JP2010523628A - 抗腫瘍薬、医薬品、組成物、及びその使用 - Google Patents

抗腫瘍薬、医薬品、組成物、及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有する活性ポリペプチド、あるいは少なくとも21連続アミノ酸を有するその断片、又は前記断片のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するペプチドであるが、但し配列番号2、その変異体及び抗原性断片、配列番号16又は配列番号17でないポリペプチドに関する。

Description

本発明は、癌のための治療の分野に関する。さらに特定的には、本発明は、テトラスパニン・スーパーファミリーに属するタンパク質由来のポリペプチドによる癌の治療に関する。
癌は、細胞の非制御分裂、並びに侵襲による隣接組織中への直接増殖により、又は転移による遠位部位への移植により(この場合、癌細胞は血流又はリンパ系を介して運搬される)広がるこれらの細胞の能力により特性化される疾患又は障害の一クラスである。癌は全ての年齢の人々に影響を及ぼし得るが、しかし危険は年齢に伴って増大する傾向がある。それは、先進国における死亡の主因の1つである。
多数の型の癌が存在する。症候の重症度は、悪性疾患の部位及び特質に、そして転移が存在するか否かによっている。一旦診断されると、癌は通常は、外科手術、化学療法及び放射線療法の組合せで治療される。研究が発展するにつれて、治療は癌病態の型により特異的になりつつある。特定の癌を標的にする薬は、いくつかの癌に関してはすでに存在する。治療されない場合、癌は最終的には疾病及び死を引き起こすが、しかしこれはいつもそうであるわけではない。
最新治療は、悪性細胞の別個の特性、例えばアポトーシスの回避、テロメラーゼの過多のための無限増殖能力(不死化)、増殖因子の自給自足性、抗増殖因子に対する非感受性、細胞分裂速度の増大、分化能力変更、接触抑制に関する無能力、隣接組織を侵襲する能力、遠位部位に転移を形成する能力、血管成長(血管新生)を促進する能力を標的にする。
腫瘍血管新生は、腫瘍中に貫入して、栄養素及び酸素を供給し、そして老廃物を除去する血管の網状構造の増殖である。腫瘍血管新生は、実際は、周囲の正常な宿主組織にシグナルを送る分子を放出する癌性腫瘍細胞をもって開始する。このシグナル伝達は、宿主組織中のある種の遺伝子を活性化し、これが順次、新規血管の成長を促進させるタンパク質を生成する。固形腫瘍は、それらの増殖のために必要な栄養素及び酸素を得るために、新規血管の形成を促進しなければならず、したがって腫瘍が遠位部位に転移し得る経路を提供する。
実験的証拠は、種々の因子、例えば酸性繊維芽細胞増殖因子(aFGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、形質転換増殖因子アルファ(TGF−アルファ)、腫瘍壊死増殖因子アルファ(TNF−アルファ)、並びに多数のその他のもの(Liotta et al., 1991, Cell 64: 327-336;Hanahan et al., Cell 86: 353-364)の生成により悪性腫瘍が血管新生を誘導し得る、ということを示唆している。
今日では、血管新生をターゲッティングする多数の化学療法分子が市販されている。良く知られた天然血管新生阻害剤は、アンギオスタチン、エンドスタチン、インターフェロン、血小板因子4、プロラクチン16 Kd断片、トロンボスポンジン、TIMP−1(メタロプロテアーゼ−1の組織阻害剤)、TIMP−2及びTIMP−3である。これらの分子は、化学療法的治療薬として、並びにその他の薬剤、例えばコンブレスタチンA4、EMD121974、TNP−470、スクアラミン、サリドマイド、インターフェロン−アルファ、抗VEGF、抗体として用いられ得る。しかしながら、それらの効率は決して十分でなく、代替的治療が望ましい。
したがって、効率増大を示し、低侵襲性又は低毒性であり、そして回復率増大を生じる、腫瘍の治療のための代替的化学療法薬が必要とされている。
WO 03/074073(出願人名で)は、血管新生の調節に関与する54遺伝子の一ファミリーを記載する。これらの遺伝子の中で、「タンパク質497」をコードする「遺伝子497」(本明細書中では配列番号2)(WO 03/074073においてはTM4SF2とも呼ばれる)は、血管新生の活性化(血管新生促進性)において暗示されるとして記載されている。遺伝子497の発現は、血管新生が血管新生促進因子、例えばVEGF及びFGF2により刺激されると、増強される。WO03/074073は、ヒト内皮細胞における遺伝子497のアンチセンスの発現、即ち、遺伝子497の発現の抑制が毛細管の形成を抑制する、ということも記載する。
バイオインフォマティクス分析は、244のアミノ酸を含むタンパク質497Cが1つの細胞外ループSEL(小細胞外ループ)、1つの細胞外ループLEL(大細胞外ループ)、4つの膜貫通スパン、及びN−及びC末端に対応する2つの細胞内尾部を含有する、ということを明示した。したがってこのタンパク質は、テトラスパニン・スーパーファミリーの一メンバーとして分類されている(Levy et al., Nat Rev Immunol. 2005 Feb; 5(2):
136-48)。
テトラスパニンは、広範囲の生物体において発現される進化的に保存された細胞表面タンパク質の大ファミリーである。このファミリーのメンバーは、細胞内シグナル伝達成分への外部刺激の伝達のための足場を提供する膜マイクロドメインにおいて、それらの相手と一緒に、互いに関連する傾向がある。基本的には、テトラスパニンは、保存された極性残基を含有し、小及び大細胞外ループ(それぞれSEL及びLEL)の側面に位置する4つの膜貫通(TM)ドメインを含む。LELは、らせんa、b及びeにより形成されるコアからなり、このコア構造はテトラスパニンの間で保存される。らせんc及びdはLELの可変部分を含み、そしてそれらはCCGモチーフを側面に置かれ、システイン残基をさらに保存される。この領域は、ジスルフィド架橋の結果として折りたたまれて、マッシュルーム様構造を形成する。
このスーパーファミリーのメンバーは、LELドメイン中に存在するシステイン残基の数に基づいて、3つの群に分類されている。群1はLELドメイン中に4つのシステインを含有し、群2はLELドメイン中に6つのシステインを含有し、そして群3はLELドメイン中に8つのシステインを含有する。
タンパク質497CはそのLELドメイン内に6つのシステインを含有するため、それはしたがって、このファミリーの別のメンバーであるタンパク質CD151と同様に、群2に分類され得た。これらのタンパク質のLELドメインは、6つのドメイン:a、b、c、d1、d2及びeを含み、これらの中で、d1、d2及びcはLELの可変部分に存する。
さらに深く研究して、本発明人等は、タンパク質497Cの細胞外ドメインSEL及びLELの種々の断片に対応するタンパク質497Cの短小化(truncated)形を作り出した:
− 497C−T2: 本明細書における配列番号3により同定されるタンパク質497Cの全LELドメイン(112アミノ酸);
− 497C−T3: 本明細書における配列番号4により同定されるLELドメインのc、d1、d2及びeドメイン(74アミノ酸);
− 497C−T4: 本明細書における配列番号5により同定されるLELドメインのd1、d2及びeドメイン(49アミノ酸);
− 497C−T5: 本明細書における配列番号6により同定されるLELドメインのd2及びeドメイン(43アミノ酸);
