JP4532339B2 - 有害生物の防除に有効なトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1は、農園芸用殺菌剤に関するものであり、カルボニルイミノ基(C=N)の窒素置換基として、トリフルオロメチルスルホニル基について全く開示していない。
また、特許文献2は、殺虫剤に使用されるアミジン誘導体を開示しているが、アミジン結合のアミノ窒素の置換基として、トリフルオロメチルスルホニル基は全く言及されていない。
更に、特許文献3は、除草剤に関するものであり、カルボニルイミノ基の窒素置換基として、トリフルオロメチルスルホニル基は全く言及されていない。
しかしながら、特許文献4及び特許文献5は、殺虫、殺ダニ剤に関するものであるが、アミジン結合を有するものではなく、単にスルホンアミド化合物を開示するに過ぎない。
また、特許文献6は、屋内塵性ダニ類防除剤に使用される化合物について開示するが、アミジン結合を有するものではなく、単にスルホンアミド化合物を開示するに過ぎない。
一方、トリフルオロメチルスルホニル基を有するアミジン化合物は開示されている(例えば、非特許文献1)。しかしながら、開示されている化合物は、アミジン結合の両方の窒素原子にトリフルオロメチルスルホニル基が入った化合物であり、片方の窒素原子にアルキル基やシクロアルキル基の入った化合物は全く言及されておらず、更には用途に関する記載も全くない。
即ち、本発明は、以下の発明に関するものである。
1.次式(I)、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
R1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
2.次式(II)、
Aは、C1〜C5アルキル基又はC3〜C5シクロアルキル基を表す。)
で表される化合物と、
次式(III)、
(式中、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
R1は、水素原子、C1〜C3アルキル基又はCH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させること上記1項に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
3.次式(IV)、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(V)、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、上記1項に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
4.次式(VI)、
R1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(VII)、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Yは、NH2基、SH基又はOH基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、
次式(VIII)、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Zは、NH基、硫黄原子又は酸素原子を表す。)
で表されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
5.次式(IX)、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(X)、
R3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
Xは、脱離基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、
次式(XI)、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
R3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。
本発明のアミジン誘導体は、上記式(I)に示される構造を有する化合物である。
前記式中、Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、OR2基、NHR2基又はSR2基を表し、
R1は、水素原子、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基、C(=O)OR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
AとしてのC3〜C5シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基や、シクロブチル基、シクロペンチル基が挙げられ、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基が挙げられる。
R1としてのC1〜C3アルキル基は、直鎖状でも、分岐していてもよく、例えば、メチル基や、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好適に挙げられる。
R2としてのC1〜C3アルキル基の範囲は、R1のものと同様である。また、R2としてのシクロアルキル基としては、R1の場合の他に、炭素数が、6以上のシクロアルキル基が包含される。
本発明のアミジン誘導体は、例えば、以下の製造法1〜4に従って製造することができる。なお、特に規定がない場合を除き、式中の記号は、上記の意味を有する。
製造法1
化合物(II)を、塩基の存在下、化合物(III)と反応させることにより、本発明の化合物(I)を得る。
反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ特に制限されることなく、各種の溶剤を適宜使用することができる。このような不活性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、ジエチルエーテルや、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、トルエンや、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジンや、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類が好適に挙げられる。
