JP2004512832A - 抗−血管新生ペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、フィブリノーゲンから誘導化される抗−血管新生ペプチド;該ペプチドを含む医薬組成物;該ペプチドをコードする核酸および、血管新生の阻害の恩恵を受けるであろう疾患に罹っている動物、好ましくはヒト、を処置する方法に関する。

Description

【0001】
本発明は、フィブリノーゲンから誘導化されるペプチドの抗−血管新生効果に関する。
【0002】
血管新生、現存する血管床から新しい血管の発育、は、細胞外マトリックスの成分の分解に引き続く、細管および結局は新しい血管を形成する内皮細胞の遊走、増殖および分化を伴うところの複雑な多段階プロセスである。血管新生は、胚移植;胚形成および発育;ならびに創傷治癒を、例示としてそして限定としてではなく、含む、正常な生理プロセスにおいて重要である。過剰な血管新生はまた、腫瘍細胞生育のような病態異常ならびに新生血管緑内障、慢性関節リウマチ、乾癬および糖尿病性網膜症のような非−がん性異常に関与する。
【0003】
血管内皮は普通は静止性である。しかしながら、活性化すると内皮細胞は増殖しかつ遊走して、発育中の組織、勿論生長中の腫瘍、に血液を供給する毛細管床を究極的に形成するであろう微小管を形成する。内皮細胞を促進し/活性化して、血管新生を受ける、数多くの成長因子が同定されている。これらには、血管内皮成長因子(VEGF);形質変換成長因子(TGFb);酸性および塩基性の繊維芽細胞成長因子(aFGFおよびbFGF);および血小板誘導化成長因子(PDGF)が、例示としてそして限定としてではなく、挙げられる(1,2)。
【0004】
VEGFは、非常に特異的な活動部位、即ち、内皮細胞の増殖、遊走および分化の促進、を有するところの内皮細胞−特異的成長因子である。VEGFは、二つの同一な23kDのポリペプチドを含む二量複合体である。VEGFの単量形は、代わりにスプライスされたmRNAからそれぞれが誘導化される、異なる分子量を持つ四つの別なポリペプチドとして存在し得る。四つの単量体のうち、二つは膜結合VEGFとして存在しそして二つは可溶性である。VEGFは、胚性組織;増殖性角化細胞;マクロファージ;腫瘍細胞を含む多種の細胞/組織タイプによりにより発現される。研究(2)は、VEGFが、神経膠腫およびAIDS−関連カポジ肉腫を含む多くの腫瘍細胞株中で高度に発現されることを示している。VEGF活性は、内皮細胞および腫瘍細胞により発現される、VEGF特異的受容体により仲介される。事実、VEGF受容体は、腫瘍を浸潤する内皮細胞中で上方−調節されて、それにより腫瘍細胞の成長を促進する。
【0005】
bFGFは、繊維芽細胞および内皮細胞の増殖を刺激するように機能する、成長因子である。bFGFは16.5Kdの分子量を持つ単一ポリペプチド鎖である。それらのアミノ酸末端領域で長さの異なる、bFGFの幾つかの分子型が発見されている。しかしながら、種々の分子型の生物学的機能は同じように見える。bFGFは脳下垂体により生成され、そしてヒトの染色体4上に位置する単一遺伝子によりコード化される。
【0006】
血管新生の内因性阻害剤が数多く発見されているが、それらの例は、プラスミノーゲンおよびコラーゲンXVIIIそれぞれのタンパク質分解切断により形成される、アンギオスタチンおよびエンドスタチンである。これらの因子の両方は、血管性のVEGFおよびbFGFのようなプロ−血管新生成長因子の活性を抑制すると示されている。両方共に、VEGFおよびbFGFに対する内皮細胞の反応をインビトロで抑制し、そして動物モデル中の実験腫瘍の血管化および成長を減少させる。
【0007】
フィブリノーゲン、フィブリンの可溶性の循環先駆体、は非−同一鎖(即ち、α−、β−およびγ−鎖)の対を含む二量体分子である。これらは、三つの別個のドメイン、二つの外側D−ドメインおよび中心E−ドメイン、として配列されている(4)。フィブリノーゲンはプラスミンもしくはトロンビンのどちらかにより消化され得る。
【0008】
フィブリノーゲンのプラスミン切断における第一ステップはα鎖C−末端ドメインの切断である。それから、プラスミンは、一つのE−ドメイン(ジスルフィド結合により一緒に保たれたα−、β−およびγ−鎖のNH末端領域からなる)および小ペプチド、ベータ1−42(β−鎖のアミノ末端)を含む数多くのさらに小さいフラグメントから二つのD−ドメインを切断する(5)。他方において、トロンビンは一つのフィブリン単量体およびフィブリノペプチドAおよびBの二つのコピーを生成する(4)。フィブリノーゲンは、固形腫瘍中で漏れやすい血管の周りで蓄積すると示されている(5)。フィブリノーゲンはまた、宿主腫瘍の界面で重合して、内皮細胞の接着、遊走、増殖および分化を支持することにより腫瘍の血管新生を促進する、フィブリンネットワークを形成すると示されている(7)。
【0009】
フィブリンのタンパク質分解切断により生成される、フィブリンE−フラグメント(FnE−フラグメント)は、しょう尿膜アッセイで血管新生を刺激する(8)。さらに、浸入性乳がん腫に存在するこのタンパク質の量は腫瘍血管化度と正に相関する(5)。
【0010】
フィブリノーゲンの50kDaタンパク質分解フラグメントであるところの強力で、新しい血管新生阻害剤、フィブリノーゲンE、は、出典明示により本明細書の一部とする、我々の同時係属出願、PCT/GB01/02079、に開示されている。今や我々は、フィブリノーゲンEフラグメント内に、このはるかに大きいフィブリノーゲンEフラグメントと同じ抗−血管新生活性を有するドメインを同定している。このドメインはα鎖のアミノ末端に位置し、そしてα1−24と呼ばれる。このドメインから誘導化されるペプチドは抗−血管新生活性を有する。我々はまた、非修飾α1−24ペプチドの抗−血管新生活性を保持するところの修飾α1−24ペプチドを同定している。
【0011】
この発明の第一の態様にしたがい、以下のものからなるグループから選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する:
i)配列:
【表4】
Figure 2004512832
〔配列中、Xは任意のアミノ酸残基である。〕
を有するペプチド;
ii)配列中アミノ酸残基Xが以下のグループ:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、から選択される、(i)で表されるペプチド;および
iii)抗−血管新生活性を有する、(i)もしくは(ii)で表されるペプチド。
【0012】
抗−血管新生活性への参照はここに開示するアッセイにより測定される。例えば、この発明のポリペプチドはインビトロアッセイにより試験されるが、これらとしては、内皮細胞仲介細管形成の阻害、内皮細胞遊走の阻害、VEGFおよびbFGF誘導の内皮細胞増殖の阻害ならびに内皮細胞細胞毒性のアッセイが挙げられる。ポリペプチドをまた、ここで開示されるように、マウスの腫瘍モデルを用いてインビボで試験することができる。
【0013】
この発明の好ましい実施態様において、該ポリペプチドは以下のグループから選択されるアミノ酸配列を含む:
【表5】
