JP4383951B2 - 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents

高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4383951B2
JP4383951B2 JP2004128923A JP2004128923A JP4383951B2 JP 4383951 B2 JP4383951 B2 JP 4383951B2 JP 2004128923 A JP2004128923 A JP 2004128923A JP 2004128923 A JP2004128923 A JP 2004128923A JP 4383951 B2 JP4383951 B2 JP 4383951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic composition
dielectric ceramic
oxide
high frequency
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004128923A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004339052A (ja
Inventor
義人 溝口
裕貴 竹内
勝也 山際
和重 大林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2004128923A priority Critical patent/JP4383951B2/ja
Publication of JP2004339052A publication Critical patent/JP2004339052A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4383951B2 publication Critical patent/JP4383951B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

本発明は、高周波用誘電体磁器組成物(以下、「磁器組成物」ということもある。)及びその製造方法に関する。更に詳しくは、優れた比誘電率(以下、「ε」という。)及び無負荷品質係数(以下、「Qu」という。)を有し、且つ共振周波数の温度係数(以下、「τ」という。)も、実用上、十分な範囲にあり、特に高周波領域においてεが高く、Quが大きい磁器組成物及びその製造方法に関する。
本発明は、高周波領域で用いられる誘電体共振器、セラミックコンデンサ、誘電体フィルタ等の電子部品などにおいて利用することができる。
携帯電話、パーソナル無線機、衛星放送の受信機等の、マイクロ波又はミリ波などの高周波領域において使用される電子機器に搭載されている誘電体共振器及び誘電体フィルタ等の回路基板には誘電体磁器が多く用いられている。このような高周波用誘電体磁器に要求される誘電特性としては、εが高く、Quが大きく、且つτの絶対値が小さいこと等が挙げられる。この種の誘電体磁器としては、従来から、(Zr、Sn)TiO系誘電体磁器(例えば、特許文献1参照。)、BaTi20(例えば、特許文献2参照。)及びSrLaTi15(例えば、非特許文献1参照。)等が知られている。
特開昭61−256775号公報 特開昭61−10806号公報 M.T.Sebastian.etal.,Metals Materials and Processes,vol.13,No.2-4,(2001)p.327-338
しかし、(Zr、Sn)TiO系誘電体磁器及びBaTi20は、εが高く、Quも大きいものの、40を越える高いεとすることは困難である。また、SrLaTi15は、εが高いものの、Quが十分ではない。このSrLaTi15は、一般式SrLaTi3+n12+n(n=1、2、4)で表されるホモロガスシリーズに属し、n=1の場合は、εが高く、τの絶対値が小さいものの、Quの更なる向上が必要とされている。一方、0.8≦n<1の場合は、Quが大きく劣化してしまう傾向にあり、ホモロガスシリーズの磁器では、優れた誘電特性を備える磁器とするためには、製造段階で、SrO、La及びTiOの各々の粉末等の配合量を定比組成になるように厳密に制御し、更には不純物の混入を極力低減させる等の十分な工程管理が必要となる。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、優れたε及びQuを有し、且つτも、実用上、十分な範囲にあり、特に高周波領域においてεが高く、Quが大きい高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ペロブスカイト型構造を有する酸化物であり、優れたεとQuとを有する磁器組成物、並びにSrLaTi15型構造を有する層状化合物であり、ホモロガスシリーズの磁器のように、Sr成分、La成分及びTi成分のそれぞれの原料の配合量を定比組成になるように厳密に制御しなくても優れたεとQuとを備える磁器組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.2A族元素のうちの少なくとも1種の元素(以下、AEと表記する。)、3A族元素のうちの少なくとも1種の元素(以下、Lnと表記する。)、並びに4A、5A、6A、7A、8A、1B、2B、3B及び4B族のうちの少なくとも1種の元素(以下、Mと表記する。)を含有し、組成式aAEO−bLnO3/2−cMOδ で表される高周波用誘電体磁器組成物であって、
下記(1)〜(7)のいずれかの組成式で表されることを特徴とする高周波用誘電体磁器組成物。

