JP4539150B2 - クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチ内蔵型プーリ装置に関し、より詳細には、エンジンのクランク軸の動力によって駆動されるオルタネータ等の補機類の入力軸や、エンジンのクランク軸に動力を与えるスタータモータの出力軸、特に、アイドリングストップに用いられるスタータの出力軸等に固定して用いられるクラッチ内蔵型プーリ装置に関する。
例えば、オルタネータ等の自動車用補機は、エンジンを駆動源とし、エンジンのクランクシャフトに固定された駆動プーリ(クランクプーリ)と、自動車用補機の回転軸に固定された従動プーリとの間に無端ベルトが巻き掛けられて駆動されている。このような従動プーリとしては、近年、走行時の加減速やエンジンの回転変動等による発電効率の低下や無端ベルトの寿命低下が生じるのを防止するため、所定方向の回転力のみを伝達する一方向クラッチが組み込まれたクラッチ内蔵型プーリ装置が利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
図15に示されるように、特許文献1に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置100は、自動車用補機の回転軸101に固定されるスリーブ部材102と、ベルト103が懸架されるベルト溝104aが形成されたプーリ部材104との間に、一方向クラッチ105と一対のサポート軸受106とが配設されている。一方向クラッチ105は、ロック状態とオーバーラン状態とに切り換えられ、スリーブ部材102とプーリ部材104との間で動力の伝達及び遮断を行う。サポート軸受106は、プーリ部材104に加わるラジアル荷重を支承しつつ、スリーブ部材102とプーリ部材104との相対回転を自在とする。
各サポート軸受106の外輪107の軸方向外方には、シール部材108が配置されており、外部から異物(水、埃等)が侵入したり、グリース等の潤滑剤が外部へ漏洩するのを防止している。そして、回転軸101が組み込まれる側と反対のスリーブ部材102の開放端側におけるシール部材108は、外部に露呈して異物が侵入しやすい為、シール部材108を保護する密封部材109が取り付けられている。
特開平11−159599号公報(第3−5頁、第1−7図)
ところで、特許文献1に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置100では、密封部材109は、樹脂等の低コストな材料で作成されており、スリーブ部材102に圧入により取り付けられている。このため、スリーブ部材102に取り付けられた密封部材109と自動車用補機との同軸度がずれた場合には、樹脂の低剛性により密封部材109が大きく振れ回りやすく、この結果、密封部材109に振動や破損といった不具合を生じる可能性がある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、密封部材と自動車用補機との軸ずれを極力低減することができるクラッチ内蔵型プーリ装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 自動車用補機の回転軸に取り付けられて使用されるクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
前記回転軸と共に回転可能なスリーブ部材と、
前記スリーブ部材の周囲に前記スリーブ部材と同心に配置されるプーリ部材と、
前記スリーブ部材と前記プーリ部材との間に設けられ、前記プーリ部材が前記スリーブ部材に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ前記プーリ部材と前記スリーブ部材との間で回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、
前記スリーブ部材と前記プーリ部材との間で、前記一方向クラッチの軸方向側方に設けられ、前記スリーブ部材と前記プーリ部材とを相対回転可能に支持するサポート軸受と、
前記サポート軸受の転動体より軸方向外側のシール部材の軸方向外側を覆う密封部材とを備え、
前記密封部材は、前記回転軸に取り付けられていることを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
(2) 前記密封部材は、前記スリーブ部材の内部で前記回転軸に取り付けられていることを特徴とする(1)に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
(3) 前記回転軸の軸方向端面は機械加工されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
(4) 前記密封部材は、前記回転軸の軸方向端面と当接する当接面を備えることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
(5) 前記密封部材は、前記スリーブ部材の内面によって回り止めされることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
(6) 前記スリーブ部材の内面には、前記回転軸と螺合する雌ねじ部と、前記回転軸を螺合する際に工具を係止するための工具掛け部が形成されており、
前記密封部材は、前記工具掛け部に前記密封部材の外周面を嵌合することで前記スリーブ部材の内面によって回り止めされることを特徴とする(5)に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
(7) 自動車用補機の回転軸に取り付けられて使用されるクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
前記回転軸と共に回転可能なスリーブ部材と、
前記スリーブ部材の周囲に前記スリーブ部材と同心に配置されるプーリ部材と、