Figure 2004512832
【0014】
この発明のさらに好ましい実施態様において、該ペプチドは、配列中Xはアラニンであるアミノ酸配列を含む。
この発明のなおさらに好ましい実施態様において、該ポリペプチドはアミノ酸配列:
【表6】
Figure 2004512832
を含む。
【0015】
α1−24ペプチドへの参照は配列:
【表7】
Figure 2004512832
を有するペプチド、または、少なくとも一つのアミノ酸残基の挿入、欠失もしくは置換により修飾されているこの配列から誘導化される活性なペプチドへの参照である。
【0016】
この発明の好ましい実施態様において、該ポリペプチドは長さで少なくとも24個のアミノ酸残基である。好ましくは、該ペプチドはアミノ酸配列ADSGEGDFLAEGGGVRGPRVVERH、もしくはそのフラグメントからなる。
【0017】
フラグメントへの参照は、抗−血管新生活性を保持するα1−24ペプチドから誘導化されるペプチドへの参照である。そのようなフラグメントは長さで3個のアミノ酸であってもよい;好ましくは、該フラグメントは長さで、4、5、6、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22もしくは23個のアミノ酸残基である。
【0018】
α1−24を含むポリペプチドのアミノ酸配列への修飾は、その標的配列に関してポリペプチドの結合および/もしくは安定性を増強できたことは当業者に明らかであるであろう。加えて、ポリペプチドの修飾はまた、ポリペプチドのインビボ安定性を増加し、それにより血管新生を阻害するために必要なポリペプチドの有効量を減少させる。これは、インビボで起り得る望ましくない副作用を有利に減少させるであろう。修飾にはアセチル化およびアミド化が、例示としてそして限定としてではなく、挙げられる。
【0019】
この発明の好ましい実施態様において、α1−24配列を含む該ポリペプチドがアセチル化される。好ましくは、該アセチル化は該ポリペプチドのアミノ末端にされる。さらに好ましくはなお、α1−24ペプチドのアミノ末端のアラニンアミノ酸がアセチル化される。
【0020】
この発明のさらに好ましい実施態様において、α1−24配列を含む該ポリペプチドがアミド化される。好ましくは、該アミド化は該ポリペプチドのカルボキシル末端にされる。さらに好ましくはなお、カルボキシル末端のヒスチジンアミノ酸がアミド化される。
【0021】
この発明のさらに好ましい実施態様において、α1−24ペプチド、もしくはそのフラグメント、はアセチル化およびアミド化の両方により修飾される。好ましくは、該アセチル化はα1−24ペプチドのアミノ−末端のアラニンアミノ酸にされ、そして、該アミド化はα1−24ペプチドのカルボキシル−末端のヒスチジンにされる。
【0022】
ここで開示されるようなα1−24ペプチドのフラグメントがアセチル化および/もしくはアミド化のような修飾を受けやすいことは当業者に明らかであるであろう。
これに代えてもしくは好ましくは、該修飾は、α1−24ペプチドを含むポリペプチドの組換えもしくは合成型の生成における修飾アミノ酸の使用を含む。
【0023】
修飾アミノ酸としては、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリシン、N−アセチルリシン、N−メチルリシン、N,N−ジメチルリシン、N,N,N−トリメチルリシン、シクロヘキシルアラニン、D−アミノ酸およびオルニチンが、例示としてそして限定としてではなく、挙げられることは当業者に明らかであるであろう。他の修飾としては、ハロゲン(例えば、F、Br、I)、ヒドロキシもしくはC〜Cアルコキシから選択される、1、2もしくは3個の置換基により任意に置換されるC、CもしくはCアルキルR基を持つアミノ酸が挙げられる。
【0024】
この発明のさらに好ましい実施態様において、ポリペプチドが、配列中Xは該修飾アミノ酸の位置を意味する、少なくとも一つの修飾アミノ酸を含むところのこの発明にしたがうポリペプチドを提供する。
修飾アミノ酸の組入れは、α1−24を含むポリペプチド上で有利な性質を授けるであろう。例えば、修飾アミノ酸の組入れは、ポリペプチドのその結合部位に対する親和性を増加させ得るか、もしくは修飾アミノ酸がポリペプチド上で増加したインビボの安定性を授け得て、かくして患者に投与する治療的ポリペプチドの有効量の減少を可能にする。
【0025】
抗−血管新生活性を保持するα1−24のフラグメントは、例えば、タンパク質分解酵素を用いる未変化のポリペプチドの分画により回収され得たことは当業者に明らかであるであろう。これに代えて、フラグメントを新規に合成し、そしてまた、例えば環化、により修飾することができた。環化は技術上公知である(Scott et al Chem Biol (2001), 8: 801−815; Gelleman et al J Peptide Res (2001), 57: 277−291; Dutta et al J Peptide Res (2000), 8: 398−412; Ngoka and Gross J Amer Soc Mass Spec (1999), 10: 360−363;を参照)。
【0026】
この発明の好ましい実施態様において、この発明にしたがうポリペプチドは環化により修飾される。
この発明のさらなる態様にしたがい、以下のものから選択されるDNA配列を含む核酸分子を提供する:
i)図5aで表されるようなDNA配列;
ii)この発明にしたがう修飾ペプチドをコードする、少なくとも一つのコドン内で少なくとも一つのヌクレオチド塩基の挿入、欠失もしくは置換により修飾されている図5aで表されるようなDNA配列;
iii)抗−血管新生活性を有するペプチドをコードするところの図6に示される配列にハイブリダイズする、DNA配列;および
iv)(i)、(ii)もしくは(iii)で規定されるDNA配列への遺伝子コードの結果として縮重しているDNA配列。
【0027】
この発明の好ましい実施態様において、上の(i)、(ii)、(iii)もしくは(iv)で説明された配列へストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件下でアニールするところの分離された核酸分子を提供する。
【0028】
ストリンジェント・ハイブリダイゼーション/洗浄条件は技術上周知である。例えば、0.1×SSC、0.1%SDS中60℃で洗浄後安定である核酸ハイブリッドである。最適なハイブリダイゼーション条件は、核酸の配列が既知であれば、計算され得ることは技術上周知である。典型的に、ハイブリダイゼーション条件は、4〜6×SSPE(20×SSPEは、1リットルに溶かしそしてpHを7.4に調節した、NaCl 175.3g、NaHPO・HO 88.2gおよびEDTA 7.4gを含有する);5〜10×デンハート溶液(50×デンハート溶液は5gのフィコール(400タイプ、Pharmacia)、ポリビニルピロリドン5gおよびウシ血清アルブミン5gを含有する);100μg〜1.0mg/mlの超音波処理したサケ/ニシンDNA;0.1〜1.0%ドデシル硫酸ナトリウム;任意に40〜60%の脱イオンホルムアミドを使用する。ハイブリダイゼーション温度は核酸標的配列のGC含量に依存して変わるであろうが、典型的には42〜65℃の間にあるであろう。
