JP4544066B2 - 電子制御装置及び電子制御装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子制御装置及び電子制御装置の製造方法に関するものである。
従来、特許文献1に示す電子制御装置があった。図8は、特許文献1における電子制御装置の概略構成を示す断面図である。
特許文献1に示す電子制御装置は、一つの面を取り付け面110とした筐体100と、筐体100の内壁部に配置され発熱性を有する回路素子120が実装された回路基板130と、外部の信号出力等を入出力するように外部と電気的に接続可能なコネクタ140とを備える。この電子制御装置においては、回路基板130は取り付け面110に形成され、コネクタ140は取り付け面とは対向する面に形成される。そして、回路基板130とコネクタ140とは、可撓性の接続ワイヤ150を介して相互に電気的に接続される。
また、電子制御装置などに用いられる放熱性等の熱的特性に優れる回路基板として、特許文献2に示すものがあった。図9は、特許文献2における回路基板の概略構成を示す断面図である。
特許文献2に示す回路基板は、導体パターン170及び印刷抵抗素子180が印刷形成されたセラミック基板160と、導体パターン200及び導電性ペースト210が形成された熱可塑性樹脂190と、回路素子220とを備える。そして、セラミック基板160上に形成された導体パターン170と熱可塑性樹脂190上に形成された導電性ペースト210とを電気的に接続するように、セラミック基板160上に複数の熱可塑性樹脂190が熱圧着によって形成される。また、熱可塑性樹脂190に形成された導体パターン200上に回路素子220が実装される。
特開2003−264386号公報 特開2002−374067号公報
上記特許文献1においては、回路基板130とコネクタ140とを接続ワイヤ150で接続しているため、回路基板130に接続ワイヤ150を接続するための接続領域が必要である分、回路基板130が大型化するという問題があった。
また、特許文献2における回路基板であっても、回路基板とコネクタとを電気的に接続する場合、接続ワイヤなどが必要となる。したがって、回路基板には、この接続ワイヤを接続するための接続領域が必要である分、回路基板が大型化するという問題があった。
また、上記特許文献1においては、回路基板130とコネクタ140とは、接続ワイヤ150で接続されている。しかしながら、回路基板130は筐体100における取り付け面110に形成され、コネクタ140は筐体100における取り付け面に対向する面に形成されているため、接続しづらいという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、回路基板の大型化を抑制することができる電子制御装置を提供することを第1の目的とする。また、製造を容易にすることができる電子制御装置の製造方法を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の電子制御装置は、筐体と、セラミック基板の主面上に導体パターンが形成された熱可塑性樹脂基板が積層され、熱可塑性樹脂基板上に回路素子が実装された複合回路基板と、複合回路基板と外部との電気的接続を行なうものであり、少なくとも一部が前記筐体の外に露出される外部接続用の露出部を備えるコネクタとを備える電子制御装置であって、複合回路基板は、セラミック基板と筐体の内壁部とが接するよう筐体に搭載され、熱可塑性樹脂基板は、セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分に導体パターンを含むコネクタ接続部を備え、コネクタは、コネクタ接続部にて導体パターンと電気的に接続されることを特徴とするものである。
このように、セラミック基板から張り出した熱可塑性樹脂基板に導体パターンを含むコネクタ接続部を備え、このコネクタ接続部にてコネクタを導体パターンと電気的に接続することによって、複合回路基板とコネクタとの電気的接続用の領域(接続ワイヤを接続するための領域)が不要となり大型化を抑制することができる。
また、請求項2に記載の電子制御装置では、熱可塑性樹脂基板は、セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分にスルーホール型の電子部品が電気的に接続される導体パターンを含む電子部品接続部を備えることを特徴とするものである。
このように、セラミック基板から張り出した熱可塑性樹脂基板に導体パターンを含む電子部品接続部を備え、この電子部品接続部にて電子部品を導体パターンと電気的に接続することによって、複合回路基板に電子部品との電気的接続用の領域(接続ワイヤを接続するための領域)が不要となりより一層大型化を抑制することができる。
また、コネクタ接続部及び/又は電子部品接続部は、請求項3に示すように、セラミック基板から複数方向へ張り出すようにしてもよい。このように、コネクタ接続部及び/又は電子部品接続部をセラミック基板から複数方向へ張り出すことによって、コネクタ及び/又は電子部品の配置自由度を向上させることができる。
また、請求項4に記載の電子制御装置では、筐体は、セラミック基板が搭載される面の裏面を取り付け対象への取り付け面とすることを特徴とするものである。
このように、筐体のセラミック基板が搭載される面の裏面を取り付け対象への取り付け面とすることによって、複合回路基板の放熱性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の電子制御装置では、露出部は、取り付け面に対して反対方向に露出されることを特徴とするものである。
このように、コネクタの露出部を取り付け面に対して反対方向に露出させることによって、外部との接続性を向上させることができる。
また、請求項6に記載の電子制御装置では、熱可塑性樹脂基板は、セラミック基板の端部に対応する部位とコネクタ接続部及び/又は電子部品接続部との間に可撓性の屈曲部を備えることを特徴とするものである。
このように、セラミック基板の端部に対応する部位とコネクタ接続部及び/又は電子部品接続部との間の熱可塑性樹脂基板に可撓性の屈曲部を備えることによって、コネクタ及び/又は電子部品の配置自由度をより一層向上させることができる。
また、請求項7に記載の電子制御装置では、コネクタ接続部は、屈曲部を介してセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置され、露出部は、セラミック基板の主面における筐体と対向する面の反対面側にて取り付け面に対して反対方向に露出されることを特徴とするものである。
このように、コネクタ接続部をセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置して、露出部を取り付け面の反対方向に露出させることによって、電子制御装置の体格を小型化することができる。
また、請求項8に記載の電子制御装置では、電子部品接続部は、屈曲部を介してセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置され、電子部品は、セラミック基板の主面に対応する位置に配置されることを特徴とするものである。
