JP4541692B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4541692B2
JP4541692B2 JP2003428381A JP2003428381A JP4541692B2 JP 4541692 B2 JP4541692 B2 JP 4541692B2 JP 2003428381 A JP2003428381 A JP 2003428381A JP 2003428381 A JP2003428381 A JP 2003428381A JP 4541692 B2 JP4541692 B2 JP 4541692B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
dielectric ceramic
composition
dielectric
ceramic composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003428381A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005187240A (ja
Inventor
正人 山▲崎▼
義人 溝口
裕貴 竹内
勝也 山際
和重 大林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2003428381A priority Critical patent/JP4541692B2/ja
Publication of JP2005187240A publication Critical patent/JP2005187240A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4541692B2 publication Critical patent/JP4541692B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

本発明は、誘電体磁器組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、優れた比誘電率(以下、「ε」という。)及び無負荷品質係数(以下、「Qu」という。)を有し、且つ共振周波数の温度係数(以下、「τ」という。)も実用上十分な範囲にあり、特にマイクロ波やミリ波等の高周波領域においてεが高く、Quが大きい誘電体磁器組成物に関する。
従来より、携帯電話、パーソナル無線機、衛星放送の受信機等の、マイクロ波又はミリ波等の高周波領域において使用される電子機器に搭載されている誘電体共振器及び誘電体フィルタ等の回路基板の材料として、誘電体磁器が多く用いられている。このような誘電体磁器に要求される誘電特性として、εが高く、Quが大きく、且つτの絶対値が小さいこと等が挙げられる。そして、このような誘電体磁器としては、従来から、(Zr、Sn)TiO系誘電体磁器(例えば、特許文献1参照。)、BaTi20(例えば、特許文献2参照。)及びSrLaTi15(例えば、非特許文献1参照。)等が知られている。
特開昭61−256775号公報 特開昭61−10806号公報 M.T.Sebastian.et al., Metals Materials and Processes, vol.13, No.2-4,(2001)p.327-338
しかし、(Zr、Sn)TiO系誘電体磁器及びBaTi20は、εが高く、Quも大きいものの、40を越える高いεとすることは困難である。また、SrLaTi15は、εが高いものの、Quが十分ではない。このSrLaTi15は、一般式SrLaTi3+n12+3n(n=1、2、4)で表されるホモロガスシリーズに属し、n=1の場合は、εが高く、τの絶対値が小さいものの、Quの更なる向上が必要とされている。一方、0.8≦n<1の場合は、Quが大きく劣化してしまう傾向にあり、ホモロガスシリーズの磁器では、優れた誘電特性を備える磁器とするためには、製造段階で、SrO、La及びTiOの各々の粉末等の配合量を定比組成になるように厳密に制御し、更には不純物の混入を極力低減させる等の十分な工程管理が必要となる。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、優れたε及びQuを有し、且つτも実用上十分な範囲にあり、特に高周波領域においてεが高く、Quが大きい高周波用誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、高い周波数領域で使用可能な高いQ値を有し、しかも、共振周波数の温度係数を0ppm/℃を中心に任意に制御できる誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。
本発明の以下のとおりである。
〔1〕Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式aSrO−bLaO3/2−cTiO−dNbO5/2(但し、a、b、c及びdはモル比であり、a+b+c+d=1である。)で表した場合に、該aは0<a≦0.556、該bは0<b≦0.571、該cは0<c≦0.444、及び該dは0<d<0.444であり、
SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15型のうちの少なくともSrLaTi15型及びSrNb15型の結晶構造を含むことを特徴とする誘電体磁器組成物。
〔2〕上記aは0.063≦a≦0.313、上記bは0.250≦b≦0.500、上記cは0.188≦c≦0.438、及び上記dは0<d<0.250である上記〔1〕記載の誘電体磁器組成物。
〔3〕Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式xSrLaTi15−yLaTi12−zSrNb15(但し、x、y及びzはモル比であり、x+y+z=1である。)で表した場合に、該xは0<x<1、該yは0≦y<1、及び該zは0<z<1であり、
SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15型のうちの少なくともSrLaTi15型及びSrNb15型の結晶構造を含むことを特徴とする誘電体磁器組成物。
〔4〕上記x、y及びzが、上記x、y及びzが、図1における点A(x=1、y=0、z=0)、点B(x=0.8、y=0、z=0.2)、点C(x=0、y=0.5、z=0.5)、及び点D(x=0.5、y=0.5、z=0)の範囲内(但し、点Aと点Dとを結ぶ直線状の組成は含まない。また、点Cの組成も含まない。)にある上記〔3〕記載の誘電体磁器組成物。
〔5〕比誘電率が35以上、無負荷品質係数と該無負荷品質係数の測定周波数との積が10000GHz以上、共振周波数の温度係数が−20〜+20ppm/℃である上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
本発明の誘電体磁器組成物は、Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式aSrO−bLaO3/2−cTiO−dNbO5/2(但し、a、b、c及びdはモル比であり、a+b+c+d=1である。)で表した場合に、該aは0<a≦0.556、該bは0<b≦0.571、該cは0<c≦0.444、及び該dは0<d<0.444であり、SrLa Ti 15 型、La Ti 12 型、及びSr Nb 15 型のうちの少なくともSrLa Ti 15 型及びSr Nb 15 型の結晶構造を含む構成を備えることにより、優れたε及びQuを有し、且つτも実用上十分な範囲にある。
また、本発明の誘電体磁器組成物において、上記a、b、c及びdを0.063≦a≦0.313、0.250≦b≦0.500、0.188≦c≦0.438、0<d<0.250とすると、より優れた誘電特性を有する誘電体磁器組成物とすることができる。
また、本発明の誘電体磁器組成物において、SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15型のうちの少なくともSrLa Ti 15 型及びSr Nb 15 型の結晶構造を含むので、優れたε及びQuを有し、且つτも実用上十分な範囲にある誘電体磁器組成物とすることができる。
他の本発明の誘電体磁器組成物は、Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式xSrLaTi15−yLaTi12−zSrNb15(但し、x、y及びzはモル比であり、x+y+z=1である。)で表した場合に、該xは0<x<1、該yは0≦y<1、及び該zは0<z≦1であり、SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15型のうちの少なくともSrLaTi15型及びSrNb15型の結晶構造を含む構成を備えることにより、優れたε及びQuを有し、且つτも実用上十分な範囲にある。
また、他の本発明の誘電体磁器組成物において、上記x、y及びzを点A〜点Dの範囲内(但し、点Aと点Dとを結ぶ直線状の組成は含まない。また、点Cの組成も含まない。)とすることにより、より優れたε及びQuを有し、且つτも実用上十分な範囲にある誘電体磁器組成物とすることができる。
本発明の誘電体磁器組成物及び他の本発明の誘電体磁器組成物において、εが35以上、QuとQuの測定周波数との積(Qu×f)が10000GHz以上、τが−20〜+20ppm/℃であるものとすると、より優れた誘電特性を有し、高周波用誘電体磁器組成物として好適な誘電体磁器組成物とすることができる。
(1)誘電体磁器組成物
本発明の誘電体磁器組成物は、Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式aSrO−bLaO3/2−cTiO−dNbO5/2(但し、a、b、c及びdはモル比であり、a+b+c+d=1である。)で表した場合に、該aは0<a≦0.556、該bは0<b≦0.571、該cは0<c≦0.444、及び該dは0<d<0.444であり、
SrLa Ti 15 型、La Ti 12 型、及びSr Nb 15 型のうちの少なくともSrLa Ti 15 型及びSr Nb 15 型の結晶構造を含む。
