次に、本発明の最良の形態によるスロットマシン1について説明する。
図1は本発明の最良の形態によるスロットマシン1の外観を示す正面図である。
スロットマシン1の前面パネル2の背後には3個のリール3,4,5が回転自在に設けられている。各リール3,4,5の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓6,7,8を通してそれぞれ3個ずつ観察される。また、表示窓6,7,8の下方右側には、遊技者がメダルを入れるための投入口9が設けられている。
表示窓6〜8には、横3本(中央L1および上下L2A,L2B)および斜め2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインが記されている。ゲーム開始に先立ち、遊技者がメダル投入口9に1枚のメダルを投入したときは、各リール3〜5上にある中央の入賞ラインL1だけが図2(a)に示すように有効化される。また、2枚のメダルを投入口9に投入したときはこれに上下の入賞ラインL2A,L2Bが加わり、横3本の入賞ラインL1,L2AおよびL2Bが同図(b)に示すように有効化される。また、3枚のメダルを投入口9に投入したときは全ての入賞ラインL1,L2A,L2B,L3AおよびL3Bが同図(c)に示すように有効化される。
なお、同図における丸印は各リール3〜5上に描かれたシンボルを表している。このような入賞ラインの有効化は、各入賞ラインの端部に配置された有効化ライン表示ランプ23が点灯することにより、遊技者に表示される。
また、表示窓6〜8の下方左側には、1BETスイッチ10,2BETスイッチ11およびマックスBETスイッチ12が設けられている。クレジット数表示部13にメダルがクレジットされている場合には、メダル投入口9へのメダル投入に代え、これら1BETスイッチ10,2BETスイッチ11およびマックスBETスイッチ12の各押ボタン操作により、1回のゲームにそれぞれ1枚,2枚および3枚のメダルが賭けられる。クレジット数表示部13は、表示する数値の桁数に応じた個数の7セグメントLEDで構成されており、現在クレジットされているメダル数を表示する。
これらBETスイッチ10〜12の下方にはクレジット/精算切換スイッチ(C/Pスイッチ)14およびスタートレバー15が設けられており、スタートレバー15の右方の機器中央部には停止ボタン16,17,18が設けられている。C/Pスイッチ14の押しボタン操作により、メダルのクレジット/払い出し(PLAY CREDIT/PAY OUT)を切り換えることが出来る。
また、スタートレバー15のレバー操作により、リール3,4,5の回転が一斉に開始する。停止ボタン16,17,18は、各リール3,4,5に対応して配置されており、これら各リール3〜5の回転が一定速度に達したとき操作が有効化され、遊技者の押しボタン操作に応じて各リールの回転を停止させる。
また、スロットマシン1の正面下部には透音孔19およびメダル受皿20が設けられている。透音孔19は、機器内部に収納されたスピーカから発生した音を外部へ出すものである。メダル受皿20はメダル払出口21から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、各入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかが示されている配当表示部22が設けられている。
また、各リール3,4,5の右方の前面パネル2には液晶表示部24が設けられている。この液晶表示部24は各リール3,4,5の回転表示をしたり、遊技履歴を表示したり、ボーナスゲーム中に演出を行ったりするディスプレイ装置である。また、リール8の下方には、赤色またはオレンジ色または緑色のいずれか1色で発光する乱数表示ランプ25が設けられている。この乱数表示ランプ25は、後述する乱数発生手段で発生する乱数を遊技者に逐次報知する乱数報知手段を構成している。
図3は、本実施形態のスロットマシン1における遊技処理動作を制御する制御部と、これに電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とを含む回路構成を示している。
制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)30を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU(中央演算処理装置)31と、記憶手段であるROM(読み込み専用メモリ)32およびRAM(読み書き可能メモリ)33を含んで構成されている。CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34および分周器35と、一定範囲の乱数を発生させる乱数発生手段である乱数発生器36および発生した乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽出手段である乱数サンプリング回路37が接続されている。
