JP4535745B2 - 地図情報作成装置 - Google Patents
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Description
ところで、従来のカーナビゲーションシステムにおける音声案内は、デジタル化された地図データ(線図)の持つ座標点情報をそのまま利用して、交差点の進入方向と誘導方向を決定し、これらの方向がなす角度(交差点の脱出角度)を求め、この脱出角度から進行方向を決定して音声案内情報を導いている。
しかし、デジタル化された地図データは、ノードとリンクという抽象化された広がりをもたない形状データでしかない。このため、単純な交差点では、脱出角度に関して実地(実際の交差点)との差が出にくいが、複雑な交差点になればなるほど、面的な広がりが考慮できないため、実際の交差点を脱出する角度(人間が感じる角度)と、従来技術により計算された脱出角度に大きな隔たりが発生してしまう。
ところで、図21のノードO,P0〜P4、リンクL1〜L4は図22に示す実際の交差点、道路をデジタル化して得られたものである。この実際の道路、交差点において、リンクL1〜L4の方へ進行するとすれば、運転者にとって進行方向はそれぞれ「左折」、「直進」、「右折」、「Uターン」であると実感される。この実感する進行方向は図21の進行方向とは異なる。すなわち、従来のように単にノードとリンク形状とを考慮して進行方向を案内すると、実際に感じられるのと異なった進行方向の案内をする問題が発生する。
かかる問題を解決するために従来技術が提案されている(特許文献1参照)。この従来技術では、交差点構成リンクについて複数のサンプリング地点における角度を算出し、算出した角度に基づいてリンクの方向を判別し、判別結果に基づいて方向案内情報を得ている。
従って、本発明の目的は道路の幅員や交差点の形状など面的な広がりが考慮して複雑な交差点であっても運転者の実感と一致する進行方向案内ができるように地図情報を作成することである。
本発明の別の目的は、複雑な交差点であっても運転者の実感と一致する進行方向案内することである。
案内音声コードを地図情報に付加する手段を備え、前記案内音声決定部は、前記交差点ノードに接続する各リンクの形状データと幅員データを用いて前記各リンクの交差点脱出点を求める手段、リンク毎に、該交差点脱出点におけるリンクの接線方向を脱出方向または進入方向とし、進入リンクの進入方向と脱出リンクの脱出方向とから該リンクのなす角度を脱出角度として求める手段、該脱出角度に基づいて進行方向を案内する音声コードを決定する手段、を備え、前記交差点脱出点を求める手段は、各リンクに平行で、かつ、該リンクから前記幅員の1/2相当距離の右道路外形線と左道路外形線とを生成し、着目リンクの左道路外形線と他のリンクの右道路外形線との交点を求めると共に、前記着目リンクの右道路外形線と他のリンクの左道路外形線との交点を求め、前記各交点から前記着目リンク上の最も近いポイント(最近点)を求め、該着目リンクにおいて前記交差点ノードから最も遠い前記最近点を前記交差点脱出点として求める。
又、本発明によれば、実際に交差点に接近した時、該接近交差点、実際の進入リンク、実際の脱出リンクに応じた音声コードが指示する音声で運転者の実感と一致する進行方向案内ができる。
案内音声決定部は、交差点ノードOに接続するリンクL0〜L3の形状データと幅員データを用いて各リンクの交差点脱出点E0〜E3を求める。なお、図中、白丸はノード、黒丸は形状補完点である。ノード間はリンクで接続され、リンクは1以上のリンク要素(形状補完点、ノードを接続する線分)で構成されている。案内音声決定部は、リンク毎に、該交差点脱出点E0〜E3におけるリンクの接線方向(リンク要素の方向)D0〜D3を脱出方向または進入方向とし、進入リンクの進入方向と脱出リンクの脱出方向とのなす角度を脱出角度として求め、該脱出角度、または脱出角度と脱出点の位置に基づいて進行方向を案内する音声コードを決定する。
以上により、本発明によれば、図2の矢印で示す方向が各リンクの脱出方向として得られる。図3に示すように本発明により得られた脱出方向(実線矢印)と従来技術より得られる脱出方向(点線矢印)を比較すれば差が明確になる。
