JP4536486B2 - ピアス端子及びピアス端子を用いた接続構造 - Google Patents

ピアス端子及びピアス端子を用いた接続構造 Download PDF

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本発明は、フラット回路体の導電部に爪部を突き刺した状態で加締めてフラット回路体の導電部に電気的に接続させるピアス端子、およびピアス端子を用いた接続構造に関する。
従来、図6に示すようなピアス端子50が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このピアス端子50は、相手側端子を嵌合する嵌合部51と、この嵌合部51に一体に形成された配線材接続部52とを備えている。配線材接続部52は、底面部53と、この底面部53の長手方向の間隔を開けた複数位置で、且つ底面部53の幅方向の端より折り曲げによって立設された複数の爪部54とから構成されている。
各爪部54は、底面部53の上面に重ね合うまで折り曲げられた重ね当接部54aと、この重ね当接部54aを底面部53の幅方向の略中央位置より上方に折り曲げた爪本体部54bとから構成されている。従って、複数の爪部54は、底面部53の幅方向の略中央にほぼ一列に配置されている。
このようなピアス端子50をフレキシブルフラットケーブルに接続するよには、先ず、フレキシブルフラットケーブルの同一の導電部の略中央位置に沿ってピアス端子50の複数の爪本体部54bを位置合わせする。次に、ピアス端子50の底面部53をフレキシブルフラットケーブル側に押圧して各爪本体部54bをフレキシブルフラットケーブルに突き刺し、突出した各爪本体部54bの先端を加締める。
この従来のピアス端子50によれば、複数の爪部54がフレキシブルフラットケーブルの導電部と接触するため、電気的接触面積を広く取ることができる。しかも、複数の爪部54がほぼ一列に配置されているため、導電部の幅が狭いフレキシブルフラットケーブルでも確実に導電部に突き刺すことができる。以上より、導電部の幅が狭いフレキシブルフラットケーブルに対し、確実な電気的接続状態を得ることができるものである。
特開2002−305050号公報
しかしながら、従来のピアス端子50は、爪部54と爪部54の間が平板形状の底面部53のみによって連結されているため、その箇所の剛性が弱い。従って、ピアス端子50の各爪部54をフレキシブルフラットケーブルに突き刺すときに、フレキシブルフラットケーブル側からの反力によって底面部53が折れ曲がる恐れがある。そのため、爪部54をフレキシブルフラットケーブルに確実に突き刺すことがでず、突き刺し作業性が悪いという問題がある。
そこで、本発明は、上述の課題を解決すべくなされたものであり、爪部を確実にフラット回路体に容易且つ確実に突き刺すことができるピアス端子、およびピアス端子を用いた接続構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、底面部と、この底面部の長手方向の間隔を開けた複数位置で、且つ、前記底面部の幅方向の略中央位置に立設された複数の爪部と、前記底面部の幅方向の端部に立設された端子曲がり防止用補強壁とを備えたピアス端子であって、前記端子曲がり防止用補強壁は、隣接する爪部の間の位置では、底面部の両側より立設され、且つ、一部オーバーラップして配置され、前記底面部の垂直方向に対する反力を前記底面部と共に受けることを特徴とするピアス端子である。
請求項2の発明は、請求項1記載のピアス端子であって、前記複数の爪部は、前記底面部の長手方向に交互に爪部を残して切欠き、各爪部を曲げ起こすことによって前記底面部の長手方向に交互に形成されたことを特徴とするピアス端子である。
請求項3の発明は、請求項2記載のピアス端子であって、前記端子曲がり防止用補強壁は、前記底面部の切欠かれた箇所以外の両側の端部を曲げ起こすことによって形成されたことを特徴とするピアス端子である。
請求項4の発明は、ピアス端子の複数の爪部をフラット回路体の同一の導電部に突き刺し、フラット回路体より突出した前記各爪部の先端を加締めて前記フラット回路体の前記導電部との電気的接触を行うピアス端子を用いた接続構造であって、前記ピアス端子は、底面部と、この底面部の長手方向の間隔を開けた複数位置で、且つ、前記底面部の幅方向の略中央位置に立設された複数の爪部と、この少なくとも隣接する爪部の間の位置で、且つ、前記底面部の幅方向の端部に立設された端子曲がり防止用補強壁とを備え、前記端子曲がり防止用補強壁は、隣接する爪部の間の位置では、底面部の両側より立設され、且つ、一部オーバーラップして配置され、前記フラット回路体側からの反力を前記底面部と共に受けることを特徴とするピアス端子を用いた接続構造である。