マイコン30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、リール3,4,5を回転駆動する各ステッピングモータ55、メダルを収納するホッパ38、液晶表示部24、スピーカ39および乱数表示ランプ25がある。これらはそれぞれモータ駆動回路40、ホッパ駆動回路41、表示駆動回路42、スピーカ駆動回路43およびランプ駆動回路48によって駆動される。これら駆動回路40〜43,48は、マイコン30のI/Oポートを介してCPU31に接続されている。各ステッピングモータ55はモータ駆動回路40によって1−2相励磁されており、400パルスの駆動信号が供給されるとそれぞれ1回転する。
また、マイコン30が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートレバー15の操作を検出するスタートスイッチ15Sと、メダル投入口9から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ9Sと、前述したC/Pスイッチ14とがある。また、ホトセンサ59、およびこのホトセンサ59からの出力パルス信号を受けて各リール3,4,5の回転位置を検出するリール位置検出回路44もある。
ホトセンサ59は各リール3,4,5が一回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路44を介してCPU31に与えられる。RAM33内には、各リール3〜5について、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されており、CPU31はリセットパルスを受け取ると、RAM33内に形成されたこの計数値を“0”にクリアする。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ55の回転との間に生じるずれが、一回転毎に解消されている。
さらに、上記の入力信号発生手段として、リール停止信号回路45と、払出し完了信号発生回路46とがある。リール停止信号回路45は、停止ボタン16,17,18が押された時に、対応するリール3,4,5を停止させる信号を発生する。また、メダル検出部47はホッパ38から払い出されるメダル数を計数し、払出し完了信号発生回路46は、このメダル検出部47から入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が所定の配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を知らせる信号をCPU31へ出力する。
ROM32には、このスロットマシン1で実行されるゲーム処理の手順がシーケンスプログラムとして記憶されている他、入賞確率テーブル,シンボルテーブル、および入賞シンボル組合せテーブル等がそれぞれ区分されて格納されている。
入賞確率テーブルは、サンプリング回路37で抽出された乱数を各入賞態様に区分けする乱数区分手段を構成しており、乱数発生器36で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。このような入賞確率テーブルは例えば図4(a)に示すように構成される。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3,g1〜g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路37で抽出された乱数を各入賞態様に区分する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜g1」、2枚の場合には「a2〜g2」、3枚の場合には「a3〜g3」の各数値の組合せが用いられる。
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がa未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当選フラグが立つ。また、抽出された乱数値がa以上b未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当選フラグが立つ。また、抽出された乱数値がb以上e未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、b以上c未満の場合には「スイカ」当選フラグが立ち、c以上d未満の場合には「ベル」当選フラグ、d以上e未満の場合には「チェリー」当選フラグが立つ。また、抽出された乱数値がe以上f未満の場合には「再遊技」当選フラグが立つ。また、抽出された乱数値がf以上g未満であれば後述する「特殊遊技」当選フラグが立ち、g以上であれば入賞なしの「ハズレ」当選フラグが立つ。
