JP4537206B2 - 血管新生を阻害するharp因子のペプチドフラグメント - Google Patents

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Description

本発明は、血管新生を阻害するHARP蛋白のペプチドフラグメントに関するものである。
現行の癌治療は、時には極めて壊滅的となる手術、放射線治療、および/または有糸分裂を妨げ非常に侵襲的となり得、それらの使用が制限される事もある抗癌剤の使用を基礎としている。現在、この病理に対する普遍的な治療法は無い。腫瘍成長における血管新生の役割は集中的研究の対象となっており、腫瘍成長は血管新生無しには起こらないという事が全ての科学界で認められている。この機構は、幾つかの血管新生因子が誘起する動的プロセスとして定義されており、それらのうち主要な血管新生因子は、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)またはヘパリンアフィン調節ペプチド(HARP)であり、これらは幾つかの場合には腫瘍自身によって過剰発現される。腫瘍は新生血管形成無しには発現しないため、血管新生因子の抑制または阻害は腫瘍のタイプに拘わらずその腫瘍成長の緩解を導くに違いない。近年、癌または増殖性疾患の処置において、幾つかの企業が、例えば血管新生因子(または同定されている場合にはそれらのレセプター)のインヒビターを基礎とする、または、血栓症の触媒の固定源として内皮細胞を使用して血管の微小血栓症を誘導する事による、または、未だ確認されていない機構により血管新生を阻害するペプチド物質を使用することによる、抗血管新生戦略を開発しつつある。これらのアプローチは未だ明確な結果をもたらしておらず、単一の血管新生経路の遮断を基礎とするインヒビターは、いっそう重い反跳効果を誘発するようである。これらの結果は現在、企業に、血管と腫瘍細胞の完璧な同時破壊への希望を実現する、インヒビターのカクテルを提唱させるに至っている。
HARP因子の血管新生作用は、インビトロおよびインビボで行われた幾つかの実験によって証明されている(Papadimitriou et al 2001; Papadimitriou et al, 2000)。即ち、内皮細胞をコラーゲンゲル上に播種するインビトロモデルでは、HARPが擬似毛細血管の形成を誘導して血管新生の第一段階、即ち、内皮細胞の活性化と部分破壊された細胞外マトリックスを介したそれらの移行を模倣することができる。この知見を補強して、HARPのC末端ドメインの一部に対応する43アミノ酸より成る合成ペプチドは、ウシ大動脈内皮細胞(ABAE)によるプラスミノーゲンアクチベーターの分泌を刺激し、そのインヒビターPAI-1の分泌を阻害することができる(Kojima et al, 1995a; Kojima et al, 1995b)。このアクチベーターは細胞外マトリックスの分解において重要な役割を果たすプロテアーゼであるプラスミンにおいてプラスミノーゲンの開裂を誘導する。HARPはこの特性を、ヘパリンに結合するもう一つの蛋白(Matsubara et al, 1990):HBGFの新規ファミリーを構成するアミノ酸配列との50%相同性を示す蛋白ミドカイン(MK)と共有している(Tsutsui et al, 1991)。
腫瘍の血管新生においてHARPの果たす役割はRoy Bicknellのチームによっても強調されている。即ち、「ヌード」マウスに注射されたMCF7乳癌細胞におけるHARPの過剰発現は、過剰発現無しで得られたものに比して腫瘍サイズの増大をもたらす。この腫瘍サイズの増大は、血管密度および内皮細胞増殖に関連している(Choudhuri et al, 1997)。内皮細胞の増殖は、HARPが決定的役割を果たすと考えられる血管新生におけるもう一つの重要な段階である。事実1991年以来、HARPが内皮細胞の増殖をインビトロで刺激することが示されている(Courty et al, 1991)。この有糸分裂活性は、別のモデルで証明することができる:HARPは軟寒天において非腫瘍形成性上皮細胞SW13のコロニー形成をインビトロで刺激し(Fang et al, 1992)、NIH 3T3細胞(Chauhan et al, 1993)またはSW-13細胞(Fang et al, 1992)におけるそのcDNAの過剰発現は「ヌード」マウスにおける腫瘍の形成を誘導する。この有糸分裂性は、多数の癌における該分子の発現により強化される。RNアーゼ防御試験および/またはノーザンブロット技術を使用することにより、乳癌(T47 Dco、MDA-MB231、MDA-MB361、Hs-578T)(Fang et al, 1992)、卵巣癌(A1827、PA-1)(Riegel et al, 1994)、前立腺癌(PC-3)(Vacherot et al, 1999a)および肺癌(Jager et al, 1997)由来のセルラインでHARP mRNAが検出された。
インビボでは、種々の組織モデルにおいてHARPの局在が特に毛細血管内皮細胞に随伴している。HARP蛋白のmRNAは、ヒト前立腺および乳腺の毛細血管に属する内皮細胞で証明された(Vacherot et al, 1999a; Ledoux et al, 1997)。ラット子宮モデルでは、プロゲステロン期に関連するmRNAおよびHARP蛋白の比率増大もまた証明された。この結果は卵巣切除ラットへのプロゲステロン注射によって確認された。プロゲステロンが誘導するこの過剰発現は子宮内膜の毛細血管内皮細胞で検出できる(Milhiet et al, 1998)。内皮細胞表面におけるHARP蛋白の存在もまた、人間へのヘパリン静脈注射の際、間接的に証明されている(Novotny et al, 1993)。近年Deuelのグループは、ラットにおける脳虚血後の発達中の微小血管においてHARPのmRNA発現の増大を立証した(Yeh et al, 1998)。成長因子HARPおよびミドカイン(MK)は50%の相同性を示す分子であり、上皮細胞、線維芽細胞および内皮細胞に対して有糸分裂性を有する。これらの各成長因子の発現は(mRNA、蛋白)様々な起源のヒト腫瘍(乳房、肺、卵巣、神経芽腫、胃、結腸)で証明されており、腫瘍進行過程におけるそれらの役割の可能性を示唆するものである。少数の臨床研究において、HARPとMKの同時発現が、そして特に腫瘍を持つ患者におけるこれら腫瘍形成性分子の血中レベルが評価されている。近年、ヘパリンに対するこれらの親和性に基づき、これら二つの分子の免疫学的投薬が開発されている。この方法の感度はHARPで80pg/ml、MKで40pg/mlである(Stoica et al, 2001)。
米国特許第5641743号および米国特許第6103880号は、HARP蛋白と血管新生を刺激するためのこの蛋白の用途を一般的に記載している。
特許出願FR2799465は、血管新生活性を有するHARPのフラグメントを開示している。
