JP4536572B2 - 内燃機関の空燃比推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の気筒内における空燃比を推定する内燃機関の空燃比推定装置に関する。
気筒内に燃料を噴射する、いわゆる気筒内噴射式内燃機関では、例えば特許文献1に示されるように、機関負荷に応じて燃焼モードの切換(成層燃焼モードと、均質燃焼モードの切換)が行われ、燃焼モードの切換の際には、切換先の燃焼モードに適した目標空燃比の設定が行われる。実際の気筒内の空燃比は、目標空燃比より遅れて変化するため、目標空燃比を判定基準として燃焼モードの切換を行うと、燃焼の不安定化やトルクショックを招くおそれがある。
この課題を解決するため、特許文献1には、内燃機関の運転状態に応じて、気筒内空燃比を推定し、推定した気筒内空燃比に基づいて燃焼モードの切換を行うようにした制御装置が提案されている。この制御装置によれば、吸入空気量、機関回転数等を入力とする気筒内空気量推定モデルを用いて気筒内空気量が推定され、推定された気筒内空気量及び燃料噴射量に応じて、気筒内空燃比が推定される。
特開2001−227387号公報
しかしながら、特許文献1に示された制御装置では、前記燃料噴射量として、要求トルクに応じて求められる目標燃料量が用いられるため、燃料噴射弁の特性劣化などにより、実際の燃料噴射量と目標燃料量とのずれが発生し、気筒内空燃比の推定精度が低下する場合があった。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、内燃機関の気筒内空燃比をより正確に推定することができる、内燃機関の空燃比推定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(1)の吸気系(2)に設けられ、前記機関(1)に吸入される空気量(GA)を検出する吸入空気量検出手段(21)と、前記機関(1)の排気系(4)に設けられ、排気中の酸素濃度(OXYC)を検出する酸素濃度検出手段(23)とを備え、前記機関(1)の気筒内の空燃比を推定する内燃機関の空燃比推定装置において、前記吸入空気量検出手段の出力(GA)前記機関に供給される燃料量(TOUT)で除算した値に基づいて、気筒内空燃比を示す第1空燃比値(AFRcal)を算出する第1空燃比値算出手段と、前記酸素濃度検出手段の出力(OXYC)に応じて第2空燃比値(AFRex)を算出する第2空燃比値算出手段と、前記第1空燃比値(AFRcal)及び第2空燃比値(AFRex)を入力とする適応フィルタのオフセットパラメータ(θ)を、前記第1空燃比値(AFcal)に当該オフセットパラメータ(θ)を乗算した値と、前記第2空燃比値(AFRex)との差(err)が0となるように逐次同定する同定手段と、該同定手段により同定されるオフセットパラメータ(θ)及び前記第1空燃比値(AFRcal)に基づいて、前記機関(1)の気筒内の空燃比を推定する気筒内空燃比推定手段とを備え、前記同定手段は、前記第2空燃比値(AFRex)が所定の上限空燃比(AFRHL)より小さいときに前記オフセットパラメータ(θ)の同定を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の空燃比推定装置において、前記オフセットパラメータ(θ)の値が所定範囲外(θ≧θHLまたはθ≦θLL)となったとき、前記酸素濃度検出手段(23)または前記機関の燃料供給系(9)が異常であると判定する異常判定手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、吸入空気量検出手段の出力機関に供給される燃料量で除算した値に基づいて第1空燃比値が算出され、第1空燃比値にオフセットパラメータを乗算した値と、酸素濃度検出手段に応じて算出される第2空燃比値との差が0となるように、同定手段によりオフセットパラメータが同定され、同定されたオフセットパラメータ及び第1空燃比値に基づいて、気筒内の空燃比が推定される。同定手段により算出されるオフセットパラメータには、定常的な状態における第1空燃比値と第2空燃比値との関係が反映されるので、このオフセットパラメータと第1空燃比値に基づいて気筒内空燃比を推定することにより、定常的な運転状態だけでなく、空燃比を切り換える過渡状態においても、遅れのない正確な推定値を得ることができる。