JP2006065037A - ゲートスイッチおよび空間光スイッチ - Google Patents

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Makoto Shimokozono
真 下小園
Kazuo Fujiura
和夫 藤浦
Seiji Toyoda
誠治 豊田
Kaneyuki Imai
欽之 今井
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】 2次の電気光学結晶を有する結晶を用いたエタロン(etalon)を構成し、結晶に隣接して設けた透明電極に電圧を印加することによって、エタロンの構造を用いた高速応答可能な偏波無依存のゲートスイッチおよび空間光スイッチを提供する。
【解決手段】 立方晶構造及び2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、誘電体結晶に隣接して配置された透明電極と、透明電極に隣接して配置された誘電体多層膜から成る誘電体多層膜ミラーと、で構成されるエタロンを含み、透明電極に印加された電圧により光のスイッチングを行う。このゲートスイッチを複数個で有し、それぞれのゲートスイッチにビームスプリッタにて分光された光がそれぞれ入射するように配置されて、もって光を出力するための複数のポートを構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明の属する技術分野は、光通信用や光計測用およびプロジェクター、コピー機、プリンター、スキャナー等に適用されるゲートスイッチおよび空間光スイッチに関するものである。
従来用いられていた光スイッチの主要なものはニオブ酸リチウム(LN)等、1次の電気光学効果を発現する結晶を用いたものであった。ところが、LNは偏波依存性を有しているため、偏波無依存動作を行うためには、構成に工夫をする必要があるので、スイッチの構成が複雑になってしまうという欠点があった。1次の電気光学効果は、中心対称を有しない結晶にしか発現しないため、偏波依存性は必ず現れてしまい、避けて通ることのできない課題であった。
装置の構成の工夫の仕方については、いろいろとあるが、ここでは特許文献1で用いられている方法を紹介する。この特許に用いられている方法では、入力された信号光をまず偏波ビームスプリッタを用いて、TEモード(Transverse Electric mode)とTMモード(Transverse Magnetic mode)とにブームの分割をする。その上で、TEモードとTMモードを別々の光スイッチによってON/OFFして、スイッチを通過した光を再び偏波ビームスプリッタによって、合成することによって、TEモードとTMモードどちらに対してもスイッチングを行い、結果として偏波無依存動作を実現していた。
特開2002−228997
しかしながら、こうした従来の技術においては、結果的には偏波無依存動作はできるものの、TEモードとTMモードに対するデバイスが完全に同じ動作をしている必要があった。完全に同じ動作がされないと位相のずれが生じてしまい、動作が不安定になってしまうため、結果としてビットエラーレートが上がってしまっていた。
また、これに起因して、1次の電気光学結晶を用いたスイッチでは、安定で高品質なスイッチングが難しいという問題点があった。
このようなこと情に鑑み、本発明は、2次の電気光学結晶を有する結晶を用いたエタロン(etalon)を構成し、結晶に隣接して設けた透明電極に電圧を印加することによって、エタロンの構造を用いた高速応答可能な偏波無依存のゲートスイッチおよび空間光スイッチを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、立方晶構造及び2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、前記誘電体結晶に隣接して配置された透明電極と、前記透明電極に隣接して配置された誘電体多層膜から成る誘電体多層膜ミラーと、で構成されるエタロンを含み、前記透明電極に印加された電圧により光のスイッチングを行うことを要旨とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1において、前記誘電体結晶と透明電極が交互に配置され、前記誘電体多層膜ミラーが、当該交互に配置された誘電体結晶と透明電極の両側に配置されたことを要旨とする。
また、請求項3に記載の本発明は、立方晶構造及び2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、前記誘電体結晶に隣接して配置された金属薄膜電極と、で構成されるエタロンを含み、前記金属薄膜電極に印加された電圧により光のスイッチングを行うことを要旨とする。
また、請求項4に記載の本発明は、立方晶構造及び2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、前記誘電体結晶に隣接して配置された透明電極と、前記透明電極の表面にコーティングされた金属薄膜に隣接して配置された誘電体多層膜から成る誘電体多層膜ミラーと、で構成されるエタロンを含み、前記透明電極に印加された電圧により光のスイッチングを行うことを要旨とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のうちのいずれかにおいて、前記透明電極または前記金属薄膜が、光が通過する部分だけに形成されていることを要旨とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項1〜5のうちのいずれかにおいて、前記エタロンの温度制御を行った上で、当該エタロンに電圧を印加するように構成されたことを要旨とする。
また、請求項7に記載の本発明は、請求項1〜6のうちのいずれかにおいて、前記誘電体結晶は、単結晶であり、その結晶軸の一つが該誘電体結晶に照射される光の透過方向と一致するように配置されたことを要旨とする。
また、請求項8に記載の本発明は、請求項1〜7のうちのいずれかにおいて、前記誘電体結晶は、多結晶であり、その結晶軸の少なくとも一つが該誘電体結晶に照射される光の透過方向と一致するように配置されたことを要旨とする。