前記スリーブ部材と前記プーリ部材との間に設けられ、前記プーリ部材が前記スリーブ部材に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ前記プーリ部材と前記スリーブ部材との間で回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、
前記スリーブ部材と前記プーリ部材の間で、前記一方向クラッチの軸方向側方に設けられ、前記スリーブ部材と前記プーリ部材とを相対回転可能に支持するサポート軸受と、
前記サポート軸受の転動体より軸方向外側のシール部材の軸方向外側を覆う密封部材とを備え、
前記密封部材は、前記密封部材を前記回転軸に取り付けるための取り付け手段を備えたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
本発明のクラッチ内蔵型プーリ装置によれば、サポート軸受の転動体より軸方向外側のシール部材の軸方向外側を覆う密封部材が、自動車用補機の回転軸に取り付けられているので、密封部材と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材の振れ回りを防止することができる。
以下、本発明の各実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。図1に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置10は、オルタネータ等の自動車用補機(図示せず)の回転軸11に取り付けられており、エンジンのクランクシャフトに固定されたクランクプーリ(図示せず)との間で動力を伝達する無端ベルト(図示せず)が掛け渡されて使用されている。
具体的に、クラッチ内蔵型プーリ装置10は、自動車用補機の回転軸11に固定され、回転軸11と共に回転可能なスリーブ部材12と、スリーブ部材12の周囲にスリーブ部材12と同心に配置されるプーリ部材13とを有する。スリーブ部材12は、その内周面に形成された雌ねじ部12aを回転軸11の外周面に形成された雄ねじ部11aと螺合させることで、回転軸11に固定されている。また、プーリ部材13には、外周面にベルトを懸架するベルト溝13aが形成されている。
また、スリーブ部材12とプーリ部材13との間で、この間に形成される環状空間の軸方向中間部には、一方向クラッチ14が配置されており、上記環状空間の軸方向両端部には、一方向クラッチ14を狭持するようにして、例えば、深溝玉軸受等の一対のサポート軸受15a,15bが配設されている。
一方向クラッチ14は、プーリ部材13の軸方向中間部に位置する小径段部の内周面に圧入固定されるクラッチ外輪16と、スリーブ部材12の軸方向中間部に位置する大径段部の外周面によって構成されるクラッチ内輪17と、クラッチ外輪16とクラッチ内輪17との間に回動自在に配設された係合子である複数のころ18とを備えている。また、一方向クラッチ14は、各ころ18を個別に収容する複数のポケット(図示せず)を有するクラッチ保持器19と、各ころ18をロック方向に弾性的に押圧するばね20とを有している。
スリーブ部材12によって構成されるクラッチ内輪17の外周面は、複数のランプ部が円周方向に所定の間隔で設けられたカム面を形成する。ころ18は、各ランプ部とクラッチ外輪17の内周面に形成された円筒面とから構成されるくさび空間に回動自在に保持されている。そして、所定方向に回転するプーリ部材13の回転角速度が回転軸11の回転角速度より速くなる場合には、ころ18がくさび作用によってくさび空間内で噛み込まれて、プーリ部材13とスリーブ部材12とが相対回転不能(ロック状態)となり、エンジンの回転力が回転軸11に伝達される。即ち、プーリ部材13がスリーブ部材12に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合には、プーリ部材13とスリーブ部材12との間で回転力の伝達が自在となる。一方、プーリ部材13の回転角速度が回転軸11の回転角速度より遅い場合には、ころ18の噛込みが解除されて、プーリ部材13とスリーブ12との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。
各転がり軸受15a,15bは、それぞれプーリ部材13の軸方向両端部に形成された大径部の内周面に内嵌される外輪21と、スリーブ部材12の軸方向両端部に形成された小径部の外周面に外嵌される内輪22と、外輪21と内輪22の両軌道面間に配置された転動体である複数の玉23と、玉23を転動自在に保持する保持器24とを備えている。また、各転がり軸受15a,15bは、外輪21の内周面の軸方向両側に配置され、外部からの異物(水、埃等)の侵入や内部からのグリース等の潤滑剤の漏洩を防止するシール部材25を有している。このように構成された転がり軸受15a,15bは、プーリ部材13に加わるラジアル荷重を支承しつつ、スリーブ部材12とプーリ部材13との相対回転を自在とする。
転がり軸受15a,15bは、それぞれ一対のシール部材25を有することにより、一方向クラッチ部と転がり軸受部との潤滑剤が混ざり合うことを防止できるので、それぞれ別々の潤滑剤を用いることが可能となる。例えば、一方向クラッチ部には摩擦係数が高いものや耐摩耗性に優れたグリースを用い、転がり軸受部には摩擦係数が低く転がり抵抗を軽減したグリースを用いる。或いは、同一のグリースを用いる場合でも、均一に分散されるべきグリースが回転中のポンプ作用により分布が偏って(例えば、一方向クラッチ部から転がり軸受部に排出され一方向クラッチ部のグリースが減少する等)、グリースが枯渇となった部分で潤滑不良が生じることを防止できる。
スリーブ部材12の内周面には、回転軸11の雄ねじ部11aと螺合する雌ねじ部12aと、回転軸11が挿入される側と反対のスリーブ部材12の開放端側(図1において、雌ねじ部12aの左側)において、回転軸11を螺合する際に工具を係止するための六角形等の孔からなる工具掛け部12bが形成されている。
また、外周面に雄ねじ部11aが形成される回転軸11の軸方向端部11bは、内周面に雌ねじ部11cを有する円筒状に形成されている。また、軸方向端部11bの軸方向端面11dには、機械加工が施されている。そして、回転軸11の雌ねじ部11cには、スリーブ部材12の開放端側を塞ぐようにして密封部材26が取り付けられている。
