JP4545008B2 - ゲートスイッチおよびそれを用いた空間光スイッチとゲートスイッチングシステム - Google Patents

ゲートスイッチおよびそれを用いた空間光スイッチとゲートスイッチングシステム Download PDF

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Description

本発明は、ゲートスイッチおよびそれを用いた空間光スイッチとゲートスイッチングシステムに関し、より詳細には、電気信号で光信号を制御する、光通信用、光計測用およびプロジェクター、コピー機、プリンタ、スキャナー等に使用されるゲートスイッチおよびそれを用いた空間光スイッチとゲートスイッチングシステムに関する。
近年の光通信技術の発達により、光信号をON/OFFするためのゲートスイッチ等が重要となってきている。このゲートスイッチ等は、上記光通信に限らず、他のデバイス(例えば、プロジェクター、コピー機、プリンタ、スキャナー等)への応用も行われており、更なる発展が望まれている。
従来用いられていたゲートスイッチの主要なものは、ニオブ酸リチウム(LN)等1次の電気光学効果を発現する結晶を用いたものであった。ところが、LNは偏波依存性を有しているため、偏波無依存動作を行うためには、構成に工夫をする必要が生じる為、スイッチの構成が複雑になってしまうという欠点があった。また、LN等が有する1次の電気光学効果は、中心対称を有さない結晶にしか発現しないため、偏波依存性が必ず現われてしまう。ゆえに、この偏波依存性は、避けて通る事の出来ない課題であった。
偏波無依存の装置の構成の工夫の仕方については、様々報告されている。特許文献1では、入力された信号光をまず第1の偏波ビームスプリッタを用いて、TEモードとTMモードとにビ−ムを分割する。次いで、TEモードとTMモードとを別々のゲートスイッチによってON/OFFを行い、スイッチを通過した光を再び第2のビームスプリッタによって合成する。このような構成によって、TEモードとTMモードの双方に対してスイッチングを行い、結果として偏波無依存動作を実現している。
特開2002−228997号公報 特開2003−218446号公報 Amnon Yariv "Optical Electronics" 丸善株式会社、5/e Chapter 4 F.A. Jenkins and H.E. White, "Fundamentals of Optics" McGRAW-HILL BOOK COMPANY, 3/e Part II 下小園他、「エタロン構造を用いたKTN結晶のKerr定数測定」、第51回応用物理学関連連合講演会 講演会予稿集 No.3 p1326 J.E. Geusic, S.K.Kurz, L.G. Van Uitert, and S.H. Wemple, "ERECTRO-OPTIC PROPERTIES OF SOME ABO3 PEROVSKITES IN THE PARAELECTRIC PHASE" Appl. Phys. Lett. 4, 141
特許文献1記載の装置では、確かに、結果的に偏波無依存動作を行うことができるが、TE光とTM光に対するデバイス(ゲートスイッチ)が完全に同じ動作をしていないと、位相のずれが生じてしまい、動作が不安定になってしまうため、結果としてビットエラ−レ−トが上がってしまう事になる。また、第1のビームスプリッタと第2のビームスプリッタとの光路差を入射波長の整数倍に制御したり、光路を曲げるためのミラーの角度の調整等、高精度な制御を必要とする。
従って、1次の電気光学結晶を用いたスイッチでは、安定で高品質な偏波無依存スイッチングが難しいという問題点があった。
加えて、これら電気光学結晶を用いたスイッチでは、使用環境等の変化により、スイッチの動作温度が変化し、出力した光信号の波長がシフトする。この温度変化に起因する波長シフトを避けるため、スイッチの温度を一定に保つための温度調節器が必要であった。
温度調節器を備える構成として、特許文献2で示されているように、ペルチェ素子を使った温度調節器を備えた構成がある。このような温度調節器を使用すれば、エタロンの温度は−定に保つことが出来るが、光部品あるいは光モジュールとしては部品数が多くなるため、装置全体が大型になり、かつ複雑になる、等の問題点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、エタロンの構造を用いた、偏波無依存で高速応答可能なゲートスイッチおよびそれを用いた空間光スイッチとゲートスイッチングシステムを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1記載の発明は、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第1の誘電体結晶と、前記第1の誘電体結晶の第1の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第1の部材と、前記第1の誘電体結晶の前記第1の面に対向する第2の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合の反射率で反射する第2の部材とを有し、光源から発振されたブロード光が前記第1の面から入射される第1のエタロンと、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第2の誘電体結晶と、前記第2の誘電体結晶の第3の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第3の部材と、前記第2の誘電体結晶の前記第3の面に対向する第4の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合で反射する第4の部材と、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、前記第1のエタロンと温度特性が同一である第2のエタロンとを備え、前記第1のエタロンと第2のエタロンとはタンデムに配置され、かつ前記第2の面と前記第3の面とが略平行に配置されており、前記電圧印加手段は、前記第2の誘電体結晶に設けられた電極と、該電極に電圧を印加する電圧印加部とを有し、前記第1のエタロンは前記入射されたブロード光から波長を切り出し、前記第2のエタロンは、前記電極により電圧を印加されることにより、前記第1のエタロンから入射された切り出された波長の光をスイッチングし、前記第1〜第4の部材はそれぞれ、対応する誘電体結晶の面に設けられた透明電極と、該透明電極に設けられた誘電体多層膜からなる誘電体多層膜ミラーとを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第1の誘電体結晶と、前記第1の誘電体結晶の第1の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第1の部材と、前記第1の誘電体結晶の前記第1の面に対向する第2の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合の反射率で反射する第2の部材とを有し、光源から発振されたブロード光が前記第1の面から入射される第1のエタロンと、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第2の誘電体結晶と、前記第2の誘電体結晶の第3の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第3の部材と、前記第2の誘電体結晶の前記第3の面に対向する第4の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合で反射する第4の部材と、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、前記第1のエタロンと温度特性が同一である第2のエタロンとを備え、前記第1のエタロンと第2のエタロンとはタンデムに配置され、かつ前記第2の面と前記第3の面とが略平行に配置されており、前記電圧印加手段は、前記第2の誘電体結晶に設けられた電極と、該電極に電圧を印加する電圧印加部とを有し、前記第1のエタロンは前記入射されたブロード光から波長を切り出し、前記第2のエタロンは、前記電極により電圧を印加されることにより、前記第1のエタロンから入射された切り出された波長の光をスイッチングし、前記第1および第2の部材は金属薄膜電極であり、前記第3および第4の部材はそれぞれ、対応する誘電体結晶の面に設けられた透明電極と、該透明電極に設けられた誘電体多層膜からなる誘電体多層膜ミラーとを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記第1〜第4の部材はそれぞれ、金属薄膜電極であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記透明電極は、前記誘電体結晶の光が透過する領域に形成されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記透明電極と、前記誘電体多層膜ミラーとの間には、前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合で反射する金属薄膜電極が設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記誘電体結晶は、単結晶であり、該単結晶の結晶軸の1つが前記誘電体結晶に照射される光の透過方向と一致するように配置されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項乃至のいずれかに記載の発明において、前記誘電体結晶は、多結晶であり、該結晶の結晶軸の少なくとも1つが前記誘電体結晶に照射された光の透過方向と一致するように配置されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記誘電体結晶は、K 1−y Li Ta 1−x Nb (0<x<1、0<y<1)の組成を有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記誘電体結晶は、KTa 