JP4541259B2 - 繊維補強モルタル組成物 - Google Patents

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本発明は、金属短繊維が分散混合された、まだ固まっていないモルタル組成物であって、流動性に優れ、かつ硬化後の曲げ強度を改善したものに関する。
モルタルおよびコンクリート(以下これらを「セメント系材料」という)の強度や靱性を改善する手法として、セメント系混練物中に短繊維を配合させる手法が知られている(特許文献1〜4)。その短繊維として繊維長の異なる2種類の金属繊維を使用した短繊維補強コンクリートも開発されている(特許文献4)。
特表平9−500352号公報 特開平11−246255号公報 特開2001−181004号公報 特開平9−295877号公報
近年、建築物の高層化や大規模化等に対応するため、圧縮強度150N/mm2以上の高強度化を図りつつ、曲げ強度についても30N/mm2以上、あるいは40N/mm2以上といった高レベルを実現できるセメント系材料のニーズが高まっている。セメント系材料にこのような特性を付与するには金属や有機質の短繊維を添加することが有効である。例えば特許文献3には、粗骨材の粒径を2mm以下に制限するとともに長さ2〜30mmの鋼繊維あるいは有機質繊維を添加して、曲げ強度/圧縮強度の比を向上させたセメント系材料が開示されている。
現場での施工性や構造設計の多様化に充分対応するには、上記のような短繊維補強セメント系材料においても、混練物の状態で高い流動性を呈することが望まれる。しかしながら、混練物の「流動性」と硬化体の「曲げ強度」を高いレベルで安定して両立させることは必ずしも容易ではない。一般に短繊維の長さおよび添加量が増大するほど曲げ強度は向上する反面、流動性は低下する。逆に短繊維の長さおよび添加量が少ないほど流動性は良くなる反面、曲げ強度の向上効果は小さくなる。つまり、「流動性」と「曲げ強度」はトレードオフの関係にあり、そのことが「流動性」と「曲げ強度」の同時改善を難しくしている要因になっている。
コスト面や流動性改善の面を重視すると、短繊維の添加量をできるだけ少なく抑えることが有利である。この場合は、硬化体の曲げ強度を向上させることが一層難しくなる。特許文献3では「流動性」と「曲げ強度」の両立、あるいはさらに短繊維の添加量低減に関し特段の配慮はなされていない。また、細骨材の粒径を2mm以下に制限することは、粒径5mm以下の細骨材を使用している一般的なモルタルへの適用が排除されることにつながり、汎用性の面でも改善の余地がある。
一方、特許文献4によれば、長さの異なる2種類の短繊維を混合することにより、曲げ強度等の機械的特性のバラツキを少なくすることが可能になるという。しかし、この文献では粗骨材を含むコンクリートを対象としており、曲げ強度の高い超高強度モルタルを得る手法については開示がない。また、流動性の改善についても特段の配慮はなされていない。
本発明は、粒径5mm以下の細骨材を使用するモルタルにおいて、その混練物の流動性を充分に確保しながら30N/mm2以上あるいは特に40N/mm2以上の高い曲げ強度を実現し、かつ繊維の使用量低減にも配慮した繊維補強モルタル組成物を提供しようというものである。
発明者らは詳細な検討の結果、モルタルに添加する短繊維として、繊維長さの分布曲線に2つ以上のピークをもつ配合の金属繊維を使用し、かつ、その繊維長分布と添加量を適正化したとき、単一長さの繊維からなる金属繊維を添加したものと比べ、「流動性」と「曲げ強度」を高いレベルで両立できることを知見した。すなわち、流動性の低下を抑制しながら曲げ強度の向上が可能になる。
本発明では、引張強さ750N/mm2以上の金属繊維が、繊維長の分布曲線に2つ以上のピークをもち、かつ下記(1)〜(3)式を満たす配合で分散混合されており、フロー値200mm以上の流動性を有し、硬化後に曲げ強度33.8N/mm2以上あるいは特に40N/mm2以上を呈するモルタル組成物を提供する。
P1=12.5±7.5 ……(1)
P1≦0.8LP2 ……(2)
1+V23.5 ……(3)
ここで、繊維長の分布曲線における最も高いピークと2番目に高いピーク(以下これらを「主たる2つのピーク」ということがある)のうち、繊維長が短い方のピークをP1、長い方のピークをP2と呼ぶとき、
P1:P1のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
P2:P2のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