図5(a)は、図4(a)に示す3枚賭け時のヒット区画データである数値データa3〜g3の各値の一例を示している。ここで、乱数発生器36は0〜65535(=216)の範囲の乱数を発生するものとしている。
同テーブルによれば、入賞判定時に0〜200の範囲にある乱数がサンプリング回路37によって抽出されれば、内部抽選結果は大当たり入賞となって「BB」当選フラグが立ち、201〜380の範囲にある乱数がサンプリング回路37によって抽出されれば、内部抽選結果は中当たり入賞となって「RB」当選フラグが立つ。同様に、381〜4000の範囲にある乱数が抽出されれば、各役の小当たり入賞当選フラグが立ち、4001〜10000の範囲にある乱数が抽出されれば「再遊技」当選フラグが立つ。さらに、10001〜10200の範囲にある乱数が抽出されれば、「特殊遊技」当選フラグが立ち、10201〜65535の範囲にある乱数が抽出されれば、「ハズレ」当選フラグが立つ。
つまり、入賞態様は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、「ハズレ」および「再遊技」を含めて合計8種類の当選フラグによって表される。ここで、乱数発生器36,サンプリング回路37,入賞確率テーブルおよびマイコン30は入賞態様決定手段を構成している。各種のヒットはこのような入賞確率テーブルのデータ設定に応じた確率の下で発生するため、遊技者の技量に極端に左右されることなく、例えば1日の営業時間内でのトータル的なメダル支払い率がほぼ一定に維持されている。
また、シンボルテーブルは図6に概念的に示される。このシンボルテーブルは各リール3〜5の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルにはコードナンバに対応したシンボルコードが各リール3〜5毎に記憶されている。コードナンバは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として各リール3〜5の一定の回転ピッチ毎に順次付与されている。シンボルコードはそれぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示している。
また、入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部22に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、特定ゲーム発生のフラグが成立していることを遊技者に示唆する「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール3,第2リール4、第3リール5の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
また、本実施形態によるスロットマシンにおける遊技状態の種類には「RB作動中」,「BB作動中の一般遊技」,「一般遊技」,「RB内部当たり中の一般遊技」,および「BB内部当たり中の一般遊技」の5種類の通常遊技と、1種類の「特殊遊技」との合計6種類がある。
RBは前述したレギュラー・ボーナス・ゲームを意味しており、このRBゲームでは複数回の高配当ゲームが一組となったボーナスゲームが1回行える。「RB作動中」はこのRBゲーム中の遊技状態を表しており、ハズレまたはJAC当選のいずれかが生じる。また、BBは前述したビッグ・ボーナス・ゲームを意味しており、このBBゲームでは一般遊技および上記のボーナスゲームのセットを複数回行うことが出来る。「BB作動中の一般遊技」はBBゲーム中のこの一般遊技のことを意味しており、この一般遊技では小当たり入賞が高確率で発生する。また、「一般遊技」はBB,RBのいずれの入賞も生じていない遊技状態である。「RB内部当たり中の一般遊技」,「BB内部当たり中の一般遊技」は、RB当選フラグ,BB当選フラグは立っているが、各リール3〜5に所定の入賞シンボル組合せが停止表示されず、未だRBゲーム,BBゲームに突入していない一般遊技状態のことを表している。
本実施形態では、上記の5種類の通常遊技状態の他に、「特殊遊技」という遊技の初心者にとって有利な遊技状態がある。この「特殊遊技」状態では、乱数発生手段で発生する乱数が乱数表示ランプ25によって遊技者に逐次報知されるため、遊技者は所望の入賞態様を発生させる乱数の発生タイミングを知ることが出来る。
この「特殊遊技」状態では、入賞確率抽選処理は、図4(a)に示す入賞確率テーブルに代えて同図(b)に示す入賞確率テーブルが用いられて後述するように行われる。図5(b)は、この図4(b)に示す入賞確率テーブルの3枚賭け時のヒット区画データである数値データa3〜f3の各値の一例を示している。図4(b)に示す入賞確率テーブルは、図4(a)に示す入賞確率テーブルから特殊遊技状態の欄を削除したものである。図5(b)に示す入賞確率テーブルは、図5(a)に示す入賞確率テーブルから特殊遊技状態の欄を削除し、ハズレのデータ幅を広げたものである。
