JP4536500B2 - 水平方向掘削先端位置の測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、管推進工事などの水平系の掘削において、その掘削先端位置を正確に把握するための水平方向掘削先端位置の測定システムに関するものである。
従来の水平系掘削における位置測定法には、ターゲットが発する電磁波を用いる方法や、レーザ光等の光学的手段を用いてターゲットとの相対角度を測り、位置を算出する方法がある(下記特許文献1,2)。
また、推進装置内に搭載したジャイロから得られる角度データ、推進装置の傾きを検知する傾斜計からの角度データ及び推進装置の推進距離を計測する距離計からの距離データを用いて装置の水平位置を演算する際、装置内に設置された位置計測用ターゲット板を用いて推進中の装置の水平変位を測量し、その測量データ及び同時に得られるジャイロの回転角データを用いて、推進装置の推進基線に対する初期角度を演算するようにした地中推進装置の初期角度検知方法及び位置連続検知方法が提案されている(下記特許文献3)。
特開平11−023271号公報 特開2002−48543号公報 特開平11−107679号公報
しかしながら、上記した電磁波を用いる方法では、適用できる深度に制限があるほか、地上に建物のある場合や鉄等の金属成分を多く含んだ土壌では使用が制限されるという問題があった。また、上記した光学的手段を用いる方法は作業環境の影響を受けやすく、操作手順が煩雑である。また、光軸調整を人間が行うため、口径の大きな管でないと適用できない。
さらに、従来の水平系掘削における位置測定では、比較的小さな径を有する管などの水平系の掘削においては、その適用に難があった。
本発明は、上記状況に鑑みて、比較的小さな径を有する管などの水平系の掘削において、地中の水平方向掘削先端位置を、外部環境および作業環境の影響を受けずに、的確に測定することができる、水平方向掘削先端位置の測定システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、ターゲットユニット、このターゲットユニットに設けられるリンク支持機構を介して支持され、所定リンク長を有するリンク、このリンクの後端に接続されるリンク支持機構を有する計測ユニットよりなり、長さ方向をX軸、幅方向をY軸、高さ方向をZ軸とする測定装置と、前記ターゲットユニット、前記リンク及び前記計測ユニットを内蔵し、掘削機の後端に取り付けられる弾性変形可能なスリーブ管とを備え、前記掘削機による掘削の進行量がリンク長さとなる毎に前記スリーブ管中心の2点に渡した前記リンクの角度を、前記計測ユニットにより、方位角、重力加速度方向を基準とする座標に変換し、前記方位角の測定に基づいて前記ターゲットユニットの位置を求めることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記スリーブ管は掘削中の前記掘削機の進路変更に伴って弾性変形し、前記計測ユニットの位置と前記リンクの相対角度に基づいて前記ターゲットユニットの位置を求めることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、水平保持台上に傾斜センサーとジャイロコンパスを配置し、前記リンクの角度を重力加速度と地球自転軸を基準として求めて、前記ターゲットユニットの位置を測定することを特徴とする。
〕上記〔3〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、前記水平保持台に対して前記リンクが前記Z,Y軸回りに回転できるようにリンク支持機構を設け、このリンク支持機構に高分解能のロータリーエンコーダを設け、各Z,Y軸回りのリンク回転角を測定することを特徴とする。
〕上記〔3〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、2個の傾斜センサーを前記X,Y軸方向に感度軸を向けてセットしておき、前記水平保持台が自動的に水平を保つようにすることを特徴とする。
〕上記〔1〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記リンクを接続し、前記計測ユニットから一定間隔離れた場所の前記スリーブ管中心にリンク支持点を保持することを特徴とする。
〕上記〔1〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記Z,Y軸回りの回転を許すように前記リンク支持機構を備えており、各Z,Y軸回りに高分解能のロータリーエンコーダを備えて前記ターゲットユニットに対する前記リンクの傾斜角を測定することを特徴とする。
〕上記〔1〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットの位置と方向が、前記測定装置が前記リンクの長さと同じ距離移動する前の前記ターゲットユニットの位置及び方向と一致するとみなすことによって前記方位角の検出回数を削減可能にすることを特徴とする。
〕上記〔1〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、基台上に傾斜センサーとジャイロコンパスを配置し、計測地点の緯度を参照する補正方法により、前記ターゲットユニットの位置を測定することを特徴とする。
10〕上記〔〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、前記基台に対して前記リンクが前記Z,Y軸回りに回転できるようにリンク支持機構を設け、このリンク支持機構に高分解能のロータリーエンコーダを設け、各Z,Y軸回りのリンク回転角を測定することを特徴とする。
11〕上記〔〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記リンクを接続し、前記計測ユニットから一定間隔離れた場所の前記スリーブ管中心にリンク支持点を保持することを特徴とする。
