JP4538199B2 - Pcグラウト用混和剤及びセメント系pcグラウト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木、建築分野で使用されるグラウト用混和剤及びセメント系グラウト組成物に関し、詳しくは、プレストレストコンクリート(PC)構造物(以下、PC構造物と呼ぶ)を製造する際に使用されるPCグラウトの材料として好適なグラウト用混和剤及びセメント系グラウト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
PC構造物を製造する工法のひとつとして、コンクリート部材の硬化物に金属やプラスチック製などのシース管を埋め込んでダクトを形成し、PC鋼材をダクトの中に通した後、緊張させることでコンクリート部材にプレストレスを導入するポストテンション工法がある。ここで、PC鋼材とコンクリート硬化物との間の一体性を確保することや、腐食から保護する等の目的でダクト内にはグラウト(以下、PCグラウトと呼ぶ)が注入される。
【0003】
PCグラウトには、材料の分離が無くブリーディングの発生が無いことや、安定して良好な流動性を有し空隙を残さずダクト内に注入できること、PC鋼材とコンクリート硬化物との間の一体性を確保すること、PC鋼材を腐食させないこと、十分な圧縮強度を有することなどの性能が求められている。
【0004】
そして、更に、近年のPC構造物の長大化に対応するためのPCグラウトの性能として、材料分離を起こさず(ブリーディングが発生せず)高い流動性を長時間(60分程度)保持できることが要求されている。また、PC鋼材とコンクリート部材の硬化物との間の一体性を確保し、かつグラウト硬化体を塩分などから遮断するために、グラウト硬化体を密実かつ低収縮とする必要もある。
【0005】
そのため、最近では、混和剤として減水剤と有機系増粘剤を使用することにより水量増加を抑え、比較的長い可使時間とブリーディングの発生を防止したノンブリーディングタイプのPCグラウトが開発され改良が加えられている。
【0006】
例えば、石灰石粉末を配合して低粘性とし、流動性の長時間確保を図ったものや(特開平2−102162号公報)、石灰石粉末とナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物などを主成分とする高性能減水剤及び増粘剤を配合することで(特開平9−30855号公報)、ブリーディングを防止し、かつ流動性も長時間確保するものがある。しかしながら、長大なPC構造物を対象とした場合、いずれの方法も作業性向上及び良好な充填性のために必要である安定して高い流動性を十分に満足するものではなかった。
【0007】
また、プレミックス型低粘性PCグラウトで、ブリーディングの発生が無く、硬化物の自己収縮を防止しているものも開発されている(特開2002−285152号公報)。しかし、これらのPCグラウトも含め、これまでのPCグラウトにおけるブリーディング試験の多くはポリエチレン袋を用いた「PCグラウトのブリーディング率及び膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)(JSCE−F532−1999)」で行われており、この試験方法ではPC鋼材を配するPC構造物へのグラウトの施工時におけるPC鋼材の影響が考慮されていないので、この方法でブリーディングの発生が無い場合であっても、実際にPC鋼材を配するPC構造物にグラウトを圧入施工するとブリーディングが発生するという結果を招くことがあった。このことから、PC構造物にグラウトを圧入施工する場合には、上記ポリエチレン袋法に代わる方法でグラウトのブリーディング試験を行う必要があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−102162号公報
【特許文献2】
特開平9−30855号公報
【特許文献3】