次に、本実施形態においてマイコン30で制御される遊技機の動作について説明する。
図7および図8はこの遊技処理のメインプログラムの概略を示すフローチャートである。
まず、CPU31により、メダル投入が受け付けられたかどうかが判別される(図7,ステップ101参照)。この判別は、メダル投入口9にメダルが投入され、メダルセンサ9Sからの検出信号入力があった場合、あるいはBETスイッチ10,11,12からの信号入力があった場合に“YES”となる。次に、スタートレバー15の操作によりスタートスイッチ15Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ102)。
この判別が“YES”の場合、乱数発生器36で発生される乱数の中からサンプリング回路37によって任意の乱数が取得される(ステップ103)。そして、取得された乱数が図4(a)に示す入賞確率テーブルの中のどの入賞態様区分に属するか否かが判定され、入賞態様が決定される(ステップ104)。この確率抽選処理が行われるタイミングはスタートレバー15の操作直後に行われる。
決定された入賞態様は内部当選フラグの種類によって表され、「ハズレ」,「特殊遊技」,「再遊技」,「チェリー」,「ベル」,「スイカ」,「RB」および「BB」の8種類の中のいずれか1つの内部当選フラグがRAM33の所定領域にセットされる。
次に、第1リール3,第2リール4,第3リール5の回転処理が行われ(ステップ105)、これら各リール3,4,5は一斉に回転し出す。次に、遊技者による各停止ボタン16〜18の操作がリール停止信号回路45を介してCPU31によって検出され、いずれかの停止ボタン16,17,18が遊技者によって操作されたか否かが判断される(ステップ106)。いずれかの停止ボタン16,17,18の操作が検出されると、次に、ステップ104の確率抽選処理でセットされた内部当選フラグの種類に応じ、各リール3,4,5の停止制御が行われる(ステップ107)。
つまり、当選フラグが「チェリー」の場合には、いずれかの有効化入賞ライン上にシンボル「チェリー」の組合せが揃うように各リール3〜5が停止制御される。また、当選フラグが「ベル」,「スイカ」の場合には、いずれかの有効化入賞ライン上にシンボル「ベル」,「スイカ」の組合せが揃うように各リール3〜5が停止制御される。
また、当選フラグが「RB」,「BB」の場合には、いずれかの有効化入賞ライン上にシンボル「7」または所定のキャラクタ・シンボルの組合せが揃うように各リール3〜5が停止制御される。また、当選フラグが「特殊遊技」の場合には、いずれかの有効化入賞ライン上に所定の特定シンボルの組合せが揃うように各リール3〜5が停止制御される。
なお、上記の各停止制御は、各窓6〜8に表示されるシンボルが所定のコマ数分ずれた操作タイミングで遊技者が各停止ボタン16〜18を操作しても、各当選フラグに対応する各シンボル組合せが有効化入賞ライン上に揃うように行われる。
次に、このリール停止制御処理が全てのリール3〜5について行われたか否かが判断される(ステップ108)。全てのリール3〜5についての停止制御処理が終了すると、次に、全リール停止時の表示が所定の入賞シンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(図8,ステップ109)。つまり、リール停止制御は全て機械によって行われるのではなく、遊技者による各停止ボタン16〜18の操作タイミングも問われているため、内部抽選の結果入賞当選フラグが立っていても、停止ボタン16〜18が所定タイミングに操作されないと、有効化入賞ライン上に入賞シンボル組合せは揃わず、入賞は発生しない。
入賞が得られなかったときにはステップ109の判定は“NO”となり、処理は初めのステップ101に戻る。また、入賞判定の結果リプレイゲーム(再遊技)であるときは、処理はステップ102のスタートレバー15の操作待ち処理に戻る(ステップ110)。リプレイゲームでない入賞のときには、CPU31によってホッパ駆動回路41が制御され、所定枚数のメダルがホッパ38によってコイン受け皿20へ払い出される(ステップ111)。
例えば、「チェリー」の小当たり入賞の場合には2枚のメダルが払い出され、また、「ベル」の小当たり入賞の場合には6枚のメダル、「スイカ」の小当たり入賞の場合には8枚のメダルが払い出される。また、「BB」,「RB」の大当たり入賞の場合、および「特殊遊技」の入賞の場合には、それぞれ15枚のメダルが払い出される。