12〕上記〔〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記Z,Y軸回りの回転を許すように前記リンク支持機構を備えており、各Z,Y軸回りに高分解能のロータリーエンコーダを備えて前記ターゲットユニットに対する前記リンクのリンクの傾斜角を測定することを特徴とする。
13〕上記〔〕記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットの位置が、前記測定装置が前記リンクの長さと同じ距離移動する前の前記ターゲットユニットの位置と一致するとみなすことによって、前記方位角の検出回数を削減可能にすることを特徴とする。
本発明によれば、比較的小さな径を有する管などの水平系の掘削において、地中の水平方向掘削先端位置を的確に測定することができる。
また、本発明は重力加速度と地球自転軸を利用するため、外部環境および作業環境の影響を受けずに高精度の測定を行うことができる。
水平方向掘削先端位置の測定システムは、ターゲットユニット、このターゲットユニットに設けられるリンク支持機構を介して支持され、所定リンク長を有するリンク、このリンクの後端に接続されるリンク支持機構を有する計測ユニットよりなり、長さ方向をX軸、幅方向をY軸、高さ方向をZ軸とする測定装置と、前記ターゲットユニット、前記リンク及び前記計測ユニットを内蔵し、掘削機の後端に取り付けられる弾性変形可能なスリーブ管とを備え、前記掘削機による掘削の進行量がリンク長さとなる毎に前記スリーブ管中心の2点に渡した前記リンクの角度を、前記計測ユニットにより、方位角、重力加速度方向を基準とする座標に変換し、前記方位角の測定に基づいて前記ターゲットユニットの位置を求めることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定システムの全体構成図である。
この図において、1は掘削機、21 ,22 ,…2n はスリーブ管であり、このスリーブ管21 ,22 ,…2n 内にはそれぞれターゲットユニット31 ,32 ,…3n 、リンク41 ,42 ,…4n 、計測ユニット51 ,52 ,…5n が直列に接続される。6はケーブル(コネクタ付き)、7は計測ユニット5n と制御装置9とを接続するコネクタ、8は坑口、9は制御装置、10は表示装置である。
坑口8には、制御装置9および表示装置10が設けられ、制御装置9が計測ユニット51 ,52 ,…5n からの情報を受け取り、情報を処理して表示装置10にて表示する。なお、制御装置9は、入力インターフェース9A、CPU(中央処理装置)9B、記憶装置9C、表示装置10に接続される出力インターフェース9Dを備えている。
このように、本発明の水平方向掘削先端位置の測定システムは、ターゲットユニット31 ,32 ,…3n と、このターゲットユニット31 ,32 ,…3n 設けられるリンク支持機構を介して支持され、所定リンク長を有するリンク41 ,42 ,…4n と、このリンク41 ,42 ,…4n の後端に接続されるリンク支持機構を有する計測ユニット51 ,52 ,…5n と、前記ターゲットユニット31 ,32 ,…3n 、前記リンク41 ,42 ,…4n 及び前記計測ユニット51 ,52 ,…5n を内蔵し、掘削機1の後端に取り付けられる弾性変形可能なスリーブ管21 ,22 ,…2n とを備え、掘削機1による掘削の進行量がリンク長さとなる毎に前記スリーブ管21 ,22 ,…2n の中心の2点に渡したリンク41 ,42 ,…4n の角度を計測ユニット51 ,52 ,…5n が方位角、重力加速度方向を基準とする座標に変換し、前記ターゲットユニット31 ,32 ,…3n の位置を求める。
以下、その構成部分を順次説明する。
図2は本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置の全体構成平面図、図3はその地中水平方向掘削先端位置の測定装置のターゲットユニットの模式図、図4はその地中水平方向掘削先端位置の測定装置の計測ユニットの模式図である。
これらの図において、11は掘削機、12はスリーブ管、13はリンク、13Aはリンク先端(リンク先端支持点)、13Bはリンク後端(リンク後端支持点)、14は計測ユニット30と制御・表示装置に接続されるケーブル、20はターゲットユニットである。
まず、図2に示すように、この地中水平方向掘削先端位置の測定装置は、次の5つの部分で構成される。
(1)ターゲットユニット
このターゲットユニット20は、図3に示すように、リンク13に接続され、計測ユニット30から一定間隔離れた場所のスリーブ管12の中心にリンク先端支持点13Aを保持する。
(2)リンク
このリンク13は、ターゲットユニット20と計測ユニット30を機械的に接続し、傾斜角に対するセンサー機能を有する。
(3)計測ユニット
この計測ユニット30は、図4に示すように、リンク13に接続され、ター ゲットユニット20から一定間隔離れた場所のスリーブ管12の中心にリンク後端支持点13Bを保持する。また、そのリンク13の傾斜角測定および方位角の測定を行う。
(4)スリーブ管
このスリーブ管12は、ターゲットユニット20、リンク13、計測ユニット30を内蔵し、掘削機11の後端に取り付けられる。掘削機11の進路変更に伴ってスリーブ管12が弾性変形し、リンク角度が発生する。掘削終了後に掘削機11とともに回収する。また、塑性変形し難い材料でできていることが望ましい。
(5)制御・表示装置
杭口(図示なし)付近にセットし、計測ユニット30の制御・計測信号を、方位座標へ変換する。また、表示装置10に計画座標との差を示する。
次に、ターゲットユニット20について図3を参照しながらさらに説明する。
このターゲットユニット20は、リンク13の支持機構21を有しており、このリンク支持機構21は、スリーブ管12の内径に適合するような円形のリング(ケース)22と、このリング22内に設けられ、リンク先端支持点13Aに連結される二股状のアーム23と、このアーム23にリンク支点23Aで直交するように連結される四角形状のリンク24と、このリンク24に取り付けられるピッチ回転軸25からなる。そして、ピッチ回転軸25の回転を検出するロータリーエンコーダ(軸)27、ヨー回転軸26回りの回転を検出するロータリーエンコーダ(軸)28を備えている。このように各軸まわりに高分解能のロータリーエンコーダ27,28を配置するようにしている。