上記aは0<a≦0.556、好ましくは0.063≦a≦0.313、特に好ましくは0.163≦a≦0.313である。上記aが0であると、Quが低下するので好ましくない。
上記bは0<b≦0.571、好ましくは0.250≦b≦0.500、更に好ましくは0.250≦b≦0.400である。上記bが0であると、特にQuが大きく低下するので好ましくない。
上記cは0<c≦0.444、好ましくは0.188≦c≦0.438、更に好ましくは0.188≦c≦0.341である。上記cが0であると、Quが低下するので好ましくない。
上記dは0<d<0.444、好ましくは0<d≦0.250、更に好ましくは0.098≦d≦0.250である。上記dが0であると、τの絶対値が負の側において大きくなるので好ましくない。
本発明の誘電体磁器組成物は、SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15のうちの少なくともSrLa Ti 15 型及びSr Nb 15 型の結晶構造を含む。かかる構成を備えることにより、優れた誘電特性を奏する。
他の本発明の誘電体磁器組成物は、Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式xSrLaTi15−yLaTi12−zSrNb15(但し、x、y及びzはモル比であり、x+y+z=1である。)で表した場合に、該xは0<x<1、該yは0≦y<1、及び該zは0<z<1であり、
SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15型のうちの少なくともSrLaTi15型及びSrNb15型の結晶構造を含む。本発明の他の誘電体磁器組成物は、xSrLaTi15−yLaTi12で表される組成にzSrNb15を含有させることにより、優れた誘電特性を奏し、また、xSrLaTi15−yLaTi12で表される組成の誘電体磁器組成物と比較して、より低温で焼成することができる。尚、SrLaTi15、LaTi12及びSrNb15の有無は、X線解析等により確認することができる。
他の本発明の誘電体磁器組成物において、上記x、y及びzは、0≦x<1、0≦y<1、0<z≦1であり、好ましくは0<x<1、0<y<1、及び0<z<1である。更に好ましくは、上記x、y及びzは、図1における点A(x=1、y=0、z=0)、点B(x=0.8、y=0、z=0.2)、点C(x=0、y=0.5、z=0.5)、及び点D(x=0.5、y=0.5、z=0)の範囲内(但し、点Aと点Dとを結ぶ直線状の組成は含まない。また、点Cの組成も含まない。)であり、より好ましくは、図1における点A’(x=0.4、y=0.4、z=0.2)、点B’(x=0.3、y=0.3、z=0.4)、点C’(x=0、y=0.5、z=0.5)、及び点D’(x=0.3、y=0.5、z=0.2)の範囲内である。上記x、y及びzを上記範囲とすることにより、よりεが高く、Quが大きく、τの絶対値が小さい誘電体磁器組成物とすることができるので好ましい。
本発明の誘電体磁器組成物及び他の本発明の誘電体磁器組成物は、構成元素のNbを含み、且つ各成分のモル比を特定範囲にすることにより、優れた誘電特性を有する。特に、マイクロ波やミリ波等の高周波領域において優れた誘電特性を有する。具体的には、εを35以上、Qu×f(TE011、fは測定周波数である。)を10000以上、τを−20〜+20ppm/℃、好ましくは、εを35以上、Qu×fを10000〜20000GHz、τを−20〜+20ppm/℃とすることができる。
本発明の誘電体磁器組成物及び他の本発明の誘電体磁器組成物は、ペロブスカイト型構造をとることにより、優れたε、Qu及びτを有する。また、本発明の誘電体磁器組成物及び他の本発明の誘電体磁器組成物は、SrLaTi15型化合物、特にSrLaTi15型層状ペロブスカイト化合物とすることにより、製造時に各々の元素を有する原料を定比組成になるように厳密に制御することなく、優れた誘電特性を備える磁器組成物とすることができる。このSrLaTi15型層状ペロブスカイト化合物は、Sr成分、La成分及びTi成分の各々の原料を混合し、焼成して製造することができる。また、LaTi12で表される複酸化物に、Sr成分及びTi成分の各々の原料を混合し、焼成して製造することができる。
本発明の誘電体磁器組成物及び他の本発明の誘電体磁器組成物の製造方法は特に限定はない。例えば、セラミック原料と有機溶媒とをボールミル等により混合した後、大気雰囲気等において熱処理(仮焼)し、必要に応じて整粒して粉末とし、次いで、この粉末に、バインダ、分散剤、可塑剤及び有機溶媒等を配合し、乾燥し、造粒した後、加圧成形し、この成形体を焼成して製造することができる。尚、熱処理は必ずしも必要ではなく、セラミック原料、バインダ、分散剤、可塑剤及び有機溶媒等を同時に混合した後、成形し、焼成して製造することもできる。本発明の誘電体磁器組成物及び本発明の他の誘電体磁器組成物は、通常は、以下に詳述する誘電体磁器組成物の製造方法により得られる。
(2)誘電体磁器組成物の製造方法
誘電体磁器組成物の製造方法では、加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物を混合して混合物を調製する。