図4は本発明の地図情報作成装置の構成図であり、11はディジタル化された地図データが記録された地図記憶媒体、12は地図記憶媒体から所望の地図データを読み取る地図データ読取部、13は音声コードを地図記憶媒体に書込む音声コード書き込み部、14は交差点における進行方向を案内する音声コードを決定する音声コード決定部である。
地図データには道路を構成するリンク情報や交差点情報が含まれている。図5はリンクレコードの説明図で、リンクレコードの項番7の1バイトデータは車線幅(幅員)情報を含んでいる。図6は項番7の車線幅情報説明図であり、ビット4〜6により道路幅が示され、ビット7により上記道路幅が上下線を含めたトータルの道路幅であるか、片道の道路幅であるかが示されている。なお、現状では図6の幅員情報しか入っていないが将来の地図データには正確な道路幅や車線数が含まれるようになるはずである。
交差点情報は、図8に示すように交差点ID(交差点番号)CPID、交差点構成リンク情報CPLK、案内音声情報GSCDを含むが、当初の地図記憶媒体11には、案内音声情報GSCDは記録されていない。この案内音声情報GSCDは、音声案内決定部14が作成して地図記憶媒体11に記録する。
案内音声情報GSCDは所定のリンクを進入リンク、他の全てのリンクを脱出リンクとしたとき、各脱出リンクから交差点を脱出するとした場合における進行方向を案内する音声を特定するコード(音声コード)を保持し、各リンクをそれぞれ進入リンクとした時の音声コードを保持している。
図4の音声コード決定部14は、上記のリンク情報と交差点情報とに基づいて交差点における上記の案内音声情報GSCDを作成する。
図9は音声コード決定部による音声コード作成処理の全体の処理フローである。
まず、音声コード決定部14は、着目交差点を決定して、該交差点の交差点情報及び該交差点を構成するリンクのリンク情報を地図記憶媒体11から読み出して保存する(ステップ101〜102)。ついで、これら情報を用いて後述する交差点形状補正処理を実行して各リンクの交差点脱出点(図1〜3のE0〜E3)、脱出方向(D0〜D3)を求める(ステップ103)。
ついで、所定のリンクを進入リンク、他のすべてのリンクを脱出リンクとし(ステップ104)、ついで、後述する案内音声コード決定処理により、進入リンクの進入方向(脱出方向と逆方向となる)と各脱出リンクの脱出方向とから脱出角度を求め、各脱出角度に基づいて進行方向を案内する音声コードを決定して保存する(ステップ105)。脱出角度と脱出点の位置に基づいて進行方向を案内する音声コードを決定することもできる。
ついで、全交差点について上記処理を行なったかチェックし(ステップ108)、未処理の交差点が存在すればステップ101に戻り上記処理を繰返す。
ステップ103の交差点形状補正処理を説明する前に形状要素の定義を説明する。図10〜図11は形状要素説明図である。
(1) 交差点ノードをOとする。
(2) 各接続リンクLiの端点をPi (iは整数 0≦i<n,nは交差点に接続するリンク数)とする。
(3) 形状補完点をPij(jは整数 0≦j<m,mは形状補完点の数)とする。
但し、以下を満たすものとする。
Pi0 =O (形状補完点始点=交差点ノード)
Pi m-1=Pi (形状補完点終点=交差点ノードと逆側のリンクの端点ノード)
(4) 交差点ノードOに接続している、全ての道路リンクLiの形状を、gi(x, y) (iは整数 0≦i<n, nは交差点に接続するリンク数)とする。
但し、gi(x, y)は方向性を持ち、交差点ノードOを始点として、もう片方の端点Piを終点とする方向性を持つ。
但し、道路補正形状fi(x, y)は方向性を持ち、正の方向(反時計回り)に形状情報(座標情報)をもつものとする。
(6) 補正形状fi(x, y)の右側要素をfiR(x,y)、左側要素をfiL(x,y)とする。
但し、道路リンク形状の右側/左側要素はそれぞれ方向性を持ち、交差点ノード側を始点とし、端点側を終点とする。
図12は図9におけるステップ103の交差点形状補正処理フロー、図13は形状補正処理の説明図である。
音声コード決定部14は、まず、ステップ102で内蔵のメモリに記憶してある交差点構成リンク(道路リンク)Li(0≦i<n)の道路リンク形状データgi(x, y) を読み出し(ステップ201)、該道路リンク形状データgi(x, y) を用いて道路補正形状fi(x, y) (iは整数 0≦i<n)を作成する(ステップ202)。
(1) fiL (x, y)の内側から外側へ脱出する方向の交点であること。
(2) fiL (x, y)上の交点のうち、交差点ノードと逆の端点ノードPiを中心点とする円弧状での交点は採用しない。
(3) 始点ノードOから交点QLまでの距離が一定値を超えないこと
(4) fiL(x, y)の始点から交点までの長さが一定値を超えないこと。
(5) fjR(x, y)の始点から交点までの長さが一定値を超えないこと。
以上を満たした場合のみ、交点QLとして以下の処理で使用できるものとする。
ついで、交差点ノード付近での、道路リンク形状gi(x, y)と道路補正形状fj(x, y) (0≦j<n, nは対象ノードに対する接続リンクの数)との交点Rを算出する(ステップ206)。但し、対象とするfj(x, y) (0≦j<n,nは対象ノードに対する接続リンクの数)は、交差点ノードOを中心とした円弧要素である場合のみ、交点Rとして以下の処理で使用できるものとする。
交差点脱出点Eiが求まれば、脱出点Eiでのリンク接線方向、たとえば、脱出点Eiが存在するリンク要素の方向DiをリンクLiの脱出方向であるとし、その角度を脱出角度θEとする(ステップ208)。
ついで、全道路リンクについて交差点脱出点と脱出方向(脱出角度)を求めたかチェックし(ステップ209)、求まっていなければiを歩進して(ステップ210)、ステップ203以降の処理を行なう。
図14は図9におけるステップ105の案内音声コード決定処理フローである。
複数の脱出リンクにおける1つの脱出リンクを通って脱出する場合、該脱出リンクを誘導リンクという。所定の脱出リンクを誘導リンクとみなし、進入リンクと誘導リンクのそれぞれの脱出角度を用いてそれらのリンクのなす角度を計算する(ステップ301)。そして、算出した角度が属する角度範囲を決定する(ステップ302)。角度範囲は図15に示すように、(1) -250〜+250範囲、(2) +250〜+450範囲、(3) +450〜+1400範囲、(4) +1400〜+1800範囲、(5)-250〜-450範囲、(6) -450〜-1400範囲、(7)-1400〜-1800範囲がある。
ステップ303において分岐していれば、角度範囲と分岐状態に基づいて案内する音声コードを決定する(ステップ305)。一例として、角度範囲が(2)、(5)で分岐の左が誘導リンクであれば進行方向を案内する音声コードは「分岐左」、分岐の右が誘導リンクであれば進行方向を案内する音声コードは「分岐右」、分岐の右でも左でもない場合には進行方向を案内する音声コードは「分岐中央」となる。
図16は、角度範囲が+250〜+450範囲と+450〜+1400範囲の場合を詳細に記述した案内音声コード決定処理フローである。
図17は本発明と従来技術の音声案内の違いを説明する図である。図17(A)において車輌の進入リンクをL0、誘導リンクをL3とすれば、進入リンクと誘導リンクのなす角度(脱出角度)θは30.170となる。この結果、図16における角度範囲識別ステップ401〜406により、角度範囲が+250〜+450範囲であると判定される。そこで、+250〜+450範囲の音声コード決定処理416が実行される。まず、α=200としてθ-α〜θ+αの角度範囲に誘導リンクL3以外のリンクが存在するかの分岐有無判断を行なう(ステップ421)。存在しなければ音声コードは「斜め右」と判定する(ステップ422)。
以上の処理により、従来技術では進入リンクをL0、誘導リンクをL3とすれば、音声コードは「分岐右」となり、該音声コードが地図データに書込まれ、実際のナビゲーションの進行方向案内おいて「分岐を右です」と案内され、実感と異なり違和感を生じる。なお、誘導リンクをL1,L2,L4の場合には同様に音声コードは「左斜め後方」、「分岐を左」、「右斜め後方」となる(図21参照)。