1−x Nb 3 (0<x<1)におけるKの全て、もしくは、K 1−y Li Ta 1−x Nb (0<x<1、0<y<1)におけるKおよびLiの全てを、Ba、Sr、Caのうちの少なくとも1つの元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiで置き換えた組成を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記誘電体結晶は、KTa 1−x Nb 3 (0<x<1)におけるKの全て、もしくは、K 1−y Li Ta 1−x Nb (0<x<1、0<y<1)におけるKおよびLiの全てを、PbとLaのうちの少なくとも一方の元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiとZrのうちの少なくとも一方の元素で置き換えた組成を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項乃至10のいずれかに記載の発明において、前記誘電体結晶の組成における第1の組成比としての前記xは、0.1以上0.5以下であり、前記誘電体結晶の組成における第2の組成比としての前記yは、0より大であり0.1未満であることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、複数個の請求項1乃至11のいずれかに記載のゲートスイッチと、入射光を前記複数個に分岐する光分岐手段であって、該分岐された各々の光を、前記複数個のゲートスイッチの各々に入射するように配置された光分岐手段とを備えることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載のゲートスイッチと、前記ゲートスイッチに入射されるブロード光を発振する光源とを備えることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、同一の温度特性を有するエタロンをタンデムに配置することにより、温度調節することなく、偏波無依存で高速応答を実現することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
個々の実施形態について説明する前に、本発明の基本原理について説明する。最初にファブリ−ペロ−エタロンによるフィルタ特性について説明する。ファブリ−ペローエタロンは一対のミラーの間に屈折率nの物質を挟んだ構造をしている。ファブリ−ペローエタロンの特性を表す主な値として、FSR(Free Spectral Range)、Finessが挙げられる。ファブリーペローエタロンの透過帯の中心周波数νは下記の式で表される。
Figure 0004545008
なお、上記の式(1)における、nはミラーによって挟まれた物質の屈折率、lは共振器長(ミラー同士の距離)、θは入射光に対するエタロンの傾斜角度(エタロンの角度とも呼ぶ)、cは真空中の光速度である。FSRとは、式(1)で表現される透過帯の中心周波数νのうち、隣り合う2組の間隔の事なので、下記の式で表現される。
Figure 0004545008
また、Finessとは、透過帯の広がり具合を表現する値で、以下の式によりミラ−の反射率と関連付けられる。
Figure 0004545008
なお、上記の式(3)における、Δν1/2は透過帯の半値全幅、Rは共振器を構成しているミラーの反射率である。
エタロンの入射光強度に対する透過光強度の比率をI(dB)とすると、以下の式で表される(非特許文献1参照)。
Figure 0004545008
ここで、δはエタロン内での位相の遅れを表し、
Figure 0004545008
である。
式(1)により、透過帯の中心周波数νを変化させるためには、エタロンを構成する物質の屈折率n、共振器長l、エタロンの角度θのいずれかを変化させればよい事が分かる。したがって、波長可変フィルタを作製する際も、これらのパラメ−タを変化させれば、実現可能なことがわかる。いくつか市販されている波長可変フィルタがあるが、共振器長を変化させて波長可変をおこなう方式が主流である。その理由は、上記3つのパラメータのうち、共振器長lを変化させる事が、もっとも波長可変帯域を大きく取る事が出来るからである。
共振器長lおよびエタロンの角度θを変化させる方法に関しては、必ずメカニカルな動作が必要である。そのために高速動作には適していない。
それらに比較してエタロンを構成する物質の屈折率nを変化させる方法では、メカニカルな動作を行わずに、透過帯の中心波長(中心周波数)を変化させる事が出来る。上記屈折率nを変化させる方法として、主に熱光学(Themo−Optic:TO)効果、音響光学(Acousto−Optic:AO)効果、電気光学(Electro−Optic:EO)効果が挙げられる。これらのうち、もっとも高速動作に適していないのがTO効果で、せいぜい数ms程度の応答速度しか実現できない。また、AO効果は、TO効果に比べれば、高速動作に適してはいるものの、屈折率の変化量が小さいために、十分な屈折率変化を誘起する事が出来ない。
これらに比較して、EO効果は高速動作に適しており、屈折率の変化量も十分に得ることができるため、高速動作を要求されるスイッチングに適している。
電気光学効果には1次の電気光学効果(ポッケルス効果)と2次の電気光学効果(カ−効果)とがある。1次の電気光学効果は、電界強度に比例して効果が現れ、屈折率変化は下記の式で表される。
Figure 0004545008
なお、上記式(6)のnは、電界を印加していない状態での、エタロンを構成する物質である1次の電気光学効果を有する誘電体結晶の屈折率、reffは1次の電気光学係数の有効値、Eは電界である。
また、2次の電気光学効果は電界強度の2乗に比例して効果が現われるので、屈折率変化は下記の式で表される。
Figure 0004545008
なお、上記式(7)のnは電界を印加していない状態での、エタロンを構成する物質である2次の電気光学効果を有する誘電体結晶の屈折率、Eは電界であり、s12は下記の式で定義される量である。
Figure 0004545008
なお、上記式(8)のεは真空の誘電率、εは上記2次の電気光学効果を有する誘電体結晶に固有の比誘電率、g12は上記2次の電気光学効果を有する誘電体結晶の電気光学定数である。
従って、2次の電気光学効果を用いると、印加された電圧の2乗に比例した屈折率変化が誘起されるので、より小さな電圧を印加することによって屈折率変化を起こす事が出来る。また、2次の電気光学効果を用いると、1GHz程度の高速応答が原理的に可能である。
物質の屈折率の波長分散に関しては、一般にSellmeierの式(非特許文献2参照)によって下記のように表現される。
Figure 0004545008
従って、Sellmeierの式(9)により、スイッチングを行いたい波長(周波数)での屈折率を推定する事が出来る。
一方、デバイスの高速応答性を考慮する時には、そのデバイスの時定数を考慮しなければならない。ファブリーペローエタロンは、誘電体を電極で挟む形になっているので、静電容量および抵抗を有する。静電容量Cは、下記の式で与えられる。
Figure 0004545008
なお、上記式(10)のdは誘電体の厚さ、εは真空の誘電率、εは誘電体の比誘電率、Sは電極の面積である。
式(10)から分かるように、静電容量Cを低減するためには、電極の面積Sの値を小さくし、誘電体の厚さdを大きく取るような構成が有利である。
また、電極による電気抵抗Rは、下記の式で与えられる。
Figure 0004545008
なお、上記式(11)のρνは電極の体積抵抗率、lは電極の長さ、Sは電極の面積である。以上の関係から、エタロンの表面積(電極の面積S)を出来るだけ小さくし、また電極の抵抗値(体積抵抗率ρν)を下げる事によって、高速動作を実現する事が出来る。
次に個々の実施形態について説明するが、以下の実施形態は、あくまでも本発明の説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であれば、これらの各要素または全要素を含んだ各種の実施形態を採用する事が可能であるが、これらの実施形態も本発明に含まれる。
まず、各実施形態に共通の部分を説明する。
本発明の一実施形態に係るゲートスイッチは、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する誘電体結晶、具体的には、K1−yLiTa1−xNb(0<x<1、0<y<1)(KLTN)なる組成を有する結晶材料で構成されたファブリーペローエタロンを用いることを特徴としている。なお、本発明の一実施形態では、上記誘電体結晶として用いられる材料はKLTNに限らず、例えば、KTa1−xNb3(0<x<1)(KTN)など、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する誘電体結晶であればいずれを用いても良い。
KLTNは正方晶から立方晶へと温度の上昇に従って結晶構造を変える。電気光学結晶としてはLiNbO(LN)がよく知られているが、この結晶は正方晶領域において大きな1次の電気光学効果を有する。1次の電気光学効果は式(6)で示したとおり、電界に比例するため、電界の符号を変えて電界を印加する事によってプッシュ−プル動作が実現できるという点で有利である。その反面、1次の電気光学効果が発現するためには、中心反転を持たない事が条件である為、必ず光学的な異方性がついて廻る事になる。従って、デバイスとして用いる際に光学的異方性を打ち消すような工夫をしないと、使用上不都合が起こる場合がある。これに対して、KLTNは立方晶領域において、大きい2次の電気光学効果を有する。2次の電気光学効果は、式(7)で示した形で表現されるように、電界の2乗に比例する。
またKLTNは特に、正方晶への相転移温度に近い領域では、比誘電率の発散する現象が起こり、比誘電率の2乗に比例する2次の電気光学効果は極めて大きい値となる。
この現象はKTNでも生じるが、KTNの相転移は1次の相転移となり、十分高い比誘電率に到達する前に相転移が生じる。2次の電気光学効果は、式(8)に示される通り、比誘電率の2乗にも比例するので、より高い効率を得たい場合は、比誘電率の発散現象が起こるKLTNを用いることが好ましい。ただし、KTNであっても、式(7)から分かるように、電界強度の2乗に比例して2次の電気光学効果を得ることができるので、従来の、1次の電気光学効果を有するLN等の材料に比べて屈折率変化を高い効率で実現することができる。
