JP4533374B2 - 熱交換器、特に自動車用給気冷却器 - Google Patents

Description

本発明は、熱交換器、特に自動車用給気冷却器であって、管端を有する扁平管と、管底と結合され特に蝋付けされた集合箱とを有し、管底が、管端を受容するための長辺面および短辺面を備えた穴と、さらに縁板と、短辺面と縁板との間に樋状に形成される移行領域とを有し、管端が穴内で蝋付けされているものに関する。

例えば給気冷却器、冷媒冷却器等の公知の自動車用熱交換器はアルミニウム（アルミニウム合金）から製造して蝋付けされ、熱交換ブロックのみかまたは集合箱も含む熱交換器全体のいずれかが蝋付けされる。熱交換ブロックは、特に給気冷却器の場合、一連の扁平管で構成され、それらの間にコルゲートフィンが配置されている。扁平管の管端は管底の穴、いわゆるバーリング加工部内に受容され、バーリング加工部と蝋付けされる。これにより、強固で密な管／底結合部が得られる。集合箱は管底と蝋付けまたは溶接される。集合箱と管底との間の結合用に管底は周方向縁板を有し、この縁板が集合箱を上または下から把持し、こうして蝋付け面を形成する。管底のバーリング加工部は管底の奥行全体にわたって、すなわち長辺面から長辺面へと延びており、バーリング加工部の短辺面と縁板との間に移行領域があり、この移行領域は樋状に、例えばほぼＵ形に形成されている。従って管底は、ほぼ長方形に形成され場合によっては周方向の樋を有し、この樋は２つの平行な長辺面と２つの平行な短辺面とで構成される。管底の長辺面はバーリング加工部の短辺面に向き合う。運転時、集合箱は熱交換媒体、例えば圧縮された給気の内部圧力によって負荷される。管底の長辺面とバーリング加工部の短辺面との間の移行領域に、バーリング加工部の短辺面領域に応力ピークを生じる曲げ応力の結果として変形が生じる。特に管／底結合部はそれらの短辺面および管隅領域でこれらの応力と変形とによって、熱交換器の漏れを生じ得るほどに荷重を受ける。

本発明の課題は、熱交換器の管／底結合部を改良して不都合な荷重を防止することである。

この課題は、移行領域が補強部を有し、補強部が異形板として形成されており、異形板（１０、１１）が凹部（１０ａ、１１ａ）を有し、凹部（１０ａ、１１ａ）が穴（８）の短辺面（８ｂ）の形状に適合されていることによって解決される。本発明によれば管底の移行領域に補強部が設けられている。こうして達成される利点として、移行領域で管底の許容外の変形もしくは撓みが防止され、有害な応力ピークが減退される。つまり管底は、残りの領域では薄板からそれが製造されるのでほぼ同じ肉厚を有し、管短辺面領域の長辺面ではあまり変形可能ではなくなる。従って管／底結合部は曲げ荷重をあまり受けずまたは殆ど受けず、実質的に剪断荷重を受けるが、これは本質的に好ましい負荷である。

発明の実施の形態

移行領域の補強部はさまざまな設計解決によって実現することができ、それらは有利な諸構成として従属請求項から明らかとなる。例えば補強部は材料肉厚部として形成することができ、これは移行領域の曲げ剛性を高めることになる。製造に関してこれは材料の据込みによって行うことができよう。補強部の別の有利な可能性は、移行領域で管底を例えば単数または複数の突部によって補剛することにある。従って、管底の肉厚を一定にしたまま安定性を高めることによって変形抵抗性の向上が達成されよう。突部は主にバーリング加工部の短辺面領域に配置され、そこで曲げ剛性の向上が達成される。

本発明の他の有利な１構成によれば、補強部が異形板として形成され、樋状移行領域を満たし、かつ管底と蝋付けされている。この異形板でもって、すなわち管底と結合されて曲げ剛性領域とされる付加的部材によって、やはり補強部が達成される。それとともに管底の外側縁板とバーリング加工部の短辺面との間に、移行領域の撓みまたは変形を防止する結合部、すなわち強固な橋絡部が形成される。それとともに有害な曲げ応力は管／底結合部から「遠ざけ」られる。

本発明の有利な１構成によれば、異形板が集合箱と一体に形成されまたは一体化されている。すなわち異形板は集合箱長辺面の下方への、すなわち管底方向への延長部となる。従って、集合箱が従来どおり底に載置されてこれと蝋付けされるので、付加的製造または組立支出は生じない。

本発明の他の１構成によれば、異形板が（個別の）挿入板として、すなわち樋状移行領域に挿入されて管底と蝋付けされる付加的部材として構成されている。この解決の利点として、管底にも集合箱にも変更を加える必要がない。このような挿入板は例えば熱交換器用に、特に高い給気圧力用に使用される給気冷却器用に利用することができる。それとともにこの単純で適切な措置でもって同じ冷却器を一層強い運転荷重に適合させることができる。

