JP4538274B2 - トナーカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、静電複写機、レーザプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に備えられた現像装置にトナーを補給するために画像形成装置に離脱自在に装着されるトナーカートリッジに関する。
トナーカートリッジの一つの典型例は、底壁を有する容器本体と、底壁に形成されたトナー排出開口と、トナー排出開口を開閉しうるよう底壁の外面側に配設されたシャッタ部材と、容器本体内に並列して配設された第1及び第2のトナー撹拌搬送機構(第1及び第2のトナー移送機構)を備え、第2のトナー撹拌搬送機構はトナー排出開口の上方を通るよう配設されている。シャッタ部材は、トナー排出開口を覆う閉位置と、トナー排出開口から変位させられる開位置との間を往復動自在に容器本体に装着されている。このトナーカートリッジは、画像形成装置に設定された挿入位置に挿入し、続いて挿入位置から装着位置まで移動させると、シャッタ部材が相対的に一方向に移動してトナー排出開口を開き、また、装着位置から挿入位置まで戻すと、シャッタ部材が相対的に他方向に移動してトナー排出開口を閉じるよう構成されている(特許文献1参照)。
一般的にトナーカートリッジを画像形成装置に装着する直前には、容器本体内で沈み込んで固まっているトナーをほぐすために、トナーカートリッジを振るように、その取り扱いの説明がなされている。このような使用のための準備動作の遂行は、上記形態のトナーカートリッジにおいても同様に行われることが望まれる。しかしながら、トナーカートリッジを過度に振りすぎると、トナーの流動性が増加していわゆる液状化が発生するおそれがある。トナーが液状化した状態でトナーカートリッジが画像形成装置に装着されると、シャッタ部材によりトナー排出開口が開かれた瞬間に過剰な量のトナーが現像装置内に流入してしまう。過剰な量のトナーが現像装置内に流入すると、現像装置内のトナー受入領域において十分な混合作用が行われないまま搬送されてしまうので、特に二成分現像剤の場合には、部分的にトナー濃度が高くなるおそれがある。また、画像かぶり、あるいはトナー飛散などの不具合が生ずるおそれがある。
そこで、トナーカートリッジが未使用の状態で、一端部がトナー排出開口を覆うと共に他端部が、トナー排出開口の上方を通るよう配設された第2のトナー撹拌搬送機構(回転式搬送手段)に固定された細幅テープ状のシール部材を容器本体の内部に設けるよう構成されたトナーカートリッジが注目される(特許文献2参照)。このトナーカートリッジにおいては、画像形成装置に装着した時、トナー排出開口は閉じられているので、上記した不具合が生ずることはない。
しかしながら、上記トナーカートリッジは、画像形成装置に装着した後、容器本体内に収容されたトナーをはじめて現像装置内に補給するために、第2のトナー撹拌搬送機構を回転駆動すると、シール部材がトナー排出開口から引き剥がされてトナー排出開口が開かれるよう構成されているので、容器本体に貼着されたシール部材を引き剥がすために、大きな負荷を要することになる。その結果、第2のトナー撹拌搬送機構に含まれる回動軸の駆動トルクを、トナーの撹拌搬送のみに必要な駆動トルク以上に増大させる必要がある。また、第2のトナー撹拌搬送機構に含まれる回動軸のねじり強度も増加させる必要がある。つまり、上記トナーカートリッジにおいては、容器本体に貼着されたシール部材を引き剥がすだけの1度の動作のために、第2のトナー撹拌搬送機構に含まれる回動軸の強度をトナーの撹拌搬送のみに必要な強度以上に増大させる必要があるので、過剰品質となって、コストアップを招くことになり、更なる改善が要望されるところであった。
特開平8−278694号公報 特開平6−202467号公報
本発明の目的は、トナーカートリッジを過度に振りすぎて、トナーが液状化した状態で画像形成装置に装着されても、過剰な量のトナーが現像装置内に流入することを確実に防止でき、しかも、トナーを撹拌搬送するための回転機構の強度アップも不要である、新規なトナーカートリッジを提供することである。
本発明によれば、底壁を有する容器本体と、底壁に形成されたトナー排出開口と、トナー排出開口を開閉しうるよう底壁の外面側に配設されたシャッタ部材と、容器本体内に回転自在に配設され、かつトナー排出開口の上方を通るよう配設されたトナー撹拌搬送機構とを備えたトナーカートリッジにおいて、
トナー撹拌搬送機構は、回転軸と、回転軸に一体に配設されたトナー撹拌搬送手段及び弾性を有する発泡体からなるトナー供給ローラとを備え、トナー供給ローラは、トナー排出開口の上端周縁に密着してトナー排出開口の上端を覆うよう配置され、トナー排出開口の上端が開口する底壁の内面には、トナー供給ローラの外周縁部に付着したトナーを強制的に離脱させてトナー排出開口に供給するトナー離脱手段が配設されており
