JP4532066B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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    • Y02T90/16Information or communication technologies improving the operation of electric vehicles

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池に関し、更に詳しくは、生産性及び省スペース性に優れているとともに、内部抵抗が低減されたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池は、近年、携帯型の通信機器やノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器の電源を担う、小型でエネルギー密度の大きな充放電可能な二次電池として広く用いられている。また、国際的な地球環境の保護を背景として省資源化や省エネルギー化に対する関心が高まる中、リチウム二次電池は、自動車業界において積極的な市場導入が検討されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)用のモータ駆動用バッテリー、又は夜間電力の保存による電力の有効利用手段としても期待されており、これらの用途に適する大容量リチウム二次電池の実用化が急がれている。
【0003】
リチウム二次電池には、一般的にリチウム遷移金属複合酸化物等が正極活物質として、またハードカーボンや黒鉛といった炭素質材料が負極活物質としてそれぞれ用いられる。リチウム二次電池の反応電位は約4.1Vと高いために、電解液として従来のような水系電解液を用いることができず、このため電解質であるリチウム化合物を有機溶媒に溶解した非水電解液が用いられる。そして、充電反応は正極活物質中のリチウムイオンが、非水電解液中を通って負極活物質へ移動して捕捉されることで起こり、放電時には逆の電池反応が起こる。
【0004】
これらの中で、EV、HEV等に好適に用いられる比較的容量の大きいリチウム二次電池においては、内部電極体として図8に示すような、リード線として機能する集電タブ(正極集電タブ25、負極集電タブ26)が取り付けられた電極板(正極板22、負極板23)を、互いに接触しないように、間にセパレータ27を介しつつ、巻芯67の外周に捲回してなる捲回型内部電極体61が好適に用いられている。なお、正極板22及び負極板23は、金属箔体等の集電基板の両表面に電極活物質(正極活物質と負極活物質の両方を指す)層を形成したものであり、正極集電タブ25及び負極集電タブ26は、正極板22及び負極板23の端部の金属箔体が露出した部分に所定間隔で取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、これらの集電タブは、電極体を捲回又は積層するときに、一つずつ電極板にスポット溶接等して取り付ける必要があるために、その工程は煩雑であるという問題があった。また、集電タブの、電極板と接続された反対側の端部は、それら複数の集電タブを揃えて束ね、内部端子にリベット等を用いて打ち込み接続等して取り付ける必要があるために、その工程も同様に煩雑であり、また低抵抗に接続することは容易ではないという問題があった。更に、複数枚の集電タブを用いて内部電極体と内部端子とを接続するには、その分の、より大きなスペースが必要となり、電池自体が大型化してしまうといった問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−85042号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産性及び省スペース性に優れているとともに内部抵抗が低減されたリチウム二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、少なくとも1枚の金属箔体からそれぞれ構成された正極板及び負極板がセパレータを介して捲回又は積層されてなる捲回型内部電極体又は積層型内部電極体と、前記正極板及び前記負極板の端部に、その端部から電流を導出するためにそれぞれ接続された正極集電部材及び負極集電部材とを備えたリチウム二次電池であって、前記正極集電部材及び前記負極集電部材のうちの少なくとも一方は、平板形状を有する本体部と、その厚み方向に位置する前記本体部の両表面から垂直で、前記両表面をそれぞれ基準として互いに反対向きに突出するとともに、前記本体部の中央から外方へ線状に連続して突出する第一凸部及び第二凸部と、を備えてなり、前記正極板及び前記負極板のうちの少なくとも一方の前記端部のうちの、接続されるべく配列された端縁(接続端縁)に、前記第一凸部の突出端面を、前記第一凸部の長手方向と、前記正極板又は前記負極板の径方向又は積層方向とが平行となるように配置した状態で前記第二凸部にエネルギー線を照射し、前記第二凸部、前記本体部の一部、及び前記第一凸部を溶解して、前記正極集電部材及び前記負極集電部材のうちの少なくとも一方と、前記正極板及び前記負極板のうちの少なくとも一方の前記端部とを溶接によって接続してなることを特徴とするリチウム二次電池が提供される。
【0009】
本発明においては、第一凸部及び第二凸部が、本体部の中央から外方へと均一幅連続して突出するものであり、第一凸部の突出長さをL(mm)、第一凸部の突出端面から、本体部の両表面のうちの第二凸部が突出する側の表面までの長さをL(mm)、第二凸部の突出長さをL(mm)、第一凸部の幅をW(mm)、本体部の、第一凸部及び第二凸部の長手方向と直交する幅をW(mm)、第二凸部の幅をW(mm)としたとき、下記(1)〜(7)の関係を全て満たすことが好ましい。
(1)L≧0.2
(2)L≧0.4
(3)L≧0.2