また、請求項9に記載の本発明は、請求項1〜8のうちのいずれかにおいて、前記誘電体結晶は、K1−yLiTa1−xNbの組成を有することを要旨とする。
また、請求項10に記載の本発明は、請求項1〜9のうちのいずれかにおいて、前記誘電体結晶は、KTa1−xNbにおけるKの全て、もしくはK1−yLiTa1−xNbにおけるKおよびLiの全てをBa、Sr、Caのうちの少なくとも一つの元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiで置き換えた組成を有することを要旨とする。
また、請求項11に記載の本発明は、請求項1〜10のうちのいずれかにおいて、前記誘電体結晶は、KTa1−xNbにおけるKの全て、もしくはK1−yLiTa1−xNbにおけるKおよびLiの全てをPbとLaのうちの少なくとも一方の元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiとZrのうちの少なくとも一方の元素で置き換えた組成を有することを要旨とする。
また、請求項12に記載の本発明は、請求項1〜11のうちのいずれかにおいて、前記誘電体結晶の組成における第1の組成比としての前記xは、0.1以上0.5以下であり、前記誘電体結晶の第2の組成比としての前記yは、0より大であり0.1未満であることを要旨とする。
このような請求項1〜12に記載の本発明においては、立方晶構造および2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、前記誘電体結晶に隣接して配置された透明電極およびその外側に配置された誘電体多層膜ミラーを備えるエタロンを、温度制御を行った上で、透明電極に電圧を印加することによってFSRを変化させ、所定の波長における透過率を増減させることによってオンオフのスイッチングを行うことを要旨としている。
また、請求項13に記載の本発明は、前記請求項1〜12に記載のゲートスイッチを複数個で有し、それぞれの前記ゲートスイッチにビームスプリッタにて分光された光がそれぞれ入射するように配置されて、もって前記光を出力するための複数のポートを構成していることを要旨とする。
このような請求項13に記載の本発明においては、立方晶構造および2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、前記誘電体結晶に隣接して配置された透明電極およびその外側に配置された誘電体多層膜ミラーを備えるエタロンを、温度制御を行った上で、透明電極に電圧を印加することによってFSRを変化させ、所定の波長における透過率を増減させることによってオンオフのスイッチングを行うゲートスイッチを空間的に多段に配置し空間光スイッチとすることを要旨としている。
本発明によれば、2次の電気光学結晶を有する結晶を用いたエタロン(etalon)を構成し、結晶に隣接して設けた透明電極に電圧を印加することによって、エタロンの構造を用いた高速応答可能な偏波無依存のゲートスイッチおよび空間光スイッチを提供することができる。
個々の実施の形態について説明する前に、本発明のゲートスイッチおよび空間光スイッチに関する理解を容易にするために、その基本原理について冒頭に説明する。
最初にファブリ−ペローエタロンによるフィルタ特性について説明する。ファブリ−ペローエタロンは一対のミラーの間に屈折率nの物質を挟んだ構造をしている。ファブリ−ペローエタロンの特性を表す主な値として、FSR(Free Spectral Range)、Finessが挙げられる。ファブリ−ペローエタロンの透過帯の中心周波数v は下記の式で表される。
Figure 2006065037
なお、上記の式(1)における、nは屈折率、1は共振器長、θは入射光に対するエタロンの傾斜角度、cは真空中の光速度である。FSRとは、(1)式で表現される透過帯中心周波数v のうち、隣り合う2組の間隔のことなので、下記の式で表現される。
Figure 2006065037
また、Finessとは透過帯の広がり具合を表現する値で、以下の式によりミラーの反射率と関連付けられる。
Figure 2006065037
なお、上記の式(3)における、Δv1/2は透過帯の半値全幅、Rは共振器を構成しているミラーの反射率である。
エタロンの入射光強度に対する透過光強度の比率をI(dB)とすると、文献(文献1):Amnon Yariv “Optical Electronics”5/e Chapter 4を参照して、以下の式で表される。
Figure 2006065037
ここで、5はエタロン内での位相を遅れを表し、
Figure 2006065037
である。
(1)式により、透過帯の中心周波数を変化させるためには、屈折率n、共振器長l、エタロンの角度θのいずれかを変化させればよいことが分かる。したがって、波長可変フィルタを作製する際も、これらのパラメータを変化させれば、実現可能なことがわかる。いくつか市販されている波長可変フィルタがあるが、共振器長を変化させて波長可変をおこなう方式が主流である。その理由は、上記3つのパラメータのうち、共振器長1を変化させることが、もっとも波長可変帯域を大きく取ることができるからである。
共振器長1およびエタロンの角度θを変化させる方法に関しては、必ずメカニカルな動作が必要である。その為に高速動作には適していない。
それらに比較して屈折率nを変化させる方法では、メカニカルな動作なしに、透過帯の中心波長を変化させることができる。屈折率を変化させる方法として、主に熱光学(Themo−Optic:To)効果、音響光学(Acousto−Optic:AO)効果、電気光学(Electro−Optic:EO)効果が挙げられる。
これらのうち、もっとも高速動作に向いていないのがTO効果で、せいぜい数ms程度の応答速度しか実現できない。また、AO効果はTO効果に比べれば、高速動作に適してはいるものの、屈折率の変化量が小さいために、十分な屈折率変化を誘起することができない。
これらに比較して、EO効果は高速動作に適しており、屈折率の変化量も十分に取ることができるため、高速動作を要求されるスイッチングに適している。