【0029】
この発明のさらなる態様にしたがい、α1−24ペプチド、もしくはその一部を含む医薬組成物を提供する。
投与されるときには、本発明の医薬組成物は薬学的に許容される製剤で投与される。そのような製剤は、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、保存剤、適合性のキャリヤー、アジュバントおよびサイトカインのような補助的な免疫強化剤ならびに任意に化学療法剤のような治療剤を型通りに含有してもよい。
【0030】
この発明の医薬組成物は、注射を含むいかなる従来の経路によるか、もしくは経時的に徐々の点滴により投与され得る。この投与は、例えば、経口的、静脈内、腹腔内、筋肉内、腔内、皮下もしくは経皮であってもよい。
【0031】
この発明の組成物は有効量で投与される。“有効量”は、単独で、もしくはさらなる投薬と共に、望ましい応答を生じる組成物の量である。がんのような特定の疾患を処置する場合には、望ましい応答は疾患の進行を阻害することである。これは疾患の進行を一時的に遅くすることを伴ってもよいが、さらに好ましくは、それは疾患の進行を永久に停止させることを伴う。これは日常的な方法によりモニターされ得る。
【0032】
そのような量は、勿論、処置される特定の異常、異常の重篤度、年齢、物理的状態、身長および体重を含む個々の患者のパラメータ、処置の継続時間、併行する治療(もしあれば)の性質、投与の特異的経路ならびに健康医師の知識および専門的技術内の類似した要因に依存するであろう。これらの要因は通常の当業者に周知であり、そして単なる日常的な実験で検討され得る。
【0033】
前述の処置方法で使用される医薬組成物は、好ましくは、無菌でありそして、患者への投与に適する重量もしくは容量の一単位で望ましい応答を生じるための、α1−24ペプチドまたはα1−24ペプチドをコードする核酸を含有する。
【0034】
被験者に投与されるα1−24ペプチドまたはα1−24ペプチドをコードする核酸の投与量は、異なるパラメターにしたがい、特に用いる投与様式および被験者の状態で選択され得る。他の要因としては処置の望ましい期間が挙げられる。被験者中での応答が与えた始めの投与量で不十分な場合には、さらに高い投与量(もしくは異なる、さらに局部的な送達経路による効果的にさらに高い投与量)を患者の許容度が許す程度に使用してもよい。
【0035】
投与されるときには、本発明の治療製剤は治療的に許容される量でおよび薬学的に許容される組成物で与えられる。“薬学的に許容される”なる用語は、有効成分の生物学的活性の有効性を妨げない無毒性な材料を意味する。そのような製剤は、塩、緩衝剤、保存剤、適合性のキャリヤーおよび任意に他の治療剤を型通りに含有してもよい。薬に用いるときには、塩は薬学的に許容されるべきであるが、非−薬学的に許容される塩を便宜的に使用して、薬学的に許容されるそれらの塩を調製してもよく、そしてこの発明の範囲から除外するものではない。
【0036】
α1−24ペプチド組成物を、望ましくは、薬学的に許容されるキャリヤーと組合せてもよい。本明細書で使用される“薬学的に許容されるキャリヤー”なる語は、ヒトへの投与に適するところの、一つもしくはそれ以上の適合性の固体または液体の賦形剤、希釈剤もしくはカプセル化物質を意味する。用語“キャリヤー”は、活性成分がそれと組合わされて、施用を容易にするところの有機もしくは無機で天然もしくは合成の成分を意味する。
【0037】
医薬組成物は、塩での酢酸;塩でのクエン酸;塩でのホウ酸;および塩でのリン酸を含む、適当な緩衝剤を含有してもよい。
医薬組成物はまた、塩化ベンザルコニウム;クロロブタノール;パラベンおよびチメロサールのような適当な保存剤を、任意に、含有してもよい。
【0038】
医薬組成物は単位投与形で便宜的に提供されてもよく、そして製剤技術で周知の方法のいずれかにより調製されてもよい。全ての方法は、一つもしくはそれ以上の補助成分を構成するキャリヤーと活性剤を会合させるようにするステップを含む。一般的に、組成物は、活性剤を液体キャリヤー、細かく分割した固体キャリヤーもしくは両方と均一にかつ密接に会合させるようにし、それから、必要により生成物を成形することにより調製される。
【0039】
経口投与に適する組成物を、それぞれが予め決めた量の活性化合物を含む、カプセル、錠剤、トローチのような別個の単位として提供してもよい。他の組成物としては、水性液体もしくは非−水性液体中の懸濁剤、例えばシロップ剤、エリキシル剤または乳化剤が挙げられる。
【0040】
非経口投与に適する組成物は、好ましくはレシピエントの血液と等張であるところの、α1−24ペプチドもしくは核酸の水溶性または非−水溶性の無菌製剤を便宜的に含む。この製剤を適当な分散もしくは湿潤剤および懸濁剤を用いる公知の方法にしたがって処方してもよい。無菌の注射製剤はまた、無毒で非経口的に許容される希釈剤もしくは溶剤中の無菌の注射液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール溶液としてあってもよい。使用してもよいところの許容されるビヒクルおよび溶剤は、水、リンゲル液および等張食塩水である。これに加えて、無菌で不揮発性の油が溶剤もしくは懸濁媒体として便宜的に使用される。この目的のためには、合成のモノ−もしくはジ−グリセリドを含む、いかなる口当たりのよい不揮発性の油を使用してもよい。これに加えて、オレイン酸のような脂肪酸を注射製剤に使用してもよい。
【0041】
経口的、皮下、静脈内、筋肉内等の投与に適するキャリヤーの処方を、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA、中に見ることができる。
この発明の好ましい実施態様において、該医薬組成物は血管新生を調整する。好ましくは、該調整は血管新生の阻害である。好ましくは、該阻害は内皮細胞で刺激される血管新生に関する。
【0042】
これに代えて、もしくは好ましくは、該阻害はマクロファージおよび/もしくは腫瘍細胞で刺激される血管新生の阻害である。
この発明のさらに好ましい実施態様において、該阻害はプロ−血管新生因子の阻害により仲介される。理想的には、これらは細胞内もしくは細胞表面の受容体のどちらかである。
さらに好ましくはなお、該阻害はプロ−血管新生成長因子の活性の阻害により仲介される。理想的には、該成長因子は、VEGF;bFGF;aFGF;TGFβ;PDGFから選択される。
【0043】
この発明のなおさらなる態様にしたがい、がんの処置に用いる医薬品の製造におけるα1−24ペプチド、もしくはその部分、を含むポリペプチドの使用を提供する。
α1−24ペプチドを含むポリペプチドは、標準的なペプチド合成手法を用いるインビトロのペプチド合成により製造され得る。これに代えて、もしくは好ましくは、技術上周知である組換え手法により、ポリペプチドを製造することができる。
【0044】
この発明のさらなる態様にしたがい、ベクターを提供するが、そこでは該ベクターは、α1−24ペプチドを含むポリペプチドをコードする核酸分子を含む。