(4)(L−L)≧0.1
(5)0.2≦W≦5
(6)(W−W)≧1
(7)0.2≦W≦5
【0010】
本発明においては、正極板の接続端縁の狭幅端面に、第一凸部の突出端面を、第一凸部の長手方向と、正極板の径方向又は積層方向とが平行となるように配置した状態で第二凸部にエネルギー線を照射し、第二凸部、本体部の一部、及び第一凸部を溶解して、正極集電部材と、正極板の端部とを溶接によって接続してなることが好ましい。
【0011】
本発明においては、負極板の接続端縁近傍の側面部に、第一凸部の突出端面位置させた状態で第二凸部にエネルギー線を照射し、第二凸部、本体部の一部、及び第一凸部を溶解して、負極集電部材と、負極板の端部とを溶接によって接続してなることが好ましい。
【0012】
本発明においては、負極板の接続端縁近傍の側面部を、接続端縁近傍を屈曲させることにより、第一凸部の突出端面に密着して位置させた状態で第二凸部にエネルギー線を照射し、第二凸部、本体部の一部、及び第一凸部を溶解して、負極集電部材と、負極板の端部とを溶接によって接続してなることが好ましい。本発明においては、負極板を構成する金属箔体及び負極集電部材が、銅又は銅合金からなることが好ましく、負極集電部材と、負極板の端部との接続部分において、負極板から負極集電部材の方向に延びる柱状晶が形成されてなることが好ましい。
【0013】
本発明においては、正極集電部材及び負極集電部材のうちの少なくとも一方の形状が、十字形状、Y字形状、I字形状、又は一部に切り欠きを有する円板形状であることが好ましい。
【0015】
本発明においては、正極集電部材の第二凸部に照射されるエネルギー線のパワー密度が、5kW/mm2以上であることが好ましい。
【0017】
本発明においては、負極集電部材の第二凸部に照射されるエネルギー線のパワー密度が、3kW/mm2以上であることが好ましい。
【0018】
本発明においては、負極集電部材の第二凸部に照射されるエネルギー線のパワー密度E(kW/mm2)と、第一凸部の突出端面から第二凸部の突出端面までの長さ(L2+L3(mm))とが、下記式(2)を満たすことが好ましい。
【0019】
【数2】
(L2+L3)≦E/1 …(2)
【0020】
本発明においては、照射されるエネルギー線のスポット径が、1mm以下であることが好ましい。本発明においては、隣り合う正極板及び/又は負極板どうしが間隙を保持して配列されてなることが好ましい。
【0021】
本発明のリチウム二次電池は、電池容量が2Ah以上の大型電池に好適に採用され、また、大電流の放電が頻繁に行われる電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用電源等として好適に用いられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0023】
本発明は、少なくとも1枚の金属箔体からそれぞれ構成された正極板及び負極板がセパレータを介して捲回又は積層されてなる捲回型内部電極体又は積層型内部電極体と、正極板及び負極板の端部に、その端部から電流を導出するためにそれぞれ接続された正極集電部材及び負極集電部材とを備えたリチウム二次電池であり、正極集電部材及び負極集電部材のうちの少なくとも一方は、平板形状を有する本体部と、その厚み方向に位置する本体部の両表面から垂直で、両表面をそれぞれ基準として互いに反対向きに突出するとともに、本体部の中央から外方へ線状に連続して突出する第一凸部及び第二凸部と、を備えてなり、正極板及び負極板のうちの少なくとも一方の端部のうちの、接続されるべく配列された端縁(以下、「接続端縁」と記す)に、第一凸部の突出端面を、第一凸部の長手方向と、正極板又は負極板の径方向又は積層方向とが平行となるように配置した状態で第二凸部にエネルギー線を照射し、第二凸部、本体部の一部、及び第一凸部を溶解して、正極集電部材及び負極集電部材のうちの少なくとも一方と、正極板及び負極板のうちの少なくとも一方の端部とを溶接によって接続してなることを特徴とするものである。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0024】
図1は、本発明のリチウム二次電池に用いられる正極集電部材の、エネルギー線が照射される部分の一例を模式的に示す斜視図である。正極集電部材4Aは、平面形状の本体部12と、本体部12の厚み方向に位置する両表面から垂直で、これらの両表面をそれぞれ基準として互いに反対向きに突出するとともに、本体部の中央から外方へ線状に連続して突出する第一凸部31、第二凸部32と、を備えてなるものである。このような構造的特徴を有する正極集電部材4Aが使用され、この第一凸部31の突出端面を接続端縁6、より好ましくは接続端縁6の狭幅端面2に、第一凸部31の長手方向と、正極板22の径方向(又は積層方向)とが平行となるように位置させた状態で第二凸部32にエネルギー線53を照射し、第二凸部32、本体部12の一部、及び第一凸部31が溶解することにより、正極集電部材4Aと正極板22(金属箔体1A)の端部15とが溶接によって接続される。
【0025】
一方、図2は、本発明のリチウム二次電池に用いられる負極集電部材の、エネルギー線が照射される部分の一例を模式的に示す斜視図である。負極集電部材4Bは、平面形状の本体部12と、本体部12の厚み方向に位置する両表面から垂直で、これらの両表面をそれぞれ基準として互いに反対向きに線状に連続して突出する突出するとともに、本体部の中央から外方へと第一凸部31、第二凸部32と、を備えてなるものである。このような構造的特徴を有する負極集電部材4Bが使用され、この第一凸部31の突出端面を接続端縁6、より好ましくは接続端縁6近傍の側面部13に、第一凸部31の長手方向と、負極板23の径方向(又は積層方向)とが平行となるように位置させた状態で第二凸部32にエネルギー線53を照射し、第二凸部32、本体部12の一部、及び第一凸部31が溶解することにより、負極集電部材4Bと負極板23(金属箔体1B)の端部15とが溶接によって接続される。なお、負極板23の接続端縁6近傍の側面部13を、第一凸部31の突出端面に密着して位置させるには、接続端縁6近傍を屈曲させればよい。