トナー排出開口は、相互に間隔をおいてトナー撹拌搬送機構の回転軸に平行に延在する一対の上端縁を備え、トナー離脱手段は、底壁の内面に形成された突起部からなり、該突起部は、該一対の上端縁のうち、トナー供給ローラの回転方向の下流側に位置する下流側上端縁に沿って延在し、かつトナー供給ローラの外周面から半径方向内側に食い込むよう形成されており、
トナー排出開口は、トナー撹拌搬送機構の回転軸の軸線方向に相互に間隔をおいて対向する他の一対の上端縁を備え、トナー供給ローラ及び該突起部の該軸線方向長さは、該他の一対の上端縁間の間隔よりも長く形成され、該突起部は、該軸線方向両端部が、該軸線方向外方に向かって高さが徐々に低くなるよう形成されている、
ことを特徴とするトナーカートリッジ、が提供される
突起部は、ほぼ該他の一対の上端縁の各々から、それぞれ、該軸線方向外方に向かって高さが徐々に低くなるように延び出している、ことが好ましい。
該突起部の該軸線方向長さは、トナー供給ローラの該軸線方向長さとほぼ同じである、ことが好ましい。
以下、本発明に従って構成されたトナーカートリッジの実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図4を参照して、トナーカートリッジ100は、上面が開口した箱状の容器本体2を備えている。容器本体2は底壁4を備えている。底壁4における前部4Fの断面形状は曲率半径が比較的大きい円弧形状であり、後部4Rの断面形状は曲率半径が比較的小さい円弧形状である。ただし、底壁4の後部4Rには外面が円弧形状ではなくて平坦な部分(後述する口頸部22)も存在する。容器本体2は、底壁4の前後方向(図2において左右方向)における前部4F(図2において左部4F)の前縁から上方に延びる前壁6と、底壁4の後部4R(図2において右部4R)の後縁から上方に延びる後壁8と、底壁4の幅方向(図1において左右方向)の両側縁から上方に延び出す側壁10及び12とを備えている。容器本体2はまた、ふた14を備えている。ふた14は接着あるいは溶着などの適宜な固着手段によって容器本体2の上面に固定され、容器本体2の上面を閉塞する。容器本体2及びふた14は、それぞれ適宜の合成樹脂から成形することができる。なお、底壁4の前後方向及び幅方向は、容器本体2の前後方向及び幅方向と一致する。
底壁4における前部4Fの下面には、下方に延び出す一対の突条部16が、幅方向に間隔をおいて形成されている(図1及び図2においては1個の突条部16のみが示されている)。平面から見てほぼ矩形状の輪郭を有する突条部16の各々の下面は、共通の水平面上に位置付けられている。突条部16の各々の前面には、各々の幅方向の全域にわたって、一定の前後方向幅を有する被係止リブ18が同じ高さで水平に前方に突出するよう形成されている。容器本体2の後壁8の下部には、後壁8の幅方向の全域にわたって、一定の前後方向幅を有する被係止リブ20が水平に後方に突出するよう形成されている。
容器本体2の底壁4の後部4Rであって、側壁12の近傍位置には、口頸部22が、円弧形状部の外面から下方に延び出すよう形成されている。口頸部22の下面(外面)は水平に延在する平坦面をなしている。口頸部22の中央部には矩形状のトナー排出開口24が形成されている。トナー排出開口24の上端は底壁4の後部4Rの円弧形状をなす内面に開口し、下端は口頸部22の平坦な下面に開口している。トナー排出開口24の矩形状の上端周縁は、相互に間隔をおいて、後述する第2のトナー撹拌搬送機構60の回転軸61に平行に延在する一対の上端縁24a及び24bと、第2のトナー撹拌搬送機構60の回転軸61の軸線方向に相互に間隔をおいて対向する他の一対の上端縁24c及び24dとを備えている。上端縁24aは、後述するトナー供給ローラ63の回転方向(図2において矢印で示す反時計方向)の上流側に位置する上流側上端縁24aを規定し、上端縁24bは、トナー供給ローラ63の回転方向の下流側に位置する下流側上端縁24bを規定する。口頸部22の前側(図2において左側)には水平に前方に突出する装着レール26が形成され、口頸部22の後側(図2において右側)には水平に後方に突出する装着レール28が形成されている。
