JP6460312B2 - 水硬性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水硬性組成物に関する。
従来、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)に優れた水硬性組成物が知られている。
例えば、特許文献1に、ブレーン比表面積2,500〜5,000cm/gのセメント粒子100重量部と、BET比表面積5〜25m/gの微粒子10〜40重量部と、ブレーン比表面積5,000〜30,000cm/gの無機粒子A10〜50重量部と、ブレーン比表面積2,500〜5,000cm/gの無機粒子B5〜35重量部と、有機繊維及び/又は炭素繊維と、減水剤と、水とを含有する水硬性組成物であって、(1)上記無機粒子Aが、上記セメント粒子及び上記無機粒子Bよりも大きなブレーン比表面積を有しており、(2)上記セメント粒子と上記無機粒子Bのブレーン比表面積の差が、100cm/g以上であり、(3)上記無機粒子Aと上記無機粒子Bの合計量が、上記セメント粒子100重量部に対して15〜55重量部であることを特徴とする水硬性組成物が、記載されている。
また、特許文献2に、(A)ブレーン比表面積2,500〜5,000cm/gのセメント100重量部と、(B)BET比表面積5〜25m/gの微粒子10〜40重量部と、(C)ブレーン比表面積5,000〜30,000cm/gの無機粒子A10〜50重量部と、(D)ブレーン比表面積2,500〜5,000cm/gの無機粒子B5〜35重量部と、(E)減水剤と、(F)水とを含有する水硬性組成物であって、上記無機粒子Aが、上記セメント粒子及び上記無機粒子Bよりも大きなブレーン比表面積を有しており、上記セメントと上記無機粒子Bのブレーン比表面積の差が、100cm/g以上であり、上記無機粒子Aと上記無機粒子Bの合計量が、上記セメント粒子100重量部に対して15〜55重量部であることを特徴とする水硬性組成物が、記載されている。
特許第3397774号公報 特許第3397775号公報
上述の特許文献1〜2には、実施例で用いたセメントとして、普通ポルトランドセメントおよび低熱ポルトランドセメントのみが記載されている。
なお、普通ポルトランドセメントは、一般に、ボーグの式により算出した値として、エーライト55質量%程度、ビーライト20質量%程度、アルミネート相9質量%程度、フェライト相9質量%程度の鉱物組成を有する。
また、低熱ポルトランドセメントは、一般に、ボーグの式により算出した値として、エーライト28質量%程度、ビーライト55質量%程度、アルミネート相2質量%程度、フェライト相9質量%程度の鉱物組成を有する。
本発明の目的は、普通ポルトランドセメントおよび低熱ポルトランドセメント以外のセメントを含む水硬性組成物であって、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)の点で特に優れた物性を有する水硬性組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ボーグの式により算出した値として特定の鉱物組成を有するセメントを用いた場合において、セメント以外の材料として、粒度の異なる2種の無機粒子A、Bおよび他の特定の材料を用いたときに、無機粒子A、Bの合計量中の無機粒子Bの配合量が少量(特定の数値範囲内)であると、水硬性組成物の流動性が特に高まるという知見を見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] セメント、BET比表面積が15〜20m/gのシリカフューム、無機粉末(ただし、セメントおよびシリカフュームを除く。)、最大粒径3.5mm以下の細骨材、減水剤および水を含む水硬性組成物であって、前記セメントが、ボーグの式により算出した値として、エーライト40〜50質量%、ビーライト30〜40質量%、アルミネート相2〜5質量%、フェライト相11〜14質量%の鉱物組成を有するポルトランドセメントであり、前記無機粉末が、ブレーン比表面積が5,000〜10,000cm/gの無機粒子Aと、ブレーン比表面積が3,500〜5,000cm/gの無機粒子B(ただし、無機粒子Bは、無機粒子Aよりも小さなブレーン比表面積を有する。)からなり、前記無機粒子Aの配合量が、セメント100質量部に対して、20〜54質量部であり、前記無機粒子Bの配合量が、セメント100質量部に対して、1質量部以上、5質量部未満であることを特徴とする水硬性組成物。
[2] 前記無機粒子Aと前記無機粒子Bのブレーン比表面積の差が2,000cm/g以上であり、かつ、前記セメントと前記無機粒子Bのブレーン比表面積の差が200cm/g以上である前記[1]に記載の水硬性組成物。
[3] 補強繊維を含む前記[1]又は[2]に記載の水硬性組成物。
[4] 前記シリカフュームの配合量が、セメント100質量部に対して、10〜40質量部である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の水硬性組成物。
