JP4533800B2 - 感光性着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
一般的に、カラー表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
顔料分散法の場合、感光性透明樹脂溶液中に顔料を分散した感光性着色組成物(顔料レジスト)をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。
そこで、各色のフィルタセグメントが配置されたカラーフィルタにおいては、高色再現性の要求が高まっている。
このような問題を解決するため、感光性着色組成物の高感度化が必要であり、一般的には、(1)樹脂の反応性二重結合の付与、(2)光重合開始剤、増感剤の選択あるいは増量、(3)モノマーの選択あるいは増量が行われる。
そこで、本発明は、色素含有量が高い、あるいは膜厚が厚くとも、高感度で、且つパターン形状が優れた感光性着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタの提供を目的とする。
すなわち、本発明の感光性着色組成物は、透明樹脂およびその前駆体からなる色素担体、色素および下記一般式(1)で表される光重合開始剤を含有する感光性着色組成物である。
また、本発明のカラーフィルタは、上記感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを具備するカラーフィルタである。
(式中、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、R08、R09およびR10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、またはハロゲン原子を表す。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、R08、R09およびR10のうち一つは、
であり、かつR01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、R08、R09およびR10のうち少なくとも一つは、
R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシル基またはアルケニル基を表す。
R21およびR22は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。
R31はアルキル基、またはアリール基を表す。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、R08、R09、R10、R11、R12、R21およびR22は、一体となって、環を形成してもよい。
Xーは任意のアニオンを表す。)
従って、本発明の感光性着色組成物を用いることにより、高品質なカラーフィルタを得ることができる。
本発明の感光性着色組成物は、透明樹脂およびその前駆体からなる色素担体、色素および上記一般式(1)で表される光重合開始剤を含有する。上記一般式(1)で表される光重合開始剤は、感度が高く、該光重合開始剤を含有する感光性着色組成物を用いることにより、優れたパターン形状のフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成することができる。
上記一般式(1)で表される光重合開始剤は、フェナシルスルホニウムカチオンのベンゼン環部位にアシル基を有するフェニルチオフェニル基に置き替えた特徴的な構造を有する。この置換基を導入することにより、スルホニウムカチオンに300nmから450nmの波長領域に好適な光の吸収特性を付与することができる。
なお、スルホニウム基を有する下記のアシル基は、R03、またはR08に置換されていることが特に好ましい。
アルキル基としては炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
次に、一般式(1)中のアニオンX−について説明する。
また、一般式(1)中のX−としては、p−トルエンスルホン酸やp−ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸に代表されるアルキルベンゼンスルホン酸イオンも用いることが可能である。
さらに、一般式(1)中のX−としては、非求核性アニオンも用いることができる。ここでいう非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が低いアニオンを指す。この例として、BF4 −、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −、SbCl6 −、BiCl5 −、SnCl6 −、ClO4 −、ジチオカルバメートアニオン、SCN−、CF3SO3 −、CF3(CF2)3SO3 −等が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、一般式(2)で表されるボレートアニオンも本発明のアニオンX−の範疇に含まれる。
置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、メシチル基、クメニル基、o−クロロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−シアノフェニル基等が、
置換基を有してもよいアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基等が、
置換基を有してもよいアルキニル基としては、エチニル基、1−ヘキシニル基、1−プロピニル基等が、置換基を有してもよい脂環基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキセニル基、ノルボルニル基、ボルニル基、メンチル基、ピナニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
これらホウ素に結合する4つの置換基のうち、1つが置換されてもよいアルキル基であり、3つが置換されてもよいフェニル基である場合、ラジカル発生能が向上する場合があるため好ましい。
他の光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、全量で、着色組成物中の色素100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体等が挙げられる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
また、透明樹脂とその前駆体との混合物を色素担体として用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の色素100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の色素100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
また光重合開始剤の重量(I)と透明樹脂の前駆体の重量(M)との比率I/Mは、0.20〜1.50であることが好ましく、0.25〜1.40であることがより好ましく、0.30〜1.30であることが特に好ましい。
I/Mが0.20未満であると低感度となり、I/Mが1.50を越えるとパタ−ン形状の直線性不良を生ずる。
以下に、本発明の感光性着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色感光性着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色感光性着色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色感光性着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色感光性着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色感光性着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等の青色顔料を用いることができる。青色感光性着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色感光性着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red81、144、146、177、169等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色感光性着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
更に、カーボンブラックの平均1次粒子径は、20〜50nmであることが好ましい。平均1次粒子径が20nm未満のカーボンブラックは、高濃度に分散させることが困難であり、経時安定性の良好な感光性黒色組成物が得られ難く、50nmより大きいカーボンブラックを用いると、ブラックマトリックス形状の劣化を招くことがあるためである。