これらの断片の三次元立体配置、即ちLELドメインの三次元立体配座を、したがってそれらの潜在的活性を確証するために、本発明人等は、一実施形態によって、断片のC末端に尾部を付加した。この尾部は、30〜70アミノ酸、好ましくは45〜65アミノ酸、さらに好ましくは50〜60アミノ酸、さらに好ましくは約55アミノ酸で構成された。この尾部はそれ自体活性を有さず、その推定される役割は、LEL断片の三次元構造を安定化すること、即ち、生物学的活性形態で折りたたまれたポリペプチドを保持することである。
第一の実施形態において、タンパク質497C−T2が用量依存的にin vitroでヒト内皮細胞増殖を抑制し得る、ということを本発明人等は見出した。
次に、第二の実施形態では、短小化形のタンパク質497Cが用量依存的にin vitroで毛細管形成を抑制するための強力な活性を有し得る、ということを本発明人等は意外にも見出した。
本発明人等により実行された他の実施形態は、短小化形のタンパク質497Cが用量依存的にin vitroで内皮細胞の遊走の抑制を誘導する、ということを示した。497C−T2による血管新生の抑制に関する用量反応研究の結果は、270 nMでは、組換えタンパク質497C−T2は小抑制を誘導するが、一方、540 nMでは、497C−T2はin vitroでの血管新生を50%より多く抑制し得る(即ち、IC50<540 nM)、ということを明示した。これは、組換えタンパク質497C−T2が強力な抗血管新生化合物であるということを、そしてそれが抗VEGF mAb及び/又はVEGF受容体(KDR)ベースの同定されたペプチドより少なくとも200倍以上強力であり得る、ということを実証した(Binetruy-Tournaire R et al., Identification of a peptides blocking vascular endothelial growth factor (VEGF)-mediated angiogenesis, EMBO J. 2000; 19: 1525-1533)。
毛細管形成、ヒト内皮細胞増殖及びヒト内皮細胞遊走は、血管新生の3つの必須ステップである。その結果として、497C−T2が用量依存的に毛細管形成、ヒト内皮細胞増殖及び/叉は遊走をin vitroで抑制し得るという事実は、したがって、短小化形のタンパク質497Cの強力な抗血管新生活性の強固な証拠を構成した。
ネイティブタンパク質497Cは血管新生促進性があるとして、そしてヒト内皮細胞における遺伝子497のアンチセンスの発現、即ち、遺伝子497の抑制が毛細管の形成を抑制すると開示されているため、これらの結果は全て、全く予測されなかった。したがって、短小化形のタンパク質497Cが抗血管新生活性を有するということは、本当に意外であった。
さらに、高濃度でも如何なる検出可能な抗増殖作用も伴わない多数の細胞株、例えば繊維芽細胞株MRC5、CHO、腫瘍細胞株Calu−6、NCI−H460等の増殖に及ぼす497C−T2の作用を、本発明人等は試験した。それに反して、497C−T2は、500 nMという低い濃度に関してヒト内皮細胞増殖を有意に抑制し、5 μMで75%抑制を達成した。それゆえ、今日利用可能な抗VEGF療法的戦略より強力であるということのほかに、497C−T2は内皮細胞に対して高特異性である。
興味深いことに、a及びbドメインを欠く短小化形497C−T3は血管新生及び細胞遊走の抑制に関して497C−T2と比べてほぼ同じくらい強力であるということを本発明人等は見出したが、これは、a及びbドメインは497C−T2の生物学的活性に、及び/又は生物学的活性に必要な三次元立体配座にわずかに寄与するだけである、ということを示す。短小化形497C−T4(a、b及びcドメインを欠く)及び497C−T5(a、b、c及びd1ドメインを欠く)は497C−T2に比して限定された活性を有したが、これは、c及びd1ドメインがともにタンパク質497C−T2の活性に必要である、ということを示す。
これらの結果も予測されなかったことであり、in vivoでのマウスにおける497C−T2の抗腫瘍活性を本発明人等に試験させた。
さらに意外なことに、タンパク質497C−T2がin vivoでの強力な抗腫瘍活性を、そして他の化学療法薬、例えばシスプラチンと組合せて強力な相乗活性を有する、ということを本発明人等は見出した。
試験物質497C−T2は、異なる試験用量でヒトNCI H460又はCALU−6腫瘍を保有するヌードマウスにおいて有毒でない、ということを本発明人等は見出した。さらに、497C−T2は、治療(CDDPと組合せた二次IP注射)の開始後2日という早期に、NCI H460及びCALU−6腫瘍に対する強力な統計学的に有意の抗腫瘍活性を示した。この抗腫瘍活性は、治療期間中、持続した。ヒト肺癌のこのモデルにおける497C−T2の抗腫瘍作用は、単剤療法としての現実的療法的アプローチを表した。その効能は、腫瘍増殖を抑制する細胞傷害性抗癌薬CDDP(シスプラチン)と組合された場合、強く高められた。他方で、シスプラチン単独は、腫瘍増殖を根絶しなかった。
497C−T2の抗血管新生活性が単にその抗腫瘍活性の原因であるか否かは明らかでない。生物学的化合物、例えばインターフェロン、EGF及びHer−2受容体アンタゴニストは、宿主応答を調整し、そして標準化学療法の効力を増強し得る、ということが目下、是認されている。497C−T2は一次抗腫瘍薬として、又は癌の治療のための一次細胞傷害性薬への追加的な相乗療法として用いるためのものであり得る、ということをデータは強力に示唆した。
上記のように、タンパク質497Cは内皮細胞中で発現され、そしてその発現は、VEGF及びFGF2のような血管新生促進因子により刺激されると増強される、ということが、目下、確立されている(WO 2003/074073参照)。タンパク質497Cは、テトラスパニン・スーパーファミリーに属するが、これは、細胞外シグナルの認識において暗示される2つの細胞外ループ、そしてシグナルの伝達において暗示される2つの細胞内尾部(C末端及びN末端)を含む膜貫通受容体である。シグナル伝達における重要な一特徴は、受容体およびリガンドの細胞外ループ間のリガンド−受容体複合体の形成である。理論と結びつけずに、短小化形の497Cは「可溶性受容体メカニズム」を介してそれらの役割を演じ得る、と出願人等は考える:短小化形の497Cは、細胞の表面で依然として可溶性であり得るし、リガンドにより認識され得る。その結果、可溶性形態の497C(本発明の断片)及びネイティブ膜貫通性タンパク質との間のリガンドの認識、その結果として、血管新生促進シグナルの伝達の用量依存的な低減において競合が認められ、したがって血管新生の抑制を、次に腫瘍容積の低減を生じ得る。
したがって本発明は、第一の態様において、配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有する活性ポリペプチド、あるいは少なくとも21連続アミノ酸を有するその断片、又は上記断片のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するペプチドに関するが、但し上記ポリペプチドは配列番号2、その抗原性断片、配列番号16又はその断片、及び配列番号17又はその断片でない。
本明細書中で用いる場合、「ペプチド」は、100未満のアミノ酸の、限定順序での連結から形成される短い分子を意味する。
本明細書中で用いる場合、「ポリペプチド」は、少なくとも100のアミノ酸の、限定順序での連結から形成される分子を意味する。