上記加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物としては、有機金属化合物でもよく、無機金属化合物でもよい。例えば、無機金属化合物としては、酸化物の他、複酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等が挙げられる。より具体的には、SrCO、La、TiO、及びNb等が挙げられる。また、上記加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物は各々1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。更に、上記加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物の形態については特に限定はない。通常は粉末であるが、その他、液状物、ゾル等の使用も可能である。例えば、液状物としては、上記の元素を含む有機金属化合物等の液状物等が挙げられる。更に、粉末は熱処理(仮焼)を行った仮焼粉末でもよく、更には粉末及び仮焼粉末を用いて適宜の方法により造粒し、必要に応じて粒度調整等を行った造粒物でもよい。
上記混合物中の上記Sr化合物の含有割合(モル比)aは、上記Sr化合物をSrOに換算した場合、0<a≦0.556、好ましくは0.063≦a≦0.313、特に好ましくは0.163≦a≦0.313である。上記aが0であると、Quが低下するので好ましくない。
上記混合物中の上記La化合物の含有割合(モル比)bは、上記La化合物をLaO3/2に換算した場合、0<b≦0.571、好ましくは0.250≦b≦0.500、更に好ましくは0.250≦b≦0.400である。上記bが0であると、特にQuが大きく低下するので好ましくない。
上記混合物中の上記Ti化合物の含有割合(モル比)cは、上記Ti化合物をTiOに換算した場合、0<c≦0.444、好ましくは0.188≦c≦0.438、更に好ましくは0.188≦c≦0.341である。上記cが0であると、Quが低下するので好ましくない。
上記混合物中の上記Nb化合物の含有割合(モル比)dは、上記Nb化合物をNbO5/2に換算した場合、0<d<0.444、好ましくは0<d≦0.250、更に好ましくは0.098≦d≦0.250である。上記dが0であると、τの絶対値が負の側において大きくなるので好ましくない。
加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物を混合する方法について特に限定はない。通常は、ミキサーやボールミル等を用いて混合することができる。また、上記加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物の他、この種の磁器組成物の製造において一般に使用されるバインダ、分散剤及び可塑剤等の1種又は2種以上を添加することができる。上記バインダとしては、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。上記分散剤としては、ポリアクリル酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。上記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジブチルアジペート等が挙げられる。
混合方法としては、乾式混合でもよく、有機溶媒を加えた湿式混合でもよい。上記有機溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、及び各種アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等)が挙げられる。上記有機溶媒は1種のみでもよく、2種以上を併用することもできる。
誘電体磁器組成物の製造方法において、上記混合物は、上記加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物、並びに必要に応じて添加したバインダ、分散剤、可塑剤及び有機溶媒等を混合することにより得ることができる。また、上記混合物は、上記加熱により酸化物となるSr化合物、La化合物、Ti化合物及びNb化合物と有機溶媒とをボールミル等により混合した後、大気雰囲気等において熱処理(仮焼)し、必要に応じて整粒して粉末とし、次いで、この粉末に、バインダ、分散剤、可塑剤、有機溶媒及び水等を配合し、必要に応じて乾燥又は造粒をすることにより得ることができる。上記熱処理の温度は特に限定されず、900〜1300℃、特に1000〜1200℃とすることができる。また、上記熱処理の時間も特に限定されず、1〜6時間、特に2〜5時間とすることができる。更に、上記熱処理の雰囲気は特に限定されず、通常は大気雰囲気で行われる。
誘電体磁器組成物の製造方法では、上記混合物を用いて所望の形状の成形体とし、次いで、この成形体を焼成することにより、誘電体磁器組成物を得る。