[5] 消泡剤を含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の水硬性組成物。
本発明の水硬性組成物は、硬化前には、自己充填性が認められる程度の優れた流動性を有し、施工性に優れるとともに、硬化後には、機械的特性(例えば、圧縮強度)に優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(a)セメント]
本発明で使用するセメントは、ボーグの式により算出した値として、エーライト40〜50質量%、ビーライト30〜40質量%、アルミネート相2〜5質量%、フェライト相11〜14質量%の鉱物組成を有するポルトランドセメントである。
エーライト等の好ましい含有率は、流動性等の観点から、以下のとおりである。
エーライト(3CaO・SiO;CSと略記される。)の含有率は、40〜50質量%、好ましくは40.5〜49質量%、より好ましくは41〜48質量%、特に好ましくは41.5〜47.5質量%である。
ビーライト(2CaO・SiO;CSと略記される。)の含有率は、30〜40質量%、好ましくは30.5〜39質量%、より好ましくは31〜38質量%、特に好ましくは31.5〜37質量%である。
アルミネート相(3CaO・Al;CAと略記される。)の含有率は、2〜5質量%、好ましくは2.1〜4.5質量%、より好ましくは2.2〜4.1質量%、特に好ましくは2.3〜3.8質量%である。
フェライト相(4CaO・Al・Fe;CAFと略記される。)の含有率は、11〜14質量%、好ましくは11.2〜13.5質量%、より好ましくは11.4〜13.1質量%、特に好ましくは11.6〜12.8質量%である。
ボーグの式とは、次の(1)〜(4)の式をいう。セメントの化学分析の結果から、次の(1)〜(4)の式を用いて、鉱物組成が算出される。式中の「CS」、「CaO」等は、「CS」、「CaO」等の各含有率を表す。単位は、いずれも質量%である。
(1) エーライト(CS)=(4.07×CaO)−(7.60×SiO)−(6.72×Al)−(1.43×Fe)−(2.85×SO
(2) ビーライト(CS)=(2.87×SiO)−(0.754×CS)
(3) アルミネート相(CA)=(2.65×Al)−(1.69×Fe
(4) フェライト相(CAF)=(3.04×Fe
従来、ボーグの式により鉱物組成を算出する方法は、セメントの鉱物組成を求める最も一般的な方法として用いられている。
本発明で規定する鉱物組成の条件を満たす好ましい一例として、中庸熱ポルトランドセメントが挙げられる。
本発明で使用するセメントのブレーン比表面積は、好ましくは3,000〜3,500cm/g、より好ましくは3,100〜3,450cm/g、特に好ましくは3,150〜3,400cm/gである。該値が3,000cm/g以上であると、水和反応がより活発になって、圧縮強度等がより大きくなる。該値が3,500cm/g以下であると、セメントの粉砕に要する時間を短縮することができ、また、所望の流動性を得るための水量が少なくなるため、硬化後の収縮量を低減することができる。
[(b)シリカフューム]
本発明においては、BET比表面積が15〜20m/gのシリカフュームが、配合される。該シリカフュームを配合することによって、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)を向上させることができる。
本発明で使用するシリカフュームのBET比表面積は、15〜20m/g、好ましくは16〜19m/g、より好ましくは17〜19m/gである。該値が15m/g未満であると、このようなシリカフュームの入手が困難である。該値が20m/gを超えると、水硬性組成物の流動性が低下することがある。
シリカフュームの配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは12〜40質量部、さらに好ましくは20〜35質量部、特に好ましくは25〜35質量部である。
[(c)無機粉末]
本発明においては、上述のセメントおよびシリカフューム以外の他の無機粉末が、配合される。該無機粉末を配合することによって、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)を向上させることができる。
該無機粉末は、ブレーン比表面積が5,000〜10,000cm/gの無機粒子Aと、ブレーン比表面積が3,500〜5,000cm/gの無機粒子B(ただし、無機粒子Bは、無機粒子Aよりも小さなブレーン比表面積を有する。)からなる。
このように粒度の異なる2種の無機粉末を用いることによって、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)を向上させることができる。
無機粉末の例としては、石英粉末、石灰石粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、長石類の粉末、ムライト類の粉末、アルミナ粉末、火山灰、シリカゾル粉末、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。
