JP4543417B2 - バルブゲート式金型装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂の射出成形などに用いられるバルブゲート式金型装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
製品成形用のキャビティへのゲートまでの材料通路内の成形材料である樹脂を加熱して常時溶融状態に保つホットランナー金型装置において、ゲートをバルブ体であるバルブピンにより機械的に開閉するバルブゲート式金型装置が知られている。なお、ホットランナー金型装置は、成形能率を高めることを目的としたものであり、ゲートを閉じるのは、型開時などにゲートから樹脂が漏れるのを防止するためである。
【0003】
前記バルブピンは、駆動装置である油圧シリンダー装置などの流体圧シリンダー装置により駆動されて軸方向へ直線的に移動するようになっている。したがって、バルブピンは、その一端部が流体圧シリンダー装置のピストンに接続されているが、従来は、バルブピンの一端部のフランジ状の頭部をピストンにねじなどにより固く締めて固定していた。
【0004】
バルブピンは、例えば、前記頭部と反対側の端部が孔状のゲート内に挿脱自在に嵌合してこのゲートを閉じるものであり、バルブピンとゲートとが正確に芯合わせされていないと、バルブピンの作動に支障をきたすおそれがあるとともに、バルブピンおよびゲート間の磨耗が速く進行してしまうおそれもある。そして、バルブピンないしゲートが磨耗すれば、成形された製品のゲート跡にバリが生じるおそれがある。そこで、バルブピンは、ゲートの近くで何らかのバルブピン案内支持部により、ゲートと同軸的に位置するように摺動自在に支持されている。ところが、前述のように、バルブピンの頭部が流体圧シリンダー装置のピストンに固く締めて固定してあると、頭部においてバルブピンの位置および姿勢が規制されてしまい、バルブピンとゲートとの芯合わせに支障をきたしたり、前記バルブピン案内支持部とバルブピンとの間に無理な力が加わったりする問題がある。これは、バルブピンの作動不良や、バルブピンおよびバルブピン案内支持部間のかじりや磨耗などの原因になる。しかも、バルブピンは、熱膨張により寸法が変化するものである。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、バルブ体およびその案内支持部に無理な力が加わることを防止でき、バルブ体を確実に作動させることができるとともに、かじりによるバルブ体やその案内支持部やゲートの磨耗や破損を防止できるバルブゲート式金型装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、材料通路を前記キャビティに連通させるゲートを開閉するバルブ体と、このバルブ体をその軸方向に駆動する駆動装置とを備え、前記バルブ体の一端部に形成されたフランジ状の頭部を前記駆動装置の移動する駆動体に設けられたバルブ体保持部に接続してなるバルブゲート式金型装置において、前記バルブ体保持部は、前記頭部の前記軸方向両側に位置する一対の軸方向規制部と、前記頭部の外周側に位置する径方向規制部とを有し、前記軸方向規制部と前記バルブ体の頭部との間に前記軸方向の隙間を形成したものである。
【0007】
成形時には、複数の型体を型閉してこれら型体間にキャビティを形成した後、駆動装置によりバルブ体をその軸方向に移動させてゲートを開き、材料通路からゲートを介してキャビティ内に成形材料を充填する。ついで、駆動装置によりバルブ体をその軸方向に移動させてゲートを閉じ、さらに、キャビティ内の成形材料が固化した後、型開してキャビティ内の成形材料すなわち成形された製品を取り出す。バルブ体は、その一端部に形成されたフランジ状の頭部が駆動装置の移動する駆動体に設けられたバルブ体保持部に接続してあるが、このバルブ体保持部の軸方向規制部とバルブ体の頭部との間にバルブ体の軸方向の隙間があるために、バルブ体の頭部がバルブ体保持部に対してある程度遊動できる。したがって、バルブ体がゲート側の部分で他のバルブ体案内支持部により摺動自在に支持されていたとしても、あるいは、バルブ体の他端部がゲートに嵌合するものであったとしても、前記バルブ体保持部に対するバルブ体の頭部の遊びにより、このバルブ体保持部におけるバルブ体の頭部の保持に起因して、前記バルブ体案内支持部やゲートにおいてバルブ体に無理な力が加わるようなことがない。これにより、バルブ体が良好に作動するとともに、かじりによるバルブ体やバルブ体案内支持部やゲートの磨耗や破損が防止される。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明のバルブゲート式金型装置において、前記径方向規制部と前記バルブ体の頭部との間に前記軸方向と直交する方向の隙間を形成したものである。