密封部材26は、アルミニウムやステンレス、或いは、鋼材にメッキを施したものからなり、回転軸11の雌ねじ部11cと螺合する雄ねじ部(取り付け手段)26aを有する小径部26bと、小径部26bと段差を持って連続する大径部26cと、大径部26cの端部に設けられたフランジ部26dとを備える。フランジ部26dの外径は、サポート軸受15aの軸方向外側のシール部材25が内輪22と摺接するシール部材25のリップ摺動部25aの半径方向位置よりも少なくとも半径方向外方となるように設計されている。
また、密封部材26の雄ねじ部26aと回転軸11の雌ねじ部11cとの締め付け方向は、プーリ部材13からスリーブ部材12に回転力が伝達されて回転軸11が回転する際にねじが緩まない方向となっている。即ち、雄ねじ部26aと雌ねじ部11cは、回転軸11が反時計方向に回転する場合には右ねじに、時計方向に回転する場合には左ねじに加工されている。
さらに、密封部材26の大径部26cと小径部26bとの間には環状の段差面26eが形成されている。この段差面26eは、雄ねじ部26aと雌ねじ部11cが螺合した際に、回転軸11の軸方向端面11dと当接する当接面となり、機械加工された軸方向端面11dを基準として、密封部材26を回転軸11に対して軸方向に位置決めすると共に、密封部材26と回転軸11との高い同軸度を与える。また、大径部26cの軸方向長さlは、密封部材26が回転軸11に取り付けられたとき、フランジ部26dの軸方向内側面とサポート軸受15aのシール部材25との間に僅かなクリアランスcを確保するように設定されており、シール部材25のリップ摺動部25aから水や埃等、外部から異物が侵入するのを防止している。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置10によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材26が、スリーブ部材12の内部で自動車用補機の回転軸11に直接取り付けられているので、密封部材26をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸11に取り付ける場合に比べて、密封部材26と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材26の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材26を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸11とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材26と回転軸11とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図2を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図2に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置30では、密封部材31はスリーブ部材12の内部で自動車用補機の回転軸11に直接取り付けられ、ボルト32を介して固定されている。密封部材31は、アルミニウムやステンレス、或いは、鋼材にメッキを施したものの他、樹脂材料でも構成される。密封部材31は、ボルト32の外径より大径の円筒部31aと、円筒部31aの端部に設けられたフランジ部31bとを備える。フランジ部31bの外径は、サポート軸受15aの軸方向外側のシール部材25が内輪22と摺接するシール部材25のリップ摺動部25aの半径方向位置よりも少なくとも半径方向外方となるように設計されている。
また、密封部材31の円筒部31aの先端面31cは、密封部材31が回転軸11に取り付けられたとき、回転軸11の軸方向端面11dと当接する当接面となる。さらに、円筒部31aの軸方向長さlは、密封部材31が回転軸11に取り付けられたとき、フランジ部31bの軸方向内側面とサポート軸受15aのシール部材25との間に僅かなクリアランスcを確保するように設定されている。
ボルト32の外周面には、回転軸11の雌ねじ部11cと螺合する雄ねじ部32aが形成されており、ボルト32の端部には頭部フランジ32bが設けられている。そして、円筒部31aの基端面と当接する頭部フランジ32bの内側面32cと、円筒部31aの先端面31cと当接する回転軸11の軸方向端面11dは、密封部材31を軸方向に位置決めする基準であると共に、密封部材31と回転軸11の同軸度を決める基準となるので、頭部フランジ32bの内側面32cと軸方向端面11dには機械加工が施されている。
上記のように構成されたクラッチ内蔵型プーリ装置30では、密封部材31の円筒部31a内にボルト32を挿入した後、ボルト32の雄ねじ部32aを回転軸11の雌ねじ部11cに螺合することで、密封部材31の円筒部31aを回転軸11の軸方向端面11dとボルト32の頭部フランジ部32bとで挟み込むようにして、密封部材31は回転軸11に固定される。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置30によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材31が、自動車用補機の回転軸11に直接取り付け固定されているので、密封部材31をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸11に取り付ける場合に比べて、密封部材31と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材31の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材31を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸11とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材31と回転軸11とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。