事実、HARPの血管新生活性は、より小さなペプチドを介して起こることが示されている。即ち、HARPペプチド配列に由来する、但し数多くの血管新生因子にも見出される、18アミノ酸より成るコンセンサス配列が、単独で血管新生活性を有していた。
大多数の成長因子と同様、HARPの作用機構は、「未分化リンパ腫キナーゼ」またはALKとして知られる高親和性チロシンキナーゼ活性(KD=50pM)を有する膜レセプターとの相互作用によりもたらされる(Stoica et al, 2001)。
さらに、HARPの生物活性は、大多数のHBGFと同様、ヘパランもしくはコンドロイチン硫酸型のグリコアミノグリカンまたはGAGとの相互作用にも依存している(Vacherot et al, 1999b)。
したがってHARPの有糸分裂活性は、ヘパリン、ヘパラン硫酸ならびにコンドロイチン硫酸AおよびB型の存在時に強化される。へパリナーゼで細胞を処理するとHARPの有糸分裂活性が廃絶される。その後この活性はヘパリンの存在時に回復できる。HARPの構造と機能の関係に関する研究は、アミノ酸残基111-136(HARP136型を参考にして番号を付けた)に対応するHARPのC末端部分が、有糸分裂活性の誘導(Bernard-Pierrot et al, 2001)およびレセプターALKとの相互作用に直接関わっていることを示唆している。さらに、このペプチド111-136は有糸分裂性でも血管新生性でもないこと、そして、アミノ酸111-136が除去されたHARP分子は、HARPに関するネガティブドミナント作用を保持しつつHARPの生物活性を特異的に阻害することが確認された(Bernard-Pierrot et al 2002)。
ここに本発明者等は、血管新生性HARP因子が血管新生と腫瘍成長を阻害できるペプチドフラグメントを含んでいることを、驚くべき方法で証明した。
これは、HARPのβシート中のドメインに存在するアミノ酸配列13-39および65-97の全体または一部に関するものである。
故にこれらのフラグメントは血管新生と腫瘍成長の阻害にとって特に興味深く、その結果、癌のような増殖性疾患または過度の血管新生が観察される病理、即ち例えば糖尿病性網膜症の処置に使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、1つのおよび/またはその他のこれらペプチドを、HARPの配列111-136の全体または一部に対応するペプチドと関連付けることが提唱される。この関連は、或る種の血管新生因子を阻害するための他の技術で観察される「反跳効果」を回避できる利点を提供する。事実、血管新生因子のインビボ阻害は別の血管新生因子の活性化によって補償されるように見受けられる。
本発明では、ペプチド13-39または65-97は、HARPの血管新生活性を阻害する低親和性レセプターであるGAGレセプターに作用し、一方ペプチド111-136は高親和性ALKレセプターに作用する。
高親和性HARP部位および他の血管新生因子に共通する低親和性部位の遮断は、血管新生現象に関連する病理の処置における特に有効な治療を可能にする。
提唱された治療アプローチは、ペプチドの投与またはこれらのペプチドをコードしている核酸の投与で構成される。
HARP因子とそのフラグメント
「プレイオトロフィン」(Wellstein et al, 1992)または「ヘパリン結合-成長関連分子」もしくはHB-GAM(Rauvala et al, 1989)とも呼ばれる「ヘパリンアフィン調節ペプチド」もしくはHARP(Courty et al, 1991)は、「ヘパリン結合成長因子」(HBGF)のファミリーに属する。このヒトペプチド配列および対応するヒト遺伝子はデータベース上でアクセス可能である(Genbank no X52946)。
HARP蛋白は、ペプチダーゼシグナルによる二つの開裂部位を持ち、136または139アミノ酸より成る成熟蛋白(HARP136またはHARP139)へと導かれる168アミノ酸より成る前駆体の形で合成される。この成熟型HARP136とHARP139はインビトロで同じ生物活性を有するが、にも拘わらずHARP139型の細胞増殖誘導の比活性はHARP136型で観察される比活性よりも高い(Bernard Pierrot et al, 2001)。
このアミノ酸の番号付けは136アミノ酸より成るHARP蛋白に相関させて行う。
HARP136のヒトペプチド配列は配列番号1にも示す。
本発明の文脈において、HARP蛋白またはそのフラグメントはヒト蛋白またはそのフラグメントを指すが、その他の種、特にウシ、齧歯類等の哺乳動物中の該蛋白の変異型をも指す。したがって、マウス(Genbank No AK017768またはNM 008973)、ラット(Genbank No NM017066)、雄牛(Genbank No X52945)の配列が利用できる。ゼブラフィッシュ(Genbank No NM131070)およびショウジョウバエ(miple蛋白Genbank No NM138178)中の変異体もまた知られている。
HARPのβシート、特に二つのペプチド13-39および65-97に含まれているアミノ酸領域中のドメインに存在する、TSR1(トロンボスポンジン反復型1)型トロンボスポンジンと相同性を持つユニットは、ヘパリンへのHARPの固定に関わっていることが証明されている(Kilpelainen et al, 2000)。これらのペプチドは、実際GAG型の低親和性レセプターに結合する。
好ましい態様では、フラグメント13-39、65-97または111-136は配列番号1に列挙したフラグメント、即ち、
13-39:SDCGEWQWSVCVPTSGDCGLGTREGTRT(配列番号2)
65-97:AECKYQFQAWGECDLNTALKTRTGSLKRALHNA(配列番号3)
111-136:KLTKPKPQAESKKKKKEGKKQEKMLD(配列番号4)
なる配列である。
これらのペプチドの「変異体」、「相同体」または「誘導体」であってこれらのペプチドと同じ生物活性を示す任意のペプチドもまた本発明の一部を形成する。
「生物活性」とは、本明細書において特に血管新生阻害活性を意味すると理解できる。或る化合物の抗血管新生活性は、特に以下の試験:
− ペプチドをコラーゲン上の内皮細胞と接触させ、毛細血管形成の阻害を観察することにより、インビトロで;
− Matrigel(登録商標)型マトリックスを注射し、このマトリックス内部の毛細血管形成の阻害を観察することにより、インビボで;
− または、(例えばニワトリの)卵の絨毛尿膜上にペプチドを置き、この膜の血管新生に及ぼすペプチドの効果を観察すること、
によって、当業者によりインビトロまたはインビボで容易に評価することができる。
内皮細胞(その結果毛細血管)の観察は、これらの細胞を例えばCD131またはレクチンで特異的に標識することにより実施できる。
