JP4542194B2 - 高周波回路モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信装置に用いられる高周波回路モジュール、特に電力増幅回路と高周波送受信回路とを単一のモジュール基板上に形成し、高周波部を一体化した高周波回路モジュールに関する。
携帯機器を小型化する技術には、電子回路の集積回路化及び複数の電子回路ユニットを一つのモジュールにまとめるモジュール化がある。無線通信装置の高周波回路部においては、各回路部に高い性能を実現させ、かつ低価格化するためにモジュール化の手法が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特表2002−536819号公報
モジュール化には主に二つの利点がある。利点の一つは小型化である。マザーボード上にある回路部分をパッケージ部品等の個別部品で実現しようとすると、実装工程及び歩留まりの観点から、パッケージ部品をある程度の間隔を置いて配置しなければならない。これに対し、モジュールでは、ベアチップ部品を用い、部品間隔を詰めて実装することができるため、同一の回路部分を小型に仕上げることができる。利点のもう一つは設計、製造の容易さである。高周波回路部の設計には、インピーダンス整合や電磁干渉、発振といった問題を解決するための専門技術及び知識が必要である。モジュールはこれらの問題が解決された形でセットメーカに引き渡されるので、セットメーカ側ではこのモジュール部分の回路に関する設計が不要となり、装置の開発期間を短縮することができる。更に、個別部品を搭載する場合と比べて、取り扱う部品点数が少なくなることから部品管理や部品搭載が容易になり、製造後における調整などの手間も必要なくなる。
無線通信装置の高周波回路部は、例えば、世界標準の無線通信方式であるGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機においては、一般に、電力増幅器(Power Amplifier、以下「PA」という)モジュール、アンテナ共用回路モジュール、送信用の低域通過フィルタ(Low Pass Filter、以下「LPF」という)、受信用の帯域通過フィルタ(Band Pass Filter、以下「BPF」という)、無線周波数集積回路(Radio Frequency Integrated Circuit、以下「RF−IC」という)から構成される。
RF−ICには、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier、以下「LNA」という)や受信回路等を含んだ受信系回路、送信回路、電圧制御発振器(Voltage Control Oscillator、以下「VCO」という)等が集積される。なお、これらの回路はそれぞれ、RF−ICとは別のIC又はモジュールで構成される場合もある。各々の部分の動作は、以下の通りである。
まず、送信時には、マイクロホンから入力された音声がベースバンド大規模集積回路(Base Band Large Scale Integrated circuit、以下「BB-LSI」という)により符号化され、変調されて送信信号となり、RF−IC内の送信回路により送信周波数に周波数変換される。続いて、周波数変換された高周波送信信号は、PAにより増幅され、送信LPFにより不要な高調波を除去され、アンテナ共用回路を経由してアンテナより放射される。
次に、受信時には、アンテナによって受信された高周波受信信号は、アンテナ共用回路を経由して受信BPFにより不要な妨害波を除去され、RF−IC内のLNAで増幅され、同じくRF−IC内の受信回路により周波数変換されて受信信号となる。受信信号は、BB−LSIによって復調、復号されスピーカから出力される。送信回路及び受信回路による周波数変換には、RF−IC内のVCOが発生する特定の周波数を有する局部発振信号が用いられる。
このような無線通信装置の高周波回路部全体をモジュール化する場合には、各回路間の信号干渉が問題となる。モジュールに搭載した回路間の干渉を低減する手法が特許文献1に記載されている。同文献のマルチチップモジュールは、単一相互接続基板と、該単一相互接続基板にボンディングされ、第1のRF/IF機能を実行する第1のRF/IF能動回路チップと、該単一相互接続基板にボンディングされ、第2のRF/IF機能を実行する第2のRF/IF能動回路チップと、該単一相互接続基板に集積され、機能的に該第1のRF/IF能動回路チップに関連する第1の接地面と、該単一相互接続基板に集積され、機能的に該第2のRF/IF能動回路チップに関連する第2の接地面とを含むことにより、第1のRF/IF能動回路チップと第2のRF/IF能動回路チップとの間でRF分離(高周波分離)を得ている。
しかし、上述した従来のマルチチップモジュールでは、高周波分離を行なうべき回路が特定されていない。このため、従来のマルチチップモジュール技術で無線通信装置の高周波回路部全体をモジュール化するには、全ての回路ブロック間の高周波分離を行なうか、高周波分離が必要な回路を試作の繰り返しにより確定する必要があった。前者では、モジュール寸法が大きくなり、後者ではモジュール開発期間が長期化するという問題があった。
また、上述した従来のマルチチップモジュールでは発熱する回路と、熱に弱い回路間の熱分離に関しても考慮されていなかった。
更に、上述した従来のマルチチップモジュールでは、分離した接地面をモジュール底面(裏面)の分離した接地パッドに接続し、これをマザーボードの接地面に接続している。このため、セットメーカがマザーボード上にどのような接地ランドを設けるかによって、接地パッドの電位が変化し、モジュール上の回路が発振するか、性能が低下するといった問題があった。