さらに、密封部材31をボルト32を用いて自動車用補機の回転軸11に固定するようにしたので、密封部材31を低コストな樹脂材料で構成することができると共に、密封部材31の軸方向長さを短縮することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図3を参照して説明する。なお、第2実施形態と同等部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図3に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置40では、密封部材41の形状が第2実施形態のものと異なっている。本実施形態の密封部材41は、第2実施形態と同様、アルミニウムやステンレス、鋼材にメッキを施したもの、或いは、樹脂材料から構成され、ボルト32の外径より大径の円筒部41aと、円筒部41aの端部に設けられたフランジ部41bとを備える。また、密封部材41の円筒部41aの先端面41cは、密封部材41が回転軸11に固定されたとき、回転軸11の軸方向端面11dと当接する当接面となる。
さらに、密封部材41は、フランジ部41bの外周部から円筒部41a側と平行に軸方向に延び、プーリ部材13の外径面と共にラビリンス構造を構成する環状のシール部41dを有する。
その他の構成及び作用については、第2実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置40によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材41が、自動車用補機の回転軸11に直接取り付け固定されているので、密封部材41をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸11に取り付ける場合に比べて、密封部材41と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材41の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材41を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸11とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材41と回転軸11とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。
さらに、密封部材41をボルト32を用いて自動車用補機の回転軸11に固定するようにしたので、密封部材41を低コストな樹脂材料で構成することができると共に、密封部材41の軸方向長さを短縮することができる。また、密封部材41は、プーリ部材13の外径面と共にラビリンス構造を構成する環状のシール部41dを有すようにしたので、密封部材41の防水性をより高めることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図4及び図5を参照して説明する。なお、第3実施形態と同等部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図4及び図5に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置50では、密封部材51は、第3実施形態と同様に、当接面である先端面51aを有する円筒部51b、フランジ部51c、及び、シール部51dを備えると共に、円筒部51bの内周面には、雌ねじ部(取り付け手段)51eが形成されている。また、フランジ部51cは、円筒部51bの一端開口を塞ぐように、円盤状に形成されている。
一方、自動車用補機の回転軸52は、スリーブ部材12に形成された雌ねじ部12aと螺合する第1の雄ねじ部52aを有する大径軸部52bと、密封部材51の雌ねじ部51eと螺合する第2の雄ねじ部52cを有し、大径軸部52bから段差を持って連続する小径軸部52dとを備える。そして、大径軸部52bと小径軸部52dとの間には軸方向端面である環状の段差面52eが形成されており、第2の雄ねじ部52cと雌ねじ部51eが螺合した際に、円筒部51bの先端面51aと当接する。このため、環状の段差面52eは、密封部材51を軸方向に位置決めする基準であると共に、密封部材51と回転軸52の同軸度を決める基準となるので、段差面52eには機械加工が施されている。
その他の構成及び作用については、第3実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置50によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材51が、自動車用補機の回転軸52に直接取り付け固定されているので、密封部材51をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸52に取り付ける場合に比べて、密封部材51と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材51の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材51を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸52とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材51と回転軸52とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。