1:繊維長さが平均繊維長未満である繊維の合計混入率(体積%)、
2:繊維長さが平均繊維長以上である繊維の合計混入率(体積%)、
である。
繊維長の分布曲線は、図1に例示するように、横軸に繊維長、縦軸に繊維の体積(または体積に比例する値)をいずれも等分目盛りでとったグラフにプロットされる曲線である。具体的には、横軸を微小繊維長区分(例えば1mm幅以下)に分割し、各微小繊維長区分ごとに当該区分に属する繊維の合計体積を集計し、各集計値を〔横軸値,縦軸値〕=〔各微小繊維長区分の中央値,その区分に属する繊維の合計体積値〕の座標にプロットし、各プロットした点を曲線で結んだとき、その曲線が本発明でいう「繊維長の分布曲線」である。ピークの数は3つ以上存在しても構わないが、ここでは最も高いピークと2番目に高いピークに着目した場合のLP1およびLP2を用いて発明を特定する。ただし、平均繊維長LM(「横軸の各微小繊維長区分の中央値×当該区分に属する繊維の合計体積」の総和を繊維の全体積で除した値)がLP1とLP2の間にある分布形態のものが対象となる。また、前記最も高いピークおよび2番目に高いピークがそれぞれ1つだけ定まる場合が対象となる。
図2には、P1およびP2にピーク幅がほとんどない場合の繊維長の分布曲線を例示してある。これは、繊維長LP1の金属繊維製品と、繊維長LP2の金属繊維製品とを混合(ブレンド)した場合の典型的な分布曲線である。この場合、両ピークの高さがそれぞれ、ほぼそのままV1およびV2に相当すると見てよい。
1、V2の繊維混入率(体積%)は、繊維添加前のモルタル1m3に対する、繊維添加量(m3)の割合をいう。ここでいうモルタル組成物は、まだ固まっていないモルタルの混練物であって、金属繊維を分散混合したものである。金属繊維の径は0.1〜1mmのものが使用できる。
また本発明では、前記(1)〜(3)式に加え、さらに下記(4)〜(6)式を満たす配合で金属繊維を分散混合させたモルタル組成物を提供する。
2≧−0.02LP2+1.2 ……(4)
P1×V1+LP2×V2≧0.3LP2×V2−0.3LP1+29 ……(5)
2<0.8のときは、V1≧0.8 ……(6)
(1)〜(6)式を同時に満たす金属繊維の配合は、硬化後に特に高い曲げ強度を得るための好ましい配合である。
金属繊維は、さらに下記(7)式を満たすように配合されていることが好ましい。
P2≦35 ……(7)
ただし本発明では、下記(8)式の関係を満たして隣接するピーク群は1つのピークとみなして取り扱う。
B−LA≦0.1LB ……(8)
ここで、
A:隣り合う2つのピークのうち、繊維長が短い方のピーク位置に相当する繊維長、
B:隣り合う2つのピークのうち、繊維長が長い方のピーク位置に相当する繊維長、
である。
このようにして1つのピークとみなされたピークを、以下「みなしピーク」と呼ぶことがある。みなしピークのピーク位置に相当する繊維長LXは、当該ピーク群を構成する各ピークについての「ピーク位置に相当する繊維長×ピーク高さ」の総和を「各ピーク高さ」の総和で除した値として算出すればよい。みなしピークのピーク高さは、当該ピーク群を構成する「各ピーク高さ」の総和とする。
図3に、(8)式を満たして隣接するピーク群について、繊維長の分布曲線を例示する。この例では3つのピーク[1]〜[3]が隣接して存在している。ピーク[1]とピーク[2]は、LA=L[1]、LB=L[2]としたとき(8)式を満たす関係にあるとする。同様にピーク[2]とピーク[3]も、LA=L[2]、LB=L[3]としたとき(8)式を満たす関係にあるとする。このとき、[1]〜[3]の3本のピークからなるピーク群は1つのピークとみなされる。そして、そのピーク位置に相当する繊維長LXは、次式、
X=(L[1]×h[1]+L[2]×h[2]+L[3]×h[3])/(h[1]+h[2]+h[3]
によって算出される。また、このみなしピークの高さはh[1]+h[2]+h[3]となる。
以上のモルタル組成物において、特にフロー値230mm以上の高流動性を有するものが提供される。また、硬化後に圧縮強度150N/mm2以上、曲げ強度40N/mm2以上の硬化体を構築するものが好適な対象となる。圧縮強度はJIS R5201に規定の「圧縮強さ」に相当するものである。曲げ強度は「鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法(JSCE−G 552−1999)」に規定の試験方法に準拠して40×40×160mmの試験体を用いて測定される値を採用する。フロー値はJIS R5201に準じて、落下運動を加えない方法により定めることができる。