ペプチド13-39および65-97の生物活性はまた、ヘパランまたはコンドロイチン硫酸型のGAGに結合するこれらの能力をも意味する。ペプチド111-136の生物活性は、ALKレセプターに結合する能力をも意味する。
「変異体」、「相同体」または「誘導体」ペプチドとは、レファランス配列の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらには少なくとも95%に類似している配列を含むと定義する。
これらのペプチドはさらに、厳密なハイブリダイゼーション条件下でレファランス配列またはその相補的配列とハイブリダイズする核酸配列によってコードされている配列を含むと定義できる。
「類似の」という語は、比較するアミノ酸の間の完全な類似または一致を意味するが、類似性と定義される不完全な類似をも意味する。ポリペプチド配列におけるこの類似性の探索は、同じクラスのアミノ酸の置換、例えば非荷電側鎖を持つアミノ酸(例えばアスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、およびチロシン)、塩基性側鎖を持つアミノ酸(例えばリジン、アルギニンおよびヒスチジン)、酸性側鎖を持つアミノ酸(例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸);非極性側鎖を持つアミノ酸(例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンおよびシステイン)の置換である同類置換を考慮に入れる。
より一般的には、「変異体、相同体または誘導体アミノ酸配列」とは、故に、1個のアミノ酸または多数のアミノ酸、好ましくは少数のアミノ酸の置換、除去および/または挿入によって、特に、それらの修飾が当該ペプチドの生物活性を著しく害さないような位置で天然アミノ酸を非天然アミノ酸または擬似アミノ酸に置換することによって、レファランス配列と相違させたアミノ酸を意味すると理解できる。
相同性は一般に、配列解析ソフトウェア(例えばSequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)を用いて決定する。最大程度の相同性(即ち、上記定義による一致または類似性)を獲得するため、類似のアミノ酸配列をアライニングする。この目的のため、配列内に人為的にギャップを導入する必要があるかも知れない。最適なアラインメントが達成されたならば、位置の総数について、比較する二つの配列のアミノ酸が一致する位置を全て記録することにより、相同性の程度を確認する。
「変異体」、「相同体」または「誘導体」ペプチドはレファランス配列と同じ長さを持つ。
各々ユニット18-23 WQWSVCまたはユニット71-77 FQAWGECを含む配列番号2および配列番号3のフラグメントが特に興味深い。
本発明によれば、このペプチドは安定性またはバイオアベイラビリティーを改善するため、さらに化学的または酵素的に修飾することができる。
非限定的態様では、該ペプチドのリジン(K)アミノ酸の1またはそれ以上を、例えば、特に、
− アミド化:この修飾の達成は簡単であり、リジンの正電荷を疎水性基(例えばアセチルまたはフェニルアセチル)に置換する;
− アミノ化:例えばN-メチル、N-アリルまたはN-ベンジル基の形成による、第一アミンR=(CH2)4 -NH3 +からの第二アミドの形成、
− または、N-オキシド、N-ニトロソ、N-ジアルキルホスホリル、N-スルフェニルまたはN-グリコシド基の形成、
によって修飾できる。
さらに、これらに加えて、またはこれらに代わって、スレオニンおよび/またはセリンの側鎖のOH基の位置に特にエステルまたはエーテル基を導入することにより、該ペプチドの1またはそれ以上のスレオニン(T)および/またはセリン(S)アミノ酸を修飾する事ができる。単純な操作であるエステル化は、例えば酢酸エステルまたは安息香酸エステルの形成のためにカルボン酸、無水物、架橋の助けを借りて実施できる。より安定な化合物を与えるエーテル化は、例えばメチルエーテルまたはO-グリコシドを形成させるため、アルコール、ハロゲン化物の助けを借りて実施できる。
さらに、これらに加えて、またはこれらに代わって、特にメチルおよび/またはエチル型の基(これらは官能基化されていてもされていなくてもよい)を持つ第二または第三アミンを形成させることにより、例えばアミド化によって1またはそれ以上のグルタミン(Q)アミノ酸を修飾することができる。
さらに、これらに加えて、またはこれらに代わって、例えば、
− 置換または非置換メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル、チオール(活性エステル)等を形成させるためエステル化することにより、
− 特にN,Nジメチル基、ニトロアニリド、ピロリジニル等を形成させるためアミド化することにより、
1またはそれ以上のグルタミン酸(E)および/またはアスパラギン酸(D)アミノ酸を修飾することができる。
他方では、アミノ酸G、AおよびMは一般に、明らかに興味深い修飾の可能性を提供しないということを知った上で、該ペプチドの二次構造に参加するプロリンアミノ酸を修飾しないことが好ましい。
ペプチドの製造
本発明において有用なポリペプチドは当業者に周知の任意の方法で合成できる。本発明に係るペプチドは例えばメリフィールド型の合成といった化学合成技術で合成でき、これは、純度、抗原特異性、望ましくない二次産物が無いこと、そしてその製造容易性の故に有利である。
該ペプチドをコードしている核酸を含むベクターを宿主細胞中に導入し、これを、対応ペプチドを発現させる条件で培養する方法によって、組換えペプチドを製造することもできる。
生成したペプチドは、次いで回収し精製できる。
利用する精製工程は当業者に知られている。得られた組換えペプチドは、溶解液および細胞抽出物から、培地の上清から、例えば分画、クロマトグラフィー法、特異的モノクローナルまたはポリクローナル抗体等を用いる免疫親和技術のような方法を個別にまたは組み合わせて使用することにより、精製できる。
組換えペプチドの製造に有用な核酸は、特に以下の配列を有し得る:
− ペプチド13-39をコードしている配列(配列番号5)
− ペプチド65-97をコードしている配列(配列番号6)
− ペプチド111-136をコードしている配列(配列番号7)。
上記のHARPペプチドの「変異体」、「相同体」または「誘導体」ペプチドをコードしている核酸もまた本発明の一部を形成する。
これらの核酸は、
i) 配列番号5、6、または7の配列の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、さらに少なくとも95%と類似する配列;または、
ii) ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号5、6もしくは7の配列またはその相補的配列とハイブリダイズする配列、または、
iii) 上記定義によるレファランスペプチドをコードしている配列、
を含むと定義できる。
