JP4531595B2 - 内燃機関用点火コイル及び自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などのエンジンのプラグホールに取り付けられ、先端部に点火プラグが装着されて使用される内燃機関用点火コイル、及びこの点火コイルを内蔵する自動車に関する。
内燃機関の単一気筒に複数の点火プラグを配置する構成に対応して、単一の装置で複数の点火プラグを駆動する点火コイルとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2004−247571
この点火コイルでは、二次コイルの中間点において、コイル巻線の巻回方向を逆転させて、同一位相の二つの放電電圧を発生させ、これを二つの点火プラグに供給することで、装置の絶縁性能を向上させると共に、エネルギー効率も有効に改善している。また、発生する二つの放電電圧が同一位相であるので、装置内部の絶縁性を維持しつつ点火コイルを小型化することもできる。
しかしながら、点火コイルを更に小型化したい要請は強く、所定の電気的性能を維持しつつ、省略可能な部分を極限的に排除することが強く望まれている。
かかる場合、例えば、単一気筒に2つの点火プラグを配置する構成において、内燃機関内の点火点の設計自由度を阻害することなく点火コイルを小型化するため、単一のコイルケースから一対のプラグブーツを非平行に突設させることが考えられる。しかし、単純にプラグブーツを非平行に突設させるだけでは、プラグブーツをプラグホールに確実に嵌合させることができず、防水性が阻害されるなどの新たな問題点が生じる。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、性能を悪化させることなく更に小型化した点火コイルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、一次コイルと二次コイルをコイルケースに収容し、前記コイルケースに形成された一対の突出部に一対のプラグブーツを嵌合して、二つプラグブーツを非平行に突出させて傾斜角θを形成し、一対のプラグブーツと同様に非平行に形成された二つのプラグホールに挿入される各プラグブーツを通して、二つの点火プラグに各々放電電圧を供給する点火コイルであって、前記コイルケースの底面は、同一平面上に存在しない第一底面と第二底面とを備え、第二底面は、第一底面に対して傾斜角θで立上る一方、前記一対の突出部は、第一底面と第二底面にほぼ直交してそれぞれ突設されることで、一対のプラグブーツが非平行に突出され、前記プラグブーツは、筒状に構成された本体部と、前記本体部より大径であって前記本体部の基端側に同心状に形成される円環部とを有する弾性体であり、前記一対の突出部の突設方向に対応して隆起させたプラグホール受入口に、前記円環部を外嵌させるようにした。
本発明では、プラグブーツをプラグホールに挿入して点火コイルを内燃機関に取り付けると、プラグブーツの基端側に形成された円環部が弾性変形して、隆起したプラグホール受入口に最適に嵌合する。
本発明の第一底面と第二底面とは、好ましくは、それぞれケース背面にほぼ直交し、前記ケース背面より外側には、前記第一底面と第二底面の延長部が設けられ、前記延長部は、前記プラグブーツの基端面に当接している。また好ましくは、前記コイルケースは、正面が開口した箱型に形成され、前記2つの突出部の間の背面形状は、前記延長部の基端から略垂直に立上る第一背面と、断面コ字状に膨出した第二背面と、前記二次コイルの外形に対応する断面形状を有する第三背面とが連続形成されている。また本発明は、請求項1〜3の何れかに記載の点火コイルを備える自動車でもある。
以上説明した本発明によれば、性能を悪化させることなく更に小型化した点火コイル、及びそのような点火コイルを備える自動車を実現できる。
以下、実施例に係る内燃機関用点火コイルの構成を説明する。図1は、実施例に係る点火コイルについて、正面図(a)と、背面図(b)と、左側面図(c)とを図示したものである。なお、コイルケース1の内部には、エポキシ樹脂が充填されているため、正面図(a)には、一次コイルや二次コイルが現れない。