このように、電子部品接続部をセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置して、電子部品をセラミック基板の主面に対応する位置に配置することによって、より一層電子制御装置の体格を小型化することができる。
また、請求項9に示すように、電子部品は、屈曲部を介してセラミック基板の主面に対応する位置に配置し、コネクタ接続部は、電子部品の両端に配置するようにしてもよい。また、請求項10に示すように、電子部品は、保持部材に保持された状態で、電子部品接続部に電気的に接続するようにしてもよい。
また、請求項1に記載の電子制御装置では、保持部材及びコネクタ接続部は、共に矩形形状を有するものであり、保持部材は、セラミック基板の主面に対して平行な状態でコネクタ接続部に対して略十字形状に交差するように配置され、筐体は、コネクタ接続部と保持部材との交差部付近であり、かつ非重複部に取り付け対象への取り付け部を備えることを特徴とするものである。
このように、保持部材をセラミック基板の主面に対して平行な状態でコネクタ接続部に対して略十字形状に交差するように配置し、コネクタ接続部と保持部材との交差部付近であり、かつ非重複部に取り付け対象への取り付け部を備えることによって、空いた領域に取り付け部を設けることができ、電子制御装置の体格を小型化することができる。
また、請求項1に示すように、保持部材を支持する第1の支持部材を備えるようにしてもよい。また、請求項1に示すように、コネクタ接続部を支持する第2の支持部材を備えるようにしてもよい。また、請求項1に示すように、電子部品接続部を支持する第3の支持部材を備えるようにしてもよい。
また、コネクタは、請求項1に示すように、導電性材料からなるコネクタピンもしくは電気接続パッドと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、筐体は、コネクタ接続部に対応する位置にコネクタハウジングを貫通させるハウジング貫通部を備えるものであり、コネクタ接続部において、コネクタハウジングをハウジング貫通部に挿入し、コネクタピンもしくは電気接続パッドと導体パターンとを電気的に接続されると共に、コネクタハウジングと熱可塑性樹脂基板とが機械的に接続されるようにすることによって、接着剤などを用いることなくコネクタを機械的に接続することができる。
また、コネクタは、請求項1に示すように、導電性材料からなるコネクタピンと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、筐体は、コネクタ接続部に対応する位置に前記コネクタピンを貫通させる貫通穴を備えるものであり、コネクタピンは、貫通穴を通してコネクタ接続部における導体パターンと電気的に接続されると共に、コネクタハウジングは、接続部材にて筐体と機械的に接続されるようにしてもよい。
また、請求項17に記載の電子制御装置では、コネクタは、複数の大電流用コネクタピンと複数の小電流用コネクタピンとを備えるものであり、回路素子は、大電流用回路素子と小電流用回路素子とを備え、大電流用回路素子と小電流用回路素子とは、熱可塑性樹脂基板上に区分けされて実装されるものであり、コネクタ接続部は、大電流用回路素子と電気的に接続される大電流領域及び小電流用回路素子と電気的に接続される小電流領域とを備え、コネクタ接続部は、大電流用コネクタピンと大電流領域及び小電流用コネクタピンと小電流領域とが近傍となるように配置され、電子部品接続部は、大電流用回路素子の近傍に配置されることを特徴とするものである。
このように、コネクタ接続部は、大電流用コネクタピンと大電流領域及び小電流用コネクタピンと小電流領域とが近傍となるように配置され、電子部品接続部は、大電流用回路素子の近傍に配置されることによって、導体パターンを効率的に配置することができる。
また、請求項18に記載の電子制御装置の製造方法では、セラミック基板上に導体パターンが形成された熱可塑性樹脂基板を積層する積層工程と、熱可塑性樹脂基板上に回路素子を実装する実装工程とによって形成される複合回路基板を筐体のベースに搭載する搭載工程と、ベースと筐体のカバーとを接続することによって、複合回路基板と外部との電気的接続を行なうコネクタの外部接続用の露出部を露出させた状態で複合回路基板を筐体内に収納する収納工程と、熱可塑性樹脂基板は、セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分に導体パターンを含むコネクタ接続部を備え、コネクタ接続部にコネクタを接続するコネクタ接続工程とを備えることを特徴とするものである。
このように、熱可塑性樹脂基板は、セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分に導体パターンを含むコネクタ接続部を備え、コネクタ接続部にコネクタを接続することによって、容易にコネクタを接続することができる。
また、複合回路基板は、請求項19に示すように、セラミック基板と熱可塑性樹脂基板とを加圧しつつ加熱することにより製造することができる。
また、請求項20に記載の電子制御装置の製造方法では、熱可塑性樹脂基板は、セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分にスルーホール型の電子部品が電気的に接続される導体パターンを含む電子部品接続部を備え、電子部品接続部に電子部品を接続する電子部品接続工程を備えることを特徴とするものである。
このように、熱可塑性樹脂基板は、セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分にスルーホール型の電子部品が電気的に接続される導体パターンを含む電子部品接続部を備え、その電子部品接続部に電子部品を接続することによって、容易に電子部品を接続することができる。
また、請求項21に記載の電子制御装置の製造方法では、筐体におけるセラミック基板が搭載される面の裏面を取り付け面とし、取り付け面を取り付け対象へ取り付ける取り付け工程を備えることを特徴とするものである。
このように、セラミック基板が搭載される面の裏面を取り付け面とし、その取り付け面を取り付け対象へ取り付けることによって、放熱性の良好な電子制御装置を製造することができる。
また、請求項22に記載の電子制御装置の製造方法では、セラミック基板の端部に対応する部位とコネクタ接続部及び/又は電子部品接続部との間における熱可塑性樹脂基板を可撓性の屈曲部とする屈曲部形成工程を備えることを特徴とするものである。
このように、コネクタ接続部及び/又は電子部品接続部との間における熱可塑性樹脂基板を可撓性の屈曲部とすることによって、コネクタ接続部及び/又は電子部品接続部の配置の自由度を向上させることができる。
また、請求項23に記載の電子制御装置の製造方法では、コネクタ接続部を屈曲部を介してセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置し、その位置にコネクタを配置すると共に、露出部を取り付け面に対して反対方向に露出させるコネクタ配置工程を備えることを特徴とするものである。