請求項1の発明によれば、ピアス端子の各爪部を例えばフラット回路体に突き刺す時に、フラット回路体側からの反力を底面部と共に端子曲げ防止用補強壁によって受けるため、底面部が折れ曲がることがない。従って、爪部を確実にフラット回路体に突き刺すことができ、突き刺し作業性が良い。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、複数の爪部を底面部の同じ側を曲げ起こす場合に較べて底面部自体の強度が強くなる。従って、ピアス端子の剛性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、端子曲がり防止用補強壁が両側に設けられるため、ピアス端子の剛性を更に向上させることができる。
請求項4の発明によれば、ピアス端子の各爪部を例えばフラット回路体に突き刺すときに、フラット回路体側からの反力を底面部と共に端子曲げ防止用補強壁によって受けるため、底面部が折れ曲がることがない。従って、爪部を確実にフラット回路体に突き刺すことができ、突き刺し作業性が良い。
以下、本発明の実施の形態に係るピアス端子、およびピアス端子の接続構造を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の実施の形態を示し、図1はピアス端子1とフラット回路体としてのフレキシブルフラットケーブル10の斜視図、図2はピアス端子1の爪部5をフレキシブルフラットケーブル10に突き刺した状態の断面図、図3はピアス端子1の爪部5の先端を加締める作業を示す断面図、図4はピアス端子1の爪部5の先端を加締めた状態の断面図、図5(a)はピアス端子1の爪部5を同じ方向に加締めた場合の平面図、図5(b)はピアス端子1の爪部5を交互に異なる方向に加締めた場合の平面図である。
ピアス端子1は、図1に示すように、相手側端子を接続する端子接続部2と、この端子接続部2に一体に形成されたフラット回路接続部3とから構成されている。
端子接続部2は、相手側端子を嵌合することによって接続される。フラット回路接続部3は、平板状の底面部4と、この底面部4より上方に向かって立設された複数の爪部5と、同じく底面部4より上方に向かって立設された端子曲がり防止用補強壁6とを備えている。
複数の爪部5は、底面部4の長手方向Tの間隔を開けた複数の位置で、且つ底面部4の幅方向Sの略中央位置に立設されている。具体的には、底面部4の長手方向Tに交互に爪部5のみを残して切欠き、各爪部5を曲げ起こすことによって底面部4の長手方向Tに交互に形成されている。複数の爪部5は、底面部4の幅方向Sの略中央位置に配置されているため、ほぼ一列に配置されている。各爪部5の先端側は、先端に向かうに従って徐々に幅狭になるべく円弧形状に形成されている。
端子曲がり防止用補強壁6は、底面部4の切欠かれた箇所以外の両側の端部を全て曲げ起こすことによって形成されている。つまり、端子曲がり防止用補強壁6は、隣接する爪部5の間の位置では、底面部4の両側より立設され、且つ、一部オーバーラップして配置されている。爪部5の位置では、いずれか一方の端部に立設されている。
次に、このピアス端子1を接続するフラット回路体であるフレキシブルフラットケーブル10を説明する。図1に示すように、フレキシブルフラットケーブル10は、間隔を開けて互いに平行に配置された複数本の導電部11と、これら導電部11の外周を被覆する絶縁外皮12とから構成されている。
次に、ピアス端子1をフレキシブルフラットケーブル10に接続する手順を説明する。図1に示すように、ピアス端子1の複数の爪部5をフレキシブルフラットケーブル10の所望の導電部11の略中央位置で長手方向に沿って位置合わせする。
次に、図2に示すように、ピアス端子1の底面部4をフレキシブルフラットケーブル10側に押圧し、複数の爪部5をフレキシブルフラットケーブル10に突き刺す。すると、各爪部5は、絶縁部12および導電部11を貫通する。
次に、図3に示すように、フレキシブルフラットケーブル10を貫通した各爪部5の先端を加締め治具20を用いて加締め加工する。すると、各爪部5の先端は、図4に示すように、フレキシブルフラットケーブル10の表面に沿う状態に折曲される。
複数の爪部5の先端は、図5(a)に示すように、全て同じ方向に折曲しても、図5(b)に示すように、交互に異なる方向に折曲しても良い。フレキシブルフラットケーブル10を貫通した爪部5は、導電部11に接触状態となる。これにより、フレキシブルフラットケーブル10の所望の導電部12を外部に導通させるための外部端子をピアス端子1によって形成できる。