【0009】
これにより、駆動体のバルブ体保持部に対するバルブピンの変位の自由度がより増大し、バルブ体に無理な力が加わることがより確実に防止される。また、特にバルブ体に回転方向の力すなわち捩じり力が加わっても、バルブ体が回転できることにより、バルブ体に無理な力が加わらず、かじりが防止される。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明のバルブゲート式金型装置において、前記一対の軸方向規制部の一方または両方を板体により形成するとともに、前記径方向規制部をスペーサーリングにより形成し、このスペーサーリングの両端を前記一対の軸方向規制部にそれぞれ当接することにより、前記軸方向規制部と前記バルブ体の頭部との間に前記軸方向の隙間を形成したものである。
【0011】
これにより、板体やリングといった単純な構成の部品を組み合わせて、前記軸方向の隙間を形成することが可能になる。また、製造上、この隙間の寸法の調整も容易である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明のバルブゲート式金型装置において、前記バルブ体は、前記ゲートに挿脱自在に嵌合するものであり、前記駆動装置よりもゲート側の位置で前記バルブ体をゲートと同軸的に位置するように摺動自在に支持するバルブ体案内支持部を備えたものである。
【0013】
このような構成となっている場合に、前述のように駆動体のバルブ体保持部とバルブ体の頭部との間に隙間を形成することが特に効果的である。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明のバルブゲート式金型装置の一実施例について、図面を参照しながら説明する。図3において、1は固定型、2は可動型で、型体であるこれら固定型1および可動型2は、図示上下方向(型開閉方向A)に互いに移動して開閉し、型閉時に相互間に製品形状のキャビティ3を形成するものである。固定型1は、キャビティ3を形成する固定側型板6と、この固定側型板6における可動型2と反対側の面にスペーサーブロック(図示していない)を介して固定された固定側取り付け板7とを備えている。この固定側取り付け板7は、図示していない射出成形機の固定側プラテンに取り付けられるものである。そして、固定側取り付け板7と固定側型板6との間にはマニホールド8がスペーサー9を介在させて設けられている。このマニホールド8には、材料通路であるランナー11が内部に形成されているとともに、このランナー11を加熱する加熱手段であるヒーター12が設けられている。また、前記固定側型板6には孔部13が貫通形成されており、この孔部13における可動型2側の先端部は、前記キャビティ3に連通するゲート14になっている。このゲート14は、孔状のダイレクトゲートであって、型開閉方向Aを軸方向としている。
【0015】
また、前記固定型1には、前記ゲート14を開閉するバルブ装置21が組み込まれている。つぎに、このバルブ装置21の構成を説明する。前記固定側型板6の孔部13内に、型開閉方向Aを軸方向とする筒状のバルブケーシング22が組み込まれている。このバルブケーシング22の一端部はフランジ部23になっていて前記マニホールド8および固定側型板6間に固定されて支持されている。また、バルブケーシング22におけるゲート14側の端部の外周面には固定リング24が嵌合されて固定されており、この固定リング24が前記孔部13内に形成された円柱状の嵌合面25に嵌合している。これにより、バルブケーシング22のゲート14側の部分が固定側型板6に支持されている。
【0016】
また、前記バルブケーシング22の内部は、マニホールド8内のランナー11を前記ゲート14に連通させる材料通路26になっている。この材料通路26は、型開閉方向Aを軸方向とするほぼ円柱形状になっているが、ランナー11側の端部は屈曲した屈曲部27になっている。この屈曲部27は、バルブケーシング22に入子28を埋め込むことにより形成されている。また、材料通路26におけるゲート14側の先端部内周面には、型開閉方向Aに延びる3枚以上のバルブ体案内支持部としての支持羽根29が形成されているが、これら支持羽根29よりもさらにゲート14側の部分において、材料通路26の先端部は円柱形状部30になっている。この円柱形状部30の径は、前記支持羽根29の内側縁に接する円柱面の径とほぼ同じか、あるいは、この径より若干大きくなっている。さらに、前記バルブケーシング22の外周面には、材料通路26を加熱する加熱手段であるヒーター31およびこのヒーター31を外周側から覆うほぼ円筒状のヒーターカバー32が嵌合されている。なお、前述のように、バルブケーシング22は、その両端部において固定側型板6に接触しているが、他の部分においては、バルブケーシング22およびヒーターカバー32の外面と孔部13の内面との間に断熱層をなす隙間33が形成されている。