特開2002−285152号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、近年のPC構造物の長大化に適応可能なPCグラウトを得るべく、安定して高い流動性を有し、実際のPC構造物への圧入施工においてもブリーディングの発生が確実に無く、かつ自己収縮の小さいグラウトを得ることができるグラウト用混和剤及びセメント系グラウト組成物を提供することを目的とする。より詳細には、JPロートによる流動性試験方法で混練直後の流下時間が5秒未満でかつ60分経過後の流下時間の増加が2秒未満であるとともに、鉛直管法によるブリーディング試験でもブリーディングが発生せず、材齢28〜84日での自己収縮量が−300×10-6未満となるグラウトを得るためのグラウト用混和剤及びセメント系グラウト組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るグラウト用混和剤は、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤とからなる。本発明に係るグラウト用混和剤は、ポリカルボン酸系セメント分散剤と有機系収縮低減剤と増粘剤のいずれもが粉末状であって、これらをプレミックスしてなる一材型のものとすると、セメント及び水と該混和剤を混練するだけで簡便に本発明の目的とするグラウトが得られるので好ましい。
【0011】
グラウト用混和剤として、ポリカルボン酸系セメント分散剤と有機系収縮低減剤と増粘剤とを配合することにより、これを用いたグラウトは、前記目的を満たす安定して高い流動性が得られるとともに、ポリエチレン袋を用いた上記ブリーディング試験方法より厳しい鉛直管法によるブリーディング試験方法でもブリーディングを発生することがない。したがって、実際のPC構造物へのグラウトの圧入施工にあたっても確実にブリーディングの発生を抑制できるとみられる。さらに長大なPC構造物向けのPCグラウトとして前記目的を満たす十分に低い自己収縮率も確保することができる。また、水とセメント以外をプレミックス調合し供給する一材型の混和剤タイプとすることで、物流コストの低減や安定した品質のグラウトを製造することができる。
【0012】
また、本発明は、別の態様として、セメント系グラウト組成物であって、セメントと、上記グラウト用混和剤の構成材料とを含むものである。上記セメントとしては、高い流動性を確保するため等から高ビーライト系セメントが好ましい。また、本発明に係るセメント系グラウト組成物は、水和活性のない無機系微粉末をさらに含むことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るグラウト用混和剤及びセメント系グラウト組成物の実施の形態について詳細に説明する。
(グラウト用混和剤)
まず、本発明に係るグラウト用混和剤について説明する。このグラウト用混和剤は、好適には、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤とをいずれも粉末状としプレミックスした一材型のものとして得ることができる。
1.使用材料
本発明に係るグラウト用混和剤に配合されるポリカルボン酸系セメント分散剤は、ポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする。このような高分子化合物としては、−COOM基(Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミンを示す)及びポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸系共重合体、又はポリアルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(ただし、多価金属塩を除く)等が好ましい。ポリアルキレングリコール鎖としては、炭素数2〜4のポリアルキレングリコール鎖が好ましく、より好ましくは−O(CH2CH(Ra)O)b−で示されるものである。ここで、Raは水素原子又はメチル基を示し、bは2〜200が好ましい。このセメント分散剤は主として低水比でも低粘性化による良好な流動性を長時間確保するために使用する。ポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とするセメント分散剤は、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物やメラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物を主成分とする従来の分散剤に比べ、流動化性能及び流動性の保持性が高い。
【0014】
本発明に係るプレミックスタイプのグラウト用混和剤に用いられる粉末状のセメント分散剤は、ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする液を乾燥粉末化することにより得ることができる。乾燥粉末化は混練攪拌を行いながら実施することが好ましい。なお、乾燥粉末化する前に、上記の液に、亜硫酸塩などの還元性無機化合物と、アミン系化合物などの還元性有機化合物とを添加することが好ましい。これらの各添加量(固形分)は、ポリカルボン酸系高分子化合物の固形分含有量の0.01〜2.5重量%とすることが好ましい。また、上記の液はpH7〜9に調整しておくことも好ましい。特開2001−002788号公報に記載の粉末状水硬性組成物用分散剤は、高い減水作用があり、本発明に係るグラウト用混和剤に用いるセメント分散剤として好適である。