【0026】
上述の如く、本発明のリチウム二次電池はその電流導出部が、正極集電部材4A(負極集電部材4B)と、正極板22(負極板23)の端部(金属箔体1A,1B)とをそれぞれ溶接することにより直接的に接続して電流を導出するという構成であるため、従来の電流導出手段である集電タブが不要である。従って、煩雑な集電タブの取り付け工程が不要となるために、生産性の向上が図られてなるものである。更に、正極集電部材4A(負極集電部材4B)と正極板22(負極板23)との間に設けられていた集電タブを収容するためのスペースを省くことができるために、電池全体がコンパクトである。また、第一凸部31は、接続端縁6の位置(突出位置)のバラツキを吸収して均一に揃える効果、及び照射されたエネルギー線による熱を拡散させる効果を奏するものである。
【0027】
ここで、正極集電部材4A(負極集電部材4B)においてエネルギー線53が照射される箇所は第二凸部32であるとともに、エネルギー線53の照射に伴う発熱により溶解する箇所は、第二凸部32と、この直近の本体部12の一部、及び第一凸部31である。これらの部分が溶解(溶融)して生成した溶融部は、正極板22(負極板23)の端部15に相当する金属箔体1A,1Bに向かって垂れ下がるが、本実施形態では、正極集電部材4Aが、平板状の本体部12から突出した第一及び第二凸部31,32を備えた形状であるため、溶融部となるための十分な体積が確保されている。従って、例えば正極集電部材4A(負極集電部材4B)が過剰に溶融して穴が開いてしまう等の製品欠陥が生じ難い。なお、第二凸部32の大きさ(体積)を任意に設定することで、生成される溶融部の大きさ(体積)は適宜調整され得る。このように、本発明のリチウム二次電池は電極板と集電部材との接続状態が確実であり、電流の導出がスムーズであるために内部抵抗が低減されており、また、集電部材に穴等の製品欠陥が生じておらず、信頼性に優れた電池である。
【0028】
また、本発明においては、図3(a)〜(c)に示すように、第一凸部31及び第二凸部32が、本体部12の中央から外方へと均一幅の線状に連続して突出するものであり、集電部材(正極集電部材4A、負極集電部材4B)の第一凸部31の突出長さ(L)(mm)、第一凸部31の突出端面から、本体部12の両表面のうちの第二凸部32が突出する側の表面までの長さをL(mm)、第二凸部32の突出長さをL(mm)、第一凸部31の幅をW(mm)、本体部12の、第一凸部31及び第二凸部32の長手方向と直交する幅をW(mm)、第二凸部32の幅をW(mm)としたとき、下記(1)〜(7)の関係を全て満たすことが好ましい。
(1)L≧0.2
(2)L≧0.4
(3)L≧0.2
(4)(L−L)≧0.1
(5)0.2≦W≦5
(6)(W−W)≧1
(7)0.2≦W≦5
【0029】
図3中、符号33は溶融部を示し、エネルギー線が第二凸部32に照射されることにより、第一凸部31の突出端面に配置される電極板を構成する金属箔体の方へと垂れ下がる部分である。前述の寸法規定を満足することで、電極板と集電部材との接続状態がより確実になるとともに、集電部材に穴等の製品欠陥が更に生じ難くなる。なお、本発明においては、集電部材の形状が、図3に示すように第一凸部31及び第二凸部32の両側に本体部12を有する形状であることが、照射されたエネルギー線が散乱することによる金属箔体への照射を抑制することができるために好ましい。
【0030】
電極板と集電部材との接続状態をより確実とし、集電部材に穴等の製品欠陥を更に生じ難くするといった観点からは、L1〜L3及びW1〜W3が、下記(8)〜(14)の関係を全て満たすことが更に好ましい。なお、本発明においては、L1、L2、L3、(L2−L1)、及び(W2−W3)の上限値については特に限定されないが、実質的な製造可能性、作製される電池のサイズ等を考慮すると、L1は3mm以下、L2は5mm以下、L3は3mm以下、(L2−L1)は2mm以下、及び(W2−W3)は50mm以下であればよい。
(8)L1≧0.3
(9)L2≧0.5
(10)L3≧0.3
(11)(L2−L1)≧0.2
(12)0.2≦W1≦3
(13)(W2−W3)≧3
(14)0.2≦W3≦3
【0031】
また、本発明においては、リチウム二次電池の構成部材として良好な特性を発揮させるといった観点から、正極板を構成する金属箔体及び正極集電部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましく、負極板を構成する金属箔体及び負極集電部材は、銅又は銅合金からなることが好ましい。更に、負極集電部材と、負極板の端部との接続部分において、負極板から負極集電部材の方向に延びる柱状晶が形成されてなることが好ましい。一般に溶接金属は、溶融金属が母材(未溶融部)の結晶粒上に同一結晶方位をもって成長(エピタキシャル成長)する。このように形成された固相は熱源の移動に伴い、溶接ビード(溶融部分)内部へ成長する。この成長は、温度勾配の最も大きい方向に成長し易く、その方向へほぼ一方向に延びた形態で成長し、このように成長した結晶は柱状晶と呼ばれる。
【0032】
負極集電部材から垂れ下がった溶融部は、冷却に伴い再結晶化するが、負極板(金属箔体)を通じて溶融部の熱が急速に拡散する。即ち、負極板に密着した部分の溶融部の温度が低下し、負極板と溶融部との界面が核となって負極板から負極集電部材の方向へと柱状晶が形成し易くなると考えられる。更に、本発明では負極板の接続端縁近傍の側面部が負極集電部材の第一凸部の突出端面と隙間なく密着して接触状態が良好であり、負極板を通じた冷却効果によって柱状晶が形成し易い状態である。従って、接続部分において、負極板から負極集電部材の方向に延びる柱状晶が形成されている場合には、負極板と負極集電部材との接続状態が良好、即ち、負極集電部材と負極板との接続に十分な強度が確保されているために好ましい。