電気光学効果には1次の電気光学効果(ポッケルス効果)と2次の電気光学効果(カー効果)がある。1次の電気光学効果は電界強度に比較して効果が現れ、屈折率変化は下記の式で表される。
Figure 2006065037
なお、上記(6)式のn は電界を印加していない状態での屈折率、reff は1次の電気光学係数の有効値、Eは電界である。
また、2次の電気光学効果は電界強度の2乗に比例して効果が現れるので、屈折率変化は下記の式で表される。
Figure 2006065037
なお、上記(7)式のn は電界を印加していない状態での屈折率、Eは電界であり、s12は下記の式で定義される量である。
Figure 2006065037
なお、上記(8)式のεは真空の誘電率、εは物質に固有の比誘電率、g12は物質の電気光学定数である。
従って、2次の電気光学効果を用いると、印加された電圧の2乗に比例した屈折率変化が誘起されるので、より小さな電圧を印加することによって屈折率変化を起こすことができる。また、電気光学効果は1GHz程度の高速応答は原理的に可能である。
物質の屈折率の波長分散に関しては、一般的に、文献(以下、文献2と記す):F.A.Jenkins and H.E.White、“Fundamentals of Optics”8/e Part IIに参照される、Sellmeierの式によって表現される。
Figure 2006065037
従って、Sellmeierの式により、スイッチングを行いたい波長(周波数)での屈折率を推定することができる。
一方、デバイスの高速応答性を考慮する時には、そのデバイスの時定数を考慮しなければならない。ファブリ−ペローエタロンは、誘電体を電極で挟む形になっているので、静電容量および抵抗を有する。静電容量Cは、下記の式で与えられる。
Figure 2006065037
なお、上記(10)式のdは誘電体の厚さ、εは真空の誘電率、εは誘電体の比誘電率、Sは電極の面積である。静電容量Cを低減するためには、電極の面積Sの値を小さくし、dを大きく取るような構成が有利である。
また、電極による電気抵抗Rは、下記の式で与えられる。
Figure 2006065037
なお、上記(11)式のρ は電極の体積抵抗率、lは電極の長さ、Sは電極の断面積である。以上の関係から、エタロンの表面積をできるだけ小さくし、また電極の抵抗値を下げることによって、高速動作を実現することができる。
次に、本発明のゲートスイッチの実施の形態について以下に説明するが、あくまでも本発明のゲートスイッチを説明するためのものであり、本発明ゲートスイッチの技術的範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば、これらの各要素または全要素を含んだ各種の実施の形態を採用することが可能であるが、これらの実施の形態も本発明に含まれる。
まず、第1の実施の形態〜第3の実施の形態のそれぞれに共通の技術を以下に説明する。
本発明のゲートスイッチでは、K1−yLiTa1−xNb(KLTN)なる組成を有する結晶材料で構成されたファブリ−ペローエタロンを用いることを特徴としている。KLTNは正方晶から立方晶へと温度の上昇に従って結晶系を変える。電気光学結晶としてはLiNbO(LN)がよく知られているが、この結晶は正方晶領域において大きな1次の電気光学効果を有する。
1次の電気光学効果は(6)式で示したとおり、電界に比例するため電界の符号を変えて印加することによって、プッシュ−プル動作が実現できることが有利であるが、その反面1次の電気光学効果が発現するためには、中心反転を持たないことが条件である為、必ず光学的な異方性がついて廻ることになる。
従って、デバイスとして用いる際に異方性を打ち消すような工夫をしないと、使用上不都合が起こる場合がある。これに対して、KLTNは立方晶領域において、大きい2次の電気光学効果を有する。2次の電気光学効果は(7)式で示した形で表現されるように、電界の2乗に比例する。またKLTNは特に、正方晶への相転位温度に近い領域では、比誘電率の発散する現象が起こり、比誘電率の2乗に比例する2次の電気光学効果は極めて大きい値となる。
この現象はKTa1xNb(KTN)でも生じるが、KTNの相転位は1次の相転位となり、十分高い比誘電率に到達する前に相転位が生じ、高い効率を得ることが困難である。さらに潜熱を伴いヒステリシスがあるために、温度管理が困難であるという問題点があった。
これは、潜熱を伴う相転位の場合、動作温度が変動し、相転位温度以下になってしまうと、正方晶に構造変化した結晶が、再度温度を動作温度に戻しても立方晶に戻らない現象(ヒステリシス)が起こる。
1次の相転位を有する結晶では、このようなヒステリシスに加え、相転位を繰り返すことによって結晶にクラックが発生する。従って、結晶の温度管理を厳密にする必要がある。理論的には、動作温度は結晶の相転位温度に限りなく近いことが好ましいが、実用的には、相転位温度から3〜10℃高い温度に動作温度を設定する。
これはペルチェ素子の温度変動(±0.1℃)に加えて、温度の初期設定の際のオーバーシュートなどの幅(1〜2℃)を考慮して設定している。温度変化の影響を避けるために動作温度を相転位温度から離していくと(1/(T−Te)))に比例して効率が低下するため、3℃離れると1/9に、10℃離れると効率が1/100に低下してしまう。
したがって、1次の相転位を有する結晶によるこのような現象は、実用的に大きな問題であり、できる限り相転位温度に近づけるためには、相転位を潜熱やヒステリシスの伴わない2次の相転位とすることが必要である。
このため本発明においては、Kの一部をLiに置換したKLTNを用いる。このKLTNを用いることにより、相転位が2次に近くなり、高い比誘電率が容易に得られかつ可逆的な相転位となるために、温度管理も容易になるという実用上大きな改善が可能となる。
具体的には、ペルチェ素子などの初期のオーバーシュートは考慮する必要がなくなり、温度変動分の±0.1℃のみ考慮すれば良いことになり、相転位から0.2℃離しておけば、安定な動作が得られることになり、効率の低下を無視できるほど小さくすることができる。