本発明によれば、特異な繊維長分布をもつ金属繊維を配合させる手法によって、モルタルフロー200mm以上あるいはさらに230mm以上という流動性を維持しながら、硬化後に曲げ強度33.8N/mm2あるいはさらに40N/mm2以上を呈するモルタル組成物を得るための具体的手段が提供された。このような高レベルの「流動性」と「曲げ強度」を両立させることは、単一長さの金属繊維を配合させていた従来のモルタルでは実現が極めて難しかったことである。また、本発明のモルタル組成物は、骨材の最大径を一般的な5mm以下とすることができ、骨材の径を制限することによる汎用性の低下も防止できる。さらに、本発明では使用する繊維の繊維長分布に応じて曲げ強度が最も高くなる近傍の繊維配合を特定しているので、繊維の使用量に対する「流動性」と「曲げ強度」の改善効率(コストメリット)が極めて高い。したがって本発明は、種々のセメント系材料構造物において、高強度モルタルの普及に寄与するものである。
本発明ではモルタル組成物の流動性を高く維持しながら硬化後の曲げ強度を顕著に向上させるために、繊維長の分布曲線に2つ以上のピークをもつ特異な繊維長分布の金属短繊維を配合させる。短繊維補強コンクリートまたはモルタルでは、一般に、繊維長が長いほど強度向上には有利であるとされる。しかし本発明者らの詳細な調査によれば、単に繊維長を長くするよりも、比較的長い繊維長を有する繊維と、比較的短い繊維長を有する繊維とを適度に混合した分布状態の繊維配合とする方が、流動性を維持しつつ高い曲げ強度を実現できることが明らかになった。そのメカニズムについては現時点で未解明であるが、セメントマトリクス中において、本来強度向上に有利な長い繊維どうしの間に短い繊維が入り込む分散形態が得られ、これが曲げに対する抵抗力を顕著に増大させているものと推察される。
以下、本発明を特定するための事項について説明する。
短繊維は、引張強さ750N/mm2以上の高強度を有する金属繊維を使用する。このような高強度金属繊維の代表的なものに鋼繊維やステンレス鋼繊維が挙げられる。形状については種々調査したところ、ストレート型で充分であるが、波形加工やインデント加工を施してセメントマトリクスに対するアンカー効果を向上させたものも適用できる。引張強さが750N/mm2を下回る繊維では本発明の効果が安定して得られない場合がある。引張強さの上限については特に制限はない。鋼繊維では1000〜2000N/mm2級のものが製造されており、これを問題なく使用できる。あまり強度の高い金属繊維を使用してもそれに見合った特性向上は期待できないので、引張強さ750〜2500N/mm2の範囲で金属繊維を選択すればよい。
発明者らの検討によれば、モルタルの曲げ強度を改善する上で、金属繊維の径よりも、長さ分布の方が大きく影響することがわかった。一般に引張強さが750N/mm2以上の高強度金属繊維は、0.1〜1mm程度の径のものが製造されており、入手可能である。この範囲の径を有するものであれば本発明に適用することができるが、0.1〜0.8mm径のものが分散性等を考慮して総合的に見ると好適であり、0.1〜0.4mm径のものが一層好ましい。金属繊維の断面形状は円、楕円、扁平形状など種々のものがあり、いずれも使用できる。「径」は長手方向に垂直な断面における長径を意味する。
繊維長については、分布曲線の主たる2つのピークのうち、繊維長さが短い方のピークP1の位置に相当する繊維長(mm)が下記(1)式を満たす必要がある。
P1=12.5±7.5 ……(1)
(1)式を外れてLP1が小さくなると、セメントマトリクス中で長い繊維の間を埋めることによる補強作用が充分に発揮できなくなると推察され、結果的に曲げ強度の向上作用に乏しくなる。逆に(1)式を外れてLP1が大きくなると、単一のピークをもつ繊維長分布の場合に対して、2つ以上のピークをもつ繊維長分布に調整したことによる効果があまり顕著に現れず、コストメリットが小さくなる。(1)式に代えて下記(1)’式を採用することがより好ましい。
P1=12.5±5 ……(1)’
繊維長の分布曲線における主たる2つのピークP1とP2の間隔は、下記(2)式を満たすように離れていることが望ましい。
P1≦0.8LP2 ……(2)
(2)式を外れて主たる2つのピークが近づきすぎると、単一のピークをもつ繊維長分布の場合に対して、2つ以上のピークをもつ繊維長分布に調整したことによる効果があまり顕著に現れず、コストメリットが小さくなる。
なお、主たる2つのピーク高さの差に関しては、低い方のピーク高さが、高い方のピーク高さの1/4以上であることが望ましい。「みなしピーク」である場合のピーク高さについては前述のとおりである。