KTNは、潜熱を伴いヒステリシスが生じる。潜熱を伴う相転移の場合、動作温度が変動し、相転移温度以下になってしまうと、正方晶に構造変化した結晶が、再度温度を動作温度に戻しても立方晶に戻らない現象(ヒステリシス)が起こる。よって、KTNを用いる場合は、立方晶である温度範囲が所望の動作温度範囲を含むようにKTNの組成を決定すればよい。
また、1次の相転移を有する結晶では、このようなヒステリシスに加え、相転移を繰り返す事によって結晶にクラックが発生する。従って、結晶の温度管理を厳密にする必要がある。理論的には、動作温度は結晶の相転移温度に限りなく近い事が好ましいが、実用的には、相転移温度から3〜10℃高い温度に動作温度を設定する。これはペルチェ素子の温度変動(±0.1℃)に加えて、温度の初期設定の際のオ−バーシュートなどの幅(1〜2℃)を考慮して設定している。
温度変動の影響を避けるために動作温度を相転移温度から離していくと(1/(T−T)に比例して効率が低下するため、3℃離れると1/9に、10℃離れると効率が1/100に低下してしまう。したがって、上述の温度管理を行わずに出来る限り相転移温度に近づけることを考慮すると、相転移を潜熱やヒステリシスの伴わない2次の相転移とすることが必要である。
このために、KTNのうちKの−部をLiに置換したKLTNを用いることが好ましい。このKLTNを用いる事により、相転移が2次に近くなり、高い比誘電率が容易に得られ、かつ可逆的な相転移となるために、温度管理も容易になるという実用上大きな改善が可能となる。具体的には、ペルチェ素子などの初期のオ−バ−シュ−トを考慮する必要がなくなり、温度変動分の±0.1℃のみを考慮すれば良いことになり、相転移から0.2℃離しておけば、安定な動作が得られる事になり、効率の低下を無視できるほど小さくする事が出来る。
しかし、一段のみのエタロンでは、温度管理は容易になるものの、ペルチェ素子などによる温度調節は不可欠である。そこで、本発明の一実施形態に係るゲートスイッチでは、図1(a)に示すように、温度特性が同一であり、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する誘電体結晶からなるエタロンを2段タンデムで接続する。
なお、本明細書において、「温度特性」とは、ある温度環境下における、エタロンを構成する誘電体結晶の屈折率、およびある温度環境下における、エタロンを構成する誘電体結晶を挟むように設けられた1対のミラー間の距離である共振器長(図2ではl)である。
図1(a)において、タンデムエタロン型ゲートスイッチ101は、タンデムに配置した、バンドパスフィルタとして用いる1段目のエタロン102とゲートスイッチとして用いる2段目のエタロン103とを備えている。エタロン103は、ゲートスイッチとして機能するので、スイッチング信号を入力するための電極を有しており、この電極はスイッチング信号発信部に電気的に接続されている。ブロード光を発振する光源100は、タンデムエタロン型ゲートスイッチ101にブロード光を入射するように、タンデムエタロン型ゲートスイッチの入力側に配置されている。このように、光源100とタンデムエタロン型ゲートスイッチ101とを含んで、ゲートスイッチングシステムを構成する。
ところで、スイッチング動作中等では、環境温度が変化すると、エタロンの透過帯の中心周波数(透過中心波長)はシフトする。ここで説明を簡潔にするため、エタロンへの光の入射角度をエタロンの入射面に対して垂直とした垂直入射とすると、透過中心波長は、式(1)より、以下のような式で表現される。
Figure 0004545008
屈折率nと共振器長lとは温度によって変化するため、厳密に表現するとそれぞれが温度Tの関数となる。従って、透過中心波長も温度Tの関数となる。
Figure 0004545008
このように、エタロンには温度特性があるため、通常は温度変化が少ない場所で使用したり、ペルチェ素子等の温度調整素子と共に用いることが多い。
さて、式(13)から分かるように、温度が決まれば透過中心波長λも一意に決まる。よって、所望の温度範囲の下限(最も低い温度)と上限(最も高い温度)とに対応する透過中心波長を求め、その求められた波長をカバーする波長スペクトルである光(本明細書では、「ブロード光」とも呼ぶ)を用いれば、エタロンにおいて、環境温度に応じた透過中心波長の切り出しを行うことができる。このブロード光のパルスの下限に相当する波長は、上記温度範囲の下限の際の透過中心波長に対応し、上限に相当する波長は、上記温度範囲の上限の際の透過中心波長に対応している。
本明細書において、「ブロード光」とは、パルスの下限に相当する波長が、所望の温度範囲の下限の際の透過中心波長に対応し、上限に相当する波長が、上記温度範囲の上限の際の透過中心波長に対応するように設定され、上記温度範囲内のいずれの波長でも強度がほぼ同じになるように半値全幅が設定されている光である。
よって、本発明の一実施形態では、所望の温度範囲に応じてブロード光のパルスの波長領域を設定すればよい。すなわち、ブロード光のパルスの波長領域が、所定の温度範囲内における透過中心波長を全て含んでいれば良いのである。このように、ブロード光のパルスの波長領域を制御することで、動作可能な環境温度や動作温度の温度範囲を制御することができる。
本明細書において、「切り出し」とは、ある波長範囲の波長の光だけを透過させ、それ以外の波長の光を減衰すること、つまり、バンドパスフィルタの機能のことを指す。
なお、本発明の一実施形態に係るエタロンを構成する誘電体結晶は、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する誘電体結晶であればいずれを用いても良い。例えば、本発明の一実施形態に係る誘電体結晶は、KTa1−xNb3(0<x<1)(KTN)におけるKの全て、もしくは、K1−yLiTa1−xNb(0<x<1、0<y<1)(KLTN)におけるKおよびLiの全てを、Ba、Sr、Caのうちの少なくとも1つの元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiで置き換えた組成を有するものであっても良い。
また、本発明の一実施形態に係る誘電体結晶は、KTa1−xNb3(0<x<1)(KTN)におけるKの全て、もしくは、K1−yLiTa1−xNb(0<x<1、0<y<1)(KLTN)におけるKおよびLiの全てを、PbとLaのうちの少なくとも一方の元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiとZrのうちの少なくとも一方の元素で置き換えた組成を有するものであっても良い。
さらに、KTNおよびKLTNにおいて、Nbの化学量論係数であるxの範囲は、0.1以上0.5以下であることが好ましい。また、KLTNにおいて、Liの化学量論係数であるyの範囲は、0より大であり0.1未満であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係る誘電体結晶は、単結晶であっても多結晶であっても良い。ただし、単結晶である場合は、単結晶の結晶軸の1つを、エタロンに入射した光の光軸(エタロンに入射した光の透過方向)と一致させる。このようにすることで、変調の効率を向上させることができ、また、偏波依存性を軽減することができる。また、多結晶である場合は、結晶軸が様々な方向に向いている状態であり、その中の少なくとも1つの結晶軸を光軸と一致させる。このような結晶軸の配置を取ることで、結晶は電界印加による電気光学効果を発現することができ、また変調動作を実現することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るゲートスイッチの動作を説明する。
図1(a)において、光源100からブロード光104がエタロン102に入射される。ブロード光104は、図1(b)に示すようなスペクトル107を有する。エタロン102では、ブロード光104が入射されると、ブロード光104から、環境温度における透過中心波長の切り出しを行う。1段目のエタロン102を透過した光105(エタロン102にて切り出された波長の光)は、図1(c)に示されように、環境温度が低い場合は、スペクトル109のようになり、環境温度が高い場合は、スペクトル110のようになる。なお、図1(c)から、破線で示したブロード光のスペクトル108に対して、透過中心波長の切り出しの様子が見てとれる。
1段目のエタロン102を透過した光105は、エタロン102と同一の温度特性を有するエタロン103に入射される。エタロン103では、入射された透過光105に対して、スイッチング信号に応じて変調を施し、変調光106を出射する。この変調の様子を図1(d)に示す。
図1(d)において、符号111は環境温度が低温時における、エタロン103に電圧が印加されていない場合の、エタロン102を透過した光のスペクトル(スペクトル109に対応したスペクトル)であり、符号112は、環境温度が低温時における、エタロン103に電圧が印加される場合の、エタロン103を透過する光のスペクトルである。同図から分かるように、エタロン103に電圧が印加されると、透過中心波長は長波長側にシフトすることになり、スペクトル112の光を透過することになる。エタロン102と103とは温度特性が同一であるので、電圧印加の制御によりスイッチングを行うことができる。
また、図1(d)において、符号113は環境温度が高温時における、エタロン103に電圧が印加されていない場合の、エタロン102を透過した光のスペクトル(スペクトル110に対応したスペクトル)であり、符号114は、環境温度が高温時における、エタロン103に電圧が印加される場合の、エタロン103を透過する光のスペクトルである。高温時であっても、上述の低温時と同様に、電圧印加の制御によりスイッチングを行うことができる。
本発明の一実施形態は、このように、二段タンデムで配置されたエタロンの1段目のエタロンであるエタロン102にてブロード光から環境温度における透過中心波長の切り出しを行い、2段目のエタロンにて変調を行うことにより、温度補償された動作を実現するものである。