【0017】
そして、前記バルブケーシング22には、型開閉方向Aに移動してゲート14を開閉するバルブ体としてのバルブピン36が内蔵されている。このバルブピン36は、ゲート14側の先端部に形成されたゲート閉塞部37がゲート14に挿脱自在に嵌合してこのゲート14を閉じるものである。また、バルブピン36は、型開閉方向Aを軸方向としており、前記バルブケーシング22の支持羽根29の内側縁に外周面が常時摺動自在に接触している。これにより、バルブピン36のゲート14側の先端部が支持されている。さらに、バルブピン36は、バルブケーシング22におけるマニホールド8側の端部では、前記入子28内に固定されたガイドブッシュ38により支持されている。すなわち、このガイドブッシュ38内をバルブピン36の軸方向中間部が摺動自在に貫通している。このガイドブッシュ38および支持羽根29は、バルブピン36をゲート14と同軸的に位置するように摺動自在に支持するバルブ体案内支持部としてのバルブピン案内支持部をなしている。なお、前記ゲート閉塞部37の先端面は、キャビティ3の一部を形成することになるが、バルブピン36の軸方向と直交する平面になっている。
【0018】
また、前記バルブピン36は、その駆動のために、マニホールド8に形成された通孔40を貫通して、前記固定側取り付け板7に設けられた駆動装置としての油圧シリンダー装置などからなる流体圧シリンダー装置41に連結されている。つぎに、この流体圧シリンダー装置41の構成を説明する。前記固定側型板7には、型開閉方向Aを軸方向とするほぼ回転体形状の通孔42が形成されている。この通孔42は、小径部42aとこの小径部42aよりも径が大きい中径部42bとこの中径部42bよりも径が大きい大径部42cとがマニホールド8側から反対側へ並んだ形状になっている。そして、前記中径部42b内には、マニホールド8と反対側の端部に内向き鍔部43を有するほぼ円筒状のシリンダー本体44が嵌合されている。また、前記大径部42c内には環状の端面板45が嵌合されている。この端面板45は、一部が中径部42b内にも嵌合してシリンダー本体44に当接している。そして、この端面板45を貫通したボルト46が固定側取り付け板7に螺着されていることにより、この固定側取り付け板7に端面板45およびシリンダー本体44が固定されている。このようにして、シリンダー本体44と端面板45と固定側取り付け板7との間にシリンダー室47が形成されている。つまり、このシリンダー室47の一方の端面板は固定側取り付け板7が兼用している。なお、シリンダー本体44と固定側取り付け板7との間にはシール用のOリング48,49が設けられている。
【0019】
そして、前記シリンダー室47内に駆動体としてのピストン51が型開閉方向Aへ摺動自在に嵌合されている。このピストン51は、マニホールド8側および反対側へそれぞれ突出したロッド部52,53を有している。そして、一方のロッド部52が前記固定側取り付け板7の通孔42の小径部42aを摺動自在に貫通しており、他方のロッド部53が前記シリンダー本体44の内向き鍔部43および端面板45の内周側を摺動自在に貫通している。なお、ピストン51の外周面には、シリンダー室47の周面に接するシール用のOリング54が設けられており、通孔42の小径部42aの周面および内向き鍔部43の内周面には、ロッド部52,53の外周面に接するシール用のOリング55,56がそれぞれ設けられている。また、前記シリンダー本体44には、シリンダー室47の両端部にそれぞれ連通する流体出入口57,58が形成されている。一方、前記固定側取り付け板7には、流体出入口57,58にそれぞれ連通する流体通路59,60が形成されており、これら流体通路59,60が外部の油圧回路などの流体回路に接続されている。さらに、前記端面板45には、ロッド部53の位置を検出するセンサー61が設けられている。
【0020】