好ましい態様では、このような相同的ヌクレオチド配列は、ストリンジェントな条件下で配列番号5、6または7の相補的配列と特異的にハイブリダイズする。ストリンジェント条件を定義するパラメータは、対になる鎖の50%が分離する温度(Tm)に依存する。
30以上の塩基を含む配列について、Tmは以下の関係:
Tm = 81.5 + 0.41(%G + C) + 16.6Log(カチオンの濃度) − 0.63(ホルムアミドの%)− (600/塩基数)(Sambrook et al, 1989)
によって定義する。
30塩基長未満の配列については、Tmは以下の関係:
Tm = 4(G +C) + 2(A + T)
によって定義する。
非特異的配列がハイブリダイズしない適当なストリンジェント条件の下では、ハイブリダイゼーション温度は好ましくはTmより5〜10℃低くすることができ、使用するハイブリダイゼーション緩衝液は好ましくは6xSSC溶液のような高イオン強度を持つ溶液である。
上記で使用する「類似配列」という語は、比較されるヌクレオチド間の完全な類似または一致を指すが、類似性と呼称される不完全な類似をも意味する。核酸配列におけるこの類似性の探索は、例えばプリンとピリミジンを識別する。
故に、相同的ヌクレオチド配列は、HARPのフラグメントの生物活性を有するペプチドをコードしている限り、1もしくはそれ以上の塩基の突然変異、挿入、除去もしくは置換によって、または遺伝コードの縮重によって、配列番号5、6または7と相違している任意のヌクレオチド配列を包含する。
目的とする核酸配列を発現ベクター中に挿入できるが、その中でこの配列は、その発現または発現の調節を可能にする要素または要素群、例えば具体的には転写プロモーター、アクチベーターおよび/またはターミネーターと機能的に結合している。
このヌクレオチド配列の発現を調節するシグナル(プロモーター、アクチベーター、終止配列)は、使用する宿主細胞との関係で選択する。この目的のため、本発明に係るヌクレオチド配列は、選ばれた宿主内部で自律的に複製できるベクター、または選ばれた宿主内部に統合されるベクター内に挿入することができる。このようなベクターは当業者が現在利用している方法に従って調製でき、そこから得られるクローンを標準法、例えば電気穿孔または燐酸カルシウム沈殿化により、適当な宿主内に導入できる。
例えば上記のような、本発明により定義するヌクレオチド配列を含むクローニングおよび/または発現ベクターもまた、本発明の一部を構成する。
本発明はさらに、これらの発現ベクターによって一時的または安定的にトランスフェクトされた宿主細胞に関するものである。これらの細胞は、上記定義によるベクター中に挿入されたヌクレオチド配列を原核または真核宿主細胞内に導入し、次いでその細胞を、トランスフェクトされたヌクレオチド配列の複製および/または発現を可能にする条件で培養することによって取得できる。
宿主細胞の例は、特に哺乳動物細胞、例えばCOS-7、293、MDCK細胞、昆虫細胞、例えばSf9、細菌細胞、例えばE.coli、および酵母株、例えばL40およびY90を包含する。
遺伝子治療
本発明の特定態様に従って遺伝子治療を実施する。これは、目的とするペプチドまたはペプチド群をコードしている核酸を、そのペプチドまたはペプチド群が、該核酸が移入された患者の細胞によりインビボ発現されるような条件下で、患者に投与することを含む。
投与される核酸は「ペプチドの製造」の項で上に定義したヌクレオチド配列を含む。
このような核酸は特にDNAのベクター、例えばプラスミドベクターの形態であってよい。1またはそれ以上のベクターを投与でき、各々のベクターは目的とするペプチド、即ちペプチド13-39、65-97または111-136のうち少なくとも1個をコードしている1またはそれ以上の配列を担持することができる。
好ましい態様によれば、ペプチド13-39をコードしている配列を有するベクター、ペプチド65-97をコードしている配列を有する別のベクター、そしてことによるとペプチド111-136をコードしている配列を含むさらに別のベクターを使用する。
DNAのベクターまたはベクター群は、当業者の知悉する任意の技術によってインビボで導入できる。特にDNAのベクターを裸の形態で、即ち細胞における該ベクターのトランスフェクションを容易にするような何らかの媒質または系の助けを借りることなく、インビボで導入することが可能である(EP465529)。
遺伝子銃を利用することもできるがこれは、例えばこのDNAを「金」粒子の表面に置き、これらを、該DNAが患者の皮膚を貫通するように発射することによる(Tang et al, 1992)。また液体ゲルによる注射は、皮膚、筋肉、脂肪組織および乳房組織を同時にトランスフェクトすることが可能である(Furth et al, 1992; Robinson et al, 1997)。
マイクロインジェクション、電気穿孔、燐酸カルシウムによる沈殿化、ナノカプセルまたはリポソームの助けを借りる製剤といった技術は、利用可能なその他の技術である。
生分解性ポリアルキルシアノアクリラートナノ粒子は特に有利である。リポソームの場合、カチオン性脂質の使用は負に荷電している核酸のカプセル化に好都合であり、負に荷電した細胞膜との融合を促進する。
或いは、このベクターは、ゲノムに挿入された該ペプチドをコードしている核酸配列を含む組換えウイルスの形態であってよい。
このウイルスベクターは好ましくはアデノウイルス、レトロウイルス、特にレンチウイルス、ならびにアデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ワクシニアウイルス等から選択できる。
レンチウイルスベクターが、例えばFirat et al, (2002)により記載されている。
有利な態様では、この組換えウイルスは欠陥ウイルスである。「欠陥ウイルス」という語は、標的細胞中で自身を複製できないウイルスを指す。一般に欠陥ウイルスのゲノムは、少なくとも、感染した細胞における該ウイルスの複製に必要な配列を奪い取られている。これらの領域は、取り除かれているか、または非機能的にされているか、または他の配列、特に目的とするペプチドをコードしている核酸に置き換わっている。にも拘わらず、これらのことがあるにせよ欠陥ウイルスはウイルス粒子のカプセル化に必要なゲノムの全配列を保持していることが好ましい。
目標を定めた遺伝子の投与は例えば出願WO95/28494に記載されている。
関連する病理
本発明に係るペプチドは血管新生阻害の性質を表す。
この理由によりこれらのペプチドまたはこれらのペプチドを発現する核酸は、血管新生に関連するまたは血管新生因子を生ずる様々な病理の処置に特に有用である。
「処置」とは、治療目的(病状の進展を少なくとも緩和しまたは停止させることを目指す)または予防目的(その病理が出現する危険度を低下させる事を目指す)のための処置を意味すると理解できる。
関連する病理とは以下を包含するがこれらに限定されない:
− 増殖性疾患。これらは良性であるか悪性であるかに拘わらず、細胞の異常な増殖を意味すると理解する。これらの腫瘍は、メラノーマ、癌腫、肉腫、横紋筋肉腫、網膜芽腫、神経芽腫、骨肉腫を包含する。充実性腫瘍の中でも、特に乳房、卵巣、肺、頸管、消化管、特に結腸、泌尿器系、肝臓、膵臓、骨の腫瘍(初期またはそうでないもの)が挙げられる。非充実性腫瘍は等しくカバーでき、即ち特に白血病またはリンパ腫がカバーできる。
増殖性疾患は増殖のいかなる段階でも処置できる。本発明に係るペプチドまたは核酸は特に腫瘍転移の発現との闘いに有用である。良性腫瘍の中では、特に血管腫および肝細胞腺腫が最後に挙げられる。
本発明に係るペプチドの治療的抗血管新生作用は、特に腫瘍の成長を阻害する作用により、これらの適応において実現する。
− 目の病変。これらは特に網膜の病理、例えば糖尿病性網膜症、黄斑変性、腎静脈または動脈の閉塞、緑内障等を包含する。本発明に係るペプチドまたは核酸はさらに、角膜移植のような外科的修復術の結果起こり得る目の病変の処置にも有用となり得る。
− リウマチ性多発関節炎。これは強度の血管新生に関連する炎症性疾患である(Jackson et al, 1988)。
− および乾癬のような皮膚疾患。
本発明に係るペプチドは、子宮の血管新生、故に胚の着床を妨げることによる、産児制限のための堕胎化合物としても有用である。
医薬組成物
故に本化合物は、活性物質として少なくとも1つのHARPペプチド13-39もしくは65-97、またはこれらのうちの1つから誘導されるペプチドを、1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤と共に含む医薬組成物に関するものである。
本発明はさらに、活性物質として少なくとも1つのHARPペプチド13-39もしくは65-97、またはこれらのうちの1つから誘導されるペプチドをコードしている配列を含む核酸(これは該ペプチドの発現またはその発現の調節を可能にする1またはそれ以上の要素と機能的に結合している)を、1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤と共に含む医薬組成物に関するものである。
この配列は所望により、該ペプチドの発現またはその発現の調節を可能にする1またはそれ以上の要素(群)と機能的に結合しているということが理解できる。
「賦形剤」または「薬学上許容し得る媒質」とは、人間または動物において二次的反応、例えばアレルギー反応を誘起しない、任意の溶媒、分散媒質、吸収遅延剤等を意味すると理解できる。
本発明の好ましい態様によれば、ペプチド13-39、65-97、もしくはそれらの誘導体ペプチドのうち少なくとも1つを、HARPペプチド111-136もしくは誘導体ペプチドと関連付ける。
故に本発明はさらに、少なくとも1つのHARPペプチド13-39もしくは65-97、またはそれらのうち1つから誘導したペプチドを、1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤の存在下で、HARPペプチド111-136もしくは誘導体ペプチドと共に含む医薬組成物を提供する。
好ましい医薬組成物は、
− 配列番号2で示されるペプチド13-39;
− 配列番号3で示されるペプチド65-97;
− 配列番号4で示されるペプチド111-136;
を含む。
代替または複合態様において本発明はさらに、HARPペプチド13-39もしくは65-97またはこれらのうちの1つから誘導されるペプチドをコードしている配列を含む核酸(この配列はその発現を可能にする1またはそれ以上の要素と機能的に結合している)を、1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤の存在下で、HARPペプチド111-136または誘導体ペプチドをコードしている配列を含む核酸と共に含む医薬組成物をも提供する。
この配列(群)は、所望により、該ペプチドの発現またはその発現の調節を可能にする1またはそれ以上の要素と機能的に結合していることが理解できる。
好ましい組成物は、
− 配列番号2で示されるペプチド13-39をコードしている核酸;
− 配列番号3で示されるペプチド65-97をコードしている核酸;
− 配列番号4で示されるペプチド111-136をコードしている核酸;
を含む。
この核酸は、単一のベクターによって担持され得、または別々のベクター群の形態であってもよい。
本発明の別の態様は、一方で、少なくとも1つのHARPペプチド13-39もしくは65-97またはこれらのうちの1つから誘導されるペプチド、またはこれらのペプチドのうち1つをコードしている核酸を、そして他方では、HARPペプチド111-136もしくは誘導体ペプチドまたはこれらのペプチドをコードしている核酸を含む別々の組成物を実質上同時に投与することを包含する。
投与は、一方で、少なくとも1つのHARPペプチド13-39もしくは65-97またはこれらのうちの1つから誘導されるペプチド、またはこれらのペプチドのうち1つをコードしている核酸を、そして他方では、HARPペプチド111-136もしくは誘導体ペプチドまたはこれらのペプチドをコードしている核酸を含む、別々の組成物によって、連続的に実施することもできる。
故に、少なくとも1つのHARPペプチド13-39もしくは65-97またはこれらのうちの1つから誘導されるペプチド、またはこれらのペプチドのうち1つをコードしている核酸、および、HARPペプチド111-136もしくは誘導体ペプチドまたはこれらのペプチドをコードしている核酸は、薬学上許容し得る形態で個別投与することができる。
薬量学は当然、考慮中の活性物質、投与方法、治療適応、患者の年齢および患者の状態に依拠する。
ペプチドの用量は好ましくは1日当たり0.1〜250mg/kg、好ましくは1日当たり1〜100mg/kgである。
式(I)の化合物の単位用量は好ましくはこの化合物12.5〜200mgを含む。
この医薬組成物が核酸を含む場合、投与すべき核酸(配列またはベクター)の用量は、特に投与方法、標的とする病理および処置の期間に関連して適合させる。一般に、組換えウイルスを使用する時、これらはおよそ104〜1014pfu/ml、好ましくは106〜1010pfu/mlの用量の形態に調合し投与する。「pfu」(プラーク形成単位)という語はウイルス溶液の感染性に対応しており、これは、適当な細胞培養を感染させ、一般には48時間後に、感染した細胞のプラーク数を測定する事によって決定できる。ウイルス溶液のpfu含有量を決定する技術は文献に詳細に記載されている。
本発明に係る医薬組成物は、単一経路または異なる経路で患者に投与されるように調合できる。
非経口経路、より具体的には注射による投与を考える場合、活性物質を含む本発明に係る組成物を、ゆっくりと灌流させるためのアンプルまたはバイアルに詰めた注射用溶質および懸濁液の形態で存在する。注射は特に皮下、筋肉内または静脈内経路で実施できる。