上記装着レール26及び28にはシャッタ部材30が幅方向に移動自在に装着されている。適宜の合成樹脂から成形することができるシャッタ部材30は、矩形状の平板状主部32と、平板状主部32の前縁及び後縁に形成された被装着部片34及び36とを有する。被装着部片34は平板状主部32の前縁から上方に延びる直立部とこの直立部の上端から後方に突出する被装着レールとを有し、被装着部片36は平板状主部32の後縁から上方に延びる直立部と、この直立部の上端から前方に突出する被装着レールとを有する。このようなシャッタ部材30は、容器本体2の底壁4における口頸部22に形成されている上記装着レール26及び28を、平板状主部32の前縁部及び後縁部と被装着部片34及び36の被装着レールとの間に位置させることによって、容器本体2の幅方向に移動自在に装着される。トナーカートリッジ4が後述するとおりにしてトナーカートリッジ受体202に装着される前の状態においては、シャッタ部材30は、図1〜図3において実線で示す閉位置に位置しており、トナー排出開口24が形成されている口頸部22を下面側から覆っている。
トナー排出開口24及びシャッタ部材30に関連して、シール部材38が配設されている。適宜の合成樹脂フィルムから形成することができるシール部材38は、帯状形態の両端部を連結することによって無端状に形成されており、シャッタ部材30の平板状主部32をシャッタ部材30の往復移動方向(図1及び図3において左右方向)に囲繞している(換言すれば、シャッタ部材30の往復移動方向に延在してシャッタ部材30の平板状主部32の内面及び外面並びに両側縁を取り巻いている)。シール部材38の、容器本体2とシャッタ部材30との間に位置する(従ってシャッタ部材30の平板状主部32の内側に位置する)シール部は、容器本体2の底壁4の外面におけるトナー排出開口24の周縁、すなわち容器本体2の底壁4における口頸部22の外面に、剥離自在に接着されている。シール部材38のシール部のこのような剥離自在な接着は、例えば溶着などの適宜の固着手段によって実現することができる。
容器本体2の両側壁10及び12のうち、片方の側壁10には2個の突出部40及び41が形成されており、突出部40及び41の内側にそれぞれ袋穴42及び43が規定されている。他方の側壁12には上記袋穴42及び43に対応してそれぞれ貫通穴44及び45が形成されている。袋穴42及び貫通穴44は、底壁4における前部4Fの円弧状断面形状の曲率中心線上に配置されている。他方、袋穴43及び貫通穴45は、底壁4における後部4Rの円弧状断面形状の曲率中心線上に配置されている。
容器本体2内には第1のトナー撹拌搬送機構50及び第2のトナー撹拌搬送機構60が前後方向に並列してそれぞれ回転自在に配設されている。第1のトナー撹拌搬送機構50は、上記底壁4の前部4Fの上方を幅方向に実質上水平に延びる回転軸51を有する。この回転軸51は、一端部(図1において右端部)を片方の側壁10に形成されている袋穴42に挿入し、そして全体を幾分弾性変形させて他端部(図1において左端部)を他方の側壁12に形成されている貫通孔44に挿通することによって、側壁10及び12間に回転自在に装着される。回転軸51の他端部は貫通孔44を貫通して他方の側壁12の外部に突出されており、その突出端には図示しない連結片が形成されている。回転軸51には、軸方向に沿って複数の撹拌搬送体50Uが配設されている。撹拌搬送体50Uの各々は、回転軸51の軸方向に間隔をおいて回転軸51の外周面から半径方向外方に延び出す一対のアーム52と、アーム52の各々の先端間に配設されたパドル53と、パドル53に固定された可撓性シート部材54とを備えている。ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)などの適宜の弾性を有する合成樹脂フィムルから形成されている可撓性シート部材54は、回転軸51から遠ざかるよう半径方向外方に延出している。回動軸51、アーム52及びパドル53の各々は、弾性変形可能な適宜の合成樹脂から一体に形成されている。
第2のトナー撹拌搬送機構60は、上記底壁4の後部4Rの上方を幅方向に実質上水平に延びる回転軸61を有する。この回転軸61は、一端部(図1において右端部、図4において図示されていない右端部)を片方の側壁10に形成されている袋穴43に挿入し、そして全体を幾分弾性変形させて他端部(図1及び図4において左端部)を他方の側壁12に形成されている貫通孔45に挿通することによって、側壁10及び12間に回転自在に装着される。回転軸61の他端部は貫通孔45を貫通して他方の側壁12の外部に突出されており、その突出端には図示しない連結片が形成されている。回転軸61には、回転軸61に一体に配設されたトナー撹拌搬送手段62と、トナー供給ローラ63とが一体に配設されている。トナー撹拌搬送手段62は、螺旋羽根64と、螺旋羽根64間を軸方向に延在するよう配設された撹拌羽根65とを備えている。撹拌羽根64の各々は回転軸61の外周面から半径方向外方に所定の長さだけ延び出すよう配設されている。