本発明の目的は、無線通信装置の高周波回路部全体、即ち電力増幅回路と送受信回路とを一体モジュール化した高周波回路モジュールにおいて、各々の電子回路ブロック間での干渉を低減した高周波回路モジュールを提供することにある。
本発明の他の目的は、高い性能を維持しつつ小型化を実現した高周波回路モジュールを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、マザーボードの接地ランド構造によらずに安定した性能を実現する新規な高周波回路モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の高周波回路モジュールは、モジュール基板と、第1の信号(例えば送信信号)を入力して上記第1の信号よりも周波数が高い第2の信号(例えば高周波送信信号)を出力し、更に、第3の信号(例えば高周波受信信号)を入力して上記第3の信号よりも周波数が低い第4の信号(例えば受信信号)を出力する第1の回路(例えば送受信回路)と、上記第2の信号を電力増幅する第2の回路(例えば電力増幅回路)と、上記第1の回路と上記第2の回路との間の信号干渉を低減する接地面構造と、上記接地面構造が有する全ての接地面が接続される共通接地面とを具備し、上記第1の回路と上記第2の回路とが上記モジュール基板に搭載されることを第1の特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の高周波回路モジュールは、また、モジュール基板と、第1の信号(例えば送信信号)を入力して上記第1の信号よりも周波数が高い第2の信号(例えば高周波送信信号)を出力し、更に、第3の信号(例えば高周波受信信号)を入力して上記第3の信号よりも周波数が低い第4の信号(例えば受信信号)を出力する第1の回路(例えば送受信回路)と、上記第2の信号を電力増幅する第2の回路(例えば電力増幅回路)と、上記第1の回路の第1の接地面と、上記第1の接地面とは互いに電気的に分離した上記第2の回路の第2の接地面とを具備し、上記第1の回路と上記第2の回路とが上記モジュール基板の上面に搭載され、上記第1及び第2の接地面とが上記モジュール基板の導体層に設けられていることを第2の特徴とする。第2の特徴を有する高周波回路モジュールは、上記モジュール基板がその裏面に第3の接地面を搭載可能に構成され、上記第3の接地面が搭載された場合に上記第1及び第2の接地面が上記第3の接地面と電気的に接続され、上記第3の接地面が上記第1及び第2の回路に対する共通接地面となることが望ましい。或いは、第2の特徴を有する高周波回路モジュールは、上記第1及び第2の回路に対する共通接地面を上記モジュール基板内に更に具備して成り、上記共通接地面が上記第1及び第2の接地面が設けられた導体層よりも上記モジュール基板の裏面に近い方の別の導体層に設けられ、上記第1及び第2の接地面が上記共通接地面に電気的に接続されていることが望ましい。
無線通信装置の高周波回路部全体、即ち、第1の回路と第2の回路例えば送受信回路と電力増幅回路とを単一のモジュールに構成した高周波回路モジュールにおいて、扱う電力が最も大きく、従って大きい電流が流れかつ発熱が大きい電力増幅回路の接地面が他と分離されるので、その大きい電流が他の回路に廻り込んで引き起こす信号干渉が低減される。また、電気伝導体は良好な熱伝導体でもあるので、接地面を電気的に分離してその間の電気伝導を遮断すると、同時に熱も遮断される。本発明により、そのように最適箇所のみを高周波分離及び熱分離することができるために、各々の回路に高い性能を維持させつつ高周波回路モジュールを小型化することが可能になる。更に、第1及び第2の接地面の全ての接地面を接続する共通接地面を有することから、全ての高周波回路に対する接地基準電位がマザーボードの接地ランド構造によらずに確定するため、安定した性能を実現することができる。
上記の本発明の高周波モジュールは、更に次のように構成されることが望ましい。
(1)上記電力増幅回路が有する最終段増幅素子部の接地端子が第1の接地面に接続され、上記送受信回路が有する、送信信号を入力して高周波送信信号を出力する送信回路の接地端子が第2の接地面に接続される。
(2)上記電力増幅回路が有する最終段増幅素子部の接地端子が上記第1の接地面に接続され、上記送受信回路が有する、高周波受信信号を入力して受信信号を出力する受信系回路の接地端子が上記第2の接地面に接続される。
(3)高周波送信信号を外部のアンテナに供給し、かつ、上記送受信回路が有する高周波受信信号を入力して受信信号を出力する受信系回路に、アンテナからの高周波受信信号を供給するためのアンテナ共用回路と、第2の接地面と電気的に分離した第3の接地面とを具備し、上記アンテナ共用回路の接地端子が上記第3の接地面に接続され、第3の接地面が上記共通接地面に接続される。
(4)上記電力増幅回路が有する最終段増幅素子部の接地端子が第1の接地面に接続され、上記送受信回路が有する電圧制御発振回路であり、更に送信信号の周波数を高周波送信信号の周波数に変換し、かつ、高周波受信信号の周波数を受信信号の周波数に変換するために用いる局部発振信号を生成する電圧制御発振回路の接地端子が上記第2の接地面に接続される。
(5)上記第2の接地面と電気的に分離した第3の接地面を具備し、上記送受信回路が有する、送信信号を入力して高周波送信信号を出力する送信回路の接地端子が第2の接地面に接続され、上記送受信回路が有する電圧制御発振回路であり、更に送信信号の周波数を高周波送信信号の周波数に変換し、かつ、高周波受信信号の周波数を受信信号の周波数に変換するために用いる局部発振信号を生成する電圧制御発振回路の接地端子が第3の接地面に接続され、第3の接地面が上記共通接地面に接続される。
(6)上記第2の接地面と電気的に分離した第3の接地面を具備し、上記送受信回路が有する、高周波受信信号を入力して受信信号を出力する受信系回路の接地端子が第2の接地面に接続され、上記送受信回路が有する電圧制御発振回路であり、更に送信信号の周波数を高周波送信信号の周波数に変換し、かつ、高周波受信信号の周波数を受信信号の周波数に変換するために用いる局部発振信号を生成する電圧制御発振回路の接地端子が第3の接地面に接続され、第3の接地面が共通接地面に接続される。