好ましい態様、特に充実性腫瘍の場合においては、この薬用組成物を実際の血管新生部位に注射できる。
経口経路による投与の場合、本発明に係る組成物を、カプセル剤、発泡錠、被覆または非被覆錠剤、サシェー、糖衣丸剤、アンプルまたは飲用溶質、微小顆粒または長時間放出剤型の形態で存在させる。
非経口投与用剤型は、活性物質を緩衝剤、安定剤、保存剤、可溶化剤、等張化剤および懸濁化剤と混合することにより常法で取得する。次いで既知の技術に従いこれらの混合物を滅菌し、静脈注射の剤型に包装する。
当業者は有機燐酸塩に基づく緩衝剤を緩衝剤として使用できる。
懸濁化剤の例はメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴムおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムを包含する。
さらに、本発明に係る有用な安定剤は、亜硫酸ナトリウムおよびメタ亜硫酸ナトリウムであり、一方保存剤としてはp-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クレゾールおよびクロロクレゾールを挙げることができる。経口溶液または懸濁液の製造のためには、活性物質を、分散化剤、湿潤剤、懸濁化剤(例えばポリビニルピロリドン)、保存剤(例えばメチルパラベンまたはプロピルパラベン)、矯味剤または着色料と共に適当な媒質に溶解または懸濁する。
マイクロカプセル剤の製造のためには、活性物質を、適当な希釈剤、適当な安定剤、活性物質の緩慢な放出を助ける物質または中心核を形成させるためのその他の種類の添加剤と合し、次いでこれを適当なポリマー(例えば水溶性樹脂または水不溶性樹脂)で被覆する。当業者の知悉する技術をこの目的のために利用できる。
次いで、このようにして得られたマイクロカプセル剤を、必要ならば適当な投薬単位に製剤化する。
特に眼球損傷の処置の場合、眼球経路による投与もまた考えられる。
次に本発明に係る医薬組成物は、例えば洗眼液または眼用クリーム剤として眼に局所投与するための眼用組成物の剤型である。
眼用組成物は、本発明に係るペプチドを溶解させた生理食塩水溶液、または蒸留水を含む水溶液とする事ができる。必要ならば例えば緩衝剤、涙との等張性を確保する物質、保存剤、濃厚剤、安定剤、抗酸化剤、pH調節剤、キレート化剤等のような所定の幾つかの添加剤をこの眼用組成物に配合できる。
点眼剤は無菌操作により製造するか、または製造の適当な段階で滅菌を行う。
眼用クリーム剤は活性物質を常用基剤と混合することにより無菌的に製造できる。眼用クリーム剤のための基剤は、例えばワセリン、ジェレン50またはプラスチベース、マクロゴール等である。親水性を上げるため、界面活性剤を添加できる。必要ならば前記のような添加剤、例えば保存剤を添加できる。
一般に眼への局所適用のためには、本発明化合物またはその薬学上許容し得る塩を0.001〜10%、好ましくは0.01〜1%重量/容量を含有する調合物の小滴を1日に数回、好ましくは1〜6回(好ましくは各回に1眼当たり1〜4滴)投与することで、そして眼用クリーム剤を使用する場合には、本発明化合物またはその薬学上許容し得る塩を0.001〜10%、好ましくは0.01〜1%重量/容量を含有する調合物を好ましくは1日当たり1〜6回適用することで、成人において満足できる効果が得られる。
本発明に係るペプチドはさらに、リポソームの形態に製剤化できる。リポソームは燐脂質から形成され、燐脂質を水性媒質に分散すると自然に多層状の同心性二層小胞を形成する。これらの小胞は一般に25nm〜4μmの直径を有し、超音波処理を行うと、それらの芯に水溶液を含む、より小さな直径200〜500Åの単層小胞の形成が導かれる。
リポソームは医薬を或る細胞または組織標的に正確に投与するためにとりわけ有利である。このために、脂質を標的分子、例えば標的とするペプチド(例えばホルモン)または抗体に化学結合させることができる。
本発明はさらに、血管新生の阻害を意図する、または血管新生に関連する病理の処置を意図する医薬の製造のための、ことによるとHARPペプチド111-136または誘導体ペプチドと関連付けた、少なくとも1つのHARPペプチド13-39もしくは65-97、またはこれらのうち1つから誘導したペプチドの使用に関するものである。
関係している病理は上に述べた通りである。
本発明はさらに、所望によりHARPペプチド111-136またはこれらから誘導したペプチドと関連付けた、少なくとも1個のHARPペプチド13-39もしくは65-97、またはこれらのうち1つから誘導したペプチドの治療有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物、より具体的には人間において血管新生を阻害するまたは血管新生に関連する病理を処置するための方法に関するものである。
当然のことながら、本発明に係るペプチドまたは核酸は、単独で使用することも、他の何らかの活性物質と関連付けて使用することもできる。特に、転移の形成を阻害し(Taguchi et al, 2000; Huttunen et al, 2002)さらにHARPペプチドとの相同性を示す、アムホテリンのペプチド150-183を挙げることができる。
アムホテリンのペプチド150-183をコードしている核酸を発現させる事による遺伝子治療を利用する選択を行うこともできる。
本発明はさらに、血管新生の阻害を意図する、または血管新生に関連する病理の処置を意図する医薬の製造のための、所望によりHARPペプチド111-136または誘導体ペプチドと関連付けた、HARPペプチド13-39もしくは65-97、またはこれらのうち1つから誘導したペプチドをコードしている配列を含む核酸の使用に関するものである。
本発明はさらに、所望によりHARPペプチド111-136またはこれらから誘導したペプチドをコードしている配列を含む核酸と関連付けた、HARPペプチド13-39もしくは65-97、またはこれらのうち1つから誘導したペプチドをコードしている配列を含む核酸の治療有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物、より具体的には人間において血管新生を阻害する方法または血管新生に関連する病理を処置するための方法に関するものである。
以下の実施例と図面は、本発明をその範囲を限定することなく例示するものである。
実施例
実施例1:HARPで刺激したNIH3T3細胞の増殖阻害に及ぼすHARPペプチド13-39および65-97の効果
NIH3T3型の線維芽細胞を、牛胎児血清10%を添加したDMEM培地中、3x104細胞/cm2の密度で培養する。CO27%を含有する大気中、37℃で24時間インキュベートした後、培地を牛胎児血清を含有しないDMEMに交換する。24時間後、各々配列番号2および3で示されるHARPペプチド16-48または65-97が0.1ないし10μMの濃度範囲で存在するまたは存在しないHARP分子(4nM)を18時間にわたり添加する。このインキュベーション時間の後、0.5μCiの[メチル-3H]チミジンを加え、6時間後に10%トリクロロ酢酸溶液で細胞を固定する。次いで、0.1N濃度の水酸化ナトリウム溶液で細胞溶解を行った後、細胞が取り込んだ放射性を液体シンチレーションによって計数する。