上記成形体の形状、大きさ等は特に限定されず、また、その成形方法及び条件も特に限定はない。また、上記成形体を得る際、Sr、La、Ti及びNbの他に誘電特性に影響を及ぼさない限り、他の成分(製造上の不可避的不純物、その他の成分)を含んでいてもよい。上記成形の方法、条件については特に限定はなく、必要に応じては、10〜20MPaの圧力で一軸成形すること等により行うことができ、必要に応じて120〜180MPaの圧力で等方静水圧プレス処理(CIP処理)することができる。
上記焼成の方法及び条件は、誘電体磁器組成物を得ることができる限り特に限定はなく、必要に応じて種々の条件とすることができる。例えば、焼成温度は通常、1450〜1700℃、特に1500〜1650℃とすることができる。また、焼成時間は通常、1〜8時間、特に2〜6時間とすることができる。更に、焼成雰囲気は通常、大気雰囲気であるが、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や真空中、窒素ガス等の非酸化性雰囲気での焼成も可能である。また、上記焼成は、常圧焼成でもよいが、より緻密な焼結体を得るために、常圧焼成後、HIP処理をすることも可能である。更に、HP(ホットプレス)等の加圧焼結も可能である。尚、上記の方法により得られた成形体について、そのまま焼成を行ってもよいが、必要に応じて脱脂処理をしてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実験例1〜32
(1)誘電特性を評価するための試験片の作製
市販のSrCO粉末、La粉末及びTiO粉末、及びNbを原料粉末として用いた。これらの原料粉末を、各々のモル比であるa、b、c及びdが表1に記載した値となるように秤量した。そして、上記各原料粉末をボールミルに投入し、更にエタノールを加えて湿式混合し、スラリーを調製した。次いで、このスラリーを乾燥させ、大気雰囲気、1000〜1200℃で1〜6時間仮焼した。その後、仮焼物、ワックス系バインダ、分散剤及びエタノールをボールミルで粉砕し、混合してスラリーを調製した。次いで、このスラリーを80℃で3時間湯煎乾燥させ、250μmのメッシュを用いて造粒した。その後、造粒物を20MPaの圧力で一軸成形し、更に150MPaの圧力でCIP処理を行い、直径17mm、高さ12mmの円柱状成形体を得た。次いで、この成形体を大気雰囲気、1550℃及び1600℃の各焼成温度で2〜6時間保持して焼成することにより、焼成温度毎に実験例1〜32の誘電体磁器組成物の試験片を作製した。尚、表1中、「#」は本発明の誘電体磁器組成物及び他の本発明の誘電体磁器組成物の範囲外であることを表す。
Figure 0004541692
(2)誘電特性の評価
上記(1)で作製した実験例1〜32の試験片を、粒度#200のレジンボンド砥石を用いて平行研削した。その後、研削後の試験片を用い、平行導体板型誘電体円柱共振器法(TE011モード)により、測定周波数4〜6GHzにおいて、εr、Qu×f(GHz、fは測定周波数である。)及びτ(ppm/℃)を測定した。尚、τは25〜80℃の温度領域で測定し、τ=(f80−f25)/(f25×ΔT)、ΔT=80−25=55℃によって算出した。この結果を表2に示す。尚、表2中、「#」は本発明の誘電体磁器組成物及び他の本発明の誘電体磁器組成物の範囲外であることを表す。また、表2中、「Qf」は「Qu×f」であることを表す。尚、表2中、「−」は、密度が十分に高くなく、吸水があるため、誘電特性を測定できなかったことを意味する。
Figure 0004541692
(3)実施例の結果
表2より、焼成温度が1550℃の場合、本発明の範囲外である実験例1〜17では、εが35.0〜40.7、τの絶対値が13.5〜20.0ppm/℃であり、更に、Qfも592〜21821GHzとかなりばらつきが認められる。また、実験例1〜17では、ε、Qu及びτのうちのいずれかが優れていても、他が劣ることから、ε、Qu及びτのバランスに劣ることが分かる。
これに対し、実験例18〜32(実験例18−30は実施例であり、実験例31−32は参考例である)では、εが41.9〜44.3と高く、τの絶対値が0.2〜15ppm/℃と小さく、更に、Qfも11934〜17000GHzと高い値であると共に、ばらつきが小さい。特に、zが0より大きい実験例18〜30では、εが42.6〜44.3、τの絶対値が0.2〜9.0ppm/℃、Qfが12806〜17000GHzであり、より優れたε、Qu及びτを示している。この結果より、実験例18〜32は、本発明の範囲外である実験例1〜17と比べて、ε、Qu及びτのバランスに優れた誘電体磁器組成物であることが分かる。
また、1550℃と1600℃での誘電特性を対比すると、本発明の範囲内である実験例18〜32は、1550℃の方が、1600℃よりもε、Qu及びτのが同等か、あるいは優れており、誘電特性のバランスに優れていることが分かる。しかも、この傾向は、本発明の範囲外である実験例1〜17よりも顕著に認められる。この結果より、実験例18〜32は、本発明の範囲外である実験例1〜17と比べて、より低い温度で誘電特性が高く、バランスに優れていることが分かる。
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に限られず、目的、用途等に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