本発明の他の有利な１構成において、異形板もしくは挿入板が管底の内側に向かって管短辺面領域に凹部を有し、これらの凹部はバーリング加工部を部分的に取り囲み、すなわち短辺面および隅領域に当接し、これらで支えられる。従って、特に管の隅領域も有害な応力ピークから守られる。

本発明の実施例が図面に示してあり、以下で詳しく説明される。

図１は給気箱および管／底結合部領域における給気冷却器の一部、すなわち「ディスク」を示す。このような給気冷却器は自動車、特に商用車において圧縮給気の冷却用に使用される。集合箱（給気箱とも称される）１は横断面でＵ形に形成され、主にアルミニウム合金から製造されている。全体として集合箱１は縦長箱の形状であり、深絞りまたは鋳造によって製造することができる。集合箱１のＵ断面が２つの脚部２、３を有し、これが給気箱の長辺面となる。集合箱１が管底４に嵌挿され、管底が長辺側縁板５、６を有し、縁板は底板７に対してほぼ直角に曲げられている。底板７は多数のバーリング加工部を有し、そのうちここでは１つのバーリング加工部８のみ示してあり、これが扁平管９の管端９ａを受容する。従って熱交換器全体もしくは給気冷却器は多数の扁平管を有し、扁平管の間に図示しないコルゲートフィンが配置され、コルゲートフィンが周囲空気用二次熱交換面となる。箱断面の脚部２、３はその下側、すなわち開放側に結合区域２ａ、３ａを有し、結合区域は管底４の縁板５、６と重なり合い、この領域で互いに蝋付けされている。結合区域２ａ、３ａの下エッジの下方に、ハッチングで示したいわゆる挿入板１０、１１が配置されている。

図２は図１による集合箱１を正面図で、すなわちバーリング加工部８の前の切断面において示す。管底４は‐先行技術から知られているように‐薄板から製造され、それゆえに実質的に一定した肉厚ｓを有する。バーリング加工部８は内向き、すなわち箱１の側を向いている。管９はその管端９ａがバーリング加工部８内に突出している。図示しない他の実施例ではバーリング加工部が外方に向けられている。管は管底表面から突出させ、または有利にはこのような管底表面の下方で成端させることができる。

平らな底板７は管底４の長辺面に、すなわちバーリング加工部８の外側に、但し縁板５、６の内部に樋状に形成されており、この樋は一方で底板７に、他方で縁板５、６に移行し、すなわち移行領域１２、１３を形成する。それとともにこれらの移行領域１２、１３は管底４の安定性を高めるための縦突部を形成する。圧縮給気によって引き起こされる内部圧力によって箱１が負荷されるので、箱１の長辺面２、３に圧縮力および／または引張力が発生し、これらの力が底の縁板５、６に伝わり、移行領域１２、１３で曲げ応力および変形を引き起こす。この点に本発明は挿入板１０、１１を配置することで対処し、この挿入板は異形板として形成され、移行領域１２、１３に対応した断面を有する。従って挿入板１０、１１は外側で縁板５、６に、下側では樋状移行領域１２、１３に、内側ではバーリング加工部８の短辺面に当接する。縁板１０、１１の上方に空隙１４、１５が残してある。既に触れたように、主にやはりアルミニウム合金からなる挿入板１０、１１は底４と蝋付けされ、すなわち１作業工程で熱交換器全体と蝋付けされる。

図３は図２による図示面と平行な面における断面図である。この図では特にバーリング加工部８の断面を明確に認めることができる。バーリング加工部８は管９の外壁とで鋭角をなし、この鋭角は蝋付け後に蝋材１６を充填されている。蝋材の上方で管は比較的狭い隙間をもってバーリング加工部８に隣接している。バーリング加工部８は‐既に触れたように‐底の両方の外側縁板５、６とで移行部１２、１３を形成し、移行領域はこの場合横断面で非対称なＵの形状を有し、挿入板１０、１１によって満たされている。縁板５、６とバーリング加工部８‐より厳密にはバーリング加工部の短辺面‐との間で挿入板１０、１１によって強固な橋絡部が形成され、この橋絡部が移行領域１２、１３の変形を防止する。先行技術において現れる応力ピークがこうして減退され、短辺面の領域で管／底結合部がかなり応力除去される。従って給気箱１は一層高い圧力に耐えることができる。