トナー供給ローラ63は、弾性を有する発泡体から構成されている。実施形態において、トナー供給ローラ63を構成する発泡体は、軟質ポリウレタンフォームから形成され、回転軸61に対し、回転軸61と一体回転しうるよう嵌合されている。トナー供給ローラ63は、回転軸61の他端部(図1及び図4において左端部)近傍位置に配置されている。他方、螺旋羽根64及び撹拌羽根65からなるトナー撹拌搬送手段62は、回転軸61の一端部(図1において右端部、図4において図示されていない右端部)近傍位置からトナー供給ローラ63に隣接した位置にわたって配設されている。回動軸61、螺旋羽根64及び撹拌羽根65は、弾性変形可能な適宜の合成樹脂から一体に形成されている。第2のトナー撹拌搬送機構60は、装着状態において、底壁4の後部4Rの円弧形状を有する内面に沿って、かつ隙間をおいて上記幅方向に延在して、トナー排出開口24の上方を通るよう位置付けられるが、トナー供給ローラ63は、トナー排出開口24の上端周縁に密着してトナー排出開口24の上端を覆うよう配置される。トナー排出開口24が形成されている底壁4の後部4Rの内面は、円弧形状をなすよう形成されているが、トナー供給ローラ63の外周面は、その下側のほぼ半円領域が、底壁4の後部4Rの円弧状内面に密着して配置されている。トナー供給ローラ63の幅(回転軸61の軸方向長さ)は、トナー排出開口24の幅(回転軸61の軸方向における幅であって、上記他の一対の上端縁24c及び24d間の間隔)よりも広く形成されているので、トナー排出開口24の上端はトナー供給ローラ63の外周面によって完全に閉塞される。
トナー排出開口24の上端が開口する底壁4の後部4Rの内面には、トナー供給ローラ63の外周縁部に付着したトナーを強制的に離脱させてトナー排出開口24に供給するトナー離脱手段が配設されている。このトナー離脱手段は、底壁4の後部4Rの内面に形成された突起部66からなる。突起部66は、第2のトナー撹拌搬送機構60の回転軸61に平行に延在するトナー排出開口24の上端縁であって、トナー供給ローラ63の回転方向(図2において反時計方向)の下流側に位置する下流側上端縁24bに沿って延在し、かつトナー供給ローラ63の外周面から半径方向内側に食い込むよう形成されている。突起部66の長さ(底壁4における上記幅方向と同じ方向の長さ)は、少なくとも、トナー排出開口24の他の一対の上端縁24c及び24d間の間隔よりも長く形成されることが好ましい。
容器本体2の片方の側壁10には、比較的大きい円形開口(図示せず)が形成され、この開口を介して容器本体2内にトナーが所要量充填される。容器本体2内にトナーを充填した後に、図示しない閉塞部材が溶着あるいは接着などの固着手段によって側壁10に固定され、上記開口が閉じられる。
画像形成装置には現像装置が配設され(いずれも図示せず)、現像装置に含まれる現像ハウジングの天井壁200の上面には、トナーカートリッジ受体202が配設されている。適宜の合成樹脂から一体に成形することができるトナーカートリッジ受体202は、実質上水平に延在する矩形上の底壁204を有する。底壁204の後端縁には後端壁206が形成されている。後端壁206の上部の横断面形状は前面が開放されたチャンネル形状であり、後端壁206の上部前面には実質上水平に延びるカートリッジ係止溝208が規定されている。底壁202の前縁には幅方向に間隔をおいて一対のカートリッジ係止片210が形成されている。カートリッジ係止片210の各々は底壁204から実質上鉛直に上方に延び、次いで実質上水平に後方に延びている。底壁204の上面には図示しない複数の直立突条及びトナー通過開口212が形成されている。現像ハウジングの天井壁200には、トナー通過開口212に対応してトナー受入開口214が形成されている。トナー通過開口212及びトナー受入開口214は、トナー排出開口24とほぼ同じ矩形状をなしている。
次に、トナーカートリッジ受体202に対するトナーカートリッジ100の装着及び離脱様式について簡単に説明する。トナーカートリッジ受体202上にトナーカートリッジ100を装着する際には、トナーカートリッジ受体202の底壁204上に、トナーカートリッジ100の底壁4の一対の突条部16を戴置して、トナーカートリッジ100を後方(図2において右方)に、所定の挿入位置まで移動させる。トナーカートリッジ受体202に対してトナーカートリッジ100が挿入位置まで後方に移動させられると、トナーカートリッジ100の後壁8に形成されている被係止リブ20がトナーカートリッジ受体202の後端壁206に形成されているカートリッジ係止溝208内に進入させられる。