含有させる金属繊維の総量(セメント系混練物中の体積%)は、(3)式を満たす範囲とする。
1+V23.5 ……(3)
(3)式の左辺は含有させる金属繊維の総量(体積%)を表す。繊維の総量が5体積%を超えると、単一のピークをもつ繊維長分布を採用した場合と比較して、曲げ強度を向上させるために必要な繊維の使用量を低減させる効果が充分に発揮されず、コストメリットが小さくなる。また、充分な流動性を確保することが難しくなる。(3)式に代えて下記(3)’’式を採用することがより好ましい。
1+V2≦2.5 ……(3)’’
繊維長の長い金属繊維は曲げ強度を向上させるための寄与が大きいので、ある程度以上の混入率を確保する必要がある。ただし、その寄与の程度はピークP2の位置(すなわちLP2)によって変わってくる。したがって、むやみに繊維長の長い繊維の配合率を増やすと、流動性を損ねるだけで高い曲げ強度が得られないという事態も起こりうる。発明者らの詳細な研究の結果、長い繊維の配合量をLP2に応じて下記(4)式を満たすように確保することが、曲げ強度を顕著に向上させる上で極めて有利になることがわかった。
2≧−0.02LP2+1.2 ……(4)
(4)式は、LP2が小さい場合ほど、V2が多くなるような配合とすべきことを意味する。
一方、前述のように、曲げ強度は長い繊維と短い繊維の相乗作用によって顕著に向上し、それぞれの混入率を適正化した場合に例えば曲げ強度40N/mm2以上といった優れた特性が達成される。発明者らは様々な繊維長分布の金属繊維を使用して、上記相乗作用を検討したところ、下記(5)式を満たす配合領域の中に曲げ強度の顕著な向上がもたらされ、かつ流動性も高く維持される「解」が存在することを突き止めた。
P1×V1+LP2×V2≧0.3LP2×V2−0.3LP1+29 ……(5)
この式は、主たる2つのピークの位置(LP1およびLP2)に応じて、確保すべき短い繊維と長い繊維のそれぞれの量(V1およびV2)が変動することを表したものである。適切なV1およびV2の組み合わせは、長い繊維の繊維長(LP2)および混入率(V2)によって変わってくる。また、短い繊維の繊維長(LP1)によっても影響を受ける。
ただし、長い繊維の混入率が低い領域では、(5)式に従うだけでは安定して高い曲げ強度が得られない場合がある。そこで種々検討の結果、V2が0.8体積%未満の場合には下記(6)式を適用することが望ましい。
2<0.8のときは、V1≧0.8 ……(6)
このように(4)〜(6)式は、前記(1)〜(3)式を満たす配合の金属繊維において、さらに曲げ強度を顕著かつ安定的に向上させるための具体的な手法を与えるものである。流動性については、後述するモルタルの成分設計を採用したものにおいて、(4)〜(6)式を満たす範囲の中でフロー値200mm以上あるいはさらに230mm以上を実現することができる。具体的には、(4)〜(6)式を満たす範囲内において、V1またはV2を低減していくと、フロー値200mm以上あるいはさらに230mm以上の領域を見出すことができる。
使用する繊維の繊維長があまり長くなると流動性の低下が大きくなり、本発明においては不利となる。具体的には下記(7)式を満たすことが望ましい。
P2≦35 ……(7)
本発明で対象とする金属繊維としては、繊維長の分布曲線に3つ以上のピーク(みなしピークを構成するピーク群は1つのピークと数える)が存在しているものであっても構わない。ただしその場合、3番目に高いピークの高さは2番目に高いピークの高さの1/2以下であることが望ましい。また、LP1±(LP1×0.1)の範囲にV1の50%以上が含まれ、LP2±(LP2×0.1)の範囲にV2の50%以上が含まれるような分布を有する金属繊維が好適な対象となる。
そのような好適な金属繊維の分布は、単一の繊維長を有する繊維で構成される2種類以上の金属繊維製品を混合(ブレンド)することによって比較的簡単に実現可能である。特に2種類の金属繊維製品を使用したモルタル組成物としては以下のi)、ii)のようなものが挙げられる。
i) 引張強さ750N/mm2以上の金属繊維で構成される平均繊維長LM1の金属繊維製品と、引張強さ750N/mm2以上の金属繊維で構成される平均繊維長LM2の金属繊維製品とを混合することにより、繊維長の分布曲線に2つのピークをもち、かつ前記(1)〜(3)式を満たす配合とした金属繊維が分散混合されており、フロー値200mm以上あるいはさらに230mm以上の流動性を有し、硬化後に曲げ強度30N/mm2以上あるいはさらに40N/mm2以上を呈するモルタル組成物。