無機粉末を構成する無機粒子A、Bとしては、同じ種類の粉末(例えば、石英粉末)を用いてもよいし、異なる種類の粉末(例えば、石英粉末および石灰石粉末)を用いてもよい。ただし、本発明においては、無機粒子A、Bとして、同じ種類の粉末を用いることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態の一例は、無機粒子A、Bとして、石英粉末を用いることである。
無機粒子Aのブレーン比表面積は、5,000〜10,000cm/g、好ましくは5,500〜9,500cm/g、より好ましくは6,000〜9,000cm/g、特に好ましくは6,500〜8,500cm/gである。該値が5,000cm/g未満であると、セメントや無機粒子Bのブレーン比表面積との差が小さくなり、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)を十分に向上させることが困難となる。該値が10,000cm/gを超えると、このような小さな粒度の無機粒子Aを得るのに粉砕等の手間がかかるなどの問題がある。
無機粒子Bのブレーン比表面積は、3,500〜5,000cm/g、好ましくは3,500〜4,800cm/g、より好ましくは3,500〜4,500cm/g、特に好ましくは3,500〜4,200cm/gである。該値が3,500cm/g未満であると、水硬性組成物の流動性が低下することがある。該値が5,000cm/gを超えると、無機粒子Aのブレーン比表面積との差が小さくなり、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)を十分に向上させることが困難となる。
本発明において、無機粒子Aと無機粒子Bのブレーン比表面積の差は、好ましくは2,000cm/g以上、より好ましくは2,500cm/g以上、さらに好ましくは3,000cm/g以上、特に好ましくは3,500cm/g以上である。該差が2,000cm/g以上であると、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)をより向上させることができる。
本発明において、セメントと無機粒子Bのブレーン比表面積の差は、好ましくは200cm/g以上、より好ましくは250cm/g以上、さらに好ましくは350cm/g以上、特に好ましくは450cm/g以上である。該差が200cm/g以上であると、流動性および機械的強度(例えば、圧縮強度)をより向上させることができる。
無機粒子Aの配合量は、セメント100質量部に対して、20〜54質量部、好ましくは25〜50質量部、より好ましくは30〜45質量部、さらに好ましくは30〜40質量部である。該配合量が20〜54質量部の範囲外であると、水硬性組成物の流動性が低下することがある。
無機粒子Bの配合量は、セメント100質量部に対して、1質量部以上、5質量部未満、好ましくは1.2〜4.8質量部、より好ましくは1.4〜4.6質量部、特に好ましくは1.5〜4.4質量部である。該配合量が1質量部以上、5質量部未満の範囲外であると、水硬性組成物の流動性が低下することがある。
[(d)細骨材]
本発明において、最大粒径3.5mm以下の細骨材が配合される。
細骨材の最大粒径は、3.5mm以下、好ましくは3mm以下、より好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下、特に好ましくは1.0mm以下である。該最大粒径が3.5mmを超えると、水硬性組成物の強度発現性が低下する。
本発明において、細骨材中の75μm以下の粒子の含有率は、流動性の観点から、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1.0質量%以下である。
細骨材の例としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、砕砂、珪砂、または、これらの2種以上の混合物等が挙げられる。
細骨材の配合量の上限値は、水硬性組成物の流動性および機械的強度(圧縮強度等)の観点から、セメント、シリカフュームおよび無機粉末(無機粒子A、B)の合計量100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。
細骨材の配合量の下限値は、特に限定されないが、水硬性組成物の収縮量の低減、および、水和発熱量の低減等の観点から、セメント、シリカフュームおよび無機粉末(無機粒子A、B)の合計量100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。
[(e)補強繊維]
本発明において、補強繊維を配合することができる。該補強繊維を配合することによって、水硬性組成物の曲げ強度や破壊エネルギーを、より向上させることができる。
補強繊維としては、金属繊維、有機繊維、炭素繊維等が挙げられる。