(7)上記第2の接地面と電気的に分離した第3の接地面と、第4の接地面と、上記高周波送信信号を外部のアンテナに供給し、かつ、上記送受信回路が有する高周波受信信号を入力して受信信号を出力する受信系回路に、上記アンテナからの高周波受信信号を供給するためのアンテナ共用回路と、アンテナ共用回路と電力増幅回路が有する最終段増幅素子部との間のインピーダンス整合を行なう出力整合回路とを具備し、最終段増幅素子部の接地端子が第1の接地面に接続され、アンテナ共用回路の接地端子が第3の接地面に接続され、出力整合回路の接地端子が第4の接地面に接続され、第4の接地面が第1〜第3の接地面の内の少なくともいずれかと電気的に分離している。
上記目的を達成するための本発明の高周波回路モジュールは、更にまた、モジュール基板と、送信信号を入力して高周波送信信号を出力する送信回路と、高周波受信信号を入力して受信信号を出力する送受信回路と、高周波送信信号を電力増幅する電力増幅回路と、互いに電気的に分離した、電力増幅回路の第1の接地面、送信回路の第2の接地面及び受信系回路の第3の接地面と、共通接地面とを具備し、送信回路、受信系回路及び電力増幅回路がモジュール基板の上面に搭載され、第1〜第3の接地面と共通接地面とがモジュール基板の導体層に設けられ、共通接地面を設けた導体層は、第1〜第3の接地面を設けた導体層よりもモジュール基板裏面に近い下方の導体層であり、第1〜第3の接地面が上記共通接地面に電気的に接続されることを特徴とする。
扱う電力が最も大きく、従って大きい電流が流れる電力増幅回路の接地面が他と分離されるので、その大きい電流が他の回路に廻り込んで引き起こす信号干渉が低減される他、第2及び第3の接地面も互いに分離されるので、送信回路と受信系回路の間でも信号干渉が低減される。それにより、送信と受信が同時に行なわれる周波数分割双方向通信方式に適用して好適な高周波回路モジュールを実現することができる。
本発明によれば、無線通信装置の高周波回路部全体、即ち電力増幅回路と送受信回路とを単一のモジュールに構成した高周波回路モジュールにおいて、最適箇所のみを高周波分離及び熱分離することができるために、各々の回路に高い性能を維持させつつモジュールを小型化することが可能になる。
本発明に係る高周波回路モジュールの第1の実施形態を説明するための回路ブロック図。 本発明の第1の実施形態を説明するための接地面の接続を示す図。 本発明の第1の実施形態を説明するための部品配置図。 本発明の第1の実施形態を説明するための上面図。 本発明の第1の実施形態を説明するための第1導体層のパターン図。 本発明の第1の実施形態を説明するための第2導体層のパターン図。 本発明の第1の実施形態を説明するための第3導体層のパターン図。 本発明の第1の実施形態を説明するための第4導体層のパターン図。 本発明の第1の実施形態を説明するためのA−A線断面図。 本発明の第1の実施形態を説明するためのB−B線断面図。 本発明の第2の実施形態を説明するための回路ブロック図。 本発明の第2の実施形態を説明するための接地面の接続を示す図。 本発明の第3の実施形態を説明するための回路ブロック図。 本発明の第3の実施形態を説明するための接地面の接続を示す図。
以下、本発明に係る高周波回路モジュールを図面に示した幾つかの実施形態を参照して更に詳細に説明する。なお、図1〜図14における同一の記号は、同一物又は類似物を表示するものとする。
GSM方式携帯電話向け高周波回路モジュールに本発明を適用した第1の実施形態を図1〜図10を使って説明する。まず、図1に本実施形態の高周波回路モジュール1の回路構成を示し、図2に特に接地面の接続を明示した回路構成を示す。モジュール1は、基本的には、第1の回路9と第2の回路10を含んで構成される。第1の回路9は、第1の信号を入力して上記第1の信号よりも周波数が低い第2の信号を出力する第3の回路30、及び第3の信号を入力して上記第3の信号よりも周波数が低い第4の信号を出力する第4の回路17を含んで構成される。また、第2の回路は、上記第2の信号を電力増幅する回路である。そして、第1の回路9は送受信回路として、第2の回路は電力増幅回路として、第3の回路30は送信回路として、第4の回路17は、受信系回路として機能させることができる。送受信回路を構成する受信系回路は、例えば、本実施形態の例では、受信BPF65、受信整合回路60、LNA51及び受信回路52を含んで構成される。ここで、以下では第1の回路9、第2の回路10、第3の回路30及び第4の回路17を改めてそれぞれ送受信回路9、電力増幅回路10、送信回路30及び受信系回路17として表すこととする。
モジュール1の上記基本構成に対して、更に具体的には、送信回路30の出力側に配置される出力整合回路20及びLPF25が付加されると共に、アンテナ2の接続を送受信で切り替えるスイッチ(アンテナ共用回路)40が付加され、更に送受信回路9に送信回路30及び受信回路52に共通に用いられるVCO70が付加される。続いて、これらの付加回路を含めてモジュール1の全体構成の詳細を以下に説明する。