また、回転軸52の小径軸部52dに第2の雄ねじ部52cを形成し、密封部材51の円筒部51bに形成された雌ねじ部51eと螺合させるようにしたので、密封部材51の軸方向長さを短縮することができる。これにより、万一、密封部材51が振れ回っても、振れ回り量は小さくなり、密封部材51を低コストな樹脂材料で構成することを可能とする。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図6を参照して説明する。なお、第4実施形態と同等部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図6に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置60では、密封部材61は、第4実施形態と同様に、円筒部61a,フランジ部61b、及びシール部61cを備える。一方、円筒部61aは、内周面に雌ねじ部51eを形成する代わりに、先端部に半径方向内方に突出する複数の爪部(取り付け手段)61dを備えており、六角形状の内周面としている。
自動車用補機の回転軸62は、スリーブ部材12に形成された雌ねじ部12aと螺合する第1の雄ねじ部62aを有する大径軸部62bと、大径軸部62bから段差を持って連続する小径軸部62cとを備える。小径軸部62cは、密封部材61の円筒部61aの内周面に対応する断面形状を有する六角形の外周面を有しており、密封部材61の回り止めを行う。また、小径軸部62cの外周面には、密封部材61の爪部61dと係合する係合溝62dが形成されており、密封部材61の軸方向位置を決めている。さらに、小径段部62cの軸方向端面62eには機械加工が施されており、軸方向端面62eは、爪部61dが係合溝62dと係合した際に、当接面である円筒部61aの底面61eと当接し、密封部材61と回転軸62との同軸度を決める基準となる。
なお、小径段部62cの外周面は、六角形状に限定されず、円筒部61aの内周面に対応する少なくとも二平面を有する形状であればよい。
その他の構成及び作用については、第4実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置60によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材61が、自動車用補機の回転軸62に直接取り付け固定されているので、密封部材61をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸62に取り付ける場合に比べて、密封部材61と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材61の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材61を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸62とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材61と回転軸62とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。
さらに、密封部材61の円筒部61aの内周面及び回転軸62の小径段部62cの外周面を六角形状とし、爪部61dと係合溝62dとを係合することで、密封部材61を回転軸62に取り付けるようにしたので、密封部材61が回転軸62に対して回り止めされ、ねじの緩み等による脱落が確実に防止される。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図7〜10を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図7に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置70は、第1実施形態と同様、スリーブ部材12とプーリ部材13との間に一方向クラッチ14’と一対のサポート軸受15a,15bを備えている。但し、本実施形態の一方向クラッチ14’は、クラッチ内輪17’がスリーブ部材12と別体に設けられている点において、第1実施形態の一方向クラッチ14と異なる。
自動車用補機の回転軸71の軸方向端部71aには、外周面にスリーブ部材12の雌ねじ部12aと螺合する雄ねじ部71bが形成されると共に、内周面に密封部材72を回転軸71に取り付けるための環状の抜け止め溝71cが形成されている。
密封部材72は、スリーブ部材12の内部で自動車用補機の回転軸71に直接取り付けられている。密封部材72は、アルミニウムやステンレス、或いは、鋼材にメッキを施したものの他、樹脂材料でも構成される。密封部材72は、スリーブ部材12の内部に形成された工具掛け部12bの形状と対応する六角形状の外周面を有する筒部72aと、筒部72aの一端部に設けられたフランジ部72bと、筒部72aの他端部に段差を介して小径に形成された円筒部72cを有する。
フランジ部72bの外径は、サポート軸受15aの軸方向外側のシール部材25が内輪22と摺接するシール部材25のリップ摺動部25aの半径方向位置よりも少なくとも半径方向外方となるように設計されている。また、フランジ部72bの半径方向外方部分は、その軸方向内側面とシール部材25との間にクリアランスcを確保するように薄肉に形成されている。円筒部72cの先端部72dは、スリットを設けることで径方向への容易な弾性変形を与えており、先端部72dの外周面には、回転軸71の抜け止め溝71cと嵌合可能な抜け止め用タブ(取り付け手段)72eが径方向外方に突出して設けられている。
密封部材72は、抜け止め用タブ72eが抜け止め溝71cと嵌合することで密封部材72が回転軸71に取り付けられた時、フランジ部72bの軸方向内側面とスリーブ部材12の軸方向端面12cとの間に若干の隙間が設けられるように形成されている。また、図10に示すように、密封部材72が回転軸71に取り付けられた時、密封部材72は、筒部72aの外周面とスリーブ部材12の工具掛け部12bの内面との間に若干の隙間を持ってスリーブ部材12と嵌合しており、スリーブ部材12の工具掛け部12bの内面によって回り止めされる。