本発明の誘電体磁器組成物は、優れたε、Quを有し、τも実用上十分な範囲にある。本発明の誘電体磁器組成物は、例えば、誘電体共振器、誘電体アンテナ、誘電体基板、誘電体導波線路、デュプレクサ、コンデンサ、及び誘電体フィルタ等の電子部品、並びに各種マイクロ波回路のインピーダンス整合部材等に利用することができる。
また、本発明の誘電体磁器組成物は、特に高周波領域においてεが高く、Quが大きいことから、高周波用誘電体磁器組成物として好適に使用することができる。そして、本発明の誘電体磁器組成物は、高周波領域で用いられる誘電体共振器、誘電体アンテナ、誘電体基板、誘電体導波線路、デュプレクサ、コンデンサ、及び誘電体フィルタ等の電子部品、並びに各種マイクロ波回路のインピーダンス整合部材等に利用することができる。
本発明の誘電体磁器組成物の組成範囲を説明するための三元図である。

Claims (5)

  1. Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式aSrO−bLaO3/2−cTiO−dNbO5/2(但し、a、b、c及びdはモル比であり、a+b+c+d=1である。)で表した場合に、該aは0<a≦0.556、該bは0<b≦0.571、該cは0<c≦0.444、及び該dは0<d<0.444であり、
    SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15型のうちの少なくともSrLaTi15型及びSrNb15型の結晶構造を含むことを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 上記aは0.063≦a≦0.313、上記bは0.250≦b≦0.500、上記cは0.188≦c≦0.438、及び上記dは0<d<0.250である請求項1記載の誘電体磁器組成物。
  3. Sr、La、Ti及びNbを含有し、組成式xSrLaTi15−yLaTi12−zSrNb15(但し、x、y及びzはモル比であり、x+y+z=1である。)で表した場合に、該xは0<x<1、該yは0≦y<1、及び該zは0<z<1であり、
    SrLaTi15型、LaTi12型、及びSrNb15型のうちの少なくともSrLaTi15型及びSrNb15型の結晶構造を含むことを特徴とする誘電体磁器組成物。
  4. 上記x、y及びzが、図1における点A(x=1、y=0、z=0)、点B(x=0.8、y=0、z=0.2)、点C(x=0、y=0.5、z=0.5)、及び点D(x=0.5、y=0.5、z=0)の範囲内(但し、点Aと点Dとを結ぶ直線状の組成は含まない。また、点Cの組成も含まない。)にある請求項3記載の誘電体磁器組成物。
  5. 比誘電率が35以上、無負荷品質係数と該無負荷品質係数の測定周波数との積が10000GHz以上、共振周波数の温度係数が−20〜+20ppm/℃である請求項1乃至4のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
JP2003428381A 2003-12-24 2003-12-24 誘電体磁器組成物 Expired - Fee Related JP4541692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003428381A JP4541692B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 誘電体磁器組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003428381A JP4541692B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 誘電体磁器組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005187240A JP2005187240A (ja) 2005-07-14
JP4541692B2 true JP4541692B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=34787375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003428381A Expired - Fee Related JP4541692B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 誘電体磁器組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4541692B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102598752B1 (ko) 2018-05-30 2023-11-03 삼성전자주식회사 유전 복합체, 및 이를 포함하는 적층형 커패시터 및 전자 소자
CN113631509A (zh) * 2019-04-08 2021-11-09 株式会社小原 电介性无机组合物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50149999A (ja) * 1974-05-22 1975-12-01