このように、ターゲットユニット20は、Z,Y軸回りの回転を許すようリンク13を支持する支持機構21を備えるとともに、各軸回りに高分解能のロータリーエンコーダ27,28を備え、リンク13の傾斜角を測定する。
なお、ターゲットユニット20は、設置時にリンク13の中心とスリーブ管12の中心が一致するように調整、固定する芯出装置(図示なし)を有している。
次に、計測ユニット30について図4を参照しながら説明する。
この計測ユニット30は、スリーブ管12の内径に適合するように配置される円形のリング(ケース)31と、このリング31に固定されるピッチ回転軸受32と、水平保持台33と、その水平保持台33の後端に配置される、水平保持台駆動用モータとしての超音波モータ34と、水平保持台33上に設置され、真北の方位を測定するジャイロコンパス35と、傾斜センサー36A,36Bと、ボールねじ37Aと、ボールねじ受け部37Bと、継ぎ手38と、中空ステッピングモータ39よりなる。
さらに、水平保持台33のピッチ回転軸受取付部47にはリンク支持機構40が配置される。リンク支持機構40は、リンク後端支持点13Bに連結された二股状のアーム41と、このアーム41とリンク支点43Aで直交するように固定される四角形状のリンク42と、このリンク42に連結されるピッチ回転軸43からなる。そして、ピッチ回転軸43の回転を検出するロータリーエンコーダ(軸)45、ヨー回転軸44回りの回転を検出するロータリーエンコーダ(軸)46を備えている。このように各軸まわりに高分解能のロータリーエンコーダ45,46を設けている。
このように、計測ユニット30は、リング(ケース)31に対してY,Z軸回りの回転ができるようにリンク支持機構40を支持する。また、2個の傾斜センサー36A,36BをX,Y軸方向に感度軸を向けてセットしておき、水平保持台33が自動的に水平を保つようにする。
また、水平保持台33に対してリンク13がZ,Y軸回りに回転できるように支持されている。さらに、高分解能のロータリーエンコーダ45,46をリンク支持機構40に設け、各軸回りのリンク回転角を測定する。
また、この計測ユニット30は、測定装置組み立て時にリンク13の中心とスリーブ管12の中心が一致するように調整、固定する芯出装置(図示なし)を有する。
さらに、制御・表示装置(図示なし)は、以下の機能を有する。
(1)水平保持台33の制御を行い、水平を保つ。
(2)ジャイロコンパス35の制御を行う。
(3)各傾斜センサー信号の読み取りを行う。
(4)通信を介して外部の主制御装置との信号交換を行う。
(5)較正データ(水平時の傾斜センサーオフセット、方位角と装置主軸の誤差等)を保持する。
次に、電源・ケーブルについて説明する。
使い勝手を考えると、測定装置内にバッテリを搭載して外部電源及びケーブルを用いないことが望ましいが、その方式では、以下のような問題がある。
(1)地中で数日間以上稼働させる可能性があるため、バッテリ切れの心配がある。
(2)さらに、水平保持台、ジャイロコンパスなどの機械的駆動部があるため、消費電力が大きい。
(3)万一バッテリ切れなどの事態が起こった場合、装置の回収が難しい。
以上の点から、現段階ではバッテリのみを用いた運転はリスクを伴う。
そこで、外部電源およびケーブルを用いてエネルギーを供給する際には以下の点に注意する。
(1)ケーブルをスリーブ管内に通す必要がある。このため、スリーブ管の定尺毎にケーブルを接続して延長する必要があり、そのため、接続用コネクタを用いる。
(2)ケーブルと掘削機用の油圧ホースとがスリーブ管内で絡まないように配置する。
(3)多数のケーブルの信頼性を維持するようにチェックを行う。
そこで、実際の電源供給は次の方法が考えられる。
(1)複合ホース:掘削機用の油圧ホースと測定装置用の電源ケーブルを一体にまとめたホースを作る。この複合ホースの端部では油圧ホースと電源ケーブルを分け、それぞれ油圧用ワンタッチカプラと電気用コネクタを取り付ける。電気用コネクタはIP67の防水仕様であることが望ましい。このコネクタには電源の他に通信用の端子(4極程度)を装備し、制御・表示装置との通信を行う。
(2)油圧モータ式発電器:測定装置内に油圧モータで駆動する発電機を内蔵し、バッテリの充電ができるようにする。油圧は掘削機の油圧モータ駆動回路から分岐し、減圧弁を介して発電用油圧モータに供給する。制御・表示装置との通信はスリーブ管をダクトとして電波または超音波により行う。
図5は本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置による測定原理の説明図、図6はその地中水平方向掘削先端位置の測定装置の主な機構の模式図、図7はその地中水平方向掘削先端位置の測定装置における位置更新時における各ユニットの位置関係を示す模式図、図8はその地中水平方向掘削先端位置の測定装置のジャイロコンパスによる自転方向検出の説明図、図9は自転方向検出の信号処理の方法の説明図である。
ここで、管推進工法は、以下の条件を満たすものとする。
(1)掘削機による掘削の進行に連動して、スリーブ管及び測定装置は地上側で送り込んだ管の長さだけ前進する。
(2)後続して送り込まれる管は、掘削機が掘った軌跡をトレースして進む。
以上を前提として、まず、測定の原理について説明する。
図5に示すように、スリーブ管12中心の2点に渡したリンク13の角度を、方位角、重力加速度方向を基準とする座標に変換し、スリーブ管12の各点の位置を求める。
(1)計測はリンク13の長さl毎に行う。
(2)重力ベクトルの方向は傾斜センサー36A,36Bで求める。
(3)方位角はジャイロコンパス35を用いて、地球の自転軸を観測することにより求めるが、掘削がリンク長さ分だけ進んだ位置においては、1サンプル前のターゲットユニット20の方位角と、次のサンプルにおける計測ユニット30の方位角が等しくなることを利用して、方位角の検出回数を削減することができる。