モジュール1は、送信側において、入力端子82a,82bから入力した外部のBB−LSI3出力の送信信号(第1の信号の例)を送信周波数に周波数変換する送信回路30(図示していないが、送信回路30に周波数変換を行なう送信ミキサや直交変調器等が含まれる)、送信回路30出力の高周波送信信号(第2の信号の例)を電力増幅するPA10、PA10出力の高周波送信信号を出力整合回路20を経て入力して高周波送信信号に含まれる不要な高調波を除去するLPF25を備えている。加えて、アンテナ端子80を介して外部のアンテナ2に接続し、送信時にLPF25からの高周波送信信号をアンテナ2に供給し、受信時にアンテナ2からの高周波受信信号(第3の信号の例)をアンテナ端子80を介して入力して受信側に供給するスイッチ40を備えている。スイッチ40は、このような切替動作を行なうアンテナ共用回路である。更に、モジュール1は、受信側において、スイッチ40からの高周波受信信号の不要な妨害波を除去する受信BPF65、受信BPF65出力の受信信号を受信整合回路60を経て入力して増幅するLNA51、及び、LNA51出力の高周波受信信号を周波数変換して受信信号(第4の信号の例)を出力し、出力端子81a,81bを通してBB−LSI3に受信信号を供給する受信回路52を備えている(図示していないが、受信回路52に周波数変換を行なう受信ミキサや直交復調器等が含まれる)。
ここで、BB−LSI3に入出力する送信信号及び受信信号の周波数帯域は約200kHz、また、送信回路30から出力される高周波送信信号及び受信回路52に入力する高周波受信信号の周波数は、900MHz帯である。なお、上記周波数は一例であり、本発明はこれらの周波数に限定されない。
上記構成において、送信回路30、LNA51、受信回路52、及び、周波数変換のための局部発振信号を生成して送信回路30及び受信回路52に供給するVCO70が集積されてRF−IC50を構成する。また、受信BPF65、受信整合回路60、LNA51及び受信回路52によって受信系回路17が構成され、これに送信回路30及びVCO70が加わって送受信回路9が構成される。また、PA10は、最終段増幅素子部11、中段増幅素子部12、初段増幅素子部13からなる3段の電力増幅回路であり、これらが集積化されてICチップを構成する。出力整合回路20はPA10の出力インピーダンスをLPF25の入力インピーダンスと整合させる回路であり、受信整合回路60は受信BPF65とLNA51との間のインピーダンス整合を行なう回路である。以上の諸回路及びチップがモジュール1の基板に搭載される。
本実施形態では、各回路の接地が、それぞれに備えられた個別の接地面を経て共通接地面480に行なわれる。共通接地面は、モジュールに組み込まれてもよいし、外付け部品として追加されるものであってもよい。モジュールに組み込まれている場合は、セットメーカが共通接地面を追加する手間が省けるという効果がある。外付け部品として追加されるものである場合は、セットメーカが所望の特性の共通接地面を選択することができる自由度を与えるという効果がある。
個別の接地面として、送信回路30に対して送信回路接地面230が、PA10に対してPA接地面110が、スイッチ40に対してアンテナ共用回路接地面240が、受信BPF65と受信整合回路60とLNA51と受信回路52とに対して受信系回路接地面260が、VCO70に対してVCO接地面270がそれぞれ設けられる。これらの個別の接地面は、そのままでは互いに電気的に分離しており、共通接地面480に接続されることによって初めて接地として機能する。
図2において、モジュール1の基板は、後で説明するが、3枚の誘電体基板を積層した積層基板からなり、上から順に第1導体層100、第2導体層200、第3導体層300及び第4導体層400が形成される。本高周波回路モジュールにおける各回路と分離された接地面とは以下のように対応している。
PA10の接地端子を接続するPA接地面110が第1導体層100に設けられる。また、送信回路30の接地端子を接続する送信回路接地面230、スイッチ40の接地端子を接続するアンテナ共用回路接地面240、受信BPF65と受信整合回路60とLNA51と受信回路52の各接地端子を接続する受信系回路接地面260、及びVCO70の接地端子を接続するVCO接地面270がそれぞれ第2導体層200に設けられる。更に、共通接地面480が第4導体層400に設けられる。
層間の接続が接続導体である層間ビアによって行なわれる。例えば、VCO70では、その接地端子が1−2層間ビア107を介してVCO接地面270に接続され、更にVCO接地面270が2−3層間ビア207及び3−4層間ビア307によって共通接地面480に接続される。同様に、送信回路30及びスイッチ回路40の接地端子が1−2層間ビアを介してそれぞれ送信回路接地面230及びアンテナ共用回路接地面240に接続され、送信回路接地面230及びアンテナ共用回路接地面240は、それぞれ2−3層間ビア及び3−4層間ビアによって共通接地面480に接続される。受信BPF65と受信整合回路60とLNA51と受信回路52の各接地端子が1−2層間ビアを介して受信系回路接地面260に接続され、受信系回路接地面260が2−3層間ビア及び3−4層間ビアによって共通接地面480に接続される。
PA接地面110は、複数の1−2層間ビア、2−3層間ビア及び3−4層間ビアによって共通接地面480に接続される。
次に、出力整合回路20は、伝送線路21及び容量素子22a,22bからなり、容量素子22a,22bの接地端子が1−2層間ビア、2−3層間ビア及び3−4層間ビアによって共通接地面480に接続される。また、LPF25の接地端子も1−2層間ビア、2−3層間ビア及び3−4層間ビアによって共通接地面480に接続される。図2では示していないが、受信整合回路60は2個の受動素子からなり、一方の受動素子の接地端子が1−2層間ビアを介して受信系回路接地面260に接続される。なお、図2において、信号の接続が点線で示される。
LPF25、スイッチ(SW)40及びBPF65はチップ部品として構成される。図3は、これら部品と、ICチップのPA10及びRF−IC50並びに受動部品で構成される出力整合回路(Tx−MN)20及び受信整合回路(Rx−MN)60をモジュール1の基板4に搭載した配置図である。図3において、送信回路30がTxで表され、受信回路52がRxで表される。