【0033】
本発明においては、正極集電部材4A及び負極集電部材4Bのうちの少なくとも一方の形状が、図4(a)、図4(e)に示すような十字形状、図4(b)、図4(f)に示すようなY字形状、図4(c)、図4(g)に示すようなI字形状、又は図4(d)、図4(h)に示すような、一部に切り欠きを有する円板形状であることが好ましい。正極集電部材4A、負極集電部材4Bの形状がこれらの形状である場合には、溶接により形成された接続部の、接続状態の検査がし易く、また余剰部ができるだけ含まれない形状であるために電池を軽量化することができる。また、電解液を充填する際等において、電解液が全体に回り易い構造であるために好ましい。図5に、捲回型内部電極体61と、図4(h)に示す正極集電部材4Aとを接続した電流導出部分の一例を示す写真のレプリカ図を示す。
【0034】
本発明においては、図1に示すように、正極集電部材4Aの第二凸部32に、正極板22の狭幅端面を含む面の法線3Aに対して第二凸部32の突出端面から幅方向への角度θ(0°<θ≦90°)でエネルギー線53を照射し、第二凸部32、本体部12の一部、及び第一凸部31を溶解して、正極集電部材4Aと、正極板22の端部15とを溶接によって接続してなることが好ましい。このような状態でエネルギー線53が照射されることで、正極板22と正極集電部材4Aとの接続状態がより確実となり、正極集電部材4Aに穴等の製品欠陥が更に生じ難くなる。
【0035】
なお、正極板と正極集電部材との接続状態をより確実とし、正極集電部材に穴等の製品欠陥を更に生じ難くするといった観点からは、前述の角度θ1は5°≦θ1≦80°であることが更に好ましく、10°≦θ1≦60°であることが特に好ましく、15°≦θ1≦45°であることが最も好ましい。
【0036】
更に、正極集電部材4Aを、その第一凸部31が狭幅端面2に略垂直に交差するように配置し、狭幅端面2に略垂直に交差するように、エネルギー線発生装置を用いて、第二凸部32を走査して照射することが好ましい。このとき、上述した、狭幅端面を含む面の法線3Aに対して角度θ1(0°<θ1≦90°)で第二凸部32にエネルギー線53を照射することに加え、エネルギー線53を、狭幅端面2に略垂直に交差する線に対して、角度が略垂直となるように第二凸部32に照射することが好ましい。このことにより、ろう材を用いることなく、簡易な操作によって正極板22の端部15と正極集電部材4Aとを接続することができる。また、正極板22を構成する金属箔体1Aに損傷を与えずに、正極集電部材4Aのみを溶解させて接続することができるために、正極集電部材4Aと正極板22との接続に十分な強度が確保される。
【0037】
なお、本発明にいう「接続端縁」とは、1枚の電極板を構成する金属箔体における複数箇所の接続される端縁、又は複数枚の電極板を構成する金属箔体における複数箇所に渡る各金属箔体の接続される端縁を意味する。また、「狭幅端面に略垂直に交差する」とは、複数の接続端縁における狭幅端面の全てについて略垂直に交差することを意味する。
【0038】
本発明においては、正極集電部材の第二凸部に照射されるエネルギー線のパワー密度が、5kW/mm2以上であることが好ましく、6kW/mm2以上であることが更に好ましく、7kW/mm2以上であることが特に好ましい。3kW/mm2未満であると、接続状態が良好ではなく、機械的強度が不十分となる場合が想定されるために好ましくない。なお、パワー密度の上限については特に限定されないが、使用する各部材への損傷発生を回避する等の観点から適宜決定すればよく、例えば60kW/mm2以下であればよい。ここで、本発明にいうエネルギー線の「パワー密度」とは、エネルギー線のパワー(kW)を、エネルギー線が照射される照射点のスポット面積(mm2)で除して得た値を意味する。
【0039】
一方、本発明においては、図2に示すように、負極集電部材4Bの第二凸部32に、負極板23の側面部を含む面の法線3Bに対して第二凸部32の突出端面から幅方向への角度θ(0°≦θ≦30°)でエネルギー線53を照射し、第二凸部32、本体部12の一部、及び第一凸部31を溶解して、負極集電部材4Bと、負極板23の端部15とを溶接によって接続してなることが好ましい。このような状態でエネルギー線53が照射されることで、負極板23と負極集電部材4Bとの接続状態がより確実となり、負極集電部材4Bに穴等の製品欠陥が更に生じ難くなる。
【0040】
なお、負極板と負極集電部材との接続状態をより確実とし、負極集電部材に穴等の製品欠陥を更に生じ難くするといった観点からは、前述の角度θ2は0°≦θ2≦10°であることが更に好ましく、0°≦θ2≦5°であることが特に好ましい。また、熱効率の観点からは、負極集電部材4Bの第二凸部32の表面又はその近傍にエネルギー線53を合焦させることが好ましく、更に、負極を構成する金属箔体1Bに対して、エネルギー線53が実質的に照射されないことが好ましい。
【0041】
更に、負極集電部材4Bを、その第一凸部31が側面部13に略垂直に交差するように配置し、側面部13に略垂直に交差するように、エネルギー線発生装置を用いて、第二凸部32を走査して照射することが好ましい。このとき、上述した、側面部を含む面の法線3Bに対して角度θ2(0°≦θ2≦30°)で第二凸部32にエネルギー線53を照射することに加え、エネルギー線53を、側面部13に略垂直に交差する線に対して、角度が略垂直となるように第二凸部32に照射することが好ましい。このことにより、ろう材を用いることなく、簡易な操作によって負極板23の端部15と負極集電部材4Bとを接続することができる。また、負極板23を構成する金属箔体1Bに損傷を与えずに、負極集電部材4Bのみを溶解させて接続することができるために、負極集電部材4Bと負極板23との接続に十分な強度が確保される。なお、「側面部に略垂直に交差する」とは、複数の接続端縁における側面部の全てについて略垂直に交差することを意味する。
