JP4540542B2 - アタッチメント仮支持クリート - Google Patents

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本発明は、事故点探査時に高圧カットアウト(三相3線式高圧開閉器)に接続するためのアタッチメントを高圧カットアウトの支持アームに仮支持させるための支持部材(アタッチメント仮支持クリート)の改良に関する。
配電柱に設けられた変圧器に接続される開閉式の高圧カットアウトは、配電柱に取り付けられたPC支持アーム(腕金)の先端に支持されており、その高圧カットアウトに内蔵されているヒューズの取り替え作業や高圧配電線停電原因探査のための事故点探査装置取付作業は、蓋体が開放された状態下で行われる。
事故点探査時には、絶縁作業棒によって高圧カットアウトの蓋体を開く一方、高圧カットアウトに接続するためのアタッチメント(3本)をアタッチメント仮支持クリートにセットして、絶縁作業棒を用いてそのアタッチメント仮支持クリートをPC支持アームの中間部に引っ掛けてから、逐次、絶縁作業棒でアタッチメントを1本ずつ取り出して各高圧カットアウトに差し込み接続する作業が行われる。
そのアタッチメント仮支持クリートは、従来、例えば、図6(a)(b)に示すように、アルミ合金材等からなる取付板31の前面上部に、アタッチメントの上部を引っ掛けるための凹部32を設け、その直下の位置に、アタッチメントの中間部を嵌め込むための略Uの字状に形成された受け部材33を設ける一方、取付板31の背面上部には、PC支持アームに掛止させるための方形枠状に形成された掛止部材34を設け、取付板31の背面下部には、絶縁作業棒に接続するための接続部材35を下部に有するネジ棒36を螺合させる座板37を設けていた。また、その取付板31の下部片側には、ケーブル支持ロープの取付孔38が形成されていた。
図7は、3つの高圧カットアウト4の蓋体4aが全て開かれて、3本のアタッチメント2を仮支持させたアタッチメント仮支持クリートBをPC支持アーム5に掛止させた後、その内の1本のアタッチメント2を絶縁作業棒7でアタッチメント仮支持クリートBから取り外して一つの高圧カットアウト4の本体に接続している状態を示す。この状態では、ケーブル支持ロープ13の先端に取り付けたフック13aを取付板31の下部片側に形成した取付孔38に引っ掛けてケーブル(荷電ケーブル)2aを支持させている。なお、45は変圧器を示す。ちなみに、配電柱の腕金に容易に取り付けることができる支持金物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平6−24333号公報
上記従来のアタッチメント仮支持クリートBでは、以下のような難点があった。まず、取付板31がアルミ合金製であるため、その背面側からの視認性がよくないという問題があった。上述のような絶縁作業棒7を用いたアタッチメント2の接続作業はいわゆる柱上作業となるため、作業者は、狭い足場上で半ば移動が制限された状態となる。従って、作業者が、アタッチメント2の仮支持状態を視認しにくい足場条件下での作業を強いられることもある。
例えば、PC支持アーム5に掛止させたアタッチメント仮支持クリートBを背面下方から見る位置では、取付板31が不透明であるため、アタッチメント2の仮支持状態を充分に視認できないことがあった。そのため、足場の位置を変更しなければならないこともあったが、足場の位置を変更するのは容易でないことが多く、変更できないこともあった。そのような場合には、アタッチメント2の接続作業の作業性が著しく低下するだけでなく、安全性が危惧されることもあった。
また、仮支持されているアタッチメント2が、ふとしたはずみに何らかの外力を受けてアタッチメント仮支持クリートBから外れることもあった。これは、従来のアタッチメント仮支持クリートBの仮支持状態が充分に安定でないことに起因する。つまり、アタッチメント2は、凹部32と受け部材33に嵌め込まれているだけであり、不用意に外力が作用すると、抜け落ちてしまうという問題があった。作業中にアタッチメント2が脱落すると、予期せぬ災害の発生も懸念される。
そして、PC支持アーム5にアタッチメント仮支持クリートBを掛止させる際に、接続部材35に接続した絶縁作業棒7を操作した時に座板37が回動してその位置が決まらず、なかなか掛止させることができないことがあった。これは、ネジ棒36を座板37に螺合させているだけであるため、ネジ棒36に接続した絶縁作業棒7を回動操作しても座板37が連れ回りしてしまいネジ棒36を座板37に確実に締結できないからである。
さらに、ケーブル支持ロープ13の先端に取り付けたフック13aを引っ掛けるための取付孔38を取付板31の下部片側にしか形成していないため、足場条件によっては、ケーブル支持ロープ13が邪魔になり、作業者の柱上移動が妨げられることがあった。柱上で行われる間接活線作業では、作業者が、高圧が荷電されているケーブル2aからできるだけ離れて移動できるような体勢が望ましいのは言うまでもない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、仮支持させたアタッチメントを周囲から容易に視認することができ、かつ、アタッチメントを安定に仮支持できるアタッチメント仮支持クリートを提供することを目的とする。