このように、コネクタ接続部を屈曲部を介してセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置し、その位置にコネクタを配置すると共に、露出部を取り付け面に対して反対方向に露出させることによって、より一層簡単にコネクタを取り付け面に対して反対方向に露出させることができる。
また、請求項24に記載の電子制御装置の製造方法では、電子部品接続部を屈曲部を介してセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置し、その位置に電子部品を配置する電子部品配置工程を備えることを特徴とするものである。
このように、電子部品接続部を屈曲部を介してセラミック基板における筐体と対向する面の反対面側に配置し、その位置に電子部品を配置することによって、より一層簡単に電子部品をセラミック基板の主面に対応する位置に配置することができる。
また、請求項25に記載の電子制御装置の製造方法では、ベースは、コネクタ接続部に対応する位置に接続用貫通部を備えるものであり、接続用貫通部を塞ぐ蓋部材を備え、コネクタ接続工程は、接続用貫通部からコネクタとコネクタ接続部とを接続した後に、蓋部材によって接続用貫通部を塞ぐ工程を備えることを特徴とするものである。
このように、ベースに接続用貫通部と蓋部材を備え、接続用貫通部からコネクタとコネクタ接続部とを接続した後に、蓋部材によって接続用貫通部を塞ぐことによって、容易にコネクタを接続することができる。
また、請求項26に記載の電子制御装置の製造方法では、コネクタは、導電性材料からなるコネクタピンもしくは電気接続パッドと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、筐体は、コネクタ接続部に対応する位置にコネクタハウジングを貫通させるハウジング貫通部を備えるものであり、コネクタ接続工程は、コネクタハウジングをハウジング貫通部に挿入し、コネクタ接続部において、コネクタピンもしくは電気接続パッドと導体パターンとを電気的に接続すると共に、コネクタハウジングと熱可塑性樹脂基板とを機械的に接続することを特徴とするものである。
このように、コネクタ接続工程は、コネクタ接続部において、コネクタピンと導体パターンとを電気的に接続すると共に、コネクタハウジングと熱可塑性樹脂基板とを機械的に接続することによって、接着剤などを用いることなく用意にコネクタを接続することができる。
また、請求項27に記載の電子制御装置の製造方法では、コネクタは、導電性材料からなるコネクタピンと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、筐体は、コネクタ接続部に対応する位置に前記コネクタピンを貫通させる貫通穴を備えるものであり、コネクタ接続工程は、コネクタピンを貫通穴に通してコネクタ接続部における導体パターンと電気的に接続すると共に、コネクタハウジングと筐体とを接続部材にて機械的に接続することを特徴とするものである。
このように、コネクタ接続工程は、コネクタピンを貫通穴に通してコネクタ接続部における導体パターンと電気的に接続すると共に、コネクタハウジングと筐体とを接続部材にて機械的に接続するようにしてよもよい。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。図2(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態における電子制御装置の製造方法を示す工程別断面図である。
図1(a)(b)に示すように、本実施の形態における電子制御装置(以下、ECUとも称する)1は、カバー2及びベース3を備える筐体、熱可塑性樹脂基板10及びセラミック基板11などを備える複合回路基板、コネクタハウジング21及びコネクタピン22などを備えるコネクタ20などを備える。
筐体は、複合回路基板を収納するものであり、アルミや樹脂などかなるカバー2及びベース3を備える。カバー2は、コネクタピン22を筐体内に挿入するための貫通穴を備える。ベース3は、ECU1を螺子などによって取り付け対象(例えば、エンジン本体など)へ取り付ける際の取り付け部3a、熱可塑性樹脂基板10の導体パターンとコネクタピン22とを電気的に接続する際の作業領域である接続用貫通部43a、及びこの接続用貫通部43aを塞ぐ蓋部材43を備える。
また、本実施の形態においては、ベース3の取り付け対象への取り付け面の裏面に複合回路基板を搭載する。このように、取り付け対象への取り付け面の裏面に複合回路基板を搭載することによって、複合回路基板から発生する熱を効率的に取り付け対象へ放熱することができるため、複合回路基板の放熱性を向上させることができる。
複合回路基板は、印刷抵抗などが形成されたセラミック基板11上に導体パターンが形成された熱可塑性樹脂基板10が積層された回路基板である。セラミック基板11は、アルミナなどからなる基板であり、導体パターン及び印刷抵抗(図示せず)を備える。
熱可塑性樹脂基板10は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%などからなる厚さ25〜75μmの熱可塑性樹脂フィルムを複数枚積層してなるものである。
この熱可塑性樹脂フィルムは、表面に貼着された導体箔(例えば、厚さ18μmの銅箔)をエッチングによりパターン形成した導体パターンを有する。この導体パターンは、回路素子の電極に対応する位置などに形成される。また、熱可塑性樹脂基板10は、導体パターンを底面とする有底ビアホール、及び有底ビアホール内に充填された導電ペーストからなる層間接続部を有する。熱可塑性樹脂基板10は、このように導体パターン及び導電ペーストが形成された熱可塑性樹脂フィルムを積層して熱圧着することによって形成される。
なお、導電ペーストは、平均粒径5μm、比表面積0.5m/gの錫粒子300gと、平均粒径1μm、比表面積1.2m/gの銀粒子300gとに、有機溶剤であるテルピネオール60gを加え、これをミキサーによって混練しペースト化したものである。また、熱可塑性樹脂基板10としは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムに限定されるものでなく、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂に非導電性フィラを充填したフィルムであってもよいし、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリエーテルイミド(PEI)を単独で使用することも可能である。
この熱可塑性樹脂基板10のセラミック基板11に対応する領域、すなわちセラミック基板11と接する面の反対の面には、MOSFETやICなどからなる基板実装型電子部品(以下、回路素子とも称する)13などが実装される。