ii) 引張強さ750N/mm2以上の金属繊維で構成される平均繊維長LM1の金属繊維製品と、引張強さ750N/mm2以上の金属繊維で構成される平均繊維長LM2の金属繊維製品とを混合することにより、繊維長の分布曲線に2つのピークをもち、かつ前記(1)〜(6)式を満たす配合とした金属繊維が分散混合されているフロー値200mm以上あるいは230mm以上のモルタル組成物。
これらの場合、使用する金属繊維製品の平均繊維長LM1およびLM2は、それぞれLP1およびLP2に相当すると見てよい。また、各金属繊維製品の配合量がそれぞれV1およびV2に相当する。これらの金属繊維製品の一部を平均繊維長の異なる他の製品で置換することもできる。この場合、前述の「みなしピーク」が構成されるように置換すればよい。金属繊維製品においても繊維長には若干のバラツキが見られるが、通常、平均繊維長(公称値)±2mmの間に全繊維の90質量%以上が含まれる。このような製品は本発明において問題なく使用できる。
なお、前記(1)〜(3)式、あるいはさらに(4)〜(6)式、あるいはさらに(7)式を満たし、LP1±(LP1×0.1)の範囲にV1の50%以上が含まれ、LP2±(LP2×0.1)の範囲にV2の50%以上が含まれ、2番目に高いピークの高さが最も高いピークの高さの1/4以上であり、繊維長の分布曲線に3つ以上のピーク(みなしピークを構成するピーク群は1つのピークと数える)をもつ場合は3番目に高いピークの高さが2番目に高いピークの高さの1/2以下であるような、特に好ましい繊維長分布を有する金属繊維を分散混合したモルタル組成物では、上記i)、ii)のような単一の繊維長を有する繊維で構成される長・短2種類の金属繊維製品を混合(ブレンド)したモルタル組成物と同様の「流動性」および「曲げ強度」の挙動を示す。つまり、上記のような好ましい繊維長分布の金属繊維を分散混合したモルタル組成物の特性については、2種類の金属繊維製品を混合(ブレンド)して同様のLP1、LP2、V1、V2値に調整したモルタル組成物を用いることによってシミュレートすることが可能である。
本発明のモルタル組成物を構成する前記金属繊維以外の材料としては、以下のように、一般的な高強度モルタルと同様のものを採用することができる。
・セメント: ポルトランドセメントをはじめとする市販の種々のセメントが使用できる。
・水: 一般的なコンクリートまたはモルタルの練り混ぜ水に適合する水が使用できる。
・細骨材: 最大粒径5mm以下のコンクリート用細骨材が使用できる。
・混和材: ポゾラン、フライアッシュ、シリカフューム等、公知の混和剤を添加することができる。
・混和剤: 高性能減水剤、AE剤、AE減水剤、消泡剤、収縮低減剤などを添加することができる。
各種材料の選択やそれらの配合量については、金属繊維を添加しない場合に、モルタルフローが少なくとも200mm以上、好ましくは230mm以上、さらに好ましくは240mm以上であり、圧縮強度が150N/mm2以上、好ましくは200N/mm2以上となるような成分設計を行うことによって決定できる。例えば、本発明出願人らが特願2005−120127にて開示した結合材(例えばセメント100質量部に対して、シリカフュームと石炭ガス化フライアッシュの合計5〜40質量部、石膏0.5〜8質量部を含むもの)を使用し、金属繊維を添加しない場合のフロー値が上記のようになる配合を採用することが望ましい。
このような成分設計のモルタル組成物に、前述の規定に従う金属繊維を添加し、金属繊維が均等に分散するように混練して混練物を作ると、本発明のモルタル組成物が得られる。混練方法は従来の短繊維補強モルタルと同様とすればよい。
なお、フロー値を200mm以上に規定したのは自己充填による流れ込み成形に対応するためである。モルタルのフロー値(JIS R5201、落下なし)が200mmに達しないと自己充填によって部材を成形することが困難になる場合がある。フロー値が230mm以上になると施工時に締め固めを不要にすることもでき、また、その優れた流動性のメリットを活かして構造物の設計自由度拡大にも寄与できる。一方、あまりフロー値が高すぎると繊維補強モルタルでは流動中に繊維の沈降が起こり、均質な硬化体ができない。このため、繊維添加後のフロー値は200〜270mmとすることが望ましく、230〜270mmとすることが一層好ましい。
金属繊維として、以下の2種類の鋼繊維製品を用意した。いずれも、繊維長の分布は、平均繊維長±2mmの範囲に全繊維の90質量%以上が含まれるものである(実施例2以降で使用する製品において同様)。
〔鋼繊維1〕
・平均繊維長:10mm
・繊維径:0.2mm
・形状:円形断面、ストレート型
・引張強さ:約2000N/mm2
〔鋼繊維2〕