本明細書中で用いる場合、「活性ポリペプチド」は、生物学的活性を有するポリペプチドを意味する。本発明において、ポリペプチドは、抗血管新生及び抗腫瘍活性を有する。
本発明の一実施形態では、上記活性ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有し、あるいは少なくとも21連続アミノ酸を有するその断片、又は上記断片のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するペプチドを含むが、但し上記ポリペプチドは、配列番号2、その変異体及び抗原性断片、配列番号16又はその断片、及び配列番号17又はその断片でない。
配列番号2の「変異体」は、1、2又はそれより多くのアミノ酸が突然変異化される配列番号2を指す。このような変異体としては、例えば配列番号2内の残基からの欠失、又は残基への挿入又はその置換、あるいは欠失、挿入及び置換の任意の組合せが挙げられる。欠失、挿入及び置換の一例は、配列番号2と比較してその配列が5つの付加的N末端アミノ酸を有する249mer膜貫通4スーパーファミリーメンバー2タンパク質(P41732)に対応する配列番号37である。
本発明の一実施形態では、上記活性ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するか、あるいは少なくとも21連続アミノ酸を有するその断片、又は上記断片のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するペプチドを含むが、但し上記ポリペプチドは、配列番号2、その抗原性断片、配列番号37のような配列番号2の変異体、配列番号16又はその断片、及び配列番号17又はその断片でない。
一実施形態では、本発明によるポリペプチドは、活性三次元立体配座で折りたたまれたそれを有するための手段をさらに包含する。好ましくは、活性立体配座で折りたたまれたそれを有するための上記手段は、30〜70アミノ酸、好ましくは45〜65アミノ酸、さらに好ましくは50〜60アミノ酸、さらに好ましくは約55アミノ酸を含む任意の配列にあり、上記配列は上記ポリペプチドのC末端に融合される。好ましい一実施形態では、上記ポリペプチドのC末端に融合されている上記配列は、配列番号18(DRASP QPWRYRIRIL APSTSLRPHS STTTTTTXIR LLTKPERKLS WLLPPLSNN)である。
本明細書中で用いる場合、「三次元立体配座」は、ポリペプチドの第三次構造、即ちポリペプチドが生物学的機能を実施するその全体形状を意味する。
本明細書中で用いる場合、「断片」という用語は、抗腫瘍活性を有するタンパク質497CのLELドメインの短小化形を意味する。上記断片は、好ましくは、配列番号3の少なくとも21連続アミノ酸のアミノ酸配列を有する。特定の一実施形態では、断片は、少なくとも43連続アミノ酸のアミノ酸配列を有する。別の特定の実施形態では、上記断片は、配列番号4(74アミノ酸)、配列番号5(49アミノ酸)、又は配列番号6(43アミノ酸配列)のアミノ酸配列を有する。断片は、上記断片のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有し、そして抗腫瘍活性を有するペプチドも含む。
別の実施形態では、上記断片は、以下の配列を有する。:
配列番号19: DE RSRAVDHVQRSLSCCGVQ NYTNWSTSPY FLEHGIPPSC CMNETDCNPQ DLHNLTVAAT KVNQKGCYDL VTSFMETNMG IIAG
配列番号20: AAT KVNQKGCYDL VTSFMETNMG IIAG
配列番号21: ISGFVFRHEI KDTFLRTYTD AMQTYNGNDE RS
配列番号22: YNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQN
配列番号23: SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM N
配列番号24: EHGIPPSCCM NETDCNPQDLH
配列番号25: ETDCNPQDL HNL/TVAATKV NQKG
配列番号26: ISGFVFRHEI KDTFLRTYTD AMQTYNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY
配列番号27: ISGFVFRHEI KDTFLRTYTD AMQTYNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM N
配列番号28: ISGFVFRHEI KDTFLRTYTD AMQTYNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM NETDCNPQDL
配列番号29: ISGFVFRHEI KDTFLRTYTD AMQTYNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM NETDCNPQDL HNLTVAATKV NQKG
配列番号30: YNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM N
配列番号31: YNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM NETDCNPQDL
配列番号32: YNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM NETDCNPQDL HNLTVAATKV NQKG
配列番号33: YNGNDE RSRAVDHVQR SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM NETDCNPQDL HNLTVAATKV NQKGCYDLVT SFMETNMGII AG
配列番号34: SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM NETDCNPQD
配列番号35: SLSCCGVQNY TNWSTSPYFL EHGIPPSCCM NETDCNPQDL HNLTVAATKV
配列番号36: IPPSCCM NETDCNPQDL HNLTVAATKV NQKG
上記断片のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有し、そして抗腫瘍活性を有するペプチドも本発明に包含される。
一実施形態では、少なくとも21連続アミノ酸を有する配列番号3の上記断片は、配列番号4〜6、及び配列番号19〜36、あるいは上記断片と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するペプチドから選択される。
好ましい一実施形態では、少なくとも21連続アミノ酸を有する配列番号3の上記断片は、配列番号4、配列番号5及び配列番号6、あるいは上記断片と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するペプチドの中から選択される。
第二の態様では、本発明は、上記のようなポリペプチド、断片及び/又はペプチドを含む医薬品に関する。
第三の態様では、本発明は、上記のようなポリペプチド、断片及び/又はペプチド、並びに1つ又は複数の薬学上許容可能な賦形剤を含む医薬組成物に関する。
第四の態様では、本発明は、ヒト又は動物の身体の癌及び/又は腫瘍の治療方法に用いるための上記のようなポリペプチド、断片及び/又はペプチド、並びに1つ又は複数の薬学上許容可能な賦形剤を含む医薬組成物に関する。