金属繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。中でも、鋼繊維は、強度に優れており、また、コストや入手のし易さの点から、好ましいものである。金属繊維の寸法は、水硬性組成物中における金属繊維の材料分離の防止や、硬化後の曲げ強度の向上の点から、好ましくは、直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmであり、より好ましくは、直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmである。また、金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
金属繊維の配合量は、水硬性組成物中の体積百分率で、好ましくは4%以下、より好ましくは0.5〜3%、特に好ましくは1〜3%である。該配合量が4%以下であると、高い流動性を維持しつつ、ファイバーボールが生じ難くなるなどの点で、好ましい。該配合量が0.5%以上であると、水硬性組成物の曲げ強度等の向上の効果を高めることができる。
有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。中でも、ビニロン繊維は、コストや入手のし易さの点で好ましく用いられる。
有機繊維の寸法は、水硬性組成物中における有機繊維の材料分離の防止や、硬化後の破壊エネルギーの向上の点から、好ましくは、直径が0.005〜1.0mm、長さが2〜30mmであり、より好ましくは、直径が0.01〜0.5mm、長さが5〜25mmである。
有機繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。
有機繊維の配合量は、水硬性組成物中の体積百分率で、好ましくは5%以下、より好ましくは1〜4.5%、特に好ましくは2〜4%である。該配合量が5%以下であると、高い流動性を維持しつつ、ファイバーボールが生じ難くなるなどの点で、好ましい。該配合量が1%以上であると、水硬性組成物の破壊エネルギーの向上の効果をより高めることができる。
炭素繊維としては、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維が挙げられる。
炭素繊維の寸法、アスペクト比および配合量は、有機繊維と同様である。
[(f)減水剤]
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系またはポリカルボン酸系の、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することができる。中でも、減水効果の大きなポリカルボン酸系高性能減水剤を使用することが好ましい。
減水剤の配合量は、セメント、シリカフューム、無機粒子A、無機粒子Bの合計量100質量部に対して、固形分換算で、好ましくは0.1〜1質量部、より好ましくは0.15〜0.7質量部である。該配合量が0.1質量部以上であると、水硬性組成物の流動性をより高めることができる。該配合量が1質量部以下であると、著しい凝結遅延等の発生を避けることができ、また、コストの上昇を抑えることができる。
減水剤の形態は、液状と粉末状のいずれでもよい。
[(g)水]
水の量は、セメント、シリカフューム、無機粒子A、無機粒子Bの合計量100質量部に対して、好ましくは10〜30質量部、より好ましくは11〜25質量部、さらに好ましくは12〜20質量部、特に好ましくは12〜17質量部である。水の量が10質量部以上であると、流動性をより高めることができる。水の量が30質量部以下であると、機械的強度(圧縮強度等)をより高めることができる。
[(h)消泡剤]
本発明の水硬性組成物は、上記の各材料に加えて、さらに消泡剤を含むことが好ましい。該消泡剤を配合することによって、流動性および強度発現性が向上し、かつ、硬化後の水硬性組成物の表面気泡の量が低減し、硬化体の景観性を向上させることができる。
消泡剤の配合量は、水硬性組成物1m中、消泡剤成分(市販等されている消泡剤中の水以外の成分)の量として、好ましくは3〜70g、より好ましくは5〜50g、特に好ましくは7〜30gとなる量である。
本発明の水硬性組成物(例えば、モルタル)の混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、(a)水、減水剤以外の材料(具体的には、セメント、シリカフューム、無機粒子A、無機粒子B、および細骨材)を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材、水、減水剤をミキサに投入し、混練する方法、(b)粉末状の減水剤を用意し、水以外の材料(具体的には、セメント、シリカフューム、無機粒子A、無機粒子B、減水剤、および細骨材)を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材及び水をミキサに投入し、混練する方法、(c)各材料を各々個別にミキサに投入し、混練する方法、等を採用することができる。
混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
養生方法も、特に限定されるものではなく、気中養生、蒸気養生等を行なうことができる。