そして、前記ピストン51に設けられたバルブ体保持部としてのバルブピン保持部65に前記バルブピン36の頭部66が接続されている。つぎに、このバルブピン保持部65の構成について、図1および図2を加えて説明する。バルブピン36は、ほぼ円柱形状になっているが、このバルブピン36の一端部に、円柱形フランジ状の前記頭部66が同軸的に形成されている。また、前記ピストン51は、ほぼ筒状になっており、内部が通孔67になっている。この通孔67は、型開閉方向Aを軸方向とするほぼ回転体形状になっており、マニホールド8側が小径部67aになっているとともに、反対側が大径部67bになっている。これら小径部67aと大径部67bとの間は段差面67cになっている。この段差面67cに当接した状態で、大径部67b内に円環状の板体としての座金68が嵌合されている。そして、バルブピン36は、前記小径部67aおよび座金68の内側を貫通し、頭部66が大径部67a内に位置している。また、この頭部66の外周側に位置して円筒状のスペーサーリング69が大径部67a内に同軸的に嵌合されている。また、この大径部67a内に収納された円板状の板体としての受け板70が前記座金68との間にスペーサーリング69を挟み込んでいる。つまり、スペーサーリング69の両端が座金68および受け板70にそれぞれ当接している。さらに、前記大径部67b内には一対のねじ71,72が螺合されている。これらねじ71,72は、相互に突き当たっており、これにより緩みが防止されている。そして、ねじ71が受け板70をスペーサーリング69へ押さえ付けており、これにより、前記座金68、スペーサーリング69および受け板70がバルブピン36の軸方向Aすなわち移動方向においてピストン51に固定されている。以上のようにして、バルブピン保持部65において、座金68および受け板70が頭部66の軸方向A両側に位置する軸方向規制部を形成するとともに、スペーサーリング69が頭部66の外周側に位置する径方向規制部を形成しており、バルブピン保持部65が頭部66を囲んでいる。
【0021】
そして、バルブピン36の軸方向Aにおける前記スペーサーリング69の長さBは、同方向Aにおけるバルブピン36の頭部66の長さCよりも若干、例えば0.01mm程度大きくなっている。これにより、頭部66と受け板70ないし座金68との間には、バルブピン36の軸方向Aにおいて0.01mm程度の隙間Dが生じている。また、バルブピン36の径方向すなわち軸方向Aと直交する方向において、頭部66の外周面とスペーサーリング69の内周面との間、それにバルブピン36の外周面と座金68の内周面および通孔67の小径部67aの周面との間にも若干、例えば0.01mm程度の隙間Eが設定されている。したがって、バルブピン36は、ピストン36に対して軸方向Aおよび径方向に若干移動可能であるとともに、図2に矢印Fで示すように回転可能である。なお、図1においては、隙間D,Eを誇張して表してある。
【0022】
図3において、81は可動型2の可動側型板であり、この可動側型板81は、前記固定側型板6に突き当たってキャビティ3を形成するものである。
【0023】
つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。まず、流体圧シリンダー装置41の動作について説明する。一方の流体出入口57からシリンダー室47内に油などの作動流体を流入させ、他方の流体出入口58から作動流体を流出させると、ピストン51に加わる作動流体の圧力によりこのピストン51は図1および図3における図示上方へ移動する。図3に実線で示すように、このピストン51と一体的にバルブピン36が図示上方へ移動してそのゲート閉塞部37がゲート14から抜け、このゲート14が開放される。逆に、流体出入口58からシリンダー室47内に作動流体を流入させ、流体出入口57から作動流体を流出させると、ピストン51は図示下方へ移動する。図3に鎖線で示すように、このピストン51と一体的にバルブピン36が図示下方へ移動してそのゲート閉塞部37がゲート14に嵌合し、このゲート14が閉塞される。
【0024】
そして、成形時には、固定型1と可動型2とを型閉するとともに、前述のような流体圧シリンダー装置41の駆動によりゲート14を開放し、射出成型機から固定型1内に成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出する。この樹脂は、マニホールド8のランナー11からバルブケーシング22内の材料通路26を通って、ゲート14からキャビティ3内に流入する。このキャビティ3内に樹脂が充填された後、流体圧シリンダー装置41の駆動によりゲート14を閉塞する。さらに、キャビティ3内の樹脂が冷却して固化した後、固定型1と可動型2とを型開してキャビティ3内の樹脂すなわち成形された製品を取り出す。その後、再び型閉して以上の成形サイクルを繰り返す。そして、全成形サイクルを通じて、ヒーター12,31の加熱によりランナー11および材料通路26内の樹脂は常時溶融状態に保たれる。