【0015】
本発明に係るグラウト用混和剤に配合される有機系収縮低減剤は、主として自己収縮を抑制しブリーディングの発生を防止するとともに密実な硬化体を形成するために使用する。有機系収縮低減剤を構成する有機系収縮低減成分としては、下記式(I)で表されるアルキレンオキシド重合物を化学構造の骨格に有するものなどが使用できる。
R1O(AO)nR2 ・・・(I)
式中、R1及びR2は、互いに独立して、水素基、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基等であり、Aは炭素数2〜3の1種のアルキレン基又はランダム若しくはブロック重合させた2種のアルキレン基であり、nは2〜20の整数である。特に、R2が水素基である有機系収縮低減成分が好適に使用できる(特公昭59−3430号公報に記載のものを含む)。
【0016】
本発明に係るグラウト用混和剤にこのような有機系収縮低減剤を配合し、プレミックス品として調製するには、有機系収縮低減剤は吸油性を有する無機系又は有機系の粉状体に、液状の有機系収縮低減成分を予め含浸させ、粉末状の形態にした粉状物とすればよい。無機系の粉状体としては、繊維状マグネシウムオキサイド等、有機系の粉状体としては、フェノール樹脂等を用いることができる(特開平2−164754号公報に記載のものを含む)。
【0017】
本発明で用いる上記有機系収縮低減剤は、通常セメント硬化体の乾燥収縮を低減するために使用されている混和剤である。一般に、セメント硬化体の乾燥収縮は、乾燥によるメニスカスの形成により硬化体の毛細管中に引張応力が生じ、これが硬化体に弾性的な体積収縮を引き起こすとされている。また、有機系収縮低減剤は、硬化体空隙中の水の表面張力を低下させる作用があり、これにより毛細管中の引張応力が低下し、収縮量が低減されると考えられている。自己収縮の発生機構は、水和の進行に伴う自己乾燥により、硬化体の毛細管中に引張応力が生じて体積が収縮すると考えられるため、有機系収縮低減剤の添加は、自己収縮の低減にも効果がある。
【0018】
本発明に係るグラウト用混和剤には、さらに増粘剤を配合してなる。増粘剤としては、セルロース系高分子化合物を主成分とするものが好ましい。例えば、90MP−4T(松本油脂製薬株式会社製)やメトローズ90SH(信越化学工業株式会社製)などである。これらは通常粉末状で市販されているのでプレミックス品にも適用できる。
【0019】
2.各使用材料の配合割合
本発明に係るグラウト用混和剤を100重量%とする各材料の配合割合としては、ポリカルボン酸系分散剤は3.0〜40.0重量%が好ましく、有機系収縮低減剤は40.0〜95.0重量%が好ましく、増粘剤は0.1〜40.0重量%が好ましい。また、本発明に係るグラウト用混和剤を実際の施工にあたって用いる際には、セメント又はセメントと混和材との合計100重量部に対して0.3〜4.4重量部を添加することが好ましい。なお、「混和材」の語は、本明細書中で、本発明に係る「グラウト用混和剤」以外のものを表す語として用いている。なおまた、このような混和材については、後にセメント系グラウト組成物について説明する際に説明する。
【0020】
ここで、本発明に係るグラウト用混和剤の個々の各構成成分と、セメント又はセメントと混和材との合計に対する好適な添加割合についても説明する。
ポリカルボン酸系セメント分散剤の添加割合は、混合するセメント又はセメントと混和材との合計100重量部に対し、0.05〜0.40重量部が好ましく、より好ましくは0.10〜0.30重量部である。添加割合を0.05〜0.40重量部の範囲にすることで、ブリーディングを生じることなく、低水比でも良好な流動性を確保することができる。
【0021】
有機系収縮低減剤の添加割合は、セメント又はセメントと混和材との合計100重量部に対し、0.2〜4.0重量部が好ましく、より好ましくは0.4〜2.5重量部である。添加割合を0.2〜4.0重量部の範囲とすることで、グラウトの収縮を低減して密実な硬化体が形成でき、PC鋼材とコンクリート部材との一体性も良好に確保することができる。
【0022】
