JP4534947B2 - アレーアンテナ - Google Patents
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Description
この発明は、ミリ波帯域又はマイクロ波帯域の電磁波を送信または受信するレーダや通信機器などに有益であり、アンテナの小型化または配設空間の省スペース化に大いに有用なものである。
伊藤龍男、他2名、’CHARACTERISTICS AND APPLICATIONS OF PLANAR NEGATIVE REFRACTIVE INDEX MEDIA’,MWE2003,WS02−03 伊藤龍男、他2名、’Electronically-Controlled Metamaterial-Based Transmission Line as a Continuous-Scanning Leaky-Wave Antenna’,2004 IEEE MTT-S Digest TU1D-4.
また、放射ビームの放射角が可変制御可能な1GHz以下の周波数帯域などにおいても、一般にバラクタダイオードでは標準容量(所定の基準容量)に対する容量変位の比率(変化率)を十分大きく確保することは必ずしも容易ではないので、放射角の変動範囲を大きく確保することも必ずしも容易とは言えない。
(2)反射板で反射される反射波の位相を変化させるだけなので、反射強度がピークとなる角度を制御することはできるが、それぞれのパッチからの反射量を変えることはできないため、ビーム幅やビームパターンを可変制御することはできない。
(3)また液晶の誘電率を変えるための電圧は接地板から浮かしたビア部分にかける構造であるが、この部分の構造が複雑にならざるを得ない。
(機能1)アンテナのビーム幅を自在に変更する機能
(機能2)不要なサイドローブの放射量を抑制する機能
(機能3)所望の向きにヌルを形成する機能
即ち、本発明の第1の手段は、誘電体基板と、導体から成る同一または類似の単位パターンを前記誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、各単位パターンは、伝送線路と、伝送線路を途中で分断するギャップと、伝送線路から枝分かれするスタブとを有した、使用周波数において左手系となるパターンであり、各単位パターンの各ギャップ及びスタブに近接して配設され、誘電率に応じて変化する各ギャップのキャパシタンス及びスタブのインダクタンスが、各単位パターンがアンテナとして非動作状態となるまで、各単位パターン毎に、独立して、変化するように誘電率を、与えられた電界によって変化させることができるそれぞれの誘電率可変部材と、各誘電率可変部材に対して、各単位パターン毎に、独立して、電界を与える電界設定手段と、を有することを特徴とするアレーアンテナである。
ただし、上記の実効長とは、当該アンテナを構成する単位パターンの配列の全長の内、実際にアンテナとして実質的に有効に作用する部分の長さのことであり、この長さは各単位パターンの各放射量に基づいて判定することができる。
また、本発明の第3の手段は、第1の手段において、電界設定手段は、複数の単位パターンを第1群と第2群との2群に分割した場合に、第1群に属する単位パターンは、左手系で動作させ、第2群に属する単位パターンは右手系で動作させるように、それぞれの誘電率可変部材の誘電率を制御することにより、アレーアンテナにおけるサイドローブのレベルを抑制する手段であることを特徴とする。
即ち、その分布を、例えば周知のテイラー分布などの様な、サイドローブ抑制作用を奏する適当な分布に制御することにより、アンテナのサイドローブレベルを抑制することができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
上記の本発明の電界設定手段を使って、上記の誘電率可変部材が置かれる空間領域の電界を可変制御すれば、それらの誘電率可変部材を構成する分子レベルの電気双極子のモーメントベクトルの方向を所望の方向に可変制御することができる。したがって、これにより、上記の誘電率可変部材の各方向の誘電率が制御可能となる。そして、この誘電率可変部材の誘電率の変化により、ストリップ線路を構成する上記の各ギャブが持つキャパシタンスや、上記の各スタブが持つインダクタンスや、或いは各単位パターンと接地板との間の各キャパシタンスまたはアドミタンスなどが変化する。
また、上記の電界設定手段で与える電界の強さの加減によって、上記の誘電率可変部材の各方向の誘電率は、単調かつ連続的に自在に可変制御することもできる。
更に、当該アレーアンテナのビーム幅は、当該アレーアンテナの実効長の増大に対して、単調に減少するので、よって本発明によれば、当該アンテナのビーム幅を自在に可変制御することができる。
例えば、アンテナの正面方向にヌルを形成したい場合には、半数の単位パターンのビームの向きを後方波(Backward波)の側(即ち、左手系のビームの向き)に向け、残りの半数の単位パターンのビームの向きを前方波(Forward 波)の側(即ち、右手系のビームの向き)に向ければ良い。これにより、正面方向からの雑音の受信を低減させることができる。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
例えば、上記の液晶13のz軸方向の厚みを約0.13mmに設定した場合、上記の電界設定手段Cでストリップ線路14と接地板16との間に100vの電圧をかけると、液晶13のz軸方向の比誘電率は、約2.2から約2.8まで変化させることができる。
この作用は、誘電率可変部材(液晶13)に電圧をかけることにより、その誘電率が変化してギャップG1のキャパシタンスとスタブ12のインダクタンスが変化するために生じるものであり、これによって、例えば、バンドギャップの動作に変化した終端点p2 寄りの単位パターンUの数が増えれば、その分アレーアンテナ100のアンテナ長が短くなって、アンテナのビーム幅は広くなる。
したがって、例えば上記のICチップによって、本発明の実効長可変制御手段を構成することができる。
(2)上記の様な操作によって動作しなくする微小アンテナを終端点p2 の側から8個だけ設けた場合
(3)上記の様な操作によって動作しなくする微小アンテナを終端点p2 の側から12個だけ設けた場合
例えばこの様にして、動作しなくする微小アンテナの数を変化させることにより、アレーアンテナ100のビーム幅を自在に可変制御することができる。
上記のアレーアンテナ100について、以下の2つのケースにわたって、xz平面上での指向性をシミュレーションによって算出した。
(a)図3−Aの場合(即ち、全てのスイッチSWをOFF状態とした場合)
(b)図3−Bの場合(即ち、上記の(2)の場合)
また、上記の(a)と(b)の場合を比較すると、(b)では半値角で測って2倍以上の太いビームが実現できている。
また、次の実施例3でも言及する様に、このヌルの方向は液晶13にかける電圧を連続的に変化させることによっても自在に可変制御することができる。
なお、電界制御手段αを構成する上記の可変抵抗器の抵抗値の範囲を0〜∞に設定すれば、これによって図3−AのスイッチSWの機能をも、勿論その電界制御手段αの機能の中に含めることもできる。
そして、図2の電界制御手段αを可変抵抗器を用いて構成するこれらの方式によれば、例えば、以下に示す本発明の各手段を構成することも可能となる。
例えば、前述のアレーアンテナ100において、各単位パターンUからの放射の分布を例えば周知のテイラー分布などに制御することにより、xz平面上における指向性に関してそのサイドローブレベルを抑えることができる。
また、例えば、前述のアレーアンテナ100において、給電点p1 寄りの8つの単位パターンUのビームの向きをx軸の正の向き(放射がBackward波となる向き)に向け、終端点p2 寄りの8つの単位パターンUのビームをx軸の負の向き(放射がForward 波となる向き)に向けることにより、例えば先の実施例2に例示した場合(図3−B、図6)と同様に、アンテナ正面方向(z軸の正の向き)にヌルを形成することができる。
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
例えば、動作周波数fを固定して指向性を可変制御する手段(指向性可変制御手段)と、本発明の実効長可変制御手段と、本発明のヌル形成手段と、本発明のサイドローブレベル抑制手段とは、例えば前述の電界設定手段Cなどを用いて、同時に同様に構成することもできる。また、これらの各手段(指向性可変制御手段、実効長可変制御手段、ヌル形成手段、サイドローブレベル抑制手段)は、本発明に基づく1台のアレーアンテナ上においてそれぞれ同時に有効に作用させることもできる。
また、上記の実施例1(図1)では、周期的な配線パターンを主線路の中心線に対して対称形としたが、配線パターンは主線路の中心線に対して対称形でなくても良い。
また、ギャップG1の対峙部やスタブ12の端部などは、必ずしも幅広に拡張しなくても良い。
U : 単位パターン
11 : 主線路
12 : スタブ
13 : 液晶(誘電率可変部材)
15 : 誘電体基板
G1 : ギャップ
C : 電界設定手段
α : 電界制御手段
Claims (6)
- 誘電体基板と、導体から成る同一または類似の単位パターンを前記誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、
前記各単位パターンは、伝送線路と、前記伝送線路を途中で分断するギャップと、前記伝送線路から枝分かれするスタブとを有した、使用周波数において左手系となるパターンであり、
前記各単位パターンの前記各ギャップ及び前記スタブに近接して配設され、誘電率に応じて変化する前記各ギャップのキャパシタンス及び前記スタブのインダクタンスが、各単位パターンがアンテナとして非動作状態となるまで、各単位パターン毎に、独立して、変化するように前記誘電率を、与えられた電界によって変化させることができるそれぞれの誘電率可変部材と、
前記各誘電率可変部材に対して、前記各単位パターン毎に、独立して、電界を与える電界設定手段と、
を有することを特徴とするアレーアンテナ。 - 前記電界設定手段は、前記アレーアンテナの端部から連続して、所定数の前記単位パターンをアンテナとして非動作状態となるまで、それぞれの前記誘電率可変部材の誘電率を制御することにより、前記アレーアンテナの実効長を可変制御する手段であることを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。
- 前記電界設定手段は、複数の前記単位パターンを第1群と第2群との2群に分割した場合に、第1群に属する単位パターンは、左手系で動作させ、第2群に属する単位パターンは右手系で動作させるように、それぞれの前記誘電率可変部材の誘電率を制御することにより、前記アレーアンテナにおけるサイドローブのレベルを抑制する手段である
ことを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。 - 前記電界設定手段は、複数の前記単位パターンを第1群と第2群との2群に分割した場合に、第1群に属する単位パターンは、左手系で動作させ、第2群に属する単位パターンは右手系で動作させるように、それぞれの前記誘電率可変部材の誘電率を制御することにより、前記アレーアンテナにおける指向性のヌルの方位を可変制御する手段であることを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。
- 前記誘電率可変部材は、液晶または強誘電体から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のアレーアンテナ。
- 前記誘電率可変部材は、前記単位パターンと前記接地板との間に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のアレーアンテナ。
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