図４は図４ａに書き込んだ線ＩＶ‐ＩＶに沿った断面図である。バーリング加工部８は‐ここには図示しない管９の形状に相応して‐ほぼ長方形の内側および外側横断面であり、長辺面８ａと短辺面８ｂとを有する。挿入板１０、１１は各バーリング加工部の短辺面８ｂに密着する。すなわち挿入板は短辺面８ｂの領域に短辺面８ｂの態様の凹部１０ａ、１１ａを有する。挿入板１０、１１のこの密着は蝋付けと合せて相対向する底領域のきわめて良好な支持、すなわち曲げ剛性結合体を生じる。凹部１０ａ、１１ａはコイニング加工によって製造することができる。

図４ａに横断面で示す管底４がバーリング加工部８を有し、バーリング加工部は外側円錐形領域８ｃと内側円筒形（扁平管９の横断面に適合された）領域８ｄとを有する。円錐形領域８ｃは管端９ａ用導入斜面としても役立つ。バーリング加工部８は管底板７（図２参照）から穴明けコイニング加工(Loch-Stanz-Praegen)によって製造される。

図５が示す本発明の他の実施形態では、前記挿入板が給気箱と一体化されており、すなわちここではこれと一体に形成されている。管底４は変更されていない。集合箱１７が結合領域１７ａ、１７ｂを有し、結合領域の下エッジは異形板１８、１９として形成され、底４の樋状移行領域１２、１３を満たす。この解決で基本的に‐前記と‐同じ効果、すなわち移行領域１２、１３の補強部が達成される。箱１７が鋳造品またはダイカスト品として製造される限り、丸くされた異形板１８、１９は鋳型を相応に造形することによって難なく製造することができる。つまり異形化された下エッジ１８、１９を有する給気箱１７をこのように形成すると前記挿入板の挿入が不要となり、すなわち１作業工程が節約される。同様に、異形板は給気箱の下エッジに例えば接着によって固着しておくこともできる。

移行領域の補強に関する他のここには図示しない解決、例えば突部による補強、すなわち抵抗トルクを高めるために相応に造形することによって曲げ剛性を高めることが可能である。突部はバーリング加工部の短辺面領域に底を製造するとき一緒に成形することができる。さらに、肉厚を一層厚くした移行領域を形成する可能性があり、これは例えば移行領域で底を据込むことによって行うことができる。これらの解決も、管／底結合部領域、すなわち短辺面領域および管隅領域で有害な応力ピークが減退される結果をもたらす。

給気冷却器の一部を示す。 挿入板をハッチングで示す図１による給気冷却器の正面図である。 図１、図２による給気冷却器の断面図である。 挿入板をハッチングで示す管底の平面図である。 管底の横断面図である。 異形板を一体化した本発明の他の実施形態を示す。

符号の説明

１ 給気箱
２ 長辺面
２ａ 結合領域
３ 長辺面
３ａ 結合領域
４ 管底
５ 縁板
６ 縁板
７ 底板
８ バーリング加工部
８ａ 長辺面
８ｂ 短辺面
８ｃ 円錐形領域
８ｄ 円筒形領域
９ 扁平管
９ａ 管端
１０ 挿入板
１１ 挿入板
１２ 移行領域
１３ 移行領域
１４ 隙間
１５ 隙間
１６ 蝋材
１７ 集合箱
１７ａ 結合領域
１７ｂ 結合領域
１８ 一体な異形板
１９ 一体な異形板

Claims (8)

1. 熱交換器、特に自動車用給気冷却器であって、管端（９ａ）を有する扁平管（９）と、管底（４）と結合され特に蝋付けされた集合箱（１）とを有し、管底（４）が、管端（９ａ）を受容するための長辺面（８ａ）および短辺面（８ｂ）を備えた穴（８）と、さらに縁板（５、６）と、短辺面（８ｂ）と縁板（５、６）との間に樋状に形成される移行領域（１２、１３）とを有し、管端（９ａ）が穴（８）内で蝋付けされており、移行領域（１２、１３）が補強部を有し、
   補強部が異形板として形成されており、異形板（１０、１１）が凹部（１０ａ、１１ａ）を有し、凹部（１０ａ、１１ａ）が穴（８）の短辺面（８ｂ）の形状に適合されていることを特徴とする熱交換器。
2. 補強部が材料肉厚部として形成されていることを特徴とする、請求項１記載の熱交換器。
3. 補強部が補剛部として、特に突部として形成されていることを特徴とする、請求項１記載の熱交換器。
4. 移行領域（１２、１３）を少なくとも部分的に満たし、かつ管底（４）と蝋付けされていることを特徴とする、請求項１記載の熱交換器。
5. 異形板（１８、１９）が集合箱（１７）と一体に形成されていることを特徴とする、請求項４記載の熱交換器。
6. 異形板が挿入板（１０、１１）として構成されていることを特徴とする、請求項４記載の熱交換器。
7. 穴が内向きバーリング加工部（８）として形成されていることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項記載の熱交換器。
8. 穴が外向きバーリング加工部として形成されていることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項記載の熱交換器。

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