増粘剤の添加割合は、セメント又はセメントと混和材との合計100重量部に対し、0.005〜0.20重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜0.10重量部である。添加割合を0.005〜0.20重量部の範囲とすることで、流動性に影響を与えることなくブリーディングの発生を抑えられる。
【0023】
3.製造方法その他
グラウト用混和剤は、上記の使用材料が全て粉末状である場合には、例えば、工場で従来通りの方法で既調合(プレミックス)して袋詰めなどの一材型の形態で施工現場に供給することができる。そして、施工現場にて、グラウト用混和剤をミキサを用いてセメント及び水等と混練して、グラウトを製造する。グラウト用混和剤の量に対して混合するセメントの量は非常に多いので、このようにグラウト用混和剤とセメントとを別々に施工現場に供給することで、物流コストなどのコストを低減することができる。また、施工現場にてグラウト用混和剤の各構成材料をいちいち計量する必要がなくなるので、作業性が向上するととも、安定した品質のグラウトを製造することができる。なお、該グラウト用混和剤がプレミックス一材型でない場合は混練ミキサにセメントや水を投入する時に各々を投入する。この際、液状の有機系収縮低減剤を用いるときは、予めこれを混練水に混ぜて用いることが好ましい。
【0024】
(セメント系グラウト組成物)
次に、本発明に係るセメント系グラウト組成物について説明する。このセメント系グラウト組成物は、好適には、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤と、セメントとをプレミックスしたものとして得ることができる。すなわち、上記説明したプレミックスしてなる一材型のグラウト用混和剤あるいはこれの粉末状構成材料の各々とセメントとを混合して得ることができる。
1.使用材料
本発明に係るセメント系グラウト組成物は、セメントの他、前記グラウト用混和剤と同様に、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤を必須成分とする。これらについては既に説明したので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
本発明に係るセメント系グラウト組成物の必須成分であるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、ハイフローセメント等の高ビーライト系セメントなどを使用することができる。その中でも、高い流動性を確保するとともにグラウト硬化体の自己収縮を低減してひび割れ等の発生を防止するため、高ビーライト系セメントを使用することが好ましい。高ビーライト系セメントとは、普通ポルトランドセメントの主成分であるエーライトの含有量を減らし、中庸熱ポルトランドセメントより更にビーライト含有量を多くして、水和熱を一層低くした低熱ポルトランドセメントをいう。高ビーライト系セメントとしては、ビーライト(2CaO・SiO2)を40重量%以上含有するものが好適に使用できる。特に、ビーライト含有量が50重量%以上であり、ブレーン比表面積が4500cm2/g以下のものがより好ましい。低粘性化して高い流動性を長時間確保するために好適だからである。
【0026】
本発明に係るセメント系グラウト組成物は、セメントに加え、必要に応じて混和材を含むことができる。混和材としては、特に、水和活性のない無機系微粉末が好ましい。このような水和活性のない無機系微粉末を添加することで、得られるグラウト中の塩化物イオン量を低減させることができるとともに、自己収縮量をより低減させる効果があり、グラウトの品質を向上させることができる。水和活性のない無機系微粉末としては、例えば、石灰石微粉末、珪石微粉末などを使用することができる。
【0027】
本発明に係るセメント系グラウト組成物は、上記成分以外の他の成分、例えば、防錆剤、消泡剤、膨張剤などを必要に応じて適宜含むものであっても良い。
【0028】
2.各使用材料の配合割合
ポリカルボン酸系セメント分散剤、有機系収縮低減剤、及び増粘剤については、前記グラウト用混和剤と同様の配合割合であり、かつこれらの成分のセメント又はセメントと混和材との合計に対する配合割合もグラウト用混和剤に関する前記した説明を援用できるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0029】