本発明の一実施形態では、1段目のエタロンによる透過中心波長の切り出しにより、ブロード光がカバーする温度範囲内において温度調節を行わなくてもスイッチングを行うことができる。その結果、効率の良い動作が実現でき、エタロンを立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する誘電体結晶により作製しているので、ゲートスイッチの消光比を確保するのに必要な屈折率変化を比較的低電圧で実現する事が可能となる。
また、この2次の電気光学効果を利用する光デバイスの動作温度は、結晶の立方晶から正方晶への相転移近傍になるが、KTNおよびKLTN結晶は、TaとNbの組成を変化させる事により、常誘電性から強誘電性(結晶系は、立方晶から正方晶)への相転移温度をほぼ絶対零度から400℃まで変化させる事が可能である。このため、この材料を用いて作製したゲ−トスイッチは、動作温度を室温付近で温度調節無しに容易に用いることができるという利点がある。よって、従来必要であった温度調節のための素子を備える必要がなくなり、コストダウンと共に、装置の小型化を実現することができる。加えて、このゲ−トスイッチは、結晶が立方晶の領域で使用するため、複屈折がなく、偏波無依存動作が可能である。
(第1の実施形態)
本実施形態では、波長1.55μmにおけるゲートスイッチについて説明する。
本実施形態で用いたタンデムエタロン型ゲートスイッチの概念図を図2に示す。図2において、サブマウント16aおよび16b上のそれぞれに、バンドパスフィルタ用のエタロン11とゲートスイッチ用のエタロン12とをタンデムに配置した構造となっている。このとき、エタロン11とエタロン12とを通過する光が、それぞれが有する後述する誘電体多層膜ミラーに入射されるように、該ミラーはそれぞれ配置されている。すなわち、エタロン11の出射側のミラーとエタロン12の入射側のミラーとは略平行に配置されている。バンドパスフィルタ用のエタロン11とゲートスイッチ用のエタロン12とは、温度特性を同じにするため、同−のファブリ−ペロ−エタロンで構成されている。
光が通る入力側と出力側とにはそれぞれ入力側コリメ−トレンズ13aおよび出力側コリメートレンズ13bが設けられている。入力側コリメートレンズ13aの入力側には、ファイバ中を透過してきた光を入力側コリメートレンズ13aに入射できるように光ファイバ15が配置されており、光ファイバ15の入力端には、光源からのブロード光を入射するための機構が設けられている。このブロード光は、光ファイバ15中を透過し、コリメートレンズ13aを介して、光ビーム14となる。この光ビーム14が後述するエタロン11が有する誘電体多層膜ミラーに入射するように、エタロン11およびコリメートレンズ13aを配置していることは言うまでもない。なお、本実施形態では、ブロード光のパルスの波長領域は、0℃〜40℃の温度範囲の透過中心波長をカバーするように設定されている。
エタロン12からの出射光を入射できるように配置された、出力側コリメートレンズ13bの出力側には、光ファイバ19が配置されている。この光ファイバ19は、コリメートレンズ13bからの光を適切に入射できるように配置されている。
サブマウント16b上には、エタロン12に電圧を印加できるようにエタロン12を構成する誘電体結晶に電極17が設けられている。電極17は、電圧印加部18に電気的に接続されている。このような構成で、スイッチング信号に基づいた電圧が電極17によりゲ−トスイッチ用のエタロン12に印加され、光のスイッチングがおこなわれる。
本実施形態に係るタンデムエタロンに用いるファブリ−ペロ−エタロンの構造を図3に示す。図3において、ファブリ−ペローエタロン20は、立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する誘電体結晶である、薄片化された誘電体結晶21の両側の光が透過する部分にITOからなる透明電極22、23を配置する。すなわち、互いに略平行で対向する面に設けられた透明電極22、23で、誘電体結晶21を挟むようにする。また、透明電極に隣接して金属電極24、25を配置し、該透明電極の外側に誘電体多層膜ミラ−を配置した構造となっている。よって、透明電極22、23のそれぞれ外側に設けられた誘電体多層膜ミラーはそれぞれ、略平行に配置されることになる。なお、図3において、lは共振器長である。
なお、本実施形態では、所定の光を透過および反射させるために、誘電体結晶に透明電極を設け、さらに透明電極に誘電体多層膜ミラーを設けているが、これに限定されない。例えば、誘電体結晶の対向する面にそれぞれ、電極およびミラーの双方の機能を有する、すなわち、電極の機能と、所定の周波数近傍の光を選択的に透過させ、また透過する光の周波数以外の周波数の光を反射させる機能とを有する金属薄膜電極を設けるようにしても良い。本実施形態で重要なことは、エタロンとして機能するために、所定の周波数近傍の光を選択的に透過させ、また反射させることである。また、2段にタンデム配置されるそれぞれのエタロンの温度特性を同一にすることを考慮すると、誘電体結晶に電圧を印加することが好ましい。それらのために、本実施形態では、誘電体結晶の対向する面にそれぞれ、誘電体結晶に電圧を印加し、かつ所定の周波数近傍の光を選択的に所定の割合の透過率で透過し、この周波数以外の光を所定の割合の反射率で反射する部材を設けるのである。本実施形態では、このような部材として、透明電極と誘電体多層膜ミラーとを積層したものを用いている。
本明細書において、所定の周波数は、ある透過帯の中心周波数およびその周波数から一定の間隔(FSR)離れた周波数を含む。
また、本実施形態では、1段目のエタロンの入射側の面を第1の面、出射側の面を第2の面、2段目のエタロンの入射側の面を第3の面、出射側の面を第4の面とすると、(i)第1の面〜第4の面のそれぞれに透明電極と誘電体多層膜ミラーとを設ける構成、(ii)第1の面〜第4の面のそれぞれに金属薄膜電極を設ける構成、(iii)第1の面および第2の面(一段目のエタロン)に金属薄膜電極を設け、第3の面および第4の面(二段目のエタロン)に透明電極と誘電体多層膜ミラーとを設ける構成、のいずれの構成であっても良い。
さらに、透明電極と誘電体多層膜ミラーとを積層したものを設ける場合は、透明電極と誘電体多層膜ミラーとの間に、上記金属薄膜電極を設けるようにしても良い。
本実施形態で用いた誘電体結晶21はKLTNであり、Liの濃度とNbの濃度を調整する事により、相転移温度は−5℃に調整される。KLTNは400nmから3μmの波長領域にわたって透明であるので、透過型の光デバイスに適している。
本実施形態で用いた誘電体結晶21の組成はK0.96Li0.04Ta0.76Nb0.34である。Li含有量は、本実施形態では、0.04であるが、0.001の添加でも相転移を2次に変化させる効果があり、0.1までは立方晶を保っており、使用が可能である。特に、0.01〜0.06の範囲では、結晶の品質が高く、20000以上の比誘電率を実現できる。
本実施形態では、エタロンを3mm×3mmサイズとし、1.55μmに透過帯域を持つように設計している。1.55μmにおける結晶の屈折率は、図4により2.206であるため、199GHzのFSRを作る為の結晶厚は、342μmである。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくする。
本実施形態に係る電極構造を図5に示す。図5において、透明電極(IT0)41の半径は80μmである。透明電極41の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング42で囲み、電極パッド44(250×250μm)と、電極パッド44と電極リング42とを繋ぐリード部分43(幅20μm)を含んでいる。更に透明電極41の外側には、蒸着等により形成された誘電体多層膜ミラ−が形成されている。この誘電体多層膜ミラ−の反射率は99%にする。
実際にエ夕ロンの、静電容量と電気抵抗とを測定したところ、0℃でそれぞれ76pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると145nsecとなる。
非特許文献3により、KLTNのKerr定数s12=−1.8×10−15(m/V)であるので、電圧を印加した時の屈折率変化(λ=1.55μm)は図6のようになる。また、電圧を印加した時の透過率の変動(λ=1.55μm)を図7に示す。図7は、動作温度は0℃の場合についてである。図7から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧V=85(V)の時、透過率が−10dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=85(V)であるので、85Vで10dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能な事が分かる。
ON→OFFのスイッチングで、透過率が−10dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図8に示す。図8から分かるように、動作温度が高くなると、スイッチング(ON→OFF)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では150Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=4(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は160pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
また、本実施形態では、印加電圧とスイッチングとの関係を上述とは反対にする、すなわち、OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。このときは、エタロンを、1.55μmにおいて透過率が−10dBとなるような透過帯域を持つように設計する。