また、アタッチメント仮支持クリートを絶縁作業棒に容易に固定できるようにすることをも目的とする。さらに、作業者がケーブルの支持位置を選択できるようにすることをも目的とする。
(1)本発明のアタッチメント仮支持クリートは、取付板1の前面に、アタッチメント2を仮支持するための仮支持部材3を設ける一方、前記取付板1の背面上部には、高圧カットアウト4を支持するアーム5に掛止させるための掛止部材6を設け、前記取付板1の背面下部には、絶縁作業棒7に接続するための接続部材8を下部に有するネジ棒9を螺合させる座板10を設けたアタッチメント仮支持クリートであって、
前記取付板1が、透視可能な絶縁性素材からなり、かつ、前記仮支持部材3が、弾発性を有する絶縁性素材からなり前記アタッチメント2を弾発力によって着脱自在な挟持状態に仮支持することを特徴とする。
このような構成によれば、取付板1が透視可能な絶縁性素材で形成されているため、周囲からアタッチメント2の仮支持状態を明確に視認することができる。また、弾発性を有する絶縁性素材からなる仮支持部材3によって、アタッチメント2を弾発力で着脱自在な挟持状態に仮支持するため、アタッチメント2を脱落させることなく安定な状態に保持することができる。
(2)前記ネジ棒9の先端に設けられる抜け止め部材11と前記座板10の間には、スプリングワッシャ12を介装するのが好ましい。このようにすれば、絶縁作業棒をネジ棒9の螺退方向(右ネジの場合は左回り)に回動させると、スプリングワッシャ12が座板10と抜け止め部材11の間に挟み付けられるため、ネジ棒9を座板10に確実に固定することができる。
(3)前記取付板1の下部両側に、ケーブル支持ロープ13を取り付けるための取付孔14を形成してもよい。このようにすれば、その時の足場条件により、作業者から離れた位置にケーブル2aを支持できるように取付孔14を選択することができる。これにより、柱上での作業者の移動が容易となり柱上作業の安全性が向上する。
(4)前記取付板1には、前記アタッチメント2の中間部を嵌め込むための凹部15を有する位置決め部材16を設けてもよい。このようにすれば、アタッチメント2の中間部を凹部15に嵌め込むことで、アタッチメント2の仮支持状態がより一層安定化する。なお、この位置決め部材16も透視可能な素材で形成されることが好ましい。
本発明のアタッチメント仮支持クリートは、取付板が透視可能な絶縁性素材で形成されているので、周囲からアタッチメントの仮支持状態を明確に視認することができる。これにより、事故点探査作業におけるアタッチメントの取り扱いが容易かつ確実なものとなる。また、弾発性を有する絶縁性素材からなる仮支持部材によってアタッチメントを弾発力を作用させて着脱自在な挟持状態に仮支持するので、アタッチメントを脱落させることなく安定な状態で仮支持させることができ、事故点探査作業における安全性が向上する。
以下に、本発明の実施の形態に係るアタッチメント仮支持クリートについて図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1乃至図3はアタッチメント仮支持クリートAを示し、図4はアタッチメントを仮支持させた状態を示す。これらの図に示すように、取付板1は、例えば、ポリカーボネート等の透視可能な絶縁性素材からなり、その取付板1の前面には、アタッチメント2(図4参照)を仮支持するための仮支持部材3が設けられている。その仮支持部材3は、例えば、ゴム体等の弾発性を有する絶縁性素材からなり、アタッチメント2を弾発力の作用で着脱自在な挟持状態で仮支持することができる。
仮支持部材3は、略U字状に形成された金属材又は硬質樹脂材等からなる取付部材17を介して取付板1に取り付けられている。即ち、帯状に形成された仮支持部材3の本体の両側に形成された長孔3a,3aが取付部材17のU字端に設けてある支持ピン17a,17aに嵌め込まれて、自由状態では、図1及び図3に示すように、若干内方に湾曲した状態で前方の位置に張り出しており、その前面にアタッチメント2を押し当てて押し込むと、図4に示すように、仮支持部材3は内方に湾曲して弾発力によってアタッチメント2を両側から巻き込んで安定に挟持する。
この状態では、弾発力の作用でアタッチメント2が両側から挟持されるため、安定な仮保持状態が維持される。この状態から、作業者が、アタッチメント2の下部に絶縁作業棒7を接続して引き抜き方向に外力を作用させると、容易にアタッチメント仮支持クリートAから引き抜くことができるが、それ以外に、たとえアタッチメント2に不用意に外力が作用するようなことがあっても、容易に外れることはない。なお、取付部材17は、不透明な素材で形成されてもよく、ビス止め、接着等によって取付板1の前面に固定されている。
そして、この仮支持部材3の直下の位置には、アタッチメント2の中間部を嵌め込むための凹部15を有する位置決め部材16が設けられている。この位置決め部材16は、取付板1と同じ透視可能な素材で形成され、ビス止め等によって取付板1に固定される。従って、アタッチメント2を仮支持部材3に押し込む時に、この位置決め部材16の凹部15に、アタッチメント2の中間部を嵌め込むことで、アタッチメント2の仮支持状態がより一層安定化する。