トナーカートリッジ100が挿入位置まで移動させられると、トナーカートリッジ受体202に配設された図示しない一対の直立突条が、それぞれトナーカートリッジ100のシャッタ部材30の片端縁(図1及び図3において左端縁)及び他端縁(図1及び図3において右端縁)に対向して位置するので、シャッタ部材30の一方向への移動(図1及び図3において左方への移動)及び他方向への移動(図1及び図3において右方への移動)が阻止される。
次いで、トナーカートリッジ100を上記一方向に所定の装着位置まで移動させると、底壁4の一対の突条部16に形成されている被係止リブ18が、それぞれ、トナーカートリッジ受体202の一対のカートリッジ係止片210の後方及び下方に進入させられる。これにより、トナーカートリッジ100を前方(図2において左方)へ引き出すことが阻止される。また、これに加えて、上述したとおりにしてトナーカートリッジ100の後壁8に形成されている被係止リブ20がトナーカートリッジ受体202の後端壁206のカートリッジ係止溝208内に進入させられているので、トナーカートリッジ受体202からトナーカートリッジ100が上方及び後方に変位することも防止される。更にはまた、トナーカートリッジ受体202には、トナーカートリッジ100が挿入位置から装着位置まで移動させられたとき、それ以上の移動を阻止する側壁、あるいは、トナーカートリッジ100を装着位置に解除自在にロックするロック手段も配設されている(いずれも図示せず)。
トナーカートリッジ100が上述したとおりにして挿入位置から上記一方向に装着位置まで移動させられる際、シャッタ部材30の上記一方向への移動は上記した直立突条によって阻止されるので、シャッタ部材30は移動されることなく静止させられる。したがって、トナーカートリッジ100に対して相対的にシャッタ部材30が、上記他方向(図1及び図3において右方)に、図1及び図3において実線で示される閉位置から2点鎖線で示す開位置(この開位置においてはシャッタ部材30はトナー排出開口24から変位する)まで移動させられる。シャッタ部材30の閉位置から開位置への相対移動により、シャッタ部材30を囲繞しているシール部材38もシャッタ部材30の移動に応じて移動させられる。その結果、シール部材38のシール部は口頸部22の外面から剥離されてトナー排出開口24から変位させられ、トナー排出開口24が開放される。開放されたトナー排出開口24は、トナーカートリッジ受体202の底壁204に形成されているトナー通過開口212及び現像ハウジングの天井壁200に形成されているトナー受入開口214に整合してその上方に位置付けられる。
上述したとおりにして、トナーカートリッジ100がトナーカートリッジ受体202の所定の装着位置に装着されたとき、トナー排出開口24、トナー通過開口212及びトナー受入開口214は相互に連通される。しかしながら、トナー排出開口24の上端は、軟質ポリウレタンフォームからなるトナー供給ローラ63によって閉塞されているので、容器本体2内に収容されたトナーがトナー排出開口24を通って排出されることは防止される。その結果、トナーカートリッジ100が、トナーカートリッジ受体202への装着直前において過度に振られて、トナーが液状化していたとしても、トナーカートリッジ100がトナーカートリッジ受体202の所定の装着位置に装着されたとき、トナー排出開口24、トナー通過開口212及びトナー受入開口214を通して現像装置内に落下流入させられるトナーは、口頸部22内に存在するわずかな量のトナーだけであるので、過剰な量のトナーが現像装置内に流入されることはない。したがって、部分的にトナー濃度が高くなる、画像かぶりやトナー飛散が発生する、などの不具合が生ずるおそれはない。
トナーカートリッジ100の容器本体2が上述したとおりにして装着位置まで移動させられると、第1のトナー撹拌搬送機構50の回転軸51の突出端に形成されている連結片が画像形成装置に配設された伝動歯車(図示していない)に駆動連結され、そしてまた第2のトナー撹拌搬送機構60の回転軸61の突出端に形成されている連結片が画像形成装置に配設された伝動歯車(図示していない)に駆動連結される。このようにして、第1及び第2のトナー撹拌搬送機構50及び60が画像形成装置に配設された駆動源である電動モータ(図示していない)によって適宜に駆動される状態になる。第1のトナー撹拌搬送機構50は図2において反時計方向に回転駆動され、容器本体2の前部から後部にトナーを撹拌搬送する。第2のトナー撹拌搬送機構60は図2において反時計方向に回転駆動され、その螺旋羽根64及び撹拌羽根65は容器本体2の後部内に存在するトナーをトナー排出開口24に向けて幅方向に撹拌搬送する。