図4はモジュール1の上面図である。RF−IC50及びスイッチ40は、モジュール基板4に回路面を上にして搭載されており、それらの上面に信号用及び接地用のパッドが配置される。また、基板4上即ち第1導体層100上にも信号用及び接地用のボンディングパッドが配置される。いずれも、信号用パッドが薄いパターンで示され、接地用パッドが濃いパターンで示される。
そして、チップ上面のパッドと対応する基板4上のボンディングパッドとの間がボンディングワイヤで接続される。例えば、例えばVCO70では、チップ上の接地パッド5からボンディングワイヤ6によって第1導体層100上のボンディングパッド7に接続される。そして、図2に示すように、ボンディングパッド7が1−2層間ビア107を介して第2導体層200に設けられたVCO接地面270に接続される。
なお、ここではRF−IC50及びスイッチ40を回路面を上にしてモジュール基板に搭載し、その接地端子をボンディングワイヤを介してモジュール基板上のボンディングパッドに接続したが、回路面を下にして、接地端子をハンダバンプなどによりボンディングパッドに接続するフリップチップ接続の形式にしても良い。
PA10の全ての増幅素子の接地端子は、PAチップの裏面に設けられており(図示せず)、第1導体層100に設けられたPA接地面110に銀ペーストで接続されている。PA10の上面に信号用パッドが設けられる。送信整合回路20の伝送線路21は、第1導体層100の導体パターンによって形成される。受信整合回路60の2個の受動素子は、受動素子61a,61bで示され、一方の受動素子61aの接地端子が1−2層間ビアを介して受信系回路接地面260に接続される。
次に、図5に第1導体層100の導体パターン、図6に第2導体層200の導体パターン、図7に第3導体層300の導体パターン、図8に第4導体層400の導体パターンを示す。スイッチ40の接地端子はスイッチチップの裏面に設けられており(図示せず)、図5に示す第1導体層100に設けられたスイッチ接地面140に銀ペーストで接続される。図7には、BPF65から受信整合回路60への信号パターン308が示される。
続いて、図9に図4におけるA−A線断面を示す。基板4の3層の誘電体層101,102,103はガラスエポキシ樹脂からなる。更に、図10にB−B線断面を示す。スイッチ40のスイッチ接地面140が1−2層間ビアを介してアンテナ共用接地面240に接続される。
上述のように、本実施形態では、PA接地面110と、受信系回路接地面260と、送信回路接地面230と、VCO接地面270と、アンテナ共用回路接地面240と、出力整合回路接地面即ち共通接地面480が分離されており、出力整合回路接地面以外のこれらの接地面は、接続導体である層間ビアを介して共通接地面480に接続されている。層間ビアはその自己インダクタンスによって高周波信号に対しては抵抗成分を発生するため、各接地面を設ける導体層の位置及び層間ビアの本数により、接地面間の高周波抵抗量即ち分離の度合いを調整することができた。また、層間ビアは熱抵抗を有するため、各接地面を設ける導体層の位置及び層間ビアの本数により、接地面間の熱分離の度合いを調整することができた。
このような構成とすることで、高周波回路部全体の中で最大の電力を扱う、即ち高周波回路部に対して最大の雑音及び熱の発生源となるPA10からの熱及び出力電流に対応して出力整合回路接地面である共通接地面480に流れる帰還電流が受信系回路接地面260に流入することを防ぐことができ、雑音の増加によるLNA51の受信感度の低下及び誤動作や、温度上昇による受信BPF65の帯域変化の問題を効果的に防ぐことができた。更に、PA10からの送信信号が流れ込むアンテナ共用回路接地面240と受信系回路接地面260との分離によって受信系回路17の性能をより高く保つことができた。また、送信回路接地面230と受信系回路接地面260とを分離することで、送信回路30からの熱及び出力電流に対する帰還電流が受信系回路接地面260に流れ込むことを防ぎ、受信系回路の性能をより高く保つことができた。
また、PA接地面110及び出力整合回路接地面である共通接地面480と送信回路接地面230及びVCO接地面270とを分離したことにより、PA10の出力電流に対応してPA接地面110及び出力整合回路接地面である共通接地面480に流れる帰還電流が送信回路接地面230及びVCO接地面270に流入することを防ぐことができ、送信回路30出力に電力増幅回路10出力が帰還することによる電力増幅回路10の発振及びVCO70が出力する局部発振信号の信号品質の低下を防止することができた。
更に、受信系回路接地面260とVCO接地面270とを分離したことによって、VCO70の局部発振信号が受信系回路内の経路に不要に流入することで希望の受信信号に対する受信感度が得られなくなる問題、即ち局部発振信号漏洩を防止することができた。
また、本実施形態では出力整合回路接地面をその他の接地面よりもモジュール基板の回路形成面(上面)から見て下層にある共通接地面480としているため、出力整合回路20を構成する伝送線路21とこれに対応する接地面である共通接地面480との距離がモジュール基板1内で最大にすることができた。これにより、同モジュール基板上で伝送線路21が所定の特性インピーダンスを実現するために必要な幅として、多層基板4を用いて得られる最大の幅を実現することができたので、導体損失に起因する伝送損失を最低限にすることができた。
以上、本実施形態によれば、GSM方式携帯電話向け高周波回路部全体、即ち電力増幅回路と送受信回路とを、セットメーカが高周波回路を設計する必要の無い単一モジュールの形に実現するにあたり、最適箇所のみを高周波分離及び熱分離することができたため、各々の回路に高い性能を維持させつつモジュールを小型化することができ、更には全ての接地面を接続する共通接地面480を備えることにより、全ての高周波回路に対する接地基準電位をマザーボードの接地ランド構造によらずに確定することができた。それにより、性能の安定した高周波回路部を実現することができる。