その結果、効率の良い動作が実現でき、ゲートスイッチの消光比を確保するのに必要な屈折率変化を比較的低電圧で実現することが可能となる。
また、この2次の電気光学効果を利用する光のデバイスの動作温度は、結晶の立方晶から正方晶への相転位近傍になるが、KLTN結晶は、TaとNbの組成を変化させることにより、常誘電性から強誘電性(結晶系は、立方晶から正方晶)への相転位温度をぼほ絶対零度から400℃まで変化させることが可能である。
このため、この材料を用いた作製したゲートスイッチの動作温度を室温付近に容易に設定できるという利点もある。加えて、このゲートスイッチは、結晶が立方晶の領域で使用するため、複屈折がなく、偏波無依存動作が可能である。
<第1の実施の形態>
本実施の形態で用いたファブリ−ペローエタロンの構造を図1に示す。ファブリ−ペローエタロン1は薄片化された誘電体結晶11の両側にITOからなる透明電極12、13を配置し、該透明電極の外側に誘電体多層膜ミラーを配置した構造となっている。
本実施の形態で用いた誘電体結晶11はKLTNであり、Liの濃度とNbの濃度を調整することにより、相転位温度は−15℃に調整される。KLTNは400nmから3μmの波長領域にわたって透明であるので、透過型の光デバイスに適している。
本実施の形態で用いた誘電体結晶11の組成はK0.96Li0.04Ta0.77Nb0.23であった。Li含有量は、本実施の形態では、0.04であるが、0.001の添加でも相転位を2次に変化させる効果があり、0.1までは立方晶を保っており、使用が可能である。特に、0.01〜0.06の範囲では、結晶の品質が高く、20000以上の比誘電率を実現できる。
また、動作温度は−15℃であり、−15℃付近における材料の比誘電率は25000である。
本実施の形態では、エタロンを3mm×3mmのサイズとし、1.55μmに透過帯域を持つように設計した。1.55μmにおける結晶の屈折率は、図2により2.206であるため、198.57GHzのFSRを作る為の結晶厚は、342.2μmであった。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。
この電極構造は図3に示され、透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は99%にした。
作製したエタロンは、図4のような系にファブリ−ペローエタロン41を実装し、このファブリ−ペローエタロン41に光を透過させる配置とした。この時、光の通る断面積を160μm以下にするために、ファイバーコリメータ42、43を用いた。
また、実際にファブリ−ペローエタロン41の、静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ76pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると145nsecとなる。
ここで、文献(以下、文献3と記す):下小園他、第51回応用物理学関連連合講演会 講演予稿集 No.3p1326を参照して、KTNのKerr定数S12=−1.8x10−15(m/V)であるので、電圧を印加した時の屈折率変化は図5のようになる。また、電圧を印加した時の透過率の変動を図6に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧Vb=157.1(V)の時、透過率が−20dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=157.1(V)であるので、157.1(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能なことが分かる。
また、本実施の形態では、通常OFFで電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。エタロン(etalon)を3mm×3mmのサイズとし、1.55μmにおいて透過率が−20dBとなるよう透過帯域を持つように設計した。
1.55μmにおける結晶の屈折率は、図2により2.205であるため、198.77GHzのFSRの時、結晶厚は342.2μmであった。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。電極構造は既に示した図3と同様の構造を備え、透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は99%にした。
作製したエタロンは、既に示した図4に参照される系にファブリ−ペローエタロン41の実装をおこなった。この時、光の通る断面積を160μm以下にするために、ファイバーコリメータ42、43を用いた。
実際にファブリ−ペローエタロン41の静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ76pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると145nsecとなる。
文献3により、KTNのKerr定数S12=−1.8x10−15(m/V)であるので、電圧を印加した時の屈折率変化は図5のようになる。また、電圧を印加した時の透過率の変動を図7に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が−20dB、印加電圧Vb=158.9(V)の時、透過率が0dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=158.9(V)であるので、158.9(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能なことが分かる。