【0025】
前記実施例の構成によれば、流体圧シリンダー装置41のピストン51のバルブピン保持部65へのバルブピン36の接続において、このバルブピン36の頭部66の軸方向両側に位置する座金68と受け板70との間にスペーサーリング69を設けることにより、頭部66と受け板70ないし座金68との間にバルブピン36の軸方向Aの隙間Dを形成し、また、頭部66の外周面とスペーサーリング69の内周面との間、それにバルブピン36の外周面と座金68の内周面および通孔67の小径部67aの周面との間にバルブピン36の径方向の隙間Eを形成したので、バルブピン36の頭部66がバルブピン保持部65に固くは固定されておらず、バルブピン36の頭部66がバルブピン保持部65に対してある程度自由に遊動できる。この遊動においてバルブピン66がバルブピン保持部65に対して可能な変位は、バルブピン36の軸方向Aの変位、この軸方向Aと直交する径方向の変位、バルブピン36の回転およびバルブピン36の軸方向A自体の傾きである。そして、このようにバルブピン36の頭部66に対してバルブピン保持部65に遊びがあることにより、流体圧シリンダー装置41よりもゲート14側においてバルブピン36を摺動自在に支持するガイドブッシュ38および支持羽根29におけるバルブピン36の支持に対して、ピストン51のバルブピン保持部65におけるバルブピン36の保持が強い制約を与えず、ガイドブッシュ38および支持羽根29においてバルブピン36に無理な強い力が加わることの原因にならない。
すなわち、ガイドブッシュ38および支持羽根29においてバルブピン36に無理な力が加わらない。これにより、ガイドブッシュ38および支持羽根29においてバルブピン36を確実に支持することができる。したがってまた、バルブピン36とそのゲート閉塞部37が挿脱自在に嵌合するゲート14とを確実に芯合わせすることができる。これらのことにより、バルブピン36を確実に作動させることができるとともに、かじりによるバルブピン36、ガイドブッシュ38、支持羽根29およびゲート14の磨耗や破損を防止できる。
【0026】
また、前述のようなバルブピン36、ガイドブッシュ38、支持羽根29およびゲート14の芯合わせに加えて、バルブピン36が回転可能であることにより、バルブピン36に回転方向の力すなわち捩じり力が加わっても、バルブピン36に無理な力が加わらず、かじりが防止される。さらに、バルブピン36の熱膨張にも対処できる。
【0027】
さらに、バルブピン保持部65を板体である座金68および受け板70とスペーサーリング69とにより構成して、前記軸方向Aの隙間Dおよび径方向の隙間Eを形成したので、板体やリングといった単純な構成の部品を組み合わせて、前記隙間D,Eを形成することができるとともに、製造上、この隙間D,Eの寸法の調整も容易にできる。例えば、軸方向Aの隙間Dは、スペーサーリング69の長さを調整することにより自在に設定できる。また、座金68の軸方向Aの長さを調整することにより、バルブピン36の軸方向Aにおけるゲート14側の限界位置を自在に設定できる。
【0028】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、バルブピン36の頭部66が円柱形状になっており、スペーサーリング69が円筒状になっていたが、頭部66を角柱形状にし、スペーサーリング69を頭部66と相似な角筒状にするなどしてもよい。また、前記実施例では、座金68とスペーサーリング69と受け板70とによりバルブピン保持部65を構成したが、バルブピン保持部の構成は、それに限るものではなく、例えば、前記実施例のスペーサーリングに相当するものを座金または受け板に相当するものと一体にした部品を用いて、バルブピン保持部を構成することなども可能である。
【0029】
また、前記実施例では、バルブ体であるバルブピン36の駆動装置を流体圧シリンダー装置41としたが、バルブ体の駆動装置は、流体圧シリンダー装置には限らない。また、前記実施例では、バルブピン36がゲート14に挿脱自在に嵌合することによりこのゲート14を閉じるようになっていたが、バルブ体がゲートを開閉する構成は様々なものが可能である。例えば、バルブピンがゲートを常時貫通した状態にあり、バルブピンの先端部のフランジ状の弁部がゲートに嵌合することによりこのゲートを閉じるもの、あるいは、バルブ体が他の弁体を押して駆動するものなどが可能である。