特定の一実施形態では、上記のような医薬組成物は、抗血管形成物質又は抗腫瘍物質から選択される少なくとも1つの別の活性物質をさらに含む。これらの物質は、達成されるべき作用に関して、当業者に選択され得る。好ましくはこれらの物質は、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、イフォスファミド、マイトマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル及びイリノテカン等から選択され得る。
第五の態様では、本発明は、相乗的有効量の以下の:
− 上記のようなポリペプチド、断片及び/又はペプチド、並びに
− シスプラチン及びカルボプラチンからなる群から選択されるプラチナ錯体
を含む医薬組成物に関する。
本発明の実行に有用な医薬品又は組成物は、既知の慣用的経路により哺乳類に投与される。本明細書中に記載される医薬品又は組成物は、同一経路により、又は異なる経路により投与され得る。例えば医薬品又は組成物は、経口的に又は非経口的に(静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内、腹腔内等)投与され得る。
非経口的に投与される場合、組成物は、好ましくは、少なくとも1つの薬学上許容可能な賦形剤を用いて、単位投与量注射可能形態(溶液、懸濁液、乳濁液)で処方される。このような賦形剤は、典型的には、非毒性及び非治療性である。このような賦形剤の例は、水、水性ビヒクル、例えば生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液及びハンクス溶液、並びに非水性ビヒクル、例えば不揮発性油(例えばトウモロコシ、綿実、落花生及びゴマ)、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルである。滅菌生理食塩水は、好ましい賦形剤である。賦形剤は、少量の添加剤、例えば溶解性、等張性及び化学的安定性を増強する物質、例えば酸化防止剤、緩衝剤及び防腐剤を含有し得る。経口(又は直腸)投与される場合、化合物は、通常は、錠剤、カプセル、座薬又はカシェ剤のような単位剤形中に処方される。このような処方物は、典型的には、固体、半固体又は液体担体又は希釈剤を含む。例示的な希釈剤及び賦形剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、鉱油、ココアバター、カカオ脂、アルギン酸塩、トラガカントゴム、ゼラチン、メチルセルロース、ポリオキシエチレン、モノラウリン酸ソルビタン、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク及びステアリン酸マグネシウムである。好ましい実施形態では、本発明による医薬組成物は、静脈内に投与される。
本発明によれば、医薬品又は組成物中に存在するポリペプチドの量は、感受性腫瘍を治療するのに有効である。好ましくはポリペプチドは、0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の量で、医薬品中に又は組成物中に存在する。これらの量は当業者によりルーチンに適用可能であって、彼等は回復を達成するために患者に投与するのに最良の量を選択し得る。
第六の態様では、本発明は、癌及び/又は腫瘍の治療のための、上記のようなポリペプチド、断片及び/又はペプチドの、あるいは上記のような医薬品の、又は上記のような医薬組成物の使用に関する。
本発明によれば、治療されるべき腫瘍は、好ましくは固形腫瘍である。さらに好ましくは、治療されるべき腫瘍は、肉腫、癌腫及びリンパ腫から選択される。このような腫瘍の例は、膀胱癌、黒色腫、乳癌、非ホジキンリンパ腫、脳癌、骨癌、結腸及び直腸癌、肝臓癌、膵臓癌、子宮内膜癌、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌(非黒色腫)、甲状腺癌、肺癌(小細胞肺癌及び非小細胞肺癌)である。
第七の態様では、本発明は、癌又は腫瘍増殖を抑制するのに十分な量で上記のようなポリペプチド、断片及び/又はペプチド、あるいは上記のような医薬品、又は上記のような医薬組成物を治療を必要とする被験者に投与することを包含する治療方法に関する。
特定の一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの他の抗新生物薬又は抗腫瘍薬を投与することをさらに包含する上記のような治療方法に関する。
これらの方法において、投与することは、局所投与、経口投与、静脈内投与又は腹腔内投与を包含する。
第八の態様では、本発明は、癌又は腫瘍増殖を抑制するのに十分である相乗的有効量の以下の:
− 上記のようなポリペプチド、断片及び/又はペプチド、並びに
− シスプラチン及びカルボプラチンからなる群から選択されるプラチナ錯体
を治療を必要とする被験者に投与することを包含する治療方法に関する。
一実施形態では、上記のポリペプチド又はその断片及び上記のプラチナ錯体は同時に投与される。
別の実施形態では、上記ポリペプチド又はその断片及び上記プラチナ錯体は逐次的に投与される。好ましくは、上記ポリペプチド又はその断片及び上記プラチナ錯体は、別個の経路により、即ち、経口的に又は非経口的に(静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内、腹腔内等)投与される。
特定の一実施形態では、上記プラチナ錯体はシスプラチンである。
別の特定の実施形態では、上記プラチナ錯体はカルボプラチンである。
以下の非限定実施例に関して本発明をさらに記載する。
本発明のタンパク質497C−T2の漸増濃度に伴うin vitroでの内皮細胞増殖の抑制%を示す図である。 2a、2b、2c、2d、2f、2g、2h及び2iは、異なる条件での内皮細胞のin vitro血管新生の写真である: − 図2a: 対照(緩衝液尿素 2 M) − 図2b: 497C−T2 6.5 μg/mL(0.27 μM) − 図2c: 497C−T2 13 μg/mL(0.54 μM) − 図2d: 497C−T2 26 μg/mL(1.08 μM) − 図2e: 497C−T2 48 μg/mL(2 μM) − 図2f: 497C−T3 51 μg/mL(2.55 μM) − 図2g: 497C−T4 55 μg/mL(3.18 μM) − 図2h: 497C−T5 56 μg/mL(3.35 μM) − 図2i: C末端尾部 53 μg/mL(4.14 μM) 3a、3b、3c、3d、3e、3f、3gは、異なる条件で実施された内皮細胞に関する創傷検定の写真である: − 図3b: 497C−T2 20 μg/mL(0.83 μM) − 図3c: 497C−T2 40 μg/mL(1.66 μM) − 図3d: 497C−T3 48 μg/mL(2.4 μM) − 図3e: 497C−T4 60 μg/mL(3.52 μM) − 図3f: 497C−T5 61 μg/mL(3.65 μM) − 図3g: C末端尾部 63 μg/mL(4.92 μM) 実施例7に従って処置されたマウスの異なる群に関する平均腫瘍容積(mm3)対時間(日)を表すグラフである。 実施例7に従って処置されたマウスの異なる群に関する平均相対腫瘍容積(単位なし)対時間(日)を表すグラフである。 実施例8に従って処置されたマウスの異なる群に関する平均腫瘍容積(mm3)対時間(日)を表すグラフである。 実施例8に従って処置されたマウスの異なる群に関する平均相対腫瘍容積(単位なし)対時間(日)を表すグラフである。