【0042】
本発明においては、負極集電部材の第二凸部に照射されるエネルギー線のパワー密度が、3kW/mm2以上であることが好ましく、6kW/mm2以上であることが更に好ましく、8kW/mm2以上であることが特に好ましい。3kW/mm2未満であると、接続状態が良好ではなく、機械的強度が不十分となる場合が想定されるために好ましくない。なお、パワー密度の上限については特に限定されないが、使用する各部材への損傷発生を回避する等の観点から適宜決定すればよく、例えば60kW/mm2以下であればよい。
【0043】
また、本発明においては、負極集電部材の第二凸部に照射されるエネルギー線のパワー密度E(kW/mm2)と、第一凸部の突出端面から第二凸部の突出端面までの長さ(L2+L3(mm))とが、下記式(3)を満たすことが好ましい。下記式(3)を満足するような条件でエネルギー線が照射されることにより、負極板を構成する金属箔体への損傷が更に抑制され、負極集電部材と負極板との接続に十分な強度が確保される。
【0044】
【数3】
(L2+L3)≦E/1 …(3)
【0045】
なお、より負極板を構成する金属箔体への損傷を更に抑制し、負極集電部材と負極板との接続に更なる強度を確保するためには、下記式(4)を満足することが更に好ましく、下記式(5)を満足することが特に好ましい。
【0046】
【数4】
(L2+L3)≦E/3 …(4)
【0047】
【数5】
(L2+L3)≦E/5 …(5)
【0048】
本発明においては、エネルギー線の乱反射を抑制して負極板を構成する金属箔体への損傷発生を抑制する観点から、負極集電部材の第二凸部のうちの、エネルギー線が照射される部分が平面状であることが好ましく、少なくとも照射点よりも広い範囲が平面状であることが好ましい。
【0049】
また、本発明においては、照射されるエネルギー線のスポット径が、1mm以下であることが好ましく、0.8mm以下であることが更に好ましい。このことにより、不要な箇所へのエネルギー線の照射が抑制され、特に負極を構成する金属箔体への損傷発生が抑制される。なお、本発明においては、隣り合う正極板及び/又は負極板どうしが間隙を保持して配列されていることが好ましい。
【0050】
本発明においては、エネルギー線が、エネルギー密度が高く発熱量も小さい、レーザー又は電子ビームによるものであることが好ましく、エネルギー線が連続波であることが好ましい。このことにより、第二凸部の表面にエネルギーを集中させて照射することができるため、電極板を構成する金属箔体への損傷発生を抑制することができる。なお、レーザーの中でも、YAGレーザーは焦点を良好に絞ることができ、焦点以外に配置された金属箔体への損傷発生を更に抑制することができるために好ましい。
【0051】
また、本発明においては、正極集電部材の第二凸部にエネルギー線を照射するに際し、連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましく、このときの走査速度は、0.1〜100m/minであることが好ましく、1〜30m/minであることが更に好ましく、2〜10m/minであることが特に好ましい。更に、本発明においては、配列された正極板の枚数に応じ、正極集電部材を複数個用意し、複数の正極集電部材を、それらの第一凸部が狭幅端面に略垂直に交差するようにして連続的に配置することが好ましく、このことにより複数枚の正極板を一度の照射によって接続することができる。
【0052】
一方、本発明においては、負極集電部材の第二凸部にエネルギー線を照射するに際し、連続照射が可能なエネルギー線発生装置を用いて照射することが好ましい。更に、本発明においては、配列された負極板の枚数に応じ、負極集電部材を複数個用意し、複数の負極集電部材を、それらの第一凸部が側面部に略垂直に交差するようにして連続的に配置することが好ましく、このことにより、複数枚の負極板を一度の照射によって接続することができる。
【0053】
本発明において、正極集電部材と正極板の端部が接続されるに際して、ろう材等の接合補助材料は不要ではあるが、使用されても構わない。使用される場合には、ろう材をはじめとする適当な接合補助材料が、正極板を構成する金属箔体及び/若しくは正極集電部材の所定箇所に塗布され、又は金属箔体と正極集電部材の所定箇所との間に挟持された状態でエネルギー線が照射されることが好ましい。
【0054】
一方、本発明において、負極集電部材と負極板の端部が接続されるに際しても、ろう材等の接合補助材料は不要ではあるが、使用されても構わない。使用される場合には、ろう材をはじめとする適当な接合補助材料が、負極板を構成する金属箔体及び/若しくは負極集電部材の所定箇所に塗布され、又は金属箔体と負極集電部材の所定箇所との間に挟持された状態でエネルギー線が照射されることが好ましい。
【0055】
次に、本発明のリチウム二次電池を構成する主要部材及び構造、並びに製造方法について、主として内部電極体が捲回型内部電極体である場合を例に挙げて説明する。
【0056】
正極板は、集電基板となる金属箔体の両面に正極活物質を塗工することによって作製される。金属箔体を構成する金属としては、アルミニウムやチタン等の正極電気化学反応に対する耐蝕性が良好な金属が用いられる。正極活物質としては、マンガン酸リチウム(LiMn24)やコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物が好適に用いられるが、立方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウムを用いると、他のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた場合と比較して、内部電極体の抵抗を小さくすることができるために好ましい。なお、正極活物質には、アセチレンブラック等の炭素微粉末を導電助剤として加えることが好ましく、2〜10質量%の範囲で任意に添加すればよい。