・平均繊維長:20mm
・繊維径:0.2mm
・形状:円形断面、ストレート型
・引張強さ:約2000N/mm2
一方、モルタルの材料として以下のものを用意した。
・結合材: 高強度用特殊セメント、比重2.98
(特願2005−120127に開示のもの、すなわち、質量比で、普通ポルトランドセメント:100、シリカフューム+石炭ガス化フライアッシュ:20を含み、石膏を加えたもの、ただしシリカフューム:石炭ガス化フライアッシュ=7:3)
・水: 水道水
・細骨材: 砕砂、比重2.64、吸水率1.57、最大粒径5mm、粗粒率2.77
・混和剤: 高性能減水剤(ポリカルボン酸系)、消泡剤(ポリアルキレングリコール誘導体)
金属繊維を除いたモルタルの配合は以下のとおりである。
・単位量(kg/m3)において、水:205、結合材:1286、細骨材:906、高性能減水剤:38.58、消泡剤:6.43
・水結合材比:15.9%
この配合の混練物に、上記鋼繊維1、鋼繊維2を種々の混入率(体積%)で添加して、分散混合し、金属繊維の配合が異なる15種類のモルタル組成物を作った。
各モルタル組成物のLP1およびLP2はそれぞれ2種類の各鋼繊維の平均繊維長に一致するとみなすことができ、また、V1およびV2はそれぞれ2種類の各鋼繊維の混入率(体積%)に等しいとみなすことができる(実施例2〜4において同じ)。
各モルタル組成物について、フロー値をJIS R5201(ただし落下運動なし)に準じて測定した。また、各モルタル組成物の硬化体(40×40×160mmの試験体)を作り、曲げ強度を「鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法(JSCE−G 552−1999)」に準拠した方法で測定した。そして以下の基準で評価した(実施例2以降において同じ)。
A(極めて優秀):フロー値230mm以上、曲げ強度40N/mm2以上のもの。
B(優秀):Aは満たさないがフロー値200mm以上、曲げ強度40N/mm2以上のもの。
C(良好):Bは満たさないがフロー値200mm以上、曲げ強度30N/mm2以上のもの。
D(不良):フロー値200mm未満または曲げ強度30N/mm2未満のもの。
結果を表1に示す。なお圧縮強度についてもφ50×100mmの試験体を用いて調べたが、いずれも150N/mm2を上回るものである(実施例2以降において同様)。
モルタルの練り混ぜ方法と養生方法は特願2005−120127に開示の方法とした。
金属繊維として以下の2種類の鋼繊維を使用し、金属繊維の配合が異なる17種類のモルタル組成物を作ったこと以外、実施例1と同様の条件で実験を行った。
〔鋼繊維3〕
・平均繊維長:15mm
・繊維径:0.2mm
・形状:円形断面、ストレート型
・引張強さ:約2000N/mm2
〔鋼繊維2〕
実施例1の鋼繊維2と同じ。
結果を表2に示す。
金属繊維として以下の2種類の鋼繊維を使用し、金属繊維の配合が異なる6種類のモルタル組成物を作ったこと以外、実施例1と同様の条件で実験を行った。
〔鋼繊維1〕
実施例1の鋼繊維1と同じ。
〔鋼繊維4〕
・平均繊維長:30mm
・繊維径:0.2mm
・形状:円形断面、ストレート型
・引張強さ:約2000N/mm2
結果を表3に示す。
金属繊維として以下の2種類の鋼繊維を使用し、金属繊維の配合が異なる11種類のモルタル組成物を作ったこと以外、実施例1と同様の条件で実験を行った。
〔鋼繊維3〕
実施例2の鋼繊維3と同じ。
〔鋼繊維4〕
実施例3の鋼繊維4と同じ。
結果を表4に示す。
Figure 0004541259
Figure 0004541259
Figure 0004541259
Figure 0004541259
本発明の規定を満たす配合で金属繊維を含有させた本発明例のモルタル組成物は、いずれもフロー値200mm以上の優れた流動性を維持しながら曲げ強度30N/mm2以上を呈した(評価A〜Cのもの)。これらは、高強度モルタルが適用される様々な構造設計の構造物において、健全な硬化体を施工性良く構築することができるものである。中でも前記の(4)〜(6)式を満たすものは40N/mm2以上の極めて高い曲げ強度を呈した(評価A、Bのもの)。さらに(4)〜(6)式を満たす領域においてフロー値230mm以上が実現できることが確認された(評価Aのもの)。
また、本発明の規定に従って2種類の繊維を分散混合したものでは、単一繊維長の鋼繊維を単独で添加した場合に比べ、同等もしくは少ない繊維混入率で流動性を高く維持しながら曲げ強度の一層の向上が可能であった(例えばNo.2−17とNo.2−4、2−7、2−8、2−11の対比、およびNo.4−11とNo.4−4、4−6の対比)。