また第2空燃比値が所定の上限空燃比より小さいときにオフセットパラメータの同定が行われるので、第2空燃比値の精度が低下しない状態でオフセットパラメータを同定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、オフセットパラメータの値が所定範囲外となったとき、酸素濃度検出手段または機関の燃料供給系が異常であると判定される。オフセットパラメータは、上記したとおり、定常的な状態における第1空燃比値と第2空燃比値との関係が反映される、換言すれば、酸素濃度センサあるいは燃料供給系の特性変化の学習値としての特性を有するので、オフセットパラメータの値が大きくずれたときは、酸素濃度検出手段の出力または機関に実際に供給される燃料量が、所望値から大きくずれていることを示す。したがって、オフセットパラメータ値が予め定めた所定範囲外となったときは、酸素濃度検出手段または機関の燃料供給系が異常であると判定することできる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関と、その制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下「エンジン」という)1は、シリンダ内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒に燃料噴射弁9が設けられている。燃料噴射弁9は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)20に電気的に接続されており、燃料噴射弁9の開弁時間は、ECU20により制御される。
エンジン1は、吸気管2,排気管4、及びターボチャージャ8を備えている。ターボチャージャ8は、排気の運動エネルギにより回転駆動されるタービンホイール10を有するタービン11と、タービンホイール10とシャフト14を介して連結されたコンプレッサホイール15を有するコンプレッサ16とを備えている。コンプレッサホイール15は、エンジン1に吸入される空気の加圧(圧縮)を行う。
タービン11は、タービンホイール10に吹き付けられる排気ガスの流量を変化させるべく開閉駆動される複数の可変ベーン12(2個のみ図示)及び該可変ベーンを開閉駆動するアクチュエータ(図示せず)を有しており、可変ベーン12の開度(以下「ベーン開度」という)VOを変化させることにより、タービンホイール10に吹き付けられる排気ガスの流量を変化させ、タービンホイール10の回転速度を変更できるように構成されている。可変ベーン12を駆動するアクチュエータは、ECU20に接続されており、ベーン開度VOは、ECU20により制御される。より具体的には、ECU20は、デューティ比可変の制御信号をアクチュエータに供給し、これによってベーン開度VOを制御する。なお、可変ベーンを有するターボチャージャの構成は広く知られており、例えば特開平1−208501号公報に示されている。
排気管4と吸気管2との間には、排気を吸気管2に環流する排気還流通路5が設けられている。排気還流通路5には、排気還流量を制御するための排気還流弁(以下「EGR弁」という)6が設けられている。EGR弁6は、ソレノイドを有する電磁弁であり、その弁開度はECU20により制御される。EGR弁6には、その弁開度(弁リフト量)LACTを検出するリフトセンサ7が設けられており、その検出信号はECU20に供給される。排気還流通路5及びEGR弁6より、排気還流機構が構成される。
吸気管2には、吸入空気流量GAを検出する吸入空気流量センサ21、及びコンプレッサ16の下流側の吸気圧(過給圧)P2を検出する過給圧センサ22が設けられている。また、排気管4のタービン11の下流側には、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ23が設けられている。これらのセンサ21〜23は、ECU20と接続されており、センサ21〜23の検出信号は、ECU20に供給される。
排気管4の、酸素濃度センサ23の下流側には、排気ガス中に含まれる粒子状物質(主としてすすからなる)を捕集する粒子状物質フィルタ(以下「DPF」という)17が設けられている。
エンジン1により駆動される車両のアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ26、及びエンジン回転数(回転速度)NEを検出するエンジン回転数センサ27がECU20に接続されており、これらのセンサの検出信号は、ECU20に供給される。
ECU20は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、タービン11の可変ベーン12を駆動するアクチュエータ、燃料噴射弁9、EGR弁6などに駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