トナーカートリッジ100の容器本体2に収容されているトナーを現像装置に補給するために、第2のトナー撹拌搬送機構60が図2において反時計方向に回転駆動されると、トナー供給ローラ63も同じ方向に回転させられる。トナー供給ローラ63は軟質ポリウレタンフォームから形成されているので、トナー供給ローラ63の外周縁部にはトナーが付着されている。他方、先に述べたように、突起部66が、第2のトナー撹拌搬送機構60の回転軸61に平行に延在するトナー排出開口24の上端縁であって、トナー供給ローラ63の回転方向(図2において反時計方向)の下流側に位置する上端縁に沿って延在するよう配設され、この突起部66は、トナー供給ローラ63の外周面から半径方向内側に食い込むよう位置付けられている。その結果、トナー供給ローラ63が回転すると、トナー供給ローラ63の外周縁部に付着したトナーが静止している突起部66の干渉作用により強制的に離脱させられてトナー排出開口24に供給される。トナー排出開口24に供給されたトナーは、トナー通過開口212及びトナー受入開口214を通して現像装置内に落下流入させられる。
このように本発明によれば、トナーカートリッジ100の容器本体2に収容されているトナーを現像装置に補給するに際しては、第2のトナー撹拌搬送機構60が回転駆動され、回転するトナー供給ローラ63と、トナー供給ローラ63の外周縁に食い込むよう配設された静止突起部66の協働作用によって、現像装置内にトナーが流入されるが、このとき、現像装置の撹拌搬送機構も同時に作動させられているので、現像装置内に流入されたトナーは、現像装置内に存在するトナーと直ちに混合されはじめるので、部分的にトナー濃度が高くなるなどの上記不具合が生ずることはない。また、第2のトナー撹拌搬送機構60の駆動開始時においては、回転軸61、トナー供給ローラ63及び撹拌搬送手段62を回転させるだけの負荷を要するのみで、先に述べた従来装置におけるように、シール部材を引き剥がすような大きな回転トルクを要することはないので、トナーを撹拌搬送するための回転機構、すなわち第2のトナー撹拌搬送機構60の強度アップも不要であり、コストダウンが可能になる。更にはまた、容器本体2内に収容されたトナーは、弾性を有するトナー供給ローラ63により現像装置に常時定量的に補給されるので、第1のトナー撹拌搬送機構50の、パドル53を含む撹拌搬送体50Uの回転周期によるトナー排出量への影響が緩和される。
トナーカートリッジ100の容器本体2内に収容されているトナーが実質上消尽された時には、トナーカートリッジ4をトナーカートリッジ受体2に対し、まず、装着位置から他方向(図1及び図3において右方向)に挿入位置まで移動させる。シャッタ部材30の上記他方向への移動は上記直立突条によって阻止されるので、シャッタ部材30は移動されることなく静止させられる。したがって、トナーカートリッジ100に対して相対的にシャッタ部材30が、上記一方向(図1及び図3において左方)に、図1及び図3において2点鎖線で示される開位置から実線で示す閉位置(この閉位置においてはシャッタ部材30はトナー排出開口24を閉じる)まで移動させられる。シャッタ部材30を囲繞しているシール部材38もシャッタ部材30の移動に応じて移動させられて、シール部材38のシール部が再び口頸部22の平坦な外面に沿って延びる状態にさせられるので、トナー排出開口24が完全ではないが再び閉じられる。続いて、トナーカートリッジ100を挿入位置から前方に引き出せば、トナーカートリッジ受体202からトナーカートリッジ100が離脱される。
通常、トナーカートリッジ100の容器本体2内には若干のトナーが残留しているが、トナー排出開口24がトナー供給ローラ63によって完全に閉塞されているので、残留トナーがトナー排出開口24から周囲に飛散することは充分に防止される。なお、上記したトナーカートリッジ受体202の構成及びトナーカートリッジ受体202に対応するトナーカートリッジ100の構成、そしてトナーカートリッジ受体202に対するトナーカートリッジ100の装着及び離脱様式についての詳細は、特許文献1に開示されている。
図5及び図6には、本発明に従って構成されたトナーカートリッジの他の実施形態が示されている。図示の実施形態において、底壁4における後部4Rの断面形状は、その底部上面が水平に形成された水平底面を有している。トナー排出開口24の上端は、上記水平底面に開口している。トナー排出開口24の下流側上端縁24bに沿って延在するよう形成された突起部66Aの横断面(図5に示す断面)は、ほぼ矩形状をなしているが、上端部に位置する二つの角は、曲面をなすように形成されている。この構成は、回転時にトナー供給ローラ63が突起部66Aによって削られるのを防止することを意図している。トナー供給ローラ63及び突起部66Aの軸線方向長さ(第2のトナー撹拌搬送機構60の回転軸61の軸線方向長さ)は、トナー排出開口24における他の一対の上端縁24c及び24d間の間隔よりも長く形成されている。実施形態において、突起部66Aの軸線方向長さは、トナー供給ローラ63の軸線方向長さとほぼ同じである。この突起部66Aは、ほぼトナー排出開口24における他の一対の上端縁24c及び24dの各々から、それぞれ、該軸線方向外方に向かって高さが徐々に低くなるように延び出している。突起部66Aの幅(図5において左右方向に相当する幅)は一定である。このトナーカートリッジにおけるその他の構成は、図1〜図4を参照して説明した先の実施形態と実質的に同じであるので、図示及び説明は省略する。
