の数は12台に限定されないが、12台であるとターンテーブル11が30度ずつ間欠的に回転することにより、順次同じ位置となるので、好適である。受け部11aは、中央部が空間になっていて、その周辺が円環状に窪んで、その窪み上にディスク基板1を載置する。受け部11aの円環状の窪みは、ターンテーブル11の外周側で切り開かれており、外に開いている。このように外側が開いていることにより、後述する反転装置12のアームを受け部11aに載置されたディスク基板1あるいは1’の下面側に挿入することができる。
反転装置12は、受け部11aに載置されたディスク基板1’の上下面を反転させる装置で、2枚のディスク基板1、1’を重ね合わせるときに溝が形成された面を内側に挟むようにするために、ターンテーブル11の各受け部11aに1つおきに載置されたディスク基板1’を上下反転する。反転装置12では、アームの先端でディスク基板1’を把持し、受け部11aから持ち上げた後、アームが軸周りに180度回転することにより、ディスク基板1’の上下面を反転し、再度受け部11a上に載置する。なお、反転装置12は、ターンテーブル11に載置される前のディスク基板1’を上下反転するように、ターンテーブル11とは別に設置されてもよい。
樹脂供給装置13は、ディスク基板1の孔2の周囲に円環状に紫外線硬化樹脂3を塗布する。ディスク製造装置100では、2枚のディスク基板1、1’を貼り合わせるので、紫外線硬化樹脂3としては液状の接着剤としての紫外線硬化樹脂が用いられる。樹脂供給装置13は、紫外線硬化樹脂3を供給するノズル13aが孔2の周囲の円周上を移動することにより、紫外線硬化樹脂3を円環状に塗布するが、ノズル13aが固定されていて、ディスク基板1がゆっくりと回転してもよい。紫外線硬化樹脂3は、ディスク反転装置12で上下面が反転されていないディスク基板1上に塗布される。すなわち、ディスク基板1の溝が形成された面に塗布される。また、樹脂供給装置13は、ターンテーブル11に載置される前のディスク基板1に紫外線硬化樹脂3を塗布するように、ターンテーブル11とは別に設置されてもよい。
ディスク重ね合わせ装置14は、ディスク反転装置12で上下面が反転されたディスク基板1’を吸着保持し、隣の受け部11aに載置されたディスク基板1の上に重ね合わせる装置である。
移載装置15は、重ね合わせられたディスク基板1、1’(紫外線硬化樹脂3が広げられてはいないが、ディスク5と称する)をターンテーブル11の受け台11aからスピンナ16A、16Bに移載し、また、16A、16Bから受け台18に移載する。そのために、互いに直行する3本のアームを有し、受け台11aからスピンナ16Aにディスク5を移載すると同時に、スピンナ16Aから受け台18にディスク5を移載し、受け台11aからスピンナ16Bにディスク5を移載すると同時に、スピンナ16Bから受け台18にディスク5を移載できる構造となっている。そこで、受け台11a、スピンナ16A、受け台18およびスピンナ16Bとは、この順で反時計回りに円周上で互いに90度離れた位置に配置されている。移載装置15は2本のアームで2つのディスク5を同時に移載する構造としてもよいが、3本のアームを有することにより、ディスク5を移載するための回転角を小さくすることができる。また、4本のアームを有する構造とすれば、元の位置に戻す動作を省略できるので、さらに移載装置の回転角を小さくすることができる。
スピンナ16は、ディスク5を高速で回転させ紫外線硬化樹脂3をディスク5に満遍なく展延する(広げる)装置である。なお、紫外線硬化樹脂3は孔2の周囲には展延されないのが一般的である。
受け台18は、2つのスピンナ16A、16Bで樹脂が展延されたディスク5を一箇所に仮置きする台である。受け台18に一時載置されたディスク5は、移載装置19によりターンテーブル20に移載される。移載装置19は、所定の角度で開いた2本のアームを有し、2本のアームを回転することによりディスク5を受け台18からターンテーブル20に、ターンテーブル20から次のターンテーブル22に同時に移載することができる。すなわち、受け台18とターンテーブル20のディスク5を載置・搬出する位置と、受け台22のディスク5を載置する位置とは、移載装置19のアームの回転中心を中心とした円弧上で等間隔に配置される。ターンテーブル20に載置されたディスク5は、前述の通りに紫外線照射装置21により紫外線を照射され、紫外線硬化樹脂が硬化する。その際に、紫外線硬化樹脂が硬化するときに発生する熱の影響を受けないディスク基板載置装置1(図1参照)を紫外線照射装置21が有するので、紫外線硬化樹脂が硬化するときの熱によりディスク5が反ってしまうことが防止できる。