電圧を印加した時の透過率の変動(λ=1.55μm)を図9に示す。図9は、動作温度は0℃の場合についてである。図9から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が−10dB、印加電圧V=85(V)の時、透過率が0dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=85(V)であるので、85Vで10dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能な事が分かる。
OFF→ONのスイッチングで、透過率が0dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図8に示す。動作温度が高くなると、スイッチング(OFF→ON)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では150Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=4(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は160pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、OFF→ONのスイッチングの場合でも、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
従って、本実施形態によれば、スイッチング速度93〜145nsec、駆動電圧85〜150V、消光比10dBの高速ゲートスイッチ(ON→OFF)および、スイッチング速度93〜145nsec、駆動電圧85〜150Vの高速ゲートスイッチ(OFF→ON)を、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で実現できる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、波長1.3μmにおけるゲートスイッチについて説明する。本実施形態において、タンデムエタロン型ゲートスイッチ、タンデムエタロンに用いるファブリーペローエタロンおよび電極構造は、第1の実施形態と同様のものを用いるので、その説明は省略する。ただし、本実施形態では、エタロンを、1.3μmに透過帯域を持つように設計している。1.3μmにおける結晶の屈折率は、図4により2.212であるため、310GHzのFSRを作る為の結晶厚は、219μmである。
実際にエ夕ロンの、静電容量と電気抵抗とを測定したところ、0℃でそれぞれ119pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると226nsecとなる。
非特許文献3により、KLTNのKerr定数s12=−1.8×10−15(m/V)である。非特許文献4よりKerr定数には波長依存性がある事が分かっている。図10はKLTNのg11−g12の波長依存性である。式(8)で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図10のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。従って、波長1.3μm付近でのKerr定数は、s12=−1.04×10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図11のようになる。
また、電圧を印加した時の透過率の変動(λ=1.3μm)を図12に示す。図12は、動作温度は0℃の場合についてである。図12から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧V=97(V)の時、透過率が−10dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=97(V)であるので、97Vで10dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能な事が分かる。
ON→OFFのスイッチングで、透過率が−10dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図13に示す。図13から分かるように、動作温度が高くなると、スイッチング(0N→0FF)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では171Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=3.4(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は136pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
また、本実施形態では、印加電圧とスイッチングとの関係を上述とは反対にする、すなわち、OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。このときは、エタロンを、1.3μmにおいて透過率が−10dBとなるような透過帯域を持つように設計する。また、1.3μmにおける結晶の屈折率は、図4により2.212であるため、309GHzのFSRの時、結晶厚は219μmである。
電圧を印加した時の透過率の変動(λ=1.3μm)を図14に示す。図14は、動作温度は0℃の場合についてである。図14から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が−10dB、印加電圧V=95(V)の時、透過率が0dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=95(V)であるので、95Vで10dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能な事が分かる。
OFF→ONのスイッチングで、透過率が0dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図13に示す。動作温度が高くなると、スイッチング(OFF→ON)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では169Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=3.4(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は136pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、OFF→ONのスイッチングの場合でも、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
従って、本実施形態によれば、スイッチング速度115〜226nsec、駆動電圧97〜171V、消光比10dBの高速ゲートスイッチ(ON→OFF)および、スイッチング速度115〜226nsec、駆動電圧95〜169Vの高速ゲートスイッチ(OFF→ON)を、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で実現できる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、光の三原色の波長におけるゲートスイッチについて説明する。本実施形態において、タンデムエタロン型ゲートスイッチ、タンデムエタロンに用いるファブリーペローエタロンおよび電極構造は、第1の実施形態と同様のものを用いるので、その説明は省略する。ただし、本実施形態では、光の三原色の各波長に合わせてエタロンを作製している。すなわち、本実施形態では、エタロンを3mm×3mmサイズとし、光の三原色である赤色LED(発光波長647nm)、緑色LED(発光波長558nm)、青色LED(発光波長470nm)に適合するゲートスイッチを作製する。
まず初めに赤色LEDに適合するゲートスイッチについて説明する。
赤色LEDに適合させるので、エタロンを、647nmに透過帯域を持つように設計する。647nmにおける結晶の屈折率は、図4により2.282であるため、899GHzのFSRを作る為の結晶厚は、73μmである。
実際にエ夕ロンの、静電容量と電気抵抗とを測定したところ、0℃でそれぞれ356pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると679nsecとなる。
非特許文献3により、1.55μmにおけるKLTNのKerr定数s12=−1.8×10−15(m/V)である。非特許文献4よりKerr定数には波長依存性がある事が分かっている。図10はKLTNのg11−g12の波長依存性である。式(8)で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図10のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。従って、波長647nm付近でのKerr定数は、s12=−2.09×10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図15のようになる。
また、電圧を印加した時の透過率の変動(λ=647nm)を図16に示す。図16は、動作温度は0℃の場合についてである。図16から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧V=22(V)の時、透過率が−10dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=22(V)であるので、22Vで10dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能な事が分かる。