図1(a)に示すように、この点火コイルは、一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケース1と、点火駆動回路からの出力信号を受ける入力端子部2と、二次コイルから発生される放電電圧を点火プラグに供給する一対のプラグブーツ3,3とを中心に構成されている。ここで、一対のプラグブーツ3,3は、互いの中心軸が、所定角度θだけ傾斜している。
また、入力端子部2は、コイルケース1の側部に形成された収納穴4に、その半分程度が内挿されている。そして、入力端子部2の残り半分程度は、コイルケース1から突出している(図1(c))。この入力端子部2には、3本の接続端子2a〜2cが設けられているが、その二つ2a,2bは内部的に接続されており(図8)、実質的には二本の接続端子として機能する。
プラグブーツ3は、コイルケース1の底板から突出する2つの突出部5A,5B(図3(a))に外嵌されている。このプラグブーツ3には、導電性のスプリングSPRが内蔵されており、スプリングSPRを通して2つの点火プラグに放電電圧が供給される。なお、図1には、点火コイルを取付けるためのボルトBTも図示されている。
図2は、弾性体であるプラグブーツ3と、金属製スプリングSPNとを示す図面である。プラブブーツ3は、6本の突条PR1〜PR6が延設される本体部3Bと、本体部3Bより大径でコイルケース1に当接される基端部3Aとで構成されている。基端部3Aは、略円板状の当接部80と、当接部80や本体部3Bより小径の連結部81と、連結部3Cから本体部3Bに至る大径突出部82とで構成されている。なお、大径突出部82は、弾性変形してプラグホースの内面に密に当接される部分である。
当接部80の基端側には、当接部80と同心状に形成された円周溝90と、円周溝90の一部から基端部3Aを軸方向に貫通する軸方向穴91と、円周溝90を外部に連絡する径方向溝92とが設けられている。これら軸方向穴91、円周溝90、及び径方向溝92は、プラグホール内で膨張した空気を逃がすガス通路として機能する。
一方、当接部80の先端側には、径方向外側に広がる円環部80Aが形成されている。この円環部80Aはブーツ本体部3Bと同心状に形成され、先端側ほど外周が大径となり、且つ肉薄に形成されている。言い換えると、円環部80Aは、基端側ほど肉厚になるように内径が縮径されて構成されている。そのため、運転時の強烈な振動に拘わらず、プラグホールの受入口に、プラグブーツ3の基端部3Aが安定的に係合して、確実な装着性と防水性とを発揮する。
図12は、プラグホールへの装着状態を説明する図面である。本実施例の点火コイルを装着するプラグホールPH1,PH2は、プラグホール3,3の軸方向に対応して、互いの中心軸が所定角度θだけ傾いて構成されている。図示例では、プラグホールPH1が鉛直方向に形成されているのに対して、プラグホールPH2は、鉛直方向からθだけ傾斜して形成されている。なお、この傾斜角θは、一対のプラグブーツ3,3の中心軸の傾斜角θと同じである。
そして、プラグホールの上端には、各プラグホールPH1,PH2の中心軸の方向に隆起させた円筒状の受入口IN1,IN2が形成されている。この受入口IN1,IN2は、円環部80Aの広がり角度に対応したテーパ面TPを有している。そのため、プラグブーツ3,3をプラグホールPH1,PH2に挿入して、コイルケース1に装着されたボルトBTを締め付けると、プラグブーツ3の円環部80Aの内周面が、弾性変形によってやや広がりつつ、前記テーパ面TPに沿って挿入される。その結果、プラグブーツ3,3が受入口IN1,IN2にぴったり液密に外嵌されることになる。
特に本実施例では、コイルケース1の底面1Cは、水平部1Cと傾斜部1Cとに区分され、傾斜部1Cは水平部1Cに連続して所定角度θで立上がっている(この点は更に後述する)。そのため、プラグブーツ3の当接部80が最適に加圧されることになり、円環部80Aの弾性変形に無理がなく、また、コイルケース1の底面は、円周溝90や径方向溝92を残しつつ、プラグブーツ3の当接部80に液密に当接される。
以下、点火コイルの他の構成部材についても詳細に説明する。図3は、コイルケース1の構成を詳細に図示したものであり、正面図(a)、底面図(b)、右側面図(c)、背面図(d)、及びα−α断面図(e)である。図4は、コイルケース1を示す正面図(a)と、左側面図(b)と、平面図(c)である。なお、図4には、一次コイル6と二次コイル7とを組み合わせ、その磁路に環状鉄心8を配置してなるコイル組立体CLも示されている。また、図4の矢印は、コイル組立体CLのコイルケース1に対する挿入方向を示している。