ターンテーブル22は、4台の受け部が設置され、90度ずつ間欠的に回転する。ターンテーブル22が回転することにより、ディスク5は反転装置23および除電装置24に順次送られる。反転装置23は、反転装置12と同様の構造をしており、後に行われる検査工程の関係で必要な場合に、選択的にディスク5の上下面を反転する。そのために、ターンテーブル22の受け部は外側が開いた構造としている。除電装置24は、イオン化した空気を吹き出し、ディスク5の表面に付着したホコリなどを除去する装置である。
ホコリなどを除去されたディスク5は、移載装置25により、ターンテーブル22から検査装置26に移載される。移載装置25は、所定の角度で開いた2本のアームを有し、2本のアームを回転することによりディスク5をターンテーブル22から検査装置26に、検査装置26から次の昇降ステージ27に同時に移載することができる。すなわち、ターンテーブル22からディスク5を取り外す位置と、検査装置26の位置と、昇降ステージ27の位置とは、移載装置25のアームの回転中心を中心とした円弧上で等間隔に配置される。
検査装置26は、ディスク5を載置し、載置したディスク5の下面側からディスク5の検査を行う。検査は、例えば、ディスク基板1、1’の傷の有無、2枚のディスク基板1、1’の位置関係のずれ、紫外線硬化樹脂3の一様な広がり、ディスク5の反りなどである。検査を終えたディスク5は、移載装置25により、昇降ステージ27に移載される。昇降ステージ27は、これまでの工程が行われる高さと、製品を搬出する高さとの間を昇降するステージを有する。すなわち、ディスク製造装置100では、製品としてのディスク5を上方から搬出し、以降の工程に送りやすくしている。昇降ステージ27は、ディスク5を載置すると上昇し、ディスク5が移載装置28の吸着面(不図示)に接触するまで上昇する。移載装置28は、1本の旋回するアームを有し、アームの先端下面にはディスク5を吸着する吸着面を有する。ディスク5をアーム先端の吸着面で吸着し、そのアームを旋回することにより、ディスク5を検査の結果により、検査結果が合格のものは良品テーブル29に、検査結果が不合格のものは不良品テーブル30に移載する。良品テーブル29は、8台の受け部を有し、45度ずつ間欠的に回転して、製品としてのディスク5を1枚ずつ各受け部に載置する。不良品テーブル30は、検査結果が不合格であり、製品として使用できないディスク5を置くスペースで、ディスク5は積み重ねられてもよく、積み重ねやすいように、ディスク5の外周を支えるガイドを設けてもよい。
ディスク製造装置100が、紫外線照射を受け紫外線硬化樹脂3が発熱しているディスク5の孔2の周囲を支持し、プレート50から突き出ることによりプレート50から離間してディスク5を保持するセンターピン60を有する紫外線照射装置21を備えるので、ディスク5の反り等が防止され、製品ディスクの不合格率が低く、信頼性の高いディスク製造装置100となる。
次に、図6を参照して、本発明の第5の実施の形態としてのディスク製造方法について説明する。図6は、2枚のディスク基板1、1’を貼り合わせたディスク5の製造方法を説明する模式図である。まず、ディスク基板1の孔2の周囲に樹脂供給装置13から紫外線硬化樹脂3を環状に供給する(ステップS21)。紫外線硬化樹脂3が供給されたディスク基板1に、紫外線硬化樹脂3を挟んでディスク基板1’を重ねる(ステップS22)。そこで、ディスク基板1、1’を高速回転して、紫外線硬化樹脂3を広げる(ステップS23)。ここで、紫外線硬化樹脂3を広げるとは、2枚のディスク基板1、1’を接着し易いようにディスク基板1、1’間に紫外線硬化樹脂3を満遍なく展延することをいうが、孔2の周囲には紫外線硬化樹脂3が展延されないのが一般的である。