(実施例1)
タンパク質497C−T2の産生
挿入497C−T2の合成:
第一に、既知の手順に従って、pGEM(登録商標)−Tイージー・ベクターシステム(Promega(登録商標))で、遺伝子497Cをクローン化した(得られたベクターは「pGEM−T−497」と呼ばれた)。
第二に、プラスミド「pGEM−T−497C」、並びに2つのプライマーCDS5(配列番号9)及びCDS4(配列番号10)(表1)(それぞれ5’及び3’においてLELドメインを枠にはめる)を用いて、PCRにより、タンパク質497Cの細胞外部分LELに対応する挿入物T2(配列番号3)を増幅した。
Figure 2010523628
第三に、タンパク質497C−T2をコードするDNA配列を、既知の手法に従って、ベクターpET−30 EK/LIC(Novagen(登録商標))中に挿入した(pET−30−497C−T2)。pET−30ベクター内の497C−T2をコードする核酸配列は、配列番号7で示される。
次に、タンパク質産生のために、大腸菌BL21(DE3)pLys中に精製ベクターを導入した。ベクター及びPCRによる挿入物の両方の存在によって、コロニーを制御した。
産生タンパク質497C−T2のサイズは24 kDであり、それは予測サイズより大きかった。これは、シーケンシングにより確証されるように、C末端での補足的尾部(54無作為アミノ酸)の、並びにN末端でのHis−Tagの付加のためであった。産生された場合のタンパク質497C−T2のアミノ酸配列は、配列番号8で示される。タンパク質497C−T2を細菌の不溶性分画内で産生したが、これは、変性状態での抽出を必要とした。
タンパク質497C−T2の抽出及び精製
培養後、細菌を溶解し、遠心分離し、上清を捨てた。得られた不溶性画分をトリス−HCl 20 mM、尿素 8 M、イミダゾール 5 mM、NaCl 0.5 M、GSH 5 mM、pH8.0で処理した。この処理後、懸濁液を遠心分離し、上清を収集して、0.45 μm膜上で濾過して、不溶性物質を捨てた。次に、HPLC系(Amersham)に連結されたHis−Trapカラム(Amersham(登録商標))を用いることによりタンパク質497C−T2を精製するために、濾過抽出物を用いた。
得られた精製タンパク質を、4 M尿素及び0.3 Mイミダゾール中に希釈した。調製物からこれらの作用物質を除去するために、溶液を4℃で透析に付した。
透析のこれらのステップ後、精製タンパク質を15分間4,000×gで遠心分離し、0.45 μm上で濾過して、考え得る沈殿物を排除した。1976年にBradfordにより記載された方法(Anal. Biochem. 72: 248-54)に従って、そしてSDS−PAGEにより、タンパク質含量に関して精製タンパク質調製物を制御した。Gene Geniusソフトウェアを用いてゲルを分析して、画像分析により純度を定量した。
タンパク質497C−T2の純度を上げるために、イオン交換液体クロマトグラフィーを用いることにより、二次精製ステップを実施した。HisTrap精製調製物を緩衝液トリス−HCl 20 mM、pH8、2 M尿素で3回希釈し(NaClの濃度を50 mMに低減するため)、そしてUnicornソフトウェア(Amersham, GE, Saclay, France)により実行されるHPLC系に連結されたモノSカラム上に載せた。次にカラムを徹底的に洗浄し、イオン力の線形勾配(トリス−HCl 20 mM、pH8、2 M尿素中の0.05 M〜0.5 M NaCl)で溶離した。Bradfordにより、並びにそしてSDS−PAGEにより、タンパク質含量に関して精製タンパク質調製物を制御した。
(実施例2)
短小化形497C−T3、497C−T4及び497C−T5の設計及び製造
タンパク質497C−T2の活性部位を同定するために、497C−T3、497C−T4及び497C−T5と呼ばれる3つの他の短小化形を、ベクターに由来するN末端付着His−Tag及びC末端尾部の両方に対応する対照ポリペプチドと同様に、設計し、製造した。そのようにするために、5’特異的プライマーを設計して、製造された短小化形の精製に必要なN末端His−Tagに影響を及ぼすことなく、タンパク質497C−T2のN末端配列の漸進的な短小化を可能にする。
497C−T3
鋳型としてのベクターpET30−497C−T2、5’特異的プライマー497c−cds7(配列番号11)(bドメインのほとんどを排除すること、そして一次C−C架橋を保存することを可能にする)、及び3’特異的プライマー497C−cds4(配列番号10)を用いたDNAのPCR増幅により、短小化497C−T3を構築した。
Figure 2010523628
497C−T4
鋳型としてのベクターpET30−497C−T2、5’特異的プライマー497c−cds9(配列番号12)(一次C−C架橋、bドメインおよびcドメインを削除し、d1ドメインを保存することを可能にする)、及び3’特異的プライマー497C−cds4(配列番号10)を用いたDNAのPCR増幅により、短小化497C−T4を構築した。
Figure 2010523628
497C−T5
鋳型としてのベクターpET30−497C−T2、5’特異的プライマー497c−cds11(配列番号13)(一次及び二次C−C架橋、b、c及びd1ドメインを排除すること、そしてd2及びeドメインに対応する線状配列を保存することを可能にする)、並びに3’特異的プライマー497C−cds4(配列番号10)を用いたDNAのPCR増幅により、短小化497C−T4を構築した。
Figure 2010523628
N末端His−Tag及びC末端尾部に関して、以下のプライマーを用いて構築物を得たが、これは、タンパク質497C−T2の配列を全体的に排除した。
Figure 2010523628
タンパク質497C−T2に関して記載したように、短小化形497C−T3、497C−T4、497C−T5及びC末端尾部に対応する増幅産物をクローン化し、製造した。
(実施例3)
in vitroでの497C−T2による内皮細胞増殖の抑制の試験
細胞培養
37℃で5%CO加湿大気中で、完全EGM2−MV培地(Cambrex)中で、HUVEC細胞をコンフルエントに培養した。次に、トリプシン−EDTA消化(Versen, Eurobio)により、細胞を収集した。5分後、5%FCSを含有する培地3 mlを添加することにより、酵素反応を停止した。次に、細胞を室温で10分間、220gで遠心分離し、5 mlの培地で2回洗浄し、完全培地中に懸濁し、計数して、50000細胞/mlに調整した。次に100 μL/ウエルを96ウエル細胞培養マイクロプレートに配分して(5 000細胞/ウエル)、150 mMNaCl及び尿素2 Mを含有するトリス−HCl 20 mM緩衝液(pH8)中の異なる濃度の精製タンパク質497C−T2とともにインキュベートした;この緩衝液を対照として用いた。
37℃で42時間後、チアゾリルブルー・テトラゾリウムブロミド(MTT)法を用いて細胞増殖を測定した。要するに、MTT(Sigma)を5 mg/mlでPBS中に溶解し、溶液を濾過(0.22 μm)して、10 μlを96ウエル・マイクロプレートの各ウエルに添加した。37℃、5%CO加湿大気で3時間のインキュベーション後、マイクロプレートを220×gで10分間遠心分離し、上清を捨てて、100μlのDMSOを各ウエルに添加することにより結晶を溶解した。次に、KC4(Bio-Tek)ソフトウエアに接続されたμQuant マイクロプレート・リーダー(Bio-Tek Instrument gmbh, Colmar, France)を用いて、570 nmでの光学濃度(OD)を測定した。ブランク・ウエルOD値(細胞を有さないウエルから得られた値)を差し引くことによりODを補正し、細胞増殖の抑制を対照(最大増殖応答、即ち100%を表す未処理HUVECを有するウエルから得られたOD)と比較して測定した。