上記のように構成されたクラッチ内蔵型プーリ装置70では、スリーブ部材12を回転軸71に近付け、工具掛け部12bに図示しない六角レンチ等の工具を係止させて回転させることで、回転軸71の雄ねじ部71bとスリーブ部材12の雌ねじ部12aとを螺合させ、クラッチ内蔵型プーリ装置70を回転軸71に取り付ける。その後、筒部72aの外周面と工具掛け部12bの内面との位相を合わせた状態で工具掛け部12b内に密封部材72を挿入する。さらに、円筒部72cを回転軸71の軸方向端部71a内に挿入させると、一時的に縮径された抜け止め用タブ72eが回転軸71の抜け止め溝71cの位置で拡径して抜け止め溝71cと嵌合する。これにより、密封部材72が筒部72aの外周面と工具掛け部12bとを嵌合することでスリーブ部材12の内面に回り止めされた状態で、密封部材72が回転軸71に直接取り付けられる。
なお、工具掛け部12bの内面の形状は、六角形以外の多角形や鋸歯状のものであってもよく、工具の形状に応じて変更できる。また、筒部72aの外周面の形状は、工具掛け部12bの内面に形状に対応して回り止め可能に設計されればよい。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置70によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材72が、自動車用補機の回転軸71に直接取り付け固定されているので、密封部材72をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸71に取り付ける場合に比べて、密封部材72と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材72の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材72を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸71とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材72と回転軸71とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。特に、本実施形態では、工具掛け部12bのスペースを利用して密封部材72の抜け止めと回り止めが行なわれるので、軸方向及び径方向に密封部材72が大きく飛び出すことがなく、密封部材72の軸方向の板厚のみを増加することでシール部材25に対する密封性が確保されている。
特に、アイドリングストップに用いられるスタータモータのプーリ装置においては、プーリ部材13は駆動ベルトと共に常時回転するが、スリーブ部材12はクランキング時のみ回転し、通常停止しており、スリーブ部材の回転数は、プーリ部材の回転数に比べて低い。このため、密封部材72が回転軸71側に取り付けられている本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置70は、このようなスタータモータのプーリ装置として好適に使用される。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図11を参照して説明する。なお、第6実施形態と同等部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図11に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置80では、密封部材81の形状が第6実施形態のものと異なる。密封部材81は、第6実施形態のものと同様に、筒部81a、フランジ部81b及び先端部81dに抜け止め用タブ(取り付け手段)81eが形成された円筒部81cを備えており、抜け止め用タブ81eを回転軸71の抜け止め溝71cと嵌合させることで、密封部材81を回転軸に直接取り付けている。一方、密封部材81の筒部81aと円筒部81cとの間には、筒部81aと円筒部81cの各内部を仕切る仕切り壁81fが形成されている。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置80によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材81が、自動車用補機の回転軸71に直接取り付け固定されているので、密封部材81をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸71に取り付ける場合に比べて、密封部材81と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材81の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材81を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸71とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材81と回転軸71とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。特に、本実施形態では、工具掛け部12bのスペースを利用して密封部材81の抜け止めと回り止めが行なわれるので、軸方向及び径方向に密封部材が大きく飛び出すことがなく、密封部材81の軸方向の板厚のみを増加することでシール部材25に対する密封性が確保されている。
さらに、密封部材81の筒部81aと円筒部81cとの間に仕切り壁81fを設けたので、円筒部81cの内部が外部から遮蔽され、回転軸71の軸方向端部71aに水が掛かるのを防止することができる。特に、回転軸71をメッキ処理した後、機械加工を施して一部メッキのない面が露出している場合に、仕切り壁81fを設けることで防錆効果が与られる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図12〜14を参照して説明する。なお、第6実施形態と同等部分については、同一の符号を付して説明を省略あるいは簡略化する。