【0057】
マンガン酸リチウムの化学量論組成はLiMn24で表されるが、このような化学量論組成のものに限られず、遷移元素Mnの一部を、Tiを含み、その他に、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、B、Al、Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、Mo及びWからなる群より選択される1種類以上の元素からなる、2種類以上の元素で置換してなるLiMXMn2-X4(但し、Mは置換元素で、Xは置換量を示す。)も好適に用いられる。
【0058】
上述のような元素置換を行った場合には、そのリチウム(Li)/マンガン(Mn)比(モル比)は、マンガンをリチウムで置換したリチウム過剰の場合には(1+X)/(2−X)となる。一方、リチウム以外の置換元素Mで置換した場合には1/(2−X)となる。従って、いずれの場合であっても常にリチウム(Li)/マンガン(Mn)比>0.5となるが、本発明においてはこのようなマンガン酸リチウムを用いることが好ましく、化学量論組成(LiMn24)のものを用いた場合と比較して結晶構造が更に安定化されているため、電池に優れたサイクル特性を付与することができる。
【0059】
なお、置換元素Mにあっては、理論上、Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+2価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、Snは+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶する元素であるが、Co、Snについては+2価の場合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、Mnについては+3価、+4価の場合、Crについては+4価、+6価の場合もあり得る。従って、各種の置換元素Mは混合原子価を有する状態で存在する場合があり、また、酸素の量については、必ずしも理論化学組成で表されるように4であることを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲内で欠損して、又は過剰に存在していても構わない。
【0060】
正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に溶剤や結着剤等を添加して作製したスラリー又はペーストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス処理等が施される。
【0061】
負極板は、正極板と同様にして作製することができる。負極板を構成する集電基板としては、銅箔又はニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕性が良好な金属箔体が好適に用いられる。負極活物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化炭素材料が、更には、前記高黒鉛化炭素材料としては繊維状のものが好適に用いられる。
【0062】
セパレータとしては、マイクロポアを有するリチウムイオン透過性のポリエチレンフィルム(PEフィルム)を、多孔性のリチウムイオン透過性のポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好適に用いられる。これは、電極体の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポアが潰れ、リチウムイオンの移動、即ち電池反応を抑制する安全機構を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルムが形状を保持して正極板と負極板の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能となる。
【0063】
捲回型内部電極体を作製する場合には、セパレータを介して正極板と負極板とを巻芯の外周に捲回する。なお、積層型内部電極体を作製する場合には、巻芯を使用せず、セパレータを介して、正極板と負極板とを積層する。
【0064】
次に、非水電解液について説明する。非水電解液を構成する溶媒(有機溶媒)としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のものや、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の単独溶媒又は混合溶媒が好適に用いられる。
【0065】
電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、又は過塩素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物を挙げることができ、これらのうちの1又は2種類以上を上述した有機溶媒(混合溶媒)に溶解して用いることができる。なお、酸化分解が起こり難く非水電解液の導電性の高い六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を用いることが好ましい。
【0066】
集電部材と、電極板を構成する金属箔体との溶接方法(捲回型内部電極体の製造方法)は既述の通りであり、図6に示すように、製造した捲回型内部電極体61を電池ケース73に挿入し、電極リード部材72と集電部材(正極集電部材4A、負極集電部材4B)、及び電極内部端子(正極内部端子69A、負極内部端子69B)を接合して安定な位置にホールドする。その後、電池蓋(正極電池蓋71A、負極電池蓋71B)により電池ケース73を封ずるとともに前述の非水電解液を含浸することにより、本実施形態のリチウム二次電池(タブレス構造型のリチウム二次電池)を得ることができる。