図3(a)に示す通り、コイルケース1は、ケース上面1Aとケース背面1Bとケース底面1Cと左側面1Dと右側面1Eとによって、正面のみが開口した箱型に形成されている。ここで、ケース上面1Aは、ほぼ水平に形成され、ケース右側面1Eは、ケース上面1Aにほぼ直交して形成されている。
ケース右側面1Eの内側には、薄い仕切り壁9で仕切られて、入力端子部2を配置するための収納穴4が設けられている。そして、この収容穴4の天上面4Aは、ケース上面1Aに連設される立下り側面1Fと、ケース右側面1Eとを連絡している。一方、収容穴4の床面4Bは、ケース底面1Cに連設される立上り側面1Gと、ケース右側面1Eとを連絡している。また、収納穴4及びケース右側面1Eの背面側には、ボルト装着部SET1が設けられている。
ケース左側面1Dは、その上下方向のほぼ中央を外側に膨出されて断面コ字状の中空部HOを形成している。また、中空部HOの外側には、ボルト装着部SET2が設けられている。
ケース底面1Cは、ケース上面1Aと平行な水平部1Cと、水平部1Cから所定角度θ(好ましくは3〜8度程度)で立上る傾斜部1Cと、ケース背面1Bより外側に板状に延びる延長部1Cに区分される。そして、水平部1Cと傾斜部1Cの最奥部には、突出部5A,5Bが外向きに突出形成されている。突出部5A,5Bは、プラグブーツの係合部JKを有する円筒形状であり、各底面1C,1Cに直交して形成されている。そのため、突出部5Aは、図示の状態では垂直下方に延設されるが、突出部5Bは、垂直下方から外向きに所定角度θ広がって延設される。なお、この角度θは、プラグブーツ3,3の傾斜角度θと同じである。
また、ケース底面1Cには、突出部5A,5Bに連通して、その中心に貫通穴16,16が形成されている。この貫通穴16は、コイルケース1内にコイル組立体CLを固定するための取付けビスBS(図11(c)参照)を通過させるものである。取付けビスBSは、導電性を有しており、プラグブーツ3に内装されているスプリングSPRと、二次コイルの出力端子とを電気的に接続する。
ケース底面1Cの延長部1Cは、各貫通穴16,16を中心とする円弧縁OT,OTを有している。このような円弧縁OTを有する延長部1Cは、突出部5A,5Bにプラグブーツ3,3を嵌合させたとき、ケース底面1C,1Cと共に機能して、プラブブーツ3の基端面3Aがコイルケース1にぴったり当接される当接面となる。
すなわち、この点火コイルをプラグホールに挿入し、ボルトBT,BTを締め付けると、プラグブーツの基端部3Aが適度に弾性変形して、径方向溝92を残しつつ、基端部3Aの全体がコイルケースのケース底面1Cに密着する。そして、このコイルケース1が必要最小限の大きさであって余分な空間を占有しないので、エンジンに関連する他の部材を配置する上での自由度が高い。また、円弧縁OTの円弧中心には、確実に二次コイルの高圧出力端子37,38が位置決めされるので、最小限の大きさのコイルケース1の内部に各部材が精度よく組み付けられる。以下、組付け精度の高さ、及び製造の容易性を含めて更に詳細に説明する。
図3(a)に示すように、ケース底面1Cの内側には、内向きに突出するリブ13,14,15が形成されている。これらは、コイルケース1を強化する補強片であると共に、二次コイル7をコイルケース1に受け入れる際に、位置決め片として機能する。位置決め片13は、β断面図に示すように、背面1B及び底面1Cから内向きに薄板状に突出形成されている。また、中央の位置決め片(係合部)14は、2つの突出部5A,5Bの間に配置されるが、γ断面図に示すように、背面1B及び底面1Cから内向きに薄板状に突設されて形成されている。この位置決め片15は、前後方向に短い本体部14Aと、本体部14Aから更に前方に延びる突出部14Bとに区分される。