硬化前の水硬性組成物(例えば、モルタル)のフロー値は、好ましくは260mm以上、より好ましくは265mm以上である。
本明細書中において、フロー値とは、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行なわないで測定した値である。
硬化後の水硬性組成物(例えば、モルタル)の圧縮強度は、好ましくは150N/mm以上、より好ましくは160N/mm以上、特に好ましくは180N/mm以上であ
る。
以下、実施例に基いて本発明を説明する。ただし、本発明は、実施例によって限定されるものではない。
[使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(a)セメント
中庸熱ポルトランドセメント(エーライト:44.1質量%、ビーライト:34.9質量%、アルミネート相:3.0質量%、フェライト相:12.3質量%(以上、ボーグの式によって算出した値である。);ブレーン比表面積:3,250cm/g;太平洋セメント社製)
普通ポルトランドセメント(エーライト:55.6質量%、ビーライト:19.7質量%、アルミネート相:9.2質量%、フェライト相:9.6質量%;ブレーン比表面積:3,230cm/g;太平洋セメント社製)
低熱ポルトランドセメント(エーライト:27.3質量%、ビーライト:55.8質量%、アルミネート相:1.9質量%、フェライト相:9.1質量%(以上、ボーグの式によって算出した値である。);ブレーン比表面積:3,400cm/g;太平洋セメント社製)
(b)シリカフューム
シリカフューム(BET比表面積:18m/g)
(c)無機粉末
無機粒子A:石英粉末A(ブレーン比表面積:7,500cm/g)
無機粒子B:石英粉末B(ブレーン比表面積:3,800cm/g)
(d)細骨材
珪砂(粒径:0.15〜0.6mm、75μm以下の粒子の含有率:1質量%未満)
(e)減水剤
ポリカルボン酸系高性能減水剤
(f)水
水道水
(g)補強繊維
鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:13mm)
ビニロン繊維(直径0.3mm、長さ13mmのモノフィラメントタイプ)
(h)消泡剤
消泡剤(ポリエーテル系)
[実施例1]
中庸熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム30質量部、石英粉末A、B(合計量:35質量部、該合計量中の石英粉末Bの配合量:4.0質量部)、細骨材120質量部、水22質量部、高性能減水剤0.4質量部(固形分換算)、および、鋼繊維(配合量:水硬性組成物中の体積割合で2.0%)を混練して、水硬性組成物を調製した。
混練は、ホバートミキサを使用して、以下の方法で行った。
中庸熱ポルトランドセメント、シリカフューム、石英粉末A、石英粉末B、および細骨材をホバートミキサに投入して、15秒間空練りした後、水および高性能減水剤を投入して、7分間低速で混練し、さらに鋼繊維を投入して、2分間低速で混練した。
得られた水硬性組成物について、以下の方法でフロー値および圧縮強度を測定した。
(イ)フロー値
「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行なわないで、フロー値を測定した。
(ロ)圧縮強度
水硬性組成物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で24時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、硬化体(3本)を得た。該硬化体(3本)の圧縮強度の測定値の平均値を、圧縮強度の値とした。
[実施例2]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして実験した。ただし、圧縮強度は測定しなかった。
[比較例1]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から0質量部(配合せず)に変更した以外は、実施例1と同様にして実験した。ただし、圧縮強度は測定しなかった。
[比較例2]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から7.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして実験した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006460312
[実施例3]
鋼繊維に代えてビニロン繊維(配合量:水硬性組成物中の体積割合で3.0%)を配合し、かつ、高性能減水剤の配合量を0.4質量部(固形分換算)から0.43質量部(固形分換算)に変更した以外は、実施例1と同様にして実験した。
[実施例4]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から1.5質量部に変更した以外は、実施例3と同様にして実験した。ただし、圧縮強度は測定しなかった。