反応に供される化合物(II)の量は、化合物(III)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは1〜1.5モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜室温の範囲である。
反応時間は、通常、1〜72時間であり、好ましくは、1〜24時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
化合物(IV)を塩基の存在下、化合物(V)と反応させることにより、本発明の化合物(VIII)を得る。
反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジンや、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、化合物(V)1モルに対して、通常2〜10モルの割合であり、好ましくは、2〜3モルの割合である。
反応に供される化合物(IV)の量は、化合物(V)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜1.5モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜室温の範囲である。
反応時間は、例えば、1〜72時間であり、好ましくは、1〜24時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
化合物(VI)を塩基の存在下、化合物(VII)と反応させることにより、本発明の化合物(VIII)を得る。
この反応は、通常不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ何でもよく、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、テトラヒドロフランや、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、ベンゼンや、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジンや、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。
反応に供される化合物(VI)の量は、化合物(VII)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜1.5モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜室温の範囲である。
反応時間は、例えば、1〜72時間であり、好ましくは、1〜24時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
化合物(IX)を塩基の存在下、化合物(X)と反応させることにより、本発明の化合物(XI)を得る。
また、R3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、その範囲は、R1の場合と同様である。
この反応は、通常不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ何でもよく、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、テトラヒドロフランや、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、ベンゼンや、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が好適に挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、化合物(IX)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜2モルの割合である。
反応に供される化合物(X)の量は、化合物(IX)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは、1〜2モルの割合である。
反応温度は、通常−20℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜反応溶媒の沸点の範囲である。
反応時間は、例えば、1〜72時間であり、好ましくは、1〜48時間である。
反応終了後は、塩をろ過後そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出して濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
化合物(V)を塩基の存在下、化合物(XII)と、さらに続けて化合物(XIII)と反応させることにより、本発明化合物(XIV)を得る。
反応に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害するもので無ければ何でも良く、例えば、N−メチルピロリドンや、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類や、テトラヒドロフランや、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類、ベンゼンや、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンや、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類あるいはそれらの混合物が好適に挙げられる。反応に用いられる塩基としては、例えば、水素化ナトリウムや、炭酸カリウム等の無機塩基類、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが好適に挙げられる。
反応に用いられる塩基の量は、化合物(V)1モルに対して通常1〜2モルの割合であり、好ましくは1〜1.2モルの割合である。反応に用いられる(XIII)の量は、化合物(V)1モルに対して、通常1〜10モルの割合であり、好ましくは1〜2の割合である。反応に用いられる(XII)の量は、通常1〜2モルの割合であり、好ましくは1〜1.1モルの割合である。
反応温度は、通常−10℃〜反応溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは、0℃〜50℃の範囲である。