GSM方式携帯電話向け高周波回路モジュールに本発明を適用した第2の実施形態を図11及び図12を使って説明する。本実施形態の第1の実施形態と異なる点は、チップ構成で中段増幅素子部12と初段増幅素子部13が最終段増幅素子部11から分離されたことと、多層基板が5層のセラミック基板からなり、新たに中間接地面を備えた点にある。
図11において、電力制御回路内蔵の前段増幅回路15は、中段増幅素子部12、初段増幅素子部13と、これらの増幅素子部及び別チップとした最終段増幅素子部11の利得を制御する電力制御回路14とを含む集積回路である。その他の回路は、図1に示したのと同様である。以上の諸回路及びチップがモジュール1の基板に搭載される。
個別の接地面として、最終段増幅素子部11に対してPA接地面110が、スイッチ回路40に対してアンテナ共有接地面240が、電力制御回路内蔵前段増幅回路15と送信回路30と受信整合回路60とLNA51と受信回路52とに対してRF−IC接地面250が、受信BPF65に対して受信BPF接地面265が、VCO70に対してVCO接地面270がそれぞれ設けられる。
また、中間接地面として、PA接地面110、出力整合回路20、LPF25及びアンテナ共有接地面240に対して第1の中間接地面420が設けられ、受信BPF接地面265、RF−IC接地面250及びVCO接地面270に対して第2の中間接地面450が設けられる。更に、第1の中間接地面420及び第2の中間接地面450に対して共通接地面680が設けられる。
次に、接地に関する接続図である図12に示すように、モジュール1の積層基板に、上から順に第1導体層100、第2導体層200、第3導体層3、第4導体層400、第5導体層500及び第6導体層600が形成される。そして、本高周波回路モジュールにおける各回路と分離された接地面とは以下のように対応している。
図12において、まず、最終段増幅素子部11の接地端子は第1導体層に設けられたPA接地面110に直接接続される。PA接地面110は1−2層間ビア、2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して、第4導体層400に設けられた第1の中間接地面420に接続される。出力整合回路20を構成する伝送線路21に対応する接地面は第1の中間接地面420であり、同じく出力整合回路20を構成する容量素子22a,22bの接地端子は第1の中間接地面420に1−2層間ビア、2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して接続される。同様にして、送信用LPF25の接地端子も第1の中間接地面420に接続される。スイッチ40の接地端子は第2導体層200に設けられたアンテナ共用回路接地面240に1−2層間ビアを介して接続され、アンテナ共用回路接地面240は2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して第1の中間接地面420に接続される。
次に、中段増幅素子部12、初段増幅素子部13、電力制御回路14、送信回路30、受信整合回路60、LNA51及び受信回路52の接地端子は、第2導体層に設けられたRF−IC接地面250に1−2層間ビアを介して接続される。受信BPF65の接地端子は第2導体層に設けられた受信BPF接地面265に1−2層間ビアを介して接続される。VCO70の接地端子は第2導体層に設けられたVCO接地面270に1−2層間ビアを介して接続される。RF−IC接地面250、受信BPF接地面265、VCO接地面270は、2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して第4導体層に設けられた第2の中間接地面450に接続される。
第1の中間接地面420及び第2の中間接地面450は、4−5層間ビア、5−6層間ビアを介して第6導体層600に設けられた共通接地面680に接続される。
以上のように、本実施形態では、最終段増幅素子部11の接地端子に対応するPA接地面110と、RF−IC接地面250と、VCO接地面270と、アンテナ共用回路接地面240と、出力整合回路接地面即ち第1の中間接地面420とが分離されているため、第1の実施形態と同様の効果が得られた。
更には、受信BPF65に小型で鋭い帯域特性の得られる弾性表面波フィルタを用いることで、受信性能を改善しつつモジュールの小型化している。そして、熱の問題を次のように解決している。PA接地面110及びPAの中部段増幅素子12や初段増幅素子部13及び送信回路30の接地端子に対応するRF−IC接地面250と受信BPF接地面265とを分離することにより、温度変化によって帯域特性が大きく変化する弾性表面波フィルタの温度による帯域変化を防止することができ、高い性能が得られた。
また、本実施形態では、上記のようにPAの最終段増幅素子部11からアンテナ端子80の間の大電力を扱う回路の接地面を第1の中間接地面420に接続し、それ以外の回路の接地面を第2の中間接地面450に接続し、これらの中間接地面を共通接地面680に接続している。それにより、最終段増幅素子部11出力が他の回路に与える影響を効果的に抑制することができた。加えて、それぞれの接地面と中間接地面との間及び中間接地面と共通接地面との間の例えば第3導体層300や第5導体層500は接地面に挟まれ、それらの導体層に設けた配線は、他の導体層に設けた配線と電磁結合を起こさないで済む。従って、第3導体層300や第5導体層500に設けた配線は、自由に引き回すことができるようになり、モジュール基板内部の配線レイアウトに一層柔軟な自由度を与えることができた。