(1)aSrO−bLaO 3/2 −cTiO (但し、a、b及びcはモル比であり、a+b+c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該bは0.476≦b≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
(2)aBaO−bLaO 3/2 −cTiO (但し、a、b及びcはモル比であり、a+b+c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該bは0.476≦b≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
(3)aCaO−bLaO 3/2 −cTiO (但し、a、b及びcはモル比であり、a+b+c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該bは0.476≦b≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
(4)aSrO−b LaO 3/2 −b NdO 3/2 −cTiO (但し、a、b 、b 及びcはモル比であり、a+b +b +c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
(5)aSrO−b LaO 3/2 −b SmO 3/2 −cTiO (但し、a、b 、b 及びcはモル比であり、a+b +b +c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
(6)aCaO−b LaO 3/2 −b NdO 3/2 −cTiO (但し、a、b 、b 及びcはモル比であり、a+b +b +c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
(7)a SrO−a BaO−b LaO 3/2 −b NdO 3/2 −c TiO −c SnO (但し、a 、a 、b 、b 、c 及びc はモル比であり、a +a +b +b +c +c =1であり、該aは0.013≦a +a ≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該c +c は0.431≦c +c ≦0.441である。)。
.無負荷品質係数と該無負荷品質係数の測定周波数との積が16000GHz以上である上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の高周波用誘電体磁器組成物。
.ペロブスカイト型構造を有する酸化物である上記1.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の高周波用誘電体磁器組成物。
.SrLaTi15型層状構造を有する上記1.乃至8.のうちのいずれか1項に記載の高周波用誘電体磁器組成物。
5.上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の高周波用誘電体磁器組成物の製造方法であって、
AEの酸化物(AEO)又は加熱により該酸化物となるAE化合物、Lnの酸化物(LNO3/2)又は加熱により該酸化物となるLn化合物、及びMの酸化物(MOδ)又は加熱により該酸化物となるM化合物を含有する原料混合物を調製し、その後、熱処理して熱処理粉末とし、次いで、該熱処理粉末を粉砕及び造粒したのち成形し、焼成することを特徴とする高周波用誘電体磁器組成物の製造方法。
組成式aAEO−bLnO3/2−cMOδで表わされる本発明の高周波用誘電体磁器組成物は、優れたε及びQuを有し、且つτも、実用上、十分な範囲にある。
更に、無負荷品質係数と該無負荷品質係数の測定周波数との積が16000GHz以上である場合は、特に優れた性能の磁器組成物とすることができる。
更に、本発明の磁器組成物がペロブスカイト型構造を有する酸化物である場合は、優れたε、Qu及びτを有する。
また、上記のそれぞれの磁器組成物がSrLaTi15型層状構造を有する場合は、さらに優れたε、Qu及びτを有する磁器組成物とすることができる。
本発明の高周波用誘電体磁器組成物の製造方法によれば、優れたε及びQuを有し、且つτも、実用上、十分な範囲にある磁器組成物を容易に製造することができる。
本発明の高周波用誘電体磁器組成物は、各々の元素の酸化物換算を意味する組成式aAEO−bLnO3/2−cMOδで表した場合に、aは0.013≦a≦0.083であり、0.028≦a≦0.083、特に0.028≦a≦0.078であることが好ましい。0.028≦a≦0.083、更には0.028≦a≦0.078である場合は、特に優れたεr及びQu並びに十分なτを有する磁器組成物とすることができる。aが0.013未満であると、ε及びQuが低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。一方、aが0.083を越えると、特にQuが大きく低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。
また、bは0.476≦b≦0.556であり、0.476≦b≦0.537、特に0.484≦b≦0.537であることが好ましい。0.476≦b≦0.537、更には0.484≦b≦0.537である場合は、特に優れたεr及びQu並びに十分なτを有する磁器組成物とすることができる。bが0.476未満であると、特にQuが大きく低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。一方、bが0.556を越えると、ε及びQuが低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。