ECU20は、エンジン1の運転状態、具体的にはアクセルペダル操作量AP及びエンジン回転数NEに応じて目標過給圧P2CMDを算出し、検出される過給圧P2が目標過給圧P2CMDと一致するようにベーン開度VOの制御する過給圧制御を行う。さらにECU20は、アクセルペダル操作量AP及びエンジン回転数NEに応じて燃料噴射弁9の開弁時間TOUTを算出し、開弁時間TOUTに応じた駆動信号を燃料噴射弁9に供給する。燃料噴射弁9による燃料噴射量は、開弁時間TOUTにほぼ比例するので、以下の説明では、燃料噴射量TOUTという。
ECU20は、さらにアクセルペダル操作量AP及びエンジン回転数NEに応じて、目標吸入空気量GACMDを設定し、目標吸入空気量GACMD及び検出される吸入空気流量GAに基づいて排気還流量を決定し、EGR弁6のリフト量(開弁量)を制御する。
ECU20は、さらに以下に詳述する手法により、エンジン1の気筒内における空燃比(以下「気筒内空燃比」という)の推定値AFRhatを算出するとともに、推定値AFRhatの算出に用いられるオフセットパラメータθ(k)に基づく異常判定を行う。
図2は、気筒内空燃比の推定値AFRhatの算出を行う気筒内空燃比推定モジュールの構成を示すブロック図である。この気筒内空燃比推定モジュールの機能は、実際にはECU20のCPUにより実現される。
気筒内空燃比推定モジュールは、乗算器31,33,36,減算器32,加算器34,及び遅延器35により構成される。図2に示すkは、ECU20のCPUにおける演算周期で離散化した離散化時刻を示し、遅延器35は、ECU20のCPUにおける1演算周期に対応する時間だけ入力データを遅延させるものである。
気筒内空燃比推定モジュールの入力データAFRcalは、気筒内空燃比を示す第1空燃比値であり、吸入空気流量センサ21により検出される吸入空気流量GAと、燃料噴射量TOUTとに応じて算出される。第1空燃比値AFRcalは、検出される吸入空気流量GA及び燃料噴射量TOUTが、実際の吸入空気流量GAR及び実際の燃料噴射量TOUTRと等しければ、真の気筒内空燃比AFRrealと等しくなる。しかし、実際には、吸入空気流量GAは検出誤差を含み、燃料噴射量TOUTは、燃料噴射弁9の特性ばらつきや経時劣化により実際の噴射量と必ずしも正確に一致しないため、第1空燃比値AFRcalをそのまま気筒内空燃比の推定値として採用することはできない。また、空燃比を理論空燃比よりリーン側に設定して運転する場合には、排気還流通路5を介して還流される排気中にも酸素(空気)が含まれるため、その点も第1空燃比値AFRcalが真の気筒内空燃比AFRrealからずれる要因となる。
図3には、時刻t1及びt2において設定空燃比を切り換えた場合における、真の気筒内空燃比AFRrealが太い実線L1で示されており、この場合、第1空燃比値AFRcalは、一点鎖線L2で示すように推移する。
図2の気筒内空燃比推定モジュールのもう一つの入力データAFRexは、気筒内空燃比を示す第2空燃比値であり、酸素濃度センサ23により検出される酸素濃度OXYCに応じて算出される。第2空燃比値AFRexは、図3に細い実線L3で示されており、定常状態ではほぼ真の気筒内空燃比AFRrealと等しくなるが、過渡状態では、ガスの輸送遅れ、及び酸素濃度センサ23の検出遅れにより、真の気筒内空燃比AFRrealからずれる。
図2に示す気筒内空燃比推定モジュールは、第1空燃比値AFRcal及び第2空燃比値AFRexを入力とする適応フィルタにより、定常状態及び過渡状態のいずれにおいても、真の気筒内空燃比AFRrealに近い推定値AFRhatを算出するものである。
図2に示す気筒内空燃比推定モジュールにより実行される演算を数式で表すと以下のようになる。
AFRhat(k)=θ(k)×AFRcal(k) (1)
err(k)=AFRex(k)−θ(k-1)×AFRcal(k) (2)
θ(k)=θ(k-1)+(P/(1+P))×err(k) (3)
ここで、θ(k)は、第1空燃比値AFRcal(k)と、推定値AFRhatとの比率(AFRhat(k)/AFRcal(k))に対応するオフセットパラメータであり、式(2)により算出される同定誤差err(k)が「0」となるように、式(3)により逐次同定される。式(3)のPは、所定の値に設定される同定ゲインである。