【0030】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ゲートを開閉するバルブ体の一端部に形成されたフランジ状の頭部を駆動装置の移動する駆動体に設けられたバルブ体保持部に接続してなるバルブゲート式金型装置において、バルブ体保持部は、前記頭部におけるバルブ体の軸方向両側に位置する一対の軸方向規制部と、前記頭部の外周側に位置する径方向規制部とを有し、軸方向規制部とバルブ体の頭部との間に前記軸方向の隙間を形成したので、バルブ体の頭部がバルブ体保持部に対してある程度遊動できることにより、バルブ体およびその案内支持部に無理な力が加わることを防止でき、したがって、バルブ体を確実に作動させることができるとともに、かじりによるバルブ体やその案内支持部やゲートの磨耗や破損を防止できる。
【0031】
さらに、請求項2の発明のバルブゲート式金型装置によれば、請求項1の発明の効果に加えて、径方向規制部とバルブ体の頭部との間に前記軸方向と直交する方向の隙間を形成したので、駆動体のバルブ体保持部に対するバルブピンの変位の自由度がより増大し、したがって、バルブ体に無理な力が加わることをより確実に防止できる。
【0032】
また、請求項3の発明のバルブゲート式金型装置によれば、請求項1または2の発明の効果に加えて、一対の軸方向規制部の一方または両方を板体により形成するとともに、径方向規制部をスペーサーリングにより形成し、このスペーサーリングの両端を一対の軸方向規制部にそれぞれ当接することにより、軸方向規制部とバルブ体の頭部との間に前記軸方向の隙間を形成したので、板体やリングといった単純な構成の部品を組み合わせて、前記軸方向の隙間を形成することができるとともに、製造上、この隙間の寸法の調整も容易にできる。
【0033】
特に請求項4の発明のバルブゲート式金型装置のように、バルブ体がゲートに挿脱自在に嵌合するものであり、駆動装置よりもゲート側の位置でバルブ体をゲートと同軸的に位置するように摺動自在に支持するバルブ体案内支持部がある場合に、前述のように駆動体のバルブ体保持部とバルブ体の頭部との間に隙間を形成することが特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブゲート式金型装置の一実施例を示すもので、バルブピンの頭部付近の縦断面図である。
【図2】同上バルブピンの頭部付近の横断面図である。
【図3】同上バルブ装置全体を含む部分の縦断面図である。
【符号の説明】
1 固定型(型体)
2 可動型(型体)
3 キャビティ
11 ランナー(材料通路)
29 支持羽根(バルブ体案内支持部)
36 バルブピン(バルブ体)
38 ガイドブッシュ(バルブ体案内支持部)
41 流体圧シリンダー装置(駆動装置)
51 ピストン(駆動体)
65 バルブピン保持部(バルブ体保持部)
68 座金(軸方向規制部、板体)
69 スペーサーリング(径方向規制部)
70 受け板(軸方向規制部、板体)
D 軸方向の隙間
E 軸方向と直交する方向の隙間

Claims (4)

  1. 互いに開閉し型閉時にキャビティを相互間に形成する複数の型体と、材料通路を前記キャビティに連通させるゲートを開閉するバルブ体と、このバルブ体をその軸方向に駆動する駆動装置とを備え、前記バルブ体の一端部に形成されたフランジ状の頭部を前記駆動装置の移動する駆動体に設けられたバルブ体保持部に接続してなるバルブゲート式金型装置において、前記バルブ体保持部は、前記頭部の前記軸方向両側に位置する一対の軸方向規制部と、前記頭部の外周側に位置する径方向規制部とを有し、前記軸方向規制部と前記バルブ体の頭部との間に前記軸方向の隙間を形成したことを特徴とするバルブゲート式金型装置。
  2. 前記径方向規制部と前記バルブ体の頭部との間に前記軸方向と直交する方向の隙間を形成したことを特徴とする請求項1記載のバルブゲート式金型装置。
  3. 前記一対の軸方向規制部の一方または両方を板体により形成するとともに、前記径方向規制部をスペーサーリングにより形成し、このスペーサーリングの両端を前記一対の軸方向規制部にそれぞれ当接することにより、前記軸方向規制部と前記バルブ体の頭部との間に前記軸方向の隙間を形成したことを特徴とする請求項1または2記載のバルブゲート式金型装置。
  4. 前記バルブ体は、前記ゲートに挿脱自在に嵌合するものであり、前記駆動装置よりもゲート側の位置で前記バルブ体をゲートと同軸的に位置するように摺動自在に支持するバルブ体案内支持部を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバルブゲート式金型装置。
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