セメントと混和材の配合割合は、重量比で、セメント/混和材=50/50〜95/5の割合で配合することが好ましい。この配合割合であれば、高い流動性と分離抵抗性に優れたグラウトを製造することができる。より好ましいセメントと混和材の配合割合は、重量比でセメント/混和材=70/30〜90/10である。なお、この配合割合は、セメント又はセメントと混和材の混合物に、施工現場で本発明に係るグラウト用混和剤を混合する場合にも適用される。
【0030】
3.製造方法その他
セメント系グラウト組成物は、上記の使用材料が全て粉末状である場合には、例えば、工場で従来通りの方法で既調合(プレミックス)して袋詰めなどの形態で施工現場に供給することができる。そして、施工現場でミキサを用いて水等と混練して、グラウトを製造する。このように、使用材料のいずれも粉末状のものを用いれば施工現場では水を添加するだけで良いので施工がより簡便になる。ここで使用されるミキサは特に限定されるものではなく、一般にグラウト製造で使用されている混練機なら何れのものを用いて行ってもよく、例えば、グラウトミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、ハンドミキサなどを使用することができる。得られたグラウトは、従来の注入方法によりダクトなどに注入され、その後に硬化する。
【0031】
グラウトを得るためセメント系グラウト組成物に配合する水の量は、グラウトの流動性やブリーディング防止性能、また、硬化後の寸法安定性の観点から、セメント又はセメントと混和材との合計100重量部に対して、39重量部未満が好ましく、より好ましくは29〜35重量部である。水の配合量を39重量部未満とすることで、ブリーディングを発生することなく、高強度を確保することができる。ただし、水の配合量が29重量部未満の場合、良好な流動性の確保が難しくなる場合がある。なお、この水の配合割合は、セメント又はセメントと混和材の混合物に、施工現場で本発明に係るグラウト用混和剤を混合する場合にも適用される。
【0032】
【実施例】
以下、試験例に基づいて本発明に係るグラウト用混和剤及びセメント系グラウト組成物について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
〔使用材料〕
・セメント
セメントとしては普通ポルトランドセメント、高ビーライト系セメントを用いた。これらの化学成分及び粉末度(比表面積)を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
・水和活性の無い無機系微粉末(混和材)
水和活性の無い無機系微粉末として、商品名:Aフィラー(主成分:石灰石微粉末)(明星セメント株式会社製)(略号:LS)を使用した。
【0036】
・ポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とするセメント分散剤
ポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とするセメント分散剤として、商品名:コアフローNF−100(主成分:ポリカルボン酸基含有多元ポリマー)(太平洋セメント株式会社製)(略号:SP)を用いた。なお、このセメント分散剤は、以下の製造方法により製造した。メタクリル酸ナトリウム54モル%、メタリルスルホン酸ナトリウム7モル%、メチルアクリレート8モル%、メトキシポリ(n=40)エチレングリコールメタクリルレート16モル%並びにメトキシポリ(n=23)エチレングリコールメタクリルレート15モル%を重合させてなる分子量11900の高分子化合物を主成分とする固形分濃度45%の水溶液各800gに、pH調整のために10重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液75.2gを加えて常温で約3分間撹拌し、次いで、亜硫酸ソーダ及びトリエタノールアミンを、高分子化合物の固形分100重量部に対して各0.5重量部添加し3分間撹拌した。これを処理容積が1Lのニーダー型混練撹拌機に入れて温度90℃、30torrの減圧下で混練しながら濃縮・乾燥を行った。得られた粉粒体を粉砕機で粉砕し、分級して粒径50〜500μmの粉末(SP)を製造した。尚、該粉末の含水率は2.1重量%であった。
【0037】
・有機系収縮低減剤
有機系収縮低減剤として、粉末状の収縮低減剤である商品名:テトラガードPW(主成分:オキシアルキレンアルキルエーテル、有効成分:60%)(太平洋マテリアル株式会社製)(略号:TG)を使用した。
【0038】
・増粘剤
増粘剤として、商品名:SEB−04T(主成分:ヒドロキシエチルメチルセルロース)(信越化学工業株式会社製)(略号:MC)を使用した。
