JP4541736B2 - ハイブリッド車両の駆動制御装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、所定の条件で電動モータの力行が制限されるとしても、加速性能の低下を防止できるハイブリッド車両の駆動制御装置を提供することを課題としている。
図1は、車両の概略構成図であり、エンジン1と、力行及び発電が可能なモータジェネレータ(電動機)2とで車両を駆動するパラレルハイブリッド車両である。符号3はトルクコンバータを有する自動変速機、符号4は例えばリチウムイオンバッテリで構成された高電圧バッテリ、符号5は例えばパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式のインバータ、符号6は高電圧電源遮断装置、符号7はハーネスである。また、符号8はエンジンコントローラ、符号9は変速機コントローラ、符号10はバッテリコントローラ、符号11はMGコントローラ、符号12はハイブリッドコントローラである。
このハイブリッド制御処理は、所定時間(例えば、10msec)毎のタイマ割り込みによって実行され、ステップS1の目標駆動力算出処理と、ステップS2の目標MGトルク算出処理と、ステップS3の目標エンジントルク算出処理と、ステップS4の最終MGトルク算出処理と、を順次実行する。
続くステップS102では、図5に示すような制御マップを参照し、アクセル開度及び車速から目標駆動力を算出してから目標駆動力算出処理を終了する。図5の制御マップは、エンジン1及びモータジェネレータ2で出力可能なトルク、変速比、トルクコンバータによるトルク増幅比、タイヤ動半径などの諸元を考慮して設定したものである。この制御マップによれば、車速が低く、アクセル開度が大きいほど目標駆動力は大きくなる。
続くステップS202では、目標駆動力に車速を乗じて目標駆動仕事率を算出する。
続くステップS203では、図8に示すような制御マップを参照し、SOC及び目標駆動仕事率から目標エンジン仕事率を算出する。図8の制御マップは、SOCが高いほど、つまり充電された電力が多いほど目標エンジン仕事率が小さくなると共に、目標駆動仕事率が大きいほど目標エンジン仕事率が大きくなるように設定されている。
続くステップS205では、目標エンジン仕事率から目標駆動仕事率を減じて目標MG仕事率を算出する。
続くステップS206では、目標MG仕事率を燃費最適エンジン回転数で除して目標MGトルクを算出する。
続く図7のステップS208では、モータジェネレータ温度が所定値以上であるか否かを判定する。モータジェネレータ温度が所定値以上であるときには、ステップS209に移行し、モータジェネレータ2の通電可能電流を算出してステップS210に移行する。一方、モータジェネレータ温度が所定値未満であるときには、そのままステップS210に移行する。
続くステップS211では、高電圧電源遮断装置6及びインバータ5の電位差とハーネス電流からハーネス抵抗値を算出する。
続くステップS212では、ハーネス抵抗値からハーネス温度を算出する。
続くステップS213では、ハーネス温度が所定値以上であるか否かを判定する。ハーネス温度が所定値以上であるときには、ステップS214に移行してハーネス温度とハーネス許容温度との差分からハーネス通電可能電流を算出する。一方、ハーネス温度が所定値未満であるときには、ステップS215に移行してハーネス通電可能電流に最大値を代入する。
続くステップS217では、図11に示すような制御マップを参照し、高電圧バッテリ4のSOCから出力可能電力を算出する。
続くステップS218では、高電圧バッテリ4の出力可能電力からSOC制限時のトルク上限値TLSOC-Uを算出する。
続くステップS219では、下記(1)式に示すように、トルク上限値TLMG、TLH、TLSOC-Uのうち最も小さい値をトルク上限値TLとして算出する。
TL=min[TLMG,TLH,TLSOC-U] ………(1)
続くステップS221では、前述した図11の制御マップを参照し、高電圧バッテリ4のSOCから入力可能電力を算出する。
続くステップS222では、高電圧バッテリ4の入力可能電力からSOC制限時のトルク下限値TLSOC-Lを算出する。
続くステップS223では、制限時目標MGトルクをSOC制限時のトルク下限値TLSOC-Lで下限処理を行う。すなわち、制限時目標MGトルクが下限値TLSOC-Lよりも小さいときに、下限値TLSOC-Lを制限時目標MGトルクに設定する。
続くステップS302では、目標駆動力にタイヤ動半径を乗じ、それを変速比、トルクコンバータ増幅比、ファイナルギヤ比で除して目標エンジン駆動トルクを算出する。
続くステップS402では、車速の変化から実駆動力を推定する。
続くステップS403では、目標駆動力が実駆動力より大きいか否かを判定する。目標駆動力が実駆動力以下であるときには、ステップS404で過渡アシストトルクを0に設定する。一方、目標駆動力が実駆動力よりも大きいときには、ステップS405で目標駆動力と実駆動力との差分に応じて過渡アシストトルクを算出してからステップS406に移行する。
ステップS404又はS406を処理したら、ステップS407に移行してエンジン回転数からエンジン最大トルクを算出する。