一方、位置決め片15は、δ断面図に示すように、背面1B、立上り側面1G、及び底面1Cから内向きにやや厚板状に突出形成されている。この位置決め片15は、前後方向に薄い本体部15Aと、本体部15Aから更に前方に延びる突出部15Bとに区分される。ここで、位置決め片13と、位置決め片14の本体部14Aと、位置決め片15の本体部15Aとは、前方に向けて略同一長さ突出して、コイルケース1に受け入れるコイル組立体CLに対して、それ以上の挿入を阻止するストッパとして機能する。一方、位置決め片14の突出部14Bは、コイル組立体CLのターミナル基板36に形成された係合溝51に嵌合する係合片として機能し、位置決め片15の突出部15Bは、ターミナル基板36の保持片として機能する。
ケース背面1Bは、図3(e)に示すように、ケース底面1Cの延長部1Cの基端から略垂直に立上る第一背面1Bと、断面コ字状に膨出して中空部HOを形成する第二背面1Bと、二次コイルの外形(図6(b)図11(c)参照)に対応する形状をもって、緩やかに傾斜してケース上面1Aに至る第三背面1Bとが連設されて構成されている。
ここで、第二背面1Bが形成する中空部HOは、右側面1Dが形成する中空部HOと同一平面上で連通して、全体として、二次コイル7から露出する中心鉄心8に対応した形状を構成する。なお、収納穴4に近接して係止段部12が形成されて、中空部HOの一部を形成している。
コイルケース1は、上記のように構成されることで、全体として、略直方形のコイル収納空間10と、入力端子部2のための収納穴4とに区分される。そして、先に説明したように、コイル収納空間10の上下方向中央には、側面及び背面から膨出する中空部HOによって、環状鉄心8を受け入れて保持する保持溝11が形成される(図4(a)(b))。
図5は、一次コイル6と、一次コイル6に配置される環状鉄心8とを図示したものである。図5(a)は、図4(c)に対応する平面図、図5(b)は、一次コイル6の背面図、図5(c)は、図5(b)の右側面図である。
一次コイル6は、中空で四角柱状に形成された一次ボビン20と、一次ボビン20の外周に巻回された一次巻線21と、一次巻線21の巻線端子22,23とで構成されている。一次ボビン20の軸方向中央には、径方向内向きに4箇所の位置決めリブRBが設けられ、一次ボビン20の左右から挿入される中心鉄心8A,8Bのストッパとして機能している。また、一次ボビン20の両側には、フランジ20a,20bが形成されている。ここで、フランジ20aは、二次コイル7の中空部OPN(図6)に進入可能な大きさであるが、フランジ20bには、中空部OPNに進入不能な係止片CNが設けられ、二次コイル7の中に一次コイル6を組付ける際の位置決め片として機能する。
巻線端子22は、L字状に屈曲された始点部22aと、始点部22aに直交して延設される接続部22bとが一体構成されている(図5(c))。また、巻線端子23は、直線的に延びる終点部23aと、終点部23aに直交して延設される接続部23bとが一体構成されている。始点部22aは、一次巻線21の巻き始め箇所、また、終点部23aは一次巻線21の巻き終り箇所であり、それぞれ一次巻線21が巻き付けられ半田付けされている。また、始点部22aのL字状先端TOPは、後述するターミナル基板36のダイオード出力端子39に接続される。
一方、接続部22bと接続部23bは、それぞれ入力端子部の接続端子2cと接続端子2a(2b)に接続される。このような構成の一次ボビン20及び一次巻線21には、平面視コ字状で断面矩形状の積層珪素鋼板8A,8Bが両側から挿入されて環状鉄心8が配置される(図5(a)参照)。ここで、一次ボビン20から露出する各珪素鋼板8の外周面には、適当な弾性を有し耐熱性に優れたプラスチック製の緩衝カバーCVが設けられている。
これは、コイルケース1に充填されるエポキシ樹脂と環状鉄心(珪素鋼板)8との熱膨張率の差による冷熱ストレスによって、環状鉄心8の周りのエポキシ樹脂にクラックが発生するのを防止するためである。すなわち、一次ボビン20から露出する珪素鋼板の外周面を緩衝カバーCVで覆うことによって、珪素鋼板に対面する二次コイル7との絶縁を確実にすると共に、冷熱ストレスを緩和してクラックの発生を防止している。なお、2つの積層珪素鋼板8A,8Bの当接面や、一次ボビン20への挿入箇所は、珪素鋼板が露出している。