図1に示したように、タンパク質497C−T2は、用量依存的にヒト内皮細胞増殖を抑制した。この抑制は、122 μg(即ち5 μM)のタンパク質497C−T2で77%を示した。
(実施例4)
497C−T2、497C−T3、497C−T4及び497C−T5によるin vitro血管新生の抑制
精製タンパク質497C−T2、497C−T3、497C−T4及び497C−T5を、マトリゲル上のFGF2及びVEGFにより誘導されるHUVECの血管新生に関してin vitroで試験した。
24ウエルプレートを240 μLのBDマトリゲル(商標)/ウエルで調製し、次にインキュベータ中で30分間インキュベートした。次にHUVEC細胞を実施例3に記載されたように調製し、そしてウエル当たり70 000個の細胞を植え付けて、150mMNaCl及び尿素2 Mを含有するトリス−HCl 20 mM緩衝液(pH8)中の異なる濃度の精製タンパク質497C−T3、497C−T4又は497C−T5とともにインキュベートした;この緩衝液を対照として用いた:
− 図2a: 対照(緩衝液尿素 2 M)
− 図2b: 497C−T2 6.5 μg/mL(0.27 μM)
− 図2c: 497C−T2 13 μg/mL(0.54 μM)
− 図2d: 497C−T2 26 μg/mL(1.08 μM)
− 図2e: 497C−T2 48 μg/mL(2 μM)
− 図2f: 497C−T3 51 μg/mL(2.55 μM)
− 図2g: 497C−T4 55 μg/mL(3.18 μM)
− 図2h: 497C−T5 56 μg/mL(3.35 μM)
− 図2i: C末端尾部 53 μg/mL(4.14 μM)
図2b、2c、2d及び2eに示したように、タンパク質497C−T2は用量依存的にin vitro血管新生を抑制した。
さらに、図2f、2g及び2hに示したように、短小化形497C−T3、497C−T4及び497C−T5は異なるレベルの活性を示した:497C−T3(図2f)及び497C−T4(図2g)は抗血管新生活性に関して497C−T2とほぼ同じく効率的であったが、これは、a、b及びcLELドメインがタンパク質497C−T2の抗血管新生活性に必要というわけではない、ということを示唆する。これに反して、497C−T5(図2h)は残りの抑制活性のみを示し、一方、C末端尾部は全体的に不活性であった(図2i)。
(実施例5)
497C−T2、497C−T3、497C−T4及び497C−T5によるヒト内皮細胞の遊走の抑制
Sato and Rifkin(J Cell Biol. 1988; 107: 1199)により記載された創傷アッセイにより(多少の修正を加えて)、細胞遊走を試験した。増殖培地EGM−2MV(Cambrex)中で増殖させたHUVECを、500μLの増殖培地中で80 000細胞/ウエルで24−ウエルプレート中に植え付けて、5%COを含有する加湿大気中で37℃でコンフルエントに増殖させた。細胞を、1列だけプラスチック先端で掻き取った。傷をつけた後、培地を新しい培地(対照、図3a)、又は以下のものを添加した新鮮な培地と取り替えた:
− 図3b: 497C−T2 20 μg/mL(0.83 μM)
− 図3c: 497C−T2 40 μg/mL(1.66 μM)
− 図3d: 497C−T3 48 μg/mL(2.4 μM)
− 図3e: 497C−T4 60 μg/mL(3.52 μM)
− 図3f: 497C−T5 61 μg/mL(3.65 μM)
− 図3g: C末端尾部 63 μg/mL(4.92 μM)。
18時間の培養後、細胞を倒立顕微鏡下で観察し、写真撮影した(Analysis, Olympus, Rungis, France)。
図3b及び3cに示したように、タンパク質497C−T2は、用量依存的にヒト内皮細胞の遊走を抑制した。
さらに、図3d、3d、3e及び3fに示したように、短小化形497C−T3、497C−T4及び497C−T5は異なるレベルの活性を示した。短小化形497C−T3はタンパク質497C−T2と同様に細胞遊走を抑制した(図3d)。これに反して、短小化形497C−T4(図3e)は497C−T2より低活性であり、497C−T5(図3f)は非常に限定された抗遊走活性を示し、そしてC末端尾部(図3g)は全体的に不活性であった。したがってこれらの結果は、a及びbLELドメインがタンパク質497C−T2の抗遊走活性に必要でない、ということを示唆した。
(実施例6)
腫瘍試料におけるタンパク質497Cの発現
多数の異なるヒト腫瘍試料を、遺伝子497Cの発現に関してスクリーニングした。各病理試料に関して、腫瘍の周辺部を腫瘍の中心部から分離し、そしてこれら2つの領域における遺伝子497Cの発現を、mRNA抽出とその後のRT−PCR後に比較した。
腎臓腫瘍試料
腎臓腫瘍からの19の病理学生検材料を分析した。19例の患者のうち13例では、497Cの発現は、腫瘍の周辺部より中心部においてより高かった。
肺腫瘍試料
ヒト肺腫瘍からの40の病理生検材料を分析した。40例の患者のうち37例では、497Cの発現は、腫瘍の中心部より周辺部においてより高かった。腫瘍の周辺部での497Cの発現のレベルと患者のnod状態(即ち、転移可能性)との間の密接な関係も認められた。試料の解剖学的検査は、腫瘍の周辺部は腫瘍の中心部より多く血管新生が起こる(概して肺癌に関して確立されているように)、ということも明示した。
ヒト結腸腫瘍からの33の病理生検材料を分析した。33例の患者のうち25例では、497Cの発現は、腫瘍の中心部より周辺部においてより高かった。
(実施例7)
in vivoでのスイス・ヌードマウスにおけるNCI H460ヒト腫瘍に関する497C−T2の試験
NCI H460細胞の調製
4.5 g/Lグルコースに調整し(Ref. G7528、バッチ番号003K0121、Sigma, France)、10 mM HEPES(Ref. H0887、バッチ番号113K2338、Sigma, France)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(Ref. CSTVAT00-0U、バッチ番号520818、Sigma, France)及び10%ウシ胎仔血清(FCS;Ref. CVFSVF00-01、バッチ番号S13021、Eurobio, France)を添加した2 mM L−グルタミンを含有する完全RPMI1640培地(Ref. CM1RPM08-01、バッチ番号623615、 Eurobio, France)中で、37℃、5%CO加湿大気下で、接着細胞としてNCI H460細胞を培養した。それらを、90×106細胞に到達するよう75 cm2フラスコ中で増幅した。
0日目に、培地を除去し、3 mlのトリプシン−EDTA(Ref. CEZTDA00-0U、バッチ番号633920、Eurobio, France)を添加することにより、75cm2フラスコからNCI H460細胞(ヒト肺癌)を収集した。37℃で5分のインキュベーション後、細胞をプラスチックから剥がして、そして10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI 1640培地 3 mlを添加することにより、酵素反応を停止した。次に、細胞を、室温で5分間、700 gで遠心分離した。それらを、L−グルタミン(2 mM)、グルコース(4.5 g/l)、ピルビン酸ナトリウム(1 mM)を含有し、HEPES(10 mM)で緩衝した無血清RPMI 1640培地中に再懸濁した。細胞を計数し、生育可能なNCI H460細胞の数は、>99%であった。次に細胞の数を、無血清培地中で25.106細胞/mlに調整した。