評価Aが得られなかったものについて見ると、以下のとおりである。
No.1−11(本発明例)、1−14(本発明例)、2−6(本発明例)、2−10(本発明例)、2−13(本発明例)、2−15(評価Dの比較例)、2−16(本発明例)、2−17(1種類の繊維のみを使用した参考例)、3−1(本発明例)、3−4(評価Dの比較例)、3−5(本発明例)、3−6(本発明例)、4−1(曲げ強度が本発明対象外である参考例)、4−2(本発明例)、4−5(本発明例)、4−7(本発明例)、4−8(本発明例)、4−10(評価Dの比較例)、4−11(1種類の繊維のみを使用した参考例)は(4)式を外れてV2が少なかったため曲げ強度40N/mm2以上を達成できず、評価Cまたは評価Dとなった。
No.1−1(本発明例)、1−2(本発明例)、1−3(本発明例)、1−5(本発明例)、2−1(本発明例)、2−3(本発明例)、3−2(本発明例)は(4)式を満たす量のV2を確保したものの、(5)式を満たさなかったことにより曲げ強度40N/mm2以上を達成できず、評価Cとなった。
No.1−4(本発明例)、1−7(本発明例)、1−10(評価Dの比較例)、1−12(本発明例)、1−13(本発明例)、1−15(本発明例)、2−2(本発明例)、2−5(本発明例)、2−9(本発明例)、2−12(本発明例)、2−14(本発明例)、4−9(本発明例)は(4)〜(6)式を満たして40N/mm2以上の高い曲げ強度が得られているものの、流動性が犠牲になったことにより評価Cまたは評価Dとなった。
No.4−3(本発明例)はV2が少ないものにおいて(6)式を満たさなかったことにより、曲げ強度が40N/mm2を下回り、評価Cとなった。
実施例1の表1に示した本発明例No.1−5、1−6、1−8に相当するモルタル組成物として、鋼繊維2の代わりに下記の鋼繊維5および鋼繊維6を等量ずつ使用して実施例1と同様の条件でモルタル組成物を作り、同様の実験を行った。この場合、鋼繊維5と鋼繊維6は前記(8)式の関係を満たして隣接するピーク群を形成し、1つのピークとみなすことができる。その「みなしピーク」のピーク位置に相当する繊維長LXは20mmと算出され、これがLP2に相当するので、LP2の値は実施例1と同じである。またV2の値も実施例1と同じになる。したがって、LP1、LP2、V1、V2の各値は実施例1と同じである。
〔鋼繊維1〕
実施例1の鋼繊維1と同じ。
〔鋼繊維5〕
・平均繊維長:19mm
・繊維径:0.2mm
・形状:円形断面、ストレート型
・引張強さ:約2000N/mm2
〔鋼繊維6〕
・平均繊維長:21mm
・繊維径:0.2mm
・形状:円形断面、ストレート型
・引張強さ:約2000N/mm2
鋼繊維5および鋼繊維6は、鋼繊維2の切断前の長繊維を用意してそれぞれの長さに切り揃えたものであり、いずれも平均繊維長±2mmの間に全繊維の90質量%以上が含まれる。結果を表5に示す。
Figure 0004541259
表5の試料No.(ハイフン以降)は、対応する表1の試料のNo.と一致させてある。表5からわかるように、2種類の鋼繊維で賄った「みなしピーク」P2をもつ繊維長分布の配合を採用した場合でも、フロー値および曲げ強度は実施例1と同様の挙動を示した。
実施例2の表2に示した本発明例No.2−3、2−4、2−7に相当するモルタル組成物として、鋼繊維3および鋼繊維2の他に、鋼繊維1を0.25体積%含有させたモルタル組成物を作り、同様の実験を行った。この場合、繊維長の分布曲線は3つのピークをもつ。そのうちP1およびP2は実施例2と同様であり、鋼繊維1に起因して3番目に高いピークが存在する。LP1、LP2、V1、V2の各値は実施例2と同じである。
〔鋼繊維1〕
実施例1の鋼繊維1と同じ。
〔鋼繊維3〕
実施例2の鋼繊維3と同じ。
〔鋼繊維2〕
実施例1の鋼繊維2と同じ。
結果を表6に示す。
Figure 0004541259
表6の試料No.(ハイフン以降)は、対応する表2の試料のNo.と一致させてある。表6からわかるように、繊維長の分布曲線に3つのピークが存在する場合でも、最も高いピークと2番目に高いピークに着目して設定された前記(1)〜(6)式を満たす範囲に優れた流動性を維持しながら硬化後の曲げ強度を40N/mm2以上に顕著に向上させることのできる「解」を見出すことができる。
2つ以上のピークをもつ「繊維長の分布曲線」を模式的に例示した図。 単一の繊維長を有する繊維で構成される長・短2種類の金属繊維製品を混合することにより得られる「繊維長の分布曲線」を模式的に例示した図。 「繊維長の分布曲線」のうち(8)式を満たして隣接するピーク群の部分を模式的に例示した図。