従って、本発明の形態によれば、スイッチング速度145nsec、駆動電圧157.06V、消光比20dBの高速ゲートスイッチ(ON→OFF)および、スイッチング速度145nsec、駆動電圧158.92Vの高速ゲートスイッチ(OFF→ON)を実現できることがわかった。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態で用いるファブリ−ペローエタロンの構造は、既に第1の実施の形態の説明にて参照した図1と同様の構成を備えている。ファブリ−ペローエタロン1は薄片化された誘電体結晶11の両側にITOからなる透明電極12、13を配置し、該透明電極の外側に誘電体多層膜ミラーを配置した構造となっている。
本実施の形態で用いた誘電体結晶11はKLTNであり、Liの濃度とNbの濃度を調整することにより、相転位温度は−15℃に調整される。KLTNは400nmから3μmの波長領域にわたって透明であるので、透過型の光デバイスに適している。
本実施の形態で用いた誘電体結晶11の組成はK0.96Li0.04Ta0.77Nb0.23であった。Li含有量は、本実施の形態では、0.04であるが、0.001の添加でも相転位を2次に変化させる効果があり、0.1までは立方晶を保っており、使用が可能である。特に、0.01〜0.06の範囲では、結晶の品質が高く、20000以上の比誘電率を実現できる。
また、動作温度は−15℃であり、−15℃付近における材料の比誘電率は25000である。
本実施の形態では、エタロンを3mm×3mmサイズとし、光の三原色である赤色LED(発光波長647nm)、緑色LED(発光波長558nm)、青色LED(発光波長470nm)に適合するゲートスイッチを作製した。
まず始めに赤色LEDに適合するゲートスイッチについて記述する。本実施の形態では、エタロンを3mm×3mmのサイズとし、647nmに透過帯域を持つように設計した。647nmにおける結晶の屈折率は、図2により2.282である。これにより、898.5GHzのFSRで結晶厚が78.1μmのエタロンを作製した。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。
電極構造は図3に示す。透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は90%にした。
実際にエタロンの、静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ381pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると718nsecとなる。
文献3により、1.55μmにおけるKTNのKerr定数S12=−1.8x10−15(m/V)である。また、文献(以下、文献4と記す):J.E.Geusic、S.K.Kurz、L、G.Van Uitert、and S.H.Wemple、Appl、Phys、Lett.4、141(1964)に参照されるように、Kerr定数には波長依存性があることが分かっている。
図8がKTNのg11−g12の波長依存性である。数式8で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図8のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。従って、波長647nm付近でのKerr定数は、S12=−2.1x10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図9のようになる。
また、電圧を印加した時の透過率の変動を図10に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧Vb=128.0(V)の時、透過率が−20dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=128.0(V)であるので、128.0(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能なことが分かる。
また、本実施の形態では、通常OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。エタロンを3mm×3mmのサイズとし、647nmにおいて透過率が−20dBとなるよう透過帯域を持つように設計した。647nmにおける結晶の屈折率は、図2により2.282である。これにより、916.5GHzのFSRで結晶厚が71.7μmのエタロンを作製した。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。
電極構造は図3に示す。透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は99%にした。
作製したエタロンは、図4のような系に実装をおこなった。この時、光の通る断面積を160μm以下にするために、ファイバーコリメータ42、43を用いた。
実際にエタロンの、静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ881pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると718nsecとなる。
文献3により、1.55μmにおけるKTNのKerr定数S12=−1.6x10−15(m/V)である。文献4よりKerr定数には波長依存性があることが分かっている。図8がKTNのg11−g12の波長依存性である。数式8で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図8のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。
従って、波長647nm付近でのKerr定数は、S12=−2.1x10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図9のようになる。また、電圧を印加した時の透過率の変動を図11に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が−20dB、印加電圧Vb=130.0(V)の時、透過率が0dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=130.0(V)であるので、130.0(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能なことが分かる。