腫瘍誘導
ケタミン−キシラジン(80 mg/kg〜12 mg/kg;Ref. K-113、Sigma, France)の腹腔内注射により、30匹の健常雌スイス・ヌードマウスを麻酔した。次にNCI H460細胞(無血清培地200 μL中5.106細胞/マウス)を、各マウスの右脇腹に皮下移植した。
処置日程
NCI H460細胞の移植後12日目に、30匹のマウスを無作為に6つの群(各々5匹)に分けた。腫瘍容積は228〜468 mm3に達し、平均腫瘍容積は無作為に分けられた群間で統計学的に異ならなかった。
処置日程(12日目に開始し、28日目に終了する)は、表6に要約されている:
− 群1の動物を、ビヒクル溶液(バッチC)で処置する:トリス−HCl、pH7.5、2 M 尿素、150 mM NaCl、0.1 mM CaCl
− 群2の動物を、生理学的血清0.5 ml/mL(CDDP、シス−ジアミンプラチナ(II)二塩化物、Ref. P4394、バッチ番号014K0993、Sigma, France、純度100%、分子量300)中のシスプラチンの溶液で処置する、
− 群3及び4の動物を、1 mg/mLの試験物質497C−T2を添加したビヒクル溶液(バッチA)で処置する、
− 群5の動物を、1 mg/mLの試験物質497C−T2を添加したビヒクル溶液(バッチA)で処置し、さらにCDDPを施す、
− 群6の動物を、1.8 mg/mLの試験物質497C−T2を添加したビヒクル溶液(バッチB)で処置し、さらにCDDPを施す。
溶液は全て、腹腔内に注射した。群1、2、3、5及び6における注射は、日程Q2DX8に従って、即ち、2日毎に1用量を8回、実施した。群4における注射は、日程Q1DX16に従って、即ち、毎日1用量を、16回、実施した。
CDDPを、0.5 mg/mLの濃度で滅菌生理学的血清中に再懸濁し、処置日程Q2DX8に従って、10 mL/kgの容積で、5 mg/kgの濃度で腹腔内注射した。
注射後2時間、マウスを観察した。ケタミン/キシラジン(80mg/kg〜12 mg/kg;Ref. K-113、Sigma, France)を用いて動物を麻酔した後、頚椎脱臼により屠殺した。
マウスのモニタリング
動物を毎日観察した。動物行動における変容を、実験ノートに記録した。体重及び腫瘍容積を、2日毎に、実験終了まで報告した。
以下に略記するデータを算定した:
− 腫瘍増殖曲線を、平均腫瘍容積(MTV)を用いて描いた。
− 平均相対腫瘍容積(MRTV)を、時間tでのMTVと注射時(t=12日目)の容積との間の比として算定した。
− 腫瘍増殖抑制(T/C、%)を、処置群対ビヒクル群の腫瘍容積の中央値の比として評価した。
Figure 2010523628
Figure 2010523628
統計学的試験
腫瘍容積(V)、「V」に到達する時間、腫瘍倍加時間(DT)、相対腫瘍容積(RTV)及び腫瘍増殖抑制(T/C)の統計学的分析を、全ての群に関して実施した。データは、平均±SDとして表される。データ群は、正規に分布された。一変量分析を実施して、群間の差を査定した。次に、スチューデントt検定を用いて、統計学的有意を確定した。p<0.05は、統計学的に有意であるとみなされた。XLSTAT(Addinsoft, France)を用いて、統計学的分析を実施した。
体重モニタリング
表7に示したように、ビヒクルは体重に影響を及ぼさなかった:マウスの行動及び体重増加は正常で、早期に死亡した動物はいなかった。試験した両方の用量(10及び18 mg/kg)での試験物質497C−T2による処置の経過中に、毒性は観察されなかった。それに対比して、CDDPで処置した群2、5及び6では、重要な毒性を観察した(−12〜−18%の体重減;p<0.05)。
平均腫瘍容積(MTV)、平均相対腫瘍容積(MRTV)、腫瘍容積及び腫瘍増殖パラメーターの結果を、図4、5に並びに表8及び表9に示す。
表8に示すように、MTVは、ビヒクル群1のマウス(4441±1135 mm3)と比較して、CDDPで処置した群2のマウスでは28日目に低減された(1440±1097 mm3)。MTVは、28日目には、それぞれ1回注射/日(2482±2075 mm3)及び1回注射/1日置き(3167±1681 mm3)で、10 mg/kgで試験物質497C−T2を用いて処置した群3及び4においても低減された。群1のビヒクル処置動物(4441±1135 mm3)と比較して、群5(807±692 mm3)及び群6(639±416 mm3)からの動物において、MTVの顕著な低減が観察された。
腫瘍増殖抑制の一パラメーターであるT/C比は、28日目の群2からのマウスでは32%を示したが、これは、ビヒクル処置群1と比較した場合にCDDPが腫瘍サイズを68%低減するということを実証する。T/Cは、群3からのマウスでは56%、群4からのマウスでは71%であったが、これは、単剤療法として用いられた場合、試験物質の中等度の抗腫瘍活性を明示する。しかしながらCDDPと併用した場合、T/Cは、群5及び6からのマウスでは、それぞれ18%及び14%に低下した。これは、細胞傷害剤、例えばCDDPと併用した場合、497C−T2が強力な抗腫瘍活性を有する、ということを実証する。
腫瘍サイズ倍加時間(DT)は、ビヒクル処置群1では1.23±0.49日であった。DTは、CDDP単独で処置した群2のマウスでは4倍に増大した(5.12±2.89日)。群3及び4に関しては、DT(それぞれ4.08±1.4及び5.9±1.21日)は、群2と同様であった。これは、497C−T2が、単剤療法として用いられた場合に腫瘍活性を低減するのに、CDDPと同じくらい強力である、ということを示す。しかし最も重要なのは、497C−T2及びCDDPを用いる二剤療法は、ビヒクル処置郡1からのマウスで測定されたDTと比較して、群5及び6(それぞれ25.02±29.89及び20.07±9.28)からの動物ではDTが20倍に増大したことである。これは、単独で又はCDDPと組合せて用いられる場合、試験物質497C−T2の強力な抗腫瘍活性をさらに確証する。
表9に示すように、MRTV測定は、群6の動物が、試験した両方の濃度で(群5、6)、腫瘍容積の最も強い減少を示す、ということを確証した。497C−T2単独での処置は、28日目に、7.37(群3)又は6.76(群4)のMRTVをもたらし、そしてシスプラチンによる処置は、4.88(群2)のMRTVをもたらした。
これらの結果はすべて、497C−T2が、単独で又はシスプラチンとの相乗的組合せで用いられる強力な抗腫瘍剤である、ということを確証する。
(実施例8)
in vivoでのスイス・ヌードマウスにおけるヒト非小細胞肺癌(CALU−6)異種移植片モデルに関する497C−T2の試験
CALU−6細胞の調製
完全EMEM培地(Ref. CM1RPM18-01、バッチ番号462502、 Eurobio, France)10%ウシ胎仔血清(FCS;Ref. CVFSVF00-01、バッチ番号S13021、Eurobio, France)中で、37℃、5%CO加湿大気下で、接着細胞としてCALU−6細胞を培養した。それらを、90×106細胞に到達するよう75 cm2フラスコ中で増幅した。
0日目に、培地を除去し、3 mlのトリプシン−EDTA(Ref.