更に、cは0.431≦c≦0.441であり、0.433≦c≦0.441、特に0.433≦c≦0.439であることが好ましい。0.433≦c≦0.441、更には0.433≦c≦0.439である場合は、特に優れたεr及びQu並びに十分なτを有する磁器組成物とすることができる。cが0.431未満であると、ε及びQuが低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。一方、cが0.441を越えると、特にQuが大きく低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。
この本発明の高周波用誘電体磁器組成物は優れた誘電特性を有し、εを38〜45、Qu×f(fは測定周波数である。)を16000〜21000GHzとすることができる。また、0.028≦a≦0.083、0.476≦b≦0.537、且つ0.433≦c≦0.441である場合は、より優れた誘電特性を有し、εが40〜45、Qu×fが16000〜21000GHzである磁器組成物とすることができる。更に、0.028≦a≦0.078、0.484≦b≦0.537、且つ0.433≦c≦0.439である場合は、特に優れた誘電特性を有し、εが40〜45、Qu×fが18000〜21000GHz、τが0〜−20ppm/℃である磁器組成物とすることができる。
参考発明の高周波用誘電体磁器組成物は、組成式mSrTiO−LaTi12で表した場合に、mは0.1〜0.7の範囲であり、特に0.2〜0.63、更には0.2〜0.57の範囲であることが好ましい。mが0.2〜0.7の範囲にあれば、優れた誘電特性を有する磁器組成物とすることができる。mが0.1未満であると、ε及びQuが低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。一方、mが0.7を越えると、特にQuが大きく低下し、τの絶対値が負の側において大きくなる。
参考発明の高周波用誘電体磁器組成物は優れた誘電特性を有し、εを38〜45、Qu×fを16000〜21000GHzとすることができる。また、mが0.2〜0.63である場合はより優れた誘電特性を有し、εが40〜45、Qu×fが18000〜21000GHz、τが0〜−20ppm/℃である磁器組成物とすることができる。更に、mが0.2〜0.57である場合は、特に優れた誘電特性を有し、εが42〜45、Qu×fが18000〜21000GHz、τが0〜−20ppm/℃である磁器組成物とすることができる。
これらの高周波用誘電体磁器組成物は、ペロブスカイト型構造を有する酸化物であることが好ましく、ペロブスカイト型構造をとることにより、優れたε、Qu及びτを有することとなり、好ましい。
更に、これらの高周波用誘電体磁器組成物は、SrLaTi15型化合物、特にSrLaTi15型層状ペロブスカイト化合物とすることにより、優れた誘電特性を備える磁器組成物とすることができる。このSrLaTi15型層状ペロブスカイト化合物は、前記AE成分、Ln成分及びM成分の各々の原料を混合し、熱処理(仮焼)、粉砕、造粒したのち成形し、この成形体焼成して製造することができる。また、Ln12で表される複酸化物に、AE成分及びM成分の各々の原料を混合し、焼成して製造することができる。
本発明の高周波用誘電体磁器組成物及び参考発明の高周波用誘電体磁器組成物の各々の製造方法は特に限定されず、例えば、セラミック原料と有機溶媒とをボールミルなどにより混合した後、大気雰囲気等において熱処理(仮焼)し、次いで、この粉末に、バインダ、分散剤及び有機溶媒等を配合して混合粉砕したのち、乾燥し、必要に応じて造粒した後、加圧成形し、この成形体を焼成して製造することができる。尚、熱処理は必ずしも必要ではなく、セラミック原料、バインダ、分散剤及び有機溶媒等を同時に混合した後、成形し、焼成して製造することもできる。
セラミック原料としては、所定の元素の酸化物、複酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等の粉末、更には所定の元素を含む有機金属化合物等の液状物などが挙げられる。この所定の元素としては、AE、Ln及びMが用いられる。AEとしては、Ca、Sr及びBa等が挙げられる。このAEとしてはSrが好ましい。AEは1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。2種以上のAEを用いる場合、各々のAEは特に限定されず、それぞれの量比も特に限定されない。2種以上のAEを用いるときは、Srと他のAEとを用いることが好ましい。この他のAEとしてはBa及びCaのうちの少なくとも一方が好ましく、Srと他のAEとの量比は特に限定されないが、Sr/他のAEを1/0.05〜0.2、特に0.07〜0.15とすることが好ましい。
また、Lnとしては、La、Nd及びSmが挙げられる。Lnは1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。2種以上のLnを用いる場合、各々のLnは特に限定されず、それぞれの量比も特に限定されない。2種以上のLnを用いるときは、Laと他のLnとを用いることが好ましい。この他のLnとしてはNd及びSmのうちの少なくとも一方が好ましく、Laと他のLnとの量比は特に限定されないが、La/他のLnを1/0.01〜0.15、特に0.02〜0.10とすることが好ましい。
更に、Mとしては、4A族元素のTi、4B族元素のSnが挙げられる。このMとしてはTi及びSnが好ましい。Mは1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、2種以上のMを用いる場合、各々の元素は同族の元素でもよく、異なる族の元素でもよい。2種以上のMを用いるとき、それぞれのMは特に限定されず、各々の量比も特に限定されない。更に、2種以上のMを用いる場合は、Tiと他のMとを用いることが好ましい。この他のMとしてはSnが好ましく、Tiと他のMとの量比は特に限定されないが、Ti/他のMを1/0.02〜0.20、特に0.03〜0.15とすることが好ましい。尚、Mとして2種以上の元素を用いる場合は、Mとしての価数が4価となることが好ましい。