図12に示すように、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置90では、自動車用補機の回転軸91は、外周面にスリーブ部材12の雌ねじ部12aと螺合する雄ねじ部91aを有する大径軸部91bと、外周面に密封部材92を回転軸91に取り付けるための環状の抜け止め溝91cを備え、大径軸部91bと段差を持って連続する小径軸部91dとを備える。
密封部材92は、スリーブ部材12の内部で自動車用補機の回転軸91に直接取り付けられている。密封部材92は、アルミニウムやステンレス、或いは、鋼材にメッキを施したものの他、樹脂材料でも構成される。密封部材92は、スリーブ部材12の内部に形成された工具掛け部12bの形状と対応する六角形状の外周面を有する筒部92aと、筒部92aの一端部に設けられたフランジ部92bと、筒部92aの他端部に段差を介して小径に形成された円筒部92cを有する。
フランジ部92bの外径は、サポート軸受15aの軸方向外側のシール部材25が内輪22と摺接するシール部材25のリップ摺動部25aの半径方向位置よりも少なくとも半径方向外方となるように設計されている。また、フランジ部92bの半径方向外方部分は、その軸方向内側面とシール部材25との間にクリアランスcを確保するように薄肉に形成されている。円筒部92cの先端部92dは、スリットを設けることで径方向への容易な弾性変形を与えており、先端部92dの内周面には、回転軸91の抜け止め溝91cと嵌合可能な抜け止め用タブ(取り付け手段)92eが径方向内方に突出して設けられている。
密封部材92は、抜け止め用タブ92eが抜け止め溝91cと嵌合することで密封部材92が回転軸91に取り付けられた時、フランジ部92bの軸方向内側面とスリーブ部材12の軸方向端面12cとの間に若干の隙間が設けられるように形成されている。また、密封部材92が回転軸91に取り付けられた時、密封部材92は、筒部92aの外周面とスリーブ部材12の工具掛け部12bの内面との間に若干の隙間を持ってスリーブ部材12と嵌合しており、スリーブ部材12の工具掛け部12bの内面によって回り止めされる。
上記のように構成されたクラッチ内蔵型プーリ装置90では、スリーブ部材12を回転軸91に近付け、工具掛け部12bに図14(b)に示された内部に回転軸91の小径軸部91dを収容する孔部93aを有する六角レンチを係止させて回転させることで、回転軸91の雄ねじ部91aとスリーブ部材12の雌ねじ部12aとを螺合させ、クラッチ内蔵型プーリ装置90を回転軸91に取り付ける。その後、筒部92aの外周面と工具掛け部12bの内面との位相を合わせた状態で工具掛け部12b内に密封部材92を挿入する。さらに、円筒部92cを回転軸91の小径軸部91dの外周面に沿って移動させ、一時的に拡径された抜け止め用タブ92eが回転軸91の抜け止め溝91cの位置で戻され抜け止め溝91cと嵌合する。これにより、密封部材92が筒部92aの外周面と工具掛け部12bとを嵌合することでスリーブ部材12の内面に回り止めされた状態で、密封部材92が回転軸91に直接取り付けられる。
その他の構成及び作用については、第6実施形態のものと同様である。
従って、本実施形態のクラッチ内蔵型プーリ装置90によれば、サポート軸受15aのシール部材25の軸方向外側を覆う密封部材92が、自動車用補機の回転軸91に直接取り付け固定されているので、密封部材92をスリーブ部材12やプーリ部材13を介して回転軸91に取り付ける場合に比べて、密封部材92と自動車用補機との同軸度が高められ、密封部材92の振れ回りを防止することができる。
また、スリーブ部材12やプーリ部材13は、通常、限られたスペース内で寸法が厳しく決められており、密封部材92を取り付けるスペースも限られることから、より同軸度を悪化させるような取り付けになりがちであるが、スリーブ部材12の内部は、回転軸91とスリーブ部材12とを取り付けた後、余裕のあるスペースとなるので、ここに密封部材92と回転軸91とを係合させることで、設計の自由度を高めることができる。特に、本実施形態では、工具掛け部12bのスペースを利用して密封部材92の抜け止めと回り止めが行なわれるので、軸方向及び径方向に密封部材92が大きく飛び出すことがなく、密封部材92の軸方向の板厚のみを増加することでシール部材25に対する密封性が確保されている。
さらに、回転軸91の小径軸部91dに抜け止め溝91cを形成し、密封部材92の抜け止め用タブ92eと嵌合するようにしたので、密封部材92の軸方向長さを短縮することができる。これにより、万一、密封部材92が振れ回っても、振れ回り量は小さくなる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
また、本実施形態では、内輪の外周面をカム面、外輪の内周面を円筒面としたが、内輪の外周面を円筒面、外輪の内周面をカム面とする構成であってもよい。
さらに、本実施形態では、シール部材は、一対の転がり軸受の外輪内周面の両側に4ヶ所配置されているが、シール部材は、各転がり軸受の軸方向外端側のみで2ヶ所に配置して、一対の転がり軸受及び一方向クラッチを外部から密封するようにしてもよい。