図6は、一次コイル6の外側に配置される二次コイル7を示す底面図(a)とその左右側面図(b)(c)、及びA−A断面図(d)である。図7は、二次コイル7の底面にターミナル基板36を装着した状態を示す底面図(a)とその左右側面図(b)(c)である。また、図8は、一次コイル6と二次コイル7の接続関係を示す等価回路である。なお、図7(d)(e)は、ターミナル基板36の二次ボビン30への装着方法を示している。
図6(a)及び図7(a)に示すように、二次コイル7は、中空部OPNを有する四角柱状で、多数のフランジFGを設けた二次ボビン30と、二次ボビン30に巻回される二次巻線31と、二次巻線31の巻線端子32,33,34,35と、ターミナル基板36とで構成されている。ターミナル基板36には、二次コイルの出力端子37,38と、ダイオード出力端子39とが設けられ、また、ダイオードD1,D2が搭載されるよう凹部50が形成されている(図10(a)参照)。
二次コイル7は、詳細には、巻線端子32,33間の第一部7Aと、巻線端子34,35間の第二部7Bとに区分されており(図8)、第一部7Aと第二部7Bでは、巻線方向が逆転している。そのため、巻線端子35と巻線端子32の誘起電圧は、ダイオードD1,D2の接続点CTを基準に同位相となり、そのため2つのプラグPG1,PG2は同一タイミングで放電することになる(図8)。このことの利点は特許文献1に記載の通りであり、点火コイル全体の絶縁負荷を大きく軽減することができる。
図6(d)に示すように、巻線端子32〜35は、全てJ字状に形成され、それぞれの両端には、二次巻線31の巻着部32a,33a,34a,35aと、ターミナル基板36への連結部32b,33b,34b,35bが設けられている。連結部32b,33b,34b,35bは、二次コイル7の各部と、ターミナル基板36の各部とを電気的に接続すると共に、ターミナル基板36を二次ボビン30に固定する役目を果たしている。すなわち、ターミナル基板36は、二次ボビン30から突出する四本の連結部の金属導線32b,33b,34b,35bによって位置決めされて二次ボビン30に固定される。
図6及び図7に示すように、二次ボビン30のフランジFG3の外側端面には、肉盗みが施されて凹部80が形成されている。凹部80は、矩形凹溝80A,80Bと丸凹溝80Cとに区分され、全体として中空部OPNを囲むように形成されている。そして、何れの凹部80A〜80Cも、終点フランジFG3の厚さの半分程度まで掘設されて構成されている。
このように、本実施例の二次ボビン30では、高圧端子たる金属導線35aを保持するフランジFG3の外側端面の全体に、凹部80が形成されている。そのため、他の部材6,8と共に二次コイル7をコイルケース1に収容した後(図4(c)参照)、コイルケース1全体にエポキシ樹脂を充填して硬化させると、二次ボビン30とエポキシ樹脂の接触面積が大きい分だけ、二次ボビン30を確実にエポキシ樹脂と一体化させることができる。
そのため、その後の経年使用でも、エポキシ樹脂が二次ボビン30の側面から剥離することが防止され、絶縁破壊が有効に防止される。また、仮に、二次コイル7の高圧端子35aを基点としてクラックが発生しても、そのクラックが一次コイル6に向かって進行する経路が、凹部溝80の分だけ長いので、絶縁破壊までの耐久年数を延ばすことができる。
図9及び図10は、ターミナル基板36の構成及びその製作方法を説明する図面である。この実施例では、インサート成形法によってターミナル基板36を製作しており、具体的には、図9(a)に示す導体板40を配置した状態で、プラスチック成形型にプラスチック材を流し込み、その後、導体板40の不要部分(図10(b)斜線部40a)を除去して、図10(a)に示すターミナル基板36を完成させる。なお、図10(a)において、網掛け部分が硬化したプラスチック材の部分である。
本実施例では、一体化した導体板40に、プラスチック材を流し込むインサート成形法を採用するので、導体板40に配置された各部材の位置精度が高く、そのため、二次ボビン30から突出する四本の連結部(金属導線)32b,33b,34b,35bだけで、ターミナル基板36を二次ボビン30に取り付けることができる。すなわち、ターミナル基板36を二次ボビン30に固定するための固定片を、ターミナル基板36や二次ボビン30に特に設ける必要がない。
