JP4535213B2 - 粉粒状半導体封止材料 - Google Patents

粉粒状半導体封止材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体封止に用いられる粉粒状半導体封止材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体封止に用いられる封止材料としては、タブレット状に成形された成形体を用いるのが一般的である。このタブレット状の成形体は、通常、つぎのようにして製造される。すなわち、まず、エポキシ樹脂,硬化剤,無機質充填剤等を含有する組成物を溶融混練した後、圧延,冷却,粉砕の各工程を経て、粉砕物を得る。そして、得られた粉砕物を、重量基準または体積基準で必要分計量し、円柱状の成形型を用いて加圧成形する。このようにして、タブレット状の成形体が製造される。
【0003】
上記タブレット状成形体を用いての半導体封止方法としては、主にトランスファー方式とマルチプランジャー方式に大別される。トランスファー方式は、1つのポット(封止材料投入口)に投入した半導体封止材料を加熱溶融させた後、ランナーと呼ばれる溝を経由させて、数百個の半導体素子等が配置されているキャビティー(金型)内に注入することにより半導体封止を行う方式である。一方、マルチプランジャー方式は、1つのポットの近傍に1〜数個程度の半導体素子等を配置した態様を同一金型内に複数個存在するようにしたもので、ランナーやポット底部に残るカル等に費やされる封止材の量を極端に少なくし、またポットへのタブレット装填から成形品の収納までを自動化した方式である。マルチプランジャー方式は、トランスファー方式と比較して、1個のタブレット状成形体で製造される半導体装置の数が少なく、半導体装置1個当たりのタブレット加工費が高くなるといった欠点を有しているが、封止材料の歩留りや自動化による人件費削減等の利点を有している。そのため、近年では、トータルコストの面で、マルチプランジャー方式が主流となってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近、マルチプランジャー方式において、よりコストダウンを図るために、タブレット状成形体を用いず、粉または粒状(粉粒状)の封止材料を用いることが検討されている。しかしながら、上記タブレット状成形体の製造時に作製される粉砕物をそのまま用いた場合、ホッパー(原料貯蔵容器),計量器,ポットへの封止材料装填部等への付着等により、計量誤差を発生させるという問題がある。その結果、封止材料の過不足による未充填や加圧不良等が発生し、半導体装置の信頼性や歩留りの低下を招来する。
【0005】
また、設備の面では、粉砕物が半導体製造装置内で付着や架橋現象を引き起こした場合、ポット内への供給が滞ることとなり、半導体製造装置がトラブル停止し、自動稼働ができず、生産性を低下させる等の問題が生じる。さらに、それ以外にも、粉砕物から発生する粉塵により半導体装置を製造している環境を汚染する等の問題もあり、実用化まで至っていないのが現状である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、封止材料としての諸特性を低下させることなく、封止工程での付着や架橋現象等による詰まりを改善し、安定した流動性、計量精度を示す粉粒状半導体封止材料の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、無機質充填剤を含有するエポキシ樹脂組成物製の粉粒状半導体封止材料であって、下記の式(1)で表される圧縮度が11%以下に設定されているとともに、下記の式(2)で表される充填密度が46%以上に設定され、かつ80メッシュパス品(タイラー標準篩を使用)の含有割合が粉粒状半導体封止材料全体中15重量%未満に設定されている粉粒状半導体封止材料を要旨とする。
【0008】
【数3】
Figure 0004535213
【数4】
Figure 0004535213
【0009】
すなわち、本発明者らは、封止材料としての諸特性を低下させることなく、封止工程での付着や架橋現象等による詰まりを改善し、安定した流動性、計量精度を示す粉粒状半導体封止材料を得るため一連の研究を重ねた。その過程で、本発明者らは、粉粒体の流動性に深く関係し、最も流動状態に近い静止状態から、自重、外力、運動等により粉粒体がどの程度締まるか(流動状態から遠ざかるか)の度合いに関する指標、すなわち上記式(1)で表される圧縮度に着目した。そして、半導体封止に用いられる粉粒状半導体封止材料につき鋭意検討を重ねた結果、上記圧縮度が特定の範囲に設定されていれば所期の目的を達成できることを見出し本発明に到達した。
【0010】
そして、本発明者らは、さらに研究を重ねる過程で、流動性を阻害する要因の一つである、粉粒体表面の低分子成分や樹脂成分の付着性に着目した。すなわち、微粉末は、一度付着すると、その付着力にまさり脱落するだけの自重がないため、再流動するのは難しいことに着目した。そこで、本発明者らは、粉粒状の半導体封止材料を実際に特にマルチプランジャー式の半導体製造装置に供した後、ホッパー等の壁面に付着し堆積したものを採取し、その採取した微粉末の粒度分布について調査した結果、その大半は80メッシュパス品であることを突き止めた。そして、80メッシュパス品の含有割合と流動性の関係について検討を重ねた結果、粉粒状半導体封止材料全体中に占める80メッシュパス品の含有割合が15重量%未満であれば、流動性が良好で、ホッパー等の壁面に堆積しにくいことを突き止めた。そして、本発明者らは、80メッシュパス品の含有割合を特定の範囲に設定し、かつ前記式(2)で表される充填密度を特定の範囲に設定すれば、より一層良好な結果が得られることを突き止めた。
【0011】
さらに、粉粒状半導体封止材料全体が4メッシュパス品であり、かつ全体中に占める80メッシュパス品の含有割合が15重量%未満であれば、より一層良好な結果が得られることも突き止めた。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0013】
本発明の粉粒状半導体封止材料は、エポキシ樹脂組成物を用いて得られるものであり、その形態は、粉または粒状(粉粒状)である。そして、上記式(1)で表される圧縮度が、特定の範囲に設定されているものである。
【0014】
上記エポキシ樹脂組成物としては、例えばエポキシ樹脂や硬化剤等を適宜の割合で配合した組成物が用いられる。
【0015】
上記エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものを用いることが好ましく、例えばクレゾールノボラック型,ビスフェノールA型,ビフェニル型等の各種のエポキシ樹脂があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なお、上記エポキシ樹脂のなかでも、エポキシ当量が100〜300g/epで、軟化点が50〜130℃のものが好適に用いられる。
【0016】
また、上記硬化剤としては、例えばフェノール樹脂,酸無水物,アミン系化合物等があげられ、なかでもフェノール樹脂が好適である。このフェノール樹脂としては、例えばフェノールノボラック型,ジシクロペンタジエン型やフェノールアラルキル樹脂等の各種のフェノール樹脂があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なお、上記フェノール樹脂のなかでも、水酸基当量が70〜150g/epで、軟化点が50〜110℃のものが好適に用いられる。
【0017】
上記フェノール樹脂と、上記エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合には、その配合割合を、上記エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂の水酸基が0.5〜2.0当量となるように設定することが好ましい。より好ましくは、0.8〜1.2当量の範囲である。
【0018】
そして、上記エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂,硬化剤に加えて、無機質充填剤配合される。この無機質充填剤としては、通常、結晶性シリカ粉末,溶融シリカ粉末等のシリカ粉末やアルミナ粉末が用いられ、単独もしくは併せて用いられる。そして、上記無機質充填剤は、通常、組成物全体中に70〜90重量%程度の割合で配合される。
【0019】
さらに、上記無機質充填剤以外に、必要に応じて、アミン系,イミダゾール系,リン系,ホウ素系,リン−ホウ素系等の硬化促進剤、カルナバワックス等の離型剤、臭素化エポキシ樹脂,三酸化アンチモン等の難燃剤や難燃助剤、着色剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を適宜に配合することができる。
【0020】
そして、上記エポキシ樹脂組成物を用いて得られる粉粒状半導体封止材料は、下記の式(1)で表される圧縮度が11%以下に設定されていなければならない。本発明は、粉粒状半導体封止材料の圧縮度を11%以下に設定することにより、ホッパー等への付着や架橋現象を防止し、安定した流動性、計量精度を示す封止材料を得ることが最大の特徴だからである。なお、圧縮度は、通常、6〜11%の範囲内に設定される。
【0021】
【数5】
Figure 0004535213
【0022】
上記式(1)中の初期かさ密度およびタップかさ密度は、JIS R 1628−1997に準じて、なかでも定容積測定法に準じて測定される値であり、上記粉粒状半導体封止材料全体(母集団)から任意に抽出される試料を用い、通常、つぎのようにして測定される。すなわち、まず、有底円筒状の測定容器内に、上記試料をあふれるまで充填する。ついで、測定容器の上端面から盛り上がった試料を、すり切り板(ブレード)を用いてすり切る。そして、試料の質量を、試料充填済み測定容器の質量から測定容器自体の質量を差し引くことにより算出し、その値を測定容器の容積で除して(試料の質量/測定容器の容積)、初期かさ密度を算出する。
【0023】
つぎに、上記すり切り後の試料充填済み測定容器の上に、補助円筒を継ぎ足し、さらに試料を充填する。そして、その状態のまま、図1に示すタップ装置を用いて、充分にタッピングを行う(タップ速度60回/分、タップ時間3分間)。なお、図示のタップ装置は、カム1による機械的タップ機構をもつ装置であり、カム1により、タップロッド2上の補助円筒付き測定容器3が上下運動し、補助円筒付き測定容器3内の試料が圧縮されるようになっている。図において、4はタップブロックである。その後、補助円筒を取り外し、測定容器の上端面から盛り上がった試料をすり切り、上記と同様にして、試料の質量を算出する。そして、タッピング後の試料の質量を測定容器の容積で除して(試料の質量/測定容器の容積)、タップかさ密度を算出する。
【0024】
なお、上記初期かさ密度およびタップかさ密度は、通常、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターにより、ゆるみ見掛比重および固め見掛比重として求めることができる。
【0025】
そして、本発明では、上記圧縮度を算出するための初期かさ密度およびタップかさ密度として、通常、上記のようにして求められる初期かさ密度およびタップかさ密度の5点平均値を用いる。
【0026】
上記圧縮度が特定の範囲に設定された粉粒状半導体封止材料は、上記エポキシ樹脂組成物を用い、粉砕,造粒,押出切断,篩別等の各種の手法を単独または組み合わせることにより製造することができるが、例えば下記に示す2種の方法があげられる。
【0027】
〔第1の方法〕
まず、上記エポキシ樹脂組成物の各成分を所定の割合で配合し、各種の混合機を用いて混合する。ついで、この混合物を、溶融混合釜,加熱ロール,スクリュー式の混練機や押出機等を用いて通常数分〜数時間溶融混練する。この際、樹脂温度は、70〜120℃の範囲内に設定されていることが好ましい。樹脂温度が70℃を下回ると、樹脂成分の溶融が不充分で樹脂相互や無機質充填剤等との分散が不良となるおそれがあり、逆に120℃を上回ると硬化が進行して増粘し、封止時に半導体素子等に損傷を与えるおそれがあるからである。また、スクリュー式の装置を用いた場合、その回転数は、20〜150rpmの範囲に設定されていることが好ましい。なお、この操作により、上記樹脂温度で、半固形状の樹脂組成物が得られる。
【0028】
つぎに、得られた混練物を、ロールにて圧延し、冷却することにより、板状体を得る。この板状体は、厚み3mm以下、通常0.5〜1mmの範囲に設定されていることが好ましい。板状体の厚みが大き過ぎると粉砕し難く、また粒度調整も難しくなるおそれがあるからである。
【0029】
そして、得られた板状体を、各種の粉砕機を用いて粉砕して粉砕物とする。上記粉砕機としては、衝撃力で粉砕するハンマーミルが一般的であるが、ロールミル等の凹凸が噛み合う一対のロール間で圧力をかけて粉砕するものも用いることができる。粉砕部の回転数は、通常、ハンマーミルの場合、2000〜3000rpm程度、ロールミルの場合は、100〜1000rpm程度に設定される。粉砕後、例えば振動フィーダーを用い、9メッシュを通過させた後、80メッシュ上に残留したものを採取することにより、目的とする粉粒状半導体封止材料が得られる。
【0030】
〔第2の方法〕
まず、上記第1の方法と同様にして、粉砕物を得る。ついで、得られた粉砕物を篩別する。この篩別は、例えば振動フィーダー等を用い、9メッシュを通過させた後、80メッシュ上に残留したものを採取することにより行われる。その後、外部に加温装置を備えた臼型をした容器内の中央部に攪拌羽根が設置された攪拌機に装填し、通常、100〜1500rpm程度で攪拌する。この操作により、粉砕物の表面のみを溶融させ粉砕物の角をとる。この攪拌機としては、三井鉱山社製のヘンシェルミキサーやカワタ社製のスーパーミキサー等が一般に知られている。そして、必要に応じて篩別することにより、目的とする粉粒状半導体封止材料が得られる。
【0031】
本発明の粉粒状半導体封止材料は、下記の式(2)で表される充填密度が、46%以上に設定されている。すなわち、充填密度が46%未満であると、ホッパー内において粒子間に空隙が多く存在することになり、また粉粒状半導体封止材料の流動性が不安定になり、計量精度が低下しやすくなる。その結果、粉粒状半導体封止材料を成形してなる成形体中にボイド等の不良が発生する傾向があるからである。
【0032】
【数6】
Figure 0004535213
【0033】
上記式(2)中の初期かさ密度は、上記粉粒状半導体封止材料全体(母集団)から任意に抽出される試料を用い、上記と同様にして求められる。
【0034】
また、上記式(2)中の真比重は、JIS K 7112−1980に準じて、なかでもA法(水中置換法)に準じて測定される値であり、上記粉粒状半導体封止材料全体(母集団)から任意に抽出される試料の硬化体を用いて測定される。なお、上記硬化体は、通常、抽出した試料(粉粒状半導体封止材料)をトランスファー成形(成形圧力:70kgf/cm2 )して製造される。その他の硬化条件としては、硬化が充分に進んだ状態になるのであれば特に制限はなく、例えばエポキシ樹脂組成物の場合は、175℃×70kgf/cm2 ×2分間のトランスファー成形と、それに引き続く175℃×5時間のアフターキュアーが硬化条件となる。
【0035】
そして、本発明では、上記充填密度を算出するための初期かさ密度および真比重として、通常、上記のようにして求められる初期かさ密度および真比重の5点平均値を用いる。
【0036】
本発明の粉粒状半導体封止材料は、全体中に占める80メッシュパス品(タイラー標準篩を使用)の含有割合が、15重量%未満に設定されている。より好ましくは、5重量%未満である。すなわち、80メッシュパス品の含有割合が15重量%以上であると、ホッパー等に付着し堆積する量が増大するため、詰まりが発生しやすくなり、上記粉粒状半導体封止材料を用いて製造した半導体装置に不良が発生するおそれがあるからである。また、80メッシュを通過する微粒子が多く含まれることになるため、粉塵により半導体装置を製造している環境を汚染するおそれもあるからである。なお、80メッシュパス品の含有割合の測定についても、通常、粉粒状半導体封止材料全体(母集団)から任意に抽出される試料を用いて行う。
【0037】
また、本発明の粉粒状半導体封止材料としては、全体が4メッシュパス品(タイラー標準篩を使用)からなるものが好ましい。すなわち、4メッシュを通過しないような大きい粒子が存在すると、移送過程で詰まりを発生させたり、その大きな粒子が1〜2個入るか否かで計量結果が大きく変わるおそれがあるからである。なお、4メッシュパス品の含有割合の測定についても、通常、粉粒状半導体封止材料全体(母集団)から任意に抽出される試料を用いて行う。
【0038】
本発明の粉粒状半導体封止材料を用いての半導体装置の製造は、従来公知の各種の方法により行うことができるが、例えば上記粉粒状半導体封止材料を、全体が略円錐状であってその頂部が下方供給口となるホッパー(容量:50〜100cc程度)に装填した後、重量を計量するシステムを有する自動定量供給装置によって、複数のポットを有する金型内に導入することにより半導体封止を行うことができる。
【0039】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0040】
まず、実施例および比較例に先立って下記に示す組成のエポキシ樹脂組成物を準備した。
【0041】
〔エポキシ樹脂組成物の配合組成〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 7重量部
(エポキシ当量195g/ep)
臭素化エポキシ樹脂 2重量部
フェノールノボラック樹脂 6重量部
(水酸基当量175g/ep)
リン系硬化促進剤 0.5重量部
カルナバワックス 0.5重量部
無機質充填剤(溶融シリカ粉末) 81重量部
三酸化アンチモン 2重量部
カーボンブラック 0.5重量部
シランカップリング剤 0.5重量部
【0042】
【実施例1】
まず、上記配合組成のエポキシ樹脂組成物を、カワタ社製のスーパーミキサーにて2分間攪拌した。ついで、得られたものを二軸押出機を用い、スクリュー回転80rpm,樹脂温度95℃の条件にて溶融混練し、吐出されたものが厚み0.5〜1mm程度となるようにロールにて圧延し、スチールベルト上で空冷した。つぎに、得られた板状体をハンマーミルを用い、3600rpmの条件にて粉砕し、一次粉砕物を得た。そして、この一次粉砕物を、振動フィーダーを用い、9メッシュを通過させた後、80メッシュ上に残留したものを採取し、これを実施例1品とした。
【0043】
【実施例2】
実施例1品(80メッシュオン品)に、それに対し10重量%量相当の80メッシュパス品を添加し、ロッキングミキサーで3分間混合したものを実施例2品とした。
【0044】
【実施例3】
実施例1と同様にして得られた板状体を、日本グラニュール社製のロール粉砕機に投入し、ロール回転数500rpmで粉砕した。なお、このロール粉砕機は、円周方向に三角の溝を有する一対のロール(寸法:直径150mm、溝の深さ:1mm、溝ピッチ:1.5mm)を、その溝が互いに噛み合うように配置された装置であって、その一対のロールが異方向に回転することにより、供給される板状体が上記ロールの噛み合う部分で粉砕されるようになっている。その後、得られた粉砕物を、4メッシュの篩にて篩別し、得られたものを実施例3品とした。
【0045】
【実施例4】
実施例3品を、外部に加温装置を備えた臼型をした容器内の中央部に攪拌羽根が設置された造粒機(20リットルスーパーミキサー)に装填し、外浴温度65℃、攪拌羽根400rpmの条件にて25分間造粒を行い、空冷後、4メッシュの篩にて篩別して得られたものを実施例4品とした。
【0046】
【比較例1】
実施例1品(80メッシュオン品)に、それに対し15重量%量相当の80メッシュパス品を添加したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例1品を得た。
【0047】
【比較例2】
実施例1で得られた一次粉砕品を比較例2品とした。
【0048】
【比較例3】
実施例3品を、24メッシュの篩で篩別し、篩上の残留物を比較例3品とした。
【0049】
このようにして得られた実施例品および比較例品の粉粒状半導体封止材料について、全体中に占める80メッシュパス品の含有割合、全体中に占める6メッシュパス品の含有割合、全体中に占める4メッシュパス品の含有割合を測定し、その結果を後記の表1および表2に示した。
【0050】
また、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターを用い、前述の方法に準じて、初期かさ密度(ゆるみ見掛比重、n=10の平均値)、タップかさ密度(固め見掛比重、n=10の平均値)、前記式(1)で表される圧縮度を求め、その結果を同表に併せて示した。なお、測定容器として、材質がSUS304で、容積が100ccの有底円筒状のものを用いた。また、タッピングは、タップ高さ(タップロッド2とタップブロック4の衝撃面の距離、図1参照)20mm、タップ速度60回/分、タップ時間3分間の条件で行った。
【0051】
さらに、前述の方法に準じて、初期かさ密度(ゆるみ見掛比重、n=10の平均値)、真比重、前記式(2)で表される充填密度を求め、その結果を同表に併せて示した。
【0052】
そして、各粉粒状半導体封止材料を、実際にマルチプランジャー方式による半導体製造装置のホッパー〔略円錐状であってその頂部が下方供給口となる形状(上部径:50mm、供給口径:10mm、高さ70mm、容量:57cc)〕内に装填し、半導体装置を製造した。そして、ホッパー内の詰まりの有無を確認するとともに、得られた半導体装置について、下記の示す方法にて信頼性試験を行ない、その結果を同表に併せて示した。
【0053】
〔半導体装置の信頼性試験(成形ボイド試験)〕
成形条件:
成形温度 175℃
注入時間 100kgf/cm2
注入時間 7秒間
パッケージ QFP80ピン,縦20mm×横14mm×厚み2.7mm 成形ボイド評価:
SAT,軟X線測定により、直径0.1mm以上のボイドをカウントする(32キャビティについてカウントし、1キャビティ当たりの平均個数を求める)。
【0054】
【表1】
Figure 0004535213
【0055】
【表2】
Figure 0004535213
【0056】
上記表1および表2の結果から、全ての実施例品は、ホッパー内に詰まりが発生せず、信頼性が高い半導体装置が得られていることがわかる。これに対し、比較例1品および2品は、ともに圧縮度が11%を超えており、ホッパー内に詰まりが発生していることがわかる。
【0057】
そして、実施例1品、3品、4品について粒子形状を観察したところ、実施例3品、1品、4品の順で粒子に角がなく丸みを帯び、また粒子の長手方向とそれに直交する方向(幅)との比が1に近くなっており、同様に充填密度も高くなっていることが確認できる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明の粉粒状半導体封止材料は、エポキシ樹脂組成物からなり、前記式(1)で表される圧縮度が特定の範囲に設定されているものである。このため、従来から問題となっていたホッパー等への付着,架橋現象に伴う詰まりを改善し、安定した流動性,計量精度を示すものとなる。したがって、上記粉粒状半導体封止材料を用いて得られる半導体装置は、ボイド等の不良の発生が抑制された、信頼性の高いものとなる。
【0059】
特に、上記粉粒状半導体封止材料のなかでも、充填密度が特定の範囲に設定され、かつ80メッシュパス品の割合が特定の範囲に設定されているため、流動性が特に良好となり、ボイド等の不良の発生が抑制され、結果、信頼性の高い半導体装置が得られるという利点がある。また、微粉末による粉塵の発生を抑制できるという利点もある。
【0060】
また、上記粉粒状半導体封止材料のなかでも、全体が4メッシュパス品からなり、かつ80メッシュパス品の含有割合が特定の範囲に設定されている場合には、粉粒状半導体封止材料中に4メッシュを通過しないような大きな粒子が存在しないため、計量精度が良好で、大きな空隙もできにくくなり、結果、信頼性の高い半導体装置が得られるという利点がある。また、微粉末による粉塵の発生を抑制できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 タップ装置の一例を示す説明図である。

Claims (3)

  1. 無機質充填剤を含有するエポキシ樹脂組成物製の粉粒状半導体封止材料であって、下記の式(1)で表される圧縮度が11%以下に設定されているとともに、下記の式(2)で表される充填密度が46%以上に設定され、かつ80メッシュパス品(タイラー標準篩を使用)の含有割合が粉粒状半導体封止材料全体中15重量%未満に設定されていることを特徴とする粉粒状半導体封止材料。
    Figure 0004535213
    Figure 0004535213
  2. 4メッシュパス品(タイラー標準篩を使用)からなる粉粒状半導体封止材料であって、80メッシュパス品(タイラー標準篩を使用)の含有割合が粉粒状半導体封止材料全体中15重量%未満に設定されている請求項1記載の粉粒状半導体封止材料。
  3. マルチプランジャー方式に用いられる請求項1または2記載の粉粒状半導体封止材料。
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