ON→OFFのスイッチングで、透過率が−10dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図17に示す。図17から分かるように、動作温度が高くなると、スイッチング(ON→OFF)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では38Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=1.7(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は67pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
また、本実施形態では、印加電圧とスイッチングとの関係を上述とは反対にする、すなわち、OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。このときは、エタロンを、647nmにおいて透過率が−10dBとなるような透過帯域を持つように設計する。また、647nmにおける結晶の屈折率は、図4により2.282であるため、899GHzのFSRの時、結晶厚は72μmである。
非特許文献3により、1.55μmにおけるKLTNのKerr定数s12=−1.8×10−15(m/V)である。非特許文献4よりKerr定数には波長依存性がある事が分かっている。図10はKLTNのg11−g12の波長依存性である。式(8)で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図10のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。従って、波長647nm付近でのKerr定数は、s12=−2.1×10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図15のようになる。
電圧を印加した時の透過率の変動(λ=647nm)を図18に示す。図18は、動作温度は0℃の場合についてである。図18から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が−10dB、印加電圧V=22(V)の時、透過率が0dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=22(V)であるので、22Vで10dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能な事が分かる。
OFF→ONのスイッチングで、透過率が0dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図17に示す。動作温度が高くなると、スイッチング(OFF→ON)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では37Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=1.7(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は67pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、OFF→ONのスイッチングの場合でも、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
従って、本実施形態によれば、スイッチング速度435〜679nsec、駆動電圧22〜38V、消光比10dBの高速ゲートスイッチ(ON→OFF)および、スイッチング速度435〜679nsec、駆動電圧22〜37Vの高速ゲートスイッチ(OFF→ON)を、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で実現できる。
次に緑色LEDに適合するゲートスイッチについて説明する。
緑色LEDに適合させるので、エタロンを、558nmに透過帯域を持つように設計する。558nmにおける結晶の屈折率は、図4により2.317であるため、890GHzのFSRを作る為の結晶厚は、69μmである。
実際にエ夕ロンの、静電容量と電気抵抗とを測定したところ、0℃でそれぞれ377pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると719nsecとなる。
非特許文献3により、1.55μmにおけるKLTNのKerr定数s12=−1.8×10−15(m/V)である。非特許文献4よりKerr定数には波長依存性がある事が分かっている。図10はKLTNのg11−g12の波長依存性である。式(8)で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図10のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。従って、波長558nm付近でのKerr定数は、s12=−2.2×10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図19のようになる。
また、電圧を印加した時の透過率の変動(λ=558nm)を図20に示す。図20は、動作温度は0℃の場合についてである。図20から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧V=19.6(V)の時、透過率が−10dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=19.6(V)であるので、19.6Vで10dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能な事が分かる。
ON→OFFのスイッチングで、透過率が−10dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図21に示す。図21から分かるように、動作温度が高くなると、スイッチング(ON→OFF)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では34.7Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=1.4(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は58pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
また、本実施形態では、印加電圧とスイッチングとの関係を上述とは反対にする、すなわち、OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。このときは、エタロンを、558nmにおいて透過率が−10dBとなるような透過帯域を持つように設計する。また、558nmにおける結晶の屈折率は、図4により2.317であるため、890GHzのFSRの時、結晶厚は70μmである。
電圧を印加した時の透過率の変動(λ=558nm)を図22に示す。図22は、動作温度は0℃の場合についてである。図22から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が−10dB、印加電圧V=19.5(V)の時、透過率が0dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=19.5(V)であるので、19.5Vで10dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能な事が分かる。
OFF→ONのスイッチングで、透過率が0dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図21に示す。動作温度が高くなると、スイッチング(OFF→ON)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では33.5Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=1.4(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は58pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、OFF→ONのスイッチングの場合でも、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
従って、本実施形態によれば、スイッチング速度460〜719nsec、駆動電圧19.6〜34.7V、消光比10dBの高速ゲートスイッチ(ON→OFF)および、スイッチング速度460〜719nsec、駆動電圧19.5〜33.5Vの高速ゲートスイッチ(OFF→ON)を、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で実現できる。
次に青色LEDに適合するゲートスイッチについて説明する。
青色LEDに適合させるので、エタロンを、470nmに透過帯域を持つように設計する。470nmにおける結晶の屈折率は、図4により2.377であるため、928GHzのFSRを作る為の結晶厚は、68μmである。
実際にエ夕ロンの、静電容量と電気抵抗とを測定したところ、0℃でそれぞれ382pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると729nsecとなる。
非特許文献3により、1.55μmにおけるKLTNのKerr定数s12=−1.8×10−15(m/V)である。非特許文献4よりKerr定数には波長依存性がある事が分かっている。図10はKLTNのg11−g12の波長依存性である。式(8)で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図10のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。従って、波長470nm付近でのKerr定数は、s12=−2.7×10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図23のようになる。