図9(a)に示すように、導体板40には、ダイオード出力端子39と、ダイオードD1,D2のリード線を受け入れる係合爪41〜43と、巻線端子33,34の金属導線33b,34bを受け入れる位置決め穴45,46と、巻線端子32,35の金属導線32b,35bを受け入れる位置決め穴47,48と、二次コイルの出力端子37,38とが設けられている。要部拡大図に示すように、出力端子37,38は、他の部分より突出して形成され、また出力端子37,38にはネジ穴が形成されている。
また、出力端子37は、導体板40と平行な頂上面を有しているが、出力端子38は、導体板40より所定角度θ傾斜した頂上面を有している。これは、ターミナル基板36を二次コイル7に装着して完成させたコイル組立体CLを、コイルケース1に収容するとき(図4(c)参照)、出力端子37が、ケース底面の水平部1Cの上に位置するのに対して、出力端子38が、ケース底面の傾斜部1Cの上に位置するためである。なお、出力端子38のネジ穴も傾斜して形成されている。
先に説明したように、図9(a)に示す導体板40を保持した状態で、図10(a)の斜線の内側にプラスチック材が流し込まれる。そして、その後プラスチック材が硬化した状態で、六箇所の切断箇所C1〜C6を切断すると図10(b)に示すターミナル基板36が完成する。プラスチック成形型は、ターミナル基板36の複雑な凹凸形状に対応しており、ダイオードD1,D2を搭載する凹部50や、コイルケース1の係合リブ14に係合する係合溝51などが一気に形成される。
このようにして完成したターミナル基板36は、図6に示す二次コイル7の上に載置される。この場合、導体板40の各部材の位置精度が高く、且つ、位置決め穴45,46,47,48は、二次ボビン30から直立する各巻線端子の金属導線33b,34b,32b,35bのワイヤ径より適度に大きいので、金属導線33b,34b,32b,35bは、確実に位置決め穴45,46,47,48を通過してターミナル基板36から突出する。そして、二次ボビン30から突出する複数の金属導線33b,34b,32b,35bが、ターミナル基板36を通過することによって、二次ボビン30とターミナル基板36とが正しく位置決めされる。
そこで、次に、突出した巻線端子の金属導線33b,34b,32b,35bを約90度、折り曲げることによって、二次コイル7とターミナル基板36の組付けが完了し(図7(d)(e))、その後、該当箇所が半田付けされる。この作業によってターミナル基板36が二次コイル7(二次ボビン30)に固定されるので、この完成状態の二次コイル7の二次ボビン30の中空部OPNに、図5(a)に示す一次コイル6が挿入される。この時、一次コイル6の巻線端子22における、L字状に屈曲された始点部22aが、ダイオード出力端子39の位置に合うように挿入される。
そして、一次コイル6の始点部22aとダイオード出力端子39とを半田付けすると共に、一次ボビン20の両側から環状鉄心8A,8Bを挿入する。図4(c)に略記したコイル組立体CLは、この状態を図示したものであり、一次巻線21の巻線端子23の接続部23bが現れている。
次に、一次巻線21の巻線端子22,23の接続部22b,23bに、入力端子部2の接続端子2a〜2cを接続する。具体的には、接続端子2aを接続部23bに固定し、接続端子2cを接続部22bに固定する。最後に、この状態で、図4の矢印に示すように、コイル組立体CLと入力端子部2をコイルケース1に挿入して収容する。
この時、二次コイル7から露出する中心鉄心8は、コイルケース1の形成された保持溝11に嵌合して保持される。また、コイル組立体CLをコイルケース1に挿入すると、コイルケース1の係合リブ14と、ターミナル基板36の係合溝51とが係合して、コイルケース1の中にターミナル基板36が正しく位置決めされる。同様に、他の位置決め片(リブ)13,15もターミナル基板36の適所に当接してコイル組立体CLを正しく位置決めする。なお、3つのリブ13〜15がコイル組立体CLの進入を阻止するので、コイル組立体CLとコイルケースの背面には適度なスペースが生成され、コイル組立体CL内部へのエポキシ樹脂の充填を容易にする。