・水
水として水道水を使用した。
【0039】
・従来のPCグラウト用混和剤
従来のPCグラウト用混和剤として、セルロースエーテルとメラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物を主成分とする市販の混和剤(略号:SEM)を使用した。
【0040】
〔グラウトの製造〕
水を除く各材料を、表2に表す配合量となるようにあらかじめプレミックスし、さらにセメントと混和材の合計100重量部に対して水を所定量加え、ハンドミキサ(回転数1100rpm)で5分間混練して、試験例1〜19のグラウトを製造した。
【0041】
【表2】
【0042】
〔試験方法〕
得られたグラウトについて以下の試験を実施した。その結果を表3に示す。
▲1▼流動性
JPロート流下時間測定方法
土木学会基準「PCグラウト試験方法(JSCE−F531−1999)」に準じてJPロート流下時間を混練直後、30分後及び60後に測定した。ロートの排出口の内径は14mmのものを使用した。
【0043】
▲2▼ブリーディング率
ブリーディング率測定方法
ブリーディング率は以下の2つの方法を用いて測定した。
<ポリエチレン袋方法>
土木学会基準「PCグラウトのブリーディング率及び膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)(JSCE−F532−1999)」に準じて材齢3時間でのブリーディング率を測定した。
【0044】
<鉛直管法>
アメリカの「PTI(Post-Tensioning Institute)のグラウト基準」に準じてブリーディング率の測定を行った。以下に図1を参照してこの鉛直管法による試験方法を説明する。
図1に示すように、先ず、1000mlメスシリンダ(φ68mm)10に混練直後のグラウト1を800ml注入した。次に、メスシリンダ10の中心に、7本より線のPC鋼より線(φ12.7mm)20を1本挿入した。PC鋼より線20は、中心に穴が設けられたゴム製キャップ12を用いてメスシリンダ20に固定した。材齢3時間でメスシリンダ10内におけるブリーディング水3の有無を確認し、ブリーディング水3が発生していた場合、ピペットを用いてブリーディング水3の水量を測定した。そして、以下の式にてブリーディング率(%)を算出した。なお、1試験例あたり、PC鋼より線20を挿入した供試体3体と、比較用のPC鋼より線20を挿入しない供試体1体の合計4体について測定を行った。
ブリーディング率(%)=(ブリーディング水の高さ)/(グラウトの高さ)
【0045】
▲3▼塩化物イオン
塩化物イオン量測定方法
商品名:カンタブ(低濃度品)(財団法人国土技術センター評価品)を用いて、グラウト中の塩化物イオン量を測定した。以下にカンタブを用いた塩化物イオン量の測定方法を説明する。
試験例1〜19の各グラウトをさらに水で2倍に希釈した後、これにカンタブを差し込んだ。カンタブの湿気指示部がオレンジ色から暗青色に変わった後、グラウト材からカンタブを取り出した。そして、カンタブの毛細管部分(塩化物感知部分)において、茶褐色から白色に変わった部分の目盛り値を読み取った。この読み取った値からカンタブ製品に記載されている係数を用いて、グラウト材1m3当りの塩化物イオン量(kg/m3)を算出した。
【0046】
▲4▼自己収縮
自己収縮量測定方法
「JIS R 6202−1997付属書1(膨張材のモルタルによる膨張性試験方法)」で規定される型枠と拘束器具を使用して試験体を成型した。材齢24時間で脱型した後、試験体の水分の出入りが無いようアルミ箔粘着テープでシールし、付属書に準じた方法で試験体の測長(基長)を行った。その後、材齢28日、56日及び84日で測長を行い、各材齢における測長値の基長に対する変化割合(×10-6)を自己収縮量として算出した。
【0047】
【表3】
【0048】
表3に示すように、試験例1〜18では、混練直後のJPロート流下時間が5秒未満で、かつ60分経過後の流下時間の増加が2秒未満であり、良好な充填性を確保するために必要である安定して高い流動性を得ることができた。また、これら試験例は、ポリエチレン袋方法及び鉛直管法によるブリーディング率が0.0%であり、分離防止性能も良好であった。さらに、材齢28〜84日での自己収縮量が−300×10-6未満であり、ひび割れなどが生じる危険が少なく、PC鋼材とコンクリート部材との間の一体性を確保することができる。また、試験例4は塩化物イオン量が0.03kg/m3であったのに対し、試験例12及び13は塩化物イオン量が0.23及び0.019kg/m3であり、石灰石微粉末を混入することにより、グラウト中の塩化物イオン量を30%程度低減することができるとともに、自己収縮量も小さくすることができた。