推定値AFRhatの推移は、図3に破線L4で示されている。この例では、時刻t0からオフセットパラメータθ(k)の同定が開始される(θ(k)の初期値は、「1.0」である)ので、推定値AFRhatは、第1空燃比値AFRcalから徐々に真の気筒内空燃比AFRrealに近づいていく。そして、オフセットパラメータθ(k)の同定が完了した状態では、空燃比がステップ的に変化したときにも(図3,時刻t1,t2参照)、推定値AFRhatは、その変化に追従し、気筒内空燃比の正確な推定を行うことができる。
図4は、図2に示す気筒内空燃比推定モジュールに対応する演算処理のフローチャートである。この処理は、ECU20のCPUで所定時間(例えば100ミリ秒)毎に実行される。
ステップS11では、酸素濃度センサ23により検出される酸素濃度OXYCに応じて、第2空燃比比値AFRexを算出する。具体的には、酸素濃度OXYCに応じて図6に示すAFRexテーブルを検索し、第2空燃比値AFRexを算出する。
ステップS12では、検出される吸入空気流量GA及び燃料噴射量TOUTに応じて、第1空燃比値AFRcalを算出する。具体的には単位時間当たりに吸入される空気量(質量)を、単位時間当たりに噴射される燃料量(質量)で除算することにより、第1空燃比値AFRcalが算出される。
ステップS13では、前記式(1)により、推定値AFRhatを算出し、次いで第2空燃比値AFRexが所定上限空燃比AFRHL(例えば30)より小さいか否かを判別する(ステップS14)。この答が肯定(YES)であるときは、前記式(2)により同定誤差err(k)を算出するとともに、前記式(3)によりオフセットパラメータθ(k)を算出する。
ステップS13で、AFRex≧AFRHLであるときは、酸素濃度OXYCに基づいて算出される第2空燃比値AFRexの誤差が大きくなる可能性があるため、同定誤差errの算出及びオフセットパラメータθの更新を行うことなく、処理を終了する。これは、図6に示す関係から明らかなように、第2空燃比値AFRexが大きい領域では、酸素濃度OXYCの変化に対する第2空燃比値AFRexの変化率(ΔAFRex/ΔOXYC)が非常に大きくなるため、酸素濃度OXYCの僅かなずれにより、第2空燃比値AFRexが大きく変化し、第2空燃比値AFRexの精度が低下するからである。
図5は、図4のステップS15で算出されるオフセットパラメータθ(k)の値に応じて、酸素濃度センサ23またはエンジン1の燃料供給系(燃料噴射弁9及び燃料噴射弁9に燃料を供給する燃料通路、圧力レギュレータ、燃料ポンプ(いずれも図示せず)など)の異常を判定する処理のフローチャートである。この処理は、ECU20のCPUで所定時間(例えば1秒)に実行される。
ステップS21では、吸入空気流量センサ21が正常であるか否かを判別する。図示しない処理により、例えば吸入空気流量センサ21の出力が低レベルまたは高レベルに固定された状態にあるとき、吸入空気流量センサ21は異常と判定されるので、ステップS21ではその判定結果が参照される。吸入空気流量センサ21が異常であるときは、第1空燃比値AFRcalが正確なものでなくなり、したがってオフセットパラメータθ(k)の値も信頼できなため、直ちに本処理を終了する。
ステップS21の答が肯定(YES)であるときは、オフセットパラメータθ(k)が、所定上限値θHL(例えば1.3)と所定下限値θLL(例えば0.7)の範囲内にあるか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、酸素濃度センサ23及びエンジン1の燃料供給系は正常と判定する(ステップS24)。
一方、ステップS23の答が否定(NO)であるときは、酸素濃度センサ23またはエンジン1の燃料供給系に異常があると判定する(ステップS25)。この場合には、例えば警告ランプを点灯させ、運転者に警告する。
以上説明したように、本実施形態では、吸入空気流量センサ21により検出される吸入空気流量GA及び燃料噴射量TOUTに基づいて第1空燃比値AFRcalが算出され、酸素濃度センサ23により検出される酸素濃度OXYCに応じて第2空燃比値AFRexが算出され、第1空燃比値AFRcalにオフセットパラメータθを乗算した値と、第2空燃比値AFRexとの差が0となるように、適応フィルタのオフセットパラメータθが算出され、第1空燃比値AFRcalにオフセットパラメータθを乗算することにより、気筒内空燃比の推定値AFRhatが算出される。適応フィルタのオフセットパラメータθには、定常的な状態における第1空燃比値AFRcalと第2空燃比値AFRexとの関係が反映されるので、このオフセットパラメータθと第1空燃比値AFRcalに基づいて気筒内空燃比の推定値AFRhatを算出することにより、定常的な運転状態及び空燃比を切り換える過渡状態のいずれにおいても、正確な推定値を得ることができる。