次に、配当枚数分のメダルが払い出されたか否かがメダルセンサ9Sによって検出され(ステップ112)、配当枚数分のメダル払い出しが終了すると、次に、「特殊遊技」を発生させる特定シンボルが有効化入賞ライン上に揃ったか否かが判断される(ステップ113)。この特定シンボルが揃った場合には、処理は後述する特殊遊技処理に移行する。一方、特定シンボルが揃っていない場合には、次に、BBゲームが発生したか否かが判断され(ステップ114)、BBゲームが発生している場合にはBBゲームが実行される(ステップ115)。また、BBゲームが発生していない場合には、次にRBゲームが発生したか否かが判断され(ステップ116)、RBゲームが発生している場合にはRBゲームが実行される(ステップ117)。その後、上述した処理が繰り返されてスロットマシン遊技が行われる。
図9および図10は特殊遊技処理の概略を示すフローチャートである。
この特殊遊技処理でも、まず、CPU31により、メダル投入が受け付けられたかどうかが判別され(図9,ステップ121参照)、引き続いて、スタートレバー15の操作があったか否かが判別される(ステップ122)。この判別が“YES”の場合、乱数発生器36で発生される乱数の中からサンプリング回路37によって任意の乱数が取得される(ステップ123)。そして、取得された乱数が図4(b)に示す入賞確率テーブルの中のどの入賞態様区分に属するか否かが判定され、入賞態様が決定される(ステップ124)。この確率抽選処理が行われるタイミングもスタートレバー15の操作直後に行われる。
この場合も決定された入賞態様は内部当選フラグの種類によって表され、「ハズレ」,「再遊技」,「チェリー」,「ベル」,「スイカ」,「RB」および「BB」の7種類の中のいずれか1つの内部当選フラグがRAM33の所定領域にセットされる。
次に、第1リール3,第2リール4,第3リール5の回転処理が行われ(ステップ125)、これら各リール3,4,5は一斉に回転し出す。次に、いずれかの停止ボタン16,17,18が遊技者によって操作されたか否かが判断される(ステップ126)。いずれかの停止ボタン16,17,18の操作が検出されると、次に、ステップ124の確率抽選処理でセットされた内部当選フラグの種類に応じ、各リール3,4,5の停止制御が行われる(ステップ127)。
次に、このリール停止制御処理が全てのリール3〜5について行われたか否かが判断される(ステップ128)。全てのリール3〜5についての停止制御処理が終了すると、次に、全リール停止時の表示が所定の入賞シンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(図10,ステップ129)。入賞が得られなかったときにはステップ129の判定は“NO”となり、処理はメインプログラムのステップ101に戻って通常遊技が開始され、特殊遊技処理は終了する。
また、ステップ129の入賞判定の結果リプレイゲーム(再遊技)であるときは、処理はステップ122のスタートレバー15の操作待ち処理に戻る(ステップ130)。リプレイゲームでない入賞のときには、所定枚数のメダルが払い出される(ステップ131)。
次に、配当枚数分のメダルが払い出されたか否かが判断される(ステップ132)。配当枚数分のメダル払い出しが終了すると、次に、BBゲームが発生したか否かが判断され(ステップ133)、BBゲームが発生している場合にはBBゲームが実行される(ステップ134)。また、BBゲームが発生していない場合には、次にRBゲームが発生したか否かが判断され(ステップ135)、RBゲームが発生している場合にはRBゲームが実行される(ステップ136)。その後、特殊遊技は終了し、処理はメインプログラムのステップ101に戻り、通常遊技が開始される。
図11および図12は割込処理プログラムの概要を示すフローチャートである。
この割込処理プログラムは、メインプログラムの処理が行われている最中に一定時間間隔毎、例えば1.88[msec]毎に行われる。この割込処理プログラムでは、まず、現在の遊技状態が特殊遊技状態であるかか否かが判断される(図11,ステップ141参照)。現在の遊技状態が特殊遊技状態でない場合には、処理は後述するステップ145に移行する。一方、現在の遊技状態が特殊遊技状態である場合には、乱数更新用カウンタのカウント値が1カウントアップされる(ステップ142)。この乱数更新用カウンタには例えばCPU31内にあるレジスタ等が用いられる。
次に、この乱数更新用カウンタのカウント値が9999であるか否かが判断される(ステップ143)。乱数更新用カウンタのカウント値が9999でない場合には、処理は後述するステップ147に移行する。一方、乱数更新用カウンタのカウント値が9999である場合には乱数更新用カウンタのカウント値が0にリセットされる(ステップ144)。