[比較例3]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から0質量部(配合せず)に変更した以外は、実施例3と同様にして実験した。ただし、圧縮強度は測定しなかった。
[比較例4]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から7.5質量部に変更した以外は、実施例3と同様にして実験した。ただし、圧縮強度は測定しなかった。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0006460312
[実施例5〜7、比較例5〜6]
水硬性組成物に、消泡剤を15g/mの量(水以外の成分としての換算値)添加する以外は実施例1〜3、比較例1〜2と同様にして実験した。
以上の結果を表3に示す。
Figure 0006460312
[参考例1]
中庸熱ポルトランドセメントに代えて、低熱ポルトランドセメントを配合し、かつ、石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から0質量部(配合せず)に変更した以外は、実施例1と同様にして実験した。ただし、圧縮強度は測定しなかった。
[参考例2]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、0質量部から4.0質量部に変更した以外は、参考例1と同様にして実験した。
[参考例3]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、0質量部から7.5質量部に変更した以外は、参考例1と同様にして実験した。
以上の結果を表3に示す。
Figure 0006460312
[参考例4]
中庸熱ポルトランドセメントに代えて、普通ポルトランドセメントを配合した以外は、実施例1と同様にして実験した。ただし、圧縮強度は測定しなかった。
[参考例5]
石英粉末Aと石英粉末Bの合計量35質量部中の石英粉末Bの配合量を、4.0質量部から7.5質量部に変更した以外は、参考例4と同様にして実験した。
以上の結果を表4に示す。
Figure 0006460312
表1〜表5から、セメントとして中庸熱ポルトランドセメントを用いた場合(表1〜表3)には、石英粉末Bの配合量が1.5〜4.0質量部(実施例1〜7)であると、該配合量が0質量部(比較例1、3、5)や7.5質量部(比較例2、4、6)である場合に比べて、流動性がより高いという傾向が認められるのに対し、セメントとして低熱ポルトランドセメント(参考例1〜3)や普通ポルトランドセメント(参考例4〜5)を用いた場合(表4〜表5)には、中庸熱ポルトランドセメントを用いた場合に認められる上述の傾向が認められないことがわかる。
また、水硬性組成物が消泡剤を含む場合(実施例5〜7)には、水硬性組成物が消泡剤を含まない場合(実施例1〜3)と比べて、流動性がより高いという傾向が認められる。また、水硬性組成物が消泡剤を含む場合(実施例5、7)には、水硬性組成物が消泡剤を含まない場合(実施例1、3)と比べて、圧縮強度がより大きいという傾向が認められる。
また、実施例1、5の結果から、本発明では、鋼繊維を用いた場合には、特に高い圧縮強度が得られることもわかる。

Claims (5)

  1. セメント、BET比表面積が15〜20m/gのシリカフューム、無機粉末(ただし、セメントおよびシリカフュームを除く。)、最大粒径3.5mm以下の細骨材、減水剤および水を含む水硬性組成物であって、
    前記セメントが、ボーグの式により算出した値として、エーライト40〜50質量%、ビーライト30〜40質量%、アルミネート相2〜5質量%、フェライト相11〜14質量%の鉱物組成を有するポルトランドセメントであり、
    前記無機粉末が、ブレーン比表面積が5,000〜10,000cm/gの石英粉末Aと、ブレーン比表面積が3,500〜5,000cm/gの石英粉末B(ただし、石英粉末Bは、石英粉末Aよりも小さなブレーン比表面積を有する。)からなり、
    前記石英粉末Aの配合量が、セメント100質量部に対して、20〜54質量部であり、
    前記石英粉末Bの配合量が、セメント100質量部に対して、1〜1.5質量部であることを特徴とする水硬性組成物。
  2. 前記石英粉末Aと前記石英粉末Bのブレーン比表面積の差が2,000cm/g以上であり、かつ、前記セメントと前記石英粉末Bのブレーン比表面積の差が200cm/g以上である請求項1に記載の水硬性組成物。
  3. 補強繊維を含む請求項1又は2に記載の水硬性組成物。
  4. 前記シリカフュームの配合量が、セメント100質量部に対して、10〜40質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
  5. 消泡剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
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