また、本実施形態では、一方向クラッチとしてローラクラッチを使用した場合について述べたが、本発明は一方向クラッチとして、スプラグクラッチの如きカムクラッチ等、従来から知られている他の構造の一方向クラッチを使用した場合でも同様の効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第2実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第3実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第4実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第4実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の回転軸と密封部材が組みつけられる前の状態を表す縦断面図である。 本発明の第5実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第6実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第6実施形態の密封部材を示し、(a)はその背面図であり、(b)はその断面図であり、(c)はその正面図である。 本発明の第6実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の回転軸と密封部材が組みつけられる前の状態を表す縦断面図である。 図7のX−X線に沿った断面図である。 本発明の第7実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第8実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 本発明の第8実施形態の密封部材を示し、(a)はその背面図であり、(b)はその断面図であり、(c)はその正面図である。 (a)は、本発明の第8実施形態であるクラッチ内蔵型プーリ装置の回転軸と密封部材が組みつけられる前の状態を表す縦断面図であり、(b)は回転軸を組付けるための工具である。 従来のクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。
符号の説明
10,30,40,50,60,70,80,90 クラッチ内蔵型プーリ装置
11,52,62,71,91 回転軸
11a,52a,62a,71a,91a 雄ねじ部
11d,62e 軸方向端面
12 スリーブ部材
12a 雌ねじ部
12b 工具掛け部
13 プーリ部材
14 一方向クラッチ
15a,15b サポート軸受
16 クラッチ外輪
17 クラッチ内輪
18 ころ(係合子)
19 保持器
20 ばね
21 外輪
22 内輪
23 玉(転動体)
24 保持器
25 シール
26,31,41,51,61,72,81,91 密封部材
26d,31b,41b,51c,61b,72b,81b,92b フランジ部
26e 段差面(当接面)
31c,41c,51a 先端面(当接面)
52e 段差面(軸方向端面)

Claims (7)

  1. 自動車用補機の回転軸に取り付けられて使用されるクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
    前記回転軸と共に回転可能なスリーブ部材と、
    前記スリーブ部材の周囲に前記スリーブ部材と同心に配置されるプーリ部材と、
    前記スリーブ部材と前記プーリ部材との間に設けられ、前記プーリ部材が前記スリーブ部材に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ前記プーリ部材と前記スリーブ部材との間で回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、
    前記スリーブ部材と前記プーリ部材の間で、前記一方向クラッチの軸方向側方に設けられ、前記スリーブ部材と前記プーリ部材とを相対回転可能に支持するサポート軸受と、
    前記サポート軸受の転動体より軸方向外側のシール部材の軸方向外側を覆う密封部材とを備え、
    前記密封部材は、前記回転軸に取り付けられていることを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
  2. 前記密封部材は、前記スリーブ部材の内部で前記回転軸に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
  3. 前記回転軸の軸方向端面は機械加工されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
  4. 前記密封部材は、前記回転軸の軸方向端面と当接する当接面を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
  5. 前記密封部材は、前記スリーブ部材の内面によって回り止めされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
  6. 前記スリーブ部材の内面には、前記回転軸と螺合する雌ねじ部と、前記回転軸を螺合する際に工具を係止するための工具掛け部が形成されており、
    前記密封部材は、前記工具掛け部に前記密封部材の外周面を嵌合することで前記スリーブ部材の内面によって回り止めされることを特徴とする請求項5に記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
  7. 自動車用補機の回転軸に取り付けられて使用されるクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
    前記回転軸と共に回転可能なスリーブ部材と、
    前記スリーブ部材の周囲に前記スリーブ部材と同心に配置されるプーリ部材と、
    前記スリーブ部材と前記プーリ部材との間に設けられ、前記プーリ部材が前記スリーブ部材に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ前記プーリ部材と前記スリーブ部材との間で回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、
    前記スリーブ部材と前記プーリ部材の間で、前記一方向クラッチの軸方向側方に設けられ、前記スリーブ部材と前記プーリ部材とを相対回転可能に支持するサポート軸受と、
    前記サポート軸受の転動体より軸方向外側のシール部材の軸方向外側を覆う密封部材とを備え、
    前記密封部材は、前記密封部材を前記回転軸に取り付けるための取り付け手段を備えたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
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