また、熱可塑性樹脂基板10は、セラミック基板11から張り出した部分にコンデンサやコイルなどからなる大出力回路用大型電子部品、すなわちスルーホールデバイス(本発明における電子部品であり、以下、電子部品とも称する)32、33の接続領域である導体パターンを含む電子部品接続部10aを備える。この電子部品32、33は、リード32a、33aを備え、このリード33a、33aを介して熱可塑性樹脂基板10の導体パターンと電気的に接続される。
この電子部品接続部10aは、セラミック基板11から張り出した部分であるため、セラミック基板11をベース3に搭載した場合、ベース3から浮いた状態となってしまい、耐震性が低下する可能性がある。そこで、電子部品接続部10aは、支持部材(本発明における第3の支持部材に相当)40cで支持すると好適である。また、電子部品接続部10aは、支持部材40cで支持すると共に、螺子41にて固定することによって、より一層耐震性を向上させることができる。なお、電子部品接続部10aを螺子41にて固定する場合、電子部品接続部10a及び支持部材40cに螺子穴を設けておく。
さらに、熱可塑性樹脂基板10は、セラミック基板11から張り出した部分にコネクタ20の接続領域である導体パターンを含むコネクタ接続部10bを備える。このコネクタ20は、コネクタハウジング21、コネクタピン22を備え、このコネクタピン22を介して熱可塑性樹脂基板10の導体パターンと電気的に接続されると共に、このコネクタハウジング21を介してカバー2と機械的に接続される。コネクタハウジング21とカバー2とを機械的に接続する際には、螺子や接着剤などの接続部材によって接続される。
このコネクタ接続部10bに関しても、セラミック基板11から張り出した部分であるため、セラミック基板11をベース3に搭載した場合、ベース3から浮いた状態となってしまい、耐震性が低下する可能性がある。そこで、電子部品接続部10aと同様にコネクタ接続部10bは、支持部材(本発明における第2の支持部材に相当)40bで支持すると好適である。なお、支持部材40b及び支持部材40cは、ベース3と一体に設けてもよいし、別体に設けてもよい。
なお、コネクタ20は、少なくとも一部が筐体の外に露出される外部接続用の露出部(本実施の形態においては、コネクタハウジング21及びコネクタハウジング21内のコネクタピン22)が取り付け対象への取り付け面に対して反対方向に露出するようにカバー2に接続される。このように、コネクタ20の露出部を取り付け面に対して反対方向に露出させることによって、外部との接続性を向上させることができる。
ここで、本実施の形態のECU1の製造方法について図2に基づいて説明する。まず、図2(a)に示すように、複合回路基板を形成する。この複合回路基板は、まず導体パターン及び印刷抵抗(図示せず)などを形成したセラミック基板11上に、このセラミック基板11よりも大きい熱可塑性樹脂基板10をセラミック基板11から張り出すように積層する。そして、セラミック基板11上に熱可塑性樹脂基板10を積層した状態において、これらの上下両面から真空加熱プレス機などにより加熱しながら加圧する。例えば、250〜350℃の温度に加熱し1〜10MPaの圧力で10〜20分間加圧する。これにより、熱可塑性樹脂基板10とセラミック基板11相互が接着される。
次に、熱可塑性樹脂基板10のセラミック基板11に対応する領域、すなわちセラミック基板11と接する面の反対の面に回路素子13を実装する。次に、セラミック基板11から張り出した部分である電子部品接続部10aに、電子部品接続部10aの導体パターンとリード32a、33aとを電気的に接続すると共に、電子部品接続部10aの熱可塑性樹脂フィルムと電子部品32、33とを機械的に接続する。
次に、図2(b)に示すように、図2(a)にて形成した複合回路基板を支持部40b、40cが形成されたベース3上に接着剤12を介して搭載する。複合回路基板をベース3に搭載する場合、複合回路基板のセラミック基板11の裏面(ベース3と対向する面)に接着剤12を設ける。そして、電子部品接続部10aの螺子穴(図示せず)と支持部材40cの螺子穴(図示せず)とで位置合せを行なう。そして、複合回路基板とベース3とを螺子41によって接続する。
次に、図2(c)に示すように、複合回路基板が搭載されたベース3にカバー2を被せ、接着剤もしくは溶接などによってベース3とカバー2とを接続する。このようにして、筐体(カバー2、ベース3)内に複合回路基板を収納する。次に、コネクタ20をカバー2に機械的に接続すると共に、複合回路基板に電気的に接続するために、カバー2の貫通穴にコネクタピン22を貫通させつつ、コネクタハウジング21をカバー2に載置する。そして、コネクタハウジング21とカバー2とを螺子や接着剤などの接続部材によって機械的に接続すると共に、接続用貫通部43aからコネクタピン22とコネクタ接続部10bの導体パターンとを電気的に接続する。そして、接続用貫通部43aを蓋部材43にて塞ぐ。
このように、セラミック基板11から張り出した熱可塑性樹脂基板10に導体パターンを含む電子部品接続部10a、コネクタ接続部10bを備え、この電子部品接続部10a、コネクタ接続部10bにて電子部品32、33、コネクタ20を導体パターンと電気的に接続することによって、複合回路基板にコネクタ20との電気的接続用の領域(接続ワイヤを接続するための領域)が不要となり大型化を抑制することができる。
すなわち、複合回路基板とコネクタ20及び電子部品32、33とを熱可塑性樹脂基板10の導体パターンによって電気的に接続しているための、接続ワイヤが不要になる。したがって、接続ワイヤを複合回路基板にボンディングする際のボンディング領域が不要となり、複合回路基板の大型化を抑制することができる。さらに、複合回路基板に接続ワイヤをボンディングする場合、ボンディング装置のツールが回路素子13などに干渉する可能性がある。このようにツールが回路素子に干渉しないようにするために複合回路基板に逃げ領域を設ける必要があった。しかしながら、複合回路基板とコネクタ20及び電子部品32、33とを熱可塑性樹脂基板10の導体パターンによって電気的に接続しているための、この逃げ領域も不要になるため、複合回路基板の大型化を抑制することができる。
なお、電子部品接続部10a及び/又はコネクタ接続部10bは、セラミック基板11から複数方向へ張り出すようにしてもよい。このように、電子部品接続部10a及び/又はコネクタ接続部10bをセラミック基板11から複数方向へ張り出すことによって、コネクタ20及び/又は電子部品32、33の配置自由度を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、コンデンサやコイルなどからなるスルーホール型電子部品(電子部品)32、33を備えるECU1を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スルーホール型電子部品(電子部品)32、33を用いないECU1にも適用できるものである。