また、バインダ、分散剤、有機溶媒としては、この種の磁器組成物の製造において一般に使用されるものを用いることができる。バインダとしては、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。分散剤としては、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。有機溶媒としては、エタノール、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。バインダ、分散剤、有機溶媒はそれぞれ1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。また、溶媒については有機溶媒でなく、水を用いてもよい。
熱処理温度は特に限定されず、900〜1300℃、特に1000〜1200℃とすることができ、熱処理時間も特に限定されず、1〜6時間、特に2〜5時間とすることができる。熱処理雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気とすることができる。更に、成形は、10〜20MPaの圧力で一軸加圧成形すること等により行うことができ、必要に応じて120〜180MPaの圧力で等方静水圧プレス処理(CIP処理)することができる。また、焼成温度は特に限定されず、1450〜1700℃、特に1500〜1650℃とすることができ、焼成時間も特に限定されず、1〜8時間、特に2〜6時間とすることができる。焼成雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気とすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実験例1〜11
(1)誘電特性を評価するための試験片の作製
市販のSrCO(AE化合物)粉末、La(Ln化合物)粉末及びTiO(M化合物)粉末を原料粉末とし、各々のモル比であるa、b、cが表1の実験例1〜11のそれぞれの値となるように秤量した。その後、各々の原料粉末をボールミルに投入し、更にエタノールを加え、湿式混合し、スラリーを調製した。次いで、このスラリーを乾燥し、大気雰囲気において1100℃で2時間熱処理した。その後、熱処理物、バインダ、分散剤及びエタノールをボールミルに投入し、粉砕し、混合してスラリーを調製した。次いで、このスラリーを80℃で3時間湯煎乾燥し、250μmのメッシュを用いて造粒した。その後、20MPaの圧力で一軸加圧成形し、更に150MPaの圧力でCIP処理を行い、直径17mm、高さ12mmの円柱状成形体を得た。次いで、この成形体を大気雰囲気において1600℃で4時間保持して焼成し、誘電特性を評価するための実験例1〜11の試験片を作製した。
Figure 0004383951
*は本発明の磁器組成物の範囲外であり、**は本発明の他の磁器組成物の範囲外であることを表す。
実験例12〜23
(2)誘電特性を評価するための試験片の作製
AE化合物、LnO3/2及びMOδとして、それぞれ表2〜7に記載の化合物又は酸化物の粉末を、各々のモル比であるa、b、cが表2〜7の実験例12〜23のそれぞれの値となるように秤量して用いた他は、実験例1〜11の場合と同様にして誘電特性を評価するための試験片を作製した。尚、AE化合物としてはSrCO、CaCO及びBaCOを、Ln化合物としてはLa、Nd及びSmを、M化合物としてはTiO及びSnOを用いた。
Figure 0004383951
*は本発明の磁器組成物の範囲外であり、**は本発明の他の磁器組成物の範囲外であることを表す。
Figure 0004383951
Figure 0004383951
Figure 0004383951
Figure 0004383951
Figure 0004383951
(3)誘電特性の評価
(1)及び(2)で作製した各々の試験片を粒度#200のレジンボンド砥石を用いて平行研削した後、平行導体板型誘電体円柱共振器法(TE011モード)により、測定周波数4〜6GHzにおいて、εr、Qu×f(GHz、fは測定周波数である。)及びτ(ppm/℃)を測定した。尚、τは25〜80℃の温度領域で測定し、τ=(f80−f25)/(f25×ΔT)、ΔT=80−25=55℃によって算出した。ε、Qu×f及びτfの結果を表1〜7に併記する。また、表1におけるa、b、c、mの各々とε及びQu×fとの相関を図1〜4に示す。
表1及び図1〜4によれば、aが0.088と本発明の磁器組成物の上限値を越え、bが0.471と本発明の磁器組成物の下限値未満であり、cが0.441と本発明の磁器組成物の上限値であり、mが0.75と参考発明の磁器組成物の上限値を越えている実験例9では、εは十分であるものの、Qu×fが低下し、τが負の側において大きくなっている。また、aが0.093とより大きく、bが0.465とより小さく、cが0.442と本発明の磁器組成物の上限値を越え、mが0.80とより大きい実験例10、及びaが0.102と更に大きく、bが0.455と更に小さく、cが0.443とより大きく、mが0.90と更に大きい実験例11では、εは十分であるものの、Qu×fが更に低下し、τも負の側において大きくなっていることが分かる。
一方、本発明の磁器組成物及び参考発明の磁器組成物の範囲内である実験例1〜8では、εは39.0〜44.1と十分に高く、Qu×fは16100〜20300GHzと大きく、τは−11〜−48ppm/℃と、実用上、十分な範囲にあり、優れている。更に、a、b及びcがいずれも好ましい範囲内にあり、且つmも参考発明の磁器組成物の好ましい範囲内である実験例3〜6では、εは42.8〜44.1とより高く、Qu×fは19800〜20300GHzとより大きく、τは−11〜−16ppm/℃であり、より優れていることが分かる。また、a、b及びcがいずれも特に好ましい範囲内にあり、且つmも参考発明の磁器組成物の特に好ましい範囲内である実験例3〜5では、εが43.3〜44.1と更に高く、特に優れていることが分かる。