【0049】
一方、従来のPCグラウト用混和剤を用いた試験例19は、混練直後のJPロート流下時間が7秒以上で、かつ60分経過後の流下時間の増加も4秒以上であり、安定して高い流動性を得ることはできず、また、鉛直管法でブリーディングが発生するとともに、自己収縮量も−400×10-6以上となり、いずれの試験においても良好な結果を得ることはできなかった。
【0050】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、安定して高い流動性を有し、実際のPC構造物へのグラウト圧入施工にあたってブリーディングの発生が確実に無く、かつ自己収縮の小さいグラウトを得ることができるグラウト用混和剤及びセメント系グラウト組成物を提供することができる。
【0051】
詳しくは、混練直後のJPローと流下時間が5秒未満で、60分経過後の流下時間の増加が2秒未満となるので、従来用いられてきたグラウトに比べて、高い流動性を安定して長時間確保することができ、長大なPC構造物や鋼材が過密に配置されている部位に対しても、低い注入圧で短時間に注入工事を行うことができる。また、実際のPC構造物へのグラウト圧入施工状況に近いPC鋼より線を配置した鉛直管法による分離抵抗性試験においてもブリーディングが生じない。したがって、実際のPC構造物へのグラウト圧入施工にあたって、これまで以上に確実にブリーディングの発生を防止できる。これらのことにより、PC鋼材とコンクリート部材との間の一体性を確保することができるので、PC構造物の耐久性を向上させることができる。さらに、水/結合材比が低い場合でも自己収縮が−300×100-6未満と小さいため、ひび割れ等の発生が少ない硬化体を形成でき、PC鋼材を腐食から保護することもできる。
【0052】
加えて、水とセメント以外を調合し供給する一材型のグラウト用混和剤とすることで、コストの低減を図ることができるとともに、安定した品質のグラウトを製造することができる。また、混和材として水和活性のない無機系微粉末を混和することにより、グラウト中の塩化物イオン量を低減するとともに、自己収縮量を小さくでき、グラウトの品質をより好ましくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛直管法によるブリーディング率測定試験方法の概要を示す模式図である。
【符号の説明】
1 グラウト
3 ブリーディング水
10 メスシリンダ
12 キャップ
20 PC鋼より線
Claims (5)
- ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤とからなるPCグラウト用混和剤であって、PCグラウト用混和剤を100重量%として、ポリカルボン酸系分散剤が3.0〜40.0重量%、有機系収縮低減剤が40.0〜95.0重量%、増粘剤が0.1〜40.0重量%であるPCグラウト用混和剤。
- 請求項1において、ポリカルボン酸系セメント分散剤と有機系収縮低減剤と増粘剤のいずれもが粉末状であって、これらをプレミックスしてなる一材型のPCグラウト用混和剤。
- セメント又はセメントと混和材と、
ポリカルボン酸系セメント分散剤と、有機系収縮低減剤と、増粘剤とからなるPCグラウト用混和剤と
を含むセメント系PCグラウト組成物であって、セメント又はセメントと混和材との合計100重量部に対して、PCグラウト用混和剤が0.3〜4.4重量部であり、PCグラウト用混和剤を100重量%として、ポリカルボン酸系分散剤が3.0〜40.0重量%、有機系収縮低減剤が40.0〜95.0重量%、増粘剤が0.1〜40.0重量%であり、このセメント系PCグラウト組成物に水を加えて混練した際に、JSCE−F531−1999に準じて測定した混練直後のJPロート流下時間が5秒未満で、かつ60分経過後の流下時間の増加が2秒未満である流動性を有し、鉛直管法によるブリーディング試験でブリーディング率が0.0%であるセメント系PCグラウト組成物。 - 上記セメントが低熱ポルトランドセメントである請求項3に記載のセメント系PCグラウト組成物。
- 上記混和材が水和活性のない無機系微粉末である請求項3又は4に記載のセメント系PCグラウト組成物。
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