また、本実施の形態においては、コネクタハウジング21は、カバー2と機械的に接続する例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コネクタ接続部10bの熱可塑性樹脂基板10と接続するようにしてもよい。すなわち、カバー2のコネクタ接続部10bに対応する位置に、コネクタハウジング21を貫通させるハウジング貫通部を設ける。そして、このコネクタ貫通部にコネクタハウジング21を貫通させた状態で、コネクタピン22とコネクタ接続部10bの導体パターンとを電気的に接続し、コネクタハウジングとコネクタ接続部10bの熱可塑性樹脂フィルムとを機械的に接続するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、コネクタ20は、少なくとも一部が筐体の外に露出される外部接続用の露出部が取り付け対象への取り付け面に対して反対方向に露出するようにカバー2に接続される例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。コネクタ20は、ECU1を取り付け対象に取り付けた際に、コネクタ20と外部との接続が容易になる位置に露出部が露出させるようにすればよい。
また、本実施の形態においては、コネクタ20は、コネクタピン22を備える例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。コネクタ20は、コネクタ接続部10bの導体パターンとを電気的に接続する部材を有すればよく、導電性部材からなる電気接続パッドなどであってもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。図4(a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態における電子制御装置の製造方法を示す工程別断面図である。
第2の実施の形態におけるECU1は、上述の第1の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と異なる点は、熱可塑性樹脂基板10が可撓性の屈曲部10a1を備える点、電子部品32、33を保持する電子部品保持部材30、電子部品用基板31を備える点、及び電子部品用基板31、電子部品保持部材30を支持する支持部材40aを備える点である。
図3に示すように、熱可塑性樹脂基板10は、セラミック基板11から張り出した部分であって、セラミック基板11の端部に対応する部位と電子部品接続部10aとの間に可撓性の屈曲部10a1を備える。この屈曲部10a1は、熱可塑性樹脂基板10の構成部材である導体パターン及び導電ペーストが形成された熱可塑性樹脂フィルムの材料及び/又は枚数を調整することによって形成されるものである。
電子部品保持部材30は、電子部品32、33の体格に応じた収容部(図示せず)、電子部品32、33のリード32a、33aを貫通させる貫通穴(図示せず)、及び螺子41にて支持部材(本発明における第1の支持部材に相当)40aに固定するための螺子穴(図示せず)などを備える。この電子部品保持部材30は、電子部品用基板31を介して電子部品接続部10aに接続されている。そして、電子部品保持部30は、屈曲部10a1を介してセラミック基板11の主面に対応する位置に配置される。なお、支持部材40aは、ベース3と一体に設けてもよいし、別体に設けてもよい。
電子部品32、33は、リード32a、33aを貫通穴に貫通させつつ電子部品保持部材30に保持される。また、電子部品32、33は、電子部品保持部材30に保持された状態でリード32a、33aと電子部品用基板31を介して熱可塑性樹脂基板10の電子部品接続部10aに電気的に接続される。
ここで、本実施の形態のECU1の製造方法について図4に基づいて説明する。まず、図4(a)に示すように、複合回路基板を形成する。この複合回路基板は、セラミック基板11上に、このセラミック基板11よりも大きい熱可塑性樹脂基板10をセラミック基板11から電子部品接続部10a、屈曲部10a1及びコネクタ接続部10bが張り出すように積層する。
次に、熱可塑性樹脂基板10のセラミック基板11に対応する領域、すなわちセラミック基板11と接する面の反対の面に回路素子13を実装する。次に、セラミック基板11から張り出した部分である電子部品接続部10aに、屈曲部10a1及び電子部品用基板31を介して電子部品32、33を保持した電子部品保持部材30を接続する。すなわち、電子部品接続部10aの導体パターンとリード32a、33aとを電子部品用基板31を介して電気的に接続すると共に、電子部品接続部10aの熱可塑性樹脂フィルムと電子部品用基板31とを機械的に接続する。なお、電子部品用基板31は、熱可塑性樹脂基板10の回路素子13が実装される面とは反対の面に接続される。
次に、図4(b)に示すように、図4(a)にて形成した複合回路基板を支持部40a、40bが形成されたベース3上に接着剤12を介して搭載する。そして、電子部品保持部材30をセラミック基板11の主面に対応する位置、すなわちセラミック基板11の主面に対向する位置に屈曲部10a1を介して配置する。この時、電子部品用基板31及び電子部品保持部材30の螺子穴(図示せず)と支持部材40aの螺子穴(図示せず)とで位置合せを行なう。そして、複合回路基板とベース3とを螺子41によって接続する。
次に、図4(c)では、上述の実施の形態と同様に複合回路基板を筐体(カバー2、ベース3)内に収納し、コネクタ20を搭載する。
このように、セラミック基板11の端部に対応する部位と電子部品接続部10aとの間の熱可塑性樹脂基板10に可撓性の屈曲部10a1を備えることによって、電子部品32、33の配置自由度をより一層向上させることができる。
また、電子部品接続部10aをセラミック基板11の主面に対応する位置に配置して、電子部品32、33(電子部品保持部材30、電子部品用基板31)をセラミック基板11の主面に対応する位置、すなわちセラミック基板11に対向する位置に配置することによって、より一層ECU1の体格を小型化することができる。
なお、本実施の形態においては、電子部品接続部10aと電子部品用基板31とを別部材で構成する例を用いて説明しているが本発明はこれに限定されるものではない。電子部品用基板31を用いずに、電子部品保持部材30と電子部品接続部10aとを直接接続してもよい。すなわち、電子部品用基板31を熱可塑性樹脂基板10で一体に設けても良い。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図5は、本発明の第3の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。図6(a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態における電子制御装置の製造方法を示す工程別断面図である。
第3の実施の形態におけるECU1は、上述の第1及び第2の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第3の実施の形態において、上述の第1及び第2の実施の形態と異なる点は、熱可塑性樹脂基板10が可撓性の屈曲部10b1を備える点である。