(4)計測ユニット30には水平保持台33を設け、傾斜センサー36A,36Bとジャイロコンパス35を水平保持台33上に配置する。
(5)ターゲットユニット20と計測ユニット30との間はリンク13で結ぶ。計測ユニット30側のピッチ回転軸43は水平保持台33のピッチ回転軸受取付部47に取り付け、水平保持台33となす角をロータリーエンコーダ45,46で測定する。
(6)ターゲットユニット20と計測ユニット30は同一のスリーブ管12内に取り付ける。
図6は本発明の地中水平方向掘削先端位置の測定装置の模式図である。
次いで、ターゲットユニットの位置・方位角について図6を参照しながら説明する。
(1)ターゲットユニット20を先にし、計測ユニット30を後にして掘削機11の後端に取り付ける。
(2)水平保持台33は傾斜センサー36A,36Bからの信号をフィードバックして、常に自動的に水平を保つようにする。
ある位置のサンプルiにおいて、ジャイロコンパス35による地球自転軸の検知から北の方向を計測し、計測ユニット30の主軸(A)方位角(水平保持台33の方位角)ψBiを求める。ここで、リンク13の角度を、ジャイロコンパス35によって地球自転軸を基準として求め、地球重力を利用した傾斜センサー36A,36Bによる水平保持台33の水平面とそれに対するリンク13の傾斜角を求める。つまり、計測ユニット30は、水平保持台33上に傾斜センサー36A,36Bとジャイロコンパス35を配置して、リンク13の角度を重力加速度と地球自転軸を基準として求めて、ターゲットユニット20の位置を測定する。
(3)計測ユニット主軸(A)からみたターゲットユニット20のリンク支点23Aの位置 BAiは下記式(1)で表される。
Figure 0004536500
ただし、Rzi,Ryiは、z′,y′軸回りの回転変換行列で、次のようになる。
Figure 0004536500
ここで、ai はリンク13の水平保持台33に対するピッチング角、bi はリンク13の水平保持台33に対するヨー角、ci はリンク13のターゲットユニット20の主軸(B)に対するピッチング角、di はリンク13のターゲットユニット20の主軸(B)に対するヨー角を表す。
ターゲットユニット20の方位角は、
ψAi=ψBi+bi +di …(3)
ターゲットユニット20のリンク支点23Aの位置 BAiを、方位座標と掘削開始位置を原点とする座標で表すと、上記式(1)を用いて下記式(4)となる。
Figure 0004536500
また、PBiは方位基準座標で表した計測ユニット30のリンク支点43Aの位置で、PB0は掘削を開始した原点である。
上記式(4)に、上記式(2)、式(5)を代入して整理すると、方位座標系で表したターゲットユニット20の座標は式(6)となる。
Figure 0004536500
次に、地中水平方向掘削先端位置の更新について説明する。
図7はその位置の更新の説明図である。ここで、13,13′,13″はリンク、15はサンプルi、15′はサンプルi+1、15″はサンプルi+2、16はサンプルiのターゲットユニット、16′はサンプルi+1のターゲットユニット、16″はサンプルi+2のターゲットユニット、17はサンプルiの計測ユニット、17′はサンプルi+1の計測ユニット、17″はサンプルi+2の計測ユニットである。
掘削機で掘削が進行し、サンプルi(15)の位置からリンク13の長さlだけ進んだ位置の測定値をサンプルi+1(15′)の測定値とする。このとき、サンプルi+1の計測ユニット17′のリンク支点の位置はサンプルiのターゲットユニット16のリンク支点の位置と一致する。
これにより、サンプルi+1(15′)における計測ユニット17′の位置、方位角は、図7のようにサンプルi(15)におけるターゲットユニット16の位置、方位角と同じである。従って、
ψBi+1=ψAi, PBi+1=PAi …(7)
上記式(3)と同様に、
Figure 0004536500
上記式(7)、(8)より掘削開始位置を原点とする方位基準座標で表した各サンプルのリンク支点位置が逐次求められる。
ただし、上記方法により求めた方位角ψA ,ψB には誤差が累積し、この誤差は精度に及ぼす影響が大きい。精度を維持するため、適当な間隔ごとに掘削を10分程度一旦停止し、ジャイロコンパス35により計測ユニット30の方位角を検出して、その時点の方位角ψB として用いる。
以降は同じ計算手順で方位角が修正され、精度が維持される。
次に、方位角の検出について説明する。
一般に、方位角の検出手段として、(1)ジャイロコンパス、(2)地磁気センサー、(3)GPS方位計などが考えられるが、地中で利用することを考えると、上記した(2)の地磁気センサーでは配管や鉄筋など、地磁気を乱す物質の存在が想定される場所では精度が保証されず、上記した(3)のGPS方位計では衛星からの電波が受信できない。このため、本発明では、ジャイロコンパス35を選択することにした。
ジャイロコンパス35は高精度の角速度センサーを用いて、地球の自転軸方向を検出するもので、航空機などの分野で利用されている。
地球の自転角速度は4.17×10-3(deg/sec)程度の小さい値であるから、角速度センサーには高い精度が要求され、通常、光ファイバジャイロが用いられる。
図8は本発明の実施例を示すジャイロコンパスによる自転方向の検出の説明図である。
この図に示すように、水平保持台33上に、ジャイロコンパス35として角速度センサー(光ファイバジャイロ)を設置する。なお、51は水平保持台33に対する鉛直軸、52は角速度検出軸、53は地軸である。
このように、ジャイロコンパス(角速度センサー)35を回転する水平保持台33の上に載せて鉛直軸51回りに回転させると、ジャイロコンパス(角速度センサー)35の感度軸が地球の自転軸付近を向くと出力が大きくなり、直交すると出力が無くなる。この性質を利用して、装置の基準座標軸に対する回転軸と出力との相関から真北に対する方位角を求めることができる。