Claims (7)

  1. 引張強さ750N/mm2以上の金属繊維が、繊維長の分布曲線に2つ以上のピークをもち、かつ下記(1)〜(3)式を満たす配合で分散混合されており(ただし鉱物繊維を配合したものを除く)、フロー値200mm以上の流動性を有し、硬化後に曲げ強度33.8N/mm2以上を呈するモルタル組成物。
    P1=12.5±7.5 ……(1)
    P1≦0.8LP2 ……(2)
    1+V23.5 ……(3)
    ここで、繊維長の分布曲線における最も高いピークと2番目に高いピークのうち、繊維長が短い方のピークをP1、長い方のピークをP2と呼ぶとき、
    P1:P1のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
    P2:P2のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
    1:繊維長さが平均繊維長未満である繊維の合計混入率(体積%)、
    2:繊維長さが平均繊維長以上である繊維の合計混入率(体積%)、
    である。ただし、平均繊維長はLP1とLP2の間にあるものとし、前記最も高いピークおよび2番目に高いピークがそれぞれ1つだけ定まる場合を対象とする
  2. 引張強さ750N/mm2以上の金属繊維が、繊維長の分布曲線に2つ以上のピークをもち、かつ下記(1)〜(3)式を満たす配合で分散混合されており(ただし鉱物繊維を配合したものを除く)、フロー値200mm以上の流動性を有し、硬化後に曲げ強度40N/mm2以上を呈するモルタル組成物。
    P1=12.5±7.5 ……(1)
    P1≦0.8LP2 ……(2)
    1+V23.5 ……(3)
    ここで、繊維長の分布曲線における最も高いピークと2番目に高いピークのうち、繊維長が短い方のピークをP1、長い方のピークをP2と呼ぶとき、
    P1:P1のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
    P2:P2のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
    1:繊維長さが平均繊維長未満である繊維の合計混入率(体積%)、
    2:繊維長さが平均繊維長以上である繊維の合計混入率(体積%)、
    である。ただし、平均繊維長はLP1とLP2の間にあるものとし、前記最も高いピークおよび2番目に高いピークがそれぞれ1つだけ定まる場合を対象とする
  3. 引張強さ750N/mm2以上の金属繊維が、繊維長の分布曲線に2つ以上のピークをもち、かつ下記(1)〜(6)式を満たす配合で分散混合されており(ただし鉱物繊維を配合したものを除く)、フロー値200mm以上の流動性を有し、硬化後に曲げ強度33.8N/mm 2 以上を呈するモルタル組成物。
    P1=12.5±7.5 ……(1)
    P1≦0.8LP2 ……(2)
    1+V23.5 ……(3)
    2≧−0.02LP2+1.2 ……(4)
    P1×V1+LP2×V2≧0.3LP2×V2−0.3LP1+29 ……(5)
    2<0.8のときは、V1≧0.8 ……(6)
    ここで、繊維長の分布曲線における最も高いピークと2番目に高いピークのうち、繊維長が短い方のピークをP1、長い方のピークをP2と呼ぶとき、
    P1:P1のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
    P2:P2のピーク位置に相当する繊維長(mm)、
    1:繊維長さが平均繊維長未満である繊維の合計混入率(体積%)、
    2:繊維長さが平均繊維長以上である繊維の合計混入率(体積%)、
    である。ただし、平均繊維長はLP1とLP2の間にあるものとし、前記最も高いピークおよび2番目に高いピークがそれぞれ1つだけ定まる場合を対象とする
  4. 金属繊維がさらに下記(7)式を満たすように配合されている請求項3に記載のモルタル組成物。
    P2≦35 ……(7)
  5. 硬化後に圧縮強度150N/mm2以上、曲げ強度40N/mm2以上を呈する請求項3または4に記載のモルタル組成物。
  6. フロー値が230mm以上である請求項1〜5に記載のモルタル組成物。
  7. 金属繊維は0.1〜1mm径である請求項1〜6に記載のモルタル組成物。
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