以上、上記のピアス端子1では、底面部4の幅方向方向Sの略中央位置に複数の爪部5が立設されているため、導電部11の幅が狭いフレキシブルフラットケーブル10に対し確実な電気的接続状態を得ることができる。そして、ピアス端子1の各爪部5をフレキシブルフラットケーブル10に突き刺す時に、フレキシブルフラットケーブル10側からの反力を底面部4と共に端子曲げ防止用補強壁6によって受けるため、底面部4が折れ曲がることがない。従って、爪部5を確実にフレキシブルフラットケーブル10に突き刺すことができ、突き刺し作業性が良い。
この実施の形態では、複数の爪部5は、底面部4の長手方向Tに交互に爪部5のみを残して切欠き、各爪部5を曲げ起こすことによって底面部4の長手方向Tに交互に形成されているため、複数の爪部5を底面部4の同じ側を曲げ起こす場合に較べて底面部4自体の強度が強くなる。従って、ピアス端子1の剛性を向上させることができる。
この実施の形態では、端子曲がり防止用補強壁6は、底面部4の切欠かれた箇所以外の両側の端部を曲げ起こすことによって形成されているため、端子曲がり防止用補強壁6を底面部の一方の端部に設ける場合に較べて強度が強くなる。従って、ピアス端子1の剛性を更に向上させることができる。
この実施の形態では、端子曲がり防止用補強壁6は、底面部4の両側の端部に立設されているが、少なくとも隣接する爪部5の間の位置で立設されれば、底面部4のいずれか一方の端部のみに立設されても良い。
この実施の形態では、フラット回路体はフレキシブルフラットケーブル10であるが、ピアス端子1の爪部5を突き刺すことによって電気的接続を行うことができるものであれば良い。
本発明の実施の形態に係るピアス端子とフレキシブルフラットケーブルの斜視図である。 本発明の実施の形態に係るピアス端子の爪部をフレキシブルフラットケーブルに突き刺した状態の断面図である。 本発明の実施の形態に係るピアス端子の爪部の先端を加締める作業を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るピアス端子の爪部の先端を加締めた状態の断面図である。 (a)は本発明の実施の形態に係るピアス端子の爪部を同じ方向に加締めた場合の平面図、(b)は本発明の実施の形態に係るピアス端子の爪部を交互に異なる方向に加締めた場合の平面図である。 従来のピアス端子の斜視図である。
符号の説明
1 ピアス端子
4 底面部
5 爪部
6 端子曲がり防止用補強壁
10 フレキシブルフラットケーブル(フラット回路体)
11 導電部
T 底面部の長手方向
S 底面部の幅方向

Claims (4)

  1. 底面部と、この底面部の長手方向の間隔を開けた複数位置で、且つ、前記底面部の幅方向の略中央位置に立設された複数の爪部と、前記底面部の幅方向の端部に立設された端子曲がり防止用補強壁とを備えたピアス端子であって、
    前記端子曲がり防止用補強壁は、隣接する爪部の間の位置では、底面部の両側より立設され、且つ、一部オーバーラップして配置され、前記底面部の垂直方向に対する反力を前記底面部と共に受けることを特徴とするピアス端子。
  2. 請求項1記載のピアス端子であって、
    前記複数の爪部は、前記底面部の長手方向に交互に爪部を残して切欠き、各爪部を曲げ起こすことによって前記底面部の長手方向に交互に形成されたことを特徴とするピアス端子。
  3. 請求項2記載のピアス端子であって、
    前記端子曲がり防止用補強壁は、前記底面部の切欠かれた箇所以外の両側の端部を曲げ起こすことによって形成されたことを特徴とするピアス端子。
  4. ピアス端子の複数の爪部をフラット回路体の同一の導電部に突き刺し、フラット回路体より突出した前記各爪部の先端を加締めて前記フラット回路体の前記導電部との電気的接触を行うピアス端子を用いた接続構造であって、
    前記ピアス端子は、底面部と、この底面部の長手方向の間隔を開けた複数位置で、且つ、前記底面部の幅方向の略中央位置に立設された複数の爪部と、この少なくとも隣接する爪部の間の位置で、且つ、前記底面部の幅方向の端部に立設された端子曲がり防止用補強壁とを備え、
    前記端子曲がり防止用補強壁は、隣接する爪部の間の位置では、底面部の両側より立設され、且つ、一部オーバーラップして配置され、前記フラット回路体側からの反力を前記底面部と共に受けることを特徴とするピアス端子を用いた接続構造。
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