次に、緑色LEDに適合するゲートスイッチについて記述する。本実施の形態では、エタロンを3mm×3mmサイズとし、558nmに透過帯域を持つように設計した。558nmにおける結晶の屈折率は、図2により2.317である。これにより、937.6GHzのFSRで結晶厚が69.0μmのエタロンを作製した。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。
電極構造は図3に示す。透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は90%にした。
実際にエタロンの、静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ381pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると718nsecとなる。
文献3により、1.55μmにおけるKTNのKerr定数S12=−1.8x10−15(m/V)である。文献4よりKerr定数には波長依存性があることが分かっている。図8がKTNのg11−g12の波長依存性である。数式8で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図8のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。
従って、波長558nm付近でのKerr定数は、S12=−2.2x10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図12のようになる。また、電圧を印加した時の透過率の変動を図13に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧Vb=117.2(V)の時、透過率が−20dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=117.2(V)であるので、117.2(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能なことが分かる。
また、本実施の形態では、通常OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。エタロンを3mm×3mmサイズとし、558nmにおいて透過率が−20dBとなるよう透過帯域を持つように設計した。558nmにおける結晶の屈折率は、図2により2.317である。これにより、954.5GHzのFSRで結晶厚が67.8μmのエタロンを作製した。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。
電極構造は既に示した図3と同様である。透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は90%にした。
作製したエタロンは、図4のような系にファブリ−ペローエタロン41の実装をおこなった。この時、光の通る断面積を160μm以下にするために、ファイバーコリメータ42、43を用いた。
実際にファブリ−ペローエタロン41の、静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ381pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると718nsecとなる。
文献3により、1.55μmにおけるKTNのKerr定数S12=−1.8x10−15(m/V)である。文献4よりKerr定数には波長依存性があることが分かっている。図8がKTNのg11−g12の波長依存性である。数式8で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図7のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。
従って、波長558nm付近でのKerr定数は、S12=−2.2x10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図12のようになる。また、電圧を印加した時の透過率の変動を図14に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が−20dB、印加電圧Vb=118.4(V)の時、透過率が0dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=118.4(V)であるので、118.4(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能なことが分かる。
次に、青色LEDに適合するゲートスイッチについて記述する。本実施の形態では、エタロンを3mm×3mmのサイズとし、470nmに透過帯域を持つように設計した。470nmにおける結晶の屈折率は、図2により2.377である。これにより、927.8GHzのFSRで結晶厚が、68.0μmのエタロンを作製した。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。
電極構造は図3に示す。透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は90%にした。
実際にエタロンの、静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ881pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると718nsecとなる。
文献3により、1.55μmにおけるKTNのKerr定数S12=−1.8x10−15(m/V)である。文献4よりKerr定数には波長依存性があることが分かっている。図8がKTNのg11−g12の波長依存性である。数式8で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図8のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。