更に、表2〜7によれば、aが0.093と本発明の磁器組成物の上限値を越え、bが0.465と本発明の磁器組成物の下限値未満であり、cが0.442と本発明の磁器組成物の上限値を越え、mが0.8と参考発明の磁器組成物の上限値を越えている実験例13では、ε及びτは特に問題ないものの、Qu×fが大きく低下している。一方、本発明の磁器組成物及び参考発明の磁器組成物の範囲内である実験例12及び14〜23では、εは40.1〜44.1と十分に高く、Qu×fは18000〜20900GHzと大きく、τは−8.1〜−19ppm/℃と優れていることが分かる。
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に限られず、目的、用途等に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、セラミック原料としては、炭酸塩、酸化物の他に、それぞれの元素の複酸化物、水酸化物、硝酸塩等の、加熱により酸化物となる種々の化合物を用いることもできる。
aと、ε及びQu×fとの相関を表すグラフである。 bと、ε及びQu×fとの相関を表すグラフである。 cと、ε及びQu×fとの相関を表すグラフである。 mと、ε及びQu×fとの相関を表すグラフである。

Claims (5)

  1. 2A族元素のうちの少なくとも1種の元素(以下、AEと表記する。)、3A族元素のうちの少なくとも1種の元素(以下、Lnと表記する。)、並びに4A、5A、6A、7A、8A、1B、2B、3B及び4B族のうちの少なくとも1種の元素(以下、Mと表記する。)を含有し、組成式aAEO−bLnO3/2−cMOδ で表される高周波用誘電体磁器組成物であって、
    下記(1)〜(7)のいずれかの組成式で表されることを特徴とする高周波用誘電体磁器組成物。

    (1)aSrO−bLaO 3/2 −cTiO (但し、a、b及びcはモル比であり、a+b+c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該bは0.476≦b≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
    (2)aBaO−bLaO 3/2 −cTiO (但し、a、b及びcはモル比であり、a+b+c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該bは0.476≦b≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
    (3)aCaO−bLaO 3/2 −cTiO (但し、a、b及びcはモル比であり、a+b+c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該bは0.476≦b≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
    (4)aSrO−b LaO 3/2 −b NdO 3/2 −cTiO (但し、a、b 、b 及びcはモル比であり、a+b +b +c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
    (5)aSrO−b LaO 3/2 −b SmO 3/2 −cTiO (但し、a、b 、b 及びcはモル比であり、a+b +b +c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
    (6)aCaO−b LaO 3/2 −b NdO 3/2 −cTiO (但し、a、b 、b 及びcはモル比であり、a+b +b +c=1であり、該aは0.013≦a≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該cは0.431≦c≦0.441である。)。
    (7)a SrO−a BaO−b LaO 3/2 −b NdO 3/2 −c TiO −c SnO (但し、a 、a 、b 、b 、c 及びc はモル比であり、a +a +b +b +c +c =1であり、該aは0.013≦a +a ≦0.083、該b +b は0.476≦b +b ≦0.556、且つ該c +c は0.431≦c +c ≦0.441である。)。
  2. 無負荷品質係数と該無負荷品質係数の測定周波数との積が16000GHz以上である請求項1に記載の高周波用誘電体磁器組成物。
  3. ペロブスカイト型構造を有する酸化物である請求項1又は2に記載の高周波用誘電体磁器組成物。
  4. SrLaTi15型層状構造を有する請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の高周波用誘電体磁器組成物。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の高周波用誘電体磁器組成物の製造方法であって、
    AEの酸化物(AEO)又は加熱により該酸化物となるAE化合物、Lnの酸化物(LNO3/2)又は加熱により該酸化物となるLn化合物、及びMの酸化物(MOδ)又は加熱により該酸化物となるM化合物を含有する原料混合物を調製し、その後、熱処理して熱処理粉末とし、次いで、該熱処理粉末を粉砕及び造粒したのち成形し、焼成することを特徴とする高周波用誘電体磁器組成物の製造方法。