これに代えて、α1−24ペプチドを含むポリペプチドをコードする核酸を含むところの一個以上のベクターを組換え発現に適応させることができる。
【0045】
この発明の好ましい実施態様において、該ベクターは原核もしくは真核細胞の発現に適応される発現ベクターである。好ましくは、該真核ベクターは遺伝子治療に適応される。
典型的に該適応は、細胞/組織特異的発現を仲介するところの転写制御配列(プロモーター配列)の規定を、例示としてそして限定としてではなく、含む。これらのプロモーター配列は細胞/組織特異的、誘導性もしくは構成的であってもよい。
【0046】
プロモーターは技術上認識された用語でありそして、はっきりさせるために、例示としてそして限定としてではなく提供される以下の特徴を含む。エンハンサー・エレメントは、遺伝子の転写開始部位に対してしばしば5’に見出される(エンハンサーはまた、遺伝子に対して3’に見出されるかイントロン配列にさえ位置し得るので、位置依存性である)、シスに作用する核酸配列である。エンハンサーは、それにエンハンサーが連結される遺伝子の転写速度を増加させるように機能する。エンハンサー活性は、エンハンサー・エレメントに特異的に結合すると示されているところのトランスに作用する転写因子(ポリペプチド)に応答的である。転写因子の結合/活性(David S Latchman, Academic Press Ltd, San Diegoによる「真核転写因子」を参照されたい)は、中間代謝物もしくは環境エフェクターを、例示としてそして限定としてではなく、含むところの数多くの環境合図に応答的である。
【0047】
プロモーター・エレメントはまた、所謂TATAボックスおよび、転写開始部位を選択するように機能するRNAポリメラーゼ開始選択(RIS)配列を含む。これらの配列はまた、RNAポリメラーゼによる転写開始選択を容易にするように、とりわけ、作用するポリペプチドに結合する。
【0048】
適応はまた、真核細胞もしくは原核宿主のどちらかの中で該ベクターの維持を一緒に容易にするところの選択可能マーカーおよび自律性反復配列を含む。自律的に維持されるベクターはエピソームベクターと呼ばれる。
【0049】
ベクターコード化遺伝子の発現を容易にする適応は転写終結/ポリアデニン化配列の規定を含む。これはまた、ビシストロニックもしくはマルチ−シストロニック発現カセット中に配置されたベクターコード化遺伝子の発現を最大にするように機能するところの内部リボソームエントリー部位(IRES)の規定を含む。
【0050】
これらの適応は技術上周知である。発現ベクター構築および組換えDNA技法一般に関する大量の出版文献がある。Sambrook et al (1989)、「分子クローニング:実験室マニュアル」、Cold Spring Harbour Laboratory, Cold Spring Harbour, NY およびその中の参考文献;Marston, F (1987)、「DNAクローンニング技法:実際的アプローチ」、Vol III IRL Press, Oxford UK;「DNAクローンニング」、F M Ausubel et al、「分子生物学における現行プロトコル」、John Wiley & Sons, Inc. (1994)を参照されたい。
【0051】
この発明のなおさらに好ましい実施態様において、この発明にしたがう核酸を含む遺伝子治療ベクターを提供する。
【0052】
遺伝子治療ベクターの内皮細胞もしくは腫瘍細胞のどちらかへの送達は腫瘍の周辺でのα1−24ペプチドを含むポリペプチドの生成に目標を向け、それによりα1−24を含むポリペプチドの抗−血管新生効果を増大することは当業者に明らかであるであろう。
【0053】
この発明のなおさらなる態様にしたがい、この発明にしたがう核酸と形質転換/トランスフェクトされる細胞を提供する。理想的には、該核酸はこの発明にしたがうベクターである。
【0054】
この発明のさらに好ましい態様にしたがい、α1−24を含むポリペプチドの製造のための方法を提供するが、この方法は:
i)この発明にしたがう細胞を提供すること;
ii)α1−24を含むポリペプチドの製造に実施的な条件を提供すること;および
iii)該ポリペプチドを細胞から、もしくは細胞培養環境から精製すること、を含む。
【0055】
この発明のなおいっそうさらなる態様にしたがい、該動物がα1−24を含むポリペプチドをゲノム中にコードする核酸分子を組入れることを特徴とする非−ヒトの、形質転換動物を提供する。
【0056】
α1−24を含むポリペプチドをコードする一個以上のトランス遺伝子の規定により遺伝子的に修飾される非−ヒトの、形質転換動物の規定は活性ポリペプチドの代わりの供給源であることは当業者に明らかであるであろう。形質転換動物を使用して種々の治療ポリペプチドを作ることは技術上周知である。
【0057】
この発明の好ましい実施態様において、該トランス遺伝子はヒト起源である。
【0058】
この発明のさらなる態様において、血管新生の阻害の恩恵を受けるであろう動物を処置する方法を提供するが、この方法は:
i)処置すべき動物に有効量のα1−24を含む薬剤を投与すること;および
ii) 血管新生の阻害への該薬剤の効果をモニターすることを含む。
【0059】
この発明の好ましい方法において、該処置は腫瘍の発育の阻害である。
【0060】
代わりの処置方法において、α1−24を含むポリペプチドは、ポリペプチドの抗−血管新生効果を増大させる薬剤に追加的に接合され、会合されもしくは架橋される。
【0061】
典型的に、この薬剤は細胞毒剤、もう一つの抗−血管新生剤、前駆薬剤活性化酵素、化学療法剤、プロ−凝固剤もしくは免疫調整剤であり得るであろう。
【0062】
これらの例は技術上周知であリ、例えば、そして限定としてではなく、リシンA−鎖もしくはジフテリア毒のような細胞毒である;腫瘍(例えば、VEGF、bFGF、TNFアルファ、PDGF)中において重要なプロ−血管新生因子のアンタゴニストとしては以下に挙げられる:これらの因子に対して中和する抗体もしくは受容体、またはそれらの受容体(例えば、VEGF受容体に対するSU5416、Flk−1/KDR)に対するチロシンキナーゼ阻害剤;全身投与時に前駆薬剤、ガンシクロビルを活性化する、ヒトのシンプレックスウイルス−チミジンキナーゼHSV−TK、のような前駆薬剤活性化酵素;ならびにネオカルジノスタチン;シスプラチン;カルボプラチン;シクロホスファミド;メルファラン;カルムスリン;メソトレキセート;5−フルオロウラシル;シタラビン;メルカプトプリン;ダウノルビシン;ドキソルビシン;エピルビシン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ダクチノマイシン;マイトマイシンC;タキソール;L−アスパラギナーゼ;G−CSF;チャリチアミシン(chalicheamicin)もしくはエスペラミシンのようなエンジイン;クロラムブシル;ARA−C;ビンデシン;ブレオマイシン;およびエトポシド、のような化学療法剤。
【0063】
これに加えて、もしくはこれに代えて、ヒト組織因子 (トランケートされた形態の組織因子(tTF)) の細胞表面ドメインはまたα1−24と会合し得るであろう。トランケートされたTFは、血行中で遊離しているときにはある程度の抗−内皮活性を有するが、腫瘍内皮細胞の表面へ目標を向けるときには効果的でかつ選択的なトロンボゲン(即ち、血管中で広大な血栓症と凝固を引き起こす)になる。