図11は、コイルケース1にコイル組立体CLと入力端子部2が収納された状態を示す正面図(a)、底面図(b)、及び右側面一部断面図(c)である。コイル組立体CLをコイルケース1の限界位置まで挿入すると、二次コイルの出力端子37,38と、コイルケース1の2つの貫通穴16,16の位置が合うようになっている。そこで、突出部5A,5Bを通して、取付けビスBSを挿入し、出力端子37,38にネジ込むことによって、コイル組立体CLの取り付けが完了する。
なお、貫通穴16,16は、取付けビスBSの外径より適度に大きく形成されているので、コイルケース1に対するターミナル基板36の位置ズレが仮にあっても、その位置ズレは、取付けビスBSをネジ込むことで解消される。そして、最後にエポキシ樹脂を充填して硬化させ、プラグブーツを装着すると点火コイルが完成する。この場合、エポキシ樹脂は、終点フランジFG3の凹部80に行き渡って充填され、コイルケース1と二次コイル7を確実に一体化する。
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、上記の記載内容は一例を示したに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱することなく適宜に変更可能である。
本発明の点火コイルの一実施例を示す正面図(a)、背面図(b)、左側面図(c)である。 プラグブーツの構成を示す図面である。 コイルケースの詳細構成を示す正面図(a)、底面図(b)、右側面図(c)、背面図(d)、α断面図(e)である。 コイルケースの正面図(a)左側面図(b)、平面図(c)である。 一次コイルの平面図(a)、背面図(b)、背面右側面図である。 二次コイルの底面図(a)、左側面図(b)、右側面図(c)、及びA−A断面図である。 ターミナル基板を取り付けた二次コイルの底面図(a)、左側面図(b)、及び右側面図(c)である。 点火コイルの電気的等価回路である。 導体板を説明する図面である。 インサート成形を説明する図面である。 コイルケースに収容されたコイル組立体を示す正面図(a)、底面図(b)、右側面図(c)である。 実施例の点火コイルをプラグホールに装着した状態を図示したものである。
符号の説明
1 コイルケース
1C 第一底面
1C 第二底面
3 プラグブーツ
3B 本体部
5A,5B 突出部
6 一次コイル
7 二次コイル
80 円環部
IN1,IN2 プラグホール受入口
PG 点火プラグ

Claims (4)

  1. 一次コイルと二次コイルをコイルケースに収容し、前記コイルケースに形成された一対の突出部に一対のプラグブーツを嵌合して、二つプラグブーツを非平行に突出させて傾斜角θを形成し、
    一対のプラグブーツと同様に非平行に形成された二つのプラグホールに挿入される各プラグブーツを通して、二つの点火プラグに各々放電電圧を供給する点火コイルであって、
    前記コイルケースの底面は、同一平面上に存在しない第一底面と第二底面とを備え、第二底面は、第一底面に対して傾斜角θで立上る一方、前記一対の突出部は、第一底面と第二底面にほぼ直交してそれぞれ突設されることで、一対のプラグブーツが非平行に突出され、
    前記プラグブーツは、筒状に構成された本体部と、前記本体部より大径であって前記本体部の基端側に同心状に形成される円環部とを有する弾性体であり、
    前記一対の突出部の突設方向に対応して隆起させたプラグホール受入口に、前記円環部を外嵌させるようにしたことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 前記円環部は、先端側ほど外周が大径となり、且つ肉薄に形成されており、
    前記第一底面と第二底面とは、それぞれケース背面にほぼ直交し、前記ケース背面より外側には、前記第一底面と第二底面の延長部が設けられ、
    前記延長部は、前記プラグブーツの基端面に当接している請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
  3. 前記二つの点火プラグは、単一の気筒に配置されている請求項1又は2に記載の内燃機関用点火コイル。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の点火コイルを備える自動車。
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