図5及び図6に示す突起部66Aを備えたトナーカートリッジ100によれば、トナー供給ローラ63が突起部66Aによって削られて現像装置内に入り、画像に悪影響を与えることがなく、しかも安定したトナーの供給を行うことができる。このような効果は、本発明者が行った実験により確認された。
図7には、比較例である突起部66Bを備えたトナーカートリッジの要部が図示されている。この比較例において、突起部66Bの軸線方向長さは、トナー供給ローラ63の軸線方向長さよりも大幅に短く、トナー排出開口24における他の一対の上端縁24c及び24d間の間隔よりも若干長く形成されている。そして、突起部66Bの幅(図5において左右方向に相当する幅)及び高さは一定である。この突起部66Bを備えたトナーカートリッジ100によれば、トナー供給ローラ63が突起部66によって削られて現像装置内に入り、画像に悪影響を与える(白筋が形成される)ことが、本発明が行った実験により確認された。
図8には、他の比較例である突起部66Cを備えたトナーカートリッジの要部が図示されている。この比較例において、突起部66Cの軸線方向長さは、トナー供給ローラ63の軸線方向長さよりも若干長く形成されている。そして、突起部66Cの幅(図5において左右方向に相当する幅)及び高さは一定である。この突起部66Cを備えたトナーカートリッジ100によれば、トナー供給ローラ63が突起部66によって削られる不具合は認められなかった。しかしながら、トナー供給ローラ63の、トナー排出開口24における他の一対の上端縁24c及び24dの両外側に対応する領域も、突起部66Cによってしごかれるため、該領域にトナーが溜められてゆき、遂にはトナー排出開口24へ押し出される。その結果、トナーの排出量の安定性が悪くなる。
図9には、突起部66A(図5及び図6)、66B(図7)、66C(図8)をそれぞれ備えたトナーカートリッジの各々におけるトナー排出量と時間との関係を示す実験結果が線図により示されている。突起部66B(図7)を備えたトナーカートリッジにおいては、最大排出量と最少排出量との差が1.8g/minと、トナーの排出量は比較的安定している。しかしながら、単位時間あたりの排出量が低く、しかも先に述べたような不具合が発生する。
突起部66C(図8)を備えたトナーカートリッジにおいては、単位時間あたりの排出量は、突起部66B(図7)を備えたトナーカートリッジよりも約3.0g/min増加する。しかしながら、最大排出量と最少排出量トナーの差が4.0g/minと、トナーの排出量は不安定である。
これに対し、本願発明による突起部66A(図5及び図6)を備えたトナーカートリッジにおいては、最大排出量と最少排出量との差が2.1g/minと、トナーの排出量は比較的安定している。また、単位時間あたりの排出量は、突起部66B(図7)を備えたトナーカートリッジよりも約2.0g/min増加する。しかも、先に述べたように、突起部66B(図7)を備えたトナーカートリッジ及び突起部66C(図8)を備えたトナーカートリッジが有する不具合は発生しない。
なお、図10及び図11には、本発明による突起部66A(図5及び図6)を備えたトナーカートリッジの要部寸法が図示されている。図12には、突起部66B(図7)を備えたトナーカートリッジの要部寸法が図示されている。図13には、突起部66C(図8)を備えたトナーカートリッジの要部寸法が図示されている。単位はいずれもmmである。上記実験はこれらの構成を有するトナーカートリッジにより、それぞれ行われた。トナー供給ローラの回転数は、いずれも20rpm(連続回転時)である。また、トナー供給ローラは、いずれもブリジストン化成品東京株式会社製の軟質ポリウレタンフォーム、サンプル型番「エバーライトSF HR−30」が使用されている。このトナー供給ローラの特性値は次のとおりである。
密度:26±2kg/cm
硬度:11〜17kgf
セル数:30±3個/25mm
伸び率:200%以上
引張強度:1.0kg/cm以下
永久圧縮歪:10%以下
なお、図10〜図13において、符号Rは半径を示している。