従って、波長470nm付近でのKerr定数は、S12=−2.7x10−15(m/V)である。従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図15のようになる。
また、電圧を印加した時の透過率の変動を図16に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が0dB、印加電圧Vb=94.2(V)の時、透過率が−20dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=94.2(V)であるので、94.2(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(ON→OFF)が可能なことが分かる。
また、本実施の形態では、通常OFF状態で電圧を印加することによってON状態となるようなゲートスイッチを作製することもできる。エタロンを3mm×3mmサイズとし、470nmにおいて透過率が−20dBとなるよう透過帯域を持つように設計した。470nmにおける結晶の屈折率は、図2により2.377である。これにより、941.5GHzのFSRで結晶厚が67.0μmのエタロンを作製した。時定数を小さくする為、電極面積は極力小さくした。
電極構造は図3に示す。透明電極(ITO)31の半径は80μmである。透明電極の周りをアルミニウムからなる幅20μmの電極リング32で囲み、電極パッド34(250×250μm)と、電極パッドと電極リングを繋ぐリード部分33(幅20μm)からなっている。更に電極の外側には、誘電体多層膜ミラーの蒸着を行った。ミラーの反射率は90%にした。
作製したエタロンは、既に示した図4と同様の系にファブリ−ペローエタロン41の実装をおこなった。この時、光の通る断面積を160μm以下にするために、ファイバーコリメータ42、43を用いた。
実際にファブリ−ペローエタロン41の、静電容量と電気抵抗を測定したところ、それぞれ881pFと1.9kΩであった。これらの値から、時定数を求めると718nsecとなる。
文献3により、1.55μmにおけるKTNのKerr定数S12=−1.8x10−15(m/V)である。文献4よりKerr定数には波長依存性があることが分かっている。図8がKTNのg11−g12の波長依存性である。数式8で示されるように定数s12はg12に比例する定数であるので、図8のg11−g12の波長依存性と同様の波長依存性の傾向を示すと思われる。従って、波長470nm付近でのKerr定数は、S12=−2.7x10−15(m/V)である。
従って、このエタロンに電圧を印加した時の屈折率変化は図15のようになる。また、電圧を印加した時の透過率の変動を図17に示す。このグラフから、印加電圧Va=0(V)の時、透過率が−20dB、印加電圧Vb=94.9(V)の時、透過率が0dBであることが分かる。電圧差ΔV=Vb−Va=94.9(V)であるので、94.9(V)で20dBの消光比を持つスイッチング(OFF→ON)が可能なことが分かる。
以上により、ディスプレイ用の光源、赤(647nm)、緑(558nm)、青(470nm)に対して、本発明の方法により高速ゲートスイッチを実現できることがわかった。
<第3の実施の形態>
本実施例では、波長1.55μm用に作製したゲートスイッチを組み合わせて作製した空間光スイッチについて記述する。図18に空間光スイッチの概念図を示す。
本スイッチはビームスプリッタ181とゲートスイッチ182を組み合わせることによって動作を行う。入力ポートから入ってきた時分割多重された信号は、まずビームスプリッタによって4つのポートに分配される。
ここで用いているスプリッタは1×4のスプリッタで全ての出力ポート1〜4に対して等価な出力を行う。その後、ゲートスイッチ182のON/OFFを時分割して行うことによって、それぞれのポートへと振り分けられる。この時のポートスイッチのスイッチング速度は145nsec、駆動電圧157.1Vの(ON→OFF)であった。
以上述べたように、本発明の実施の形態においては、2次の電気光学結晶を有する結晶を用いたエタロンを構成し、結晶に隣接して設けた透明電極に電圧を印加することによって、ゲートスイッチ及び空間光スイッチを実現することができる。
更に、電極構造を工夫することによって、数10〜数100ns程度の高速な動作も実現することができ、このスイッチを空間的に組み合わせることによって、空間光スイッチを実現することができ、この空間光スイッチを用いると、高速なドロップ回路を実現することができる。
本発明の第1および第2の実施の形態に掛かるゲートスイッチを構成するファブリ−ペローエタロンを示す図である。 本発明で用いた2次の電気光学効果を有するKTNの屈折率の波長依存性を示す図である。 本発明の第1および第2の実施の形態に掛かるゲートスイッチを構成するファブリ−ペローエタロンを施した電極を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において、ゲートスイッチの両端に光ファイバを実装した図である。 本発明第1の実施の形態において使用したゲートスイッチに電圧を印加した際の波長1.55μmにおける屈折率の変化を表す図である。 