本発明の感光性着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
色素は、感光性着色組成物の全固形分量を基準として5〜70重量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50重量%の割合で含有され、その残部は、色素担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、本発明の感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを備えるものであり、一般的なカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備、または少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備する。
フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
まず、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合体溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して感光性樹脂溶液を調製した。得られた感光性樹脂の重量平均分子量は40000であった。
[赤色顔料分散体の調整]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し赤色顔料分散体を作製した。
ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigment Red 254) 10.0部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガフォーレッドB−CF」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177) 1.6部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Yellow 199) 0.4部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールエローGT-AD」)
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース20000」) 2.4部
アクリル樹脂溶液 28.0部
シクロヘキサノン 57.6部
顔料を下記顔料に変更した以外は、赤色顔料分散体と同様にして緑色顔料分散体を作製した。
ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 36) 7.0部
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
モノアゾ系顔料(C.I. Pigment Yellow 150) 5.0部
(バイエル社製「ファンチョンファーストエローY−5688」)
[青色顔料分散体の調整]
顔料を下記顔料に変更した以外は、赤色顔料分散体と同様にして青色顔料分散体を作製した。
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6) 12.0部
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
[黒色顔料分散体の調整]
顔料を下記顔料に変更した以外は、赤色顔料分散体と同様にして黒色顔料分散体を作製した。
カーボンブラック(三菱化学社製「MA77」) 12.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤A: 表2の化合物(1)
光重合開始剤B: 表2の化合物(2)
光重合開始剤C: 表2の化合物(3)
光重合開始剤D: 表2の化合物(4)
光重合開始剤E:2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 369」)
増感剤 :2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「DETX−S」)
得られたレジスト材をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板にポストベーク後の膜厚が、表3に示す膜厚になるよう塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で15分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状のフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスを形成した。
得られたレジスト材の感度および上記方法により形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスのパタ−ン形状を下記の方法で評価した。結果を表3に示す。
(感度)
形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスのパタ−ンがフォトマスクの画像寸法とおりに仕上がる照射露光量をもってレジストの感度とした。評価のランクは次の通りである。
○:100mJ/cm2未満
△:100mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
×:300mJ/cm2以上
形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスのパタ−ンの形状を、(1)パタ−ンの直線性、(2)パタ−ンの断面形状により評価した。
(1)については、光学顕微鏡により観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:直線性良好
△:部分的に直線性良好
×:直線性不良
(2)については、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:順テーパー形状。
△:ノンテーパー形状。
×:逆テーパー形状。
色素含有量:感光性着色組成物の全固形分量を基準とした色素の割合。
M/P=(モノマーの重量)/(アクリル樹脂の重量)
I/M=(光重合開始剤の重量)/(モノマーの重量)
したがって、本発明は、液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタにおいて、赤、緑、青、イエロー、オレンジ、シアン、マゼンタ等の各色フィルタセグメントおよびブラックマトリックス等の形成に活用することができる。
Claims (7)
- 透明樹脂およびその前駆体からなる色素担体、色素および下記一般式(1)で表される光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性着色組成物。
一般式(1)
(式中、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、R08、R09およびR10はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、またはハロゲン原子を表す。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、R08、R09およびR10のうち一つは、
を表す。
R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシル基またはアルケニル基を表す。
R21およびR22は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。
R31はアルキル基、またはアリール基を表す。
ただし、R01、R02、R03、R04、R05、R06、R07、R08、R09、R10、R11、R12、R21およびR22は、一体となって、環を形成してもよい。
Xーは任意のアニオンを表す。) - 透明樹脂の重量(P)とその前駆体の重量(M)との比率が下記関係にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した感光性着色組成物。
M/P=0.10〜1.20 - 光重合開始剤の重量(I)と透明樹脂の前駆体の重量(M)との比率が下記関係にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載した感光性着色組成物。
I/M=0.20〜1.50 - 透明基板上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載した感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを備えることを特徴とするカラーフィルタ。
- 透明基板上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載した感光性着色組成物から形成されるブラックマトリックスを備えることを特徴とするカラーフィルタ。
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