【0067】
図6において、電極リード部材72は、接続される正極集電部材4A、正極内部端子69A、及び負極集電部材4B、負極内部端子69Bと、同種金属又はその合金により構成されていることが好ましい。具体的には、正極内部端子69A及び正極集電部材4Aにアルミニウム又はアルミニウム合金を用いた場合には、正極の電極リード部材72にアルミニウム又はアルミニウム合金を採用し、負極内部端子69B及び負極集電部材4Bに銅又は銅合金を用いた場合には、負極の電極リード部材72に銅又は銅合金を採用することが好ましい。
【0068】
電極リード部材72を用いなくとも、正極集電部材4Aと正極内部端子69A、負極集電部材4Bと負極内部端子69Bとを直接的に接続し、通電させてもよい。また、これまで述べてきたタブレス構造を有する部分を正極及び負極に用いてもよいし、正極又は負極のいずれかに用いてもよい。なお、図6中、符号70Aは正極外部端子、符号70Bは負極外部端子、符号74はくびれ加工部、及び符号75は放圧孔を示す。
【0069】
また、図7に示すように、集電部材54が、電極蓋を兼用している構成であってもよい。図7では、片端が開放された円筒形の電池ケース73を用い、その電池ケース73の片端にくびれ加工を形成した例を示しているが、集電部材54が電極蓋を兼用している構成であれば電池の形状に特に制限はなく、例えば電池ケース73の両端がくびれ加工されているもの、電池ケース73の両端が開放されたもの等を使用しても構わない。また、図7においては、正極側に放圧孔75を有する例を示しているが、負極側に放圧孔を有する構成でも構わない。
【0070】
図6、7に示すように、本実施形態のリチウム二次電池68は、捲回型内部電極体61からの電流導出部分に、電極板を構成する金属箔体と集電部材54(正極集電部材4A、負極集電部材4B)を直接的に接続した構成を採用することにより、従来の電流導出手段である集電タブを用いる必要がない。従って、煩雑な集電タブの取り付け工程が不要であり、生産性の向上を図ることができる。また、集電タブの長さの分のスペースを省くことができるため、電池全体がコンパクトである。
【0071】
以上、本発明に係るリチウム二次電池について、その実施形態を示しながら説明してきたが、本発明が上記の実施形態に限定されるものでないことはいうまでもない。また、本発明に係るリチウム二次電池は、特に、電池容量が2Ah以上である大型の電池に好適に採用されるが、このような容量以下の電池に適用することを妨げるものではない。また、本発明のリチウム二次電池は、大容量でありながらも小型化されているため、特に省スペース性が要求される車載用電池として、更には、電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用電源に用いることが好ましいとともに、高電圧を必要とされるエンジン起動用としても好適に用いることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリチウム二次電池は、正極集電部材及び負極集電部材のうちの少なくとも一方が第一及び第二凸部を有する所定形状であり、金属箔体の接続端縁に、第一凸部の突出端面を位置させた状態で第二凸部にエネルギー線を照射して、金属箔体の端部とを溶接によって接続してなるものであるため、集電部材と集電基板を構成する金属箔体との接続状態が良好であり、生産性及び省スペース性に優れているとともに内部抵抗の低減がなされたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリチウム二次電池に用いられる正極集電部材の、エネルギー線が照射される部分の一例を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明のリチウム二次電池に用いられる負極集電部材のエネルギー線が照射される部分の一例を模式的に示す斜視図である。
【図3】 本発明のリチウム二次電池を構成する集電部材の形状と、これらの溶融状態の例を示す断面図である。
【図4】 本発明のリチウム二次電池を構成する集電部材の形状の例を示す模式図である。
【図5】 本発明のリチウム二次電池における捲回型内部電極体と正極集電部材とを接続した電流導出部分の一例を示す写真のレプリカ図である。
【図6】 本発明のリチウム二次電池の一実施形態を示す断面図である。
【図7】 本発明のリチウム二次電池の別の実施形態を示す断面図である。
【図8】 従来の捲回型内部電極体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1A,1B…金属箔体、2…狭幅端面、3A…狭幅端面を含む面の法線、3B…側面部を含む面の法線、4A…正極集電部材、4B…負極集電部材、6…接続端縁、12…本体部、13…側面部、15…端部、22…正極板、23…負極板、25…正極集電タブ、26…負極集電タブ、27…セパレータ、31…第一凸部、32…第二凸部、33…溶融部、53…エネルギー線、54…集電部材、61…捲回型内部電極体、67…巻芯、68…リチウム二次電池、69A…正極内部端子、69B…負極内部端子、70A…正極外部端子、70B…負極外部端子、71A…正極電池蓋、71B…負極電池蓋、72…電極リード部材、73…電池ケース、74…くびれ加工部、75…放圧孔。

Claims (18)

  1. 少なくとも1枚の金属箔体からそれぞれ構成された正極板及び負極板がセパレータを介して捲回又は積層されてなる捲回型内部電極体又は積層型内部電極体と、前記正極板及び前記負極板の端部に、その端部から電流を導出するためにそれぞれ接続された正極集電部材及び負極集電部材とを備えたリチウム二次電池であって、