またオフセットパラメータθは、定常的な状態における第1空燃比値AFRcalと第2空燃比値AFRexとの関係が反映される、換言すれば、酸素濃度センサ23あるいは燃料供給系の特性変化の学習値としての特性を有するので、オフセットパラメータθの値が大きくずれたときは、酸素濃度センサ23により検出される酸素濃度OXYC、またはエンジン1に実際に供給される燃料量が、所望値から大きくずれていることを示す。したがって、オフセットパラメータθが予め定めた所定範囲外(所定下限値θLL以下または所定上限値θHL以上)となったときは、酸素濃度センサ23またはエンジン1の燃料供給系が異常であると判定することできる。
本実施形態では、吸入空気流量センサ21及び酸素濃度センサ23が、それぞれ吸入空気量検出手段及び酸素濃度検出手段に相当し、ECU20が、第1空燃比値算出手段、第2空燃比値算出手段、同定手段、及び気筒内空燃比推定手段を構成する。具体的には、図4のステップS12が第1空燃比値算出手段に相当し、ステップS11が第2空燃比値算出手段に相当し、ステップS14及びS15が同定手段に相当し、ステップS13が気筒内空燃比推定手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、本発明をディーゼル内燃機関に適用した例を示したが、ガソリン内燃機関にも適用可能である。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの気筒内空燃比の推定にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 気筒内空燃比の推定値(AFRhat)を算出する気筒内空燃比推定モジュールの構成を示すブロック図である。 第1空燃比値(AFRcal)、第2空燃比値(AFRex)、及び気筒内空燃比の推定値(AFRhat)と、真の気筒内空燃比(AFRreal)との関係を説明するためのタイムチャートである。 気筒内空燃比推定処理のフローチャートである。 故障判定処理のフローチャートである。 排気中の酸素濃度(OXYC)と、第2空燃比値(AFRex)との関係を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 吸気管
4 排気管
5 排気還流通路
9 燃料噴射弁
20 電子制御ユニット(第1空燃比値算出手段、第2空燃比値算出手段、同定手段、気筒内空燃比推定手段)
21 吸入空気流量センサ(吸入空気量検出手段)
23 酸素濃度センサ(酸素濃度検出手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気系に設けられ、前記機関に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記機関の排気系に設けられ、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段とを備え、前記機関の気筒内の空燃比を推定する内燃機関の空燃比推定装置において、
    前記吸入空気量検出手段の出力前記機関に供給される燃料量で除算した値に基づいて、気筒内空燃比を示す第1空燃比値を算出する第1空燃比値算出手段と、
    前記酸素濃度検出手段の出力に応じて第2空燃比値を算出する第2空燃比値算出手段と、
    前記第1空燃比値及び第2空燃比値を入力とする適応フィルタのオフセットパラメータを、前記第1空燃比値に当該オフセットパラメータを乗算した値と、前記第2空燃比値との差が0となるように逐次同定する同定手段と、
    該同定手段により同定されるオフセットパラメータ及び前記第1空燃比値に基づいて、前記機関の気筒内の空燃比を推定する気筒内空燃比推定手段とを備え、
    前記同定手段は、前記第2空燃比値が所定の上限空燃比より小さいときに前記オフセットパラメータの同定を行うことを特徴とする内燃機関の空燃比推定装置。
  2. 前記オフセットパラメータの値が所定範囲外となったとき、前記酸素濃度検出手段または前記機関の燃料供給系が異常であると判定する異常判定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比推定装置。
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