図5に示すように、熱可塑性樹脂基板10は、セラミック基板11から張り出した部分であって、セラミック基板11の端部に対応する部位と電子部品接続部10aとの間に可撓性の屈曲部10a1を備える。さらに、熱可塑性樹脂基板10は、セラミック基板11から張り出した部分であって、セラミック基板11の端部に対応する部位とコネクタ接続部10bとの間に可撓性の屈曲部10b1を備える。この屈曲部10a1及び屈曲部10b1は、熱可塑性樹脂基板10の構成部材である導体パターン及び導電ペーストが形成された熱可塑性樹脂フィルムの材料及び/又は枚数を調整することによって形成されるものである。
コネクタ20は、カバー2のコネクタ接続部10bに対応する位置に設けられたハウジング貫通部に挿入される。そして、このコネクタ貫通部にコネクタハウジング21を貫通させた状態で、コネクタピン22とコネクタ接続部10bの導体パターンとを電気的に接続し、コネクタハウジングとコネクタ接続部10bの熱可塑性樹脂フィルムとを機械的に接続する。なお、コネクタハウジング21とカバー2のハウジング貫通部とを接着剤などで接続してもよい。そして、コネクタ20は、屈曲部10b1を介してセラミック基板11の主面に対応する位置、すなわちセラミック基板11の主面に対向する位置に配置される。
ここで、本実施の形態のECU1の製造方法について図6に基づいて説明する。まず、図6(a)に示すように、複合回路基板を形成する。この複合回路基板は、セラミック基板11上に、このセラミック基板11よりも大きい熱可塑性樹脂基板10をセラミック基板11から電子部品接続部10a、屈曲部10a1及びコネクタ接続部10b、屈曲部10b1が張り出すように積層する。
次に、熱可塑性樹脂基板10のセラミック基板11に対応する領域、すなわちセラミック基板11と接する面の反対の面に回路素子13を実装する。次に、セラミック基板11から張り出した部分である電子部品接続部10aに、電子部品用基板31を介して電子部品32、33を保持した電子部品保持部材30を接続する。すなわち、電子部品接続部10aの導体パターンとリード32a、33aとを電子部品用基板31を介して電気的に接続すると共に、電子接続部10aの熱可塑性樹脂フィルムと電子部品用基板31とを機械的に接続する。なお、電子部品用基板31は、熱可塑性樹脂基板10の回路素子13が実装される面とは反対の面に接続される。
また、同様にセラミック基板11から張り出した部分であるコネクタ接続部10bに、コネクタ20を接続する。すなわち、コネクタ接続部10bの導体パターンとコネクタピン22とを電気的に接続すると共に、コネクタ接続部10bの熱可塑性樹脂フィルムとコネクタハウジング21とを機械的に接続する。なお、コネクタ22は、熱可塑性樹脂基板10の回路素子13が実装される面とは反対の面に接続される。
次に、図6(b)に示すように、図6(a)にて形成した複合回路基板を支持部40aが形成されたベース3上に接着剤12を介して搭載する。そして、電子部品保持部材30をセラミック基板11の主面に対応する位置、すなわちセラミック基板11の主面に対向する位置に屈曲部10a1を介して配置する。この時、電子部品用基板31及び電子部品保持部材30の螺子穴(図示せず)と支持部材40aの螺子穴(図示せず)とで位置合せを行なう。そして、複合回路基板とベース3とを螺子41によって接続する。
次に、図6(c)では、コネクタ20をカバー2のコネクタ接続部10bに対応する位置に設けられたハウジング貫通部に挿入する。そして、このコネクタ貫通部にコネクタハウジング21を貫通させた状態で、コネクタピン22とコネクタ接続部10bの導体パターンとを電気的に接続し、コネクタハウジングとコネクタ接続部10bの熱可塑性樹脂フィルムとを機械的に接続する。
そして、カバー2で複合回路基板を覆うようにすることによって、コネクタ20をセラミック基板11の主面に対応する位置、すなわちセラミック基板11の主面に対向する位置に屈曲部10b1を介して配置する。さらに、接着剤もしくは溶接などによってベース3とカバー2とを接続する。
このように、セラミック基板11の端部に対応する部位とコネクタ接続部10bとの間の熱可塑性樹脂基板10に可撓性の屈曲部10b1を備えることによって、コネクタ22の配置自由度をより一層向上させることができる。
また、熱可塑性樹脂基板10のセラミック基板11から張り出した部分である屈曲部10b1を介してコネクタ22を接続することによって、コネクタ22の露出部を取り付け対象への取り付け面に対して反対方向に露出するように接続する場合であっても、容易にコネクタ22を接続することができる。
また、熱可塑性樹脂基板10は、セラミック基板11から張り出した形状を成し、その張り出した部分に導体パターンを含むコネクタ接続部10bを備え、コネクタ接続部10bにコネクタ22を接続することによって、容易にコネクタ22を接続することができる。
また、本実施の形態においては、コネクタ20は、コネクタピン22を備える例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。コネクタ20は、コネクタ接続部10bの導体パターンとを電気的に接続する部材を有すればよく、導電性部材からなる電気接続パッドなどであってもよい。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図7は、本発明の第4の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は電子部品を搭載した状態の平面図であり、(b)は電子部品を搭載していない状態の平面図である。
第4の実施の形態におけるECU1は、上述の第1乃至第3の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第4の実施の形態において、上述の第1乃至第3の実施の形態と異なる点は、回路素子13の実装領域を区分けする点、コネクタ20を複数個所に設ける点、電子部品接続部10a及びコネクタ接続部10bを異ならせる点である。
熱可塑性樹脂基板10に実装される回路素子13は、大電流用回路素子と小電流用回路素子とからなる。このように大電流用回路素子と小電流用回路素子とを熱可塑性樹脂基板10に実装する場合、図7(b)に示すように大電流用回路素子の実装領域(大電流用回路素子領域a2)と小電流用回路素子の実装領域(小電流用回路素子領域a1)とに区分けする。このように、実装領域を小電流用回路素子領域a1と大電流用回路素子領域a2とに区分けすることによって、配線(導体パターン)の引き回しを簡素化することができる。
また、回路素子13が大電流用回路素子と小電流用回路素子とに分かれる場合、大電流用回路素子に接続するコネクタピン22の直径と小電流用回路素子に接続するコネクタピン22の直径も異なるものである。すなわち、大電流用回路素子に接続するコネクタピン22の直径は、小電流用回路素子に接続するコネクタピン22の直径に比べて大きいものである。よって、コネクタ接続部10bにおけるコネクタピン22のスルーホールの直径も異なることとなる。