紫外線硬化樹脂3が広げられたならば、ディスク基板1、1’をプレート50上に載置する。なお、ディスク基板1あるいはディスク基板1、1’ をプレート50上に載置した後に、紫外線硬化樹脂3を供給する工程(ステップS21)、ディスク基板1、1’を高速回転して紫外線硬化樹脂3を広げる工程(ステップS23)をプレート50を用いて行ってもよい。プレート50上に載置したディスク基板1、1’間の紫外線硬化樹脂3に紫外線照射ランプ95より紫外線を照射する(ステップS24)。紫外線硬化樹脂3が硬化したならば、センターピン60で孔2の周囲を支持してディスク5を持ち上げ、保持する(ステップS25)。紫外線硬化樹脂3が硬化した後にディスク5を持ち上げるので、製造されたディスク5が反った状態で製造されることがない。そして、紫外線硬化樹脂3が硬化するときに生ずる熱は、ディスク5をプレート50から離間することで、プレート50へ伝わらず、プレート50が昇温すること、すなわち、紫外線硬化樹脂3が硬化するときの発熱の影響をプレート50に及ぼすことを防止できる。
ディスク5を持ち上げた後に、冷却用の空気CAをプレート50とディスク5の間に供給すれば、紫外線硬化樹脂3の硬化による熱が迅速に冷却され、また、紫外線硬化樹脂3が硬化する間にプレート50に伝わった僅かな熱も除去されるので、好ましい。また、孔2の周囲には紫外線硬化樹脂3が広がっていないため、孔2の周囲は紫外線硬化樹脂3の硬化による発熱の影響を受けず、孔2の周囲でディスク5を支持するセンターピン60に発熱の影響は及ばない。ディスク5の熱がプレート50に影響しない程度に温度低下するまで、ディスク5を持ち上げた状態に保つ。その後に、センターピン60を引っ込めてディスク5をプレート50に再度載置し、ディスク5をプレート50から撤去する。
これまでは、ディスク基板1に紫外線硬化樹脂3を供給して、2枚目のディスク基板1’を重ねて、ディスク基板1、1’を紫外線硬化樹脂3にて接着して製造するディスク5を製造するときの紫外線照射による発熱について説明してきたが、1枚のディスク基板1上に紫外線硬化樹脂3を保護膜として塗布し、硬化させる場合においても、ディスク基板1をプレート50から離間させることにより、紫外線硬化樹脂3の硬化する際の発熱の影響を防止することが可能である。
図7は、1枚のディスク基板1上に保護膜を有するディスク6の製造方法を説明する模式図である。まず、ディスク基板1の孔2の周囲に樹脂供給装置13から紫外線硬化樹脂3を環状に供給する(ステップS11)。紫外線硬化樹脂3が供給されたディスク基板1を高速回転して、紫外線硬化樹脂3を広げる(ステップS12)。ここで、紫外線硬化樹脂3を広げるとは、ディスク基板1の記録面上を覆うように紫外線硬化樹脂3を満遍なく展延することをいうが、孔2の周囲には紫外線硬化樹脂3が展延されないのが一般的である。
紫外線硬化樹脂3が広げられたならば、ディスク基板1をプレート50上に載置する。なお、ディスク基板1 をプレート50上に載置した後に、紫外線硬化樹脂3を供給する工程(ステップS11)、ディスク基板1を高速回転して紫外線硬化樹脂3を広げる工程(ステップS12)をプレート50を用いて行ってもよい。プレート50上に載置したディスク基板1上の紫外線硬化樹脂3に紫外線照射ランプ95より紫外線を照射する(ステップS13)。紫外線硬化樹脂3が硬化したならば、センターピン60で孔2の周囲を支持してディスク6を持ち上げ、保持する(ステップS14)。紫外線硬化樹脂3が硬化した後にディスク6を持ち上げるので、製造されたディスク6が反った状態で製造されることがない。そして、紫外線硬化樹脂3が硬化するときに生ずる熱は、ディスク6をプレート50から離間することで、プレート50へ伝わらず、プレート50が昇温すること、すなわち、紫外線硬化樹脂3が硬化するときの発熱の影響をプレート50に及ぼすことを防止できる。
ディスク6を持ち上げた後に、冷却用の空気CAをプレート50とディスク6の間に供給すれば、紫外線硬化樹脂3の硬化による熱が迅速に冷却され、また、紫外線硬化樹脂3が硬化する間にプレート50に伝わった僅かな熱も除去されるので、好ましい。また、孔2の周囲には紫外線硬化樹脂3が広がっていないため、孔2の周囲は紫外線硬化樹脂3の硬化による発熱の影響を受けず、孔2の周囲でディスク6を支持するセンターピン60に発熱の影響は及ばない。ディスク6の熱がプレート50に影響しない程度に温度低下するまで、ディスク6を持ち上げた状態に保つ。その後に、センターピン60を引っ込めてディスク6をプレート50に再度載置し、ディスク6をプレート50から撤去する。
以上の説明では、ディスク基板1の発熱は、紫外線硬化樹脂3の硬化による反応熱によるものとして説明したが、樹脂の種類は紫外線硬化樹脂に限られず、2液混合による樹脂、その他の樹脂でもよく、また、ディスク基板1の発熱は、樹脂の硬化による反応熱以外により生じる場合であっても、本発明に係るディスク基板載置装置40は有効である。