結果を図1に開示するが、これは配列13-39および65-97に対応するペプチドがHARP細胞増殖の誘導活性を用量依存的に阻害できることを示している。10μMの用量では、ペプチド65-97はHARP活性の90%以上を阻害し、一方ペプチド13-39については60%阻害が観察される。
実施例2:腫瘍血管新生および腫瘍成長の阻害に及ぼすHARPペプチド111-136の効果
ペプチドP111-136の存在下または不在下でヌードマウスにPC3細胞を注射して腫瘍成長を誘導することにより、ペプチドP111-136(配列番号4)が腫瘍血管新生を阻害する能力を試験した。PBS溶液(対照群)またはPBS中5mg/kg濃度に希釈したペプチドP111-136の溶液100μl/日を腫瘍領域に注射する処置を行ったまたは行わなかった5匹のヌードマウスの群(ヌード/ヌード、Laboratoire IFFA CREDO)に2x106 PC3細胞を注射する。9、13、16、20、23および27日目に、カリパス計器で腫瘍の大きさを測定する。結果を図3に示すが、これは、5mg/kgの用量で使用したHARPペプチド111-136が腫瘍成長の阻害を誘導することを示している。
このデータの解析は、腫瘍成長速度が、処置していないマウスに比して5mg/kgのHARPペプチド111-136で処置したマウスでは4倍小さい事を示している。27日目において処置マウスの群では、処置を受けなかったマウスより腫瘍の平均サイズが80%小さいことが観察されている。
27日目に腫瘍を除去し、5μmの凍結切片を作製する。この組織をアセトンで固定し(4℃、15分間)それを再水化した後、内皮細胞表面に特異的に固定されるレクチンBandeiraea Simplicifolia Isolectin B4(10μg/ml)によって内皮細胞の存在を明らかにする。次いでこのレクチンをアルカリホスファターゼで標識した特異抗体の挟み込みによる免疫学的標識化によって検出する。アルカリホスファターゼの基質(Vector Red基質)と共にインキュベートした後、内皮細胞が赤色に染まる。同一腫瘍を持つ3枚の独立した切片について6個の腫瘍を分析する画像分析(NIH画像)により、腫瘍中の内皮細胞数の定量を実施する。
幾つかの内皮細胞が観察されるがこれは、非処置腫瘍よりも該ペプチドで処置した腫瘍について重要性が低い。この効果の定量を図3に示す。ヒストグラムの分析は、ペプチドP111-136の注射が腫瘍内血管の55%減少を誘導することを示し、これは、ペプチドP111-136が腫瘍血管新生を阻害できることを証明している。
実施例3:軟寒天上の腫瘍細胞の成長阻害に及ぼすHARPペプチド13-39および65-97の効果
ヒト乳房癌腫由来のMDA-MB-231細胞を、10%牛胎児血清、0.35%寒天を含有し且つHARPペプチド13-39および65-97(配列番号2および3)を含有するまたは含有しないDMEM培地中、3x103細胞/cm2の密度で培養する。この細胞を、前もって0.6%寒天1mlで被覆した12ウェル培養箱(直径35mm/ウェル)で培養する。該ペプチドは2日毎にこの培地に添加する。37℃および7%CO2の加湿大気中で13日間インキュベートした後、50μmに等しいまたはこれより大きい直径を持つコロニーを計数する。実験の各段階はn=3で実施し、各実験は3回反復する。
図4および5に示す結果は、HARPペプチド13-39および65-97が腫瘍細胞の成長を用量依存的に阻害することを示している。即ち、HARPペプチド13-39 1μMの存在下ではMDA-MB-231腫瘍細胞の成長の53%阻害が観察され(図4)、同濃度で使用したHARP65-97の存在下では41%阻害が観察される(図5)。
実施例4:ペプチド13-39および65-97による、HARPの誘導した血管新生の阻害
HARPは内皮細胞の増殖と分化に関わる成長因子であることから、本発明者等は、下に開示する実験において、HARPの誘導する血管新生活性に及ぼすHARPペプチド13-39および65-97(配列番号2および3)の効果を調べた。
この実験はマウスにおけるインビボ血管新生モデルを用いて実施した。この実験モデルは、血管新生刺激性または阻害性について分析しようとする物質を含有するMatrigel(登録商標)を注射する事で構成される。1群4匹のSwissマウス(Janvier, Genest St Isle, France)に、5nMのHARP、1μMのHARPペプチド13-39もしくは65-97のいずれかと共に、またはHARP(5nM)とHARPペプチド13-39もしくは65-97(1μM)の混合物と共に前もってインキュベートしたMatrigel(登録商標)300μlを注射する。10nM濃度を単独で、または1μM濃度のHARPペプチド13-39もしくは65-97を添加したもう一つの抗原性因子FGF-2を用いて、阻害特異性の調節を行う。
Matrigel(登録商標)注射の7日後にマウスを殺す。Matrigel(登録商標)を除去し、液体窒素中で凍結する。次いで厚さ8μMの切片をクライオスタットに付す。次にこの切片をゴモリのTrichromeで染色する。Matrigel(登録商標)に侵入した内皮細胞の数をNIH画像化ソフトウェアを用いる画像解析で定量する。
図6に開示する結果は、HARPおよびFGF-2が血管新生の刺激を誘導する事を示している。Matrigel(登録商標)を単独使用した場合に比べ、内皮細胞数の増加はHARPでは3倍、FGF-2では5.8倍観察されている。1μM濃度で使用すると、HARPペプチド13-39または65-97は、HARPが誘導する血管新生を完全に阻害し、一方FGF-2が誘導する血管新生には影響を及ぼさない。HARPペプチド13-39または65-97を単独使用した場合、有意な効果は観察されなかった。
これらの結果は、ペプチドHARP13-39または65-97が、HARPが誘導する血管新生活性の特異的インヒビターであることを示している。
Figure 0004537206
Figure 0004537206