    前記正極集電部材及び前記負極集電部材のうちの少なくとも一方は、平板形状を有する本体部と、その厚み方向に位置する前記本体部の両表面から垂直で、前記両表面をそれぞれ基準として互いに反対向きに突出するとともに、前記本体部の中央から外方へ線状に連続して突出する第一凸部及び第二凸部と、を備えてなり、
    前記正極板及び前記負極板のうちの少なくとも一方の前記端部のうちの、接続されるべく配列された端縁(接続端縁)に、前記第一凸部の突出端面を、前記第一凸部の長手方向と、前記正極板又は前記負極板の径方向又は積層方向とが平行となるように配置した状態で前記第二凸部にエネルギー線を照射し、前記第二凸部、前記本体部の一部、及び前記第一凸部を溶解して、前記正極集電部材及び前記負極集電部材のうちの少なくとも一方と、前記正極板及び前記負極板のうちの少なくとも一方の前記端部とを溶接によって接続してなることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記第一凸部及び前記第二凸部が、前記本体部の中央から外方へと均一幅連続して突出するものであり、
    前記第一凸部の突出長さをL(mm)、前記第一凸部の突出端面から、前記本体部の両表面のうちの前記第二凸部が突出する側の表面までの長さをL(mm)、前記第二凸部の突出長さをL(mm)、前記第一凸部の幅をW(mm)、前記本体部の、前記第一凸部及び前記第二凸部の長手方向と直交する幅をW(mm)、前記第二凸部の幅をW(mm)としたとき、下記(1)〜(7)の関係を全て満たす請求項1に記載のリチウム二次電池。
    (1)L≧0.2
    (2)L≧0.4
    (3)L≧0.2
    (4)(L−L)≧0.1
    (5)0.2≦W≦5
    (6)(W−W)≧1
    (7)0.2≦W≦5
  3. 前記正極板の前記接続端縁の狭幅端面に、前記第一凸部の突出端面を、前記第一凸部の長手方向と、前記正極板の径方向又は積層方向とが平行となるように配置した状態で前記第二凸部にエネルギー線を照射し、前記第二凸部、前記本体部の一部、及び前記第一凸部を溶解して、前記正極集電部材と、前記正極板の前記端部とを溶接によって接続してなる請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記正極板を構成する前記金属箔体及び前記正極集電部材が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記負極板の前記接続端縁近傍の側面部に、前記第一凸部の突出端面位置させた状態で前記第二凸部にエネルギー線を照射し、前記第二凸部、前記本体部の一部、及び前記第一凸部を溶解して、前記負極集電部材と、前記負極板の前記端部とを溶接によって接続してなる請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記負極板の前記接続端縁近傍の前記側面部を、前記接続端縁近傍を屈曲させることにより、前記第一凸部の突出端面に密着して位置させた状態で前記第二凸部にエネルギー線を照射し、前記第二凸部、前記本体部の一部、及び前記第一凸部を溶解して、前記負極集電部材と、前記負極板の前記端部とを溶接によって接続してなる請求項5に記載のリチウム二次電池。
  7. 前記負極板を構成する前記金属箔体及び前記負極集電部材が、銅又は銅合金からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  8. 前記負極集電部材と、前記負極板の前記端部との接続部分において、前記負極板から前記負極集電部材の方向に延びる柱状晶が形成されてなる請求項7に記載のリチウム二次電池。
  9. 前記正極集電部材及び前記負極集電部材のうちの少なくとも一方の形状が、十字形状、Y字形状、I字形状、又は一部に切り欠きを有する円板形状である請求項1〜8のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  10. 前記正極集電部材の前記第二凸部に照射される前記エネルギー線のパワー密度が、5kW/mm以上である請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  11. 前記負極集電部材の前記第二凸部に照射される前記エネルギー線のパワー密度が、3kW/mm以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  12. 前記負極集電部材の前記第二凸部に照射される前記エネルギー線のパワー密度E(kW/mm)と、前記第一凸部の突出端面から前記第二凸部の突出端面までの長さ(L+L(mm))とが、下記式(1)を満たす請求項1〜11のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
    【数1】
    (L+L)≦E/1 …(1)
  13. 照射される前記エネルギー線のスポット径が、1mm以下である請求項1〜12のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  14. 隣り合う前記正極板及び/又は前記負極板どうしが間隙を保持して配列されてなる請求項1〜13のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  15. 電池容量が2Ah以上である請求項1〜14のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  16. 車載用電池である請求項1〜15のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  17. 電気自動車用又はハイブリッド電気自動車用である請求項16に記載のリチウム二次電池。
  18. エンジン起動用である請求項16又は17に記載のリチウム二次電池。
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