JP4466389B2 - アレーアンテナ - Google Patents
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Description
この発明は、ミリ波帯域又はマイクロ波帯域の電磁波を送信または受信するレーダや通信機器などに有益であり、アンテナの小型化または配設空間の省スペース化に大いに有用なものである。
伊藤龍男、他2名、’CHARACTERISTICS AND APPLICATIONS OF PLANAR NEGATIVE REFRACTIVE INDEX MEDIA’,MWE2003,WS02−03 伊藤龍男、他2名、’Electronically-Controlled Metamaterial-Based Transmission Line as a Continuous-Scanning Leaky-Wave Antenna’,2004 IEEE MTT-S Digest TU1D-4.
また、放射角が可変制御可能な1GHz以下の周波数帯域などにおいても、一般にバラクタダイオードでは標準容量(所定の基準容量)に対する容量変位の比率(変化率)を十分大きく確保することは必ずしも容易ではないので、放射角の変動範囲を大きく確保することも必ずしも容易とは言えない。
(3)反射板で反射される反射波の位相を変化させるだけなので、反射強度がピークとなる角度を制御することはできるが、それぞれのパッチからの反射量を変えることはできないため、ビーム幅やビームパターンを可変制御することはできない。
(4)また液晶の誘電率を変えるための電圧は接地板から浮かしたビア部分にかける構造であるが、この部分の構造が複雑にならざるを得ない。
即ち、本発明の第1の手段は、誘電体基板と、導体から成る同一又は類似の単位パターンを誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、与えられた電界によって誘電率が変化する特性可変部材と、特性可変部材に対して複数の方向から電界を与える電界設定手段とを有し、単位パターンは、所定の方向に走る伝送線路と、伝送線路を途中で分断するギャップと、伝送線路から枝分かれするスタブとを有し、特性可変部材は、ギャップ及びスタブに対して接近して配置され、ギャップが供するキャパシタンス成分及びスタブが供するインダクタンス成分は、電界設定手段によって可変制御される特性可変部材の誘電率に応じて変化することを特徴とする。
要するに、本発明は、特性可変部材の誘電率を電気的に可変制御することにより、ストリップ線路に分布するキャパシタンス成分及びインダクタンス成分を可変制御することで、ビームの指向性を制御するようにしたことが特徴である。
特性可変部材を液晶で構成する場合には、この様な設定によって、100v以下の電圧によっても、数ミリ秒程度で液晶分子の向きを所望の向きに変更することができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
即ち、本発明の第1の手段によれば、上記の電界設定手段を用いて、特性可変部材に対して複数の方向から電界を与えることができるので、特性可変部材に与える電界の向きを随時所望の向きに高速に変更することができる。したがって、本発明の第1の手段によれば、上記の特性可変部材の誘電率を電界の向きに応じて可変制御することができ、これによって、ギャップが供するキャパシタンスやスタブが供するインダクタンスを変化させることができる。このため、ストリップ線路を通過する電磁波の位相や電力、放射する電磁波の位相や放射量を制御することができ、したがって、アレーアンテナのビームの放射方向を変化させたり、アレーアンテナのビーム幅やパターンを変化させることができる。
また、ストリップ線路の構成要素となる上記の単位パターンは、同一のパターンを用いてそれらを周期的に配列することが望ましいが、必ずしも同一のパターンだけを用いる必要はなく、また、必ずしも周期的に配列する必要もない。したがって、例えば、ストリップ線路の構成要素となる上記の単位パターンは、伝送線路やスタブなどの各部の太さや長さなどの寸法が、揃っていなくとも良く、また、ギャップなどの間隔なども不揃いでも良い。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
ただし、伝送線路21aの途中には制御電圧に係わる直流カット用のスリットS1が具備されており、伝送線路21bの途中にも同様の直流カット用のスリットS2が具備されている。これらの直流カット用の細いスリットS1,S2は、スタブ22、22′の近傍に配置される液晶24及び液晶24′の各比誘電率に対して、ギャップG2の近傍に配置される液晶23の比誘電率を独立に制御可能とするためのものである。
a.V1= 0v,V2=0v
b.V1= 50v,V2=0v
c.V1=100v,V2=0v
これらの液晶は、100vの電圧をかけることで比誘電率が2.5から2.7まで変化する。図2の液晶24や液晶24′に対しても、それらの各液晶分子の向きが必要とされる比誘電率を供する所望の向きになる様に同様に制御されている。
また、図4の条件c.の様に放射角θが最大値となった直後に、上記の電気回路を用いて各電圧をV1=0v,V2=100vと再設定するその他の実験によって、液晶23を構成する各液晶分子の方向を、元の方向、即ち、上記のa.の状態(V1=0v,V2=0v)に高速に戻すことができることが判った。この復元に掛かる所要時間は、水平方向(y軸方向)の電界を利用しているため約10msecと非常に短い。
(1)液晶23′(特性可変部材)は、誘電体基板25の中には配置されず、ギャップG2の上(z座標が大きくなる方)に配置されている。
(2)誘電体材料から成る液晶保持部材29が、誘電体基板25上の配線パターン(主線路21a,21b)の上や誘電体基板25の上に、液晶23′を側方から囲む様にして配置されている。
(3)電極28a,28b(電界設定手段)が、特性可変部材(液晶23′)の上面に、配線パターン(主線路21a,21b)と平行に対峙する様に形成されている。また、この電極28a,28bの間には、ビーム放射用の隙間が形成されている。
(4)特性可変部材(液晶23′)のzx平面に平行な2つの側面上には、電極27a′,27b′(電界設定手段)が配設されている。
本実施例2の場合、電極28a,28bなどの影響を考慮するためにビームの放射特性の設計が難しくなったりすることがあるが、その代わりに、上記の誘電体基板25には穴をあけたり、その穴に特性可変部材を埋め込んだりする必要がなくなるので、本実施例2の様な実施形態に従えば、周期構造を供する所望の単位パターンが実施例1の単位パターン20よりも製造し易くなると言う利点を得ることができる。
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
また、キャパシタの対峙部やスタブの端部などは、必ずしも拡張しなくても良い。
また、上記の実施例1では、この2つの電極27a,27bにそれぞれ線路を接続して、電極27a,27bの電極対を液晶分子の方向の復元手段として用いたが、この両電極間の電圧V2は、前述の電圧V1と同様に利用して、放射ビームの角度調整などに使っても良い。
また、電圧V2で形成される電界の方向と、電圧V1で形成される電界の方向とは、必ずしも直交させなくても良い。更に、電極の数も任意で良い。
また、特性可変部材は、強誘電体や強磁性体などから構成しても良い。
また、上記の各実施例では、ビーム幅を大幅に可変制御するなどのビーム成形技術に付いては特に言及しなかったが、本発明に基づく上記の各実施例のアレーアンテナにおいては何れも、例えば、前記の非特許文献2などに記載されている様な周知のビーム成形技術を、各特性可変部材に対する電気的な制御に基づいて容易に適用することができる。
20 : 単位パターン(1周期構造)
21a: 伝送線路(主線路)
21b: 伝送線路(主線路)
22 : スタブ
23 : 液晶(特性可変部材)
24 : 液晶(特性可変部材)
25 : 誘電体基板
26 : 接地板
27a: 電極(電界設定手段)
27b: 電極(電界設定手段)
28a: 電極(電界設定手段)
28b: 電極(電界設定手段)
29 : 液晶保持部材
G2 : ギャップ
Claims (5)
- 誘電体基板と、導体から成る同一又は類似の単位パターンを前記誘電体基板の表側に所定の方向に複数配列することによって形成されたストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成された導体から成る接地板とを有するアレーアンテナにおいて、
与えられた電界によって誘電率が変化する特性可変部材と、
前記特性可変部材に対して複数の方向から電界を与える電界設定手段と
を有し、
前記単位パターンは、所定の方向に走る伝送線路と、前記伝送線路を途中で分断するギャップと、前記伝送線路から枝分かれするスタブとを有し、
前記特性可変部材は、前記ギャップ及び前記スタブに対して接近して配置され、
前記ギャップが供するキャパシタンス成分及び前記スタブが供するインダクタンス成分は、前記電界設定手段によって可変制御される前記特性可変部材の誘電率に応じて変化する
ことを特徴とするアレーアンテナ。 - 前記電界設定手段は、
前記特性可変部材を挟んで前記誘電体基板に平行に相対峙して対を成す電極と、
前記特性可変部材を挟んで前記誘電体基板に垂直に相対峙して対を成す電極と
を有することを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。 - 前記特性可変部材は、液晶又は強誘電体から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアレーアンテナ。
- 前記特性可変部材は、前記単位パターンと前記接地板との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアレーアンテナ。
- 前記特性可変部材は、前記誘電体基板の表面上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のアレーアンテナ。
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