また、電圧を印加した時の透過率の変動(λ=470nm)を図24に示す。図24は、動作温度は0℃の場合についてである。図24から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧V=15.6(V)の時、透過率が−10dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=15.6(V)であるので、15.6Vで10dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能な事が分かる。
ON→OFFのスイッチングで、透過率が−10dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図25に示す。図25から分かるように、動作温度が高くなると、スイッチング(0N→0FF)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では27.6Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=1.2(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は48pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
また、本実施形態では、印加電圧とスイッチングとの関係を上述とは反対にする、すなわち、OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。このときは、エタロンを、470nmにおいて透過率が−10dBとなるような透過帯域を持つように設計する。
電圧を印加した時の透過率の変動(λ=470nm)を図26に示す。図26は、動作温度は0℃の場合についてである。図26から、印加電圧V=0(V)の時、透過率が−10dB、印加電圧V=15.6(V)の時、透過率が0dBである事が分かる。電圧差△V=V−V=15.6(V)であるので、15.6Vで10dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能な事が分かる。
OFF→ONのスイッチングで、透過率が0dBになる印加電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を、図25に示す。動作温度が高くなると、スイッチング(OFF→ON)に必要な印加電圧は高くなり、40℃では27.6Vとなる。
環境温度や動作温度が上昇すると、透過中心波長は長波長側にシフトする。透過中心波長のシフトの温度依存性は、dλ/dT=1.2(pm/℃)で表されるので、温度が40℃変わると、透過中心波長は48pmシフトすることになる。
本実施形態で用いたタンデムエタロンのゲートスイッチでは、OFF→ONのスイッチングの場合でも、温度による透過中心波長のシフトをバンドパスフィルタ用のエタロン11で補償できるので、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で、スイッチングが可能である。
従って、本実施形態によれば、スイッチング速度467〜729nsec、駆動電圧15.6〜27.6V、消光比10dBの高速ゲートスイッチ(ON→OFF)および、スイッチング速度467〜729nsec、駆動電圧15.6〜27.6Vの高速ゲートスイッチ(OFF→ON)を、0℃〜40℃の範囲で温度調整は不要で実現できる。
以上のように、ディスプレイ用の光源、赤(647nm)、緑(558nm)、青(470nm)に対して、本実施形態の方法により、高速ゲートスイッチを実現できる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、波長1.55μm用に作製したゲートスイッチを備えた空間光スイッチについて説明する。
図26は、本実施形態に係る空間光スイッチの概念図である。図26において、本実施形態に係る空間光スイッチは、入射光を4つの分離した光として出力する、光分岐手段としてのビームスプリッタ261と、4つのバンドパスフィルタ用のエタロン262と、4つのゲートスイッチ用のエタロン263とを備えている。このようにタンデム配置されたエタロン262とエタロン263とによって、本発明の一実施形態に係るタンデムエタロン型ゲートスイッチを構成している。
ビームスプリッタ261の入力側は、入力ポートを形成しており、この入力ポートを介して、光源から発振されたブロード光がビームスプリッタ261に入射される。なお、本実施形態に係るビームスプリッタ261は、1×4のビームスプリッタであり、全ポートに対して等価な出力を行う。また、ビームスプリッタ261の出力側には、タンデムエタロン型ゲートスイッチの1段目のエタロンであるエタロン262が、ビームスプリッタ261から出射される4つの分離光をそれぞれ入力するように4つ配置されている。また、4つのエタロン262それぞれの出力側には、2段目のエタロンであるエタロン263が4つ配置されている。
なお、ビームスプリッタ261と4つのエタロン262との間には、所望に応じて、ミラー等の光の進行を曲げる機構を備えることによって、ビームスプリッタ261からの出射光を、適切にエタロン262に入射する。このように配置されたタンデムエタロン型ゲートスイッチの各々が、空間光スイッチの出力ポートを形成することになる。
このような構成において、入力ポートから時分割多重された信号は、まずビームスプリッタ261によって4つのポートに分配される。次いで、エタロン262および263によって構成されたタンデムエタロン型ゲートスイッチのそれぞれで、ON/OFFを時分割して行うことによって、入力された信号は、それぞれのポートへと振り分けられる。本実施形態では、このゲートスイッチのスイッチング速度が93〜145nsec、駆動電圧が85〜150の(ON/OFF)を実現できる。
なお、本実施形態では、ビームスプリッタの出力は4つに限らず、所望に応じて複数の出力とすることができる。また、光分岐手段もビームスプリッタに限らず、例えば光カプラ等、入力光を複数の出力光として出射できる手段であればいずれを用いても良い。
以上説明したように、本発明においては、2次の電気光学結晶を有する結晶を用いたエタ口ンを二段タンデムで搭載し、一段目の工タロンで波長をきり出し、二段目のエタロンで印加された電圧により光のスイッチングをおこなうことによって、温度調節無しで光のスイッチングを行なう温度補償型ゲートスイッチを実現する事ができる。更に、電極構造を工夫する事によって、数10〜数100nsec程度の高速な動作も実現する事ができる。更に、このスイッチを空間的に組み合わせることによって、空間光スイッチを実現する事ができる。この空間光スイッチを用いると、高速なドロップ回路を実現する事が出来る。
(a)は、本発明の一実施形態に係るゲートスイッチングシステムを示す図であり、(b)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る光のスペクトルを示す図である。 本発明の一実施形態に係るタンデムエタロン型ゲートスイッチの概念図である。 本発明の一実施形態に係るタンデムエタロン型ゲートスイッチに用いるファブリ−ペロ−エタロンの構造を示す図である。 本発明の一実施形態で用いた2次の電気光学効果を有するKLTNの屈折率の波長依存性を示す図である。 本発明の一実施形態に係るタンデムエタロン型ゲートスイッチを構成するファブリーペローエタロンの電極構造を示す図である。 本発明の第1の実施形態において使用したゲ−トスイッチに電圧を印加した際の、波長1.55μmにおける電気光学効果による屈折率変化を表す図である。 本発明の第1の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長1.55μmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第1の実施形態に係る、波長1.55μmにおけるスイッチングで、スイッチング電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長1.55μmにおける透過率の変化を表す図である。 KLTNのKerr定数g11−g12の波長依存性を示す図である。 本発明の第2の実施形態において使用したゲ−トスイッチに電圧を印加した際の、波長1.3μmにおける電気光学効果による屈折率変化を表す図である。 本発明の第2の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長1.3μmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第2の実施形態に係る、波長1.3μmにおけるスイッチングで、スイッチング電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長1.3μmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチに電圧を印加した際の、波長647nmにおける電気光学効果による屈折率変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長647nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態に係る、波長647nmにおけるスイッチングで、スイッチング電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を示す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長647nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチに電圧を印加した際の、波長558nmにおける電気光学効果による屈折率変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長558nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態に係る、波長558nmにおけるスイッチングで、スイッチング電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を示す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長558nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチに電圧を印加した際の、波長470nmにおける電気光学効果による屈折率変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長470nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第3の実施形態に係る、波長470nmにおけるスイッチングで、スイッチング電圧と動作温度(0℃〜40℃)の関係を示す図である。 本発明の第3の実施形態において使用したゲ−トスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長470nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第4の実施形態において使用した空間光スイッチを表す概念図である。