反応時間は、通常1〜72時間の範囲であり、好ましくは、4〜24時間の範囲である。反応終了後は、そのまま濃縮、又は反応混合物を水に注加し、有機溶媒抽出をして濃縮する等の後処理操作を行い、目的とする本発明化合物を単離することができる。
また、必要に応じてクロマトグラフィー、再結晶等で精製することもできる。
鱗翅目害虫
ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガなどのヨトウ類、タマナヤガなどのヤガ類、ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコンボーラーなどのメイガ類、モンシロチョウなどのシロチョウ類、ナシヒメシンクイ、コドリングモスなどのハマキガ類、モモシンクイガなどのシンクイガ類、リオネティア属などのハモグリガ類、コナガどのスガ類、ワタアカミムシなどのキバガ類、アメリカシロヒトリなどのヒトリガ類、イガ、コイガなどのヒロズコガ類など。
ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカなどのウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイなどのヨコバイ類、ワタアブラムシ、モモアカアブラムシなどのアブラムシ類、アオクサカメムシ、ホソヘリカメムシなどのカメムシ類、オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミなどのコナジラミ類、アカマルカイガラムシ、ルビーロウムシなどのカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類など。
アカイエカ、コガタアカイエカなどのイエカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエなどのイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ、タマネギバエなどのハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、サシバエ類、ハモグリバエ類など。
鞘翅目害虫
ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワームなどのコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネなどのコガネムシ類、メイズウィービル、イネミズゾウムシ、アズキゾウムシなどのゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキなどのゴミムシダマシ類、ウリハムシ、キスジノミハムシ、コロラドハムシなどのハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウなどのエピラクナ類、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシなど。
チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、トウヨウゴキブリなど。
アザミウマ目害虫
ミナミキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、ハナアザミウマなど。
膜翅目害虫
アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類など。
直翅目害虫
ケラ類、バッタ類など。
ヒトノミなど。
シラミ目害虫
ヒトジラミ、ケジラミなど。
等翅目害虫
ヤマトシロアリ、イエシロアリなど。
ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、オリゴニカス属などのハダニ類、ミカンサビダニ、リンゴサビダニなどのフシダニ類、チャノホコリダニなどのホコリダニ類、ヒメハダに類、ケナガハダニ類、フタトゲチマダニ、ヤマトチマダニ、タイワンカクマダニ、ヤマトマダニ、シュルツマダニ、オウシマダニ、などのマダニ類、ケナガコナダニなどのコナダニ類、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニなどのヒョウヒダニ類、ホンツメダニ、クワガタツメダニ、ミナミツメダニなどのツメダニ類、ワクモ類など。
クモ類
カバキコマチグモ、セアカゴケグモなど。
ゲジ、トビスムカデなど。
倍脚網類
ヤケヤスデ、アカヤスデなど。
等脚目類
オカダンゴムシなど。
腹足網類
チャコウラナメクジ、キイロコウラナメクジなど。
ミナミネグサレセンチュウ、キタネグサレセンチュウ、ダイズシストセンチュウ、ジャガイモシストセンチュウ、キタネコブセンチュウ、サツマイモネコブセンチュウなど。
更に、本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体は、既存の殺虫剤に対し抵抗性の発達した害虫にも有効である。
本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体は、このようにして得られた本発明のアミジン誘導体を実際に施用する際には他成分を加えず純粋な形で使用できるし、また農薬として使用する目的で、一般の農薬の取り得る形態、例えば、水和剤や、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、乳濁剤、可溶化製剤、液剤等の形態で使用することもできる。
本発明のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を散布する場合、例えば、10〜10,000ppm、好ましくは、100〜2,000ppmであることが適当である。
本発明において、製剤化する際に任意に配合される添加剤及び担体としては、固形剤を目的とする場合は、大豆殻粒や、小麦粉、くるみ殻粒等の植物性粉末、珪藻土や、石灰石、石こう、炭カル、タルク、べントナイト、パイロフィライト、クレー等の鉱物性微粉末、硫酸塩、燐酸塩、尿素、芒硝、糖類、水溶性高分子粉体等の有機及び無機化合物が使用される。
これらの製剤において均一かつ安全な形態をとるためには、必要ならば界面活性剤や、その他補助剤を添加することが有用である。有効成分量は、それぞれ製剤に調製した場合、その質量に基づいて、一般的には、0.1〜90%、好ましくは0.5〜70%である。
このようにして得られた水和剤や、乳剤、懸濁剤、乳濁剤等は、水で所定の濃度に希釈して、粉剤又は粒剤等は、そのまま一般的な散布する方法で使用される。
このようにして得られる製剤は、そのままで又は水等で希釈して用いることができる。
また、他の市販の殺虫剤や、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等と混合して、又は混合せずに同時に用いることによって、適用範囲を拡大し、省力化を図ることもできる。
まず、本発明のアミジン誘導体の調製について示す。
N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−イソプロピルカルボキシイミダミド(化合物12)の製造
テトラヒドロフラン10mlに3,5−ビス−トリフルオロメチルアニリン1.3g、トリエチルアミン1.0gを溶解し、氷冷撹拌下、N−(トリフルオロメチルスルホニル)イソブチルイミドイル クロリド1.2gを添加した。室温に戻した後、反応終了まで撹拌し、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し残渣を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことによって、目的物0.6gを得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO-d6/TMS):σ(ppm)=1.42(d,d、6H)、3.40(m、1H)、8.03(s、1H)、8.22(s、2H)、10.91(s、1H)
m.p.(161−163℃)
N−(2,4,6−トリクロロフェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−シクロプロパンカルボキシイミダミド(化合物30)の製造
テトラヒドロフラン10mlに2,4,6−トリクロロアニリン0.9g、トリエチルアミン0.5gを溶解し、氷冷撹拌下、N−(トリフルオロメチルスルホニル)シクロプロパンカルボキシイミドイル クロリド1.0gを添加した。室温に戻した後、反応終了まで撹拌し、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し残渣を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことによって、目的物0.4gを得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO-d6/TMS):σ(ppm)=1.00−1.43(m、4H)、2.50−2.56(m、1H)、7.87(s、2H)、10.51(s、1H)
m.p.(160−161℃)
N-(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−O-イソプロピル−イソウレア(化合物65)の製造
テトラヒドロフラン10mlにイソプロピルアルコール0.15g、トリエチルアミン0.29gを溶解し、氷冷撹拌下、N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルアミノ−クロロメチレン)−トリフルオロメタンスルホンアミド1.0gを添加した。室温に戻した後、反応終了まで撹拌し、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し残渣を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことによって、目的物0.7gを得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=1.33(dd、6H)、5.32(m、1H)、7.64−7.74(m、3H)、9.29(s、1H)
N-(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N’−(トリフルオロメチルスルホニル)−S-メチル−イソチオウレア(化合物67)の製造
テトラヒドロフラン10mlにトリフルオロメタンスルホンアミド0.55gを溶解し、室温撹拌下、カリウム−t−ブトキシド0.5gを添加した。室温で30分撹拌した後、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルイソチオシアネート1.0gを添加し、室温で1時間、さらに50℃で30分間撹拌した。反応液を室温に戻した後、ヨウ化メチル0.68gを滴下して、室温で一日撹拌した。溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィに付すことによって、目的物0.8gを得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=1.33(dd、6H)、5.32(m、1H)、7.64−7.74(m、3H)、9.29(s、1H)
m.p.(94−95℃)
化合物番号15
1H−NMR(300MHz,DMSO-d6/TMS):σ(ppm)=1.40(d、6H)、3.40−3.45(m、1H)、7.50(s、2H)、7.86(s、1H)、10.91(s、1H)
化合物番号65
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=1.33(dd、6H)、5.32(m、1H)、7.64−7.74(m、3H)、9.29(s、1H)
化合物番号66
1H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):σ(ppm)=2.49(s、3H)、7.79(s、2H)、7.94(s、1H)、9.69(bs、1H)
製剤例1(水和剤)
ハンマーミルで平均粒径10μmに微粉砕した化合物2、50部、リグニンスルホン酸ナトリウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、合成含水珪酸10部及びクレー35部をよく混合した後、ジェットミルにより粉砕し各々の水和剤を得た。
製剤例2(乳剤)
化合物12、10部、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル9部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部、N-メチルピロリドン20部及びキシレン55部を均一に溶解して各々の乳剤を得た。
ハンマーミルで平均粒径10μmに微粉砕した化合物13、5部にリグニンスルホン酸ナトリウム3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、ベントナイト30部及びクレー61部を加え、リボンミキサーにより充分撹拌混合した後、これらの混合物に適量の水を加え、更に混練し、押し出し型造粒機(スクリーン孔:0.8mm)で造粒し、通風乾燥した後、整粒及び篩別して各々の粒剤を得る。