JP2004128923A 2003-04-24 2004-04-23 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4383951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004128923A JP4383951B2 (ja) 2003-04-24 2004-04-23 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003120638 2003-04-24
JP2004128923A JP4383951B2 (ja) 2003-04-24 2004-04-23 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004339052A JP2004339052A (ja) 2004-12-02
JP4383951B2 true JP4383951B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=33543240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004128923A Expired - Fee Related JP4383951B2 (ja) 2003-04-24 2004-04-23 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4383951B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004339052A (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Huang et al. Effects of additives on microstructures and microwave dielectric properties of (Zr, Sn) TiO4 ceramics
JP2934639B2 (ja) 誘電体セラミック組成物
JP4524411B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP5812035B2 (ja) 誘電体磁器組成物、誘電体磁器および電子部品
Huang et al. The effect of PbO loss on microwave dielectric properties of (Pb, Ca)(Zr, Ti) O3 ceramics
JP2005200232A (ja) 誘電体磁器組成物
JP4465663B2 (ja) 誘電体磁器組成物
Fu et al. Effect of TiO2 ratio on BaO–Nd2O3–TiO2 microwave ceramics
Huang et al. Influence of V2O5 additions to 0.8 (Mg0. 95Zn0. 05) TiO3–0.2 Ca0. 61Nd0. 26TiO3 ceramics on sintering behavior and microwave dielectric properties
JP4383951B2 (ja) 高周波用誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP4419889B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP4541692B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP4790365B2 (ja) 高周波用誘電体組成物
CN101337811B (zh) 介电可调的复合微波陶瓷材料及其制备方法
Tang et al. Low‐Temperature Sintering and Microwave Dielectric Properties of MgZrNb2O8 Ceramics with BaCu (B2O5) Addition
JP4505795B2 (ja) 電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法
JP4494756B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを用いた誘電体共振器
Qin et al. Low-fired (PbCa)(FeNb) O3 ceramics for multilayer microwave filter applications
US7732361B2 (en) Dielectric porcelain composition for use in electronic devices
JP2006273617A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2006273616A (ja) 誘電体磁器組成物
JP4721091B2 (ja) 電子デバイス用誘電体磁器組成物
Tay et al. The influence of sintering aids for Nd (Mg0. 5Ti0. 5) O3 microwave dielectric ceramics properties
JP4678569B2 (ja) 電子デバイス用誘電体磁器組成物
JP2005179110A (ja) 誘電体磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090901

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090924

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees