JP4466389B2 - アレーアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、裏面に接地板を有する誘電体基板の表側に導体から成る所定の単位パターンを一軸方向に周期的に繰り返し配置することによって形成されたストリップ線路を有するアレーアンテナ(漏れ波アンテナ)に関し、特に、アンテナの指向性を制御可能としたものに関する。
この発明は、ミリ波帯域又はマイクロ波帯域の電磁波を送信または受信するレーダや通信機器などに有益であり、アンテナの小型化または配設空間の省スペース化に大いに有用なものである。
誘電体基板上にCRLH(Composite Right and Left Handed )伝送線路を備えた従来のストリップアレーアンテナ(漏れ波アンテナ)の構成例を図6に例示する。このCRLH線路には、伝送線路(X軸方向の主線路)を周期的に分断するギャップや、その伝送線路から枝分かれしたスタブなどが具備されている。このアンテナでは、ギャップが供するキャパシタンスや、スタブが供するインダクタンスの作用により、ある周波数帯において、伝送される電磁波の群速度の向きと位相速度の向きを相互に反対の向きとすることができる。これにより、伝送される電磁波の周波数を変化させることによって、主線路上で電磁波が伝播する向きとは反対向きの図中のz軸方向から−x軸方向に傾斜したθ<0なる角度領域に対しても電磁波を放射することができる。その結果、放射ビームの方向を変化させる場合には、その放射ビームの走査範囲を広くとることができるという利点がある。この様に、位相速度と群速度の向きが反対となる原理については、例えば下記の非特許文献1などに詳しい開示がある。しかしながら、周波数を大きく変化させないと、−x軸方向に傾斜した方向に指向性を持たせることは困難である。
また、下記の非特許文献2には、給電点から入力する電磁波の周波数を一定値に固定したまま、所定の電子制御に基づいて放射ビームの放射角を可変制御する制御方式が開示されている。この放射角の制御方式では、例えば図6の配線パターンの個々のギャップやスタブに対して、それぞれバラクタダイオードを接近させて配置し、各バラクタダイオードの容量を可変制御することによって放射ビームの放射角を可変制御している。
また、下記の特許文献1には、中央にビアのある金属パッチ1を誘電体基板上に周期的に配置したEBG構造(Electrical Band Gap 構造)の反射体を利用したビーム走査アンテナ(図7−A,−B)が提案されている。このビーム走査アンテナは、その反射体が有する各金属パッチ(1,2)間のキャパシタンスを変化させることによって、所定の方向からその反射体に入射した電磁波の反射波の進行方向、すなわち、反射の指向性を可変制御するものである。そして、各金属パッチ(1,2)間のキャパシタンスは、ビア1とビア2の間に印加される直流電圧により金属パッチ1と金属パッチ2の間に電界を生成して、この電界により金属パッチ間に配置された液晶の比誘電率を変化させることで、可変制御される。
また、その他の制御方式としては、例えば、電磁波が伝播する材料の透磁率をフェライトなどを利用して電気的に可変制御することによってその材料の伝搬定数を可変制御するのと同様に、誘電率を可変制御する方式がある。即ち、その様な制御方式としては、例えば、目的のアンテナを構成する誘電体基板の誘電率を電圧によって可変制御して、これによってアレーアンテナの放射ビームの放射角を所望の角度に可変制御する制御方式などを考えることができる。誘電率が可変制御されるその様な誘電体基板の材料としては、例えば液晶や強誘電体などがある。
なお、電磁波センシングや無線通信などの分野では、放射電磁波の周波数を変化させることなく、アンテナの放射ビームの指向性が制御されることが望ましい。
伊藤龍男、他2名、’CHARACTERISTICS AND APPLICATIONS OF PLANAR NEGATIVE REFRACTIVE INDEX MEDIA’,MWE2003,WS02−03 伊藤龍男、他2名、’Electronically-Controlled Metamaterial-Based Transmission Line as a Continuous-Scanning Leaky-Wave Antenna’,2004 IEEE MTT-S Digest TU1D-4. 米国特許:US6,552,696B1
しかしながら、非特許文献1に記載されている従来のアレーアンテナでは、給電点から入力する電磁波の周波数を一定にしたまま、アンテナの放射ビームの放射角を可変制御することはできない。このため、この方式を採用したアンテナは、ミリ波レーダなど、一定の周波数の電磁波を放射または受信するアンテナには不向きである。
また、非特許文献2に記載されている従来のアレーアンテナには、可変容量としてバラクタダイオードが用いられているが、一般にバラクタダイオードは伝送損失が大きいため、数GHz以上の周波数帯域においては、バラクタダイオードを所望の可変容量として動作させることは難しい。このため、数GHz以上の周波数帯域の電磁波を取り扱うアレーアンテナにこの従来技術を用いることはできない。
また、放射角が可変制御可能な1GHz以下の周波数帯域などにおいても、一般にバラクタダイオードでは標準容量(所定の基準容量)に対する容量変位の比率(変化率)を十分大きく確保することは必ずしも容易ではないので、放射角の変動範囲を大きく確保することも必ずしも容易とは言えない。
また、特許文献1に記載されている従来のビーム走査アンテナ(図7−A,−B)は、液晶分子の向きを変えることによって、その液晶部分の誘電率を変化させて反射ビームの指向性を可変制御するものであるが、これらの従来のビーム走査アンテナには、生産性や制御性や、或いは薄板化や小型化など係わる、例えば以下の(1)〜(4)の様な問題がある。
(1)ミリ波又はマイクロ波を取り扱うデバイスでは、キャパシタンス又はインダクタンスを可変制御するために用いる液晶部分の厚みは、通常、100μm程度が必要とされる。しかしながら、そこまでの厚みを設けてしまうと、例えば上記の金属パッチ1と金属パッチ2との間に電圧をかけた時などには、液晶分子の向きを数ミリ秒で所望の向きに変更することができるが、その電圧の印加を中断した時には、各液晶分子の向きが元の向きに戻るまでに数秒かかってしまう。これは、液晶分子の熱運動によって液晶分子が元の向きに戻るためであり、この時に必要とされる液晶分子の向きに関する復元時間は、液晶部分の厚みの二乗に比例する。したがって、この様な従来方式を採用する限り、ビームの指向性を高速に可変制御することは難しい。即ち、高速にビームを走査する必要があるシステムには、この様な従来方式を採用することはできない。
(2)図7−A,−Bに示す様に、EBG構造の反射体を用いてビーム走査アンテナを構成するので、この反射体に対して電磁波を照射するための給電用アンテナを別途用意する必要がある。
(3)反射板で反射される反射波の位相を変化させるだけなので、反射強度がピークとなる角度を制御することはできるが、それぞれのパッチからの反射量を変えることはできないため、ビーム幅やビームパターンを可変制御することはできない。
(4)また液晶の誘電率を変えるための電圧は接地板から浮かしたビア部分にかける構造であるが、この部分の構造が複雑にならざるを得ない。
また、前述の様に、目的のアンテナを構成する誘電体基板の誘電率や透磁率を可変制御する様な制御方式に適したその他の材料として、例えば、強誘電体やフェライトなどの材料を考えることもできるが、しかしながら、それらの材料を誘電体基板などに用いた場合には、アンテナ中を伝播する電磁波の電力損失が非常に大きくなるので、アンテナの利得を大きく確保することは困難になる。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、周波数を変化させることなく1GHz以上の高い周波数帯域においても使用することができる、ビーム指向性の走査範囲の広い小形のアレーアンテナを実現することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、誘電体基板と、導体から成る同一又は類似の単位パターンを誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、与えられた電界によって誘電率が変化する特性可変部材と、特性可変部材に対して複数の方向から電界を与える電界設定手段とを有し、単位パターンは、所定の方向に走る伝送線路と、伝送線路を途中で分断するギャップと、伝送線路から枝分かれするスタブとを有し、特性可変部材は、ギャップ及びスタブに対して接近して配置され、ギャップが供するキャパシタンス成分及びスタブが供するインダクタンス成分は、電界設定手段によって可変制御される特性可変部材の誘電率に応じて変化することを特徴とする。
このアンテナは、ストリップ線路が1本のラインアンテナであっても、複数本のストリップ線路から成る平面アンテナであっても良い。電磁波の進行方向とライン方向との成す角度を可変制御できる。誘電体基板面上であってストリップ線路に垂直な方向への指向性の制御は、各ストリップ線路に供給する電力の位相を制御することで行うことができる。スタブは、ストリップ線路の片側だけにあっても、同位置で両側にあっても良く、或いは、進行方向に沿って設ける側を交互に反転しても良い。スタブは、通常、ストリップ線路に対して直角に設けられるが、角度は任意である。ギャップを構成するストリップ線路の対向する部分は、キャパシタンスを大きくするためにその幅を広く構成しても良い。
また、特性可変部材は、誘電体基板の内部に設けても、誘電体基板の上部、すなわち、ストリップ線路の上部に設けても良い。
要するに、本発明は、特性可変部材の誘電率を電気的に可変制御することにより、ストリップ線路に分布するキャパシタンス成分及びインダクタンス成分を可変制御することで、ビームの指向性を制御するようにしたことが特徴である。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段の電界設定手段に、上記の特性可変部材を挟んで誘電体基板に平行に相対峙して対を成す電極と、上記の特性可変部材を挟んで誘電体基板に垂直に相対峙して対を成す電極とを備えることである。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、上記の特性可変部材を液晶又は強誘電体から構成することである。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の特性可変部材を上記の単位パターンと接地板との間に配置することである。
また、本発明の第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段において、上記の特性可変部材を誘電体基板の表面上に配置することである。
また、特に、特性可変部材を液晶で構成する場合には、液晶に電界を与えるための1対の電極間の距離を何れも、0.2mm以下にすることが望ましい。したがって、特性可変部材を液晶で構成する場合には、少なくとも電界が形成される2方向においてその長さを0.2mm以下にすることが望ましい。
特性可変部材を液晶で構成する場合には、この様な設定によって、100v以下の電圧によっても、数ミリ秒程度で液晶分子の向きを所望の向きに変更することができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、上記の電界設定手段を用いて、特性可変部材に対して複数の方向から電界を与えることができるので、特性可変部材に与える電界の向きを随時所望の向きに高速に変更することができる。したがって、本発明の第1の手段によれば、上記の特性可変部材の誘電率を界の向きに応じて可変制御することができ、これによって、ギャップが供するキャパシタンスやスタブが供するインダクタンスを変化させることができる。このため、ストリップ線路を通過する電磁波の位相や電力、放射する電磁波の位相や放射量を制御することができ、したがって、アレーアンテナのビームの放射方向を変化させたり、アレーアンテナのビーム幅やパターンを変化させることができる。
また、本発明の第2の手段によれば、各電極対が形成する電界の向きは直交するので、各電極対を用いて上記の特性可変部材に与える電界の向きを、各方向の電界成分の合成によって、容易かつ自在に制御することができる。
また、本発明の第3の手段によれば、特性可変部材の誘電率を大幅に変化させることができるので、ビームの走査範囲を大きく確保することができる。
また、本発明の第4の手段によれば、特性可変部材が上記の単位パターンの上方に突き出すことがないので、効果的にアレーアンテナの薄板化若しくは小型化を図ることができる。
また、本発明の第5の手段によれば、上記の単位パターンの上方に特性可変部材が配置される構造となるので、特性可変部材の配置が容易になる。
また、特性可変部材を小さく形成すれば、比較的低い電圧で高速に特性可変部材の誘電率を変化させることができる。例えば、特性可変部材を液晶で構成する場合には、少なくとも電界が形成される2方向においてその長さを0.2mm以下にすることが望ましく、これによって、100v以下の電圧によっても、数ミリ秒程度で液晶分子の向きを所望の向きに変更することができる。
上記の誘電体基板としては、例えばフッ素樹脂などの比誘電率の小さな材料が望ましい。また、特性可変部材としては、液晶や強誘電体などを挙げることができる。より望ましい材料としては、例えば、ネマティック液晶にポリマーを混合した材料などが有用である。
また、以下に例示する各実施例のアレーアンテナが放射または受信する電磁波の周波数は、概ね1GHz〜100GHzの範囲において任意に固定された周波数を想定したものであり、単位パターンをx軸方向に繰り返し形成する際のそのパターン形成周期は、勿論従来と同様にしてその周波数に合わせて決定すれば良い。しかしながら、本発明によって得ることができる作用・効果は、必ずしも上記の周波数帯域内の電磁波を取り扱うアレーアンテナだけに限定されるものではない。
また、以下に例示する各実施例のアレーアンテナは、全走査範囲(全スキャン角度θ)に対して1秒間当たり概ね数回程度の走査頻度を想定して設計したものであるが、これらの走査頻度は、勿論必要に応じて任意に設定することができる。
また、ストリップ線路の構成要素となる上記の単位パターンは、同一のパターンを用いてそれらを周期的に配列することが望ましいが、必ずしも同一のパターンだけを用いる必要はなく、また、必ずしも周期的に配列する必要もない。したがって、例えば、ストリップ線路の構成要素となる上記の単位パターンは、伝送線路やスタブなどの各部の太さや長さなどの寸法が、揃っていなくとも良く、また、ギャップなどの間隔なども不揃いでも良い。
なお、特性可変部材の誘電率を変化させるために、誘電体基板の全幅または全長に渡って横方向(x軸方向またはy軸方向)に電圧をかける方式を採用すると、特性可変部材の誘電率を十分に変化させるために必要となる電圧が高くなり過ぎるので、特性可変部材は各ギャップの近傍の、或いは各スタブの近傍の個々の小さな空間にそれぞれ局所的に配置することが望ましい。
例えば、特性可変部材に対して100v以下の電圧をかけて誘電率を変化させることによって、数msec程度でビームの照射角を最大値から元の最小値に切り替えるためには、液晶を用いる場合、その充填空間の一辺の長さを0.2mm程度以下にする必要があることが判っている。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1は、給電点Pから入力する電磁波の周波数を77GHzとして設計した本実施例1のアレーアンテナ100の斜視図である。このアレーアンテナ100は、周期的な配線パターンからなるストリップ線路を、その主線路がx軸方向になる様に、比誘電率が2.2のフッ素樹脂からなる厚さ約0.13mmの誘電体基板25上に、銅を主成分とする金属導体を用いて形成したものである。その周期的な配線パターンは、伝送線路21(主線路)とスタブ22を有しており図中左端の給電点Pから給電される。このアレーアンテナ100の誘電体基板25上の周期的な配線パターンは、以下の単位パターンをx軸方向に周期的に16回繰り返し配置することによって実現されている。
図2に、このアレーアンテナ100の単位パターン20(周期構造)の平面図と断面図を示す。この単位パターン20は、上記の周期的な配線パターンを備えたものであり、この単位パターン20上では、上記の伝送線路21は、x軸方向に延びる主線路を途中で分断するギャップG2の左側に位置する伝送線路21aと、そのギャップG2の右側に位置する伝送線路21bとから構成されている。このギャップG2のx軸方向における間隔は、約0.1mmである。
ただし、伝送線路21aの途中には制御電圧に係わる直流カット用のスリットS1が具備されており、伝送線路21bの途中にも同様の直流カット用のスリットS2が具備されている。これらの直流カット用の細いスリットS1,S2は、スタブ22、22′の近傍に配置される液晶24及び液晶24′の各比誘電率に対して、ギャップG2の近傍に配置される液晶23の比誘電率を独立に制御可能とするためのものである。
この単位パターン20は、x軸方向に延びる伝送線路21(主線路)の中心軸を通る、xy平面に垂直な図中のA−A′断面に対して対称に形成されている。スタブ22は、伝送線路21bからこの伝送線路21bに対して垂直にy軸方向の正の向きに延びている。また、スタブ22′は、スタブ22に対してA−A′断面に対して対称に形成されている。
キャパシタンスを供するギャップG2を挟んで相対峙する主線路21a,21bの各対峙部は、それぞれ横向きに倒れたT字形に拡張された幅広部211aと211bとを有している。また、インダクタンスを供するスタブ22、22′についても、その先端部付近において、x軸方向に拡張された幅広部221と221′とが形成されている。これらの幅の拡張により、ギャップG2によって供されるキャパシタンスやスタブ22、22′によって供されるインダクタンスの印加電圧に対する変動率を大きくすることができる。
キャパシタンスを供するギャップG2の下方においては、誘電体基板25に特性可変部材を配置するz軸方向の高さが約0.13mm、x軸方向及びy軸方向の長さがそれぞれ何れも約0.3mmの空間が形成されており、この空間の中には液晶23が充填されている。また、インダクタンスを供するスタブ22、22′の下方においても、誘電体基板25に特性可変部材を配置する空間が形成されており、この空間の中には液晶24、液晶24′が充填されている。これらの液晶23、液晶24、液晶24′は何れも、ネマティック液晶にポリマーを混合した材料から構成されている。また、誘電体基板25の裏面には、導体から成る接地板26が形成されている。
図3に、上記の単位パターン20のギャップG2の周辺の斜視図を示す。上記の液晶23は、直方体形状に充填されており、その直方体のzx平面に平行な2つの側面上には、電極27a,27b(電界設定手段)が配設されている。この2つの電極27a,27bにはそれぞれ線路が接続されており、この両電極間には可変制御可能な電圧V2が印加できる様に電気回路が形成されている。例えば図中のスイッチなどは、トランジスタ等を用いて実現することができる。また、これらの制御回路は、適当なトランジスタ回路等を用いて電圧制御が可能な構成にしても良い。
一方、接地板26は接地電位(0v)に維持されている。また、主線路21aの幅広部211aや主線路21bの幅広部211bにも略同様の線路が接続されており、図中の電気回路によってこの幅広部211aや幅広部211bの電位は、所望の電位V1に可変設定可能になっている。なお、主線路21aの幅広部211aや主線路21bの幅広部211bの電位は、上記の電気回路と同等の回路を用いて何れの単位パターン20においても同じ値(V1)に設定する。
図2の液晶24や液晶24′に対しても、略同様の電界設定手段が設けられている。ただし、液晶24と液晶24′の形状を考慮して、液晶24と液晶24′に対しては、それぞれz軸方向とx軸方向の2方向から電界を与える構成にすると良い。各電位の制御は上記の電気回路と同様の回路を用いて行うことができる。
図4は、アレーアンテナ100の放射特性(シミュレーション結果)を例示するグラフである。このシミュレーションは、周知の伝送線路の理論に基づいて実施したものであり、本シミュレーションでは、上記の単位パターン20を使ったメタマテリアル構造について、即ち、上記の単位パターン20を図1と同じ要領でx軸方向に1列×16回繰り返して周期的に作成したアレーアンテナについて検証した。放射角θは、図1に図示する様にzx面上の角度として定義されており、z軸の正の向きをθ=0°とした。この時のシミュレーション条件は、以下の通りである。
(シミュレーション条件)
a.V1= 0v,V2=0v
b.V1= 50v,V2=0v
c.V1=100v,V2=0v
これらの液晶は、100vの電圧をかけることで比誘電率が2.5から2.7まで変化する。図2の液晶24や液晶24′に対しても、それらの各液晶分子の向きが必要とされる比誘電率を供する所望の向きになる様に同様に制御されている。
これらの条件に基づいて検証された図4のシミュレーションの結果より、アレーアンテナ100のビームの放射角θは、上記の電位V1の制御によって、約−22°〜+13°の範囲において、所望の角度に制御できることが判った。
また、図4の条件c.の様に放射角θが最大値となった直後に、上記の電気回路を用いて各電圧をV1=0v,V2=100vと再設定するその他の実験によって、液晶23を構成する各液晶分子の方向を、元の方向、即ち、上記のa.の状態(V1=0v,V2=0v)に高速に戻すことができることが判った。この復元に掛かる所要時間は、水平方向(y軸方向)の電界を利用しているため約10msecと非常に短い。
したがって、本実施例1のアレーアンテナ100を用いれば、約35°の広範囲に渡ってアンテナのビームの放射角を電気的に制御できると共に、非常に高速な走査動作を実現することも同時に可能となる。
なお、上記のストリップアレーアンテナの配線パターンを複数パターン平行に並列に配置して平面アンテナを構成する場合には、必要に応じて誘電体基板にビアホールを形成したり、誘電体基板中に多層構造の回路を形成したり、或いはワイヤーボンディングを行ったりして、上記の電気回路などの様な必要な制御用回路を立体的に形成する必要が生じるが、その様な立体的な回路形成によって、上記のストリップアレーアンテナの配線パターンを複数パターン平行に並列に配置して平面アンテナを構成することも、十分に可能となる。
ただし、上記のストリップアレーアンテナの配線パターンを1列だけ配列したアレーアンテナを構成する場合には、必要とされる制御用回路に関する電気配線を、ストリップアレーアンテナの配線パターンと同一の平面上に引き回しても良い。即ち、この様な場合には、必ずしも上記の様な立体的な回路形成を実施する必要はない。
図5−A,−Bに、上記の単位パターン20に関する1つの変形例を例示する。上記の単位パターン20に対するこの変形例の主な相違点(特徴)は以下の通りである。
(1)液晶23′(特性可変部材)は、誘電体基板25の中には配置されず、ギャップG2の上(z座標が大きくなる方)に配置されている。
(2)誘電体材料から成る液晶保持部材29が、誘電体基板25上の配線パターン(主線路21a,21b)の上や誘電体基板25の上に、液晶23′を側方から囲む様にして配置されている。
(3)電極28a,28b(電界設定手段)が、特性可変部材(液晶23′)の上面に、配線パターン(主線路21a,21b)と平行に対峙する様に形成されている。また、この電極28a,28bの間には、ビーム放射用の隙間が形成されている。
(4)特性可変部材(液晶23′)のzx平面に平行な2つの側面上には、電極27a′,27b′(電界設定手段)が配設されている。
例えばこの様に、特性可変部材や電界設定手段を配置しても、上記の実施例1と略同様にして特性可変部材(液晶23′)に所望の電界を与えることができる。
本実施例2の場合、電極28a,28bなどの影響を考慮するためにビームの放射特性の設計が難しくなったりすることがあるが、その代わりに、上記の誘電体基板25には穴をあけたり、その穴に特性可変部材を埋め込んだりする必要がなくなるので、本実施例2の様な実施形態に従えば、周期構造を供する所望の単位パターンが実施例1の単位パターン20よりも製造し易くなると言う利点を得ることができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
例えば、上記の実施例1では、周期的な配線パターンを主線路の中心線に対して対称形としたが、配線パターンは主線路の中心線に対して対称形でなくても良い。
また、キャパシタの対峙部やスタブの端部などは、必ずしも拡張しなくても良い。
また、上記の実施例1では、この2つの電極27a,27bにそれぞれ線路を接続して、電極27a,27bの電極対を液晶分子の方向の復元手段として用いたが、この両電極間の電圧V2は、前述の電圧V1と同様に利用して、放射ビームの角度調整などに使っても良い。
また、電圧V2で形成される電界の方向と、電圧V1で形成される電界の方向とは、必ずしも直交させなくても良い。更に、電極の数も任意で良い。
また、3方向以上の複数の方向から電界を与えても良い。例えば、直交する2方向の電界の各方向の間の略中間の角度(方向)においても、対応する電極を設けて電界を生成する様にしても良い。即ち、例えば電界の向きをθ=0°の向きからθ=90°の向きへと変える際に、例えばその変化を2段階に分けて、中間の角度(方向)に対応する電極をも用いて、0°→45°→90°と電界の向きを変える様にすると、更に高速に液晶分子の向きを変化させることができる。また、2対の電極によって形成される各電極の方向を互いに直交させれば、それらの電界の各成分の合成によって、電界の向きは任意に設定することができるので、その様な各成分の合成によって、特性可変部材に与える電界の向きを自在に制御するようにしても良い。
また、特性可変部材の立体形状は任意で良く、また、特性可変部材や液晶を充填する空間の形状などは、必ずしも直方体でなくても良い。
また、特性可変部材は、強誘電体や強磁性体などから構成しても良い。
また、上記の各実施例では、ビーム幅を大幅に可変制御するなどのビーム成形技術に付いては特に言及しなかったが、本発明に基づく上記の各実施例のアレーアンテナにおいては何れも、例えば、前記の非特許文献2などに記載されている様な周知のビーム成形技術を、各特性可変部材に対する電気的な制御に基づいて容易に適用することができる。
本発明は、無線通信や電磁波センシングに有用であり、例えば、無線通信装置や、車両の事故防止システムやオートクルーズ制御システムなどに用いられる障害物センサや、或いはその他の車両周辺の物体に対する物体探索手段などとして利用することができる。
実施例1のアレーアンテナ100の斜視図 アレーアンテナ100の単位パターン20(周期構造)の平面図と断面図 単位パターン20のギャップG2の周辺の斜視図 アレーアンテナ100の放射特性を例示するグラフ 単位パターン20に関する変形例を例示する斜視図 同変形例に係わるギャップG2の周辺の断面図 従来のアレーアンテナの特性を説明する説明図 その他の従来のビーム走査アンテナの平面図。 その他の従来のビーム走査アンテナの断面図。
100 : アレーアンテナ(実施例1)
20 : 単位パターン(1周期構造)
21a: 伝送線路(主線路)
21b: 伝送線路(主線路)
22 : スタブ
23 : 液晶(特性可変部材)
24 : 液晶(特性可変部材)
25 : 誘電体基板
26 : 接地板
27a: 電極(電界設定手段)
27b: 電極(電界設定手段)
28a: 電極(電界設定手段)
28b: 電極(電界設定手段)
29 : 液晶保持部材
G2 : ギャップ

Claims (5)

  1. 誘電体基板と、導体から成る同一又は類似の単位パターンを前記誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、
    与えられた電界によって誘電率が変化する特性可変部材と、
    前記特性可変部材に対して複数の方向から電界を与える電界設定手段と
    を有し、
    前記単位パターンは、所定の方向に走る伝送線路と、前記伝送線路を途中で分断するギャップと、前記伝送線路から枝分かれするスタブとを有し、
    前記特性可変部材は、前記ギャップ及び前記スタブに対して接近して配置され、
    前記ギャップが供するキャパシタンス成分及び前記スタブが供するインダクタンス成分は、前記電界設定手段によって可変制御される前記特性可変部材の誘電率に応じて変化する
    ことを特徴とするアレーアンテナ。
  2. 前記電界設定手段は、
    前記特性可変部材を挟んで前記誘電体基板に平行に相対峙して対を成す電極と、
    前記特性可変部材を挟んで前記誘電体基板に垂直に相対峙して対を成す電極と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。
  3. 前記特性可変部材は、液晶又は強誘電体から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアレーアンテナ。
  4. 前記特性可変部材は、前記単位パターンと前記接地板との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアレーアンテナ。
  5. 前記特性可変部材は、前記誘電体基板の表面上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のアレーアンテナ。
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