図18は本発明の音声コードを含む地図データを用いて進行方向案内をするHDDナビゲーション装置の構成図であり、ナビゲーション制御装置1、リモコン2、ディスプレイ装置(カラーモニター)3、ハードディスク(HDD) 4、HDD制御装置5、マルチビームアンテナ6、GPS受信機7、自立航法用センサ8、オーディオ部9を有している。ハードディスク(HDD)4には、本発明の地図情報作成装置(図4)で作成した音声コードを含む地図データが記憶されている。自立航法センサ8は、車両回転角度を検出する振動ジャイロ等の相対方位センサ(角度センサ)8a、所定走行距離毎に1個のパルスを発生する距離センサ8bを備えている。
地図描画部23は、地図バッファ22に記憶された地図情報を用いて地図画像を発生し、VRAM24は地図画像を記憶し、読出制御部25は画面中心位置(自車位置、フォーカス位置)に基づいてVRAM24より切り出す1画面分の位置を変えて自車位置の移動あるいはフォーカス移動に従って地図をスクロール表示する。
誘導経路制御部31は、入力された出発地から目的地までの誘導経路(探索経路)の計算処理を行い、誘導経路メモリ32は誘導経路を記憶し、誘導経路描画部33は走行時、誘導経路メモリ32より誘導経路情報(ノード列)を読み出して誘導経路を描画する。操作画面発生部34は各種メニュー画面(操作画面)を発生し、画像合成部35は各種画像を合成して出力する。
交差点案内部26は、誘導経路情報と自車位置情報に基づいて自車が交差点に接近したか監視し(ステップ501)、接近すれば現走行道路を進入リンク、交差点を実際に脱出する道路を誘導リンクとみなし、該交差点における進行方向を案内するための音声コードを地図バッファ22から取得し(ステップ502)、案内音声を作成してオーディオ部9に入力して音声案内する(ステップ503)。以上により交差点において、運転者の実感と一致した進行方向の音声案内ができる。
O 交差点ノード
E0〜E3 交差点脱出点
D0〜D3 交差点脱出方向
Claims (2)
- 交差点における進行方向を音声で案内する音声情報を含む地図情報を作成する地図情報作成装置において、
交差点ノードに接続する全リンクの形状データ及び幅員データを供給する手段、
前記形状データ及び幅員データを用いて、各リンクをそれぞれ進入リンク、他のリンクを脱出リンクとした時の、交差点における進行方向を案内する音声コードを決定する案内音声決定部、
案内音声コードを地図情報に付加する手段を備え、
前記案内音声決定部は、
前記交差点ノードに接続する各リンクの形状データと幅員データを用いて前記各リンクの交差点脱出点を求める手段、
リンク毎に、該交差点脱出点におけるリンクの接線方向を脱出方向または進入方向とし、進入リンクの進入方向と脱出リンクの脱出方向とから該リンクのなす角度を脱出角度として求める手段、
該脱出角度に基づいて進行方向を案内する音声コードを決定する手段、
を備え、前記交差点脱出点を求める手段は、
各リンクに平行で、かつ、該リンクから前記幅員の1/2相当距離の右道路外形線と左道路外形線とを生成し、着目リンクの左道路外形線と他のリンクの右道路外形線との交点を求めると共に、前記着目リンクの右道路外形線と他のリンクの左道路外形線との交点を求め、前記各交点から前記着目リンク上の最も近いポイント(最近点)を求め、該着目リンクにおいて前記交差点ノードから最も遠い前記最近点を前記交差点脱出点として求める、
ことを特徴とする地図情報作成装置。 - 前記案内音声決定部は、
所定のリンクを進入リンク、他のすべてのリンクを脱出リンクとして前記脱出角度をそれぞれ求め、該脱出角度に基づいて各脱出リンクの進行方向を案内する音声コードを決定し、
前記進入リンクを切り替え、各進入リンクに対応させて各脱出リンクの音声コードを地図情報に挿入する、
ことを特徴とする請求項1記載の地図情報作成装置。
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