図1は、HARPが誘導する細胞増殖の阻害を示すグラフである。0.1μM〜10μM濃度のペプチド13-39または65-97の存在下または不在下で、NIH3T3細胞を4nMのHARPで刺激する、またはしない。24時間のインキュベーションの後、この細胞によるトリチウム化チミジンの取り込みを測定することにより細胞増殖を評価する。 図2は、PC3細胞(前立腺癌から得られた系)の注射を受けたヌードマウスモデルにおける腫瘍成長の阻害を示すグラフである。 PBS(対照)または5mg/kg濃度のHARPペプチド111-136を腫瘍領域に毎日注射した、またはしなかった5匹のヌードマウスの群に、200万個のPC3細胞を注射する。9、13、16、20、23および27日目に腫瘍の大きさを測定することにより、動物の各群についての腫瘍成長を評価する。 図3は、PC3細胞(前立腺癌に由来する系)の注射を受けたヌードマウスのモデルにおける腫瘍血管新生の阻害を示す図である。PBS(対照)または5mg/kg濃度の該ペプチド111-136を腫瘍領域に毎日注射した、またはしなかったマウスの群に、200万個のPC3細胞を注射する。27日目にマウスを殺す。内皮細胞の特異マーカーとしてのイソレクチンBandeiraea Simplicifoliaを用いる免疫組織学的分析および画像解析の後に、切片について血管新生の定量を行う。ヒストグラムに示した値は、各条件において得られた6つの腫瘍の各々から得られた3枚の独立した切片の分析で得られた平均値を表す。 図4は、HARPペプチド13-39が誘起した腫瘍細胞MDA-MB-231の成長阻害を示す図である。MDA-MB-231細胞を、HARPペプチド13-39の存在下または不在下に、0.6%寒天1mlを入れた12ウェル培養箱で培養する。13日間の培養の後、50μmに等しいまたはこれより大きい直径を持つコロニーを計数する。図に示した結果は、同様の値を示した2回の反復実験の数値であり、各測定はn=3で行う。棒線は誤差の標準限界を表す(*、p<0.05;**、p<0.01)。 図5は、HARPペプチド65-97が誘起した腫瘍細胞MDA-MB-231の成長阻害を示す図である。MDA-MB-231細胞を、HARPペプチド65-97の存在下または不在下に、0.6%寒天1mlを入れた12ウェル培養箱で培養する。13日間の培養の後、50μmに等しいまたはこれより大きい直径を持つコロニーを計数する。図に示した結果は、同様の値を示した2回の反復実験の数値であり、各測定はn=3で行う。棒線は誤差の標準限界を表す(*、p<0.05;**、p<0.01)。 図6は、インビボモデルにおいてHARPが誘起した血管新生の、HARPペプチド13-39および65-97による阻害を示す。1μM濃度のHARPペプチド13-39および65-97の存在下または不在下で5nM HARPと共にインキュベートしたMatrigel(登録商標)300μLをマウスに皮下注射する。FGF-2を用いて対照実験を行う。7日後、マウスを殺し、Matrigel(登録商標)を除去する。厚さ8μMの切片を作製する。次にこの切片をゴモリのTrichromeで染色する。Matrigel(登録商標)に侵入した細胞の数をNIHソフトウェアによる画像解析で定量する。結果は、マウス当たり7枚の切片の分析の平均値である(n=4マウス/群)。棒線は誤差の標準限界を表す(**、p<0.01)。

Claims (20)

  1. − HARP因子の配列13-39;および
    − HARP因子の配列65-97、
    から選ばれるアミノ酸の配列から成るペプチド。
  2. 配列番号2または3の配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から成り、且つ、血管新生阻害活性およびグリコアミノグリカン(GAG)との結合能力を示すペプチド。
  3. 配列番号2または3のアミノ酸配列から成る、請求項2に記載のペプチド
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドをコードしている配列を含む核酸。
  5. 配列番号5または配列番号6の配列を含む、請求項4に記載の核酸。
  6. 化学的手段により該ペプチドを合成することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
  7. 請求項4または5に定義の核酸を含むベクターを宿主細胞内に移行させ、これを対応ペプチドの発現を可能にする条件の下で培養する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドおよび1またはそれ以上の薬学上許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
  9. HARP因子のアミノ酸111-136の配列を有する、または、配列番号4の配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から成り、且つ血管新生阻害活性およびALKレセプターと結合する能力を示すペプチドをさらに含、請求項8に記載の組成物。
  10. − 配列番号2の配列のペプチド13-39;
    − 配列番号3の配列のペプチド65-97;および
    − 配列番号4の配列のペプチド111-136、
    を含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドをコードしている配列から成る核酸を含む医薬組成物。
  12. 請求項9に記載のペプチドをコードしている配列から成る核酸をさらに含む、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. − 配列番号2の配列のペプチド13-39をコードしている核酸;
    − 配列番号3の配列のペプチド65-97をコードしている核酸;
    − 配列番号4の配列のペプチド111-136をコードしている核酸、
    を含む、請求項12に記載の組成物。
  14. 核酸が単一のベクターによって担持されている、請求項12または13に記載の組成物。
  15. 血管新生に関連する病理の処置を意図する医薬の製造のための、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドの使用。
  16. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドが、HARP因子のアミノ酸111-136の配列を有する、または配列番号4の配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列から成り、且つ血管新生阻害活性およびALKレセプターと結合する能力を示すさらなるペプチドと併用されている、請求項15に記載の使用。
  17. さらなるペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列から成る、請求項16に記載の使用
  18. 血管新生に関連する病理の処置を意図する医薬の製造のための、請求項4または請求項5のいずれかに記載の核酸の使用。
  19. 請求項4または請求項5のいずれかに記載の核酸が請求項9に定義のペプチドをコードしている配列から成る核酸と併用されている、請求項17に記載の使用。
  20. 病理が腫瘍、眼病変、リウマチ性多発関節炎または皮膚疾患である、請求項15〜18のいずれか1項に記載の使用。
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