本発明第1の実施の形態において使用したゲートスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長1.55μmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明第1の実施の形態において使用したゲートスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長1.55μmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明中の文献5に示されているKTNのKerr定数g11−g12の波長依存性を示す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチに電圧を印加した際の波長647nmにおける屈折率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長647nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長647nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチに電圧を印加した際の波長588nmにおける屈折率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長588nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長588nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチに電圧を印加した際の波長470nmにおける屈折率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチ(ON→OFF)に電圧を印加した際の波長470nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明第2の実施の形態において使用したゲートスイッチ(OFF→ON)に電圧を印加した際の波長470nmにおける透過率の変化を表す図である。 本発明の第3の実施の形態に掛かる空間光スイッチを表す概念図である。
符号の説明
1…ファブリ−ペローエタロン
11…誘電体結晶
12、13…電極
31…透明電極
32、33、34…金属(Al)電極
4…ゲートスイッチ
41…ファブリ−ペローエタロン
42、43…シングルモードファイバー
181…ビームスプリッタ
182…ゲートスイッチ

Claims (13)

  1. 立方晶構造及び2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、
    前記誘電体結晶に隣接して配置された透明電極と、
    前記透明電極に隣接して配置された誘電体多層膜から成る誘電体多層膜ミラーと、で構成されるエタロンを含み、
    前記透明電極に印加された電圧により光のスイッチングを行うことを特徴とするゲートスイッチ。
  2. 前記誘電体結晶と透明電極が交互に配置され、前記誘電体多層膜ミラーが、当該交互に配置された誘電体結晶と透明電極の両側に配置されたことを特徴とする請求項1記載のゲートスイッチ。
  3. 立方晶構造及び2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、
    前記誘電体結晶に隣接して配置された金属薄膜電極と、で構成されるエタロンを含み、
    前記金属薄膜電極に印加された電圧により光のスイッチングを行うことを特徴とするゲートスイッチ。
  4. 立方晶構造及び2次の電気光学効果を有する誘電体結晶と、
    前記誘電体結晶に隣接して配置された透明電極と、
    前記透明電極の表面にコーティングされた金属薄膜に隣接して配置された誘電体多層膜から成る誘電体多層膜ミラーと、で構成されるエタロンを含み、
    前記透明電極に印加された電圧により光のスイッチングを行うことを特徴とするゲートスイッチ。
  5. 前記透明電極または前記金属薄膜が、光が通過する部分だけに形成されていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  6. 前記エタロンの温度制御を行った上で、当該エタロンに電圧を印加するように構成されたことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  7. 前記誘電体結晶は、単結晶であり、その結晶軸の一つが該誘電体結晶に照射される光の透過方向と一致するように配置されたことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  8. 前記誘電体結晶は、多結晶であり、その結晶軸の少なくとも一つが該誘電体結晶に照射される光の透過方向と一致するように配置されたことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  9. 前記誘電体結晶は、K1−yLiTa1−xNbの組成を有することを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  10. 前記誘電体結晶は、KTa1−xNbにおけるKの全て、もしくはK1−yLiTa1−xNbにおけるKおよびLiの全てをBa、Sr、Caのうちの少なくとも一つの元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiで置き換えた組成を有することを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  11. 前記誘電体結晶は、KTa1−xNbにおけるKの全て、もしくはK1−yLiTa1−xNbにおけるKおよびLiの全てをPbとLaのうちの少なくとも一方の元素で置き換え、且つTaおよびNbの全てをTiとZrのうちの少なくとも一方の元素で置き換えた組成を有することを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  12. 前記誘電体結晶の組成における第1の組成比としての前記xは、0.1以上0.5以下であり、前記誘電体結晶の第2の組成比としての前記yは、0より大であり0.1未満であることを特徴とする請求項1〜11のうちのいずれかに記載のゲートスイッチ。
  13. 前記請求項1〜12に記載のゲートスイッチを複数個で有し、それぞれの前記ゲートスイッチにビームスプリッタにて分光された光がそれぞれ入射するように配置されて、もって前記光を出力するための複数のポートを構成していることを特徴とする空間光スイッチ。
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