なお、本実施形態ではPAの中段増幅素子部12や初段増幅素子部13及び送信回路30の接地端子と受信整合回路60、LNA51及び受信回路52の接地端子に対応する接地面を分離していない。そのように構成したのは、GSM方式において送受信は時分割で行なわれ、これらの回路は同時に動作しないためであり、最終段増幅素子部11の出力にのみ気を付ければ、これら回路の接地端子に対応する接地面は分離をしなくても良い。分離する場合と比べて、モジュールをより小型にすることができた。
符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、以下「CDMA」という)方式携帯電話向け高周波回路モジュールに本発明を適用した第3の実施形態を図13及び図14を使って説明する。本実施形態のモジュール基板が3層の誘電体層と4層の導体層100,200,300,400とを有するガラスエポキシ樹脂多層基板である点は、第1の実施形態と同様であるが、回路構成が多くの点で異なる。
図13において、モジュール1は、送信側において、入力端子82a,82bから入力した外部のBB−LSI3からの送信信号を送信周波数に周波数変換する送信回路30、送信回路30出力の高周波送信信号に含まれる不要の信号を除去する送信BPF27、送信BPF27出力の高周波送信信号を電力増幅するPA10、PA10出力の高周波送信信号を出力整合回路20を経て入力して高周波送信信号に方向性を与えるアイソレータ26を備えている。加えて、アンテナ端子80を介して外部のアンテナ2に接続し、送信時にアイソレータ26からの高周波送信信号をアンテナ2に供給し、受信時にアンテナ2からの高周波受信信号をアンテナ端子80を介して入力して受信側に供給するデュプレクサ45を備えている。デュプレクサ45は、アンテナ共用回路となる。更に、モジュール1は、受信側において、デュプレクサ45からの高周波受信信号を受信整合回路60を経て入力して増幅するLNA51、LNA51出力の高周波受信信号に含まれる不要の信号を除去する受信BPF65、及び、受信BPF65出力の高周波受信信号を周波数変換して受信信号を出力し、出力端子81a,81bを通してBB−LSI3に受信信号を供給する受信回路52を備えている。上記構成において、LNA51及び受信回路52が集積されて受信RF−IC55を構成する。また、PA10は、最終段増幅素子部11及び初段増幅素子部13からなる2段の電力増幅回路であり、これらが集積化されてICチップを構成する。送信回路30も集積化されてICチップを構成する。出力整合回路20はPA10の出力インピーダンスをアイソレータ26の入力インピーダンスと整合させる回路であり、受信整合回路60はデュプレクサ45とLNA51との間のインピーダンス整合を行なう回路である。以上の諸回路及びチップがモジュール1の基板に搭載される。なお、本実施形態では、受信整合回路60、LNA51、受信BPF65及び受信回路52によって受信系回路17が構成される。また、これに送信BPF27、送信回路30及びVCO70が加わって送受信回路9が構成される。
ここで、BB−LSI3に入出力する送信信号及び受信信号の周波数帯域は約3.8MHz、また、送信回路30から出力される高周波送信信号の周波数は1.9GHz近辺、受信回路52に入力する高周波受信信号の周波数は約2.1GHz近辺である。なお、上記周波数は一例であり、本発明はこれらの周波数に限定されない。
本実施形態では、各回路の接地が、それぞれに備えられた個別の接地面を経て共通接地面480に行なわれる。個別の接地面として、送信回路30及び送信BPF27に対して送信回路接地面230が、PA10に対してPA接地面110が、デュプレクサ45に対してアンテナ共用回路接地面240が、受信整合回路60とLNA51と受信BPF65と受信回路52とに対して受信系回路接地面160が、VCO70に対してVCO接地面270がそれぞれ設けられる。これらの個別の接地面は、そのままでは互いに電気的に分離しており、共通接地面480に接続されることによって初めて接地として機能する。
図14は、接地に関する接続図である。モジュール1の基板は、3枚の誘電体基板を積層した積層基板からなり、上から順に第1導体層100、第2導体層200、第3導体層3及び第4導体層400が形成される。本高周波回路モジュールにおける各回路と分離された接地面とは以下のように対応している。
まず、最終段増幅素子部11及び初段増幅素子部13の接地端子は第1導体層に設けられたPA接地面110に直接接続される。PA接地面110は1−2層間ビア、2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して、第4導体層400に設けられた共通接地面480に接続される。出力整合回路20を構成する伝送線路21に対応する接地面は共通接地面480であり、同じく出力整合回路20を構成する容量素子22a,22bの接地端子は共通接地面480に1−2層間ビア、2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して接続される。同様にしてアイソレータ26の接地端子も共通接地面480に接続される。
デュプレクサ45の接地端子は第2導体層200に設けられたアンテナ共用回路接地面240に1−2層間ビアを介して接続され、アンテナ共用回路接地面240は2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して共通接地面480に接続される。
次に、送信回路30、送信BPF27の接地端子は第2導体層に設けられた送信回路接地面230に1−2層間ビアを介して接続される。VCO70の接地端子は第2導体層に設けられたVCO接地面270に1−2層間ビアを介して接続される。送信回路接地面230及びVCO接地面270は、2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して共通接地面480に接続される。