次に、乱数発生器36が発生する乱数に1が足し込まれる(ステップ145)。乱数発生器36もカウンタによって構成されており、乱数発生器36はこのステップ145が実行される毎にそのカウント値を1だけカウントアップする。従って、乱数発生器36のカウント値は、遊技状態が通常遊技状態である場合には、割込処理プログラムが実行される1.88[msec]毎に1づつカウントアップする。しかし、遊技状態が特殊遊技状態である場合には、乱数発生器36のカウント値は、乱数更新用カウンタのカウント値が9999になる毎に、つまり、割込処理プログラムが10000回実行される毎に1づつカウントアップする。すなわち、遊技状態が特殊遊技状態である場合には、乱数発生器36のカウント値は、1.88[msec]×10000=18.8[sec]毎に1づつカウントアップする。
ここで、この割込処理プログラムを実現させるCPU31,ROM32およびRAM33と乱数更新用カウンタとは、前述した乱数報知手段によって報知される乱数を遊技者が把握できる発生間隔に遅延させる乱数発生間隔遅延手段を構成している。
次に、CPU31は、乱数発生器36で発生する乱数を一定範囲に収束させるため、例えば、入賞確率テーブルに図5に示す値が用いられる場合には、乱数を0〜65535に補正する(ステップ146)。つまり、乱数発生器36で更新される乱数値が65535を越える場合には、CPU31は乱数発生器36の乱数値を0にリセットする。
次に、再度、現在の遊技状態が特殊遊技状態であるかか否かが判断される(図12,ステップ147参照)。現在の遊技状態が特殊遊技状態でない場合には、割込処理プログラムは終了する。従って、現在の遊技状態が通常遊技状態の場合には、この割込処理プログラムではステップ145およびステップ146だけが実行され、乱数発生器36の発生する乱数が更新だけされて割込処理は終了する。
一方、ステップ147で、現在の遊技状態が特殊遊技状態である場合には、次に、乱数発生器36の乱数値が0〜200の範囲にあるか否か、つまり、BBゲームを発生する乱数値範囲にあるか否かが判断される(ステップ148)。乱数発生器36の乱数値が0〜200の範囲にある場合には、CPU31はランプ駆動回路48によって乱数表示ランプ25を赤色で点灯させる(ステップ149)。
また、ステップ148で乱数発生器36の乱数値が0〜200の範囲にない場合には、次に、この乱数値が201〜380の範囲にあるか否か、つまり、RBゲームを発生する乱数値範囲にあるか否かが判断される(ステップ150)。乱数発生器36の乱数値が201〜380の範囲にある場合には、CPU31はランプ駆動回路48によって乱数表示ランプ25をオレンジ色で点灯させる(ステップ151)。
また、ステップ150で乱数発生器36の乱数値が201〜380の範囲にない場合には、次に、この乱数値が381〜4000の範囲にあるか否か、つまり、小当たり入賞を発生する乱数値範囲にあるか否かが判断される(ステップ152)。乱数発生器36の乱数値が381〜4000の範囲にある場合には、CPU31はランプ駆動回路48によって乱数表示ランプ25を緑色で点灯させる(ステップ153)。
また、ステップ152で乱数発生器36の乱数値が381〜40000の範囲にない場合には、CPU31はランプ駆動回路48によって乱数表示ランプ25の点灯を消灯させる(ステップ154)。
上述したこのような本実施形態によるスロットマシンでは、特殊遊技中、乱数発生器36で発生する乱数は乱数表示ランプ35の点灯によって逐次遊技者に報知される。つまり、乱数表示ランプ35が赤色で点灯していれば、遊技者は、乱数発生器36で発生する乱数が現在BBゲームを発生する乱数値範囲にあることを知る。また、乱数表示ランプ35がオレンジ色で点灯していれば、遊技者は、乱数発生器36で発生する乱数が現在RBゲームを発生する乱数値範囲にあることを知り、乱数表示ランプ35が緑色で点灯していれば、遊技者は、乱数発生器36で発生する乱数が現在小当たり入賞を発生する乱数値範囲にあることを知る。
従って、遊技者は所望の入賞態様を発生させる乱数の発生タイミングを知ることが出来、所望の入賞態様が発生するように遊技操作を行うことが可能になる。つまり、乱数表示ランプ35の点灯状態から把握される乱数値範囲が所望の入賞態様に対応した範囲にある時に、ステップ122のスタートレバー操作を行うことにより、ステップ123の乱数取得は所望の入賞態様に対応した乱数に対して行われる。従って、ステップ124の確率抽選処理によって決定される入賞態様は所望のものになる。
このため、遊技の初心者であっても、所望の内部抽選結果が得られるため、各リール3〜5を所望の回転位置で停止させる目押し操作は、所望の入賞態様に対応したシンボルをはじめから狙って行える。このため、遊技の初心者であっても、ある程度のメダルを獲得することが出来るようになり、この結果、本実施形態によるスロットマシンは、遊技の熟練者ばかりではなく、遊技の初心者にも歓迎されるようになる。