本発明の上記実施形態において、トナー排出開口24は他方の側壁12の近傍に配設されているが、このような配置に限定されるものではなく、トナーカートリッジ100の容器本体2における幅方向のいずれの位置に配設されていてもよい。また、上記実施形態において、シャッタ部材30は、トナーカートリッジ100が画像形成装置に装着されると開き、離脱されると閉じるよう構成されているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、トナーカートリッジ100が画像形成装置に装着されたときに自動的に開くことはなく、手動により開く形態のシャッタ部材を備えたトナーカートリッジであっても、本発明を適用することは可能である。更にはまた、上記実施形態において、トナー供給ローラ63は軟質ポリウレタンフォームから形成されているが、これに限定されるものではなく、その他の弾性を有する発泡体から形成したものであれば、適用可能である。
本発明に従って構成されたトナーカートリッジの実施形態を示す側面図であって、一部を断面にして示す側面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図2のB−B矢視断面図である。 図1に示されるトナーカートリッジに備えられている第2のトナー撹拌搬送機構の一部を省略して示す斜視図である。 本発明に従って構成されたトナーカートリッジの他の実施形態を示す部分断面図である。 図5のC−C矢視断面図であって、突起部の実施形態を示す断面図である。 比較例である突起部を備えたトナーカートリッジの要部を示す断面図であって、図5のC−C矢視断面図に相当する断面図である。 他の比較例である突起部を備えたトナーカートリッジの要部を示す断面図であって、図5のC−C矢視断面図に相当する断面図である。 図6〜図8に示す突起部を備えたトナーカートリッジの各々におけるトナー排出量と時間との関係を示す線図である。 図5に示すトナーカートリッジに要部寸法を記入した部分断面図である。 図6に示すトナーカートリッジに要部寸法を記入した部分断面図である。 図7に示すトナーカートリッジに要部寸法を記入した部分断面図である。 図8に示すトナーカートリッジに要部寸法を記入した部分断面図である。
符号の説明
2:容器本体
4:底壁
10:側壁
12:側壁
24:トナー排出開口
24a、24b:トナー排出開口における一対の上端縁
24c、24d:トナー排出開口における他の一対の上端縁
30:シャッタ部材
50:第1のトナー撹拌搬送機構
50U:撹拌搬送体
60:第2のトナー撹拌搬送機構
61:回転軸
63:トナー供給ローラ
66、66A、66B、66C:突起部
100:トナーカートリッジ

Claims (3)

  1. 底壁を有する容器本体と、底壁に形成されたトナー排出開口と、トナー排出開口を開閉しうるよう底壁の外面側に配設されたシャッタ部材と、容器本体内に回転自在に配設され、かつトナー排出開口の上方を通るよう配設されたトナー撹拌搬送機構とを備えたトナーカートリッジにおいて、
    トナー撹拌搬送機構は、回転軸と、回転軸に一体に配設されたトナー撹拌搬送手段及び弾性を有する発泡体からなるトナー供給ローラとを備え、トナー供給ローラは、トナー排出開口の上端周縁に密着してトナー排出開口の上端を覆うよう配置され、トナー排出開口の上端が開口する底壁の内面には、トナー供給ローラの外周縁部に付着したトナーを強制的に離脱させてトナー排出開口に供給するトナー離脱手段が配設されており
    トナー排出開口は、相互に間隔をおいてトナー撹拌搬送機構の回転軸に平行に延在する一対の上端縁を備え、トナー離脱手段は、底壁の内面に形成された突起部からなり、該突起部は、該一対の上端縁のうち、トナー供給ローラの回転方向の下流側に位置する下流側上端縁に沿って延在し、かつトナー供給ローラの外周面から半径方向内側に食い込むよう形成されており、
    トナー排出開口は、トナー撹拌搬送機構の回転軸の軸線方向に相互に間隔をおいて対向する他の一対の上端縁を備え、トナー供給ローラ及び該突起部の該軸線方向長さは、該他の一対の上端縁間の間隔よりも長く形成され、該突起部は、該軸線方向両端部が、該軸線方向外方に向かって高さが徐々に低くなるよう形成されている、
    ことを特徴とするトナーカートリッジ。
  2. 突起部は、ほぼ該他の一対の上端縁の各々から、それぞれ、該軸線方向外方に向かって高さが徐々に低くなるように延び出している、請求項1記載のトナーカートリッジ。
  3. 該突起部の該軸線方向長さは、トナー供給ローラの該軸線方向長さとほぼ同じである、請求項1又は請求項2記載のトナーカートリッジ。
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