最後に、受信整合回路60、LNA51、受信BPF65、受信回路52の接地端子は第1導体層に設けられた受信系回路接地面160にボンディングワイヤ又はハンダバンプなどにより接続され、受信系回路接地面160は、1−2層間ビア、2−3層間ビア、3−4層間ビアを介して共通接地面480に接続される。
本実施例では、PA接地面110と、送信回路接地面230と、受信系回路接地面160と、VCO接地面270と、アンテナ共用回路接地面240と、出力整合回路接地面即ち共通接地面480とを分離しているため、第1の実施形態と同様の効果が得られた。更には、CDMA方式は送信回路及び受信系回路が同時に動作する周波数分割双方向通信方式であるため、送信回路から受信系回路への信号干渉があると受信性能が大きく低下する。しかし、本実施形態では、送信時に信号の流れるPA接地面110、出力整合回路接地面即ち共通接地面480、送信回路接地面230及びアンテナ共用回路接地面240と受信系回路接地面160とを分離することにより、受信性能の低下を効果的に防ぐことができた。
1…高周波回路モジュール、2…アンテナ、3…BB−LSI、4…モジュール基板、5…接地パッド、6…ボンディングワイヤ、7…ボンディングパッド、9…送受信回路、10…PA、11…最終段増幅素子部、12…中段増幅素子部、13…初段増幅素子部、14…電力制御回路、15…電力制御回路内蔵前段増幅回路、20…出力整合回路、21…伝送線路、22a,22b…容量素子、25…LPF、26…アイソレータ、27…送信BPF、30…送信回路、40…スイッチ、45…デュプレクサ、50…RF−IC、51…LNA、52…受信回路、55…受信RF−IC、60…受信整合回路、61a,61b…受動素子、65…受信BPF、70…VCO、80…アンテナ端子、81a,81b…出力端子、82a,82b…入力端子、100…第1導体層、200…第2導体層、300…第3導体層、400…第4導体層、500…第5導体層、600…第6導体層、101…第1誘電体層、201…第2誘電体層、301…第3誘電体層、308…第3層配線、107…1−2層間ビア、207…2−3層間ビア、307…3−4層間ビア、110…PA接地面、230…送信回路接地面、240…アンテナ共用回路接地面、250…RF−IC接地面、160,260…受信系回路接地面、265…受信BPF接地面、270…VCO接地面、420…第1の中間接地面、450…第2の中間接地面、480,680…共通接地面。

Claims (4)

  1. モジュール基板と、
    第1の信号を入力して上記第1の信号よりも周波数が高い第2の信号を出力し、更に、第3の信号を入力して上記第3の信号よりも周波数が低い第4の信号を出力する第1の回路と、
    上記第2の信号を電力増幅する第2の回路と、
    上記第1の回路の第1の接地面と、
    上記第1の接地面とは互いに高周波的に分離された上記第2の回路の第2の接地面と、
    上記第1及び第2の接地面とは高周波的に分離された共通接地面と
    を具備し、
    上記第1の回路と上記第2の回路とが上記モジュール基板の上面に搭載され、
    上記第1及び第2の接地面と上記共通接地面とが上記モジュール基板の導体層に設けられ、
    上記共通接地面は、上記第1及び第2の接地面が設けられた導体層よりも上記モジュール基板の裏面に近い方の別の導体層に設けられ、
    上記第1及び第2の接地面が上記共通接地面にそれぞれ高周波的抵抗体により接続されている高周波回路モジュールにおいて、
    上記第1の回路は上記第3の信号を入力して上記第4の信号を出力する第4の回路を含んで構成され、更に、
    上記第2の回路は電力増幅回路を含んで構成され、
    上記高周波回路モジュールは、
    上記第1の接地面と高周波的に分離された第3の接地面と、
    第4の接地面と、
    上記第2の信号を外部のアンテナに供給し、かつ、上記アンテナからの第3の信号を上記第4の回路に供給するためのアンテナ共用回路と、
    上記アンテナ共用回路と上記電力増幅回路が有する最終段増幅素子部との間のインピーダンス整合を行なう出力整合回路と
    を具備し、
    上記最終段増幅素子部の接地端子が上記第2の接地面に接続され、
    上記アンテナ共用回路の接地端子が上記第3の接地面に接続され、
    上記出力整合回路の接地端子が上記第4の接地面に接続され、
    上記第4の接地面が上記第1〜第3の接地面の内の少なくともいずれかと高周波的に分離されており、更に、
    上記第4の接地面は、上記第1〜第3の接地面の中で上記第4の接地面と高周波的に分離されている接地面よりも下方の導体層に設けられている
    ことを特徴とする高周波回路モジュール。
  2. 上記第4の接地面が上記共通接地面である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高周波回路モジュール。
  3. 上記第2の接地面、上記第3の接地面及び上記第4の接地面と上記共通接地面との間に中間接地面を有し、上記第2の接地面、上記第3の接地面及び上記第4の接地面がそれぞれ高周波的抵抗体により上記中間接地面に接続され、上記中間接地面が高周波的抵抗体により上記共通接地面に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載の高周波回路モジュール。
  4. 上記第4の接地面が上記第2の接地面及び上記第3の接地面と上記共通接地面との間に配置され、上記第2の接地面及び上記第3の接地面がそれぞれ高周波的抵抗体により上記第4の接地面に接続され、上記第4の接地面が高周波的抵抗体により上記共通接地面に接続される
    ことを特徴とする請求項に記載の高周波回路モジュール。
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