JPH0483751A (ja) * 1990-07-23 1992-03-17 Murata Mfg Co Ltd 誘電体磁器組成物
JP2003055039A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Hitoshi Osato マイクロ波誘電体組成物及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50149999A (ja) * 1974-05-22 1975-12-01
JPH0483751A (ja) * 1990-07-23 1992-03-17 Murata Mfg Co Ltd 誘電体磁器組成物
JP2003055039A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Hitoshi Osato マイクロ波誘電体組成物及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005187240A (ja) 2005-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6579817B2 (en) Dielectric ceramic composition and method for producing the same, and device for communication apparatus using the same
Huang et al. Influence of V2O5 additions to NdAlO3 ceramics on sintering temperature and microwave dielectric properties
KR101607582B1 (ko) 유전체 자기 조성물, 유전체 자기, 전자 부품 및 통신 기기
JP3995319B2 (ja) 誘電体材料及びその製造方法
JP4541692B2 (ja) 誘電体磁器組成物
Huang et al. Influence of V2O5 additions to 0.8 (Mg0. 95Zn0. 05) TiO3–0.2 Ca0. 61Nd0. 26TiO3 ceramics on sintering behavior and microwave dielectric properties
WO1996008019A1 (fr) Composition de porcelaine dielectrique et fabrication
JP2003146752A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3375450B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP4383951B2 (ja) 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP3214308B2 (ja) 誘電体磁器組成物
Huang et al. New Dielectric Material System of La (Mg1/2Ti1/2) O3–CaTiO3 at Microwave Frequencies
JP4494756B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを用いた誘電体共振器
JP4494725B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP4494931B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びこれを用いた電子部品
JPH06295619A (ja) 誘電体磁器及び誘電体共振器
KR20040078525A (ko) 고주파용 유전체 세라믹 조성물
JP3407523B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH10330159A (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物
JP3330024B2 (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JPH0877828A (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JPH08337474A (ja) 誘電体磁器組成物
KR100609383B1 (ko) 저온 소결용 고유전율 마이크로파 유전체 세라믹스 조성물및 이의 제조방법
JP3239707B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH08337468A (ja) 誘電体磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees