JP4533852B2 - 架線レス交通システム及び該架線レス交通システムの充電方法 - Google Patents

架線レス交通システム及び該架線レス交通システムの充電方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両に蓄電装置を搭載し、地上に設置された充電設備から電力の供給を受けながら軌道上等設定された経路を走行する架線レス交通システムに関し、待機基地から出発する前に、待機充電を行なうことで、常に設定された充電状態に精度良く保持しながら出発することができるようにし、また蓄電装置に対して過充電や過放電を防止し、蓄電装置の寿命を長くすることができる交通システム及びその充電方法に関する。
近年車両が設定された軌道上を走行する交通システムにおいて、架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両を用いた架線レス交通システムが提案されている。架線レス交通システムの電気車両は、蓄電装置を搭載している。
かかる架線レス交通システムは、例えば特許文献1(特開2000−83302号公報)に開示されている。
特許文献1に開示された交通システムは、車両がその停止施設に停止したときには、その受電手段がその外部給電手段と電気的に結合し、その外部給電手段からその外部電力の供給を受け、受電したその外部電力をその蓄積電力として車両内蓄電手段に蓄積させる。車両の走行時には、車両内蓄電手段からその蓄積電力を取り出し、その電気的駆動源へ送り、その電気的駆動源の回転速度を制御して車両の走行速度を制御する。かつ、その車両の制動走行時には、その電気的駆動源を発電機として用いて回転させ、発生する回生電力をその蓄積電力として車両内蓄電手段に蓄積させる。
また特許文献2(特開2003−274514号公報)には、病院など多数の部屋を有する建物内の各室に荷物を搬送する場合の無人の搬送システムが開示されている。図7は、この搬送システムの概略図である。図7において、この搬送システムは、走行軌道01と、該走行軌道01に沿って移動可能な台車010とを備え、台車010にバッテリが設けられ、走行軌道01に台車010が荷物の積み降ろしのために停車する複数のステーションST1が備えられ、各ステーションST1に、停止状態の台車010のバッテリに対して充電を行なう充電装置021が設けられ、該充電装置021が、台車010の停止後所定時間に亘って充電を行なう第1のモードと、該第1のモードにおける充電電流よりも小さい充電電流により充電を行なう第2の充電モードとを備えている。
また異なるフロアに配置されたステーションST2に台車010を移動させるためのリフタ020が設けられ、台車010は、走行軌道01とリフタ020との間を移動できるようになっている。また走行軌道01には、使用しない空の台車010を収容しておくための領域であるバッファBF1が設けられ、バッファBF1には、前記第1モードにおける充電電流よりも小さい充電電流により充電を行なう充電装置が設けられている。
かかる充電システムにより、台車が一つのステーションに停止した際には、はじめに大きい充電電流で充電を行なう第1の充電モードによって、短時間に大きな電力を台車のバッテリに充電し、また台車が停止してから所定時間経過した後は、小さい充電電流で充電を行なう第2の充電モードによって台車に充電することにより、台車のバッテリに負担をかけずに充電するようにしている。
また特許文献3(特開2005−57878号公報)には、電動式フォークリフト等産業用電動車両用のバッテリ充電設備装置が開示されている。この充電装置は、普通充電モードと、この普通充電モードよりも大きな充電電流でバッテリを急速充電する急速充電モードのうちの、いずれかの充電モードによりバッテリを充電可能なバッテリ充電装置であって、急速充電モードにおいてバッテリの液温や、トランス、整流部等の温度が過度に上昇するのを防止するため、急速充電モードによる充電が開始されてから所定の急速充電時間が経過したときには、充電を一旦停止して、充電電流がゼロの待機モードに充電モードを変更し、さらにこの待機モードが所定の待機時間の間継続したときには、充電モードを待機モードから普通充電モードに変更するように構成している。
特開2000−83302号公報 特開2003−274514号公報 特開2005−57878号公報
しかしながら特許文献2に開示された搬送システムの充電システムは、大きい充電電流で急速充電を行なう第1の充電モードと、該第1の充電モードより小さい充電電流で充電を行なう第2の充電モードという2つの充電モードを備え、これら2つの充電モードを切替え制御しているため、制御系が複雑になり、かつ台車の発停がそれほど頻繁ではなく、発停間隔がゆるやかな場合に適するものであって、前述の架線レス交通システムにおけるように、車両が駅舎等の停止施設で短時間で充電を受け、短時間で頻繁に発停を繰り返し、また停車時間が各駅で異なる場合などには適さない。
また特許文献3に開示された充電システムも、特許文献2と同様に充電間隔に時間的余裕がある場合の充電システムであり、かつ処理が複雑すぎて、車両のように短時間で頻繁に発停を繰り返し、大電流を要する大型移動体の充電システムには適さない。
本発明は、設定された経路上を走行する車両に、蓄電装置を搭載させ、架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両を用いた架線レス交通システムにおいて、充電方式を簡素化し、かつ車両基地での待機中でのメンテナンスも考慮した充電方式を採用することにより、待機位置から車両を設定された充電状態に精度良く保持しながら出発させるとともに、蓄電装置の過充電や過放電を防止して寿命を長くすることができる交通システム及び充電方法を提案することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の交通システムは、
架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両に蓄電装置を搭載し電力を用いて予め設定された経路を走行させ、該経路に沿った複数の充電場所で車両を停止させ該充電場所に設けられた充電設備から前記蓄電装置に充電するようにした架線レス交通システムにおいて、
前記電気車両走行経路に沿う停車駅毎に設けられ、非接触で定電流(定電力)による充電を受ける定電流(定電力)充電手段を備えた急速充電設備と、
前記電気車両走行経路に接続された待機経路の停車位置に設けられ、接触方式で定電圧による充電を受ける定電圧充電手段を備えた待機充電設備と、
前記急速充電設備及び前記待機充電設備から夫々受電する受電装置を前記蓄電装置に接続した車両本体とからなることを特徴とする。
なお本明細書において、定電流充電手段と定電力充電手段とは技術的に同等であるので、括弧書きで記載している。以下「定電流」、「充電電流」等についても同様である。
また本発明の交通システムの充電方法は、
架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両に蓄電装置を搭載し電力を用いて予め設定された経路を走行させ、該経路に沿った複数の充電場所で車両を停止させ該充電場所に設けられた充電設備から前記蓄電装置に充電するようにした架線レス交通システムの充電方法において、
前記電気車両走行経路に沿った停車駅毎に設けられた急速充電設備より、非接触方式で定電流(定電力)による急速充電を行い、
前記車両走行経路に接続された待機経路の停車位置に設けられた待機充電設備により、接触方式で定電圧による充電を受けることを特徴とする。
本発明では、車両が走行する経路に配置された充電設備では、急速充電が可能な定電流(定電力)による充電を行い、車両が駅間走行を止め待機経路で待機中の場合では、車両の蓄電装置(例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池)への負担の少ない定電圧による充電を行い、これによって蓄電装置の液温やトランス、整流部等の温度が過度に上昇するのを防止し、蓄電装置の寿命が低下するのを防止する。本発明では車両走行経路での充電は、定電流(定電力)充電のみとすることにより、充電中に充電モードを切り替える必要がなく、装置構成を簡素化できる。定電圧による充電は、充電電源を小型化することができる。
このため本発明の交通システム及び充電方法に適用される本発明の車両は、具体的には架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両であって、急速充電設備の定電流(定電力)充電手段から非接触方式で充電を受ける受電装置と、前記待機充電設備の定電圧受電手段から接触方式で充電を受ける受電装置とを少なくとも備え、前記2種類の受電装置とを前記蓄電装置に並列に接続した電気車両である。
かかる前記第1の受電装置と前記第2の受電装置とを具える構成により、停車駅毎に設けられ、非接触で充電を受ける定電流(定電力)充電と待機経路の停車位置に設けられ、接触方式で定電圧による充電を受ける定電圧充電の両方から受電が可能となる。
また本発明の車両において、好ましくは、前記車両本体が、蓄電装置の温度調整手段を備えていれば、蓄電装置の作動に最適な温度に維持することができるので、蓄電装置の寿命を延ばすことができるとともに、受電効率を向上することができる。温度調整手段として、具体的には、例えばファンによる空冷や、車両に搭載されたラジエータやヒータによる加熱、あるいは車両に搭載された空調設備で温度調整された空気を蓄電装置に導入する等の手段が適用できる。
これによって、寒冷地や猛暑の地でも蓄電装置の作動に好適な温度に保持することができ、蓄電装置の寿命を延ばすことができる。
また定電流で充電する場合蓄電装置の電圧が徐々に上昇してくるが、本発明方法においては、定電流(定電力)充電において、蓄電装置の電圧を検出して、その検出値と予め設定された充電終了電圧とを比較することで、充電動作の終了時点を決定するようにしてもよい。かかる構成により、蓄電装置の過充電を防止することができる。
また本発明の充電方法において、好ましい一実施形態として、
車両走行経路に接続された待機経路で待機中の車両に定電圧による待機充電を行い、
その後前記蓄電装置を前記待機域充電時の電圧を保持したまま出発し前記車両走行経路に乗り入れ、
その後前記充電設備で定電流(定電力)による急速充電を行いながら駅間走行させ、
駅間走行終了後車両を前記待機経路に移動させて前記待機充電を行ない、充電電流(充電電力)が設定値以下となったら充電を停止するようにすれば、常に設定された好適な充電状態に精度良く保持したままで出発することができるようになるため、蓄電装置の過充電、過放電を防止し、蓄電装置を寿命を長くすることができる。
また本発明の充電管理方法は、
車両走行経路に接続された待機経路で待機中の車両に定電圧による待機充電を行い、
その後蓄電装置を前記待機充電時の電圧を保持させながら出発し車両走行経路に乗り入れ、
その後車両を車両走行経路に沿って配置された充電設備で定電流(定電力)による急速充電を行いながら駅間走行させ、
駅間走行後車両を前記待機経路に移動させて定電圧による待機充電を行ない、充電電流(充電電力)が設定値以下となったら充電を停止させ、
前記急速充電又は待機充電中は蓄電装置を最適温度に保持するようにしたことを特徴とする。
本発明の充電管理方法では、待機経路での待機中は、蓄電装置の負担にならないよう一定の電圧での充電を行なう。かかる定電圧の充電は電池残量を維持したまま長時間行なえるため、通電を要するメンテナンス時に電池残量を気にする必要がなくなり、車両の出発時に設定された電圧を精度良く保持させながら走行経路に乗り入れることが容易になる。
また充電中は蓄電装置をその作動に最適な温度に保持できるので、蓄電装置の寿命を伸ばすことができる。
本発明の交通システムによれば、車両走行経路に沿う充電場所に複数設けられ定電流(定電力)充電手段を備えた急速充電設備と、車両走行経路に接続された待機経路に沿って複数設けられ定電圧充電手段を備えた待機充電設備と、前記急速充電設備及び前記待機充電設備から受電し蓄電装置に供給する受電装置を備えた車両本体とからなり、頻繁な発停を要する駅間走行時には定電流による急速充電を行なうことにより、短時間での充電を可能とするとともに、急速充電のみを行う単純な充電方式であるので、複雑な制御を不要とし、また待機経路では蓄電装置に負担のかからない定電圧充電とすることにより、装置構成を縮小でき、また過充電、過放電を防止し、蓄電装置の劣化を抑え寿命を延ばすことができる。
また本発明の車両では、車両走行経路に沿って配置された充電設備の定電流(定電力)充電手段から非接触方式で定電流(定電力)による充電を受ける第1の受電装置と、車両走行経路に接続された待機経路に沿って待機位置に複数設けられた充電設備の定電圧受電手段から接触方式で定電圧による充電を受ける第2の受電装置とを備え、第1の受電装置と第2の受電装置を前記蓄電装置に並列に接続したことにより、前記定電流充電手段と前記定電圧充電手段の両方から受電が可能となる。
また本発明の充電方法によれば、車両走行経路に沿った充電場所では車両に対し定電流(定電力)による急速充電を行い、車両走行経路に接続された待機経路で待機中の車両には定電圧による待機充電を行うことにより、車両走行経路での充電は、定電流(定電力)充電のみとするため、急速充電中に充電モードを切り替える必要がなく、装置構成を簡素化できるとともに、待機経路での待機中は蓄電装置への負担が少ない定電圧による充電を行うため、蓄電装置の液温やトランス、整流部等の温度が過度に上昇するのを防止し、蓄電装置の寿命が低下するのを防止することができる。
また本発明の充電管理方法によれば、車両走行経路に接続された待機経路で待機中の車両に定電圧による充電を行い、その後車両の蓄電装置を待機中での充電電圧を保持させながら出発し車両走行経路に乗り入れ、その後車両を前記充電場所で定電流(定電力)充電による急速充電を行いながら駅間走行させ、駅間走行後車両を待機経路に移動させて定電圧充電を行い、充電電流(充電電力)が設定値以下となったら充電を停止させ、さらに前記定電圧充電又は定電流(定電力)充電中は蓄電装置を最適温度に保持するようにしたことにより、待機経路での待機中は、蓄電装置の負担にならず電池残量を維持できる定電圧での充電を長時間行なえるため、通電を要するメンテナンス時に電池残量を気にする必要がなくなり、車両の出発時に設定された電圧を保持させながら走行経路に乗り入れることが容易になるとともに、充電中は蓄電装置をその作動に最適な温度に保持できるので、メンテナンスや通電の必要が無いときでも待機充電を継続し蓄電装置を常に最適温度に保持することもでき、蓄電装置の寿命を伸ばすことができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の第1実施例の交通システムを示す模式図(車両待機時間帯)、図2は、同じく模式図(車両走行時間帯)、図3は、第1実施例の定電流充電設備の立面構成図、図4は、第1実施例の定電圧充電設備の立面構成図、図5は、第1実施例の動作手順を示すフローチャート、図6は、本発明の第2実施例の立面構成図である。
第1実施例を示す図1及び図2において、各駅3を連絡する車両走行軌道2によって本線1が構成され、各駅3には車両10の停車時に車両1に充電する定電流(定電力)充電設備20が設けられている。軌道2から分岐した待機軌道4は、車両基地5に導入され、車両基地5には待機軌道4から複数分岐した引込線6が配置され、車両本体10が本線1での運行を終えた後は、引込線6で待機させ、メンテナンスを行なう。
引込線6に沿って車両本体10が待機する位置に複数の定電圧充電設備30が設けられている。
なお図1は、夜間など車両本体10が車両基地5で待機中の非営業時間帯の状態を示し、図2は、車両本体10が本線1を走行し、乗客を輸送する営業時間帯の状態を示す。
本実施例は、車両をレール等の予め定められた軌道を走行させる交通システム車両、例えばLRT交通システムである。
図3において、車両本体10は、その底面四隅に走行車輪11を有し、また蓄電可能なリチウムイオン二次電池などの二次電池12を搭載し、電力を受電するための受電装置13及び14が車両本体10の底面等、後述する地上側送電装置と対面し得る位置に二次電池12に並列に接続されている。受電装置13及び14は二次電池12に切り替え可能に接続してもよい。
図3は、車両本体10が駅舎3に設置された充電設備20脇の軌道2上に停車したときの状態を示し、充電設備20は、充電電源21、定電流充電手段22、及び充電電源21に接続され車両本体10が受電のため充電設備20の傍に停車した時に車両本体10に装備された受電装置13にわずかな隙間をもって対面する位置に設けられた送電装置23を具備している。受電装置13は非接触方式で定電流(定電力)による受電を受けるための受電装置である。
図4は、車両本体10が営業運転を終えて、待機軌道4から車両基地5内の引込線6に停車した時の状態を示し、車両本体10の脇には定電圧充電設備30が設けられ、定電圧充電設備30は、充電電源31、定電圧充電手段32、及び充電電源31に接続され車両本体10が充電のため充電設備30の傍に停車した時に車両本体10に装備された受電装置14に接触可能に設けられた送電装置33を具備している。受電装置14は、定電圧による充電を受けるための接触式受電装置である。
かかる構成の第1実施例において、その動作手順を図5のフローチャートにより説明する。なお図5において、左側のフローは車両基地5での動作手順であり、右側フローは本線1での動作手順である。図5において、先ず車両基地5で待機状態にある車両10に待機充電のための通電が開始される(ステップ1)。ここで図4に示すように、車両本体10の受電装置14が、充電設備30の送電装置33と接触しながら、定電圧による充電を受け、少なくとも最初に停車する駅まで走行可能な電力量の充電を受ける。
定電圧による充電を受けた車両本体10は、出庫命令を受けると、本線1へ出発する(ステップ2)。本線1に出た車両本体10は駅間走行を行なう(ステップ3)。駅間走行中、車両本体10は、駅停車時に図3に示す充電設備20により定電流(定電力)による急速充電を受ける(ステップ4)。
車両本体10には、車両充電制御装置15と二次電池12の電圧を検出する手段18が装備され、車両充電制御装置15には、充電終了電圧を予め設定する充電終了電圧設定手段16と、電圧検出手段18よって検出された電圧検出値と予め設定された充電終了電圧とを比較する比較手段14が装備されている。
定電流(定電力)による急速充電を続けると、次第に二次電池12の電圧が上昇してくる。これを電圧検出手段18で検出して、充電終了設定電圧に達すると、比較手段17でこれを判定し、この信号を車載通信装置19から充電設備20側の通信装置(図示略)を介して充電設備20に送信し、充電を終了させる。
なお充電終了設定電圧は、車両充電制御装置11により駅ごとに異ならせてもよい。これによって、充電状態SOCを精度良く管理できるとともに、過充電を防止し二次電池12の劣化を抑制することができる。また複雑な制御手順でなく、簡単なオンオフ制御であるので、制御系を簡素化し、シンプルなシステムとすることができる。
ここで図5に示す第1実施例の動作手順に戻ると、車両本体10が駅停車時に急速充電を受けた後、次の駅に向けて走行する(ステップ5)。その後営業運転を終えると、帰還命令を受信して、車両基地5に帰還する(ステップ6)。
車両基地5に帰還した車両本体10は待機充電を開始し、図4に示す充電設備30で二次電池12に負担をかけない定電圧充電を行なう。この場合地上送電装置33を定電圧充電専用の車載受電装置14に接触させて通電する(ステップ7)。
なおメンテナンスのための充電が必要であれば、充電を継続し(ステップ8)、不要であれば、充電電流(充電電力)値が規定値以下となったら、待機充電を終了する(ステップ9)。
かかる第1実施例によれば、頻繁な発停を要する駅間走行時には定電流(定電力)による急速充電を行なうことにより、短時間での充電を可能とするとともに、急速充電のみを行う単純な充電方式であるので、充電モードを切り替える必要がなく、複雑な制御を不要とし、また車両基地5での待機時では蓄電装置に負担のかからない一定の電圧で充電を行なうため、装置構成を縮小でき、また二次電池12の液温やトランス、整流部等の温度が過度に上昇するのを防止し、その寿命が低下するのを防止することができる。
また車両基地5での始動時には、設定された一定の電圧による待機充電を行ない、車両の出発時にはその設定された電圧を保持しながら出発しそのまま走行経路に乗り入れることが容易であり、また車両基地5での待機中は定電圧による待機充電を行なうため電池残量を維持することができ、通電を要するメンテナンス時に電池残量を気にする必要がない。
なお本実施例では、車載受電装置は、非接触式充電用と接触式充電用の2つを二次電池12に並列に設けているが、急速充電と待機充電の両方の機能を有する1つの車載受電装置とする構成としてもよい。
次に本発明の第2実施例を図6により説明する。図6において、本第2実施例は、車両本体10に搭載された二次電池12に温度調整手段41を付設したものである。該温度調整手段41は、例えばファンによる空冷や、車両に搭載されたラジエータやヒータによる加熱、あるいは車両に搭載された空調設備で温度調整された空気を蓄電装置に導入する等の手段が適用できる。
なおその他の部位は、第1実施例と同一であり、そのため第1実施例を同一部位と同一の符号を付すとともに、それら同一部位の説明を省略する。
かかる第2実施例によれば、二次電池12の温度調整手段41を設けることにより、二次電池12の作動に最適な温度に維持することができる。例えば15℃前後がよい。従って二次電池12の寿命を延ばすことができる。これによって、寒冷地や猛暑の地でも蓄電装置の作動に好適な温度に保持することができ、蓄電装置の寿命を延ばすことができる。
本発明によれば、車両が設定された経路を走行する架線レス交通システムにおいて、簡易な制御手順を行なって信頼性の高い充電設備を備え、停止駅での急速充電時において過充電を確実に防止することができるとともに、待機時においては、一定電圧による充電を行なうことにより、メンテナンスを容易に行うことができる。
本発明の第1実施例の交通システムを示す模式図(車両待機時間帯)である。 前記第1実施例の模式図(車両走行時間帯)である。 前記第1実施例の定電流充電設備の立面構成図である。 前記第1実施例の定電圧充電設備の立面構成図である。 前記第1実施例の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施例の立面構成図である。 従来の電動式無人搬送システムの概略図である。
符号の説明
1 本線
2 軌道(車両走行経路)
3 駅
4 待機軌道(待機経路)
5 車両基地
6 引込線(待機経路)
10 車両本体
12 二次電池(蓄電装置)
13、14 車載受電装置
15 車両充電制御装置
16 充電終了電圧設定手段
17 比較手段
18 電圧検出手段
20 定電流(定電力)充電設備
21、31 充電電源
22 定電流(定電力)充電手段
23、33 地上送電装置
30 定電圧充電設備
32 定電圧充電手段
41 温度調整手段

Claims (9)

  1. 架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両に蓄電装置を搭載し電力を用いて予め設定された経路を走行させ、該経路に沿った複数の充電場所で車両を停止させ該充電場所に設けられた充電設備から前記蓄電装置に充電するようにした架線レス交通システムにおいて、
    前記電気車両走行経路に沿う停車駅毎に設けられ、非接触で定電流による充電を受ける定電流充電手段を備えた急速充電設備と、
    前記電気車両走行経路に接続された待機経路の停車位置に設けられ、接触方式で定電圧による充電を受ける定電圧充電手段を備えた待機充電設備と、
    前記急速充電設備及び前記待機充電設備から夫々受電する受電装置を前記蓄電装置に接続した車両本体とからなることを特徴とする架線レス交通システム。
  2. 架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両に蓄電装置を搭載し電力を用いて予め設定された経路を走行させ、該経路に沿った複数の充電場所で車両を停止させ該充電場所に設けられた充電設備から前記蓄電装置に充電するようにした架線レス交通システムにおいて、
    前記電気車両走行経路に沿う停車駅毎に設けられ、非接触で定電力による充電を受ける定電力充電手段を備えた急速充電設備と、
    前記電気車両走行経路に接続された待機経路の停車位置に設けられ、接触方式で定電圧による充電を受ける定電圧充電手段を備えた待機充電設備と、
    前記急速充電設備及び前記待機充電設備から夫々受電する受電装置を前記蓄電装置に接続した車両本体とからなることを特徴とする架線レス交通システム。
  3. 前記車両本体が、前記蓄電装置の温度調整手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の架線レス交通システム
  4. 架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両に蓄電装置を搭載し電力を用いて予め設定された経路を走行させ、該経路に沿った複数の充電場所で車両を停止させ該充電場所に設けられた充電設備から前記蓄電装置に充電するようにした架線レス交通システムの充電方法において、
    前記電気車両走行経路に沿った停車駅毎に設けられた急速充電設備より、非接触方式で定電流による急速充電を行い、
    前記電気車両走行経路に接続された待機経路の停車位置に設けられた待機充電設備により、接触方式で定電圧による充電を受ける待機充電を行うことを特徴とする架線レス交通システムの充電方法。
  5. 架線から電力の供給を受けずに走行する電気車両に蓄電装置を搭載し電力を用いて予め設定された経路を走行させ、該経路に沿った複数の充電場所で車両を停止させ該充電場所に設けられた充電設備から前記蓄電装置に充電するようにした架線レス交通システムの充電方法において、
    前記電気車両走行経路に沿った停車駅毎に設けられた急速充電設備より、非接触方式で定電力による急速充電を行い、
    前記車両走行経路に接続された待機経路の停車位置に設けられた待機充電設備により、接触方式で定電圧による充電を受けることを特徴とする架線レス交通システムの充電方法。
  6. 前記電気車両走行経路に接続された待機経路で待機中の車両に定電圧による待機充電を行い、
    その後前記蓄電装置を前記待機充電時の電圧を保持したまま出発し前記電気車両走行経路に乗り入れ、
    その後前記充電設備で定電流による急速充電を行いながら駅間走行させ、
    駅間走行終了後車両を前記待機経路に移動させて前記待機充電を行ない、充電電流が設定値以下となったら充電を停止することを特徴とする請求項4記載の架線レス交通システムの充電方法。
  7. 前記電気車両走行経路に接続された待機経路で待機中の車両に定電圧による待機充電を行い、
    その後前記蓄電装置を前記待機充電時の電圧を保持したまま出発し前記電気車両走行経路に乗り入れ、
    その後前記充電設備で定電力による急速充電を行いながら駅間走行させ、
    駅間走行終了後車両を前記待機経路に移動させて前記待機充電を行ない、充電電力が設定値以下となったら充電を停止することを特徴とする請求項5記載の架線レス交通システムの充電方法。
  8. 前記急速充電時に、定電流充電を行いながら前記蓄電装置の電圧を検出し、
    該検出電圧が予め設定された充電終了電圧以上となったとき充電を停止することを特徴とする請求項4記載の架線レス交通システムの充電方法。
  9. 前記急速充電時に、定電力充電を行いながら前記蓄電装置の電圧を検出し、
    該検出電圧が予め設定された充電終了電圧以上となったとき充電を停止することを特徴とする請求項5記載の架線レス交通システムの充電方法。
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