【0064】
免疫調整因子の例はヒトIgG1のFcエフェクタードメインである。これはナチュラルキラー(NK)細胞およびまた、補体カスケードを開始するClqタンパク質と結合する。それから、NK細胞および補体は標的の内皮細胞に対して強力な細胞溶解反応を活性化する。
【0065】
α1−24および治療剤の上の組合せはまた、血管新生に依存する他の異常/疾患の処置に関して恩恵を持つであろうことは明らかであるであろう。例えば、新生血管緑内障、慢性関節リウマチ、乾癬および糖尿病性網膜症である。
【0066】
なおさらなる代わりの処置方法において、該遺伝子治療ベクターは、α1−24の抗−血管新生効果を増大する薬剤をコードする核酸を含み、そしてそれ故にα1−24を含むポリペプチドをコードする該核酸はそれを支給される。
【0067】
この発明のなおさらなる態様にしたがい、α1−24を含むイメージング剤を提供する。
【0068】
α1−24を含むポリペプチドを用いて、イメージング剤を、例えば、腫瘍に目標を向けて、発育する腫瘍を確認するかもしくは腫瘍の成長を阻害する処置の効果をモニターすることは当業者に明らかであるであろう。α1−24およびさらなる抗−血管新生剤の両方を含む組合せ治療組成物はイメージング剤とさらに会合して、組合せ治療組成物の分布をモニターし、そして/もしくは該組合せ組成物の有効性をモニターすることもまた明らかであるであろう。
【0069】
イメージング剤を検出するために用いる方法は技術上周知でありそして、F18およびC11化合物の陽電子放射断層撮影法の検出を、例示としてそして限定としてではなく、含む。
【0070】
ここで、この発明の実施態様を以下の図を参照して、単に例示として、説明する。
図1は、フィブリノーゲンEのα−β−γ−ポリペプチドの核酸およびアミノ酸配列を表す。
【0071】
図2は、インビトロでHuDMECによる細管形成へのフィブリノーゲンEフラグメント(パネルA)おおびフィブリンEフラグメント(パネルB)の効果の比較を表す。VEGFもしくはbFGFの非存在下(空白バー)もしくは存在下(着色バー)における細管形成によりカバーされる平均(±SEM)面積である。それぞれの試験条件を3個の反復ウェル中で行い、全面積をの三つの無作為に選択した視野で測定した(n=9)。関連する対照群に関する*p<0.005である;
【0072】
図3は、抗−血管新生フィブリノーゲンEフラグメント(A)おおびプロ−血管新生フィブリンEフラグメント(B)間で構造の相違を示す概略図を表す。唯一の相違は、16個のアミノ酸のフィブリノペプチドAの存在(フィブリノーゲンEフラグメント)もしくは不存在(フィブリンEフラグメント)である;
【0073】
図4は、VEGFもしくはbFGFの非存在下もしくは存在下における、インビトロでSVEC4−10による細管形成へのα1−24(β−彎曲)の効果を表す。上部パネル(A):外因性因子(対照)(I)の非存在下または100nM α1−24 (II)、VEGF 10ng/ml(III)もしくは10ng/ml VEGF+100nM α1−24の存在下におけるGF−低減マトリゲルアッセイ(×40対物レンズ)での細管形成。下部パネル(B):VEGFもしくはbFGFの非存在下(空白バー)もしくは存在下(灰色バー)における細管形成の平均(±SEM)面積。n=9、関連する対照群に関する*p<0.03である;
【0074】
図5Aはα1−24ペプチドをコードする核酸配列である;図5Bはα1−24ペプチドの直線アミノ酸配列および種々の修飾α1−24ペプチドのアミノ酸配列を表す;
【0075】
図6は、マウス中の腫瘍成長に対する非修飾α1−24ペプチドのインビボの効果を図示する。Balb/cマウス中のCT26腫瘍の成長に対するPBS中25μg/kgのα1−24ペプチドもしくはPBS単独(対照)の毎日注射(腹腔内)の効果 (二つの別々の実験からのデータ) である;
【0076】
図7は、アルギニン23からアラニンへの置換(R23A)について抗−血管新生活性の比較を表す;α1−24対照ペプチドおよびトランケートされたα1−24(アミノ酸17〜24)である;
図8はアラニン置換α1−24ペプチド(G4A、G6A、G17A)の抗−血管新生活性を表す;
【0077】
図9はアラニン置換α1−24ペプチド(D7AおよびR19)ならびに(R16A)の抗−血管新生活性を表す;
【0078】
図10は、α1−24ペプチドへの末端修飾(アセチル化およびアミド化)の抗−血管新生活性を表す。インビトロでHuDMEC(10ng/ml VEGFの有無で)による細管形成へのアルファ1−24ペプチドの阻害効果に対する末端修飾(TMa)の効果である;ならびに
【0079】
図11は、インビトロでHuDMEC(10ng/ml VEGFの存在もしくは不存在下で)による細管形成に対する広い濃度範囲のアルファ1−24ペプチドの効果を表す。
【0080】
物質および方法
成人ヒト皮膚微小血管内皮細胞(HuDMEC)を市販(TCS Biologicals, Buckinghamshire、英国)で入手して、微小血管内皮細胞育成培地(EGM)中で培養した。この培地は、ヘパリン(10ng/ml)、ヒドロコルチゾン、ヒト内皮成長因子(10ng/ml)、ヒト繊維芽細胞成長因子(10ng/ml)(このような内皮成長因子は、HuDMECの日常的継代培養に必要である)およびジブチリルサイクリックAMPを含む。これに、5%熱不活化FCS、50μg/mlゲンタマイシンおよび50ng/mlアンホテリシンB(TCS Biologicals, Buckinghamshire、英国)を補充した。マウス内皮細胞(SVEC4−10)をATCCから入手し、DMEM+10%FCS中で培養した。細胞を、37℃、100%加湿インキュベーターにて5%炭酸ガス気相中で育成させて、そしてマイコプラズマのスクリーニングを型通りに行った。以下に示すアッセイでそれらを使用する前に、80%密集度にまでHuDMECを育成させ、DMEM+1%FCS中で2時間インキュベートし、それから、0.05%トリプシン溶液で収穫し、2回洗浄しそしてそれぞれのアッセイに必要な細胞密度に再懸濁した(以下参照)。
【0081】
タンパク質およびペプチド
ヒトフィブリノーゲン(Fgn)Eフラグメントを、Diagnostica Stago, Asnieres、フランスより購入した。これは、フィブリノーゲンをプラスミンで切断して生成させ、そして電気泳動、免疫−電気泳動、イオン交換およびゲルろ過で精製されたものである。ヒトフィブリン(Fn)Eフラグメントを産生するために、以前記載されているように(10)、FgnEフラグメントをヒトトロンビン(Sigma−Aldrich Co, Dorset、英国)で消化した。我々のアッセイに及ぼすFnEフラグメント試料中の微量トロンビンの可能な効果を制御するために、同量のトロンビン(0.5U/ml)を加え、FnEフラグメントを用いる実験で使用する培地を制御した。HPLCで精製したFpAを、Bachem Ltd., Saffron Walden、英国から市販で入手した。このペプチドはFnEフラグメントの生成でFgnEフラグメントから切断されており、アッセイで微量に存在するであろうから、このペプチドをこの研究に含めた。FMOCアミノ酸と合成機を用いる標準的なペプチド合成法により、ベータ彎曲(α1−24)を産生させた。質量分析でペプチドの純度を点検した。