したがって、図7(b)に示すように、小電流用回路素子領域a1と小電流用回路素子に対応するコネクタピンを挿入するためのスルーホール領域(小電流領域a11)、大電流用回路素子領域a2と大電流用回路素子に対応するコネクタピンを挿入するためのスルーホール領域(大電流領域a21)とが近傍となるようにコネクタ接続部10bを配置すると、より一層配線(導体パターン)の引き回しを簡素化することができる。
また、図7(a)に示すように、熱可塑性樹脂基板10は、コネクタ接続部10bがセラミック基板11から2方向に張り出すように形成し、電子部品接続部10aが大電流用回路素子領域a2の近傍でありコネクタ接続部10bに対してT字状になるように形成する。そして、電子部品保持部材30を屈曲部10a1を介してセラミック基板11の主面に対して平行な状態でコネクタ接続部10bに対して略十字形状に交差するように配置する。そして、ベース3の取り付け対象への取り付け部3bは、コネクタ接続部10bと電子部品保持部材30との交差部付近であり、かつコネクタ接続部10bと電子部品保持部材30の非重複部に形成するとよい。
このように、電子部品保持部材30をセラミック基板11の主面に対して平行な状態でコネクタ接続部10bに対して略十字形状に交差するように配置し、コネクタ接続部10bと電子部品保持部材30との交差部付近であり、かつコネクタ接続部10bと電子部品保持部材30の非重複部に取り付け部3bを備えることによって、空いた領域に取り付け部3bを設けることができ、ECU1の体格を小型化することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態における電子制御装置の製造方法を示す工程別断面図である。 本発明の第2の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態における電子制御装置の製造方法を示す工程別断面図である。 本発明の第3の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態における電子制御装置の製造方法を示す工程別断面図である。 本発明の第4の実施の形態における電子制御装置の概略構成を示す図面であり、(a)は電子部品を搭載した状態の平面図であり、(b)は電子部品を搭載していない状態の平面図である。 特許文献1における電子制御装置の概略構成を示す断面図である。 特許文献2における回路基板の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 ECU、2 カバー、3 ベース、3a 取り付け部、3b 螺子、10 熱可塑性樹脂基板、10a 電子部品接続部、10a1 屈曲部、10b コネクタ接続部、10b1 屈曲部、11 セラミック基板、12 接着剤、13 回路素子、20 コネクタ、21 コネクタハウジング、22 コネクタピン、30 電子部品保持部材、31 電子部品用基板、32 スルーホール型電子部品(電子部品)、32a リード、33 スルーホール型電子部品(電子部品)、33a リード、40a〜40c 支持部材(第1の支持部材〜第3の支持部材)、41 螺子、43 蓋部材、43a 接続用貫通部、a1 小電流用回路素子領域、a2 大電流用回路素子領域、a11 小電流領域、a21 大電流領域

Claims (27)

  1. 筐体と、
    セラミック基板の主面上に導体パターンが形成された熱可塑性樹脂基板が積層され、当該熱可塑性樹脂基板上に回路素子が実装された複合回路基板と、
    前記複合回路基板と外部との電気的接続を行なうものであり、少なくとも一部が前記筐体の外に露出される外部接続用の露出部を備えるコネクタとを備える電子制御装置であって、
    前記複合回路基板は、前記セラミック基板と前記筐体の内壁部とが接するよう当該筐体に搭載され、前記熱可塑性樹脂基板は、前記セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分に前記導体パターンを含むコネクタ接続部を備え、前記コネクタは、当該コネクタ接続部にて当該導体パターンと電気的に接続されることを特徴とする電子制御装置。
  2. 前記熱可塑性樹脂基板は、前記セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分にスルーホール型の電子部品が電気的に接続される前記導体パターンを含む電子部品接続部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
  3. 前記コネクタ接続部及び/又は前記電子部品接続部は、前記セラミック基板から複数方向へ張り出すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子制御装置。
  4. 前記筐体は、前記セラミック基板が搭載される面の裏面を取り付け対象への取り付け面とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子制御装置。
  5. 前記露出部は、前記取り付け面に対して反対方向に露出されることを特徴とする求項4に記載の電子制御装置。
  6. 前記熱可塑性樹脂基板は、前記セラミック基板の端部に対応する部位と前記コネクタ接続部及び/又は前記電子部品接続部との間に可撓性の屈曲部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子制御装置。
  7. 前記コネクタ接続部は、前記屈曲部を介して前記セラミック基板における前記筐体と対向する面の反対面側に配置され、前記露出部は、前記セラミック基板における前記筐体と対向する面の反対面側にて前記取り付け面に対して反対方向に露出されることを特徴とする請求項6に記載の電子制御装置。
  8. 前記電子部品接続部は、前記屈曲部を介して前記セラミック基板における前記筐体と対向する面の反対面側に配置され、前記電子部品は、前記セラミック基板における前記筐体と対向する面の反対面側に配置されることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の電子制御装置。
  9. 前記電子部品は、前記屈曲部を介して前記セラミック基板における前記筐体と対向する面の反対面側に配置され、前記コネクタ接続部は、前記電子部品の両端に配置されることを特徴とする請求項乃至請求項8のいずれかに記載の電子制御装置。
  10. 前記電子部品は、保持部材に保持された状態で、前記電子部品接続部に電気的に接続されることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の電子制御装置。
  11. 前記保持部材及び前記コネクタ接続部は、共に矩形形状を有するものであり、前記保持部材は、前記セラミック基板の主面に対して平行な状態で前記コネクタ接続部に対して略十字形状に交差するように配置され、前記筐体は、前記コネクタ接続部と前記保持部材との交差部付近であり、かつ非重複部に取り付け対象への取り付け部を備えることを特徴とする求項10に記載の電子制御装置。