取付板1の背面上部には、高圧カットアウト4(図5参照)を支持するPC支持アーム(本発明のアーム)5に掛止させるための掛止部材6が設けられている。その掛止部材6は金属材からなる矩形枠状に形成され、その先端下部には、下方に向けて段状に形成される掛止部6aが形成され、この掛止部6aをPC支持アーム5の角部に掛止させることで、安定な状態にアタッチメント仮支持クリートAを保持させることができる。また、取付板1の背面下部には、絶縁作業棒7(図5参照)の先端に接続するための接続部材8を下部に有するネジ棒9を螺合させる座板10が設けられている。本実施の形態では、座板10は掛止部材6と一体に形成されて、ビス止め等により取付板1に固定されるが、これに限らず、座板10は掛止部材6と別体に形成されてもよい。
そのネジ棒9の上端には、鍔状の抜け止め部材11が設けられ、この抜け止め部材11と座板10の間には、スプリングワッシャ12が介装されている。これにより、接続部材8を介して絶縁作業棒7をネジ棒9の接続して、そのネジ棒9を螺退方向(右ネジの場合は左回り)に回動させると、スプリングワッシャ12が座板10と抜け止め部材11の間に挟み付けられるため、ネジ棒9を座板10に確実に固定することができる。これにより、アーム5に対してアタッチメント仮支持クリートAを掛止させるための柱上作業の能率が向上する。
また、取付板1の下部両側に、ケーブル支持ロープ13を取り付けるための取付孔14,14を形成している。従って、その時の足場条件により、アタッチメント2からのケーブル2aを、作業者からできるだけ離れた位置に支持させるように、どちらかの取付孔14,14を選択することができる。これにより、柱上での作業者の移動が容易となり柱上作業の安全性が向上する。
図5は、3つの高圧カットアウト4の蓋体4aを全て開いて、3本のアタッチメント2を仮支持させたアタッチメント仮支持クリートAをPC支持アーム5に掛止させた後、その内の1本のアタッチメント2(図示左端)に絶縁作業棒7を接続してアタッチメント仮支持クリートAから取り外し、そのアタッチメント2を一つの高圧カットアウト4(図示左端)の本体に接続している状態を示す。この状態では、ケーブル支持ロープ13の先端に取り付けたフック13aを取付板31の下部片側に形成した左側の取付孔14に引っ掛けてケーブル(荷電ケーブル)2aを支持させている。なお、図示では、左側の取付孔14にフック13aを引っ掛けているが、足場条件によっては、右側の取付孔に引っ掛ければよい。なお、図5では、右側の取付孔は、アタッチメント2に隠れている。
本発明は、実施の形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、必要に応じて、設計変更や改良等を行うのは自由であり、例えば、位置決め部材16を省いて、仮支持部材3を上下2段に設けてもよく、上下2段に設けた仮支持部材3,3の間に、位置決め部材16を設けてもよい。
本発明のアタッチメント仮支持クリートの正面相当図である。 同アタッチメント仮支持クリートを側面相当図である。 同アタッチメント仮支持クリートの平面図である。 同アタッチメントを仮保持させた状態の正面相当図である。 同アタッチメントの接続作業の説明図である。 従来のアタッチメント仮支持クリートを示し、(a)は正面相当図、(b)は側面相当図である。 同アタッチメントの接続作業の説明図である。
符号の説明
1…取付板、2…アタッチメント、2a…ケーブル、3…仮支持部材、4…高圧カットアウト、5…アーム、6…掛止部材、7…絶縁作業棒、8…接続部材、9…ネジ棒、10…座板、11…抜け止め部材、12…スプリングワッシャ、13…ケーブル支持ロープ、14…取付孔、15…凹部、16…位置決め部材

Claims (4)

  1. 取付板(1)の前面に、アタッチメント(2)を仮支持するための仮支持部材(3)を設ける一方、前記取付板(1)の背面上部には、高圧カットアウト(4)を支持するアーム(5)に掛止させるための掛止部材(6)を設け、前記取付板(1)の背面下部には、絶縁作業棒(7)に接続するための接続部材(8)を下部に有するネジ棒(9)を螺合させる座板(10)を設けたアタッチメント仮支持クリートであって、
    前記取付板(1)が、透視可能な絶縁性素材からなり、かつ、前記仮支持部材(3)が、弾発性を有する絶縁性素材からなり、前記アタッチメント(2)を弾発力によって着脱自在な挟持状態に仮支持することを特徴とするアタッチメント仮支持クリート。
  2. 前記ネジ棒(9)の先端に設けられる抜け止め部材(11)と前記座板(10)の間に、スプリングワッシャ(12)を介装したことを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント仮支持クリート。
  3. 前記取付板(1)の下部両側に、ケーブル支持ロープ(13)を取り付けるための取付孔(14)を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のアタッチメント仮支持クリート。
  4. 前記仮支持部材(3)の下方に、前記アタッチメント(2)の中間部を嵌め込むための凹部(15)を有する位置決め部材(16)を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のアタッチメント仮支持クリート。
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