【0082】
細管形成アッセイ
30μl/ウェルの成長因子低減(GF低減)Matrigel(Becton Dickinson Labware, Bedford, MA)で24ウェルプレートを被覆した。このマトリックス上で平板培養された内皮細胞は遊走し、以前記載されているように(14)、平板培養の6時間以内に細管に分化する。4×10細胞/mlの密度でHuDMECもしくはSVEC4−10細胞を接種し、DMEM+1%FCS単独(コントロール)、またはこの培地±10ng/mlのVEGFもしくはbFGFのどちらかの、500μl中で、フィブリノーゲンEフラグメント、フィブリンEフラグメント、FpAもしくはα1−24の存在下もしくは非存在下で、6時間インキュベートした。細管形成の評価は、70%エタノール中、4℃で15分間の細胞試料の固定、PBS中でのすすぎそしてヘマトキシリンおよびエオシンによる染色を伴った。それぞれの試験条件について3個の反復ウェルでの三つの無作為視野を低倍率(×40倍率)下で視覚化し、そしてペンチナムIIIコンピュータ(フレームグラバーボードを含む)に連結したフジデジタルカメラを用いてカラーイメージを捕獲した。Scion Imageの提供する画像解析ソフトを用いて、細管分枝数およびそれぞれの視野の中で細管によりカバーされている全面積を計数して、細管形成を評価した。
【0083】
遊走アッセイ
Boydenチェンバー手法を(13)から適応しそして使用して、VEGF(10ng/ml)もしくはbFGF(10ng/ml)のいずれかの濃度勾配に向いて多孔質膜を横断するHuDMECの遊走を評価した。Neuro Probe 48ウェル ミクロ走化性チェンバー(Neuro Probe Inc, Cabin John, MD)を、100μg/mlコラーゲンIV型で被覆した孔径8μmのポリカーボネート膜(Neuro Probe Inc, Cabin John, MD)と共に用いた。10ng/mlのVEGFもしくはbFGFを単独で、または種々の濃度のフィブリノーゲンEフラグメント、フィブンEフラグメント、FpAもしくはα1−24と一緒で、DMEM+1%FCS中に溶解し、下部のウェルに入れた。それから、この上にコラーゲンで被覆した膜を置き、そして25×10個のHuDMEC/ml(1%FCS含有DMEM中で)の50μlを上部のチェンバーに加えた。それから、チェンバーを37℃で4.5時間インキュベートした。それから、チェンバーを取り外し、膜を取り除いて未遊走の細胞を上部表面から擦り落とした。下部表面上の遊走した細胞をメタノールで固定し、Hema Gurr’迅速染色キット(Merck, Leics、英国)で染色し、そして光学顕微鏡(×160倍率)を用いてウェル当たり三つの無作為視野で計数した。3〜6個の反復ウェル中でそれぞれの試験条件を実施し、そしてそれぞれの実験を三回反復した。
【0084】
増殖アッセイ
以前記載(12)されているように、MTT(臭化3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウム)アッセイを用いて、フィブリノーゲンEフラグメント、フィブリンEフラグメント、FpAもしくはα1−24の非存在下もしくは存在下で、VEGFもしくはbFGFによって誘導されるHuDMECの増殖を評価した。96ウェルマイクロタイタープレート内に試験溶液中において、DMEM+1%FCS±10ng/mlのVEGFもしくはbFGF中で、3×10細胞/100μlのHuDMECを、4.5および6時間で接種した。これらの時点で、MTT溶液(2mgMTT/mlPBS)の四分の一容量をそれぞれのウェルに加え、それぞれのウェルを4時間、37℃でインキュベートして不溶性の紫色ホルマザン生成物を得た。培地を吸引し、そして沈殿をpH10.5に緩衝化したDMSO100μlに溶解した。それから、Dynex ELISA プレートリーダーで540nmにて吸光度を読み取った。
【0085】
細胞毒性アッセイ
フィブリノーゲンEフラグメント、フィブリンEフラグメント、FpAもしくはα1−24の非存在下もしくは存在下で、24ウェル−プレート中にウェル当たり1〜2×10細胞の密度で、HuDMECを接種した。6時間後、生存(トリプシン化による除去の後)および死滅(浮遊)細胞を収穫し、488nmにおいて15mWの青色レーザー励起を装備したFACScan(Becton Dickinson)を用いて、処置毎に三組の試料のそれぞれにおいて、5000個の細胞の沃化プロピジウム染色を用いて、存在する全細胞の細胞生存率を評価した。データを収集し、Cell Questソフトウェア(Becton Dickinson)を用いて解析した。
【0086】
α1−24ペプチドのインビボ効能
Sheffield Field Laboratoriesから入手した体重15gの6週令Balb/Cマウスで、実験を実施した。すべての実験は、Home Office Project Licence Number PPL50/1414により承認された。
【0087】
腫瘍細胞培養
10%ウシ胎児血清、ならびに1%ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むダルベッコの最少イ−グル培地中で、CT26細胞株をインビトロ継代により維持し、37℃にて空気中5%炭酸ガスの加湿雰囲気中で維持した。細胞株を型通りに点検し、マイコプラズマが無いことを確認した(マイコプラズマ迅速検出システム、Gena−Probe Incorporated、米国)。
【0088】
皮下腫瘍移植
ジアゼパム(0.5mg/ml,Dumex Ltd.)およびヒプノルム(0.0315mg/mlクエン酸フェンタニルおよび1mg/mlフルアニゾン,Janssen Pharmaceutical Ltd.)を1:1の比率で、0.1ml/200g体重の容量にて、必要な場合は十分な麻酔を維持するために補充して、動物を麻酔した。未投薬Balb/Cマウスを、毛皮の除去後、皮下的に右側腹部で免疫した。無血清培地100μlに懸濁した動物当たり3×10個の生存可能CT26細胞の濃度で、腫瘍細胞を注射した。それから、動物を回復させた。腫瘍の成長および動物重量を毎日モニターした。
【0089】
ペプチドα1−24の投与
腫瘍成長を毎日測定し、群中の大多数の動物が、100mm以上/350mm以下の腫瘍体積を有したとき、動物を実験および対照群に分けた。これは、腫瘍細胞懸濁液を移植後14日と18日の間で起きた。それから、動物は、活性薬剤(100mMペプチドα1−24;100μl)もしくはビークル(リン酸緩衝生理食塩液、100μl)のいずれかの腹腔内(ip)注射を受けた。対照動物における腫瘍成長がHome Office法で許容される最大負荷に達するまで、毎日の注射を継続した。
【0090】
腫瘍成長の評価
垂直直径のキャリパー測定により腫瘍体積を評価し、そして次式を用いて体積を推定した:
体積=(a×b)/2
式中、aは小直径でありそしてbは大直径である。
毎日の基準で動物を重量計測し、一般的な良好な生活状態をモニターした。
【0091】
統計的解析
すべての実験を少なくとも三回実施し、そして解析されているデータ中でGaussian分布を仮定しない非パラメータ検定である、Mann−Whitney U検定を用いて、データを解析した。P≦0.05を有意とした。
【0092】
残存レベルの成長因子がこのマトリックス中に存在していることは注目すべきであるが、内皮細胞が伸長しそしてGF−低減Matrigel上で外因性刺激の非存在下にて細管を形成し始めるように見えた。それ故に、このアッセイは、血管新生経路における主要なステップの一つ、分化のモデルとして使用される。分枝数は同様な図的様式を生み出すけれども(データ表示せず)、引き続く細管形成を、細管によりカバーされる面積として測定する。この分化過程は、このアッセイシステム内の培養培地にVEGF(10ng/ml)もしくはbFGF(10ng/ml)のいずれかの添加で有意に(P<0.001)増強された。このシステムへのα1−24(β彎曲)の添加は、図4に示すように成長因子の非存在下および存在下の両方で、細管形成を有意に(P<0.03)低減した。
【0093】
図4に示した結果から、我々はペプチドα1−24がフィブリノーゲンEフラグメントの活性部位を含むと結論する。24個のアミノ酸ペプチドは、恐らくさらに複雑なポリペプチド構造のフィブリノーゲンEフラグメントよりもより大きな治療的有用性を有するであろうが、これは後者は血液から誘導化されるフィブリノーゲンの切断によって作られるべきであるからである。対照的に、α1−24は合成的もしくは組換え手法によって作成できる、さらに小さいペプチドである。また、がんもしくは他の血管新生依存性疾患の処置のための遺伝子治療プロトコルの一部として、これを使用することも可能であり得る。そこで、我々はα1−24ペプチドのインビボ有効性を測定した。
【0094】
α1−24ペプチドのインビボ有効性
実施例1
実験動物(n=6)を腹腔内によりα1−24で、対照動物(n=7)を腹腔内によりビークルで毎日処置した。開始した腫瘍体積は両群の動物で同様であった(実験対対照、235±30対198±28mm)。対照群の腫瘍は、14日間にわたり着実な速度で成長し続け、最終腫瘍体積は2245±371mmに達した。対照的に、実験群における腫瘍は、4日目までは同様な成長速度を有し、そこで成長が低減した。それから、7日目で腫瘍は対照と同様な速度で成長を続けたが、体積は低減していた。10日目までに腫瘍成長は再び安定し14日目に到り、最終腫瘍体積は1341±145mmであった(P<0.001)。
【0095】
実験動物(n=7)を腹腔内によりα1−24で、対照動物(n=7)を腹腔内によりビークルで毎日処置した。開始した腫瘍体積は両群の動物で同様であった(実験対対照、338±39対300±65mm)。対照群の腫瘍は、12日間にわたり着実な速度で成長し続け、最終腫瘍体積は3072±255mmに達した。対照的に、実験群における腫瘍は7日目までは対照群と同様な成長速度を有し、そこで成長は、動物を12日目で屠殺するまで安定し、最終腫瘍体積は2029±504mmであった(P<0.001)。
【0096】
それ故にこのデータ、図6参照、はインビボでの抗−血管新生剤としてのペプチドα1−24の潜在力を実証している。さらに、α1−24のペプチド変異体も、非修飾α1−24と同様な阻害活性を示す、図7〜9参照。また、アセチル化およびアミド化によるα1−24の修飾は、抗−血管新生効果に影響を与えない。
【0097】
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、フィブリノーゲンEのα−β−γ−ポリペプチドの核酸およびアミノ酸配列を表す。
【図2】図2は、インビトロでHuDMECによる細管形成へのフィブリノーゲンEフラグメント(パネルA)おおびフィブリンEフラグメント(パネルB)の効果の比較を表す。
【図3】図3は、抗−血管新生フィブリノーゲンEフラグメント(A)おおびプロ−血管新生フィブリンEフラグメント(B)間で構造の相違を示す概略図を表す。唯一の相違は、16個のアミノ酸のフィブリノペプチドAの存在(フィブリノーゲンEフラグメント)もしくは不存在(フィブリンEフラグメント)である。
【図4】図4は、VEGFもしくはbFGFの非存在下もしくは存在下における、インビトロでSVEC4−10による細管形成へのα1−24(β−彎曲)の効果を表す。
【図5A】図5Aはα1−24ペプチドをコードする核酸配列である。
【図5B】図5Bはα1−24ペプチドの直線アミノ酸配列および種々の修飾α1−24ペプチドのアミノ酸配列を表す。
【図6】図6は、マウス中の腫瘍成長に対する非修飾α1−24ペプチドのインビボの効果を表す。
【図7】図7は、アルギニン23からアラニンへの置換(R23A)について抗−血管新生活性の比較を表す。
【図8】図8はアラニン置換α1−24ペプチド(G4A、G6A、G17A)の抗−血管新生活性を表す。
【図9】図9はアラニン置換α1−24ペプチド(D7AおよびR19)ならびに(R16A)の抗−血管新生活性を表す。
【図10】図10は、α1−24ペプチドへの末端修飾(アセチル化およびアミド化)の抗−血管新生活性を表す。
【図11】図11は、インビトロでHuDMEC(10ng/ml VEGFの存在もしくは不存在下で)による細管形成に対する広い濃度範囲のアルファ1−24ペプチドの効果を表す。

Claims (40)

  1. i)配列:
    Figure 2004512832
    〔配列中、Xは任意のアミノ酸残基である。〕
    を有するペプチド;
    ii)アミノ酸残基Xが以下のグループ:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンから選択される、(i)で表されるペプチド;および
    iii)抗−血管新生活性を有する、(i)もしくは(ii)で表されるペプチド:からなるグループから選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  2. 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドは下記のグループ:
    Figure 2004512832
    から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  3. Xがアラニンである、請求項1もしくは2に記載のポリペプチド。
  4. 該ポリペプチドが配列:
    Figure 2004512832
    を含む、請求項1もしくは2に記載のポリペプチド。
  5. ポリペプチドが長さで少なくとも24個のアミノ酸残基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  6. ポリペプチドが24個のアミノ酸ポリペプチドの活性フラグメントである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  7. ポリペプチドがアミノ酸配列ADSGEGDFLAEGGGVRGPRVVERHからなる、請求項5に記載のポリペプチド。