次に、図9を用いて本発明のジャイロコンパスによる自転方向の信号処理について説明する。
このように、常に水平を保持する水平保持台33の上に鉛直軸51回りに回転する角速度センサー35を設置すると、回転角と角速度センサー35の関係は真北で最大値をとる正弦波になる。これを参照信号としてセンサー出力との相関関数が最大となる角度を計算すると、装置の基準軸線と真北の角度差、すなわち方位角が求まる。
この方式の欠点は、小さな出力信号から方位を割り出すために長時間のデータを平均処理して信頼性を上げる必要があり、計測時間が長くなることである。また、測定時には角速度センサー35に振動を与えることは好ましくない。このため、絶対方位角を常時測定することは困難である。
次に動作方法について説明する。
〔1〕角度の較正は方位が既知の水平な台上に本発明の装置を置き、ジャイロコンパス35が出力する方位角と各エンコーダの角度を原点として測定装置内のEEPROMに記録する。
〔2〕ターゲットユニット20側を前にして装置を掘削機11の後端に取り付け、杭内に入れる。
〔3〕制御・表示装置に原点座標PB0と方位計測周期を入力し、測定を開始する。
〔4〕測定を開始した後、方位計測を行って計測ユニット30の初期方位ψB0を求める。
〔5〕次に、前記式(3)、(6)により、ターゲットユニット20の方位角・座標ψA0,PA0を求める。
〔6〕ターゲットユニット20の座標を表示装置9に表示する。
〔7〕リンク13の1本分の長さだけ掘削を行う。
〔8〕前記式(7)により、計測ユニット30の方位角ψBi、座標PBiを求める。
〔9〕前記式(3),(4)により、ターゲットユニット20の方位角ψAi、座標PAiを求める。
〔10〕方位計測周期に達するまで前記〔5〕から〔9〕を繰り返す。
次に、本測定装置の主要部品を説明する。
(1)傾斜センサー
JA−23−MA−00〔サーボ型、日本航空電子製、計測範囲±90°、角度分解能10秒、温度範囲−25〜70℃〕が適当である。
(2)角度検出器
スリーブ管のたわみがわずかであること、検出精度が全体の性能に直結することから考えて高い分解能が必要と考えられる。また、測定が長時間に及び、原点を見失う可能性があるので、原点を確実に管理できるアブソリュート型が望ましい。候補部品としては、RA510(ソニープレシジョン:分解能2.5秒)、SA35(多摩川精機:分解能10秒)などを用いる。
(3)水平保持台駆動用モータ
移動速度が小さく精密な送りが必要なこと、保持トルクが必要なことなどから考えて、超音波モータかハーモニック減速機付きステッピングモータが適すると考えられる。超音波モータを使用する場合、寿命は1000時間(実運転時間)程度なので、定期的に交換が必要である。
Y軸回りについてはボールねじなどにより駆動するので、ボールねじにモータを直結できない場合はバックラッシュを排除する機構を装備する必要がある。
(4)ジャイロコンパス
特殊な部品であるため、選択肢が少ないが、市販されているユニットの例として日本航空電子工業株式会社製JM77を用いることができる。ターンテーブルを製作する場合には、日本航空電子株式会社製光ファイバジャイロJG−201FAが利用可能と考えられる。出力が非常に微弱であるため、増幅系のノイズ対策を十分に行う必要がある。
ターンテーブルの駆動は速度ムラを抑制しなければならない。また、運転時間が長くなるので、信頼性の面から交流サーボモータが適している。
次に、水平系地中位置測定装置の水平保持台を省略する計測方法について説明する。
上記実施例では、水平系地中位置測定装置の測定システムにおいて、地軸から方位角を求めるために水平保持台を用いる方法を採用した。この方法は確実であるが、構造が複雑になり、装置製作の難度が高いため、この実施例では、水平保持台が不要なデータ処理方法を考案した。
(1)測定の原理
(1−1)方位角測定
測定装置の主軸線をx軸、ジャイロ回転軸をz軸とする直交座標をA座標系、真北をx′軸、鉛直をz′軸とする座標をB座標系、B座標系をy′軸回りに回転してx″を地球自転軸と一致させた座標をC座標系とする。
この座標系の関係を図10に示す。
図10(a)において、61は計測ユニット、62はx軸、63はy軸、64はz軸、65は北方向軸(x′軸)、66はy′軸である。
また、図10(b)において、67は地球自転軸(x″軸)、68はz″軸である。
図11に示すように、高精度ジャイロコンパス35の感度軸をA座標系のx−y平面回転させると、この感度軸が描く軌跡 AVはA座標系において式(9)で表される。
AV=[cosθ sinθ 0]t …(9)
ただし、θは測定装置主軸とジャイロコンパスの感度軸のなす角度を示している。
この軌跡をB座標系で表すと式(10)となる。
BV=Rz y x AV …(10)
z ,Ry ,Rx はA座標からB座標への座標変換行列で、下記式(11)〜式(13)で表される。
Figure 0004536500
ただし、αはx軸方向傾斜角、βはy軸方向傾斜角、ψは装置主軸の方位角である。計測地点の緯度をLとすると、C座標系から見たジャイロコンパス感度軸の軌跡 CVは式(14)となる。
CV=RL B
=RL z y x AV …(14)
L はB座標からC座標への変換行列で、式(15)で与えられる。
Figure 0004536500
CVのx成分をEとすると上記式(14)により式(16)になる。
E(θ)=(cosLcosψcosα+sinLsinα)cosθ
+{−cosLsinψcosβ+(cosLcosψsinα
−sinLcosα)sinβ}sinθ …(16)
一方、Eは地球自転角速度に対するジャイロコンパスの感度を示すから、回転角θにおけるジャイロコンパスの出力から式(17)で求められる。
E=ω(θ)/ω0 …(17)
ただし、ω(θ)はジャイロコンパスで検出した角速度、ω0 は地球の自転角速度を示す。
θ=0においては、式(16)の第2項が0になるので、このときのジャイロコンパス出力から計算した感度E(0)を用いて式(18)が得られる。
E(0)=cosLcosψcosα+sinLsinα …(18)
よって、測定装置主軸の方位角ψは式(19)となる。