符号の説明
11 バンドパスフィルタ用のエタロン
12 ゲートスイッチ用のエタロン
13a、13b コリメートレンズ
14 光ビーム
15、19 光ファイバ
16 サブマウント
17 電極
18 電圧印加部
20 ファブリーペローエタロン
21 誘電体結晶
22、23、41 透明電極
24、25 金属薄膜電極
42、43、44 金属(Al)電極
100 光源
101 タンデムエタロン型ゲートスイッチ
102、262 バンドパスフィルタ用の1段目のエタロン
103、263 ゲートスイッチ用の2段目のエタロン
104 ブロード光
105 1段目のエタロンを透過した光
106 変調光
107、108 ブロード光のスペクトル
109、111 1段目のエタロンを透過した光のスペクトル(低温時)
110、113 1段目のエタロンを透過した光のスペクトル(高温時)
112 2段目のエタロンを透過した光のスペクトル(電圧印加、低温時)
114 2段目のエタロンを透過した光のスペクトル(電圧印加、高温時)
261 ビームスプリッタ

Claims (13)

  1. 立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第1の誘電体結晶と、前記第1の誘電体結晶の第1の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第1の部材と、前記第1の誘電体結晶の前記第1の面に対向する第2の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合の反射率で反射する第2の部材とを有し、光源から発振されたブロード光が前記第1の面から入射される第1のエタロンと、
    立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第2の誘電体結晶と、前記第2の誘電体結晶の第3の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第3の部材と、前記第2の誘電体結晶の前記第3の面に対向する第4の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合で反射する第4の部材と、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、前記第1のエタロンと温度特性が同一である第2のエタロンとを備え、
    前記第1のエタロンと第2のエタロンとはタンデムに配置され、かつ前記第2の面と前記第3の面とが略平行に配置されており、
    前記電圧印加手段は、前記第2の誘電体結晶に設けられた電極と、該電極に電圧を印加する電圧印加部とを有し、
    前記第1のエタロンは前記入射されたブロード光から波長を切り出し、前記第2のエタロンは、前記電極により電圧を印加されることにより、前記第1のエタロンから入射された切り出された波長の光をスイッチングし、
    前記第1〜第4の部材はそれぞれ、対応する誘電体結晶の面に設けられた透明電極と、該透明電極に設けられた誘電体多層膜からなる誘電体多層膜ミラーとを有する
    ことを特徴とするゲートスイッチ。
  2. 立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第1の誘電体結晶と、前記第1の誘電体結晶の第1の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第1の部材と、前記第1の誘電体結晶の前記第1の面に対向する第2の面に設けられた、前記第1の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合の反射率で反射する第2の部材とを有し、光源から発振されたブロード光が前記第1の面から入射される第1のエタロンと、
    立方晶構造かつ2次の電気光学効果を有する第2の誘電体結晶と、前記第2の誘電体結晶の第3の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数近傍以外の光を所定の割合で反射する第3の部材と、前記第2の誘電体結晶の前記第3の面に対向する第4の面に設けられた、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加し、かつ前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合で反射する第4の部材と、前記第2の誘電体結晶に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、前記第1のエタロンと温度特性が同一である第2のエタロンとを備え、
    前記第1のエタロンと第2のエタロンとはタンデムに配置され、かつ前記第2の面と前記第3の面とが略平行に配置されており、
    前記電圧印加手段は、前記第2の誘電体結晶に設けられた電極と、該電極に電圧を印加する電圧印加部とを有し、
    前記第1のエタロンは前記入射されたブロード光から波長を切り出し、前記第2のエタロンは、前記電極により電圧を印加されることにより、前記第1のエタロンから入射された切り出された波長の光をスイッチングし、
    前記第1および第2の部材は金属薄膜電極であり、前記第3および第4の部材はそれぞれ、対応する誘電体結晶の面に設けられた透明電極と、該透明電極に設けられた誘電体多層膜からなる誘電体多層膜ミラーとを有する
    ことを特徴とするゲートスイッチ。
  3. 前記第1〜第4の部材はそれぞれ、金属薄膜電極であることを特徴とする請求項1または2記載のゲートスイッチ。
  4. 前記透明電極は、前記誘電体結晶の光が透過する領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のゲートスイッチ。
  5. 前記透明電極と、前記誘電体多層膜ミラーとの間には、前記所定の周波数近傍の光を選択的に所定の透過率で透過し、前記所定の周波数以外の光を所定の割合で反射する金属薄膜電極が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゲートスイッチ。
  6. 前記誘電体結晶は、単結晶であり、該単結晶の結晶軸の1つが前記誘電体結晶に照射される光の透過方向と一致するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のゲートスイッチ。
  7. 前記誘電体結晶は、多結晶であり、該結晶の結晶軸の少なくとも1つが前記誘電体結晶に照射された光の透過方向と一致するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のゲートスイッチ。
  8. 前記誘電体結晶は、K 1−y Li Ta 1−x Nb (0<x<1、0<y<1)の組成を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のゲートスイッチ。
  9. 前記誘電体結晶は、KTa 1−x Nb 3 (0<x<1)におけるKの全て、もしくは、K 1−y Li Ta 1−x Nb (0<x<1、0<y<1)におけるKおよびLiの全てを、Ba、Sr、Caのうちの少なくとも1つの元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiで置き換えた組成を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のゲートスイッチ。
  10. 前記誘電体結晶は、KTa 1−x Nb 3 (0<x<1)におけるKの全て、もしくは、K 1−y Li Ta 1−x Nb (0<x<1、0<y<1)におけるKおよびLiの全てを、PbとLaのうちの少なくとも一方の元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiとZrのうちの少なくとも一方の元素で置き換えた組成を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のゲートスイッチ。
  11. 前記誘電体結晶の組成における第1の組成比としての前記xは、0.1以上0.5以下であり、前記誘電体結晶の組成における第2の組成比としての前記yは、0より大であり0.1未満であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のゲートスイッチ。
  12. 複数個の請求項1乃至11のいずれかに記載のゲートスイッチと、
    入射光を前記複数個に分岐する光分岐手段であって、該分岐された各々の光を、前記複数個のゲートスイッチの各々に入射するように配置された光分岐手段と
    を備えることを特徴とする空間光スイッチ
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載のゲートスイッチと、
    前記ゲートスイッチに入射されるブロード光を発振する光源と
    を備えることを特徴とするゲートスイッチングシステム
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