続くステップS409では、目標駆動力が最大駆動力より大きいか否かを算出する。目標駆動力が最大駆動力未満であるときには、ステップS410で全開アシストトルクを0に設定する。一方、目標駆動力が最大駆動力よりも大きいときには、ステップS411で目標駆動力と最大駆動力との差分に応じて全開アシストトルクを算出する。
続くステップS413では、目標MGトルクにアシストトルクを加算して最終MGトルクを算出し、これをMGコントローラ11に出力してから最終MGトルク算出処理を終了する。
以上、図7のステップS208〜S219の処理が力行制限手段に対応し、このS208〜S219の処理を除く図3のハイブリッド制御処理がハイブリッド制御手段に対応している。
エンジン1及びモータジェネレータ2の運転状態を制御して車両を駆動するハイブリッド車両では、図14に示すように、運転者がアクセルを踏み込んだときに、エンジン1よりも応答性能に優れたモータジェネレータ2を力行運転することによって、車両の総駆動トルク(エンジントルク+MGトルク)をレスポンス良く増加させて車両の加速性能を向上させることができる。
そこで、本発明では、運転者のアクセル操作に応じたモータジェネレータ2の増加を所定量確保するために、運転者の加速指示がある前の略定常走行状態のときに、予めMGトルクをトルク上限値TLよりも所定量だけ小さい発電側の値に制御しておく。
このように、本発明によれば、モータジェネレータ温度、ハーネス温度、及びSOCの何れかでモータジェネレータ2の力行が制限されるとしても、運転者の加速指示に応じて応答特性に優れたMGトルクを確実に、且つ十分に増加させることができ、加速性能の低下を防止することができる。
また、運転者の加速指示に応じてアシストトルクを算出し、MGトルクの絶対値ではなく、その増加幅を制御しているので、図19に示すように、アクセルが踏み込まれたときに、トルク上限値TLまでの間にMGトルクの増加幅が残っていても、不必要にMGトルクを増加させることを回避できる。
さらに、上記の一実施形態では、高電圧バッテリ4に充電した電力をモータジェネレータ2のみに供給しているが、これに限定されるものでなく、バッテリ、点火装置、始動装置、エアコンディショナ等の電装品に供給してもよい。
2 モータジェネレータ(電動機)
3 自動変速機
4 高電圧バッテリ
5 インバータ
6 高電圧電源遮断装置
7 ハーネス
8 エンジンコントローラ
9 変速機コントローラ
10 バッテリコントローラ
11 MGコントローラ
12 ハイブリッドコントローラ
Claims (6)
- 内燃機関と、電動機トルクが正値のときに力行運転となり負値のときに発電運転となる電動機と、前記内燃機関の駆動トルク及び前記電動機の電動機トルクを制御して車両を駆動するハイブリッド制御手段と、前記電動機による力行時の電動機トルクを、所定の条件に基づいて設定される正値の上限値で制限する力行制限手段と、を備えたハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記ハイブリッド制御手段は、運転者の加速指示に応じた前記電動機トルクの増加を、前記電動機の定格出力及び回転数から算出される前記電動機で出力可能な最大アシストトルク分だけ確保するために、加速指示の無い定常走行状態のときに、予め前記電動機トルクを、正値となる力行側の前記上限値から前記最大アシストトルクを減じた値に制御しておくことを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 前記ハイブリッド制御手段は、加速指示の無い定常走行状態で、予め前記電動機トルクを、前記上限値から前記最大アシストトルクを減じた値に制御するときに、前記上限値と前記最大アシストトルクとの差分だけ前記内燃機関の駆動トルクを増加させることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記ハイブリッド制御手段は、自車両の実駆動力を推定すると共に、運転者の加速指示に応じて自車両の目標駆動力を算出し、前記目標駆動力と前記実駆動力との差分に応じてアシストトルクを算出し、算出したアシストトルク分だけ前記電動機トルクを増加させることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記力行制限手段は、前記電動機による力行時の電動機トルクを、当該電動機の温度状態に基づいて設定される上限値で制限することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記力行制限手段は、前記電動機による力行時の電動機トルクを、当該電動機への電力供給回路の温度状態に基づいて設定される上限値で制限することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
- 前記電動機との電力の授受を行う充電装置を備え、
前記力行制限手段は、前記電動機による力行時の電動機トルクを、前記充電装置の充電状態に基づいて設定される上限値で制限することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
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