Figure 0004536500
式(19)の解は−π〜πの間に2個存在する。このため、2個の解のうち直前のψに近い方を採用する。従って、測定開始時には大まかな初期方位角を与えておく必要がある。
アークコサインの計算を行う際、通常のコンピュータライブラリでは主値として0〜πの間だけを計算するので、式(19)の解に対して±ψのどちらが前回のψに近いかを判定して採用する。
(1−2)ノイズ除去
式(19)では、1点の観測から方位角が求まることを示すが、実際のジャイロコンパスの出力にはオフセット誤差、ゲイン誤差、ノイズ成分等の誤差要因が含まれるため、次のようにしてこれらを除去する。
sin(−θ)=−sin(θ)より、式(16)をθ=0に対して対称な2点について足し合わせると第2項が消去され、式(20)となる。
Figure 0004536500
式(20)で得られる2個の解の選択については式(19)と同様である。
ノイズがガウス性であることを仮定すると、十分な標本数の平均を取ることにより除去されるから、方位角ψは十分に大きなnに対して式(21)で与えられる。
Figure 0004536500
(1−3)オフセット除去
上述したように、ジャイロコンパスの出力にはオフセットが含まれることが予想される。オフセットを除くため、式(17)のEは次のようにして求める。
(a)ジャイロコンパスを十分な回数だけ回転させて、回転角度に対する出力の平均を求める。
(b)上記(a)から1周期の平均を求めて各要素から差し引き、式(17)でEを求める。
(1−4)ゲイン誤差補正
この実施例の方式では相関関数から方位角を求める前出の実施例と異なり、ゲイン誤差が方位の誤差となる。このため、較正時において、次のようにゲインの補正を行う。
(a)方位と緯度が既知の水平な較正台上で計測ユニット主軸を真北に向け、ゲインを仮に1としてジャイロコンパスを十分な回数だけ回転し、(1−3)の要領でEを計算し、全振幅をAとする。
(b)式(16)においてa=b=0としてEの全振幅を求め、Bとする。
(c)B/Aをジャイロコンパスのゲインとして計測装置のROMに記録する。
(d)測定時には上記(c)で求めたゲインでEの補正を行う。

(2)リンク位置の計測
(2−1)ターゲットユニットの位置・方位角
図12は本発明の他の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置の計測ユニットの模式図である。なお、リンクおよびターゲットユニットは上記した実施例と同様であり、ここでは図示を省略する。
この図において、70は計測ユニットであり、この計測ユニット70は、基台71と、その基台71上に配置されるジャイロコンパス72、傾斜センサー73A,73B、ピッチ回転軸受取付部74からなる。さらに、基台71のピッチ回転軸受取付部74にはリンク支持機構80が配置される。リンク支持機構80は、リンク後端13Bに連結された二股状のアーム81と、このアーム81に直交するように固定される四角形状のリンク82と、このリンク82に連結されるピッチ回転軸83からなる。そして、ピッチ回転軸83の回転を検出するロータリーエンコーダ(軸)85、ヨー回転軸84回りの回転を検出するロータリーエンコーダ(軸)86を備えている。このように各軸回りに高分解能のロータリーエンコーダ85,86を設けている。
この計測ユニット70において、計測ユニット主軸に固定した座標系をA、真北をx軸、上方をz軸として、掘削開始点を原点とする座標系をBとする。
そこで、計測ユニット70から見たターゲットユニットのリンク支持位置 AAiは式(22)で与えられる。
Figure 0004536500
ただし、Rzi,Ryi,は、z′,y′軸回りの回転変換行列であり、次のようになる。
Figure 0004536500
また、計測ユニット70からみたターゲットユニット軸線の方向ベクトル AVは、式(24)となる。
Figure 0004536500
ここで、ai はリンク13の計測ユニット主軸に対するピッチング角、bi はリンク13の計測ユニット主軸に対するヨー角、ci はリンク13のターゲットユニット主軸に対するピッチング角、di はリンク13のターゲットユニット主軸に対するヨー角である。
計測ユニット主軸のピッチング角をαi 、ロール角をβi 、方位角をψi とすると、方位座標系Bで表現したターゲットユニットのリンク支持位置座標PAiおよびターゲットユニットの方向ベクトルVA は式(25)、(26)となる。
Figure 0004536500
ターゲットユニット主軸線の方位角は方向ベクトルVA のx,y軸成分VAx,VAyを用いて、式(30)で表される。
Figure 0004536500
逆正弦関数の主値の問題については、式(30)においても上記方位角測定と同様である。
(2−2)位置の更新
図13は本発明の他の実施例を示す計測ユニットとターゲットユニットの位置関係を示す模式図である。ここで、91はサンプルi、91′はサンプルi+1、91″はサンプルi+2、92はサンプルiのターゲットユニット、92′はサンプルi+1のターゲットユニット、92″はサンプルi+2のターゲットユニット、93はサンプルiの計測ユニット、93′はサンプルi+1の計測ユニット、93″はサンプルi+2の計測ユニットである。
掘削機で掘削し、サンプルi(91)の位置からリンクの長さlだけ進んだ位置の測定値をサンプルi+1(91′)の測定値とする。このとき、サンプルi+1の計測ユニット93′のリンク支点位置はサンプルiのターゲットユニット92のリンク支点位置にある。
従って、図13に示すように、サンプルi+1における計測ユニット93′の位置・方位角はサンプルiにおけるターゲットユニット92の位置・方位角と等しくなり、式(31)が成り立つ。
ψBi+1=ψAi ,PBi+1=PAi …(31
上記式(25)、(26)、(30)、(31)の関係を用いると、掘削開始位置を原点とする方位基準座標で表した各サンプルのリンク支持位置座標が逐次求められる。