  8. ポリペプチドがアセチル化されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  9. 該アセチル化が該ポリペプチドのアミノ末端にされている、請求項8に記載のポリペプチド。
  10. α1−24ペプチドのアミノ末端アラニンアミノ酸がアセチル化されている、請求項9に記載のポリペプチド。
  11. 該ポリペプチドがアミド化されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  12. 該アミド化が該ポリペプチドのカルボキシル末端にされている、請求項11に記載のポリペプチド。
  13. α1−24ペプチドのカルボキシル−末端ヒスチジンアミノ酸がアミド化されている、請求項12に記載のポリペプチド。
  14. 該ポリペプチドがアセチル化およびアミド化の両方により修飾されている、請求項8〜13いずれか1項に記載のポリペプチド。
  15. 該アセチル化がα1−24ペプチドのアミノ末端アラニンアミノ酸にされそして該アミド化がα1−24ペプチドのカルボキシル−末端ヒスチジンにされている、請求項14に記載のポリペプチド。
  16. 該ポリペプチドが環化により修飾されている、請求項1〜15いずれか1項に記載のポリペプチド。
  17. 以下のグル−プ:
    i)図6で表されるようなDNA配列;
    ii)請求項1〜6のいずれか1項に記載のペプチドをコードする、少なくとも一つのコドン内で少なくとも一つのヌクレオチド塩基の挿入、欠失もしくは置換により修飾されている、図6で表されるようなDNA配列;
    iii)抗−血管新生活性を有するペプチドをコードするところの図6に示される配列にハイブリダイズする、DNA配列;および
    iv)(i)、(ii)もしくは(iii)で規定されるDNA配列への遺伝子コードの結果として縮重しているDNA配列、から選択されるDNA配列を含む核酸分子。
  18. 該核酸分子がストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件下でアニールする、請求項17に記載の核酸分子。
  19. ストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件が:4〜6×SSPE;5〜10×デンハート溶液;100μg〜1.0mg/mlの超音波処理したサケ/ニシンDNA;0.1〜1.0%ドデシル硫酸ナトリウム;40〜60%の脱イオンホルムアミド;および42〜65℃の間の温度、を含む請求項18に記載の核酸分子。
  20. 少なくとも一つのα1−24ペプチド、もしくはその部分を含む医薬組成物。
  21. 図5Bで表されるアミノ酸配列により表されるような少なくとも一つのα1−24ペプチドからなる、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 少なくとも一つのα1−24ペプチドを含みそして少なくとも一つの化学療法剤をさらに含む医薬組成物。
  23. 該薬剤が、ネオカルジノスタチン;シスプラチン;カルボプラチン;シクロホスファミド;メルファラン;カルムスリン;メソトレキセート;5−フルオロウラシル;シタラビン;メルカプトプリン;ダウノルビシン;ドキソルビシン;エピルビシン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ダクチノマイシン;マイトマイシンC;タキソール;L−アスパラギナーゼ;G−CSF;チャリチアミシンもしくはエスペラミシンのようなエンジイン;クロラムブシル;アラ−C;ビンデシン;ブレオマイシン;およびエトポシド:からなるグル−プから選択される、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. がんの処置に使用するための医薬品の製造におけるα1−24ペプチド、もしくはその部分、を含むポリペプチドの使用。
  25. α1−24ペプチド、もしくはその部分、を含むポリペプチドをコードする核酸分子を含む、ベクター。
  26. 該ベクターが原核の発現ベクターである、請求項25に記載のベクター。
  27. 該ベクターが真核の発現ベクターである、請求項25に記載のベクター。
  28. 該ベクターが遺伝子治療ベクターである、請求項27に記載のベクター。
  29. 該遺伝子治療ベクターが以下のウイルス:アデノウイルス;アデノ−関連ウイルス;ヘルペスウイルス;レンチウイルス;ワクチニアウイルス;バキュロウイルス、から選択されるウイルスベースのベクターである、請求項28に記載のベクター。
  30. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の核酸もしくは請求項25〜29のいずれか1項に記載のベクターと形質転換またはトランスフェクトされる、細胞。
  31. i)請求項30にしたがう細胞を提供すること;
    ii)α1−24を含むポリペプチドの製造に実施的な条件を提供すること;および
    iii)該ポリペプチドを細胞から、もしくは細胞培養環境から精製すること:を含む、α1−24を含むポリペプチドの製造のための方法。
  32. 該動物がα1−24を含むポリペプチドをコードする核酸分子をそのゲノム内に組入れることを特徴とする非−ヒトの、形質転換動物。
  33. トランス遺伝子はヒトの起源である、請求項32に記載の非−ヒトの形質転換動物。
  34. i)処置すべき動物にα1−24を含む薬剤の有効量を投与すること;および
    ii)血管新生の阻害への該薬剤の効果をモニターすること:を含む血管新生の阻害の恩恵を受けるであろう動物を処置する方法。
  35. i)処置すべき動物に請求項20もしくは21に記載の医薬組成物の有効量を投与すること;および
    ii)血管新生の阻害への該組成物の効果をモニターすること:を含む血管新生の阻害の恩恵を受けるであろう動物を処置する方法。
  36. α1−24ペプチドを含むポリペプチドが、化学療法剤に接合され、会合されもしくは架橋される、請求項34もしくは35に記載の方法。
  37. i)請求項17〜19のいずれか1項に記載の核酸または請求項28もしくは29に記載のベクターの有効量を投与すること;および
    ii)血管新生の阻害への(i)における核酸のトランスフェクションの効果をモニターすること:を含む血管新生の阻害の恩恵を受けるであろう動物を処置する方法。
  38. 該処置が腫瘍の発育の阻害である、請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 該動物はヒトである、請求項34〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 検出可能な標識と接合させるか、会合させるかもしくは架橋させたα1−24ポリペプチドを含む、イメージング剤。
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