また、本実施形態では、乱数発生器36で発生される乱数の発生間隔が、通常遊技状態では1.88[msec]であるのが、特殊遊技状態では18.8[sec]に遅延される。このため、遊技者は、乱数表示ランプ25によって報知される乱数を確実に目視して把握できるようになる。従って、遊技者は、より容易に、所望の入賞態様が発生するように遊技操作を行うことが可能になる。
また、本実施形態では、所定の遊技条件が成立した場合に、つまり、ステップ104の確率抽選処理で特殊遊技の内部当選フラグが立ち、ステップ113で特定シンボルが揃った場合に特殊遊技が発生し、乱数表示ランプ25が発生乱数を報知し、また、乱数発生間隔の遅延が行われる。このため、初心者にとって有利な特殊遊技の発生が限定され、遊技の初心者と遊技の熟練者間における、メダル獲得上の遊技の公平性が確保される。
なお、上記実施形態の説明ではリール3の下方の前面パネル2に1個の乱数表示ランプ25を設け、この乱数表示ランプ25の発光色によって乱数発生器36で発生される乱数を報知するようにした。しかし、乱数報知手段はこのような乱数表示ランプ25に限定されるものではない。例えば、図13に示すように、各リール3〜5の下方の前面パネルに複数のLED1〜LED8を設け、これらLED1〜LED8の発光箇所の相違によって乱数発生器36で発生される乱数を報知するようにしてよい。なお、同図において図1と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
例えば、LED1が発光した場合にはBBゲームを発生させる乱数の数値範囲にあることを報知し、LED2が発光した場合にはRBゲームを発生させる乱数の数値範囲、LED3が発光した場合にはスイカの小当たり入賞を発生させる乱数の数値範囲、LED4が発光した場合にはベルの小当たり入賞を発生させる乱数の数値範囲、LED5が発光した場合には4枚チェリーの小当たり入賞を発生させる乱数の数値範囲、LED6が発光した場合には2枚チェリーの小当たり入賞を発生させる乱数の数値範囲、LED7が発光した場合には再遊技を発生させる乱数の数値範囲、LED8が発光した場合にはハズレを発生させる乱数の数値範囲にあることを報知するようにしてもよい。
また、図1や図13に示すスロットマシンでは、乱数表示ランプ25やLED1〜LED8により、入賞確率テーブルが区分する各入賞態様毎に、乱数発生器36で発生される乱数を遊技者に逐次報知するようにした。しかし、乱数報知手段をデジタル値を表示する表示器で構成し、乱数発生器36で発生される乱数の値そのものを遊技者に逐次報知する構成にしてもよい。
また、乱数報知手段を液晶表示器で構成し、乱数発生器36で発生される乱数をリールシンボルによって遊技者に逐次報知する構成にしてもよい。例えば、図14(a)の液晶表示画面に示すように、「現在、乱数狙い打ち可能遊技中」であることを表示し、そして、「今、スタートレバーを叩くと、シンボル“7”が当たる」乱数が発生していることを表示する。また、同図(b)の液晶表示画面に示すように、「現在、乱数狙い打ち可能遊技中」であることを表示し、そして、「今、スタートレバーを叩くと、シンボル“BAR”が当たる」乱数が発生していることを表示する。また、同図(c)の液晶表示画面に示すように、「現在、乱数狙い打ち可能遊技中」であることを表示し、そして、「今、スタートレバーを叩くと、シンボル“チェリー”が当たる」乱数が発生していることを表示する。
また、乱数報知手段は、遊技者の視覚に訴える上記のような発光表示器ではなくても、遊技者の聴覚や触覚等に訴えて乱数発生器36で発生する乱数を遊技者に逐次報知するようにしても良い。例えば、透音孔19を介して内蔵スピーカ39から出力される音により、乱数発生器36で発生する乱数を遊技者に聴覚で逐次報知するようにしても良い。また、各停止ボタン16〜18の操作部の裏側にボタン部に衝撃を与えるソレノイド等を設置し、乱数発生器36で発生する乱数の値によって異なる振動を遊技者の指に与え、乱数発生器36で発生する乱数を触覚で遊技者に逐次報知するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、特殊遊技は1回で終了するようにした場合について説明したが、複数回特殊遊技を行えるように構成してもよい。さらに、全ての入賞態様の乱数値を全て報知するようにしてもよいし、一部の入賞態様の乱数値だけを報知するようにしてもよい。
また、上記実施形態のスロットマシンにおける特殊遊技を、CT機における従来のCT遊技の代わりに用いることが出来る。特殊遊技をCT遊技の代わりにするこのようなスロットマシンでは、従来、目押し操作が未熟なことからCT遊技で多くのメダルを獲得できなかった初心者においても、乱数の狙い打ちが出来るため、所望する入賞態様の乱数抽選に当選するようにスタートレバーを操作することが出来る。すなわち、目押し操作技術が未熟であっても、従来のCT遊技には無かった、乱数報知手段による、リール停止制御における入賞図柄の引き込みアシストにより、容易に入賞させることが出来るようになる。