CEZTDA00-0U、バッチ番号633920、Eurobio, France)を添加することにより、75cm2フラスコからCALU−6細胞(ヒト肺癌)を収集した。37℃で5分のインキュベーション後、細胞をプラスチックから剥がして、そして10%ウシ胎仔血清を含有するEMEM培地 3 mlを添加することにより、酵素反応を停止した。次に、細胞を、室温で5分間、700 gで遠心分離した。それらを、無血清EMEM培地中に再懸濁した。細胞を計数し、トリパンブルー排除により生育可能性を査定した(Ref. CSTCOL03-0U、バッチ番号434511、 Eurobio, France)。CALU−6細胞の数は、>99%であった。次に細胞の数を、無血清培地中で25×106細胞/mlに調整した。
Figure 2010523628
Figure 2010523628
腫瘍誘導
ケタミン−キシラジン(80 mg/kg〜12 mg/kg;Ref. K-113、Sigma, France)の腹腔内注射により、30匹の健常雌スイス・ヌードマウスを麻酔した。次にCALU−6細胞(無血清培地200 μL中5×106細胞/マウス)を、各マウスの右脇腹に皮下移植した。移植後2時間、マウスを観察した。
処置日程
CALU−6細胞の移植後12日目に、30匹のマウスを無作為に6つの群(各々5匹)に分けた。腫瘍容積は228〜468 mm3に達し、平均腫瘍容積は無作為に分けられた群間で統計学的に異ならなかった。
処置日程(12日目に開始し、28日目に終了する)は、表10に要約されている。
− 群1の動物を、ビヒクル溶液(トリス−HCl、pH7.5、2 M 尿素、150 mM NaCl、0.1 mM CaCl)(バッチC)で処置する、
− 群2の動物を、生理学的血清0.5 ml/mL(CDDP、シス−ジアミンプラチナ(II)二塩化物、Ref. P4394、バッチ番号014K0993、Sigma, France、純度100%、分子量300)中のシスプラチンの溶液で処置する、
− 群3の動物を、10 mg/mLの用量で試験物質497C−T2を添加したビヒクルで処置する、
− 群4の動物を、10 mg/mLの用量で試験物質497C−T2を添加したビヒクルで処置し、さらにCDDPを施す。
群1、2、3及び4における注射は、日程Q2DX8に従って、即ち、2日毎に1用量を8回、実施した。
CDDPを、0.5 mg/mLの濃度で滅菌生理学的血清中に再懸濁し、処置日程Q2DX8に従って、10 mL/kgの容積で、5 mg/kgの濃度で腹腔内注射した。
注射後2時間、マウスを観察した。ケタミン/キシラジン(80
mg/kg〜12 mg/kg;Ref. K-113、Sigma, France)を用いて動物を麻酔した後、頚椎脱臼により屠殺した。全動物に関して、カリパスを用いて週2回、腫瘍サイズを測定した。式:(長さ×幅)/2(4)に従って、腫瘍容積(mm3)を測定した。
統計学的試験
平均腫瘍容積(MTV)、平均相対腫瘍容積(MRTV)及び腫瘍増殖抑制(T/C)を、実施例7に関するものと同様に算定した。
体重
表11に示したように、ビヒクルは影響を及ぼさなかった:マウスの行動及び体重増加は正常で、早期に死亡した動物はいなかった(群1のマウス5を除く)。10 mg/kgの用量での試験物質497C−T2による処置の経過中に、毒性は観察されず、わずかな体重増加が観察された(+1.44 g)。
それに対比して、CDDPで処置した群2、4において、重要な毒性が観察された(それぞれ12.6%及び8.7%の体重減少)。群1対2及び4と群3対2及び4の間の差は、統計学的に有意であった(p<0.0001)が、しかし群2及び4間の差は統計学的に有意でなかった。
Figure 2010523628
Figure 2010523628
平均腫瘍容積(MTV)、平均相対腫瘍容積(MRTV)、腫瘍容積及び腫瘍増殖パラメーターの結果を、図6、7に並びに表12及び13に示す。
MTVは、ビヒクル群1のマウス(1 233.44±663.82 mm3)と比較して、CDDPで処置した群2のマウスでは28日目に低減された(742.44±215.85 mm3)。MTVは、28日目には、1回注射/2日(813.70±439.00 mm3)で、10 mg/kgで試験物質497C−T2を用いて処置した群3においても低減された。これらの結果を、28日目のMRTVの分析により確証した(表13)。群1のビヒクル処置動物(1 233.44±663.82 mm3)と比較して、群4(430.89±290.89 mm3)からの動物において、MTVの顕著な低減が観察された。
試験物質で処置した群1及び群2間の差は、統計学的有意に達する(p<0.0001対4、p=0.003対3)。群2及び4間の差も有意であった(p=0.001)。これに対比して、群2(CDDP単独)及び群3(497C−T2単独)間に統計学的差は観察されなかった。群1及び処置群間の最初に統計学的有意は、群3に関しては22日目に、群4に関しては20日目にそれぞれ観察された。28日目のMRTVの分析により、これらの結果を確証した(表13)。群1のビヒクル処置動物(1 233.44±663.82 mm3)と比較して、群4(430.89±290.89 mm3)からの動物において、MTVの重要な低減が観察された。
Figure 2010523628
腫瘍増殖抑制の一パラメーターであるT/C比(表12)は、ビヒクル処置群1と比較してそれは腫瘍サイズを27%低減するので、単剤療法として用いた場合、試験物質のわずかな抗腫瘍活性を明示する。しかしながら、CDDPと併用した場合、抑制率は、ビヒクル処置群1に比して腫瘍サイズの64%低減に達する。これらの結果は、細胞傷害剤、例えばCDDPと併用して用いた場合、497C−T2が強力な抗腫瘍活性を有する、ということを直接的に実証する。
Figure 2010523628
図13に示したように、MRTVは、郡4の動物に関して、28日目に2.96に達したが、これは、シスプラチンとの497C−T2の相乗効果を確証する。さらに単独で用いられるシスプラチン(群2)又は単独で用いられる497C−T2(群3)は28日目で非常に近いMRTVを示したが、これは、497C−T2が強力な単剤療法抗腫瘍剤でもある、ということを示唆する。

Claims (25)

  1. 配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有する活性ポリペプチド、あるいは少なくとも21連続アミノ酸を有するその断片、又は前記断片のアミノ酸配列と少なくとも50%、好ましくは70%、さらに好ましくは90%の同一性を有するペプチドであるが、但し前記ポリペプチドが配列番号2、その変異体及び抗原性断片、配列番号16又は配列番号17でない活性ポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが活性三次元立体配座で折りたたまれたそれを有するための手段をさらに包含する請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 活性立体配座で折りたたまれたそれを有するための前記手段が30〜70アミノ酸、好ましくは45〜65アミノ酸、さらに好ましくは50〜60アミノ酸、さらにより好ましくは約55アミノ酸を含む任意の配列にあり、前記配列が前記ポリペプチドのC末端に融合される請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 前記断片が配列番号4、配列番号5又は配列番号6のアミノ酸配列を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  5. 抗腫瘍活性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む医薬品。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  8. ヒト又は動物身体の癌及び/又は腫瘍の治療方法に用いるための請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  9. 抗血管形成物質又は抗腫瘍物質から選択される少なくとも1つの別の活性物質をさらに含む請求項7又は8に記載の医薬組成物。
  10. 相乗的有効量の以下の:
    − 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド、及び
    − シスプラチン及びカルボプラチンからなる群から選択されるプラチナ錯体
    を含む医薬組成物。
  11. 局所、全身、経口、皮下、経皮、筋肉内又は腹腔内投与に適した形態である請求項7〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. 0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の量で存在する請求項7〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 癌及び/又は腫瘍の治療のための請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド、又は請求項6記載の医薬品、又は請求項7〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
  14. 腫瘍が固形腫瘍である請求項13に記載の使用。
  15. 固形腫瘍が肉腫、癌腫及びリンパ腫から選択される請求項14に記載の使用。
  16. 癌及び/又は腫瘍増殖の抑制方法であって、癌又は腫瘍増殖を抑制するのに十分な量で、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド、又は請求項6記載の医薬品、又は請求項7〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物を治療を必要とする対象に投与することを包含する方法。
  17. 前記腫瘍が固形腫瘍である請求項16に記載の方法。
  18. 少なくとも1つの他の抗新生物薬又は抗腫瘍薬を投与することをさらに包含する請求項16又は17に記載の方法。
  19. 投与することが局所投与、経口投与、静脈内投与又は腹腔内投与を包含する請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 癌又は腫瘍増殖の抑制方法であって、癌又は腫瘍増殖を抑制するのに十分である相乗的有効量の以下の:
    − 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド、及び
    − シスプラチン及びカルボプラチンからなる群から選択されるプラチナ錯体
    を治療を必要とする対象に投与することを包含する方法。
  21. 前記ポリペプチド及び前記プラチナ錯体が同時に投与される請求項20に記載の方法。
  22. 前記ポリペプチド及び前記プラチナ錯体が逐次的に投与される請求項20に記載の方法。
  23. 前記ポリペプチド及び前記プラチナ錯体が別個の経路により投与される請求項20に記載の方法。
  24. 前記プラチナ錯体がシスプラチンである請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記プラチナ錯体がカルボプラチンである請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
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