JP3607000B2 - 走行位置表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車の現在位置を地図と共にディスプレイ画面上に表示する走行位置表示装置に関し、特に過去に走行した経路を走行する場合に自動的にその経路の案内を行うことのできる走行位置表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、車載用の走行位置表示装置のブロック図を示す。この装置は、自動車のトランクルーム等に設置される装置本体1と、車内に設置され地図および自車の現在走行位置等を表示する液晶ディスプレイ2と、液晶ディスプレイ2の表示態様を制御するリモコン3と、地図データが格納されているCD−ROM4から地図データを読み出すためのCD−ROMドライバ5と、複数の衛星から送信された電波を受信して受信点の位置(緯度、経度)を求めるGPS(Global Positioning System )レシーバ6と、振動ジャイロにより自車の相対走行方位を検出する方位センサ7と、車輪の回転数に応じたパルス信号を発生する距離センサ8と、ブレーキスイッチやパーキングスイッチ等のオン/オフ信号等を検出するその他の各種センサ9とからなる。
【0003】
装置本体1は、各種の制御を行うCPU(中央処理装置)11を中心に、CPU11で行う制御プログラムが記憶されたプログラムROM12、外部から入力される各種データおよびCPU11での処理結果等を記憶するD−RAM13、電源の供給が停止した際に必要なデータを保持しておくためのバックアップメモリとして機能するS−RAM14を有している。
【0004】
また、液晶ディスプレイ2に表示する文字や記号などのパターンが記憶されている漢字・フォントROM15、地図データや自車の現在位置データなどに基づいて表示画像を形成する画像プロセッサ16、この画像プロセッサ16から出力される地図データや現在位置データおよび漢字・フォントROM15から出力される地名や道路名等の漢字・フォントを合成して液晶ディスプレイ2に表示するための画像を記憶する画像メモリ(V−RAM)17、V−RAM17の出力データを色信号に変換して液晶ディスプレイ2に出力するRGB変換回路18を有している。
【0005】
さらに、CD−ROMドライバ5およびGPSレシーバ6とCPU11との間に接続されてデータの送受を制御する通信インターフェイス19、各センサ7〜9とCPU11との間に接続されてセンサ信号を処理するセンサ信号処理部20を有している。
【0006】
図14は、CD−ROM4に格納されている地図データのフォーマット図で、先頭(図の左)方向からディスクラベル21、描画パラメータ22、図葉管理情報23、図葉データ24などが格納されている。
【0007】
図葉データ24は日本全国の地形図を緯度および経度によって分割した単位地図毎のデータを記憶しており、広い地域を粗く記述したレベル2の図葉から、狭い地域を詳細に記述したレベル0の図葉までが格納されている。また、図葉データ24はそれぞれ同一の地域を記述したビューセットA,B,C,Dから構成されており、ビューセットAよりはB、ビューセットBよりはC、ビューセットCよりはDの方が詳細に記述されている。
【0008】
各ビューセットA,B,C,Dはそれぞれビューセット管理情報と複数のユニットとから構成されている。各ユニットは対応するビューセットの地域を複数に分割した分割地域を記述したものであり、ユニットヘッダ、文字レイヤ、背景レイヤ、道路レイヤ、オプションレイヤなどから構成されている。
【0009】
文字レイヤには地図に表示する地名、道路名、施設名などの文字データが記憶されており、背景レイヤには道路、施設などを描画するための背景データが記録されており、道路レイヤには交差点を含む道路を記述する座標点(ノード)および線(リンク)に関するデータ、例えばノードの番号、緯度、経度、リンクの番号、距離などの道路データが記憶されている。
【0010】
図15は、ノードおよびリンクの関係を表示した図で、丸印はノードを表し、ノード間の線はリンクを表している。また、ノード番号4の丸印は交差点ノードを表している。なお、道路レイヤに記憶されたデータは地図表示には直接関与せず、マップマッチング等の道路網情報として使用される。
【0011】
この構成において、方位センサ7からの出力および距離センサ8からの出力がセンサ信号処理部20を介してCPU11に送られると、CPU11は自車の現在位置の演算を行い、現在位置の緯度および経度を求める。また、GPSレシーバ6からのデータに基づいて現在位置の補正が行われる。
【0012】
こうして求めた現在位置に基づき、CD−ROM4から現在位置に対応するユニットの地図データを読み出し、D−RAM13に格納する。D−RAM13に格納した地図データはその一部がCPU11によって読み出され、画像プロセッサ16で画像データに変換され、V−RAM17に書き込まれる。
【0013】
V−RAM17に書き込まれた画像データはRGB変換回路18で色信号に変換され、液晶ディスプレイ2に送られる。これにより液晶ディスプレイ2には現在位置を中心とした所定範囲の地図が表示される。
【0014】
また、D−RAM13から読み出された地図データに文字コードや記号コードが含まれていると、これらの文字コードや記号コードに対応するパターンが漢字・フォントROM15から読み出され、液晶ディスプレイ2に地図と共に地名などの文字や学校などの記号が表示される。また、自車の走行に伴って順次求められる走行速度、走行方位に基づき、液晶ディスプレイ2に表示されている自車の現在位置が順次変更される。
【0015】
図16に、液晶ディスプレイ2における表示例を示す。道路地図が表示されると共に地名、交差点名、道路名等が表示される。図中の矢印は自車の現在位置および走行方向を示す自車マーク31であり、黒丸印は自車の走行軌跡を示す軌跡マーク32である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前述した走行位置表示装置において、一度走行した道順に沿って同じ道を走行しようとした場合、従来は液晶ディスプレイ2に表示された軌跡マーク32に沿って運転者が黙視によって運転を行っていた。このため、運転者は走行中に道路とディスプレイ画面とを交互に見ながら運転しなければならず、運転に際してこの様な行為は非常に煩わしいものであった。
【0017】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、過去に走行した経路を走行する場合にその経路の案内を適切に行うことができる走行位置表示装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の走行位置表示装置においては、自車の現在位置に対応する地図画面上に自車の現在位置および走行軌跡を表示する走行位置表示装置において、自車の走行からサンプリングされた走行軌跡を読み出して記憶する走行軌跡記憶手段と、前記走行軌跡記憶手段で記憶した前記サンプリングされた走行軌跡からなる経路を走行する場合に前記サンプリングされた走行軌跡間の距離および前記過去の各走行軌跡間を直線で結んだときの角度がそれぞれ所定条件を満たす場合にこれから走行する前記サンプリングされた走行軌跡からなる経路の略経路上に誘導ポイントを設定する誘導ポイント設定手段と、前記誘導ポイント設定手段で設定した誘導ポイントの設定順に各誘導ポイントと現在の自車位置との距離に応じた案内を音声によって行う音声案内手段とを備えるようにしたものである。
【0019】
本発明によれば、過去に走行した経路を走行する場合にその経路の案内を適切に行うことができる走行位置表示装置が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の走行位置表示装置は、自車の現在位置に対応する地図画面上に自車の現在位置および走行軌跡を表示する走行位置表示装置において、自車の走行からサンプリングされた走行軌跡を読み出して記憶する走行軌跡記憶手段と、前記記憶した前記サンプリングされた走行軌跡間の距離および前記サンプリングされた走行軌跡間を直線で結んだときの角度がそれぞれ所定条件を満たす場合に誘導ポイントを設定する誘導ポイント設定手段と、前記設定した誘導ポイントの設定順に各誘導ポイントに対する自車位置の距離に応じて音声による案内を行う音声案内手段とを備えるものであり、誘導ポイント毎に音声による案内を行うことによって過去のサンプリングされた走行軌跡に沿って走行できるようにする。
【0021】
また本発明の走行位置表示装置は、誘導ポイント設定手段は、サンプリングsれた走行軌跡間の距離が一定の距離内にあって、走行軌跡のn番目およびn+1番目を結ぶ直線とn+1番目およびn+2番目を結ぶ直線とがなす角度が一定値を超えている場合はn+1番目の軌跡に誘導ポイントを設定し、あるいは走行軌跡のn番目およびn+1番目を結ぶ直線とn+2番目およびn+3番目を結ぶ直線とがなす角度が一定値を超えている場合は両直線の交点に誘導ポイントを設定するように構成されているものであり、進入方向に対する脱出方向が一定の角度以上の場合は誘導ポイントを設定する。
【0022】
また本発明の走行位置表示装置は、音声案内手段は、設定した誘導ポイントの設定順に各誘導ポイントに対する自車位置の距離および脱出角度に応じて音声による案内を行うように構成されているものであり、各誘導ポイント毎に残距離と脱出方向とを音声によって案内する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明による走行位置表示装置の一実施の形態を示すブロック図で、前述した図13に示す構成要素と同一部分には同一符号を付し、詳細説明は省略する。
【0024】
本実施の形態による走行位置表示装置は、装置本体1内に誘導対象となる走行軌跡を記憶する走行軌跡記憶手段としての軌跡メモリ41、この走行軌跡からポイントとなる軌跡を誘導ポイントとして記憶する誘導ポイント設定手段としての誘導ポイントメモリ42、各種の案内フレーズデータを記憶する案内フレーズメモリ43、案内フレーズデータに基づいて案内フレーズ用の音声信号を形成する音声信号形成回路44がそれぞれバスを介して接続されている。また、音声信号形成回路44には案内フレーズ用の音声信号を出力するスピーカ45が接続されており、その他の構成は、図13に示す走行位置表示装置と同一の構成を有している。案内フレーズメモリ43、音声信号形成回路44およびスピーカ45によって音声案内手段を形成している。
【0025】
次に、この構成による走行位置表示装置を用いて、過去に走行した道順に沿って同じ道を走行しようとする場合に、自動的にその経路の案内を行うための動作について説明する。
【0026】
(誘導ポイントの設定)
まず、図2に示すフローチャートを参照しながら誘導ポイントの設定について説明する。誘導ポイントの設定は、軌跡メモリ41に格納した軌跡データを液晶ディスプレイ2に表示する際に行う。
【0027】
まず、CPU11は走行軌跡の番号を表す変数nおよび誘導ポイントの番号を表す変数Nを初期値1にセットし(ステップS1)、軌跡メモリ41からn番目、n+1番目、n+2番目、n+3番目の各軌跡データを読み出す(ステップS2)。
【0028】
次いで、n番目の軌跡とn+1番目の軌跡とを結ぶ直線aと、n+1番目の軌跡とn+2番目の軌跡とを結ぶ直線bと、n+2番目の軌跡とn+3番目の軌跡とを結ぶ直線cとを想定する(ステップS3)。次いで、直線aの長さ、直線bの長さ、直線cの長さが各々50〜200mであるか否か判断する(ステップS4)。
【0029】
これは、走行軌跡は自車の走行から100mおきにサンプリングされるが、誤マッチング等によって走行軌跡自体が乱れる場合がある。このため、軌跡と軌跡とを結ぶ直線の長さが50m以下または200m以上の場合は、走行軌跡が乱れていると判断し、誘導ポイントの設定を行わないようにするためである。
【0030】
各直線a〜cが50〜200mの場合は、直線aと直線bとがなす角度θ1を求める(ステップS5)。角度θ1が±30°(進行方向反時計回りを+、時計回りを−とする)を超えている場合は(ステップS6)、n+1番目の軌跡を誘導ポイントとし、誘導ポイント番号をNとして誘導ポイントメモリ42に格納する(ステップS7)。
【0031】
次いで、誘導ポイント番号を表す変数Nに1を加算し(ステップS8)、走行軌跡の番号を表す変数nに1を加算する(ステップS9)。次いで、次の走行軌跡が終点か否か判断し(ステップS10)、終点であれば処理を終了し、終点でなければステップS2以降の処理を繰り返す。
【0032】
図3は、n番目の軌跡とn+1番目の軌跡とを結ぶ直線aと、n+1番目の軌跡とn+2番目の軌跡とを結ぶ直線bとがなす角度θ1が±30°を超えている場合に、n+1番目の軌跡に誘導ポイントを設定する状態を示している。
【0033】
図2に戻り、ステップS4で直線a,bの長さが50m以下または200m以上の場合は誘導ポイントの設定を行わないのでステップS9にジャンプする。また、ステップS6で直線aと直線bとのなす角度θ1が±30°以内の場合は、直線aと直線cとのなす角度θ2を求める(ステップS11)。角度θ2が±30°を超えている場合は(ステップS12)、直線aと直線cとの交点を誘導ポイントとし、誘導ポイント番号をNとして誘導ポイントメモリ42に格納する(ステップS13)。
【0034】
次いで、誘導ポイント番号を表す変数Nに1を加算し(ステップS14)、走行軌跡の番号を表す変数nに2を加算し(ステップS15)、ステップS10の処理に移行する。なお、ステップS12で直線aと直線cとのなす角度θ2が±30°以内の場合はステップS15にジャンプする。
【0035】
図4は、n番目の軌跡とn+1番目の軌跡とを結ぶ直線aと、n+2番目の軌跡とn+3番目の軌跡とを結ぶ直線cとのなす角度θ2が±30°を超えている場合に、直線aと直線cとの交点に誘導ポイントを設置する状態を示す。
【0036】
こうして得られた誘導ポイントは走行軌跡の先頭から順に番号Nが付けられ、この順番に沿って誘導を行う。目的地の設定は、軌跡メモリ41からの呼び出し時に走行軌跡の終点を自動的に目的地とする。
【0037】
図5は、地図上に表示する誘導ポイントを表す誘導マークMa(図a)と、目的地を表す目的地マークMb(図b)とを示す。誘導マークMaは進入方向と脱出方向とが分かる形状で表す。このマークは地図が回転する場合、回転角度に応じて進入方向の矢印と脱出方向の矢印とを回転させる。誘導ポイント番号は常に正立するように表示する。目的地マークMbは軌跡メモリから読み出した終点の座標にこのマークを表示する。目的地マークMbはヘッディングアップ時にも常に正立するように表示する。
【0038】
次に、このように設定した誘導ポイントを用いて行う誘導案内の詳細について説明する。この誘導ポイントによる案内は軌跡メモリ41に格納されている軌跡データを地図上に読み出したときに起動され、自車が誘導ポイントに接近したときに音声によって自動的に行うように設定されている。
【0039】
(方向案内)
まず、誘導案内の基本である方向案内について説明する。この案内は進入方向に対する脱出方向の角度θに応じて案内フレーズメモリ43から案内フレーズデータが読み出され、音声信号形成回路44で音声信号に変換されてスピーカ45から次のような音声による案内フレーズが出力される。図6を参照しながら説明する。
【0040】
まず、同図(a)は進入方向に対する脱出方向の角度θを示すもので、この角度θに応じて同図(b)に示すような案内フレーズが出力される。すなわち、角度θが30゜〜45゜の場合は、+方向であれば「斜め左方向です」、−方向であれば「斜め右方向です」との案内フレーズで誘導する。また、角度θが45゜〜135゜の場合は、+方向であれば「左方向です」、−方向であれば「右方向です」との案内フレーズで誘導する。角度θが135゜〜170゜の場合は、+方向であれば「大きく左方向です」、−方向であれば「大きく右方向です」との案内フレーズで誘導する。角度θが170゜〜180゜の場合は、「Uターンです」との案内フレーズで誘導する。これらの案内フレーズを方向フレーズと称し、同図(c)にまとめて示す。なお、角度θが30゜未満の場合は前述したように誘導ポイントが設定されないので誘導案内はない。
【0041】
(単純分岐案内)
次に、単純分岐案内について説明する。この案内は、図7(a)に示すように進入方向が誘導ポイントの進入角度の±15゜以内の場合に行う。そして、同図(b)に示すように誘導ポイントまでの残距離に応じて、例えば残距離が750mの場合は「およそ700mで」、350mの場合は「およそ300mで」、150mの場合は「まもなく」という残距離フレーズが入り、それに続いて脱出方向の角度θに応じて前述した方向フレーズが入る。例えば、残距離が350mで脱出方向が+40゜の場合は「およそ300mで斜め右方向です」との案内フレーズが入る。
【0042】
(区間案内)
次に、区間案内について説明する。この案内は誘導ポイントを通過後に次の誘導ポイントに関する情報を出力する機能で、図8(a)に示すように、現在の誘導ポイントに対して半径100mの通過判定円に入り、通過判定円から離れた場合に次の誘導ポイントまでの直線距離Lに応じて、同図(b)に示すように、次のような案内を行う。
【0043】
すなわち、次の誘導ポイントまでの距離Lが3.5〜4.5kmの場合は「およそ4キロで」、2.5〜3.5kmの場合は「およそ3キロで」、1.5〜2.5kmの場合は「およそ2キロで」、950m〜1.5kmの場合は「およそ1キロで」という残距離フレーズが入る。それに続いて脱出方向の角度θに応じた前述の方向フレーズが入る。なお、4.5km以上の場合は遠いために、950m以下の場合は単純分岐案内があるので、それぞれ案内はない。
【0044】
(リクエスト案内)
次に、リクエスト案内について説明する。この案内は軌跡誘導中にユーザからのスイッチ入力により案内音声を出力する機能で、図9(a)に示すように、スイッチ入力が行われたときの自車の位置に対する次の誘導ポイントについての案内を、同図(b)に示すように行う。
【0045】
すなわち、次の誘導ポイントまでの距離Lが3.5〜4.5kmの場合は「およそ4キロで」、2.5〜3.5kmの場合は「およそ3キロで」、・・・、380〜450mの場合は「およそ400mで」、280〜380mの場合は「およそ300mで」、180〜280mの場合は「およそ200mで」、0〜180mの場合は「まもなく」という残距離フレーズが入る。それに続いて脱出方向の角度θに応じて前述した方向フレーズが入る。
【0046】
なお、4.5km以上の場合はまだ距離があるため案内は行わない。また、※印を付した380m以下の場合は、後述する連続分岐または複数分岐が存在する場合に付加する。
【0047】
(区間到着案内)
次に、区間到着案内について説明する。この案内は前述した単純分岐案内、区間案内、リクエスト案内において、到着地点に接近したときに行われる案内で、図10(a)に示すように、この先に誘導ポイントがなく、到着地点までの距離が550m以上の場合である。同図(b)に、区間到着案内における案内フレーズを示す。
【0048】
すなわち、到着地点までの距離Lが3.5〜4.5kmの場合は「およそ4キロで」、2.5〜3.5kmの場合は「およそ3キロで」、1.5〜2.5kmの場合は「およそ2キロで」、950m〜1.5kmの場合は「およそ1キロで」、850〜950mの場合は「およそ900mで」、・・・、550〜650mの場合は「およそ600mで」という残距離フレーズがそれぞれ入る。それに続いて「目的地周辺です」との案内フレーズが入る。なお、4.5km以上の場合はまだ距離があるため案内は行わない。
【0049】
(終了到着案内)
次に、終了到着案内について説明する。この案内は、図11に示すように、自車が到着点を中心とする半径300m以内に接近した場合と、到着点を中心とする半径100m以内に接近した場合とに行う。ただし、到着点の直前の誘導ポイントを通過するか、あるいは案内対象が到着点になっている場合も行う。
【0050】
自車が到着点を中心とする半径300m以内に接近した場合は、「まもなく目的地周辺です」という案内フレーズが入る。さらに、半径100m以内に接近した場合は、「目的地周辺です。音声案内を終了します」という案内フレーズが入る。なお、「まもなく目的地周辺です」という案内を行った後は、到着点から400m以上離れなければ、再度の終了到着案内は行わない。終了到着案内後は案内中止状態とする。再度案内を開始するには、再び軌跡案内を選択しなければならない。
【0051】
(連続分岐案内と複数分岐案内)
次に、連続分岐案内と複数分岐案内とについて説明する。前述した単純分岐案内は各誘導ポイントを独立で扱うものであるが、連続分岐案内は連続する2つの誘導ポイントを連続したものとして扱い、複数分岐案内は連続する2つの誘導ポイントを1つのものとして扱う。
【0052】
具体的には、図12(a)に示すように、連続する2つの誘導ポイント間の距離Lが750m超えているときは単純分岐案内とし、150〜750mのときは連続分岐案内とし、150m未満のときは複数分岐案内とする。
【0053】
連続分岐案内または複数分岐案内は、第1誘導ポイントに対する単純分岐案内のフレーズに加え、同図(b)に示すような第2誘導ポイントに対する連続分岐案内または複数分岐案内のフレーズを付加する。例えば、単純分岐案内のフレーズ「およそ300mでななめ右方向です」に続けて連続分岐案内のフレーズ「その先○○mで右方向です」または複数分岐案内のフレーズ「その先右方向です」を出力する。
【0054】
このように連続分岐案内は「その先○○mで」といった残距離フレーズと、「右方向です」といった方向フレーズとからなり、残距離フレーズの○○mは第1誘導ポイントから第2誘導ポイントまでの直線距離を10m単位で表現する。複数分岐案内も同様にして「その先」といった残距離フレーズと、「右方向です」といった方向フレーズとからなる。
【0055】
残距離フレーズおよび方向フレーズからなる文を1センテンスとすると、基本的に1回の案内は2センテンスまでとする。ただし、第2誘導ポイントと第3誘導ポイントとが複数分岐の関係にあり、かつ第1誘導ポイントと第2誘導ポイントも複数分岐の関係にあるときは、3センテンスまで出力するものとする。その場合の3番目のセンテンスは全てに共通で「さらに分岐が続きます」とする。
【0056】
また、第3誘導ポイントと第4誘導ポイントが連続分岐または複数分岐の関係にある場合は、第2誘導ポイント通過後に、それぞれの条件にあった案内を行うものとする。
【0057】
また、第1誘導ポイントの案内に残距離に応じて2回以上の案内がある場合は最終の案内のみに第2誘導ポイントの案内を付加する。ただし、リクエスト案内は回数に含めないものとする。
【0058】
(誘導ポイントの変更)
次に、誘導ポイントの変更について説明する。誘導ポイントによる案内は誘導ポイントの通過判定によって番号順に自動的に行うものとするが、手動によっても順番を進めることを可能とする。
【0059】
軌跡案内中の現在地画面の表示は、基本的に経路案内中の画面と同様の表示項目を表示するが、目的地方向の矢印は軌跡メモリの終点を指し示すものとし、残距離表示欄は軌跡メモリの終点までの直線距離を表示するものとし、次の交差点表示欄は次の誘導ポイントの番号とそこまでの直線距離を表示するものとする。誘導ポイントの案内機能の終了については、目的地に対して100m以内に接近した場合、または軌跡メモリの表示を中止した場合に終了するものとする。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、自車が過去に一度走行しサンプリングされて記録した走行軌跡に基づいて自動的に誘導を行うことによって、過去に走行した経路をこれから走行する際にユーザに対して安全に、また正確に同じ道程を辿ることを可能にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による走行位置表示装置のブロック図
【図2】誘導ポイントの設定手順を示すフロー図
【図3】誘導ポイントを設定する状態を示す説明図
【図4】誘導ポイントを設定する状態を示す説明図
【図5】(a)は地図画面上に表示する誘導ポイントを表す誘導マークの表示図
(b)は目的地を表す目的地マークの表示図
【図6】方向案内についての説明図で、(a)は進入方向に対する脱出方向の角度θを示す図、(b)は角度θに対する方向フレーズを示す図、(c)はそれらをまとめて示す図
【図7】単純分岐案内についての説明図で、(a)は単純分岐案内を行うための条件を示す図、(b)は案内フレーズを示す図
【図8】区間案内についての説明図で、(a)は区間案内を行うための条件を示す図、(b)は案内フレーズを示す図
【図9】リクエスト案内についての説明図で、(a)はリクエスト案内を行うための条件を示す図、(b)は案内フレーズを示す図
【図10】区間到着案内についての説明図で、(a)は区間到着案内を行うための条件を示す図、(b)は案内フレーズを示す図
【図11】終了到着案内について説明図
【図12】連続分岐案内および複数分岐案内についての説明図で、(a)は各分岐案内を行うための条件を示す図、(b)は案内フレーズを示す図
【図13】従来の走行位置表示装置のブロック図
【図14】記憶装置に格納されている地図データのフォーマット図
【図15】ノードおよびリンクの関係を表示した図
【図16】自車マークおよび軌跡マークの表示例を示す図
【符号の説明】
1 装置本体
2 液晶ディスプレイ
4 CD−ROM
11 CPU
41 軌跡メモリ
42 誘導ポイントメモリ
43 案内フレーズメモリ
44 音声信号形成回路
45 スピーカ
Claims (3)
- 自車の現在位置に対応する地図画面上に自車の現在位置および走行軌跡を表示する走行位置表示装置において、
自車の走行からサンプリングされた走行軌跡を読み出して記憶する走行軌跡記憶手段と、前記走行軌跡記憶手段で記憶した前記サンプリングされた走行軌跡からなる経路を走行する場合に前記サンプリングされた走行軌跡間の距離および前記サンプリングされた走行軌跡間を直線で結んだときの角度がそれぞれ所定条件を満たす場合にこれから走行する前記サンプリングされた走行軌跡からなる経路の略経路上に誘導ポイントを設定する誘導ポイント設定手段と、前記誘導ポイント設定手段で設定した誘導ポイントの設定順に各誘導ポイントと現在の自車位置との距離に応じた案内を音声によって行う音声案内手段とを備えることを特徴とする走行位置表示装置。 - 誘導ポイント設定手段は、前記サンプリングされた走行軌跡間の距離が一定の距離内にあって、走行軌跡のn番目およびn+1番目を結ぶ直線とn+1番目およびn+2番目を結ぶ直線とがなす角度が一定値を超えている場合はn+1番目の軌跡に誘導ポイントを設定し、あるいは走行軌跡のn番目およびn+1番目を結ぶ直線とn+2番目およびn+3番目を結ぶ直線とがなす角度が一定値を超えている場合は両直線の交点に誘導ポイントを設定することを特徴とする請求項1記載の走行位置表示装置。
- 音声案内手段は、設定した誘導ポイントの設定順に各誘導ポイントに対する自車位置の距離および脱出角度に応じて音声による案内を行うことを特徴とする請求項1記載の走行位置表示装置。
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