ただし、上記の方法により求めた方位角ψA ,ψB には誤差が累積し、この誤差は精度に及ぼす影響が大きい。精度を維持するため、適当な間隔ごとに掘削を10分程度一旦停止し、ジャイロコンパス72により計測ユニット70の方位角を検出して、その時点の方位角ψB として用いる。
以降は同じ計算手順で方位角が修正され、精度が維持される。
(3)水平保持台の有無による違い
前述した水平保持台を用いる方法では、ジャイロコンパスの感度軸が水平面と平行に回転するため、地球自転軸とジャイロコンパスの感度軸のなす角度はジャイロコンパスの感度軸が真北を向いたときに最小となり、同時にジャイロコンパスの出力は最大となる。このため、ジャイロコンパスの回転角をθ、ジャイロコンパスの出力をE(θ)として、cos(θ)とE(θ)の相関関数が最大になるθを方位角とすることができる。この相関関数による方法は、2つの信号間の位相差が求まるため、ジャイロコンパスのオフセット誤差やゲイン誤差はθの計算に影響しない。
これに対して、この実施例の水平保持台を省略した構成では、ジャイロコンパスの感度軸が水平面に対して傾いて回転するため、地球自転軸とジャイロコンパスの感度軸のなす角が最小になる方位は必ずしも真北ではない。このため、基準関数と測定信号の位相差で方位角を求めることはできない。
一方、ジャイロコンパスの回転軸の傾斜は傾斜センサーにより容易に求まるから、計測地の緯度を参照すれば、ある方位角をジャイロコンパスの感度軸が向いたときの出力の大きさを上記式(16)で予想することができ、実測した出力の大きさとの比較から、上記式(20)で方位角を求めることができる。
上記式(20)はジャイロコンパスの出力の大きさから方位角を求める式であり、ゲイン誤差、オフセット誤差の影響を強く受ける。この点が位相差で方位角を求める方法と異なっており、計測系の安定性に対する要求が高くなる。
この反面、装置の構成は非常に単純化され、コスト低減が見込まれる他、機械的精度の確保が容易になる利点がある。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の水平方向掘削先端位置の測定システムは、比較的小さな径を有する管など水平系の掘削において、地中水平方向掘削先端位置を測定する用途に好適である。
本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定システムの全体構成図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置の全体構成平面図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置のターゲットユニットの模式図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置の計測ユニットの模式図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置による測定原理の説明図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置の主な機構の模式図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置における位置更新時における各ユニットの位置関係を示す模式図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置のジャイロコンパスによる自転方向検出の説明図である。 本発明の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置のジャイロコンパスによる自転方向検出の信号処理の方法の説明図である。 本発明の他の実施例を示す座標系の関係を示す図である。 本発明の他の実施例を示す高精度ジャイロの感度軸をA座標系のx−y平面回転させた状態を示す図である。 本発明の他の実施例を示す地中水平方向掘削先端位置の測定装置の計測ユニットの模式図である。 本発明の他の実施例を示す計測ユニットとターゲットユニットの位置関係を示す模式図である。
1,11 掘削機
1 ,22 ,…2n ,12 スリーブ管
1 ,32 ,…3n ,20 ターゲットユニット
1 ,42 ,…4n ,13,13′,13″ リンク
1 ,52 ,…5n ,30,61,70 計測ユニット
6 ケーブル(コネクタ付き)
7 コネクタ
8 坑口
9 制御装置
9A 入力インターフェース
9B CPU(中央処理装置)
9C 記憶装置
9D 出力インターフェース
10 表示装置
13A リンク先端支持点
13B リンク後端支持点
14 ケーブル
15,91 サンプルi
15′,91′ サンプルi+1
15″,91″ サンプルi+2
16,92 サンプルiのターゲットユニット
16′,92′ サンプルi+1のターゲットユニット
16″,92″ サンプルi+2のターゲットユニット
17,93 サンプルiの計測ユニット
17′,93′ サンプルi+1の計測ユニット
17″,93″ サンプルi+2の計測ユニット
21,40,80 ターゲットユニットのリンク支持機構
22,31 円形のリング(ケース)
23,41,81 二股状のアーム
23A,43A リンク支点
24,42,82 四角形状のリンク
25,43,83 ピッチ回転軸
26,44,84 ヨー回転軸
27,45,85 ロータリーエンコーダ(Z軸)
28,46,86 ロータリーエンコーダ(Y軸)
32 ピッチ回転軸受
33 水平保持台
34 超音波モータ
35,72 ジャイロコンパス(角速度センサー)
36A,36B,73A,73B 傾斜センサー
37A ボールねじ
37B ボールねじ受け部
38 継ぎ手
39 中空ステッピングモータ
47,74 ピッチ回転軸受取付部
51 水平保持台に対する鉛直軸
52 角速度検出軸
53 地軸
62 x軸
63 y軸
64 z軸
65 北方向軸(x′軸)
66 y′軸
67 地軸(x″軸)
68 z″軸
71 基台

Claims (13)