  12. 前記保持部材を支持する第1の支持部材を備えることを特徴とする請求項10又は請求項11記載の電子制御装置。
  13. 前記コネクタ接続部を支持する第2の支持部材を備えることを特徴とする請求項乃至請求項12のいずれかに記載の電子制御装置。
  14. 前記電子部品接続部を支持する第3の支持部材を備えることを特徴とする請求項乃至請求項13のいずれかに記載の電子制御装置。
  15. 前記コネクタは、導電性材料からなるコネクタピンもしくは電気接続パッドと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、前記筐体は、前記コネクタ接続部に対応する位置に前記コネクタハウジングを貫通させるハウジング貫通部を備えるものであり、前記コネクタ接続部において、前記コネクタハウジングを前記ハウジング貫通部に挿入し、前記コネクタピンもしくは前記電気接続パッドと前記導体パターンとが電気的に接続されると共に、前記コネクタハウジングと前記熱可塑性樹脂基板とが機械的に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれかに記載の電子制御装置。
  16. 前記コネクタは、導電性材料からなるコネクタピンと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、前記筐体は、前記コネクタ接続部に対応する位置に前記コネクタピンを貫通させる貫通穴を備えるものであり、前記コネクタピンは、前記貫通穴を通して前記コネクタ接続部における前記導体パターンと電気的に接続されると共に、前記コネクタハウジングは、接続部材にて前記筐体と機械的に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれかに記載の電子制御装置。
  17. 前記コネクタは、複数の大電流用コネクタピンと複数の小電流用コネクタピンとを備えるものであり、前記回路素子は、大電流用回路素子と小電流用回路素子とを備え、当該大電流用回路素子と当該小電流用回路素子とは、前記熱可塑性樹脂基板上に区分けされて実装されるものであり、前記コネクタ接続部は、前記大電流用回路素子と電気的に接続される大電流領域及び前記小電流用回路素子と電気的に接続される小電流領域とを備え、前記コネクタ接続部は、前記大電流用コネクタピンと前記大電流領域及び前記小電流用コネクタピンと前記小電流領域とが近傍となるように配置され、前記電子部品接続部は、前記大電流用回路素子の近傍に配置されることを特徴とする請求項2乃至請求項16のいずれかに記載の電子制御装置。
  18. セラミック基板上に導体パターンが形成された熱可塑性樹脂基板を積層する積層工程と、前記熱可塑性樹脂基板上に回路素子を実装する実装工程とによって形成される複合回路基板を筐体のベースに搭載する搭載工程と、
    前記ベースと前記筐体のカバーとを接続することによって、前記複合回路基板と外部との電気的接続を行なうコネクタの外部接続用の露出部を露出させた状態で前記複合回路基板を前記筐体内に収納する収納工程と、
    前記熱可塑性樹脂基板は、前記セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分に前記導体パターンを含むコネクタ接続部を備え、当該コネクタ接続部に前記コネクタを接続するコネクタ接続工程と、
    を備えることを特徴とする電子制御装置の製造方法。
  19. 前記複合回路基板は、前記セラミック基板と前記熱可塑性樹脂基板とを加圧しつつ加熱することにより、前記セラミック基板と前記熱可塑性樹脂基板とを接続することを特徴とする請求項18に記載の電子制御装置の製造方法。
  20. 前記熱可塑性樹脂基板は、前記セラミック基板から張り出した形状を成し、その張り出した部分にスルーホール型の電子部品が電気的に接続される前記導体パターンを含む電子部品接続部を備え、当該電子部品接続部に前記電子部品を接続する電子部品接続工程を備えることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の電子制御装置の製造方法。
  21. 前記筐体における前記セラミック基板が搭載される面の裏面を取り付け面とし、当該取り付け面を取り付け対象へ取り付ける取り付け工程を備えることを特徴とする請求項18乃至請求項20のいずれかに記載の電子制御装置の製造方法。
  22. 前記セラミック基板の端部に対応する部位と前記コネクタ接続部及び/又は前記電子部品接続部との間における前記熱可塑性樹脂基板を可撓性の屈曲部とする屈曲部形成工程を備えることを特徴とする請求項18乃至請求項21のいずれかに記載の電子制御装置の製造方法。
  23. 前記コネクタ接続部を前記屈曲部を介して前記セラミック基板における前記筐体と対向する面の反対面側に配置し、当該位置にコネクタを配置すると共に、前記露出部を前記取り付け面に対して反対方向に露出させるコネクタ配置工程を備えることを特徴とする求項22に記載の電子制御装置の製造方法。
  24. 前記電子部品接続部を前記屈曲部を介して前記セラミック基板における前記筐体と対向する面の反対面側に配置し、当該位置に前記電子部品を配置する電子部品配置工程を備えることを特徴とする請求項22又は23記載の電子制御装置の製造方法。
  25. 前記ベースは、前記コネクタ接続部に対応する位置に接続用貫通部を備えるものであり、前記接続用貫通部を塞ぐ蓋部材を備え、前記コネクタ接続工程は、当該接続用貫通部から前記コネクタと前記コネクタ接続部とを接続した後に、前記蓋部材によって前記接続用貫通部を塞ぐ工程を備えることを特徴とする請求項18乃至請求項22のいずれかに記載の電子制御装置の製造方法。
  26. 前記コネクタは、導電性材料からなるコネクタピンもしくは電気接続パッドと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、前記筐体は、前記コネクタ接続部に対応する位置に前記コネクタハウジングを貫通させるハウジング貫通部を備えるものであり、前記コネクタ接続工程は、前記コネクタ接続部において、前記コネクタハウジングを前記ハウジング貫通部に挿入し、当該コネクタピンもしくは当該電気接続パッドと前記導体パターンとを電気的に接続すると共に、当該コネクタハウジングと前記熱可塑性樹脂基板とを機械的に接続することを特徴とする請求項18乃至請求項25のいずれかに記載の電子制御装置の製造方法
  27. 前記コネクタは、導電性材料からなるコネクタピンと樹脂材料からなるコネクタハウジングとを備え、前記筐体は、前記コネクタ接続部に対応する位置に前記コネクタピンを貫通させる貫通穴を備えるものであり、前記コネクタ接続工程は、前記コネクタピンを前記貫通穴に通して前記コネクタ接続部における前記導体パターンと電気的に接続すると共に、前記コネクタハウジングと前記筐体とを接続部材にて機械的に接続することを特徴とする請求項18乃至請求項25のいずれかに記載の電子制御装置の製造方法
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