ハンマーミルで平均粒径8μmに微粉砕した化合物30、1部、合成含水珪酸5部、PAP 0.3部及びクレー93.7部を加え、ピンミルで撹拌混合して各々の粉剤を得た。
ハンマーミルで平均粒径8μmに微粉砕した化合物48、20部、ポリオキシエチレンスチレンスチレン化フェニルエーテルフォスフェートアンモニウム塩7部、シリコン消泡剤0.2部及び水22.8部を加え、ミキサーで撹拌し、分散液を得た。この分散液をビーズミルによって平均粒径1.5μmまで微粉砕した後、この中にキサンタンガム0.5部及び防腐剤0.2部を含む水溶液40部を加え、更に、プロピレングロコール10部を加えて緩やかに撹拌混合して各々の10%フロアブル剤を得る。
製剤例2に準じて得られた化合物の各々の乳剤を、有効成分濃度が500ppmとなるように水で希釈した。得られた水希釈液を6〜7葉期の白菜葉に散布し風乾した後、タテ21cm×ヨコ13cm×深さ3cmのプラスチック容器に入れ、その中にハスモンヨトウ(Spodoptera litura)3令幼虫を10頭放飼した。蓋をして26℃の定温室内に静置し、48時間後における生死虫数を調査し死虫率を求めた。その結果を以下の表2に示した。
水を入れたスチロールカップ上に穴のあいたガラス円盤(直径12cm)を乗せて、細く切った綿を垂らした上にろ紙(直径11cm)を乗せて湿らせた。湿ったろ紙上に縦5cm×横2.5cmに切ったインゲン初生葉のリーフディスクを乗せ、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)雌成虫を10頭ずつ放飼した。26℃定温器内に1日静置した後、製剤例2に準じて得られた化合物の各々の乳剤を有効成分濃度が500ppmとなるように水で希釈した。得られた水希釈液をリーフディスクに散布し風乾して、26℃定温器内に戻した。散布24時間後における成虫の生死虫数を調査し、成虫死虫率を求めた。
更に、成虫の死虫率を調査後、リーフディスク上のハダニ成虫を小筆で取り除き、26℃定温器内に戻して静置した。散布7日後に未ふ化卵数・幼若虫の生死虫数を調査し、未ふ化卵率及びふ化幼虫死虫率を求めた。その結果を以下の表3に示した。
製剤例2に準じて得られた化合物の各々の乳剤を、有効成分が500ppmとなるように水で希釈した。得られた希釈液に1.5〜2葉令期の稲苗を5本束ねて10秒間浸漬し、風乾後長さ20cm、直径2.5cmの試験管に入れ、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cinceticeps )3齢幼虫10頭放飼した。蓋をして26℃定温室内に静置し、48時間後における生死虫数を調査し死虫率を求めた。その結果を以下の表4に示した。
表4
Claims (10)
- 前記Aが、C1〜C3アルキル基又はC3〜C5シクロアルキル基である請求項1に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
- 前記Bが、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基である請求項1に記載のトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体。
- 次式(VI)、
(式中、
R1は、水素原子又はC1〜C3アルキル基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(VII)、
(式中、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Yは、NH2基、SH基又はOH基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、
次式(VIII)
(式中、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
Zは、NH基又は硫黄原子を表す。)
で表されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。 - 次式(IX)
(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、NHR2基又はSR2基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で表される化合物と、
次式(X)、
(式中、
R3は、C1〜C3アルキル基、CH2OR2基又はC(=O)OR2基を表し、
Xは、脱離基を表す。)
で表される化合物と、
を塩基の存在下で反応させることを特徴とする、
次式(XI)、
(式中、
Aは、C1〜C5アルキル基、C3〜C5シクロアルキル基、NHR2基又はSR2基を表し、
R3は、C1〜C3アルキル基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
R2は、C1〜C3アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体の製造方法。 - 次式(I)、
(式中、
Aは、C 1 〜C 5 アルキル基、C 3 〜C 5 シクロアルキル基、OR 2 基、NHR 2 基又はSR 2 基を表し、
R 1 は、水素原子又はC 1 〜C 3 アルキル基を表し、
Bは、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
R 2 は、C 1 〜C 3 アルキル基又はシクロアルキル基を表し、
mは、1〜5の任意の整数を表し、
ただし、Bが複数存在する場合には、それらは同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるトリフルオロメチルスルホニルアミジン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤又は殺ダニ剤。 - 前記Aが、C 1 〜C 3 アルキル基又はC 3 〜C 5 シクロアルキル基である請求項8に記載の殺虫剤又は殺ダニ剤。
- 前記Bが、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基である請求項8に記載の殺虫剤又は殺ダニ剤。
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