  1. ターゲットユニット、該ターゲットユニットに設けられるリンク支持機構を介して支持され、所定リンク長を有するリンク、該リンクの後端に接続されるリンク支持機構を有する計測ユニットよりなり、長さ方向をX軸、幅方向をY軸、高さ方向をZ軸とする測定装置と、前記ターゲットユニット、前記リンク及び前記計測ユニットを内蔵し、掘削機の後端に取り付けられる弾性変形可能なスリーブ管とを備え、前記掘削機による掘削の進行量がリンク長さとなる毎に前記スリーブ管中心の2点に渡した前記リンクの角度を、前記計測ユニットにより、方位角、重力加速度方向を基準とする座標に変換し、前記方位角の測定に基づいて前記ターゲットユニットの位置を求めることを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  2. 請求項1記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記スリーブ管は掘削中の前記掘削機の進路変更に伴って弾性変形し、前記計測ユニットの位置と前記リンクの相対角度に基づいて前記ターゲットユニットの位置を求めることを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  3. 請求項1記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、水平保持台上に傾斜センサーとジャイロコンパスを配置し、前記リンクの角度を重力加速度と地球自転軸を基準として求めて、前記ターゲットユニットの位置を測定することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  4. 請求項3記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、前記水平保持台に対して前記リンクが前記Z,Y軸回りに回転できるようにリンク支持機構を設け、該リンク支持機構に高分解能のロータリーエンコーダを設け、各Z,Y軸回りのリンク回転角を測定することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  5. 請求項3記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、2個の傾斜センサーを前記X,Y軸方向に感度軸を向けてセットしておき、前記水平保持台が自動的に水平を保つようにすることを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  6. 請求項1記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記リンクを接続し、前記計測ユニットから一定間隔離れた場所の前記スリーブ管中心にリンク支持点を保持することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  7. 請求項1記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記Z,Y軸回りの回転を許すように前記リンク支持機構を備えており、各軸回りに高分解能のロータリーエンコーダを備えて前記ターゲットユニットに対する前記リンクの傾斜角を測定することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  8. 請求項1記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットの位置と方向が、前記測定装置が前記リンクの長さと同じ距離移動する前の前記ターゲットユニットの位置及び方向と一致するとみなすことによって前記方位角の検出回数を削減可能にすることを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  9. 請求項1記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、基台上に傾斜センサーとジャイロコンパスを配置し、計測地点の緯度を参照する補正方法により、前記ターゲットユニットの位置を測定することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  10. 請求項記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットは、前記基台に対して前記リンクが前記Z,Y軸回りに回転できるようにリンク支持機構を設け、該リンク支持機構に高分解能のロータリーエンコーダを設け、各Z,Y軸回りのリンク回転角を測定することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  11. 請求項記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記リンクを接続し、前記計測ユニットから一定間隔離れた場所の前記スリーブ管中心にリンク支持点を保持することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  12. 請求項記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記ターゲットユニットは前記Z,Y軸回りの回転を許すように前記リンク支持機構を備えており、各Z,Y軸回りに高分解能のロータリーエンコーダを備えて前記ターゲットユニットに対する前記リンクの傾斜角を測定することを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
  13. 請求項記載の水平方向掘削先端位置の測定システムにおいて、前記計測ユニットの位置が、前記測定装置が前記リンクの長さと同じ距離移動する前の前記ターゲットユニットの位置と一致するとみなすことによって、前記方位角の検出回数を削減可能にすることを特徴とする水平方向掘削先端位置の測定システム。
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